JP2007070609A - ポリオレフィン微多孔膜の製造方法 - Google Patents

ポリオレフィン微多孔膜の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】リチウムイオン二次電池用セパレータとして基本的性能を保持したポリオレフィン製微多孔膜の安定な提供。
【解決手段】ポリオレフィンの混練工程を経る微多孔膜の製造方法において、(1)混練機の最上流部にポリオレフィン単体、ポリオレフィン混合物、ポリオレフィン溶媒混合物、ポリオレフィン混練物のいずれかを供給する供給部Aを有し、(2)前記供給部Aの下流に、ポリオレフィン単体、ポリオレフィン混合物、ポリオレフィン溶媒混合物、ポリオレフィン混練物のいずれかを供給する、少なくとも一つ以上の供給部Bを有する混練機を用いる。
【選択図】なし

Description

本発明は、種々の電池用セパレータあるいは分離膜用途、コンデンサー用セパレータ、燃料電池用材料などに使用され、特にリチウムイオン二次電池用セパレータとして好適に使用される、ポリオレフィン製微多孔膜の製造方法に関する。
ポリオレフィン微多孔膜は精密濾過膜、電池用セパレータ、コンデンサー用セパレータ、燃料電池用材料等に使用されている。これらの用途のうち、電池用セパレータ、特にリチウムイオン電池用セパレータとして使用する場合、ポリオレフィン微多孔膜は電池内部の異物などによる内部短絡防止や、電池捲回時の流れ方向へのセパレータの伸び防止等のためにも、高突刺強度、高引張弾性率が要求されている。
更に、近年の高容量の電池用セパレータにおいては、一般的物性を有することに加えて、電池の安全性を確保する「ヒューズ効果」と「耐熱性」が求められている。ヒューズ効果は、電池内部が過充電状態などで過熱したときにセパレータが溶解して電極を覆う皮膜を形成して電池を遮断することにより、電池の安全性を確保するしくみであり、ポリエチレン微多孔膜の場合には、ヒューズ温度、すなわちヒューズ効果が発現する温度は概ね140℃前後であることが知られているが、電池内部の暴走反応などをできるだけ早く止める観点から、ヒューズ温度は低いほど良いとされている。
さらにセパレータの機能として、溶解後も形状を維持し、電極間の絶縁を保持する必要がある。これが耐熱性であり、破膜特性と熱収縮特性にわけて考えることができる。たとえば150℃での電池安全性を保証する必要から、米国規格UL1642の「Standard for Lithium Batteries」には、150℃オーブンで10分保存する電池安全評価基準が設けられている。この安全基準を達成するには、セパレータはヒューズで無孔化したのち150℃以上で破膜せず、かつ熱収縮をできるだけ少なくすることによって形状を維持させることが望ましい。破膜や熱収縮、特に電池捲回体の幅方向の熱収縮により、電池内部に電極間が接触するショート部分が生じると、電池は安全性に劣るため、こうした耐熱性に優れたセパレータが強く望まれている。
例えば、高強度という観点では、高度な分子配向状態を作り出すためにポリエチレンの分子量を高くしたり、配向させるための延伸倍率を高くする技術が一般的に知られている。しかし、このような単なる高度な分子配向は、溶解状態になると高い収縮応力を発生させる原因となり、結果的に耐熱性を低くすることになる。また、高分子量のポリオレフィンを使用することにより、ヒューズ温度の上昇につながり、安全性を確保することが難しくなる。それらを解決する手段として、超高分子量と低分子量とのブレンドにより、幅広い分子量分布を持つ原料を使用することが発明されている。
しかしながら、超高分子量と低分子量という極端に分子量の違う成分と溶媒とを混練する過程においては、溶液・溶解粘度の違いから混練状態が悪くなりやすいため、一般的に未溶解物が発生しやすい。この未溶解物は製品の品質を損なうばかりか、電池内部短絡の発生などを生じる可能性があった。
このため、混練性を良くする為に混練機の温度、スクリュー回転数を上げること等で、ある程度の品質向上を図ることは出来たが、ポリオレフィンの分子鎖の劣化が起こりやすいという問題があった。
特許文献1では、粘度平均分子量30万以下のポリエチレンと100万以上のポリエチレンよりなる微多孔膜を提示している。しかしながら、分子量の差が大きなポリエチレン同士の溶解工程において、あらかじめ大量の溶媒に溶解させ、混合物とする製法が開示されているのみであり、このような方法では多大な時間を要し、生産性に欠ける。
また、特許文献2では分子量100万以上の成分を含有するポリオレフィン溶液を製造する方法において、ポリオレフィン樹脂供給部及びその下流に少なくとも1つの液体供給部を設け、ポリオレフィン最上流に位置する液体供給部での混練機内部が飢餓状態であり、かつ液体供給部から供給された液体とポリオレフィン樹脂との混練を最初に行う部分での混練機内部が飢餓状態となる混練方法が開示されている。ところが、このような方法では、混練部分の飢餓状態の変動により混練状態が左右されたり、連続式混練機先端の昇圧部分の上流側において少なくとも1つのポリオレフィン樹脂混練物充満部分を設けていないため、ポリオレフィン樹脂の未溶解物が含まれる可能性があった。
