JP2016121354A - ポリオレフィン微多孔膜の製造方法 - Google Patents

ポリオレフィン微多孔膜の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】リチウムイオン二次電池用セパレータとした時に耐カール性に優れるポリオレフィン微多孔膜の製造方法を提供すること。
【解決手段】(a)ポリオレフィン樹脂及び孔形成材料を含む樹脂組成物を溶融混練して押出す押出工程、(b)得られた押出物をシート状に成形するシート成形工程、(c)得られたシート状成形物を、少なくとも一回、少なくとも一方向に延伸する一次延伸工程、(d)得られた延伸シートから孔形成材料を抽出する抽出工程、及び(e)得られたシートを、少なくとも一方向に延伸する二次延伸工程を含み、前記(e)工程における二次延伸工程は2段階以上の延伸段階から成り、第2段階目以降の延伸段階における歪速度が前段階における歪速度よりも大きいことを特徴とする、ポリオレフィン微多孔膜の製造方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、ポリオレフィン微多孔膜の製造方法に関する。
ポリオレフィン微多孔膜は、種々の物質の分離、選択透過分離膜、隔離材等として広く用いられている。その用途としては、例えば、精密ろ過膜;リチウムイオン電池、燃料電池等の電池のセパレータ;コンデンサー用セパレータ;機能材を孔の中に充填させ新たな機能を出現させるための機能膜の母材等が挙げられる。中でも、ノート型パーソナルコンピュータ(PC)、携帯電話、タブレットPC、デジタルカメラ等に広く使用されているリチウムイオン電池用のセパレータとして、ポリオレフィン微多孔膜が好適に使用されている。
近年のリチウムイオン二次電池の普及により、電池の製造工程では、高生産性を図るために益々の高速加工が行われるようになっている。このため、セパレータの空隙率及び孔径といった性能面のみならず、均質性及び加工性といった観点からも、セパレータに高い水準が要求されるようになっている。
特許第2628788号公報
電池製造工程の一つである捲回工程においては、正極、負極、及びセパレータを積層した後、捲回することにより、捲回電極体を作製する。この時、各部材が真っ直ぐに繰出され、セパレータの端面がフリーな状態になる時、反る(カールする)ことなく真っ直ぐな状態を維持できれば、高速加工が可能になる。しかし、カールが強いと、真っ直ぐに繰出されないため、高速加工を実現することができない。
従来、湿式セパレータを製造する際、ポリオレフィン樹脂及び孔形成材料を含む樹脂組成物を溶融混練して押出た後、得られた押出物をシート状に成形するシート成形工程を経る。この時、シートの搬送上の問題から、通常はシート両面における冷却速度が相違するため、結晶化状態が異なり、カールが生じ易いという問題があった。
特許文献1では、乾式法の延伸歪速度に着目している。該特許文献には、延伸速度及び延伸倍率を変えることによって孔径サイズを変化できる旨が記載されている。しかしながら、セパレータのカール改善への影響については、記載も示唆もない。
本発明は、リチウムイオン二次電池用セパレータとした時に耐カール性に優れるポリオレフィン微多孔膜の製造方法を提供することを目的とする。
本発明者等が鋭意検討した結果、可塑剤等を抽出する前の延伸(一次延伸)及び可塑剤等を抽出した後の延伸(二次延伸)を採用する湿式法において、二次延伸工程として2段階以上の多段の延伸工程を採用し、各延伸段階における歪速度が特定の関係を有するように調整することにより、リチウムイオン二次電池用セパレータとした時の耐カール性に優れたポリオレフィン微多孔膜が得られることを見出し、本発明に至った。
すなわち、本発明は以下のとおりである。
[1]
(a)ポリオレフィン樹脂及び孔形成材料を含む樹脂組成物を溶融混練して押出す押出工程、
(b)前記(a)工程で得られた押出物をシート状に成形するシート成形工程、
(c)前記(b)工程で得られたシート状成形物を、少なくとも一回、少なくとも一軸方向に延伸する一次延伸工程、
(d)前記(c)工程で得られた延伸シートから孔形成材料を抽出する抽出工程、及び
(e)前記(d)工程で得られたシートを、少なくとも一軸方向に延伸する二次延伸工程
を含み、
前記(e)工程における二次延伸工程は2段階以上の延伸段階から成り、第2段階目以降の延伸段階における歪速度が前段階における歪速度よりも大きいことを特徴とする、ポリオレフィン微多孔膜の製造方法。
[2]
前記(e)工程における二次延伸工程が2段階以上10段階以下の延伸段階から成る、[1]記載のポリオレフィン微多孔膜の製造方法。
[3]
