JP2015136809A - ポリオレフィン微多孔膜の製造方法、電池用セパレータ、及び非水電解液二次電池 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ポリオレフィン樹脂及び可塑剤を混練して混練物を形成する工程1と、
前記混練物をシート状成形体に加工する工程2と、
前記シート状成形体を圧延し圧延体とする工程3と、
前記圧延体から可塑剤を抽出する工程、及び前記圧延体を延伸する工程を有する工程4
を有し、
前記工程3において、
膜厚維持率=(圧延後膜厚/圧延前膜厚)×100
で定義される膜厚維持率が35%以上90%以下である、ポリオレフィン微多孔膜の製造方法。
【選択図】なし
Description
のシート状に形成した後、圧延し、延伸し、脱溶媒処理を行うことによる微多孔膜の製造方法が開示されている。上記、特許文献1には、上記圧延の際の倍率と延伸の際の倍率の積で定義される総延伸倍率を、面積倍率にて50倍以上400倍以下の範囲とするとともに、圧延倍率/延伸倍率比を1以上、15以下の範囲とし、圧延倍率が延伸倍率に対し、極度に大きくすることで高強度なポリオレフィン微多孔膜を得る方法が開示されている。
〔1〕
ポリオレフィン樹脂及び可塑剤を混練して混練物を形成する工程1と、
前記混練物をシート状成形体に加工する工程2と、
前記シート状成形体を圧延し圧延体とする工程3と、
前記圧延体から可塑剤を抽出する工程、及び前記圧延体を延伸する工程を有する工程4
を有し、
前記工程3において、
膜厚維持率=(圧延後膜厚/圧延前膜厚)×100
で定義される膜厚維持率が35%以上90%以下である、ポリオレフィン微多孔膜の製造方法。
〔2〕
前記工程3における膜厚維持率が、40%以上80%以下である、前項〔1〕に記載のポリオレフィン微多孔膜の製造方法。
〔3〕
前記工程4が前記圧延体から可塑剤を抽出する前に、前記圧延体を延伸する工程4−1であって、前記圧延体を少なくとも一軸方向に少なくとも1回以上延伸し、延伸倍率が3倍以上である、前項〔1〕又は〔2〕に記載のポリオレフィン微多孔膜の製造方法。
〔4〕
前記工程4が前記圧延体から可塑剤を抽出した後に、前記圧延体を延伸する工程4−2である、前項〔1〕又は〔2〕に記載のポリオレフィン微多孔膜の製造方法。
〔5〕
前記工程4が前記圧延体から可塑剤を抽出する前と後に、前記圧延体を延伸する工程4−3であって、
前記圧延体から可塑剤を抽出する前に、前記圧延体を少なくともTD方向に少なくとも1回以上延伸し、
前記圧延体から可塑剤を抽出した後に、前記圧延体を少なくともMD方向に少なくとも1回以上延伸する、前項〔1〕又は〔2〕に記載のポリオレフィン微多孔膜の製造方法。
〔6〕
前項〔1〕〜〔5〕のいずれか1項に記載のポリオレフィン微多孔膜の製造方法により製造されたポリオレフィン微多孔膜を含む、電池用セパレータ。
〔7〕
前項〔6〕に記載の電池用セパレータと、正極と、負極と、電解液と、を備える、非水電解液二次電池。
本実施形態に係るポリオレフィン微多孔膜の製造方法は、
ポリオレフィン樹脂及び可塑剤を混練して混練物を形成する工程1と、
前記混練物をシート状成形体に加工する工程2と、
前記シート状成形体を圧延し圧延体とする工程3と、
前記圧延体から可塑剤を抽出する工程、及び前記圧延体を延伸する工程を有する工程4
を有し、
前記工程3において、
膜厚維持率=(圧延後膜厚/圧延前膜厚)×100
で定義される膜厚維持率が35%以上90%以下である。
工程1は、ポリオレフィン樹脂及び可塑剤を混練して混練物を形成する工程である。
ポリオレフィン樹脂と可塑剤とを混練する方法としては、特に限定されないが、例えば、以下の(a),(b)の方法が挙げられる。
(a)ポリオレフィン樹脂を、押出機、又はニーダー等の樹脂混練装置に投入し、ポリオレフィン樹脂を加熱溶融混練させながらさらに可塑剤を導入し、混練する方法。