特許文献3では、平均分子量30万以上のポリエチレンと、液状有機化合物とを懸濁させ、押出機へ連続的に安定に供給する微多孔膜製造方法を提示している。しかしながら、分子量の異なるポリオレフィンを別々に押出機へと供給し、均一に押し出す方法に関しては何ら記載がない。
特開平2−21559号公報 特開平8−245798号公報 特開平8−300440号公報
本発明は、溶液・溶解粘度の異なるポリオレフィンを品質の良好な状態で混練し、リチウムイオン二次電池用セパレータとして、基本的性能を保持した、ポリオレフィン製微多孔膜を安定して提供することを目的とする。
本発明者らは上述の目的を達成するために鋭意研究を重ねた結果、異なる樹脂成分を、押出機内へ別々に供給し、混練することで、品質的に優れたセパレータが得られることを見出した。
すなわち、本発明は以下の通りである。
(1)ポリオレフィンの混練工程を経る微多孔膜の製造方法であって、(1)混練機の最上流部にポリオレフィン単体、ポリオレフィン混合物、ポリオレフィン溶媒混合物、ポリオレフィン混練物のいずれかを供給する供給部Aを有し、(2)前記供給部Aの下流に、ポリオレフィン単体、ポリオレフィン混合物、ポリオレフィン溶媒混合物、ポリオレフィン混練物のいずれかを供給する、少なくとも一つ以上の供給部Bを有する混練機を用いることを特徴とする、ポリオレフィン微多孔膜の製造方法。
(2)供給部Aから供給されるポリオレフィンと供給部Bからの供給されるポリオレフィンの粘度平均分子量が異なる、上記(1)のポリオレフィン微多孔膜の製造方法。
(3)供給部Aと供給部Bの間の、少なくとも一ヶ所から溶媒を供給することを特徴とする、上記(1)又は(2)のポリオレフィン微多孔膜の製造方法。
(4)供給部Bの下流の少なくとも一ヶ所から溶媒を供給することを特徴とする、上記(1)〜(3)いずれかのポリオレフィン微多孔膜の製造方法。
(5)供給部Aからの供給物の粘度aと供給部Bからの供給物の粘度bとの比、a/bが0.01〜300であることを特徴とする、上記(1)〜(4)いずれかのポリオレフィン微多孔膜の製造方法。
本発明によれば、超高分子量ポリオレフィンと低分子量ポリオレフィンというような混ざりにくい組成においても、それぞれを別々に混練機に投入する工程を設けることで、従来よりも品質よくかつ高吐出量での押出しが可能となるだけでなく、製造時間が短縮でき、生産性を向上させることが可能となる。
本発明を下記の実施例により具体的に説明するが、それらは本発明の範囲を限定するものではない。
本発明は、ポリオレフィンの混練工程を経る微多孔膜の製造方法であって、(1)混練機の最上流部にポリオレフィン単体、ポリオレフィン混合物、ポリオレフィン溶媒混合物、ポリオレフィン混練物のいずれかを供給する供給部Aを有し、(2)前記供給部Aの下流に、ポリオレフィン単体、ポリオレフィン混合物、ポリオレフィン溶媒混合物、ポリオレフィン混練物のいずれかを供給する、少なくとも一つ以上の供給部Bを有する混練機を用いることを特徴とする。
本発明の製造方法は、溶媒を用いる製法と溶媒を用いない製法の両方を包含するが、溶媒を用いる方法において、特に効果を発揮するものである。
本発明の特徴は原料の混練方法にある。すなわち、原料を混練機内へ供給する際に、原料の一部を後から供給して混練すること、更には、異なる溶液・溶解粘度のポリオレフィンを別々に供給し、別々の混練工程を経ることで、品質よく生産できることを特徴とする。
このような押出方法において、混練状態が良好で且つ、品質的に優れたポリオレフィン微多孔膜が供給できる理由としては、混練過程において、溶液・溶解粘度の異なるポリオレフィンをそれぞれ別々に、かつ必要に応じて調整した状態で供給することで、分子量の異なるポリオレフィンを用いた場合にもその粘度差を小さくし、混練状態が良好となる。また、溶解状態のポリオレフィンへサイドフィードにより別のポリオレフィンを種々の形で供給することで、分散性が良く、均一に混練することができる。
極端に分子量の異なるポリオレフィンの粘度差を小さくする方法としては、分子量の高いポリオレフィンと溶媒を混合することが好ましい。ポリオレフィンと溶媒の混合については、あらかじめ混合しておいたスラリー溶液を使用してもよいし、ポリオレフィン供給部の下流より溶媒を供給してもよい。
溶媒供給部は、供給部Aと供給部Bの間の少なくとも一ヶ所及び/又は供給部Bの下流の少なくとも一ヶ所に設けることが好ましい。供給部Aより供給した樹脂を劣化させることなく押し出す点では、供給部Aと供給部Bの間に少なくとも一ヶ所、溶媒供給部を設けることがより好ましい。また、供給部Bより更に下流より、少なくとも一ヶ所以上から溶媒を供給することは、製品を均一に押し出すという点で更に好ましい。