前記(e)工程における二次延伸工程が2段階以上6段階以下の延伸段階から成る、[1]記載のポリオレフィン微多孔膜の製造方法。
本発明によれば、リチウムイオン二次電池用セパレータとした時に耐カール性に優れるポリオレフィン微多孔膜の製造方法が提供される。これによって、電池捲回時の高速加工を可能にすることができる。
以下、本発明を実施するための形態(以下、「本実施形態」と略記することがある。)について詳細に説明する。なお、本発明は、下記の本実施形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で種々変形して実施することができる。
本実施の形態の製造方法は、以下の(a)から(e)の各工程を含む。
(a)ポリオレフィン樹脂及び孔形成材料を含む樹脂組成物を溶融混練して押出す押出工程、
(b)前記(a)工程で得られた押出物をシート状に成形するシート成形工程、
(c)前記(b)工程で得られたシート状成形物を、少なくとも一回、少なくとも一軸方向に延伸する一次延伸工程、
(d)前記(c)工程で得られた延伸シートから孔形成材料を抽出する抽出工程、及び
(e)前記(d)工程で得られたシートを、少なくとも一軸方向に延伸する二次延伸工程。この二次延伸工程は、2段階以上の延伸段階から成り、第2段階目以降の延伸段階における歪速度が前段階における歪速度よりも大きい。
本実施の形態の製造方法は、前記工程を含む湿式法を採用することにより、電池用セパレータとして用いる場合に、耐カール性に優れたセパレータを提供するものである。
上記(a)の押出工程における溶融混練に用いられるポリオレフィン樹脂(以下、単に「PO」と略記することがある。)としては、特に限定されない。例えば、エチレン、プロピレン等のポリオレフィンの単独重合体;
エチレン、プロピレン、1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、及びノルボルネンよりなる群から選ばれる少なくとも2つのモノマーを重合して得られる共重合体
等が挙げられる。上記単独重合体としては、エチレン又はプロピレンの単独重合体が好ましい。
上記POは、特に限定されず、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を用いてもよい。2種以上を用いる場合、予め混合した混合物とした後、孔形成材料等の他の成分と混合してもよいし、他の成分に別々に添加して混合して用いてもよい(以下、「混合物」との記載は、前記両方の場合を包含することがある。)。2種以上のPOを用いると、セパレータのヒューズ温度及び短絡温度の制御が容易となるため好ましい。例えば、粘度平均分子量(以下「Mv」と略記することがある。)50万以上の超高分子量POとMv50万未満のPOとの混合物は、その適度な分子量分布により、セパレータの強度と透過性とを両立し易いという観点からもより好ましい。また、セパレータのヒューズ機能を良好に発現させる観点から、POとしてポリエチレンを主体とすることが好ましい。「主体とする」とは、当該成分がPO全体の50質量%以上を占めることを指す。
PO微多孔膜全体のMvは、特に限定されない。しかし、POを単独で使用する場合も、2種以上を併用する場合も、10万〜120万であることが好ましく、30万〜80万であることがより好ましい。Mvが10万以上であると、異物等に起因する短絡による発熱時に耐破膜性を発現し易いため好ましく、120万以下であると押出工程における長手方向(原料樹脂吐出方向及び機械方向と同義。以下、「MD」と略記することがある。)への配向が抑制され、微多孔膜全体の均一性を発現し易いため好ましい。
本実施形態においては、耐熱性をより向上させる観点から、ポリオレフィン樹脂としてポリエチレン及びポリプロピレンの混合物を用いることが好ましい。電池内部において、短絡による局所的発熱が生じた時、160℃付近でポリプロピレンの融解による吸熱が起こり、安全性が高まるものと考えられる。ポリオレフィン樹脂組成物中の、総ポリオレフィン樹脂に対するポリプロピレンの割合は、耐熱性の観点から1質量%以上であることが好ましく、より好ましくは3質量%以上、更に好ましくは5質量%以上である。また、セパレータのシャットダウン機能を良好に発現させる観点から、この割合が50質量以下であることが好ましく、より好ましくは20質量%以下、更に好ましくは10質量%以下である。
POの配合割合は、特に限定されないが、POと可塑剤と必要に応じて配合される無機材との合計質量に対して、好ましくは1〜60質量%、より好ましくは10〜40質量%である。