(b)予めポリオレフィン樹脂と無機粒子と可塑剤を、ヘンシェルミキサー等を用い所定の割合で事前混練する工程を経て、該混練物を押出機に投入し、加熱溶融させながらさらに可塑剤を導入し混練する方法。
ポリオレフィン樹脂としては、特に限定されないが、例えば、エチレン、プロピレン、1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、及び1−オクテン等のモノマーを重合して得られる重合体(ホモ重合体や共重合体、多段重合体等)が挙げられる。これら重合体は1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
可塑剤としては、特に限定されないが、例えば、ポリオレフィン樹脂と混合した際にポリオレフィン樹脂の融点以上において均一溶液を形成しうる不揮発性溶媒であることが好ましい。また、常温(25℃)において液体であることが好ましい。このような可塑剤としては、特に限定されないが、例えば、流動パラフィンやパラフィンワックス等の炭化水素類;フタル酸ジエチルヘキシルやフタル酸ジブチル等のエステル類;オレイルアルコールやステアリルアルコール等の高級アルコール類等が挙げられる。
混練物は、無機粒子を含んでもよい。無機粒子は最終的なポリオレフィン微多孔膜中に含有されていてもよく、製造途中で抽出することによりポリオレフィン微多孔膜から取り除かれていてもよい。なお、無機粒子をポリオレフィン微多孔膜中に含有する場合には、ポリオレフィン樹脂との合計に対して10〜80質量%含むことが好ましい。このような無機粒子としては、特に限定されないが、例えば、マイカ、シリカ、タルク等が挙げられる。なお、無機粒子は、1種単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
混練物は、必要に応じて、フェノール系酸化防止剤、リン系酸化防止剤、及びイオウ系酸化防止剤等の酸化防止剤;ステアリン酸カルシウム及びステアリン酸亜鉛等の金属石鹸類;紫外線吸収剤、光安定剤、帯電防止剤、防曇剤、及び着色顔料等の各種添加剤が混練されたものであってもよい。
工程2は、混練物をシート状成形体に加工する工程である。混練物をシート状成形体に加工する方法としては、特に限定されないが、例えば、混練物をTダイ等を介してシート状に押し出し、熱伝導体に接触させて冷却固化させる方法が挙げられる。当該熱伝導体としては、特に限定されないが、例えば、金属、水、空気、又は可塑剤自身等が使用できる。また、冷却固化は、シート状成形体をロール間で挟み込みながら行なうことができる。このようにロールを用いることにより、シート状成形体の膜強度がより増加し、シート状成形体の表面平滑性がより向上し、さらには最終的に製膜されるポリオレフィン微多孔膜の孔構造を制御できる傾向にある。
工程3は、シート状成形体を圧延し圧延体とする工程である。圧延を行うと厚み方向へシート状成形体が圧縮されシート状成形体の厚みが減少する。シート状成形体の厚み減少分はシート状成形体の面方向へと押し延ばされる。シート状成形体を圧延し圧延体とする方法としては、特に限定されないが、例えば、ロールによるロール圧延、プレス圧延等の方法が挙げられる。この中でもロール圧延はシート状成形体にかかる機械方向の張力を調整することにより、圧延後のシート状成形体の幅を調整できるために、次工程へシート状成形体を搬送する際に膜幅のトリミングが不要となる点から好ましい。
膜厚維持率=(圧延後膜厚/圧延前膜厚)×100
工程4は、圧延体を延伸する工程、及び圧延体から可塑剤を抽出する工程を含む工程である。工程4は前記圧延体から可塑剤を抽出する前に、前記圧延体を少なくとも1軸以上に延伸する工程4−1、前記圧延体から可塑剤を抽出した後に、前記圧延体を少なくとも1軸以上に延伸する工程4−2、又は前記圧延体から可塑剤を抽出する前と後に、前記圧延体を少なくとも1軸以上に延伸する工程4−3のいずれかである。