供給部Aより供給されるポリオレフィンをポリオレフィンA、供給部Bより供給されるポリオレフィンをポリオレフィンBとした場合、ポリオレフィンAとポリオレフィンBの合流地点における温度下での両者の粘度が近いことが好ましい。特に、ポリオレフィンA又は(ポリオレフィンA+溶媒)をa、ポリオレフィンB又は(ポリオレフィンB+溶媒)をbとしたときのaとbとの比、a/bが0.01〜300の範囲であることが好ましい。より好ましくは、a/bが0.05〜100、更に好ましくは0.1〜50、最も好ましくは、0.1〜10の範囲である。
ポリオレフィンの供給部を3ヶ所以上、例えば3ヶ所設ける場合においては、それぞれの供給部を供給部A、B、Cとしたときに、供給部Aより供給されるポリオレフィンをポリオレフィンA、供給部Bより供給されるポリオレフィンをポリオレフィンB、供給部Cより供給されるポリオレフィンをポリオレフィンCとしたときに、ポリオレフィンA+ポリオレフィンB又は(ポリオレフィンA+ポリオレフィンB+溶媒)をa、ポリオレフィンC又は(ポリオレフィンC+溶媒)をbとしたときの、aとbとの比、a/bが上記範囲に入ることが好ましい。
a/bが0.01〜300の範囲であるとポリオレフィンの樹脂もしくは樹脂混合物の合流地点における粘度差が大きくならない為、溶解混練時のトルクの立ち上がりが早く、混練性が良くなり、未溶解物の発生防止等、品質的に優れたポリオレフィン微多孔膜を得ることが可能となる。
ここでいう合流地点の温度としては、好ましくは120℃〜300℃、さらに好ましくは140℃〜250℃である。特に好ましくは160℃〜220℃である。合流地点の温度が120℃以上では、成形性の面で優れており、300℃以下では樹脂の劣化を抑えるという観点で好ましい。
このときの供給方法としては、特に限定されるものではないが、ポンプやスクリュー式フィーダーによる添加、ベルト式フィーダーや単軸押出機ないし二軸押出機による添加等が挙げられる。これらのうち、品質の点からは単軸押出機ないし二軸押出機を用いることが好ましい。
供給部A及び供給部Bに供給する原料の形態としては、ポリオレフィン単体、ポリオレフィン混合物、ポリオレフィン溶媒混合物、ポリオレフィン混練物のいずれかである。
この場合のポリオレフィン混合物とは、異種のポリオレフィンの混合物であったり、ポリオレフィンと他の有機物や無機物などとの混合物などが挙げられる。また、ポリオレフィン混練物とは、溶解状態にあるポリオレフィンやポリオレフィン混合物などが挙げられる。
また、供給するポリオレフィン単体の形状としては、粉体であってもペレットであっても構わない。コスト面ではペレットであることが好ましい。
更に、供給する混合物、混練物の形状は、粉末状、スラリー状、または溶解物、溶解後固化物等が挙げられる。サブ押出し機によって予備混練された溶解物をサイドフィードすることが、品質面では好ましい。
前記固体や液体あるいはその混合物のサイドフィード数としては、特に限定されないが、コスト、設備の面で、2〜6口程度が望ましい。
本発明の微多孔膜は、例えば、以下の(a)〜(e)の工程からなる方法により得られる。
(a)上記方法により、ポリオレフィンと溶媒とを溶解混練する。この場合、必要に応じて無機粒子を添加してもよい。
(b)溶解物を押出し、シート状に成型して冷却固化させる。必要に応じて溶媒および無機粒子を抽出する。
(c)得られたシートを一軸以上の方向へ延伸する。
(d)延伸後、必要に応じて溶媒および無機粒子を抽出する。
(e)つづいて熱固定を行う。
本発明で使用されるポリオレフィンとは、エチレン、プロピレンのホモ重合体、エチレン、プロピレン、1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセンおよび1−オクテン等の共重合体、又はこれら重合体の混合物を包含する。これらのうち、多孔膜の性能の観点から、ポリエチレンおよびその共重合体が好ましい。このようなポリオレフィンの重合触媒としては、チーグラー・ナッタ系触媒、フィリップス系触媒、メタロセン触媒などが挙げられる。
本発明では、粘度平均分子量の異なる2種以上のポリオレフィンを使用する。供給する組成としては、粘度平均分子量(Mv)70万以上の超高分子量ポリオレフィンとMv30万以下のポリオレフィンとを含むことが、低ヒューズ特性と高ショート特性とを兼ね備えるという点で好ましい。より好ましくはMvが100万以上の超高分子量ポリオレフィンとMvが20万以下のポリオレフィンを含むことである。
製品全体のMvは10万〜500万程度が好適であり、より好ましくは20万〜300万、更に好ましくは30万〜150万である。10万以上であれば強度不足になり難く、500万以下では押出し工程での充分な混練が可能となる。