(a)工程において、POを含む樹脂組成物には、任意の添加剤を含有させることができる。添加剤としては、例えば、ポリオレフィン樹脂以外の重合体;フェノール系、リン系、イオウ系等の酸化防止剤;ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛等の金属石鹸類;紫外線吸収剤;光安定剤;帯電防止剤;防曇剤;着色顔料等が挙げられる。これらの添加剤の総添加量は、ポリオレフィン樹脂100質量部に対して、20質量部以下であることが好ましく、より好ましくは10質量部以下、更に好ましくは5質量部以下である。
本実施形態において、孔形成材料とは、可塑剤、及び必要に応じて配合する無機材のことを指し、後の(d)抽出工程で孔形成材料を除去した際に微多孔膜の孔となる部分に相当する材料である。
可塑剤としては、特に限定されないが、ポリオレフィンの融点以上において均一溶液を形成し得る不揮発性溶媒を用いることが好ましい。このような不揮発性溶媒の具体例としては、例えば、流動パラフィン、パラフィンワックス等の炭化水素類;フタル酸ジオクチル、フタル酸ジブチル等のエステル類;オレイルアルコール、ステアリルアルコール等の高級アルコール等が挙げられる。可塑剤の中でも、流動パラフィンは、ポリオレフィン樹脂がポリエチレン又はポリプロピレンである場合には、これらとの相溶性が高く、溶融混練物を延伸しても樹脂と可塑剤との界面剥離が起こり難く、均一な延伸を実施し易くなる傾向にあるため、好ましい。
なお、これらの可塑剤は、抽出後、蒸留等の操作により回収して再利用してよい。
ポリオレフィン樹脂組成物と可塑剤の比率は、これらを均一に溶融混練して、シート状に成形できる範囲であれば特に限定はない。例えば、ポリオレフィン樹脂組成物と可塑剤とからなる組成物中に占める可塑剤の質量分率は、好ましくは20〜90質量%、より好ましくは30〜80質量%である。可塑剤の質量分率が90質量%以下であると、溶融成形時のメルトテンションが不足し難く、成形性が向上する傾向にある。一方、可塑剤の質量分率が20質量%以上であると、ポリオレフィン樹脂組成物と可塑剤との混合物を高倍率で延伸した場合でもポリオレフィン鎖の切断が起こらず、セパレータに必要な均一かつ微細な孔構造を形成し易く、強度も増加し易い。
無機材としては、特に限定されず、例えば、アルミナ、シリカ(珪素酸化物)、チタニア、ジルコニア、マグネシア、セリア、イットリア、酸化亜鉛、酸化鉄などの酸化物系セラミックス;窒化ケイ素、窒化チタン、窒化ホウ素等の窒化物系セラミックス;シリコンカーバイド、炭酸カルシウム、硫酸アルミニウム、水酸化アルミニウム、チタン酸カリウム、タルク、カオリンクレー、カオリナイト、ハロイサイト、パイロフィライト、モンモリロナイト、セリサイト、マイカ、アメサイト、ベントナイト、アスベスト、ゼオライト、ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ藻土、ケイ砂等のセラミックス;ガラス繊維等が挙げられる。これらは、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて使用してもよい。これらの中でも、電気化学的安定性の観点から、シリカ、アルミナ、及びチタニアより成る群から選択される1種以上が好ましい。
無機材の配合割合は、特に限定されないが、例えば、POと無機材との合計質量に対して、良好な隔離性を得る観点から、5質量%以上が好ましく、10質量%以上がより好ましく、高い強度を確保する観点から、99質量%以下が好ましく、95質量%以下がより好ましい。
無機材は孔形成材として使用することもできるが、耐熱性向上の観点から、孔形成材として使用せずに、PO微多孔膜に含有させることも可能である。
(a)工程における混練の方法としては、特に限定されないが、例えば、原材料の一部又は全部を必要に応じてヘンシェルミキサー、リボンブレンダー、タンブラーブレンダー等を用いて予め混合した後、全ての原材料を、一軸押出機、二軸押出機等のスクリュー押出機;ニーダー;ミキサー等により溶融混練する方法が挙げられる。
本実施形態では、混練時において、特に限定されないが、原料のPOに酸化防止剤を所定の濃度で混合した後、それらの混合物の周囲を窒素雰囲気に置換し、窒素雰囲気を維持した状態で溶融混練を行うことが好ましい。溶融混練時の温度は、160℃以上が好ましく、180℃以上が更に好ましい。また、その温度は300℃未満が好ましい。
(a)工程においては、上記混練を経て得られた混練物が、T型ダイ、環状ダイ等の押出機により押し出される。このとき、単層押出しであってもよく、積層押出しであってもよい。押出しの際の諸条件は、特に限定されず、例えば公知の方法を採用できる。
