JP2015224238A - ジチエノベンゾジチオフェン誘導体の製造方法 - Google Patents

ジチエノベンゾジチオフェン誘導体の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 入手容易な原料を用い短工程及び高収率で、高いキャリア移動度を与える有機半導体材料であるジチエノベンゾジチオフェン誘導体の製造方法を提供する。【解決手段】 少なくとも下記(A)〜(D)工程を経ることを特徴とするジチエノベンゾジチオフェン誘導体の製造方法。(A)工程;パラジウム触媒及び/又はニッケル触媒の存在下、2−置換−5−チエニル金属誘導体と1,2,4,5−テトラハロベンゼンとの反応により1,4−ビス(2−置換−5−チエニル)−2,5−ジハロベンゼンを製造する工程。(B)工程;アルカリ金属チオアルコキサイドと(A)工程により得られた1,4−ビス(2−置換−5−チエニル)−2,5−ジハロベンゼンの反応により1,4−ビス(2−置換−5−チエニル)−2,5−ビス(アルキルスルフェニル)ベンゼンを製造する工程。(C)工程;酸化剤と(B)工程により得られた1,4−ビス(2−置換−5−チエニル)−2,5−ビス(アルキルスルフェニル)ベンゼンとの反応により、1,4−ビス(2−置換−5−チエニル)−2,5−ビス(アルキルスルフィニル)ベンゼンを製造する工程。(D)工程;(C)工程により得られた1,4−ビス(2−置換−5−チエニル)−2,5−ビス(アルキルスルフィニル)ベンゼンをpKaが2以下の酸で処理した後、アミンで脱アルキル化反応に供し、ジチエノベンゾジチオフェン誘導体を製造する工程。【選択図】 なし

Description

本発明は、有機半導体材料等の電子材料への展開が可能なジチエノベンゾジチオフェン誘導体の新規な製造方法に関するものであり、特に短工程及び高収率で、高キャリア移動度を与えるジチエノベンゾジチオフェン誘導体の製造方法に関するものである。
有機薄膜トランジスタに代表される有機半導体デバイスは、省エネルギー、低コスト及びフレキシブルといった無機半導体デバイスにはない特徴を有することから近年注目されている。この有機半導体デバイスは、有機半導体層、基板、絶縁層、電極等の数種類の材料から構成され、中でも電荷のキャリア移動を担う有機半導体層は該デバイスの中心的な役割を有している。そして、有機半導体デバイス性能は、この有機半導体層を構成する有機材料のキャリア移動度により左右されることから、高キャリア移動度を与える有機材料の出現が所望されている。
有機半導体層を作製する方法としては、高温真空下、有機材料を気化させて実施する真空蒸着法、有機材料を適当な溶媒に溶解させその溶液を塗布する塗布法等の方法が一般的に知られている。このうち、塗布法においては、高温高真空条件を用いることなく印刷技術を用いても実施することができるため、デバイス作製の大幅な製造コストの削減を図ることが期待でき、経済的に好ましいプロセスである。そして、このような塗布法に使用される有機半導体材料は、低分子系と高分子系のものがあるが、1.0cm/V・secを超えるキャリア移動度を得ることができる低分子系材料の方が好ましい。
現在、低分子系材料としては、ジチエノベンゾジチオフェン誘導体(例えば、特許文献1〜3参照。)が、1.0cm/V・secを超えるキャリア移動度を与える高性能な有機半導体材料として提案されている。
特許文献1には、ジアルキルジチエノベンゾジチオフェンが、4工程を経て製造されることが記載されている。しかし、ここで原料として使用する1,4−ジブロモ−2,5−ビス(メチルスルフィニル)ベンゼンは、1,4−ジブロモベンゼンから3工程を経て別途合成する必要があり、この工程を考慮すると計7工程という長い工程を必要とする。また、特許文献2にもジチエノベンゾジチオフェン誘導体の製造方法が記載されているが、該製造方法についても、7工程という長い工程を経て製造する合成スキームである。さらに特許文献3には市販の入手可能な原料を用い、4工程と短工程での製造方法が記載されているが、2,3−ジブロモチオフェンという2カ所の反応点を持つ原料を使用するため、副生成物の生成を抑制する必要があるという課題を有する。
WO2010/000670号公報 特開2009/54810号公報 特開2012/206953号公報
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、入手容易な原料を用い、短工程及び高収率で高キャリア移動度を与える有機半導体材料であるジチエノベンゾジチオフェン誘導体の新規な製造方法を提供することにある。
本発明者は、上記課題を解決するため鋭意検討の結果、短工程でジチエノベンゾジチオフェン誘導体を効率よく製造する方法を見出し、本発明を完成するに到った。
