JP6548430B2 - ポリオレフィン微多孔膜の製造方法、電池用セパレータ、及び非水電解液二次電池 - Google Patents
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Description
[1]
ポリオレフィン樹脂及び可塑剤を混練し、混練物を得る混練工程と、
前記混練物を成形し、第一のシート状成形体を得る成形工程と、
前記第一のシート状成形体を、少なくとも一軸方向に、少なくとも1回以上延伸し、第二のシート状成形体を得る延伸工程と、
前記第二のシート状成形体を、少なくとも一軸方向に、少なくとも1回以上緩和し、第三のシート状成形体を得る緩和工程と、
前記第三のシート状成形体に含まれる前記可塑剤を抽出する抽出工程と、を有する、ポリオレフィン微多孔膜の製造方法。
[2]
前記緩和工程において、緩和率が5.0%以上50%以下である、[1]に記載のポリオレフィン微多孔膜の製造方法。
[3]
前記延伸工程において、延伸時の面積倍率が4.0倍以上100倍以下である、[1]又は[2]に記載のポリオレフィン微多孔膜の製造方法。
[4]
前記延伸工程において、延伸時の面積倍率が4.0倍以上50倍以下である、[1]〜[3]のいずれかに記載のポリオレフィン微多孔膜の製造方法。
[5]
前記緩和工程において、前記一軸方向は、前記第二のシート成形体の幅方向である、[1]〜[4]のいずれかに記載のポリオレフィン微多孔膜の製造方法。
[6]
前記混練物は、該混練物の総量に対して、可塑剤を30質量%以上80質量%以下含む、[1]〜[5]のいずれかに記載のポリオレフィン微多孔膜の製造方法。
[7]
下記式(1)に示す前記ポリオレフィン微多孔膜の寸法維持強度が、13gf/(g・g)以上である、[1]〜[6]のいずれかに記載のポリオレフィン微多孔膜の製造方法。
寸法維持強度[gf/(g・g)]=20μm換算の突刺強度[gf]/(MD最大収縮応力[g]×TD最大収縮応力[g]) (1)
[8]
式(1)に示す前記ポリオレフィン微多孔膜の寸法維持強度が、16gf/(g・g)以上である、[7]に記載のポリオレフィン微多孔膜の製造方法。
[9]
[1]〜[8]のいずれかに記載のポリオレフィン微多孔膜の製造方法により製造されたポリオレフィン微多孔膜を含む、電池用セパレータ。
[10]
[9]に記載の電池用セパレータと、正極と、負極と、電解液と、を備える、非水電解液二次電池。
本実施形態のポリオレフィン微多孔膜の製造方法は、ポリオレフィン樹脂及び可塑剤を混練し、混練物を得る混練工程(以下、「工程1」ともいう。)と、その混練物を成形し、第一のシート状成形体を得る成形工程(以下、「工程2」ともいう。)と、その第一のシート状成形体を、少なくとも一軸方向に、少なくとも1回以上延伸し、第二のシート状成形体を得る延伸工程(以下、「工程3」ともいう。)と、その第二のシート状成形体を、少なくとも一軸方向に、少なくとも1回以上緩和し、第三のシート状成形体を得る緩和工程(以下、「工程4」ともいう。)と、その第三のシート状成形体に含まれる可塑剤を抽出する抽出工程(以下、「工程5」ともいう。)と、を有する。なお、第一のシート状成形体と第二のシート状成形体と第三のシート状成形体とは、これらを互いに区別する必要がない場合には、単に「シート状成形体」ともいう。本実施形態のポリオレフィン微多孔膜の製造方法を用いることにより、突刺強度が高く、MD最大収縮応力及びTD最大収縮応力が低く、寸法維持強度が高く、且つ、スプリングバックの小さい、ポリオレフィン微多孔膜を製造することができる。なお、本明細書で、MDとは、Machine Directionの略で、上記成形工程において、例えば、シート状成形体が押し出されていく方向をいい、長手方向、機械方向、押出方向、平行方向、長さ方向ともいう。一方、TDとは、Transverse Directionの略で、上記成形工程において、例えば、シート状成形体が押し出される方向に垂直な方向をいい、垂直方向、幅方向、膜幅方向ともいう。また、ポリオレフィン微多孔膜は、微多孔をその表面に備えるポリオレフィン膜であり、単に「微多孔膜」ともいう。当該微多孔は、特に限定されないが、後述する工程5:抽出工程により、可塑剤を抽出することにより形成されることができる。