次いで、(b)のシート成形工程において、上記(a)工程を経て得られた押出物をシート状に成形して冷却固化させる。シート成形により得られるシート状成形物は、単層であってもよく、積層であってもよい。シート成形の方法としては、特に限定されないが、例えば、押出物を圧縮冷却により固化させる方法が挙げられる。冷却方法としては、特に限定されないが、例えば、冷風、冷却水等の冷却媒体に押出物を直接接触させる方法;冷媒で冷却した金属ロール、プレス機等に押出物を接触させる方法等が挙げられる。冷媒で冷却した金属ロール、プレス機等に押出物を接触させる方法が、膜厚制御が容易な点で好ましい。この場合の冷却温度は、押出物が固化する温度であれば特に限定されないが、例えば、20〜90℃が好ましい。
次に(c)工程において、シート成形工程を経て得られたシート状成形物を少なくとも一回、少なくとも一軸延伸する。この延伸工程(次の(d)抽出工程より前に行う延伸工程)を「一次延伸」と呼ぶこととし、一次延伸によって得られた膜を「一次延伸膜」と呼ぶこととする。
一次延伸の延伸方法としては、特に限定されないが、例えば、ロール延伸機による一軸延伸;テンターによる幅方向(MDと直交する方向。以下、「TD」と略記することがある。)一軸延伸;ロール延伸機及びテンター、又は複数のテンターの組み合わせによる逐次二軸延伸;同時二軸テンター又はインフレーション成形による同時二軸延伸等が挙げられる。
一次延伸の延伸倍率は、延伸方向に特に限定をしないが、十分な強度を付与する観点から、少なくとも一軸方向に3倍以上が好ましく、延伸破断防止の観点から10倍以下が好ましい。二軸延伸を行う際は、逐次延伸でも同時二軸延伸でもよいが、各軸方向の延伸倍率はそれぞれ3倍以上10倍以下が好ましい。一方で、寸法安定性や延伸時の破断防止の点から、(c)工程の一次延伸及び(e)工程の二次延伸の両工程を併せたトータルの一軸方向の総延伸倍率を、MD方向、TD方向それぞれ20倍未満とし、面積倍率で200倍以下とするのが好ましい。
(d)抽出工程では、(c)の一次延伸工程を経て得られた一次延伸膜から孔形成材を除去して多孔膜とする。孔形成材を除去する方法としては、例えば、抽出溶剤にシート状成形体を浸漬して孔形成材を抽出し、充分に乾燥させる方法等が挙げられる。孔形成材を抽出する方法は、バッチ式及び連続式のいずれであってもよい。また、多孔膜中の孔形成材、特に可塑剤の残存量は、多孔膜全体の質量に対して1質量%未満にすることが好ましい。
孔形成材を抽出する際に用いられる抽出溶剤としては、ポリオレフィン樹脂に対して貧溶媒で、かつ孔形成材可塑剤に対して良溶媒であり、沸点がポリオレフィン樹脂の融点より低いものを用いることが好ましい。このような抽出溶剤としては、例えば、n−ヘキサン、シクロヘキサン等の炭化水素類;塩化メチレン、1,1,1−トリクロロエタン等のハロゲン化炭化水素類;ハイドロフルオロエーテル、ハイドロフルオロカーボン等の非塩素系ハロゲン化溶剤;エタノール、イソプロパノール等のアルコール類;ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン等のエーテル類;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類が挙げられる。なお、これらの抽出溶剤は、蒸留等の操作により回収して再利用してよい。また、孔形成材として無機材を用いる場合には、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の水溶液を抽出溶剤として用いることができる。なお、抽出の順序、方法、及び回数については、特に制限はない。
そして、(e)工程において、(d)抽出工程を経て得られた多孔膜を所定の温度で加熱して延伸する。この延伸工程((d)抽出工程の後に行う延伸工程)を「二次延伸」と呼ぶこととし、二次延伸によって得られた膜を「二次延伸膜」と呼ぶこととする。二次延伸では、(d)の抽出工程を経て得られた多孔膜を、少なくとも一方向へ延伸する。延伸方法としては、特に限定されないが、複数の延伸段数を有し、かつ、各段の歪速度を制御しやすい観点から、多段ロール延伸機を使用するのが好ましい。
二次延伸では、第2段階目以降の延伸段階における歪速度が、前段階における歪速度よりも大きくなるように延伸する。例えば、(n+1)段階目の延伸段階における歪速度は、n段階目における歪み速度よりも大きい。本手法を用いることにより、他の物性を大きく損なうことなく、耐カール性に優れた微多孔膜を作ることができる。
各延伸段階において、前段階の延伸段階におけるよりも歪速度が大きくなるように延伸することにより、延伸時、特に後の段階の延伸において、大きな延伸応力を与えることができ、孔構造を形成する幹の太さがより均一に形成されることになると推測される。本手法を用いることにより、(b)シート成形工程で生じたシート両表層の結晶化状態の差異を相殺できるために、微多孔膜の両表層の均等性、及び緻密化に伴う剛性が発現し、耐カール性を有することとなると推測される。