すなわち、本発明は、少なくとも下記(A)〜(D)工程を経て、下記一般式(1)で示されるジチエノベンゾジチオフェン誘導体を製造することを特徴とするジチエノベンゾジチオフェン誘導体の製造方法に関するものである。
Figure 2015224238
(ここで、置換基R及びRは同一又は異なって、水素原子、炭素数1〜14のアルキル基、炭素数1〜14のフッ素置換アルキル基、炭素数2〜14のアルケニル基、炭素数2〜14のアルキニル基、炭素数1〜14のアルコキシ基、炭素数1〜14のアルキルチオ基、炭素数3〜10のシクロアルキル基、炭素数6〜14のアリール基、3〜12員環のシクロヘテロアルキル基、5〜14員環のヘテロアリール基を示す。)
(A)工程;パラジウム触媒及び/又はニッケル触媒の存在下、2−置換−5−チエニル金属誘導体と1,2,4,5−テトラハロベンゼンとの反応により1,4−ビス(2−置換−5−チエニル)−2,5−ジハロベンゼンを製造する工程。
(B)工程;アルカリ金属チオアルコキサイドと(A)工程により得られた1,4−ビス(2−置換−5−チエニル)−2,5−ジハロベンゼンの反応により1,4−ビス(2−置換−5−チエニル)−2,5−ビス(アルキルスルフェニル)ベンゼンを製造する工程。
(C)工程;酸化剤と(B)工程により得られた1,4−ビス(2−置換−5−チエニル)−2,5−ビス(アルキルスルフェニル)ベンゼンの反応により、1,4−ビス(2−置換−5−チエニル)−2,5−ビス(アルキルスルフィニル)ベンゼンを製造する工程。
(D)工程;(C)工程により得られた1,4−ビス(2−置換−5−チエニル)−2,5−ビス(アルキルスルフィニル)ベンゼンをpKaが2以下の酸で処理した後、アミンで脱アルキル化反応に供し、ジチエノベンゾジチオフェン誘導体を製造する工程。
以下に本発明を詳細に説明する。
本発明のジチエノベンゾジチオフェン誘導体は、少なくとも上記(A)〜(D)工程を経て製造するものである。
ここで、(A)工程は、パラジウム触媒及び/又はニッケル触媒の存在下、2−置換−5−チエニル金属誘導体と1,2,4,5−テトラハロベンゼンのクロスカップリングにより1,4−ビス(2−置換−5−チエニル)−2,5−ジハロベンゼンを製造する工程である。
2−置換−5−チエニル金属誘導体の金属としては、例えば、リチウム、マグネシウム、亜鉛、ホウ素、ケイ素、スズ等が挙げられ、良好な反応性のため、好ましくは、亜鉛、ホウ素である。具体的な2−置換−5−チエニル金属誘導体としては、例えば、2−n−ヘキシル−5−チエニル亜鉛クロライド、2−n−ヘキシル−5−チエニル亜鉛ブロマイド、2−n−ヘプチル−5−チエニル亜鉛クロライド、2−n−ヘキシル−5−チエニルホウ素ジハイドロオキサイド、等が挙げられる。
2−置換−5−チエニル金属誘導体の合成は、例えば、n−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウム、ターシャリーブチルリチウム、メチルリチウム、ヘキシルリチウム等の有機リチウム試薬、及びエチルマグネシウムクロライド、エチルマグネシウムブロマイド、イソプロピルマグネシウムブロマイド、シクロヘキシルマグネシウムクロライド等のグリニャール試薬を用い、2−アルキルチオフェン又は2−置換−5−ハロチオフェンの5位の水素又はハロゲンをリチウム、マグネシウムハライドに交換後、塩化亜鉛、臭化亜鉛、トリメトキシホウ素、トリイソプロポキシホウ素、2−イソプロポキシ−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン等と金属交換することで実施することができる。また、2−置換−5−チエニル金属誘導体は、2−置換−5−ハロチオフェンを用いる場合、上記グルニャール試薬の代わりにマグネシウム金属を用い、2−置換−5−ハロチオフェンのグリニャール試薬から合成して調製することも可能である。
2−置換チオフェンの有機リチウム試薬及びグリニャール試薬を調製する条件としては、例えば、テトラヒドロフラン(以後、THFと記す。)、ジエチルエーテル、メチル−tert−ブチルエーテル、エチル−tert−ブチルエーテル、ジオキサン等の溶媒中、−80℃〜30℃の温度範囲内で実施することができる。
本発明では、このようにして得られた2−置換チオフェンの有機リチウム試薬及びグリニャール試薬と、塩化亜鉛、臭化亜鉛、トリメトキシホウ素、トリイソプロポキシホウ素、2−イソプロポキシ−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン等について、金属交換に係る反応をさせることで2−置換−5−チエニル金属誘導体を調製することができるものであるが、該金属交換反応の条件としては、例えば、THF、ジエチルエーテル、メチル−tert−ブチルエーテル、エチル−tert−ブチルエーテル、ジオキサン等の溶媒中、−80℃〜30℃の温度範囲内とすることができる。