また、本発明に規定のポリエチレン及びポリプロピレン以外のポリオレフィンを、本発明の要件を損なわない範囲で、併用することも可能である。このようなポリオレフィンとしては、例えば、エチレン・メチルペンテンコポリマー、エチレン・テトラシクロドデセン共重合体やエチレン・ノルボルネン共重合体などの環状オレフィンコポリマーなどが挙げられ、それぞれ或いは共に1種類以上を併用することが出来る。さらに、必要に応じて、ステアリン酸カルシウムやステアリン酸亜鉛等の金属石鹸類、紫外線吸収剤、光安定剤、帯電防止剤、防曇剤、着色顔料などの公知の添加剤も、製膜性を損なうことなく、そして本発明の要件及び効果を損なわない範囲で混合して使用することが出来る。
さらに本発明においては、必要に応じてシリカ、アルミナ、チタニアなどに代表されるような無機粒子を添加することもできる。この無機粒子は製膜工程のいずれかで全量あるいは一部を抽出してもよいし、製品中に残存させてもよい。有機フィラーも膜の性能を損ねない範囲で加えることができる。
本発明で使用される溶媒とは、沸点以下の温度でポリオレフィンと均一な溶液を形成しうる有機化合物の事であり、具体的にはデカリン、キシレン、ジオクチルフタレート、ジブチルフタレート、ステアリルアルコール、オレイルアルコール、デシルアルコール、ノニルアルコール、ジフェニルエーテル、n−デカン、n−ドデカン、パラフィン油等が挙げられる。このうちパラフィン油、ジオクチルフタレートが好ましい。溶媒の割合は特に限定されないが、得られる膜の気孔率の観点からポリオレフィンに対して20重量%以上が好ましく、粘度の観点から90重量%以下が好ましい。より好ましくは50重量%から70重量%である。
この発明で使用される抽出溶媒としては、ポリオレフィンに対して貧溶媒であり、且つポリオレフィンの溶媒に対しては良溶媒であり、沸点がポリオレフィンの融点よりも低いものが望ましい。このような抽出溶媒としては、例えば、n−ヘキサンやシクロヘキサン等の炭化水素類、塩化メチレンや1,1,1−トリクロロエタン、フルオロカーボン系等ハロゲン化炭化水素類、エタノールやイソプロパノール等のアルコール類、アセトンや2−ブタノン等のケトン類が挙げられる。この中から選択し、単独若しくは混合して用いられる。
上記ポリオレフィン(又はポリオレフィン組成物)と溶媒を200℃程度で溶解混練したあと、通常のハンガーコートダイから結晶化温度以下に温調された冷却ロール上へキャストすることによって連続的にシート化することができる。
ここでいう溶解物の温度は150〜300℃の範囲であることが好ましい。ゲル状シートの厚さは、延伸倍率や最終段階での微多孔膜の厚さにもよるが、0.1〜10mmが好ましい。溶融物を押出して冷却する温度としては、10〜130℃が好ましい。得られたゲル状シート中の溶媒を、必要に応じて抽出してもよい。
延伸法は特に限定されないが、ロール延伸法による逐次二軸延伸や、テンター法による同時二軸延伸が好ましい。延伸温度は常温からポリオレフィンの融点、好ましくは80〜150℃、さらに好ましくは100〜140℃である。セパレータとして十分な強度を確保する観点から、延伸倍率は面積倍率で4〜400倍が好ましく、より好ましくは10〜200倍、膜幅方向の平滑性を出すためにも30〜100倍が更に好ましい。延伸倍率が4倍以上であればセパレータとしての強度が充分であり、400倍以下では延伸が容易であるだけでなく、得られた微多孔膜の気孔率の低下を防ぐ。
次に(d)の抽出工程では、前記の抽出溶媒に、(c)で得られた延伸膜を必要に応じて浸漬、あるいはシャワーすることなどにより溶媒を抽出し、その後充分に乾燥させる。
必要に応じて、熱固定工程を加えることも可能である。この熱固定工程では、可塑剤抽出後の膜を一軸延伸機や同時二軸延伸機を使用して、MD或いはTD方向に定長、または延伸、あるいは膜を縮小させることなどによる組み合わせにより、収縮応力の緩和を行う。以上の方法で得られたポリオレフィン製微多孔膜は、必要に応じて、プラズマ照射、界面活性剤含浸或いは塗布、表面グラフト等の表面処理を施すことができる。
以上のような製法で得られたポリオレフィン製微多孔膜は、従来の押出し方法で得られたポリオレフィン微多孔膜に比べ、十分に混練できている為、品質的に非常に優れたものである。
以下、実施例及び比較例によって発明を具体的に説明するが、これらは本発明の範囲を制限しない。本発明で用いた各種物性は、以下の試験方法に基づいて測定した。
(1)粘度平均分子量
原料及び膜のポリオレフィン粘度平均分子量は、溶剤(デカリン)を用い、測定温度135℃で測定し、粘度[η]から次式により算出した。
[η]=6.77×10−4Mv0.67(Chiangの式)
(2)未溶解物の数
Tダイスより出てくるシートを冷却し、その後、バッチ同時二軸延伸機もしくは逐次延伸機により面倍率10倍以上に延伸し、溶媒を塩化メチレンを用いて抽出し、その後アルカリ水溶液などによって必要に応じて無機粒子を抽出し、乾燥した膜を、10cm×10cmのサイズに切断し、その100cm2中の未溶解物の数を目視で計測した。
(3)溶解粘度測定