工程4−1、工程4−2、工程4−3のいずれにおいても、延伸する方法としては、特に限定されないが、例えば、同時二軸延伸、逐次二軸延伸、多段延伸、多数回延伸等の方法が挙げられる。ポリオレフィン微多孔膜の孔構造のコントロールが容易になる観点からは、長手方向(MD)および膜幅方向(TD)の各延伸で延伸倍率や延伸温度を変更できるため、逐次二軸延伸、多段延伸好、多数回延伸が好ましい。その中でも工程4−3において抽出前にTD方向のみに延伸した後、抽出後にMD方向へ延伸し、抽出の前後で二軸延伸する事が孔径の制御と熱収縮性の制御の観点から好ましい。一方、強度異方性が無く均質な膜を容易に得るという観点からは、同時二軸法が好ましい。また、同時二軸延伸を行う場合はその前後でさらに延伸を行っても構わない。
工程4において可塑剤を抽出する方法としては、特に限定されないが、例えば、抽出溶剤を用いる方法が挙げられる。抽出溶剤としては、特に限定されないが、例えば、ポリオレフィンに対して貧溶媒であり、かつ可塑剤に対して良溶媒であり、沸点がポリオレフィン微多孔膜の融点よりも低いことが好ましい。このような抽出溶剤としては、特に限定されないが、例えば、n−ヘキサンやシクロヘキサン等の炭化水素類;塩化メチレンや1,1,1−トリクロロエタン等のハロゲン化炭化水素類;エタノールやイソプロパノール等のアルコール類;ジエチルエーテルやテトラヒドロフラン等のエーテル類;アセトンや2−ブタン等のケトン類が挙げられる。抽出溶剤は、1種単独で用いても、2種以上を併用してもよい。可塑剤の抽出方法としては、圧延体を抽出溶媒に浸漬したり、圧延体を抽出溶媒でシャワーしたりする方法が挙げられる。なお、抽出後の微多孔膜中の可塑剤残存量は、1質量%未満が好ましい。
本実施形態に係るポリオレフィン微多孔膜の製造方法は、必要に応じて、工程4後に延伸され可塑剤が抽出された多孔体を、ポリオレフィン樹脂の融点温度−10℃以上、ポリオレフィン樹脂の融点温度+20℃以下、ポリオレフィン微多孔膜内に無機フィラーを含む場合はポリオレフィン樹脂の融点温度+30℃以下の温度条件で熱処理する工程5を含むことができる。
ポリオレフィン微多孔膜の突刺し強度は、2.4N/20μm以上が好ましく、4N/20μm以上がより好ましい。また、突刺し強度は、20N/20μm以下が好ましく、10N/20μm以下がより好ましい。突刺し強度が2.4N/20μm以上であることにより、電池捲回時における脱落した活物質等による破膜をより抑制できる傾向にある。突き刺し強度(N)は、カトーテック製KES−G5ハンディー圧縮試験器を用いて、針先端の曲率半径0.5mm、突刺速度2mm/secの条件で突刺試験を行うことにより、最大突刺荷重として測定することができる。なお、上記突刺し強度は、主にポリオレフィン樹脂の分子量、工程1における混練物中のポリオレフィン樹脂の割合、及び、工程3における圧延温度、圧延倍率を調整する方法等により調節可能である。
本実施形態に係る電池用セパレータは、上記ポリオレフィン微多孔膜の製造方法により製造されたポリオレフィン微多孔膜を含む。このような電池用セパレータであれば、サイクル特性が良好であり、且つ、電解液注液性に優れるものとなる。なお、本実施形態に係る電池用セパレータは、上記ポリオレフィン微多孔膜を含むものであれば特に制限されず、上記ポリオレフィン微多孔膜と、他層とが積層されたものであってもよい。他層としては、特に限定されないが、例えば、無機層、バインダー層などが挙げられる。
本実施形態に係る非水電解液二次電池は、上記電池用セパレータと、正極と、負極と、電解液と、を備える。正極、負極、及び電解液は、特に限定されず、従来公知のものを使用することができる。本実施形態に係る非水電解液二次電池は、サイクル特性に優れ、生産性が良好であるため、携帯電話用途等の量産用途として、特に有用である。
ポリエチレンの粘度平均分子量は、溶剤としてデカリンを用い、測定温度135℃で測定した粘度[η]から次式により算出した。