次に、パラジウム触媒及び/又はニッケル触媒の存在下、合成された2−置換−5−チエニル金属誘導体と1,2,4,5−テトラハロベンゼンをクロスカップリングすることにより1,4−ビス(2−置換−5−チエニル)−2,5−ジハロベンゼンを合成することができる。その際の触媒としては、例えば、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム/トリフェニルホスフィン混合物、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム、ビス(トリ−tert−ブチルホスフィン)パラジウム、ジアセタトビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム、ジクロロ(1,2−ビス(ジフェニルホスフィノ)エタン)パラジウム、酢酸パラジウム/トリフェニルホスフィン混合物、酢酸パラジウム/トリ−tert−ブチルホスフィン混合物、酢酸パラジウム/2−(ジシクロヘキシルホスフィノ)−1,1’−ビフェニル混合物、ジクロロ(エチレンジアミン)パラジウム、ジクロロ(N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン)パラジウム、ジクロロ(N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン)パラジウム/トリフェニルホスフィン混合物、[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム、ビス(アセトニトリル)ジクロロパラジウム等のパラジウム触媒;ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)ニッケル、ジクロロ(1,2−ビス(ジフェニルホスフィノ)エタン)ニッケル、ジクロロ(エチレンジアミン)ニッケル、ジクロロ(N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン)ニッケル、ジクロロ(N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン)ニッケル/トリフェニルホスフィン混合物、ビス(1,5−シクロオクタジエン)ニッケル/トリフェニルホスフィン混合物、[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロニッケル等のニッケル触媒等を挙げることができる。中でも、良好な触媒活性を示すことから、好ましい触媒はテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウムである。又、これら触媒は1種又は2種以上の混合物を用いても良い。
1,2,4,5−テトラハロベンゼンと2−置換−5−チエニル金属誘導体をパラジウム及び/又はニッケル触媒存在下で反応させる際には、反応の円滑な進行のため、好ましくは溶媒中で実施する。用いる溶媒に特に限定はなく、例えば、THF、ジエチルエーテル、メチル−tert−ブチルエーテル、エチル−tert−ブチルエーテル、ジオキサン、エチレングリコールジメチルエーテル、トルエン、キシレン、ヘキサン、シクロヘキサン、エタノール、水、N,N−ジメチルホルムアミド(以後、DMFと略す)、N−メチルピロリドン(以後、NMPと略す)、トリエチルアミン、ピペリジン、ピロリジン、ジイソプロピルアミン等を挙げることができ、又、これら溶媒は1種又は2種以上の混合物を用いても良く、例えば、トルエン/水、トルエン/エタノール/水のような2乃至3成分系でも使用することができる。
目的物を収率良く得るため、パラジウム触媒及び/又はニッケル触媒の使用量は、1,2,4,5−テトラハロベンゼン1モルに対し、0.1〜20モル%が好ましく、さらに好ましくは1〜10モル%である。
2−置換−5−チエニル金属誘導体の使用量は、目的物を収率良く得るため、1,2,4,5−テトラハロベンゼン1当量に対し、1.8〜3.2当量が好ましく、さらに好ましくは1.9〜2.8当量である。
副反応を抑制するため、反応の際の温度は10〜120℃が好ましく、さらに好ましくは30〜100℃、特に好ましくは40〜90℃であり、反応時間は1〜80時間が好ましく、さらに好ましくは2〜60時間である。