工程1は、ポリオレフィン樹脂及び可塑剤を混練し、混練物(以下、単に「混練物」ともいう。)を得る工程である。ポリオレフィン樹脂と可塑剤とを混練する方法としては、以下の方法に限定されないが、例えば、以下の(a)及び(b)の方法が挙げられる。
(a):ポリオレフィン樹脂を、押出機、ニーダー等の樹脂混練装置に投入し、ポリオレフィン樹脂を加熱溶融混練させながら可塑剤を導入し、混練する方法
(b):予めポリオレフィン樹脂と無機粒子と可塑剤とを、ヘンシェルミキサー等を用い、所定の割合で事前混練する工程を経て、該混練物を押出機に投入し、加熱溶融させながら可塑剤を導入し混練する方法
本実施形態の混練物は、ポリオレフィン樹脂を含む。ポリオレフィン樹脂としては、以下のものに限定されないが、例えば、エチレン、プロピレン、1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン等のモノマーを重合して得られる重合体(ホモ重合体、共重合体、多段重合体等)が挙げられる。これら重合体は1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
本実施形態の混練物は、可塑剤を含む。可塑剤としては、特に限定されないが、例えば、ポリオレフィン樹脂と混合した際にポリオレフィン樹脂の融点以上において均一溶液を形成しうる不揮発性溶媒であることが好ましい。また、常温(25℃)において液体であることが好ましい。このような可塑剤としては、以下のものに限定されないが、例えば、流動パラフィン、パラフィンワックス等の炭化水素類;フタル酸ジエチルヘキシル、フタル酸ジブチル等のエステル類;オレイルアルコール、ステアリルアルコール等の高級アルコール類が挙げられる。
本実施形態の混練物は、無機粒子をさらに含んでもよい。無機粒子は、最終的に製造されるポリオレフィン微多孔膜中に含まれていてもよく、製造途中で抽出することによりポリオレフィン微多孔膜から取り除かれていてもよい。ポリオレフィン微多孔膜中に無機粒子を含む場合には、ポリオレフィン微多孔膜は、該ポリオレフィン微多孔膜に含まれるポリオレフィン樹脂と無機粒子との合計量(100質量%)に対して、無機粒子を10質量%以上80質量%以下含むことが好ましい。このような無機粒子としては、以下のものに限定されないが、例えば、マイカ、シリカ、タルクが挙げられる。無機粒子は、1種単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
工程2は、上記混練物を成形し、第一のシート状成形体を得る工程である。混練物をシート状成形体に加工する方法としては、特に限定されないが、例えば、混練物を、Tダイ等を介してシート状に押し出し、熱伝導体に接触させて冷却固化させる方法が挙げられる。当該熱伝導体としては、以下のものに限定されないが、例えば、金属、水、空気、上記の可塑剤が挙げられる。また、その冷却固化は、シート状成形体をロール間で挟み込みながら行なうことができる。このようにロールを用いることにより、シート状成形体の膜強度がより増加し、シート状成形体の表面平滑性がより向上し、さらには最終的に製膜されるポリオレフィン微多孔膜の孔構造を制御できる傾向にある。