[η]=6.77×10−4Mv0.67(Chiangの式)
また、ポリプロピレンの粘度平均分子量は、溶剤としてデカリンを用い、測定温度135℃で測定した粘度[η]から次式により算出した。
[η]=1.10×10−4Mv0.80
東洋精機製の微小測厚器、KBM(商標)を用いて室温23℃でポリオレフィン微多孔膜の膜厚を測定した。
10cm×10cm角の試料をポリオレフィン微多孔膜から切り取り、その体積(cm3)と質量(g)を求め、膜密度を0.95(g/cm3)として次式を用いて気孔率を計算した。
気孔率=(1−質量/体積/0.95)×100
JIS P−8117に準拠し、東洋精器(株)製のガーレー式透気度計、G−B2(商標)を用いてポリオレフィン微多孔膜の透気度を測定した。表1にはポリオレフィン微多孔膜の透気度(sec)と、ポリオレフィン微多孔膜の厚さを20μmとした場合の透気度(sec/20μm)とを示した。
キャピラリー内部の流体は、流体の平均自由工程がキャピラリーの孔径より大きいときはクヌーセンの流れに、小さい時はポアズイユの流れに従うことが知られている。そこで、微多孔膜の透気度測定における空気の流れがクヌーセンの流れに、また微多孔膜の透水度測定における水の流れがポアズイユの流れに従うと仮定し、ポリオレフィン微多孔膜の平均孔径を求めた。
d=2ν×(Rliq/Rgas)×(16η/3Ps)×106
τ=(d×(ε/100)×ν/(3L×Ps×Rgas))1/2
Rgas=0.0001/(透気度×(6.424×10−4)×(0.01276×101325))
また、Rliqは透水度(cm3/(cm2・sec・Pa))から次式を用いて求められる。
Rliq=透水度/100
ν=((8R×T)/(π×M))1/2
TD1×MD5cmの短冊にポリオレフィン微多孔膜を切り出し、エチレンカーボネートとジメチルカーボネートとを体積比1:2で混合した電解液に、液面に垂直となるように1cm浸漬し、15分間経過した後、ポリオレフィン微多孔膜が電解液を吸い上げた高さ(mm)を測定することで電解液注液性を評価した。
(正極)
正極活物質として数平均粒子径11μmの、リチウムのニッケル、マンガン及びコバルト混合酸化物と、導電助剤として数平均粒子径6.5μmのグラファイト炭素粉末及び数平均粒子径48nmのアセチレンブラック粉末と、バインダーとしてポリフッ化ビニリデンとを、混合酸化物:グラファイト炭素粉末:アセチレンブラック粉末:PVDF=100:4.2:1.8:4.6の質量比で混合した。得られた混合物にN−メチル−2−ピロリドンを固形分68質量%となるように投入して更に混合して、スラリー状の溶液を調製した。このスラリー状の溶液を厚さ20μmのアルミニウム箔の片面に塗布し、溶剤を乾燥除去した後、ロールプレスで圧延しシートを得た。得られたシートを正電極として用いた。
負極活物質として数平均粒子径12.7μmのグラファイト炭素粉末(I)及び数平均粒子径6.5μmのグラファイト炭素粉末(II)と、バインダーとしてカルボキシメチルセルロース溶液(固形分濃度1.83質量%)と、ジエン系ゴム(ガラス転移温度:−5℃、乾燥時の数平均粒子径:120nm、分散媒:水、固形分濃度40質量%)とを、グラファイト炭素粉末(I):グラファイト炭素粉末(II):カルボキシメチルセルロース溶液:ジエン系ゴム=90:10:1.44:1.76の固形分質量比で全体の固形分濃度が45質量%になるように混合して、スラリー状の溶液を調製した。このスラリー状の溶液を厚さ10μmの銅箔の片面に塗布し、溶剤を乾燥除去した後、ロールプレスで圧延したものを負電極として用いた。
エチレンカーボネート:エチルメチルカーボネート=1:2(体積比)の混合溶媒に、溶質としてLiPF6を濃度1.0mol/Lとなるように添加して、電解液を調製した。
(評価基準)
A:95%以上
B:90%以上95%未満
C:85%以上90%未満
D:80%以上85%未満
