JP2021169583A - ポリオレフィン微多孔膜の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】電池の能力ばらつきの抑制に寄与することができる電池用セパレータを提供する。【解決手段】(a)ポリオレフィン系樹脂及び孔形成材料を含む樹脂組成物を溶融混練して押出す押出工程、(b)前記混練された樹脂を口金からシート状に吐出し、冷却固化するシート成形工程、(c)前記(b)工程で得られたシート状成形物を、縦方向および横方向に延伸する二軸延伸機を用いて延伸する一次延伸工程、(d)前記(c)工程で得られた延伸シートから孔形成材料を抽出する工程、及び(e)前記(d)工程で得られたシートを、少なくとも一軸方向に1.1倍以上延伸する二次延伸工程を含み、前記(e)工程における二次延伸のパス長の内の延伸区間が9%以上、20%以下であるポリオレフィン微多孔膜の製造方法。【選択図】なし

Description

本発明はポリオレフィン微多孔膜の製造方法に関する。
ポリオレフィン微多孔膜は物質の分離や選択透過などに用いられる分離膜、アルカリ二次電池、リチウム二次電池など電気化学素子の隔離材などに広く使用されている。特にリチウム二次電池用のバッテリーセパレータフィルムとして好適に使用されている。
近々のリチウムイオン二次電池、特に電気自動車の市場拡大に伴い、電池の高出力化、高安全化が求められているため、セパレータフィルムの性能としては、薄膜化、高強度化が求められる。その中でも特に膜厚の偏差や、幅方向の物性ムラは重要であり、セパレータをリチウムイオン二次電池として使用した場合に、充放電により電池は発熱する。このときセパレータが熱により収縮、緩和するため、応力が発生する。応力が発生した際に厚み偏差が大きい場合には、厚みの薄い部分に応力が集中してしまい、破膜リスクが高まる。
特許文献1で、ポリオレフィン樹脂からなるリチウムイオン二次電池用セパレータに関し、孔形成材料を含んだ状態で延伸する一次延伸工程を経た後、孔形成材料抽出後の二次延伸工程において、延伸段数を2段以上10段以下とし、後段のひずみ速度を大きくすることでシートの表裏の結晶化状態の差異を相殺できるため、耐カール性に優れる微多孔膜を提供することが記載されている。
特許文献2ではひずみ速度を60%/秒以上とすることで自己放電特性に優れるポリオレフィン微多孔膜が得られることを見出している。特許文献2では、ひずみ速度を設定することで自己放電特性に優れるセパレータを提供している。ひずみ速度が高いと延伸応力は増大し、均一な延伸を行うため自己放電特性に優れるポリオレフィン微多孔膜を提供すると記載されている。一方で、延伸の均一性は、ひずみ速度、延伸応力、延伸温度、延伸区間などの組み合わせにより決定される。
特許2016−121354 特開6100022
微多孔膜を用いた電池においては、電池用セパレータの用途拡大のための自己放電特性改善に向け、薄膜かつ高強度化が求められる。薄膜の製品について、製品間に突き刺し強度や、引張強度にムラが生じると、応力集中により、破膜リスクが増大するため、均質化が求められる。そこで、本発明の目的は、電池の能力ばらつきの抑制に寄与することができる電池用セパレータを提供することにある。
本発明では、ポリオレフィン系樹脂と孔形成材料を溶融混錬し成形したシートを、孔形成材料を抽出する前の延伸(一次延伸)及び孔形成材料を抽出した後の延伸(二次延伸)を採用する湿式法において、二次延伸工程として少なくとも2つ以上のロールを用いるロール延伸を採用している。二次延伸工程は、フィルムがロールと接触し把持されることでフィルムが延伸されない非延伸区間と、フィルムとロールが非接触であり、隣接するロールの接線間において前後のロールで速度差をつけることにより、フィルムの延伸を行う延伸区間から成る。本発明では、ロール径や、延伸段数およびロール間距離を変更し、第二延伸における延伸工程における延伸区間が、延伸工程の全パス長に占める割合を調整することで、リチウム二次電池用セパレータとした時、品質均一性に優れるポリオレフィン微多孔膜の製造方法を見出したため本発明に至った。