なお、反応系中に塩基を存在させることもできる。この場合の塩基の種類としては特に限定はなく、例えば、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム、りん酸カリウム、りん酸ナトリウム、ナトリウムtert−ブトキサイド、フッ化カリウム等の無機塩基;トリエチルアミン、トリメチルアミン、トリブチルアミン、エチレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン、ジイソプロピルアミン、ピリジン、テトラブチルアンモニウムフルオライド等の有機塩基を好適なものとして挙げることができる。これらの塩基の使用量は、反応を促進させるため、1,2,4,5−テトラハロベンゼン1当量に対し、2.0〜10.0当量が好ましく、さらに好ましくは4.0〜8.0当量である。
また、1,2,4,5−テトラハロベンゼンと2−置換−5−チエニル金属誘導体の反応により炭素−炭素結合が形成される位置はハロゲンの種類により制御することができる。
即ち、ヨウ素原子の反応性が最も高く、臭素原子、塩素原子、フッ素原子の順に反応性が低下することから、これらハロゲンの種類の反応性を利用することで反応する位置を任意に決めることができる。そのため、(A)工程により得られる1,4−ビス(2−置換−5−チエニル)−2,5−ジハロベンゼンの製造は、例えば、1,2,4,5−テトラハロベンゼン1位及び4位のハロゲンをヨウ素原子及び/又は臭素原子とし、2位及び5位のハロゲンを臭素原子、塩素原子及び/又はフッ素原子とすることにより、製造することができる。
該1,2,4,5−テトラハロベンゼンとしては、例えば、1,4−ジブロモ−2,5−ジフルオロベンゼン、1,4−ジヨード−2,5−ジブロモベンゼン、1,4−ジブロモ−2,5−ジクロロベンゼン、1,4−ジヨード−2,5−ジクロロベンゼン、1,4−ジクロロ−2,5−ジフルオロベンゼン等を挙げることができ、入手容易なことから、好ましくは1,4−ジブロモ−2,5−ジフルオロベンゼンである。
かくして得られた、1,4−ビス(2−置換−5−チエニル)−2,5−ジハロベンゼンは、さらに精製することができる。精製する方法は特に限定はなく、例えば、カラムクロマトグラフィー、または再結晶による方法を挙げることができる。
(B)工程は、アルカリ金属チオアルコキサイドと(A)工程により得られた1,4−ビス(2−置換−5−チエニル)−2,5−ジハロベンゼンの反応により1,4−ビス(2−置換−5−チエニル)−2,5−ビス(アルキルスルフェニル)ベンゼンを製造する工程である。
該アルカリ金属チオアルコキサイドのアルカリ金属としては、例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム、セシウム等が挙げられ、良好な反応性を有するため、好ましくは、ナトリウムである。具体的なアルカリ金属チオアルコキサイドとしては、例えば、ナトリムチオメトキサイド、リチウムチオメトキサイド、カリウムチオメトキサイド等が挙げられる。
アルカリ金属チオアルコキサイドと(A)工程により得られた1,4−ビス(2−置換−5−チエニル)−2,5−ジハロベンゼンの反応は、例えば、NMP、DMF、N,N−ジメチルアセトアミド、THF、ジオキサン等の溶媒中、0℃〜150℃の温度範囲で行うことができる。アルカリ金属チオアルコキサイドの使用量は、反応を完結させるため、1,4−ビス(2−置換−5−チエニル)−2,5−ジハロベンゼン1当量に対し1.8から3.5当量が好ましい。
かくして得られた、1,4−ビス(2−置換−5−チエニル)−2,5−ビス(アルキルスルフェニル)ベンゼンは、さらに精製することができる。精製する方法は特に限定はなく、例えば、カラムクロマトグラフィー、または再結晶による方法等を挙げることができる。
(C)工程は、酸化剤と(B)工程により得られた1,4−ビス(2−置換−5−チエニル)−2,5−ビス(アルキルスルフェニル)ベンゼンの反応により、1,4−ビス(2−置換−5−チエニル)−2,5−ビス(アルキルスルフィニル)ベンゼンを製造する工程である。
該酸化剤は酸化剤であれば特に制限はなく、例えば、過酸化水素、ターシャリーブチルハイドロパーオキサイド、m−クロロ過安息香酸、過塩素酸、硝酸等が挙げられ、取扱いの容易さから、好ましくは過酸化水素である。選択性の観点から、酸化剤の使用量は、1,4−ビス(2−置換−5−チエニル)−2,5−ビス(アルキルスルフェニル)ベンゼン1当量に対し1.8から2.5当量が好ましい。該酸化反応は、例えば、酢酸、クロロホルム、ジクロロメタン、THF等の溶媒中、−10℃〜40℃の温度で行うことができる。又、これら溶媒は1種又は2種以上の混合物を用いても良い。
かくして得られた、1,4−ビス(2−置換−5−チエニル)−2,5−ビス(アルキルスルフィニル)ベンゼンは、さらに精製することができる。精製する方法は特に限定はなく、例えば、カラムクロマトグラフィー、または再結晶による方法等を挙げることができる。
(D)工程は、(C)工程により得られた1,4−ビス(2−置換−5−チエニル)−2,5−ビス(アルキルスルフィニル)ベンゼンをpKaが2以下の酸で処理した後、アミンで脱アルキル化反応に供し、ジチエノベンゾジチオフェン誘導体を製造する工程である。