溶解粘度はキャピログラフ(東洋精機製)を用いて、JIS K 7199に準じて、直径1mm、長さ10mmのキャピラリーを使用、バレル直径9.55mm、バレル温度を押出条件と同じ温度に設定し、押出速度50mm/minの条件で測定した。測定結果から粘度ηを次式を用いて算出した。
η(Pa・ss)=Fγt/8RlV
η:粘度(Pa・s)
F:ピストンにかかる力(N)
γ:キャピラリーの半径(m)
t:押出時間(s)
R:バレルの半径(m)
l:バレルの長さ(m)
V:押出容積(m
以下、本発明を詳細に説明するために実施例を示すが、本発明は以下の実施例に特に限定されるものではない。
[実施例1]
Mvが300万であるPE「UH900」(旭化成ケミカルズ社製、商標)17重量部を、二軸押出機の最上流部(供給部A)より投入した。この押出機のサイドフィーダーから流動パラフィン52重量部を供給し、溶解混練を行った。このときの二軸押出機内の樹脂組成物の溶液粘度をaとした。その後、上記供給部Aより下流の供給部Bより単軸押出機内で溶解混練した、Mvが12万であるPEパウダー31重量部をサイドフィーダーを用いて供給し、更に溶解混練した。このときの単軸押出機内の樹脂の溶液粘度をbとした。二軸押出機での溶解混練は温度190〜240℃、スクリュー回転数300rpmで行った。単軸押出機での溶解混練は温度150℃、スクリュー回転数25rpmで行った。aとbとの粘度比a/bは、0.58であった。
溶解混練したポリマー組成物をTダイスより押出し、冷却固化し、ゲルシート状とした。得られた膜をバッチ式の同時二軸延伸機で延伸した。延伸条件は121℃、7×7倍である。次に得られた膜を10×10cmの金属枠に固定し、塩化メチレンを用いて溶媒を抽出した。こうして得られた膜の粘度平均分子量及び、膜中の未溶解物の数を測定した。
[実施例2]
Mvが300万であるPE「UH900」(旭化成ケミカルズ社製、商標)15重量部と流動パラフィン66重量部となるように調整したスラリーを二軸押出機の最上流部(供給部A)より投入し、溶解混練を行った。このときの二軸押出機内の樹脂組成物の溶液粘度をaとした。その後、上記供給部Aより下流の供給部BよりMvが12万であるPEパウダー19重量部をサイドフィーダーを用いて供給し、さらに溶解混練を行った。このときのサイドフィーダー内での樹脂組成物の溶液粘度をbとした。aとbとの粘度比a/bは、0.24であった。二軸押出機での溶解混練は温度190〜240℃、スクリュー回転数300rpmの条件で行った。
溶解混練したポリマー組成物をTダイスより押出し、冷却固化し、ゲルシート状とした。
得られた膜をバッチ式の同時二軸延伸機で延伸した。延伸条件は121℃、7×7倍である。次に得られた膜を10×10cmの金属枠に固定し、塩化メチレンを用いて溶媒を抽出した。こうして得られた膜の粘度平均分子量及び、膜中の未溶解物の数を測定した。
[実施例3]
Mvが300万であるPE「ミリオン240M」(三井化学社製、商標)17重量部を、二軸押出機の最上流部(供給部A)より投入した。この押出機のサイドフィーダーから流動パラフィン52重量部を供給し、溶解混練を行った。このときの二軸押出機内の樹脂組成物の溶液粘度をaとした。その後、上記供給部Aより下流の供給部Bより、Mvが12万であるPEペレット31重量部をサイドフィーダーを用いて供給し、更に溶解混練した。このとき投入したPEペレットの溶液粘度をbとした。aとbとの粘度比a/bは、0.33であった。二軸押出機での溶解混練は温度190〜240℃、スクリュー回転数300rpmの条件で行った。溶解混練したポリマー組成物をTダイスより押出し、冷却固化し、ゲルシート状とした。
得られた膜をバッチ式の同時二軸延伸機で延伸した。延伸条件は121℃、7×7倍である。次に得られた膜を10×10cmの金属枠に固定し、塩化メチレンを用いて溶媒を抽出した。こうして得られた膜の粘度平均分子量及び、膜中の未溶解物の数を測定した。
[実施例4]
Mvが300万であるPE「ミリオン240M」(三井化学社製、商標)17重量部を、二軸押出機の最上流部(供給部A)より投入した。この押出機のサイドフィーダーから流動パラフィン52重量部を供給し、溶解混練を行った。このときの二軸押出機内の樹脂組成物の溶液粘度をaとした。その後、上記供給部Aより下流の供給部Bより単軸押出機内で溶解混練した、Mvが12万であるPE31重量部を単軸押出機より直接供給し、更に溶解混練した。このときの単軸押出機内の樹脂組成物の溶液粘度をbとした。aとbとの粘度比a/bは、0.58であった。二軸押出機での溶解混練は温度190〜240℃、スクリュー回転数300rpm、単軸押出機での溶解混練は温度150℃、スクリュー回転数25rpmの条件で行った。溶解混練したポリマー組成物をTダイスより押出し、冷却固化し、ゲルシート状とした。
得られた膜をバッチ式の同時二軸延伸機で延伸した。延伸条件は121℃、7×7倍である。次に得られた膜を10×10cmの金属枠に固定し、塩化メチレンを用いて溶媒を抽出した。こうして得られた膜の粘度平均分子量及び、膜中の未溶解物の数を測定した。