二次延伸は、2段以上の延伸段階を経て延伸する。延伸段数が2段未満だと、延伸応力が立ち過ぎて破断するため、好ましくない。また、延伸段数を10段以下にするのが好ましく、更に好ましくは6段以下にである。11段以上の延伸だと、後期の延伸で延伸応力が足りずに、シート両表層の結晶化状態の差異を十分に相殺できないため、微多孔膜の耐カール性が悪化するので、好ましくない。
二次延伸における各段階の歪速度の算出は、以下のとおりに行う。
歪速度(%/秒) = (延伸倍率−1)×100÷延伸時間(秒)
延伸時間(秒) = 2点間距離(m)÷2点間平均速度(m/秒)
ここで、ロール延伸機を使用する場合は、2点間距離としてはロール間の接線距離を採用する。
各延伸段階における歪速度の好ましい範囲としては、最低限の透過性を得る観点から、各段階とも1%/秒以上が好ましく、5%/秒以上がより好ましく、10%/秒以上とするのが更に好ましい。
また、シート両表層の結晶化状態の差異を相殺する観点から、全延伸段階における歪速度の最大歪速度と最小歪速度の差が10以上が良く、30以上がより好ましく、60以上が更に好ましい。
二次延伸の延伸倍率は、特に限定されないが、少なくとも一軸方向に、少なくとも1.1倍が好ましく、2.0倍以上に延伸するのがより好ましい。二軸方向に延伸する場合は、MD及びTD少なくともどちらかの方向で、1.1倍以上が好ましく、2.0倍以上延伸するのがより好ましい。1.1倍未満にすると、十分な透過性が得られず好ましくない。
また、本実施形態の延伸工程には、一次延伸と二次延伸とがあるが、両工程を合わせたトータル延伸倍率では、MD方向及びTD方向のそれぞれについて3倍以上、総面積倍率で9倍以上であることが、十分な強度及び透過性の観点から好ましい。一方で、寸法安定性、及び延伸時の破断防止の点から、MD方向及びTD方向のそれぞれについて20倍未満、総面積倍率で200倍以下であることが好ましい。
二次延伸温度は、特に限定されず、PO組成物に含まれる原料樹脂組成及び濃度を参照して選択することが可能である。延伸温度は、過大な延伸応力による破断を防ぐ観点から、(主要組成樹脂の融点−30℃)〜主要組成樹脂の融点の範囲であることが好ましい。主要組成樹脂がポリエチレンの場合、延伸温度は110℃以上であると好ましく、微多孔膜の強度を高める観点から130℃以下であると好ましい。延伸温度は、より好ましくは115〜129℃、更に好ましくは118〜127℃である。ここで、「主要組成樹脂」とはPO組成物に含まれる樹脂のうち、最も多く含まれる樹脂のことをいう。
本実施形態において、(a)から(e)工程の後に、必要に応じて所定の温度における熱固定を施してもよい。この際の熱処理の方法としては、特に限定されないが、テンターやロール延伸機を利用して、延伸及び緩和操作を行う熱固定方法が挙げられる。
延伸操作は、膜のMD及びTDのうちの少なくとも1つの方向に、好ましくは1.1倍以上、より好ましくは1.2倍以上の延伸を施すことが、更なる高強度かつ高気孔率の多孔膜が得られる観点から、好ましい。
緩和操作は、膜のMD及びTDのうちの少なくとも1つの方向への縮小操作のことである。緩和率とは、緩和操作後の膜の寸法を緩和操作前の膜の寸法で除した値のことである。なお、MD及びTDの双方を緩和した場合は、MDの緩和率とTDの緩和率を乗じた値のことである。緩和率は、1.0以下であることが好ましく、0.97以下であることがより好ましく、0.95以下であることが更に好ましい。緩和率は膜品位の観点から0.5以上であることが好ましい。緩和操作は、MD及びTDの両方向で行ってもよいし、MD又はTDの片方だけ行ってもよい。
この延伸及び緩和における温度は、特に限定されないが、主要組成樹脂の融点(Tm)より低いことが好ましく、Tmより1℃から25℃低い範囲がより好ましく、Tmより1℃から20℃低い範囲が更に好ましく、Tmより1℃から15℃低い範囲が特に好ましい。延伸及び緩和操作における温度が上記範囲内であることは、熱収縮率低減と気孔率とのバランスの観点から好ましい。
本実施形態のPO微多孔膜の製造方法は、上記(a)〜(e)の各工程以外の他の工程を含むことができる。他の工程としては、特に限定されないが、例えば、上記熱固定の工程に加え、積層体であるPO微多孔膜を得るための工程として、単層体であるPO微多孔膜を複数枚重ね合わせる工程が挙げられる。また、本実施形態のPO微多孔膜の製造方法は、PO微多孔膜の表面に対して、電子線照射、プラズマ照射、界面活性剤の塗布、化学的改質等の表面処理を施す表面処理工程を含んでもよい。更には、上記の無機材を、PO微多孔膜の片面又は両面に塗工して無機材層を備えたPO微多孔膜を得てもよい。