該分子内環化反応で使用するpKaが2以下の酸としては、例えば、トリフルオロメタンスルホン、ペンタフルオロメタンスルホン酸、メタンスルホン酸、フルオロスルホン酸、硫酸、リン酸、硝酸、トリフルオロ酢酸、トリクロロ酢酸等が挙げられ、収率向上のため、好ましくは、トリフルオロメタンスルホン酸である。該pKaが2以下の酸の使用量は、反応を促進させるため、1,4−ビス(2−置換−5−チエニル)−2,5−ビス(アルキルスルフィニル)ベンゼン1g当たり、1ml〜50mlが好ましく、さらに好ましくは5ml〜40mlである。なお、該環化反応を促進させる目的から脱水剤を共存させることが好ましい。該脱水剤としては、例えば、五酸化二リン、ゼオライト、シリカゲル等が挙げられ、高い脱水能力有するため、好ましくは五酸化二リンである。該脱水剤の使用量は、脱水効率を上げるため、1,4−ビス(2−置換−5−チエニル)−2,5−ビス(アルキルスルフィニル)ベンゼン1g当たり、50mg〜500mgが好ましく、さらに好ましくは100mg〜300mgである。脱水反応を効率的に進行させるため、該環化反応は、−10℃〜40℃の温度で行うことが好ましい。
次に、アミンの存在下、脱アルキル化反応に供す。該脱アルキル化反応で用いるアミンとしては、例えば、ピリジン、4−メチルピリジン、3−メチルピリジン、2−メチルピリジン、4−(ジメチルアミノ)ピリジン、ピラジン、2−メチルピラジン、ピリミジン、5−メチルピリミジン、トリエチルアミン、トリオクチルアミン等が挙げられ、高い脱アルキル化能を有することから、好ましくはピリジン、4−メチルピリジン、3−メチルピリジン、2−メチルピリジン等のピリジン類であり、さらに好ましくはピリジンである。該アミンの使用量は、反応促進のため、1,4−ビス(2−置換−5−チエニル)−2,5−ビス(アルキルスルフィニル)ベンゼン1g当たり、10ml〜400mlが好ましく、さらに好ましくは20ml〜300mlである。収率向上のため、該脱アルキル化反応は、40℃〜200℃の温度で行うことが好ましい。
なお、該分子内環化/脱アルキル化反応は、例えば、アドバンスト マテリアルズ(独)、2009年、21巻、213−216頁に記載してある方法を用いて実施することもできる。
かくして得られた、ジチエノベンゾジチオフェン誘導体は、さらに精製することができる。精製する方法は特に限定はなく、例えば、カラムクロマトグラフィー、再結晶、または昇華による方法等を挙げることができる。
カラムクロマトグラフィーの際の分離剤としては、例えば、シリカゲル、アルミナ、溶媒としては、ヘキサン、ヘプタン、トルエン、クロロホルム等を挙げることができる。
また、製造したジチエノベンゾジチオフェン誘導体は、さらに再結晶により精製してもよく、再結晶の回数としては、高純度を確保するため、好ましくは2〜5回である。再結晶の回数を増やすことで純度を向上させることができる。再結晶に用いる溶媒としては、例えば、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、トルエン、キシレン、クロロホルム、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン等を挙げることができ、これらの任意の割合の混合物であってもよい。再結晶法としては、加熱によりジチエノベンゾジチオフェン誘導体の溶液を調製し(その際の溶液の濃度は、高純度を確保するため、0.01〜10.0重量%の範囲が好ましく、0.05〜5.0重量%の範囲がさらに好ましい。)、該溶液を冷却することでジチエノベンゾジチオフェン誘導体の結晶を析出させ単離するが、単離する際の最終的な冷却温度は、高収量を確保するため、−20の範囲にあることが好ましい。なお、純度を測定する際には液体クロマトグラフィーにより分析することが可能である。
そして、高い全収率のための好ましいより具体的な製造方法を以下の反応スキームに示す。
Figure 2015224238
本発明の製造方法により得られるジチエノベンゾジチオフェン誘導体は、上記一般式(1)で示される誘導体であり、高いキャリア移動度を得るために、好ましくは純度98.0%以上、さらに好ましくは98.8%以上を有するものである。そして、置換基R及びRは同一又は異なって水素原子、炭素数1〜14のアルキル基、炭素数1〜14のフッ素置換アルキル基、炭素数2〜14のアルケニル基、炭素数2〜14のアルキニル基、炭素数1〜14のアルコキシ基、炭素数1〜14のアルキルチオ基、炭素数3〜10のシクロアルキル基、炭素数6〜14のアリール基、3〜12員環のシクロヘテロアルキル基、5〜14員環のヘテロアリール基を示し、良好な溶解度を有することから、好ましくは炭素数1〜14のアルキル基、炭素数1〜14のフッ素置換アルキル基であり、さらに好ましくは炭素数1〜14のアルキル基である。