E:75%以上80%未満
F:70%以上75%未満
G:70%未満
(工程1)
Mv70万の高密度ポリエチレンホモポリマー47.5質量%(以下、「PEa」ともいう。)と、Mv25万の高密度ポリエチレンホモポリマー47.5質量%(以下、「PEb」ともいう。)と、Mv40万のポリプロピレンホモポリマー5質量%(以下、「PPa」ともいう。)と、をタンブラーブレンダーを用いてドライブレンドし、ポリオレフィン樹脂混合物を得た。フィーダー及び二軸延伸機内の雰囲気を窒素で置換し、得られたポリオレフィン樹脂混合物をフィーダーにより二軸押出機へ供給し、可塑剤として流動パラフィン(以下、「LP」ともいう。)を押出機シリンダーに注入した。溶融混練は、設定温度200℃、スクリュー回転数150rpm、吐出量35kg/hにて行った。溶融混練で押し出される全混練物100質量%中に占める可塑剤濃度が65質量%となるように、フィーダー及びポンプを調整した。
続いて、溶融混練物をT−ダイより押出し、冷却固化することで1700μmのシートを得た。
次に得られたシートを120℃に加熱された1対のロールからなるロール圧延機に導き、膜厚維持率を35%とするため、600μmの膜厚になるように圧延を行った。
この圧延したシートをTD一軸テンター延伸機に導き、TD一軸延伸を行った。延伸条件は、横延伸倍率3.0倍、延伸温度120℃とした。その後、このシートを塩化メチレン槽に導き、塩化メチレン中に充分に浸漬させて流動パラフィンを抽出除去し、その後塩化メチレンを乾燥除去した。さらに、このシートを縦延伸機に導き、延伸温度120℃、延伸倍率5倍にて縦延伸を実施した。
最後に縦延伸を行ったシートをTD延伸機に導き、温度132℃、最大延伸倍率1.7倍、最終延伸倍率1.3倍にて熱固定を行った。得られた微多孔膜の物性、及びこれをセパレータとして用いた電池特性を表1に示した。
押出成形後のシート厚みを1500μmとし、圧延後の膜厚を600μmとし圧延後の膜厚維持率を40%とした以外は実施例1と同様にして微多孔膜を得た。得られた微多孔膜の物性、及びこれをセパレータとして用いた電池特性を表1に示した。
押出成形後のシート厚みを670μm、圧延後の膜厚を400μmとし、圧延後の膜厚維持率を60%とし、さらに工程3後、抽出前におけるTD延伸での横延伸倍率を2倍とした以外は実施例1と同様にして微多孔膜を得た。得られた微多孔膜の物性、及びこれをセパレータとして用いた電池特性を表1に示した。
押出成形後のシート厚みを1000μm、圧延後の膜厚を600μmとし、圧延後の膜厚維持率を60%とした以外は実施例1と同様にして微多孔膜を得た。得られた微多孔膜の物性、及びこれをセパレータとして用いた電池特性を表1に示した。
押出成形後のシート厚みを1660μm、圧延後の膜厚を1000μmとし、圧延後の膜厚維持率を60%とし、さらに工程3後、抽出前におけるTD延伸での横延伸倍率を5倍とした以外は実施例1と同様にして微多孔膜を得た。得られた微多孔膜の物性、及びこれをセパレータとして用いた電池特性を表1に示した。
押出成形後のシート厚みを2350μm、圧延後の膜厚を1400μmとし、圧延後の膜厚維持率を60%とし、さらに工程3後、抽出前におけるTD延伸での横延伸倍率を7倍とした以外は実施例1と同様にして微多孔膜を得た。得られた微多孔膜の物性、及びこれをセパレータとして用いた電池特性を表1に示した。
押出成形後のシート厚みを750μm、圧延後の膜厚を600μmとし、圧延後の膜厚維持率を80%とした以外は実施例1と同様にして微多孔膜を得た。得られた微多孔膜の物性、及びこれをセパレータとして用いた電池特性を表1に示した。
押出成形後のシート厚みを670μm、圧延後の膜厚を600μmとし、圧延後の膜厚維持率を90%とした以外は実施例1と同様にして微多孔膜を得た。得られた微多孔膜の物性、及びこれをセパレータとして用いた電池特性を表1に示した。