更に、上記の後加工工程の後に、微多孔膜を捲回したマスターロールに対して、所定の温度下においてエージング処理を施した後、該マスターロールの巻き返し操作を行うこともできる。これにより、より熱的安定性の高いPO微多孔膜を得易くなる。
上記の場合、マスターロールをエージング処理する際の温度は、特に限定されないが、35℃以上が好ましく、45℃以上がより好ましく、60℃以上が更に好ましい。また、PO微多孔膜の透過性保持の観点から、その温度は120℃以下が好ましい。エージング処理に要する時間は、特に限定されないが、24時間以上であると、上記効果が発現し易いため好ましい。
本実施形態の製造方法によって得られるPO微多孔膜は、特に限定されないが、気孔率が、出力特性の点から、30%以上であることが好ましく、より好ましくは40%以上、更に好ましくは45%以上であり、耐破膜性の点から、70%以下であることが好ましく、より好ましくは65%以下、更に好ましくは60%以下である。
本実施形態の製造方法によって得られるPO微多孔膜は、特に限定されないが、孔径が、機械強度の点から、0.040μm以上であることが好ましく、より好ましくは0.045μm以上、更に好ましくは0.050μm以上であり、シャットダウン特性の点から、0.10μm以下であることが好ましく、より好ましくは0.08μm以下、更に好ましくは0.07μm以下である。
本実施形態の製造方法によって得られるPO微多孔膜は、特に限定されないが、膜厚が、機械強度及び透過性の観点から、1〜50μmであることが好ましく、より好ましくは2〜40μm、更に好ましくは3〜30μmである。
本実施形態の製造方法によって得られるPO微多孔膜は、特に限定されないが、20μm相当の厚みにおける透気度が、透過性の点から、1000秒以下であることが好ましく、より好ましくは500秒以下、更に好ましくは300秒以下であり、機械強度の点から、20秒以上であることが好ましく、より好ましくは50秒以上、更に好ましくは80秒以上である。
本実施形態の製造方法によって得られるPO微多孔膜は、特に限定されないが、突刺強度が、耐電圧の点から、2N以上であることが好ましく、より好ましくは3N以上、更に好ましくは4N以上である。
本実施形態の製造方法によって得られるPO微多孔膜は、特に限定されないが、幹の太さの平均値が、耐カールの観点から、0.15μm以下であることが好ましく、0.12μm以下であることがより好ましく、更に好ましくは0.1μm以下、特に好ましくは0.08μm以下である。また、幹の太さの標準偏差は、耐カール性の観点から、0.12μm以下であることが好ましく、0.10μm以下であることがより好ましく、更に好ましくは0.09μm以下、特に好ましくは0.08μm以下である。
なお、本実施形態における各種特性(パラメータ)は、特に断りのない限り、後記の実施例における測定方法に準じて測定される。
上記のようにして得られたPO微多孔膜は、所望の形状に加工された後、例えば、リチウムイオン二次電池等のセパレータとして用いられる。本実施形態のPO微多孔膜からなるセパレータは、従来のセパレータと比較して、耐カール性に優れる。
本実施形態の製造方法により得られるセパレータを用いてリチウムイオン二次電池を製造する方法は、特に限定されず、例えば、上記セパレータと、正極、負極、電解液等の公知のリチウムイオン二次電池と同様の各部材とを用いて、公知の方法により製造する方法が挙げられる。
本実施形態の製造方法により得られるセパレータは、リチウムイオン二次電池の中でも、特に、高容量のラミネートセル型電池の作製に好適である。かかる用途への適用により、従来以上の電池捲回時の高速加工が可能であるとの本発明の利点を最大限に発揮することができる。
次に、実施例及び比較例を挙げて本実施形態をより具体的に説明する。しかし、本実施形態はその要旨を超えない限り、下記の実施例に限定されるものではない。
実施例中の各種特性は、それぞれ、下記の方法により測定した。
(1)粘度平均分子量(Mv)
ASTM−D4020に準拠して、デカリン溶媒中、135℃における極限粘度[η]を求めた。その極限粘度[η]から、ポリエチレンのMvを次式により算出した。
[η]=6.77×10−4Mv0.67
同様に極限粘度[η]から、ポリプロピレンのMvを次式により算出した。
[η]=1.10×10−4Mv0.80
(2)融点の測定(DSC)
DSCは、島津製作所社製DSC60を使用して測定した。