置換基R及びRにおける炭素数1〜14のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、n−ペンチル基、ネオペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、2−エチルヘキシル基、n−ノニル基、n−デシル基、3−エチルオクチル基、n−ウンデシル基、n−ドデシル基、3−エチルデシル基、n−トリデシル基、n−テトラデシル基等が挙げられ、高いキャリア移動度を有するため、好ましくは炭素数4〜8のアルキル基、さらに好ましくはn−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基を挙げることができる。
置換基R及びRにおける炭素数1〜14のフッ素置換アルキル基としては、例えば、パーフルオロメチル基、トリフルオロエチル基、n−ペンタフルオロブチル基、n−ペンタフルオロペンチル基、n−パーフルオロペンチル基、n−ペンタフルオロヘキシル基、n−パーフルオロヘキシル基、n−パーフルオロヘプチル基、n−パーフルオロオクチル基、n−パーフルオロデシル基等が挙げられ、高いキャリア移動度を有するため、好ましくはn−パーフルオロペンチル基、n−パーフルオロヘキシル基、n−パーフルオロヘプチル基、n−パーフルオロオクチル基を挙げることができる。
該ジチエノベンゾジチオフェン誘導体の具体的例示としては、以下のものを挙げることができる。
Figure 2015224238
そして、キャリア移動度及び溶解度の観点から、好ましくはジメチルジチエノベンゾジチオフェン、ジn−ブチルジチエノベンゾジチオフェン、ジn−ペンチルジチエノベンゾジチオフェン、ジn−ヘキシルジチエノベンゾジチオフェン、ジn−ヘプチルジチエノベンゾジチオフェン、ジn−オクチルジチエノベンゾジチオフェン、ジ2−エチルヘキシルジチエノベンゾジチオフェン、ジn−ノニルジチエノベンゾジチオフェン、ジn−デシルジチエノベンゾジチオフェン、ジn−ドデシルジチエノベンゾジチオフェン及びジn−テトラデシルジチエノベンゾジチオフェンを挙げることができる。
本発明の製造方法により得られるジチエノベンゾジチオフェン誘導体は溶媒に容易に溶解するため、該ジチエノベンゾジチオフェン誘導体を用いてドロップキャスト等の方法等により製膜することで、高いキャリア移動度の有機半導体層を製造することができる。該有機半導体層は、電子ペーパー、有機ELディスプレイ、液晶ディスプレイ、ICタグ(RFIDタグ)用等のトランジスタの有機半導体層用途;有機ELディスプレイ材料;有機半導体レーザー材料;有機薄膜太陽電池材料;フォトニック結晶材料等の電子材料に利用することができる。
本発明の製造方法は、高いキャリア移動度の有機半導体層を製膜することが可能なジチエノベンゾジチオフェン誘導体を、入手容易な原料から短工程及び高収率で効率的に製造できることから、その効果は極めて高いものである。
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
生成物の同定にはH−NMRスペクトル及びマススペクトルを用いた。なお、H−NMRスペクトルの測定は日本電子製の(商品名)JEOL GSX−270WB(270MHz)を用いた。マススペクトル(MS)は日本電子製の(商品名)JEOL JMS−700を用いて、試料を直接導入し、電子衝突(EI)法(70エレクトロンボルト)で測定した。
反応の進行の確認等は薄層クロマトグラフィー、ガスクロマトグラフィー(GC)及びガスクロマトグラフィー−マススペクトル(GCMS)分析を用いた。
ガスクロマトグラフィー分析
装置;島津製作所製、(商品名)GC14B
カラム;J&Wサイエンティフィック社製、(商品名)DB−1,30m
ガスクロマトグラフィー−マススペクトル分析
装置;パーキンエルマー製、(商品名)オートシステムXL(MS部;ターボマスゴールド)
カラム;J&Wサイエンティフィック社製、(商品名)DB−1,30m
ジチエノベンゾジチオフェン誘導体の純度測定は液体クロマトグラフィー分析を用いた。装置;東ソー製(コントローラー;PX−8020、ポンプ;CCPM−II、デガッサー;SD−8022)
カラム;東ソー製、(商品名)ODS−100V、5μm、4.6mm×250mm
カラム温度;23℃
溶離液;ジクロロメタン:アセトニトリル=4:6(容積比)
流速;1.0ml/分
検出器;UV(東ソー製、(商品名)UV−8020、波長;254nm)。
実施例1
(1,4−ビス(2−n−ヘキシル−5−チエニル)−2,5−ジフルオロベンゼンの合成)