押出成形後のシート厚みを1000μm、圧延後の膜厚を600μmとし、圧延後の膜厚維持率を60%とし、さらに工程3後、抽出前におけるTD延伸での横延伸倍率を7倍とした以外は実施例1と同様にして微多孔膜を得た。得られた微多孔膜の物性、及びこれをセパレータとして用いた電池特性を表1に示した。
(工程1)
Mv70万の高密度ポリエチレンホモポリマー47.5質量%(以下、「PEa」ともいう。)と、Mv25万の高密度ポリエチレンホモポリマー47.5質量%(以下、「PEb」ともいう。)と、Mv40万のポリプロピレンホモポリマー5質量%(以下、「PPa」ともいう。)と、をタンブラーブレンダーを用いてドライブレンドし、ポリオレフィン樹脂混合物を得た。フィーダー及び二軸延伸機内の雰囲気を窒素で置換し、得られたポリオレフィン樹脂混合物をフィーダーにより二軸押出機へ供給し、可塑剤として流動パラフィン(以下、「LP」ともいう。)を押出機シリンダーに注入した。溶融混練は、設定温度200℃、スクリュー回転数150rpm、吐出量35kg/hにて行った。溶融混練で押し出される全混練物100質量%中に占める可塑剤濃度が65質量%となるように、フィーダー及びポンプを調整した。
続いて、溶融混練物をT−ダイより押出し、冷却固化することで1500μmのシートを得た。
次に得られたシートを120℃に加熱された1対のロールからなるロール圧延機に導き、膜厚維持率を40%とするため、600μmの膜厚になるように圧延を行った。
この圧延したシートをMD延伸機に導き、MD延伸を行った。延伸条件は、縦延伸倍率3.0倍、延伸温度120℃とした。その後、TD一軸延伸機に導き、延伸温度120℃、延伸倍率5倍にて横延伸を実施したこのシートを塩化メチレン槽に導き、塩化メチレン中に充分に浸漬させて流動パラフィンを抽出除去し、その後塩化メチレンを乾燥除去した。
最後に縦延伸を行ったシートをTD延伸機に導き、温度132℃、最大延伸倍率1.7倍、最終延伸倍率1.3倍にて熱固定を行った。得られた微多孔膜の物性、及びこれをセパレータとして用いた電池特性を表1に示した。
押出成形後のシート厚みを1000μm、圧延後の膜厚を600μmとし、圧延後の膜厚維持率を60%とした以外は実施例10と同様にして微多孔膜を得た。得られた微多孔膜の物性、及びこれをセパレータとして用いた電池特性を表1に示した。
押出成形後のシート厚みを750μm、圧延後の膜厚を600μmとし、圧延後の膜厚維持率を80%とした以外は実施例10と同様にして微多孔膜を得た。得られた微多孔膜の物性、及びこれをセパレータとして用いた電池特性を表1に示した。
(工程1)
Mv70万の高密度ポリエチレンホモポリマー47.5質量%(以下、「PEa」ともいう。)と、Mv25万の高密度ポリエチレンホモポリマー47.5質量%(以下、「PEb」ともいう。)と、Mv40万のポリプロピレンホモポリマー5質量%(以下、「PPa」ともいう。)と、をタンブラーブレンダーを用いてドライブレンドし、ポリオレフィン樹脂混合物を得た。フィーダー及び二軸延伸機内の雰囲気を窒素で置換し、得られたポリオレフィン樹脂混合物をフィーダーにより二軸押出機へ供給し、可塑剤として流動パラフィン(以下、「LP」ともいう。)を押出機シリンダーに注入した。溶融混練は、設定温度200℃、スクリュー回転数150rpm、吐出量35kg/hにて行った。溶融混練で押し出される全混練物100質量%中に占める可塑剤濃度が65質量%となるように、フィーダー及びポンプを調整した。
続いて、溶融混練物をT−ダイより押出し、冷却固化することで2500μmのシートを得た。
次に得られたシートを120℃に加熱された1対のロールからなるロール圧延機に導き、膜厚維持率を60%とするため、1500μmの膜厚になるように圧延を行った。
この圧延したシートを同時二軸テンターに導き、同時二軸延伸を行った。延伸条件は、縦延伸倍率7.0倍、横延伸温度6.0倍、延伸温度120℃とした。次いで、得られたシートを塩化メチレン槽に導き、塩化メチレン中に充分に浸漬させて流動パラフィンを抽出除去し、その後塩化メチレンを乾燥除去した。