セパレータを直径5mmの円形に打ち抜き、数枚重ね合わせて3mgとしたものを測定サンプルとして用いた。このサンプルを、直径5mmのアルミ製オープンサンプルパンに敷き、クランピングカバーを乗せ、サンプルシーラーによりアルミパン内に固定した。窒素雰囲気下、昇温速度10℃/分で30℃から200℃まで昇温し、200℃で5分ホールドした後、降温速度10℃/分で200℃から30まで降温した。続いて、30℃において5分間ホールドした後、再度、昇温速度10℃/分で30℃から200℃まで昇温した。この時の融解吸熱曲線において、極大となる温度を融点(℃)とした。極大値が複数ある場合は、一番大きな融解吸熱曲線の極大値となる温度を融点として採用した。
(3)膜厚(μm)
東洋精機製の微小測厚器、KBM(商標)を用いて、室温(23±2℃)において、PO微多孔膜の膜厚を測定した。
(4)気孔率(%)
PO微多孔膜から10cm×10cm角を切り取ってサンプルを得、室温23±2℃におけるその体積(cm)と質量(g)とを測定した。それらの値と膜密度(g/cm)とから、PO微多孔膜の気孔率を次式により算出した。
気孔率(%)=(体積−質量/膜密度)/体積×100
なお、膜密度は0.95g/cmの一定値と仮定して計算した。
(5)透気度(秒)
JIS P−8117に準拠し、ガーレー式透気度計(東洋精器(株)製、G−B2(商標))を使用して、室温23±2℃におけるPO微多孔膜の透気度を測定した。透気度とは、100ccの空気が、6.452cmの試料面積を通過するのに要する時間(秒)を指す。
(6)突刺強度(N)
カトーテック製のハンディ圧縮試験器であるKES−G5(商標)を用いて、下記条件によりPO微多孔膜の突刺試験を行った。その時の最大突刺荷重(N)を測定し、突刺強度とした。
試料ホルダーの開口部の直径:11.3mm
針先端の曲率半径:0.5mm
突刺速度:2mm/sec
雰囲気温度:23±2℃
(7)平均孔径(μm)及び屈曲率
キャピラリー内部の流体は、流体の平均自由工程がキャピラリーの孔径より大きいときはクヌーセンの流れに、小さい時はポアズイユの流れに、それぞれ従うことが知られている。そこで、微多孔膜の透気度測定における空気の流れがクヌーセンの流れに、微多孔膜の透水度測定における水の流れがポアズイユの流れに、それぞれ従うと仮定し、孔径d(μm)と屈曲率τ(無次元)は、空気の透過速度定数Rgas(m/(m・sec・Pa))、水の透過速度定数Rliq(m/(m・sec・Pa))、空気の分子速度ν(m/sec)、水の粘度η(Pa・sec)、標準圧力P(=101325Pa)、気孔率ε(%)、及び膜厚L(μm)から、次式を用いて求めた。
d=2ν×(Rliq/Rgas)×(16η/3Ps)×10
τ=(d×(ε/100)×ν/(3L×P×Rgas))1/2
ここで、Rgasは、透気度(sec)から次式を用いて求めた。
gas=0.0001/(透気度×(6.424×10−4)×(0.01276×101325))
また、Rliqは、透水度(cm/(cm・sec・Pa))から次式を用いて求めた。
liq=透水度/100
なお、透水度は次のように求めた。室温23±2℃において、直径41mmのステンレス製の透液セルに、予めアルコールに浸しておいた微多孔膜をセットし、該膜のアルコールを水で洗浄した後、約50,000Paの差圧で水を透過させ、120sec間経過した時の透水量(cm)より、単位時間・単位圧力・単位面積当たりの透水量を計算し、これを透水度とした。
また、νは、気体定数R(=8.314)、絶対温度T(K)、円周率π、及び空気の平均分子量M(=2.896×10−2kg/mol)から、次式を用いて求めた。
ν=((8R×T)/(π×M))1/2
(8)幹の太さの平均値(μm)及び標準偏差σ(μm)
幹の太さの平均値及び標準偏差σは、走査型電子顕微鏡(SEM)「型式S−4800、HITACHI社製」を用い、セパレータの表面観察により測定した。セパレータを1.5mm×2.0mm程度に切り取ってこれをサンプルとした。該サンプルをオスミウム蒸着した後、加速電圧1.0kV、倍率30,000倍にて観察した。そのうちの1.5μm四方の領域から、任意の幹の太さを25点測定し、その平均値と標準偏差とを求めた。幹の太さは、視野中の任意の幹を選択し、該幹における1つの分岐点とこれに隣接する次の分岐点との間の中間点(1つの分岐点から隣接する分岐点までの距離の40〜60%程度の任意の点)について測定し、これを1点の測定点とした。
ただし、1.5μm四方の領域から、幹の太さを25点測定できない場合は、25点測定できる範囲まで領域を広げて幹の太さを25点測定し、その平均値(相加平均)と標準偏と差を求めた。
(9)カール値
微多孔膜を、MD20cm×TD5cmに切り出し、平らな台の上に置いた。30秒後に、該微多孔膜が台と接しているMD長さ(Acm)を計り、下記の式にてカール値とした。