[実施例5]
Mvが300万であるPE「ミリオン240M」(三井化学社製、商標)10重量部を、二軸押出機の最上流部(供給部A)より投入した。この押出機のサイドフィーダーから流動パラフィン32重量部を供給し、溶解混練を行った。このときの二軸押出機内の樹脂組成物の溶液粘度をaとした。その後、上記供給部Aより下流の供給部BよりMvが12万であるPE18重量部と流動パラフィン40重量部となるように調整したスラリーを、サイドフィーダーを用いて供給し、更に溶解混練した。このとき投入したスラリーの溶液粘度をbとした。aとbとの粘度比a/bは、7.66であった。
二軸押出機での溶解混練は温度190〜240℃、スクリュー回転数300rpmの条件で行った。溶解混練したポリマー組成物をTダイスより押出し、冷却固化し、ゲルシート状とした。
得られた膜をバッチ式の同時二軸延伸機で延伸した。延伸条件は121℃、7×7倍である。次に得られた膜を10×10cmの金属枠に固定し、塩化メチレンを用いて溶媒を抽出した。こうして得られた膜の粘度平均分子量及び、膜中の未溶解物の数を測定した。
[実施例6]
Mvが300万であるPE「ミリオン240M」(三井化学社製、商標)12重量部を、二軸押出機の最上流部(供給部A)より投入した。この押出機のサイドフィーダーから流動パラフィン42重量部を供給し、溶解混練を行った。このときの二軸押出機内の樹脂組成物の溶液粘度をaとした。その後、上記供給部Aより下流の供給部Bより単軸押出機内で溶解混練した、Mvが5万であるPE48重量部を供給し、更に溶解混練した。このときの単軸押出機内の樹脂組成物の溶液粘度をbとした。aとbとの粘度比a/bは、0.69であった。二軸押出機での溶解混練は温度190〜240℃、スクリュー回転数300rpm、単軸押出機での溶解混練は温度150℃、スクリュー回転数25rpmの条件で行った。溶解混練したポリマー組成物をTダイスより押出し、冷却固化し、ゲルシート状とした。
得られた膜をバッチ式の同時二軸延伸機で延伸した。延伸条件は121℃、7×7倍である。次に得られた膜を10×10cmの金属枠に固定し、塩化メチレンを用いて溶媒を抽出した。こうして得られた膜の粘度平均分子量及び、膜中の未溶解物の数を測定した。
[実施例7]
Mvが300万であるPE「ミリオン240M」(三井化学社製、商標)20重量部とMvが40万であるPP2重量部とをフェンシェルミキサーを用いてドライブレンドし、ポリマー混合物を得た。得られたポリマー混合物を、二軸押出機の最上流部(供給部A)より供給した。この押出機のサイドフィーダーから流動パラフィン45重量部供給し、溶解混練を行った。このときの二軸押出機内の樹脂組成物の溶液粘度をaとした。その後、上記供給部Aより下流の供給部BよりMvが12万であるPEペレット33重量部をサイドフィーダーを用いて供給し、更に溶解混練した。このときのサイドフィーダー内での樹脂組成物の溶液粘度をbとした。aとbとの粘度比a/bは、1.23であった。二軸押出機での溶解混練は温度190〜240℃、スクリュー回転数300rpmの条件で行った。溶解混練したポリマー組成物をTダイスより押出し、冷却固化し、ゲルシート状とした。
得られた膜をバッチ式の同時二軸延伸機で延伸した。延伸条件は121℃、7×7倍である。次に得られた膜を10×10cmの金属枠に固定し、塩化メチレンを用いて溶媒を抽出した。こうして得られた膜の粘度平均分子量及び、膜中の未溶解物の数を測定した。
[実施例8]
Mvが200万であるPE「UH850」(旭化成ケミカルズ社製、商標)15重量部を、二軸押出機の最上流部(供給部A)より投入した。この押出機のサイドフィーダーから流動パラフィン38重量部を供給し、溶解混練を行った。このときの二軸押出機内の樹脂組成物の溶液粘度をaとした。その後、上記供給部Aより下流の供給部BよりMvが12万であるPEペレット21重量部をサイドフィーダーを用いて供給し、更に溶解混練した。このときのサイドフィーダー内での樹脂組成物の溶液粘度をbとした。aとbとの粘度比a/bは、0.45であった。その後、上記の更に下流のサイドフィーダーより流動パラフィン26重量部を供給し、溶解混練を行った。二軸押出機での溶解混練は温度190〜240℃、スクリュー回転数300rpmの条件で行った。溶解混練したポリマー組成物をTダイスより押出し、冷却固化し、ゲルシート状とした。
得られた膜をバッチ式の同時二軸延伸機で延伸した。延伸条件は121℃、7×7倍である。次に得られた膜を10×10cmの金属枠に固定し、塩化メチレンを用いて溶媒を抽出した。こうして得られた膜の粘度平均分子量及び、膜中の未溶解物の数を測定した。
[実施例9]