工程3は、シート状成形体から可塑剤を抽出する前に、第一のシート状成形体を、少なくとも一軸方向に、少なくとも1回以上延伸し、第二のシート状成形体を得る工程である。延伸する方法としては、以下のものに限定されないが、例えば、同時に二軸を延伸する同時二軸延伸、逐次に分けて二軸を延伸する逐次二軸延伸、少なくとも一軸を多段階の延伸倍率で延伸する多段延伸、少なくとも一軸を多数回延伸する多数回延伸の方法が挙げられる。ポリオレフィン微多孔膜の孔構造のコントロールが容易になる観点からは、長手方向(MD)及び膜幅方向(TD)の各延伸で、延伸倍率及び延伸温度を変更できるため、逐次二軸延伸、多段延伸好、多数回延伸が好ましい。その中でも、工程3において、一軸のみに延伸した後、後述する工程5の後に、その工程3で延伸した方向と垂直の一軸方向へ延伸することが好ましい。すなわち、工程5の前後で二軸延伸することが、孔径の制御と熱収縮性の制御の観点から好ましい。一方、強度異方性がなく、均質な膜を容易に得るという観点からは、同時二軸法が好ましい。また、同時二軸延伸を行う場合はその前後でさらに延伸を行ってもよい。
工程4は、延伸後のシート状成形体から可塑剤を抽出する前に、第二のシート状成形体を、少なくとも一軸方向に、少なくとも1回以上緩和し、第三のシート状成形体を得る工程である。緩和する方法としては、以下のものに限定されないが、例えば、シート状成形体の搬送速度を落としてMD方向に緩和する方法、シート状成形体をクリップで掴みシートの幅をTD方向に狭くする方法、シートをクリップで掴みMD方向及びTD方向の二軸方向同時に緩和する方法が挙げられる。ポリオレフィン微多孔膜の孔構造のコントロールが容易になる観点からは、MD方向及びTD方向の各緩和で緩和率及び緩和温度を変更できるため、一軸方向へのみ緩和することが好ましい。一方、強度異方性が無く均質な膜を容易に得るという観点からは、二軸方向へ緩和することが好ましい。
MD緩和率[%]=(1−(緩和後のシート搬送速度/緩和前のシート搬送速度))×100
TD緩和率[%]=(1−(緩和後のシート幅/緩和前のシート幅))×100
各軸方向の緩和率が5.0%以上であることにより、膜の内部応力を取り除くことができる傾向にある。また、各軸方向の緩和率が50%以下であることにより、膜の製膜性及び膜の機械的強度を維持できる傾向にある。
工程5は、第三のシート状成形体に含まれる可塑剤を抽出する工程である。抽出溶剤としては、以下のものに限定されないが、例えば、ポリオレフィンに対して貧溶媒(溶解性に乏しい溶媒)であり、かつ可塑剤に対して良溶媒(溶解性に優れた溶媒)であり、その沸点がポリオレフィン微多孔膜の融点よりも低い溶剤が好ましい。このような抽出溶剤としては、以下のものに限定されないが、例えば、n−ヘキサン、シクロヘキサン等の炭化水素類;塩化メチレン、1,1,1−トリクロロエタン等のハロゲン化炭化水素類;エタノール、イソプロパノール等のアルコール類;ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン等のエーテル類;アセトン、2−ブタン等のケトン類が挙げられる。抽出溶剤は、1種単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
本実施形態のポリオレフィン微多孔膜の製造方法は、必要に応じて、工程5の後に、工程6を有してもよい。工程6は、可塑剤が抽出されたポリオレフィン微多孔膜を、ポリオレフィン樹脂の融点より−30℃以上高く、かつポリオレフィン樹脂の融点より+10℃以下の温度で、一軸に延伸する工程である。また、その一軸は、異方性の観点から、上述した工程(3)で延伸した軸方向と異なる軸方向であることが好ましく、MD方向及び/又はTD方向であることがより好ましく、後述する工程7の安定性の観点から、TD方向であることがさらに好ましい。そのポリオレフィン微多孔膜が無機フィラーを含む場合には、延伸温度は、ポリオレフィン樹脂の融点より+20℃以下の温度であることが好ましい。なお、工程6:再延伸工程は、工程5の後に行う以外は、工程3:延伸工程とほぼ同様に行うことができる。