[カール値]=20cm−Acm
微多孔膜が台と接しているMD長さ(Acm)としては、微多孔膜のTD方向においてすべて台と接している箇所を計測した。測定は、温度23±2℃、及び相対湿度40%の条件下で行った。
[実施例1]
Mvが70万であるホモポリマーのポリエチレン(融点:135.5℃)45質量部と、Mvが30万であるホモポリマーのポリエチレン(融点:135.5℃)45質量部と、Mvが40万であるポリプロピレンとMvが15万であるポリプロピレンとの混合物(質量比=4:3)10質量部とを、タンブラーブレンダーを用いてドライブレンドした。得られたPO混合物99質量部に、酸化防止剤としてペンタエリスリチル−テトラキス−[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]を1質量部添加し、再度タンブラーブレンダーを用いてドライブレンドすることにより、混合物を得た。得られた混合物を、窒素雰囲気下で二軸押出機へフィーダーにより供給した。また、流動パラフィン(37.78℃における動粘度7.59×10−5/s)を押出機シリンダーにプランジャーポンプにより注入した。押し出される全混合物中に占める流動パラフィンの割合が65質量%、ポリマー濃度(以下、「PC」と略記することがある。)が35質量%となるように、フィーダー及びポンプの運転条件を調整した。
次いで、これらを二軸押出機内で溶融混練した。なお、溶融混練条件は、温度:230℃、スクリュー回転数:240rpm、及び吐出量:60kg/hとした。
続いて、得られた溶融混練物を、表面温度90℃に制御された冷却ロール上にT−ダイ経由で押出して接触させ、成形(cast)及び冷却固化することにより、シート状成形物である原反膜厚3,200μmのゲルシートを得た。
得られたゲルシートを同時二軸テンター延伸機に導き、二軸延伸により一次延伸膜を得た。設定延伸条件は、MD倍率7倍、TD倍率7倍、及び二軸延伸温度123℃とした。
次いで、得られた一次延伸膜を塩化メチレン槽に導き、十分に浸漬して、可塑剤である流動パラフィンを抽出除去した後、塩化メチレンを乾燥除去し、多孔膜を得た。
得られた多孔膜をMD一軸ロール延伸機に導き、二次延伸膜を得た。
この二次延伸の設定延伸条件は、MD3倍、延伸温度120℃、繰出し速度10m/min、及び延伸使用段数5段とした。各段の歪速度は、表1に示すとおりに設定した。
続いて、熱固定を行なうべく二次延伸膜をTDテンターに導いた。熱固定温度130℃、延伸倍率1.4倍の延伸操作の後、緩和率0.8倍の緩和操作を行った。得られたPO微多孔膜の各種特性を上記方法により評価した。結果を表2に示す。
[実施例2〜10、並びに比較例1〜3及び5]
二次延伸時の繰出し速度、延伸使用段数、及び各段の歪速度を、それぞれ表1に示すように設定した以外は実施例1と同様にしてPO微多孔膜を得た。得られたPO微多孔膜の各種特性を上記方法により評価した。
比較例5においては、二次延伸時の延伸応力に多孔膜が耐えられず破断したため、PO微多孔膜を得ることができなかった。
結果を表2に示す。
[比較例4]
シート状成形物である原反膜厚が750μmとなるよう調整してゲルシートを得、二次延伸を行わなかった以外は、実施例1と同様にしてPO微多孔膜を得た。得られたPO微多孔膜の各種特性を上記方法により評価した。結果を表2に示す。
Figure 2016121354
Figure 2016121354

Claims (3)

  1. (a)ポリオレフィン樹脂及び孔形成材料を含む樹脂組成物を溶融混練して押出す押出工程、
    (b)前記(a)工程で得られた押出物をシート状に成形するシート成形工程、
    (c)前記(b)工程で得られたシート状成形物を、少なくとも一回、少なくとも一軸方向に延伸する一次延伸工程、
    (d)前記(c)工程で得られた延伸シートから孔形成材料を抽出する抽出工程、及び
    (e)前記(d)工程で得られたシートを、少なくとも一軸方向に延伸する二次延伸工程
    を含み、
    前記(e)工程における二次延伸工程は2段階以上の延伸段階から成り、第2段階目以降の延伸段階における歪速度が前段階における歪速度よりも大きいことを特徴とする、ポリオレフィン微多孔膜の製造方法。
  2. 前記(e)工程における二次延伸工程が2段階以上10段階以下の延伸段階から成る、請求項1記載のポリオレフィン微多孔膜の製造方法。
  3. 前記(e)工程における二次延伸工程が2段階以上6段階以下の延伸段階から成る、請求項1記載のポリオレフィン微多孔膜の製造方法。
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