最後に縦延伸を行ったシートをTD延伸機に導き、温度132℃、最大延伸倍率1.7倍、最終延伸倍率1.3倍にて熱固定を行った。得られた微多孔膜の物性、及びこれをセパレータとして用いた電池特性を表1に示した。
溶融混練で押し出される全混練物100質量%中に占める可塑剤濃度が80質量%となるように、フィーダー及びポンプを調整したこと以外は、実施例13と同様にして微多孔膜を得た。得られた微多孔膜の物性、及びこれをセパレータとして用いた電池特性を表1に示した。
押出成形後のシート厚みを6000μmとし、圧延後の膜厚を600μmとし圧延後の膜厚維持率を10%とした以外は実施例1と同様にして微多孔膜を得た。得られた微多孔膜の物性、及びこれをセパレータとして用いた電池特性を表1に示した。
押出成形後のシート厚みを3000μmとし、圧延後の膜厚を600μmとし圧延後の膜厚維持率を20%とした以外は実施例1と同様にして微多孔膜を得た。得られた微多孔膜の物性、及びこれをセパレータとして用いた電池特性を表1に示した。
押出成形後のシート厚みを600μmとし、圧延(工程3)を行わずに延伸を行った以外は実施例1と同様にして微多孔膜を得た。得られた微多孔膜の物性、及びこれをセパレータとして用いた電池特性を表1に示した。
押出成形後のシート厚みを2240μmとし、圧延(工程3)を行わずに横延伸機にシートを導き、横延伸倍率7.0倍で横延伸した。その後、塩化メチレン槽にシートを導き、可塑剤の抽出を行った。可塑剤抽出後、縦延伸機にシートを導き、縦延伸倍率8倍で縦延伸を行った以外は実施例1と同様にして微多孔膜を得た。得られた微多孔膜の物性、及びこれをセパレータとして用いた電池特性を表1に示した。
押出成形後のシート厚みを630μmとし、圧延後の膜厚を600μmとし圧延後の膜厚維持率を95%とした以外は実施例1と同様にして微多孔膜を得た。得られた微多孔膜の物性、及びこれをセパレータとして用いた電池特性を表1に示した。
Claims (7)
- ポリオレフィン樹脂及び可塑剤を混練して混練物を形成する工程1と、
前記混練物をシート状成形体に加工する工程2と、
前記シート状成形体を圧延し圧延体とする工程3と、
前記圧延体から可塑剤を抽出する工程、及び前記圧延体を延伸する工程を有する工程4
を有し、
前記工程3において、
膜厚維持率=(圧延後膜厚/圧延前膜厚)×100
で定義される膜厚維持率が35%以上90%以下である、ポリオレフィン微多孔膜の製造方法。 - 前記工程3における膜厚維持率が、40%以上80%以下である、請求項1に記載のポリオレフィン微多孔膜の製造方法。
- 前記工程4が前記圧延体から可塑剤を抽出する前に、前記圧延体を延伸する工程4−1であって、前記圧延体を少なくとも一軸方向に少なくとも1回以上延伸し、延伸倍率が3倍以上である、請求項1又は2に記載のポリオレフィン微多孔膜の製造方法。
- 前記工程4が前記圧延体から可塑剤を抽出した後に、前記圧延体を延伸する工程4−2である、請求項1又は2に記載のポリオレフィン微多孔膜の製造方法。
- 前記工程4が前記圧延体から可塑剤を抽出する前と後に、前記圧延体を延伸する工程4−3であって、
前記圧延体から可塑剤を抽出する前に、前記圧延体を少なくともTD方向に少なくとも1回以上延伸し、
前記圧延体から可塑剤を抽出した後に、前記圧延体を少なくともMD方向に少なくとも1回以上延伸する、請求項1又は2に記載のポリオレフィン微多孔膜の製造方法。 - 請求項1〜5のいずれか1項に記載のポリオレフィン微多孔膜の製造方法により製造されたポリオレフィン微多孔膜を含む、電池用セパレータ。
- 請求項6に記載の電池用セパレータと、正極と、負極と、電解液と、を備える、非水電解液二次電池。
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