本実施形態のポリオレフィン微多孔膜の製造方法は、必要に応じて、工程7を有してもよい。また、工程7は、上述した工程1〜6の後の最終工程として行うことが好ましい。工程7は、可塑剤が抽出されたポリオレフィン微多孔膜を、ポリオレフィン樹脂の融点より−10℃以上、かつポリオレフィン樹脂の融点より+20℃以下の温度で、熱処理する工程である。そのポリオレフィン微多孔膜が無機フィラーを含む場合には、熱処理温度は、ポリオレフィン樹脂の融点より+30℃以下の温度であることが好ましい。また、工程7の温度は、工程6の延伸温度の温度以上であることが好ましい。
本実施形態のポリオレフィン微多孔膜は、上述したポリオレフィン微多孔膜の製造方法により製造される。
寸法維持強度[gf/(g・g)]=20μm換算の突刺強度[gf]/(MD最大収縮応力[g]×TD最大収縮応力[g]) (1)
ポリオレフィン微多孔膜の寸法維持強度は、13gf/(g・g)以上であることが好ましく、14gf/(g・g)以上であることがより好ましく、16gf/(g・g)以上がさらに好ましい。
本実施形態の電池用セパレータは、上記ポリオレフィン微多孔膜の製造方法により製造されたポリオレフィン微多孔膜を含む。このような電池用セパレータであれば、ものとなる。なお、本実施形態の電池用セパレータは、上記ポリオレフィン微多孔膜を含むものであれば特に制限されず、上記ポリオレフィン微多孔膜と、他層とが積層されたものであってもよい。他層としては、特に限定されないが、例えば、無機層、バインダー層が挙げられる。
本実施形態の非水電解液二次電池は、本実施形態の電池用セパレータと、正極と、負極と、電解液と、を備える。正極、負極、及び電解液は、特に限定されず、従来公知のものを使用することができる。本実施形態の非水電解液二次電池は、携帯電話用途等の量産用途として、特に好適である。
ポリエチレンの粘度平均分子量(Mv)は、溶剤としてデカリンを用い、測定温度135℃で測定した粘度[η]から、下記式により算出した。
[η]=6.77×10-4Mv0.67(Chiangの式)
[η]=1.10×10-4Mv0.80
微多孔膜の膜厚は、東洋精機社製の微小測厚器(商品名「KBM」(登録商標))を用いて、室温23℃で任意の9か所を測定し、その平均値として求めた。結果を表1及び表2に示す。
微多孔膜の突刺強度(N)は、カトーテック社製の商品名「KES−G5ハンディー圧縮試験器」を用いて、針先端の曲率半径0.5mm、突刺速度2mm/secの条件で、突刺試験を行うことにより、最大突刺荷重として測定した。結果を表1及び表2に示す。
微多孔膜のTMA収縮率は、島津製作所社製の商品名「TMA50」(登録商標)を用いて測定した。MD(TD)方向の値を測定する場合は、MD(TD)方向に幅3.0mmに切り出したサンプルを、チャック間距離が10mmとなるようにチャックに固定し、専用プローブにセットした。初期荷重を1.0gとし、30℃から200℃まで、10℃/minの昇温速度で加熱し、その時発生する荷重(g)を測定し、その最大値をMD(TD)最大収縮応力(g)とした。結果を表1及び表2に示す。
微多孔膜の寸法維持強度は、機械的強度と寸法安定性の評価指標として、下記式(1)に示す寸法維持強度として算出した。結果を表1及び表2に示す。
寸法維持強度[gf/(g・g)]=20μm換算突刺強度[gf]/(MD最大収縮応力[g]×TD最大収縮応力[g]) (1)
微多孔膜のスプリングバックは、次のように評価した。まず、スプリングバック率を、セパレータを50枚重ねて、10Mpaの圧力で5分間プレスした直後の厚みをS1とし、プレス終了(プレス開放)から10分後の厚みをS2とし、以下の式を用いて算出した。
スプリングバック率[%]=(S2−S1)/S1×100