Mvが300万であるPE「UH900」(旭化成ケミカルズ社製、商標)10重量部、フタル酸ジオクチル(DOP)20.6重量部、微紛シリカ19.4重量%を混合した後、二軸押出機の最上流部(供給部A)より投入した。この押出機のサイドフィーダーからDOP30重量部を供給し、溶解混練を行った。このときの二軸押出機内の樹脂組成物の溶液粘度をaとした。その後、上記供給部Aより下流の供給部BよりMvが15万であるPE20重量部をサイドフィーダーを用いて供給し、更に溶解混練した。このときのサイドフィーダー内での樹脂組成物の溶液粘度をbとした。aとbとの粘度比a/bは、0.26であった。二軸押出機での溶解混練は温度190〜240℃、スクリュー回転数200rpmの条件で行った。溶解混練したポリマー組成物をTダイスより押出し、加熱したロールで圧延し、厚さ110μmのゲルシート状とした。このゲルシートからバッチでDOP、微紛シリカを抽出除去し、微多孔膜を得た。該微多孔膜を2枚重ねて110℃で5倍縦方向に延伸した後、133℃で横方向に2倍延伸し、最後に135℃にて熱処理した。こうして得られた膜の粘度平均分子量及び、膜中の未溶解物の数を測定した。
[実施例10]
Mvが300万であるPE「UH900」(旭化成ケミカルズ社製、商標)13重量部を、二軸押出機の最上流部(供給部A)より投入した。この押出機のサイドフィーダーから流動パラフィン48重量部を供給し、溶解混練を行った。その後、供給部Aより下流の供給部BよりMvが12万であるPEペレット23重量部をサイドフィーダーを用いて供給した。このときの樹脂組成物の溶液粘度をaとした。更に供給部Bより下流の供給部Cより、Mvが30万であるPE16重量部をサイドフィーダーを用いて供給し、更に溶解混練した。このときのサイドフィーダー内の樹脂の溶液粘度をbとした。このときの粘度比a/bは0.43であった。二軸押出機での溶解混練は温度190〜240℃、スクリュー回転数300rpmの条件で行った。溶解混練したポリマー組成物をTダイスより押出し、冷却固化し、ゲルシート状とした。
得られた膜をバッチ式の同時二軸延伸機で延伸した。延伸条件は121℃、7×7倍である。次に得られた膜を10×10cmの金属枠に固定し、塩化メチレンを用いて溶媒を抽出した。こうして得られた膜の粘度平均分子量及び、膜中の未溶解物の数を測定した。
[実施例11]
Mvが300万であるPE「ミリオン240M」(三井化学社製、商標)11重量部を、二軸押出機の最上流部(供給部A)より投入した。この押出機のサイドフィーダーから流動パラフィン51重量部を供給し、溶解混練を行った。その後、供給部Aより下流の供給部BよりMvが12万であるPEペレット31重量部をサイドフィーダーを用いて供給した。このときの樹脂組成物の溶液粘度をaとした。更に供給部Bより下流の供給部Cより、Mvが40万であるPP7重量部をサイドフィーダーを用いて供給し、更に溶解混練した。このときのサイドフィーダー内の樹脂の溶液粘度をbとした。粘度比a/bは0.24であった。二軸押出機での溶解混練は温度190〜240℃、スクリュー回転数300rpmの条件で行った。溶解混練したポリマー組成物をTダイスより押出し、冷却固化し、ゲルシート状とした。
得られた膜をバッチ式の同時二軸延伸機で延伸した。延伸条件は121℃、7×7倍である。次に得られた膜を10×10cmの金属枠に固定し、塩化メチレンを用いて溶媒を抽出した。こうして得られた膜の粘度平均分子量及び、膜中の未溶解物の数を測定した。
[実施例12]
Mvが300万であるPE「ミリオン240M」(三井化学社製、商標)10重量部を、二軸押出機の最上流部(供給部A)より投入した。この押出機のサイドフィーダーから流動パラフィン28重量部を供給し、溶解混練を行った。このときの二軸押出機内の樹脂組成物の溶液粘度をaとした。その後、上記供給部Aより下流の供給部BよりMvが12万であるPE18重量部と流動パラフィン44重量部となるように調整したスラリーを、サイドフィーダーを用いて供給し、更に溶解混練した。このとき投入したスラリーの溶液粘度をbとした。aとbとの粘度比a/bは、10.5であった。それ以外の操作は実施例5と同様に行った。こうして得られた膜の粘度平均分子量及び、膜中の未溶解物の数を測定した。
[比較例1]
Mvが300万であるPE「ミリオン240M」(三井化学社製、商標)17重量部およびMvが12万であるPE31重量部をドライブレンドしたのち、二軸押出機の最上流部(供給部A)より投入した。この押出機のサイドフィーダーから流動パラフィン52重量部を供給し、溶解混練を行った。二軸押出機での溶解混練は温度190〜240℃、スクリュー回転数300rpmの条件で行った。溶解混練したポリマー組成物をTダイスより押出し、冷却固化し、ゲルシート状とした。
得られた膜をバッチ式の同時二軸延伸機で延伸した。延伸条件は121℃、7×7倍である。次に得られた膜を10×10cmの金属枠に固定し、塩化メチレンを用いて溶媒を抽出した。こうして得られた膜の粘度平均分子量及び、膜中の未溶解物の数を測定した。
[比較例2]