すなわち本発明は以下のとおりである。
(1)
(a)ポリオレフィン系樹脂及び孔形成材料を含む樹脂組成物を溶融混練して押出す押出工程、
(b)前記混練された樹脂を口金からシート状に吐出し、冷却固化するシート成形工程、
(c)前記(b)工程で得られたシート状成形物を、縦方向および横方向に延伸する二軸延伸機を用いて延伸する一次延伸工程、
(d)前記(c)工程で得られた延伸シートから孔形成材料を抽出する工程、及び
(e)前記(d)工程で得られたシートを、少なくとも一軸方向に1.1倍以上延伸する二次延伸工程を含み、前記(e)工程における二次延伸のパス長の内の延伸区間が9%以上,20%以下であるポリオレフィン微多孔膜の製造方法。
(2)
前記(e)工程において延伸温度が80℃以上115℃以下からなる請求項1記載のポリオレフィン微多孔膜の製造方法。
本発明によれば、リチウムイオン二次電池用セパレータとして使用する際に、延伸ムラや延伸時のネックインを制御可能であり、均質性に優れるポリオレフィン微多孔膜を提供することができる。これによって、セパレータとして使用した際に、膜内の微多孔構造の不均一に起因される応力集中が起きづらく、破膜リスクが減り、安全性の高いセパレータフィルムを提供することができる。
実施例1の概略図 実施例2の概略図 比較例3の概略図 比較例5の概略図
各図中、「11」は微多孔プラスチックフィルム、「21」は延伸ロールであり、「31」は延伸区間、「32」は非延伸区間を表している。また、各ロールの中心部分を通るように描画した破線は、水平面を示している。
以下、本発明を実施するための形態について詳細に説明する。なお、本発明は、下記の実施形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で種々変形して実施することができる。
本実施の形態製造方法は以下の(a)から(e)の各工程を含む。
(a)ポリオレフィン系樹脂及び孔形成材料を含む樹脂組成物を溶融混練して押出す押出工程、
(b)前記混練された樹脂を口金からシート状に吐出し、冷却固化するシート成形工程、
(c)前記(b)工程で得られたシート状成形物を、縦方向および横方向に延伸する二軸延伸機を用いて延伸する一次延伸工程、
(d)前記(c)工程で得られた延伸シートから孔形成材料を抽出する工程、及び
(e)前記(d)工程で得られたシートを、少なくとも一軸方向に1.1倍以上延伸する二次延伸工程を含み、前記(e)工程における二次延伸のパス長の内の延伸区間が9%以上,20%以下であるポリオレフィン微多孔膜の製造方法。
ポリオレフィン微多孔膜はポリオレフィンを主成分として含み、ポリオレフィンは特に限定されないが、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレンなどが挙げられる。ポリエチレンとしては、種々のポリエチレンを用いることができ、超高分子量ポリエチレン、高密度ポリエチレン、分岐高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、分岐状低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレンなどが挙げられる。ポリオレフィンはポリオレフィン微多孔膜100質量%に対して90質量%以上含むことが好ましい。
ポリエチレン樹脂の質量平均分子量(Mw)は特に制限されないが、通常1×10〜1.5×10の範囲内であり、好ましくは1×10〜5×10の範囲内であり、より好ましくは1×10〜4×10の範囲内である。また、一般的にポリエチレンのMwが1×106よりも大きいとき、超高分子量ポリエチレンと定義される。ポリオレフィン樹脂組成物中のその他の樹脂成分、または添加剤の含有量は、本発明による所望の効果を妨げない範囲で適宜、調節できるものとする。例えば、酸化防止剤、熱安定剤、帯電防止剤、紫外線吸収剤、ブロッキング防止剤や充填剤、結晶造核剤、結晶化遅延剤等の各種添加剤を含有させてもよい。