次に、算出したスプリングバック率を、以下の基準で評価した。結果を表1及び表2に示す。
◎:3.0%未満
○:3.0%以上6.0%未満
△:6.0%以上9.0%未満
×:9.0%以上
(工程1)
Mv70万の高密度ポリエチレンホモポリマー47.5質量%(以下、「PEa」ともいう。)と、Mv25万の高密度ポリエチレンホモポリマー47.5質量%(以下、「PEb」ともいう。)と、Mv40万のポリプロピレンホモポリマー5質量%(以下、「PPa」ともいう。)とを、タンブラーブレンダーを用いてドライブレンドし、ポリオレフィン樹脂混合物を得た。フィーダー及び二軸延伸機内の雰囲気を窒素で置換し、得られたポリオレフィン樹脂混合物をフィーダーにより二軸押出機へ供給し、可塑剤として流動パラフィン(以下、「LP」ともいう。)を押出機シリンダーに注入した。溶融混練は、設定温度200℃、スクリュー回転数150rpm、吐出量35kg/hにて行った。溶融混練で押し出される全混練物100質量%中に占める可塑剤含有量が65質量%となるように、フィーダー及びポンプを調整し、溶融混練を得た。
続いて、溶融混練物をT−ダイより押出し、冷却固化することで膜厚1400μmのシートを得た。
このシートをTD延伸機に導き、TD延伸を行った。延伸条件は、TD延伸倍率7.0倍、延伸温度120℃とした。
TD延伸の直後に、シートを把持したままTD方向に緩和させた。緩和条件は、下記式で示すTD緩和率15%、緩和温度120℃とした。
TD緩和率[%]=(1−(緩和後のシート幅/緩和前のシート幅))×100
その後、このシートを塩化メチレン槽に導き、塩化メチレン中に充分に浸漬させて流動パラフィンを抽出除去し、その後に塩化メチレンを乾燥除去した。
さらに、このシートをMD延伸機に導き、延伸温度120℃、延伸倍率7.0倍にて抽出後MD延伸を実施した。
最後に抽出後MD延伸を行ったシートをTD延伸機に導き、温度132℃、延伸倍率2.0倍にて抽出後TD延伸を行った。
TD延伸の直後に、シートを把持したままTD方向に緩和させた。緩和条件は、下記式で示すTD緩和率30%、緩和温度132℃とした。得られた微多孔膜の物性、及びこれをセパレータとして用いた電池特性を表1に示した。
工程2における押出成形後のシート厚みを1500μmとし、工程4におけるTD緩和率を30%とした以外は実施例1と同様にして微多孔膜を得た。得られた微多孔膜の物性、及びこれをセパレータとして用いた電池特性を表1に示した。
工程2における押出成形後のシート厚みを1600μmとし、工程4におけるTD緩和率を45%とした以外は実施例1と同様にして微多孔膜を得た。得られた微多孔膜の物性、及びこれをセパレータとして用いた電池特性を表1に示した。
工程2における押出成形後のシート厚みを1500μmとし、工程3におけるTD一軸延伸倍率を5.0倍、工程4におけるTD緩和率を30%、工程6−2におけるTD延伸倍率を2.8倍とした以外は実施例1と同様にして微多孔膜を得た。得られた微多孔膜の物性、及びこれをセパレータとして用いた電池特性を表1に示した。
工程2における押出成形後のシート厚みを1500μmとし、工程3におけるTD一軸延伸倍率を10.0倍、工程4におけるTD緩和率を30%、工程6−2におけるTD延伸倍率を1.4倍とした以外は実施例1と同様にして微多孔膜を得た。得られた微多孔膜の物性、及びこれをセパレータとして用いた電池特性を表1に示した。
工程1、工程2は実施例1と同様にし、押出成形後の1400μmの厚みのシートを得た。その後、工程3でMD延伸機に導入し、MD一軸延伸を行った。延伸条件は、MD延伸倍率7.0倍、延伸温度120℃とした。その後、工程4でMD方向に緩和させた。緩和条件は、下記式で示すMD緩和率15%、緩和温度120℃とした。
MD緩和率[%]=(1−(緩和後のシート搬送速度/緩和前のシート搬送速度))×100