窒素雰囲気下、100mlシュレンク反応容器に2−n−ヘキシルチオフェン(和光純薬工業)117mg(0.695mmol)及びTHF5ml(和光純薬工業、脱水グレード)を添加した。この溶液を−78℃に冷却し、n−ブチルリチウム(関東化学、1.66M)のヘキサン溶液0.46ml(0.76mmol)を滴下した。得られた混合物を0℃で1時間攪拌し、2−n−ヘキシル−5−チエニルリチウム溶液を合成した。
窒素雰囲気下、別の100mlシュレンク反応容器に、塩化亜鉛(和光純薬工業)106mg(0.780mmol)及びTHF5ml(和光純薬工業、脱水グレード)を滴下した。得られた薄白色スラリー液を−78℃に冷却し、ここに上述の2−n−ヘキシル−5−チエニルリチウム溶液をテフロン(登録商標)キャヌラーを用いてフィードした。得られた混合物を室温まで徐々に昇温し、2−n−ヘキシル−5−チエニル亜鉛クロライド溶液を合成した。ここに1,4−ジブロモ−2,5−ジフルオロベンゼン(和光純薬工業)82.2mg(0.302mmol)及び触媒としてテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(東京化成工業)7.0mg(0.0061mmol、1,4−ジブロモ−2,5−ジフルオロベンゼンに対し2.0モル%)を添加した。60℃で10時間反応を実施した後、容器を水冷し3N塩酸3mlを添加することで反応を停止させた。トルエンで抽出し、有機相を食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧濃縮し、得られた残渣をシリカゲル濾過し(トルエン)、濾液を減圧濃縮した。得られた残渣をヘキサン2mlで洗浄し、さらにヘキサン/トルエン=5/1(vol%)から再結晶精製し、1,4−ビス(2−n−ヘキシル−5−チエニル)−2,5−ジフルオロベンゼンの薄黄色固体112mgを得た(収率83%)。
MS m/z: 446(M,100%),375(M−C11,41)。
(1,4−ビス(2−n−ヘキシル−5−チエニル)−2,5−ビス(メチルスルフェニル)ベンゼンの合成)
窒素雰囲気下、100mlシュレンク反応容器に上記で合成した1,4−ビス(2−n−ヘキシル−5−チエニル)−2,5−ジフルオロベンゼン110mg(0.246mmol)、NMP(和光純薬工業、脱水グレード)5ml、及びナトリムチオメトキサイド(シグマーアルドリッチ)37.8mg(0.540mmol)を添加した。得られた混合物を40℃で12時間反応後、室温に冷却した。トルエンと水を添加後、分相し、有機相を水洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧濃縮後、得られた残渣をヘキサンで洗浄し、1,4−ビス(2−n−ヘキシル−5−チエニル)−2,5−ビス(メチルスルフェニル)ベンゼンの白色固体94.1mgを得た(収率76%)。
MS m/z: 502(M,100%),431(M−C11,27)。
(1,4−ビス(2−n−ヘキシル−5−チエニル)−2,5−ビス(メチルスルフィニル)ベンゼンの合成)
100mlシュレンク反応容器に上記で得られた1,4−ビス(2−n−ヘキシル−5−チエニル)−2,5−ビス(メチルスルフェニル)ベンゼン88.5mg(0.176mmol)、酢酸5ml及びクロロホルム5mlを添加した。この混合物を氷冷し、過酸化水素(和光純薬工業、30%)42.7mg(0.379mmol)を添加した。室温で12時間攪拌し、反応混合物を減圧濃縮した。得られた残渣をジクロロメタンに溶解させ、飽和炭酸水素ナトリウム溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧濃縮後、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し(ヘキサン/トルエン=5/1(vol%))、1,4−ビス(2−n−ヘキシル−5−チエニル)−2,5−ビス(メチルスルフィニル)ベンゼンの薄黄色固体83.0mgを得た(収率88%)。
MS m/z: 534(M,100%),463(M−C11,22)。
(ジチエノベンゾジチオフェン誘導体)
100mlシュレンク反応容器に上記で得られた1,4−ビス(2−n−ヘキシル−5−チエニル)−2,5−ビス(メチルスルフィニル)ベンゼン82.4mg(0.154mmol)、五酸化二リン14.2mg(0.100mmol)、トリフルオロメタンスルホン酸3mlを添加し、室温で3日間攪拌した。得られた濃茶溶液を氷水50mlへ注いだ。生成した黄色固体を濾過し、水で洗浄し、減圧乾燥した。