本実施形態においてポリエチレン樹脂に添加する孔形成材料、ここでは可塑剤とする。可塑剤としては、ノナン、デカン、デカリン、パラキシレン、ウンデカン、ドデカン、流動パラフィン等の脂肪族もしくは環式の炭化水素は、ポリオレフィン樹脂がポリエチレンやポロプロピレンである場合に相溶性が高く、溶液が均一となるため、好ましい。また、製膜時の含有量を安定させる観点から、前記、孔形成材料には、不揮発性溶媒を用いることがより好ましい。なお、これらの可塑剤は、抽出、蒸留、還流などの操作により、回収して再利用してよいものとする。
ポリオレフィン樹脂と可塑剤の比率は、特に限定されないが、ポリオレフィン樹脂組成物と可塑剤からなる組成物中に占める可塑剤の質量分率は好ましくは50〜90質量%とする。可塑剤の質量分率が90質量%以下であると、シートの成形性が向上し、強度も増大しやすく、50質量%以上であるとセパレータに必要な孔構造を形成しやすい。
(a)工程における混練の方法としては、特に限定されないが、ポリオレフィン樹脂および可塑剤を所定の配合にて一軸押出し機、または二軸押出し機などのスクリュー押出し機により溶融混錬を行う。
溶融混錬時の温度は、180℃以上が好ましく、300℃未満が好ましい。180℃未満においては樹脂の溶融が不完全であり、ポリオレフィンと可塑剤が均一に混ざりにくく、吐出精度が不安定となるため好ましくない。また、300℃以上に置いては樹脂の劣化により、強度が低下するため好ましくない。
次いで、(b)のシート成形工程において、(a)工程において得られた溶融混錬物を、ダイにてシート状に成形した後、温度制御した金属ロールまたは金属板と接触させることにより冷却固化させる。この場合の金属ロールおよび金属板の温度は20−50℃が好ましい。
次に(c)工程において、シート成形工程を経て得られたシート状成形物を、二軸延伸する。延伸方法は特に限定されないが、加熱後、テンター法、ロール法、インフレーション法またはこれらの組み合わせにより所定の倍率で延伸するのが好ましい。(d)の抽出工程より前に行う延伸工程を「一次延伸」とする。一次延伸は、ロール延伸機およびテンターの組み合わせによる二軸延伸を行う。
一次延伸の二軸延伸の面積倍率は9倍以上がより好ましい。また、MD,TD方向の倍率は互いに同じでも異なってもよいが、面積延伸倍率を9倍以上とすることで、突き刺し強度、および引張強度の向上が期待できる。なお、ここでの延伸倍率は、延伸前のシートを基準とした際の面積延伸倍率である。
一次延伸の延伸温度は、シートの融点−20℃以上かつ融点未満の温度であることが望ましい。延伸温度が低いと、耐熱収縮性に乏しくなり、結晶の運動性が低いため、均一な延伸が難しい。また、延伸温度が融点を超えると、孔が閉塞してしまいセパレータとして使用しにくいことや、延伸しても分子鎖を配向させることができず、強度を上げにくくなる。
工程(d)において、工程(c)により得られた一次延伸フィルムから、溶剤を除去するため、延伸フィルムから可塑剤の除去を行う。このときに用いる洗浄用のプロセス溶剤は特に限定しないが、置換後の抽出、除去が容易である揮発性溶媒などが好ましい。(d)工程にて用いるプロセス溶剤による可塑剤の置換、抽出を行うと、可塑剤部が空隙となり、微細な三次元網目構造を形成する微多孔膜となる。
工程(e)において、(d)工程により得られた微多孔膜を、少なくとも一軸方向にさらに延伸する第二延伸を行う。この溶剤抽出後の延伸工程を「二次延伸」と呼ぶ。二次延伸工程の延伸方法はロール延伸を用いる。
延伸工程は、フィルムがロールと接触し、フィルムが延伸されない非延伸区間と、フィルムとロールが非接触であり、隣接するロールの接線間において隣接するロールの前後で速度差をつけることにより、フィルムの延伸を行う延伸区間から成る。ここで延伸区間はロール間の接線距離を採用する。また、延伸区間は次式で定義される。
延伸区間(%)=(延伸区間長(mm)/((延伸区間長(mm)+非延伸区間長(mm))×100。
二次延伸工程において、延伸ロールの前後に少なくとも一つ以上のロールから成るフィルムを予熱する予熱ロールおよび延伸後のフィルムを冷却する冷却ロールを設けてもよい。