押出成形後のシート厚みを1500μmとし、工程4におけるMD緩和率を30%とした以外は実施例6と同様にして微多孔膜を得た。得られた微多孔膜の物性、及びこれをセパレータとして用いた電池特性を表1に示した。
押出成形後のシート厚みを1600μmとし、工程4におけるMD緩和率を45%とした以外は実施例6と同様にして微多孔膜を得た。得られた微多孔膜の物性、及びこれをセパレータとして用いた電池特性を表1に示した。
押出成形後のシート厚みを1500μmとし、工程3におけるMD延伸倍率を5.0倍、工程4におけるMD緩和率を30%、工程6−2におけるTD延伸倍率を10.0倍とした以外は実施例6と同様にして微多孔膜を得た。得られた微多孔膜の物性、及びこれをセパレータとして用いた電池特性を表1に示した。
押出成形後のシート厚みを1500μmとし、工程3におけるMD延伸倍率を10.0倍、工程4におけるMD緩和率を30%、工程6−2におけるTD延伸倍率を5.0倍とした以外は実施例6と同様にして微多孔膜を得た。得られた微多孔膜の物性、及びこれをセパレータとして用いた電池特性を表1に示した。
工程1、工程2は実施例1と同様にし、押出成形後の1500μmの厚みとしたシートを得た。その後、工程3でMD延伸機に導入し、MD延伸を行ったのちに、TD延伸機に導入し、TD一軸延伸を行った。延伸条件は、MD延伸倍率7.0倍、延伸温度120℃、TD延伸倍率7.0倍、延伸温度120℃とした。その後、工程4でTD方向にのみ緩和させた。緩和条件は、TD緩和率30%、緩和温度120℃とした。
工程1、工程2は実施例1と同様にし、押出成形後の1500μmの厚みとしたシートを得た。その後、工程3でMD延伸機に導入し、MD一軸延伸を行ったのちに、TD延伸機に導入し、TD一軸延伸を行った。延伸条件は、MD延伸倍率7.0倍、延伸温度120℃、TD延伸倍率7.0倍、延伸温度120℃とした。その後、工程4でMD方向にのみ緩和させた。緩和条件は、MD緩和率30%、緩和温度120℃とした。
工程1、工程2は実施例1と同様にし、押出成形後の1500μmの厚みとしたシートを得た。その後、工程3でMD延伸機に導入し、MD一軸延伸を行ったのちに、TD延伸機に導入し、TD一軸延伸を行った。延伸条件は、MD延伸倍率7.0倍、延伸温度120℃、TD延伸倍率7.0倍、延伸温度120℃とした。その後、工程4でMD方向に緩和を行ったのちに、TD方向に緩和を行った。緩和条件は、MD緩和率15%、MD緩和温度120℃、TD緩和率15%、TD緩和温度120℃とした。
工程1、工程2は実施例1と同様にし、押出成形後の2000μmの厚みとしたシートを得た。その後、工程3でMD延伸機に導入し、MD一軸延伸を行ったのちに、TD延伸機に導入し、TD一軸延伸を行った。延伸条件は、MD延伸倍率10.0倍、延伸温度120℃、TD延伸倍率10.0倍、延伸温度120℃とした。その後、工程4でMD方向に緩和を行ったのちに、TD方向に緩和を行った。緩和条件は、MD緩和率15%、MD緩和温度120℃、TD緩和率15%、TD緩和温度120℃とした。
押出成形後のシート厚みを1400μmとし、工程4におけるTD緩和率を5%とした以外は実施例1と同様にして微多孔膜を得た。得られた微多孔膜の物性、及びこれをセパレータとして用いた電池特性を表1に示した。
押出成形後のシート厚みを1400μmとし、工程3におけるTD延伸倍率を3.0倍、工程6−2におけるTD延伸倍率を5.0倍とした以外は実施例1と同様にして微多孔膜を得た。得られた微多孔膜の物性、及びこれをセパレータとして用いた電池特性を表1に示した。
押出成形後のシート厚みを2900μmとし、工程3におけるMD延伸倍率を12.0倍、TD延伸倍率を12.0倍、工程6−2におけるTD延伸倍率を1.1倍とした以外は実施例14と同様にして微多孔膜を得た。得られた微多孔膜の物性、及びこれをセパレータとして用いた電池特性を表1に示した。