Mvが300万であるPE「UH900」(旭化成ケミカルズ社製、商標)17重量部およびMvが12万であるPE31重量部、流動パラフィン52重量部を混合し、二軸押出機の最上流部(供給部A)より投入した。その後、溶解混練を行った。二軸押出機での溶解混練は温度190〜240℃、スクリュー回転数300rpmの条件で行った。溶解混練したポリマー組成物をTダイスより押出し、冷却固化し、ゲルシート状とした。
得られた膜をバッチ式の同時二軸延伸機で延伸した。延伸条件は121℃、7×7倍である。次に得られた膜を10×10cmの金属枠に固定し、塩化メチレンを用いて溶媒を抽出した。こうして得られた膜の粘度平均分子量及び、膜中の未溶解物の数を測定した。
[比較例3]
Mvが250万であるPE「ミリオン240S」(三井化学社製、商標)10重量部およびMvが12万であるPE25重量部をドライブレンドしたのち、二軸押出機の最上流部(供給部A)より投入した。この押出機のサイドフィーダーから流動パラフィン52重量部を供給し、溶解混練を行った。二軸押出機での溶解混練は温度240〜280℃、スクリュー回転数400rpmの条件で行った。溶解混練したポリマー組成物をTダイスより押出し、冷却固化し、ゲルシート状とした。
得られた膜をバッチ式の同時二軸延伸機で延伸した。延伸条件は121℃、7×7倍である。次に得られた膜を10×10cmの金属枠に固定し、塩化メチレンを用いて溶媒を抽出した。こうして得られた膜の粘度平均分子量及び、膜中の未溶解物の数を測定した。
得られた膜は、分子量の劣化による黄変が確認された。
[比較例4]
Mvが300万であるPE「UH900」(旭化成ケミカルズ社製、商標)20重量部とMvが12万であるPE32重量部とMvが40万であるPP2重量部をフェンシェルミキサーを用いてドライブレンドし、ポリマー混合物を得た。得られたポリマー混合物を、二軸押出機の最上流部(供給部A)より供給した。この押出機のサイドフィーダーから流動パラフィン46重量部供給し、溶解混練を行った。二軸押出機での溶解混練は温度190〜240℃、スクリュー回転数300rpmの条件で行った。溶解混練したポリマー組成物をTダイスより押出し、冷却固化し、ゲルシート状とした。
得られた膜をバッチ式の同時二軸延伸機で延伸した。延伸条件は121℃、7×7倍である。次に得られた膜を10×10cmの金属枠に固定し、塩化メチレンを用いて溶媒を抽出した。こうして得られた膜の粘度平均分子量及び、膜中の未溶解物の数を測定した。
[比較例5]
Mvが300万であるPE「UH900」(旭化成ケミカルズ社製、商標)17重量部およびMvが12万であるPE26重量部、流動パラフィン40重量部を混合し、二軸押出機の最上流部(供給部A)より投入した。この押出機のサイドフィーダーから流動パラフィン17重量部を供給し、溶解混練を行った。二軸押出機での溶解混練は温度190〜240℃、スクリュー回転数300rpmの条件で行った。溶解混練したポリマー組成物をTダイスより押出し、冷却固化し、ゲルシート状とした。
得られた膜をバッチ式の同時二軸延伸機で延伸した。延伸条件は121℃、7×7倍である。次に得られた膜を10×10cmの金属枠に固定し、塩化メチレンを用いて溶媒を抽出した。こうして得られた膜の粘度平均分子量及び、膜中の未溶解物の数を測定した。
Figure 2007070609
表1からも明らかなように、本発明の方法によれば、超高分子量ポリオレフィンと低分子量ポリオレフィンとを混練する際に、未溶解物無く、品質的に優れた膜を得ることができる。また、粘度平均分子量についても高い部分で維持できていることがわかる。
本発明の製造方法により得られるセパレータは、電池、コンデンサー、燃料電池等の電気化学反応装置に好適に利用できる。

Claims (5)

  1. ポリオレフィンの混練工程を経る微多孔膜の製造方法であって、(1)混練機の最上流部にポリオレフィン単体、ポリオレフィン混合物、ポリオレフィン溶媒混合物、ポリオレフィン混練物のいずれかを供給する供給部Aを有し、(2)前記供給部Aの下流に、ポリオレフィン単体、ポリオレフィン混合物、ポリオレフィン溶媒混合物、ポリオレフィン混練物のいずれかを供給する、少なくとも一つ以上の供給部Bを有する混練機を用いることを特徴とする、ポリオレフィン微多孔膜の製造方法。
  2. 供給部Aから供給されるポリオレフィンと供給部Bからの供給されるポリオレフィンの粘度平均分子量が異なることを特徴とする、請求項1記載のポリオレフィン微多孔膜の製造方法。
  3. 供給部Aと供給部Bの間の、少なくとも一ヶ所から溶媒を供給することを特徴とする、請求項1又は2に記載のポリオレフィン微多孔膜の製造方法。
  4. 供給部Bの下流の少なくとも一ヶ所から溶媒を供給することを特徴とする、請求項1〜3いずれかに記載のポリオレフィン微多孔膜の製造方法。
  5. 供給部Aからの供給物の粘度aと供給部Bからの供給物の粘度bとの比、a/bが0.01〜300であることを特徴とする、請求項1〜4いずれかに記載のポリオレフィン微多孔膜の製造方法。
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