二次延伸における延伸倍率は、二次延伸工程における最終ロールと、最初のロールの速度差によって決定する。全体の延伸倍率は、一つの延伸ロールで実行してもよく、多数の延伸ロールにわけて実施してもよい。その際の延伸区間は、延伸を実施する区間とその前後のロールをパス長(延伸区間+非延伸区間)として用いる。隣接するロールで速度差がない区間はパス長に含めない。パス長は最初のロールに接地した地点から、最終ロールにおけるフィルムとロールが非接触となるまでの区間を表す。
第二延伸における延伸工程における延伸区間が、延伸工程の全パス長(延伸区間+非延伸区間)に占める割合が9%以上であると好ましい。9%以上とすることで、延伸応力が分散され、均一に延伸可能であるため長手方向の延伸ムラが小さく、透過率ムラ、つまり物性も均一であり好ましい。9%以下であると、延伸応力が増大してしまい、応力集中による局所延伸や、ロール上での滑りなどによる延伸ムラなどが起きてしまうと考えられる。また、延伸区間は20%以下であることが好ましい。20%以上であると、ネックイン量が増大してしまい、フィルム端部が透明化してしまい、幅方向における均一性が損なわれるため、好ましくない。走査型電子顕微鏡を用いて、得られた微多孔膜の端部を確認すると、端部が透明化したフィルムに関し、微多孔構造の閉塞が起きていることが観察された。従って、ネックイン量が増大すると、構造の均一性が損なわれるため、好ましくない。
二次延伸工程では、隣接するロールの速度がn個目のロールの速度に対して、(n+1)個目のロールの速度を同じまたは大きくすることが好ましい。また、このときn個目のロールよりも(n+1)個目のロールの速度が遅いと、フィルムのたわみによりしわが生じるため好ましくない。
二次延伸の延伸倍率は特に限定されないが、少なくとも一軸方向に1.1倍以上が好ましく、2.0倍以下に延伸するのが好ましい。延伸倍率が1.1倍以下であると、十分な強度が得らえず好ましくない。また、延伸倍率が2.0倍以上となると、耐熱収縮性が悪化するため、好ましくない。
二次延伸の延伸温度は、ポリオレフィン樹脂の原料組成および濃度により変更してもよいが、主要成分樹脂がポリエチレンの場合、延伸温度は80℃以上が好ましい。延伸温度が主要組成樹脂の結晶緩和よりも十分高い温度となることで均一な延伸が可能となる。また、延伸温度は115℃以下が好ましい。延伸温度が115℃を超えると、幅方向の収縮が大きくなりネックイン量の増大や、微多孔構造の閉塞により、フィルム端部の透明化が起こるため、好ましくない。
本実施形態(a)から(e)工程の後に、熱固定を施してもよい。熱固定工程は熱を加えた状態で収縮しようとするフィルムを把持して、残留応力を取り除くことにより、耐熱収縮性に優れるポリオレフィン微多孔膜となる。熱固定の方法としては特に限定されないが、テンター延伸機を用いて延伸、固定および緩和操作を行う熱固定方法があげられる。熱固定の温度は80℃以上、135℃以下が好ましい。80℃以下の熱固定では、残留応力が十分取り除けず、耐熱収縮性に乏しくなり好ましくない。また、135℃以上においては、微多孔膜の結晶部分の融解により、微多孔構造が閉塞してしまい好ましくない。
上記のようにして得られるポリオレフィン微多孔膜は、リチウムイオン電池用のセパレータフィルムとした際に、MD方向およびTD方向に関して均質性に優れ、応力集中が起こりにくく耐破膜リスクに優れる。
本発明のポリオレフィン微多孔膜は単層であってもよいが、異なるポリマー種、分子量、それらの配合比、または異なる組成の樹脂組成物を積層して形成したものであってもよい。
次に実施例および比較例を挙げて本実施形態をより具体的に説明する。しかし、本実施形態はその要旨を超えない限り、下記の実施例に限定されるものではない。
厚み偏差の測定