工程1、工程2は実施例1と同様にし、押出成形後の1400μmの厚みとしたシートを得た。その後は、工程7を行わなかった以外は、実施例13と同様にして微多孔膜を得た。得られた微多孔膜の物性、及びこれをセパレータとして用いた電池特性を表1に示した。
押出成形後のシート厚みを1400μmとし、工程4の緩和を行わない以外は実施例1と同様にして微多孔膜を得た。得られた微多孔膜の物性、及びこれをセパレータとして用いた電池特性を表2に示した。
押出成形後のシート厚みを1500μmとし、工程4の緩和を行わない以外は実施例11と同様にして微多孔膜を得た。得られた微多孔膜の物性、及びこれをセパレータとして用いた電池特性を表2に示した。
押出成形後のシート厚みを1500μmとし、工程4の緩和を行わず、工程6を、抽出後MD延伸を1.4倍で行い、その後工程6−2のTD延伸倍率を1.4倍で行い、工程7におけるTD緩和率を20%とした以外は実施例11と同様にして微多孔膜を得た。得られた微多孔膜の物性、及びこれをセパレータとして用いた電池特性を表2に示した。
押出成形後のシート厚みを1500μmとし、工程4の緩和を行わず、工程6で抽出後TD延伸倍率を1.4倍で行い、工程7におけるTD緩和率を20%とし、その後に工程6−1と同様に(工程6−3)して延伸を、MD延伸を1.4倍で行った以外は実施例11と同様にして微多孔膜を得た。得られた微多孔膜の物性、及びこれをセパレータとして用いた電池特性を表2に示した。
押出成形後のシート厚みを1500μmとし、工程4の緩和を行わず、工程6で抽出後TD延伸倍率を1.4倍で行い、工程7におけるTD緩和率を10%とし、その後に工程6−2と同様に(工程6−4)して延伸を、TD延伸を、延伸倍率を1.4倍で行い、工程7と同様に(工程7’)して緩和を、TD緩和率を20%として行った以外は実施例11と同様にして微多孔膜を得た。得られた微多孔膜の物性、及びこれをセパレータとして用いた電池特性を表2に示した。
Claims (6)
- ポリオレフィン樹脂及び可塑剤を混練し、混練物を得る混練工程と、
前記混練物を成形し、第一のシート状成形体を得る成形工程と、
前記第一のシート状成形体を、少なくとも一軸方向に、少なくとも1回以上延伸し、第二のシート状成形体を得る延伸工程と、
前記第二のシート状成形体を、少なくとも一軸方向に、少なくとも1回以上緩和し、第三のシート状成形体を得る緩和工程と、
前記第三のシート状成形体に含まれる前記可塑剤を抽出する抽出工程と、を有する、ポリオレフィン微多孔膜の製造方法であって、
下記式(1)に示す前記ポリオレフィン微多孔膜の寸法維持強度が、16gf/(g・g)以上である、製造方法。
寸法維持強度[gf/(g・g)]=20μm換算の突刺強度[gf]/(MD最大収縮応力[g]×TD最大収縮応力[g]) (1) - 前記緩和工程において、緩和率が5.0%以上50%以下である、請求項1に記載のポリオレフィン微多孔膜の製造方法。
- 前記延伸工程において、延伸時の面積倍率が4.0倍以上100倍以下である、請求項1又は2に記載のポリオレフィン微多孔膜の製造方法。
- 前記延伸工程において、延伸時の面積倍率が4.0倍以上50倍以下である、請求項1〜3のいずれか1項に記載のポリオレフィン微多孔膜の製造方法。
- 前記緩和工程において、前記一軸方向は、前記第二のシート成形体の幅方向である、請求項1〜4のいずれか1項に記載のポリオレフィン微多孔膜の製造方法。
- 前記混練物は、該混練物の総量に対して、可塑剤を30質量%以上80質量%以下含む、請求項1〜5のいずれか1項に記載のポリオレフィン微多孔膜の製造方法。
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