次に得られた黄色固体にピリジン20mlを添加し、加熱還流下で12時間反応させることで脱メチル化反応(脱アルキル化反応)を行った。反応混合物を室温に冷却し、ジクロロメタンで抽出した。抽出液を減圧濃縮し、得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し(ヘキサン/トルエン=4/1(vol%))、さらにトルエン(和光純薬工業製ピュアーグレード)から2回再結晶精製した。ジn−ヘキシルジチエノベンゾジチオフェンの白色固体57.0mgを得た(収率79%)。
得られたジn−ヘキシルジチエノベンゾジチオフェンの純度は液体クロマトグラフィーより99.0%であった。
H−NMR(CDCl,21℃):δ=8.17(s,2H),7.00(s,2H),2.97(t,J=7.2Hz,4H),1.78(m,4H),1.28(m,12H),0.88(t,J=7.0Hz,6H)。
MS m/z: 470(M,100%),399(M−C11,57)。
本発明の製造方法により、入手容易な原料を用い、短工程及び高収率で効率よく高いキャリア移動度を与える有機半導体材料であるジチエノベンゾジチオフェン誘導体を製造することができる。

Claims (5)

  1. 少なくとも下記(A)〜(D)工程を経て、下記一般式(1)で示されるジチエノベンゾジチオフェン誘導体を製造することを特徴とするジチエノベンゾジチオフェン誘導体の製造方法。
    Figure 2015224238
    (ここで、置換基R及びRは同一又は異なって、水素原子、炭素数1〜14のアルキル基、炭素数1〜14のフッ素置換アルキル基、炭素数2〜14のアルケニル基、炭素数2〜14のアルキニル基、炭素数1〜14のアルコキシ基、炭素数1〜14のアルキルチオ基、炭素数3〜10のシクロアルキル基、炭素数6〜14のアリール基、3〜12員環のシクロヘテロアルキル基、5〜14員環のヘテロアリール基を示す。)
    (A)工程;パラジウム触媒及び/又はニッケル触媒の存在下、2−置換−5−チエニル金属誘導体と1,2,4,5−テトラハロベンゼンとの反応により1,4−ビス(2−置換−5−チエニル)−2,5−ジハロベンゼンを製造する工程。
    (B)工程;アルカリ金属チオアルコキサイドと(A)工程により得られた1,4−ビス(2−置換−5−チエニル)−2,5−ジハロベンゼンの反応により1,4−ビス(2−置換−5−チエニル)−2,5−ビス(アルキルスルフェニル)ベンゼンを製造する工程。
    (C)工程;酸化剤と(B)工程により得られた1,4−ビス(2−置換−5−チエニル)−2,5−ビス(アルキルスルフェニル)ベンゼンの反応により、1,4−ビス(2−置換−5−チエニル)−2,5−ビス(アルキルスルフィニル)ベンゼンを製造する工程。
    (D)工程;(C)工程により得られた1,4−ビス(2−置換−5−チエニル)−2,5−ビス(アルキルスルフィニル)ベンゼンをpKaが2以下の酸で処理した後、アミンで脱アルキル化反応に供し、ジチエノベンゾジチオフェン誘導体を製造する工程。
  2. 置換基R及びRが同一又は異なって、炭素数1〜14のアルキル基であることを特徴とする請求項1に記載のジチエノベンゾジチオフェノン誘導体の製造方法。
  3. ジチエノベンゾジチオフェン誘導体が、ジメチルジチエノベンゾジチオフェン、ジn−ブチルジチエノベンゾジチオフェン、ジn−ペンチルジチエノベンゾジチオフェン、ジn−ヘキシルジチエノベンゾジチオフェン、ジn−ヘプチルジチエノベンゾジチオフェン、ジn−オクチルジチエノベンゾジチオフェン、ジ2−エチルヘキシルジチエノベンゾジチオフェン、ジn−ノニルジチエノベンゾジチオフェン、ジn−デシルジチエノベンゾジチオフェン、ジn−ドデシルジチエノベンゾジチオフェン及びジn−テトラデシルジチエノベンゾジチオフェンからなる群より選ばれる1種以上のジチエノベンゾジチオフェン誘導体であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のジチエノベンゾジチオフェノン誘導体の製造方法。
  4. (A)工程における2−置換−5−チエニル金属誘導体の金属が、亜鉛又はホウ素であることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載のジチエノベンゾジチオフェン誘導体の製造方法。
  5. (A)工程における1,2,4,5−テトラハロベンゼンが、1,4−ジブロモ−2,5−ジフルオロベンゼン、1,4−ジブロモ−2,5−ジヨードベンゼン、1,4−ジブロモ−2,5−ジクロロベンゼン及び1,4−ジクロロ−2,5−ジヨードベンゼンからなる群より選択される1種以上の1,2,4,5−テトラハロベンゼンであることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれかに記載のジチエノベンゾジチオフェン誘導体の製造方法。
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