二次延伸工程におけるロール段数および延伸区間を変えて、延伸を施すことによる厚み偏差つまり延伸ムラへの影響を調べた。装置にはキーエンス社製IB−30(波長660nm)を用い、測定周期80μsで1024回の平均値を測定した。また、評価指標の算出には透過光強度計より得らえた、透過光強度の平均透過率と、透過光強度の偏差を用いて下記式より得られた変動係数を延伸ムラの指標として評価に用いた。透過光強度の偏差は微多孔膜内における微多孔構造の均一性と相関があることが知られており、透過光強度の偏差が大きいとリチウム二次電池用のセパレータフィルムとして使用した際に、製品間の出力バラツキの原因となる。したがって、前記延伸均一性の値が小さいほど構造、膜厚の均一性に優れることを表す。MD延伸均一性の算出は下記式を用いた。MD延伸均一性が5%を超えると透過率のバラつきが目視で判別可能なレベルであり、物性のばらつきが大きいため不可とした。
MD延伸均一性(%)=(透過光強度偏差(標準偏差)/平均透過率)×100。
ネックイン量の測定
ネックイン量は、二次延伸工程の入り口のフィルム幅と、二次延伸出口のフィルム幅の差から測定した。通常、延伸を行うと幅収縮によりネックインが起こるが、ネックイン率が(1−1/延伸倍率)以上であると、延伸倍率以上に幅方向に収縮が起きていることを表し、好ましくない。また、走査型電子顕微鏡で観察した際に、フィルム中央部の微細孔は開孔したままであるのに対して、フィルム端部が白色から透明化、つまりフィルム端部の微細孔が閉塞しており、幅方向での均質性が損なわれるため好ましくない。ネックイン率の算出は下記式を用いた。
ネックイン率(%)=(延伸前フィルム幅−延伸後フィルム幅)/(延伸前フィルム幅)×100。
延伸応力の測定
延伸応力は、溶剤抽出工程出口にて採取したフィルムを用い、装置にはTAインスツルメントRSA−G2を用い、各延伸倍率、ひずみ速度、延伸温度にて延伸応力を測定した。
[実施例1]
重量平均分子量(Mw)が1×10の超高分子量ポリエチレン(ポリエチレン1)を30質量%と重量平均分子量(Mw)が3×10の高密度ポリエチレン(ポリエチレン2)を70%にてあらかじめブレンドしたポリオレフィン樹脂を、樹脂濃度30質量%で、流動パラフィンと二軸押出機にて、溶融混練し、ポリオレフィン溶液を調製した。ポリオレフィン溶液を、二軸押出機からTダイに供給し、シート状に成形したゲル状シートを、二軸延伸機に導き、面倍率30倍になるよう延伸を行った(一次延伸)。得られた延伸膜を、塩化メチレン浴中に浸漬し、流動パラフィンを除去した後、乾燥させ多孔膜を得た。得られた多孔膜を二次延伸機に導き、二次延伸膜を得た。この二次延伸の設定条件は、MD1.5倍、延伸温度113℃、延伸区間15.9%、延伸段数1段とした。
[実施例2−9、比較例1−5]
二次延伸の延伸温度、延伸倍率、延伸段数、延伸ロール径および延伸区間をそれぞれ表1に示すように設定した以外は実施例1と同様にしてポリオレフィン微多孔膜を得た。二次延伸にて測定したネックイン率、透過率測定により求めたMD延伸均一性および延伸応力の値を表1に示す。
Figure 2021169583
11 微多孔プラスチックフィルム
21 延伸ロール
31 延伸区間
32 非延伸区間

Claims (2)

  1. (a)ポリオレフィン系樹脂及び孔形成材料を含む樹脂組成物を溶融混練して押出す押出工程、
    (b)前記混練された樹脂を口金からシート状に吐出し、冷却固化するシート成形工程、
    (c)前記(b)工程で得られたシート状成形物を、縦方向および横方向に延伸する二軸延伸機を用いて延伸する一次延伸工程、
    (d)前記(c)工程で得られた延伸シートから孔形成材料を抽出する工程、及び
    (e)前記(d)工程で得られたシートを、少なくとも一軸方向に1.1倍以上延伸する二次延伸工程を含み、
    前記(e)工程における二次延伸のパス長の内の延伸区間が9%以上、20%以下であるポリオレフィン微多孔膜の製造方法。
  2. 前記(e)工程において延伸温度が80℃以上115℃以下からなる請求項1記載のポリオレフィン微多孔膜の製造方法。
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