JP6855083B2 - 重水素化芳香族化合物の中間体及びこれを利用した重水素化芳香族化合物の調製方法 - Google Patents

重水素化芳香族化合物の中間体及びこれを利用した重水素化芳香族化合物の調製方法 Download PDF

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Description

本発明は、重水素化芳香族化合物の中間体及びこれを利用した重水素化芳香族化合物の調製方法に関する。より具体的には、本発明は、中間体を利用することにより、重水素転換率(重水素変換率)が高い重水素化芳香族化合物を調製する方法に関する。
一般的に、芳香族化合物は、医薬、農業化学物質、機能性物質、有機電界発光素子等、産業の様々な分野に主に使われる材料である。特に、有機電界発光素子に適用されているが、このような用途の芳香族化合物に重水素を取り入れた研究が報告されている。その中で、重水素化された有機電界発光物質は、重水素化されていない同位体置換体(isotopologues)に比べて向上した性能(効率、寿命)を示す(例えば、Lecloux,et al.WO2010/114583A1(2010.10.07)及びTong,et al.J.Phys.Chem.C2007,111,3490−4参照)。
重水素(deuterium)は、水素の同位元素として質量数2であるものを示し、自然において、概ね0.015%の割合で存在する。重水素は主に、通常、化学反応や代謝経路等を追跡するための研究目的で用いられてきた。
アントラセン系列の有機電界発光材料の場合、主に発光層及びその他の共通層に用いられるが、一般に、最高被占軌道(HOMO)及び最低空軌道(LUMO)はともに、アントラセンに分布する特徴を有している。このようなアントラセン母体が重水素化されると、水素に比べて相対的に分子の振動エネルギーの活動が少ないため、分子間に相互作用を低減させる効果があり、有機電界発光素子の性能が向上する。
一方、一般に化合物を重水素化する調製方法については、以下のようなことが知られている。
重水素化されていない化合物を、数時間又は数日の期間に亘ってDSO又はDPO−BF/DO等の物質で処理して、重水素化芳香族化合物を調製するか、又は、銀化合物をアルミニウムトリクロリド又はエチルアルミニウムクロリド等のルイス酸H/D交換触媒の存在下で、重水素化溶媒で処理する方法によって調製することもできる。そのほかにも、高温及び高圧条件下においてDOを溶媒で調製する方法、マイクロ波照射で処理して酸又は塩基−触媒反応により調製する方法、D気体、又はDO、もしくは重水素化した有機溶媒、例えば、Cと金属触媒下で重水素化する調製方法等が知られている。
重水素化の一般的な方法を有機電界発光材料に導入するためには、溶解度、精製容易性、転換率、及び工程環境の危険性等の要素を考慮する必要がある。しかしながら、前記のごとき重水素化技術は、高温、高圧、溶解性、転換率等、少なくとも1つの問題点を有している。
したがって、分子全体を重水素化するよりも、母体であるアントラセンのみを重水素化することがより効率的であり、これに関する製法技術が求められている。
特許第2789084号公報
本発明の目的は、重水素化芳香族化合物の中間体及びこれを利用した重水素化芳香族化合物の調製方法を提供することである。
本発明の他の目的は、芳香族化合物の重水素転換率を高めるために、重水素化芳香族化合物の中間体を利用して重水素化芳香族化合物を調製する方法を提供することである。
本発明のまた他の目的は、重水素転換率を高め、調製した重水素化芳香族化合物を利用して、長寿命で発光効率等の特性に優れた有機電界発光素子を提供することである。
前記目的を達成するために、本発明の一実施態様による重水素化芳香族化合物の中間体は、下記化学式1で表される化合物である。
Figure 0006855083
ここで、
n及びmは、互いに同一か又は異なり、それぞれ独立して1〜4の整数であり、
o及びpは、互いに同一か又は異なり、それぞれ独立して0〜2の整数であり、
及びXは、互いに同一か又は異なり、それぞれ独立してC=O又はC(R)(R)であり、
及びRは、互いに同一か又は異なり、それぞれ独立して水素、シアノ基、ニトロ基、ハロゲン基、ヒドロキシ基、置換又は非置換の炭素数1〜30のアルキル基、置換又は非置換の炭素数3〜30のシクロアルキル基、置換又は非置換の炭素数1〜20のヘテロアルキル基、置換又は非置換の炭素数1〜20のヘテロシクロアルキル基、置換又は非置換の炭素数6〜30のアリール基、及び置換又は非置換の炭素数3〜30のヘテロアリール基からなる群より選択され、
及びRは、互いに同一か又は異なり、それぞれ独立して水素、重水素、及びOHからなる群より選択される。
前記R及びRが置換される場合、水素、重水素、シアノ基、ニトロ基、ハロゲン基、ヒドロキシ基、炭素数1〜30のアルキル基、炭素数2〜30のアルケニル基、炭素数2〜24のアルキニル基、炭素数2〜30のヘテロアルキル基、炭素数6〜30のアラルキル基、炭素数3〜20のシクロアルキル基、炭素数3〜20のヘテロシクロアルキル基、炭素数5〜30のアリール基、炭素数2〜30のヘテロアリール基、炭素数3〜30のヘテロアリールアルキル基、炭素数1〜30のアルコキシ基、炭素数1〜30のアルキルシリル基、炭素数6〜30のアリールシリル基、及び炭素数6〜30のアリールオキシ基からなる群より選択される置換基で置換され、複数の置換基で置換される場合、これらは互いに同一か又は異なる。
本発明の他の一実施態様による重水素化芳香族化合物の調製方法は、
(1)重水素化されていない下記化学式2で表される化合物と重水素源とを金属触媒下で反応させ、重水素化された芳香族化合物の中間体である下記化学式1で表される化合物を調製する段階と、
(2)前記(1)段階の重水素化された芳香族化合物の中間体である下記化学式1で表される化合物を用いて、下記化学式3で表される化合物を調製する段階と
を含み得る。
Figure 0006855083
Figure 0006855083
Figure 0006855083
ここで、
o及びpは、互いに同一か又は異なり、それぞれ独立して0〜2の整数であり、
及びXは、互いに同一か又は異なり、それぞれ独立してC=O又はC(R)(R)であり、
及びRは、互いに同一か又は異なり、それぞれ独立して水素、シアノ基、ニトロ基、ハロゲン基、ヒドロキシ基、置換又は非置換の炭素数1〜30のアルキル基、置換又は非置換の炭素数3〜30のシクロアルキル基、置換又は非置換の炭素数1〜20のヘテロアルキル基、置換又は非置換の炭素数1〜20のヘテロシクロアルキル基、置換又は非置換の炭素数6〜30のアリール基、及び置換又は非置換の炭素数3〜30のヘテロアリール基からなる群より選択され、
及びRは、互いに同一か又は異なり、それぞれ独立して水素、重水素及びOHからなる群より選択される。
また、
n及びmは、互いに同一か又は異なり、それぞれ独立して1〜4の整数であり、
及びLは、互いに同一か又は異なり、それぞれ独立して単結合、置換又は非置換の炭素数6〜30のアリーレン基、置換又は非置換の炭素数3〜30のヘテロアリーレン基、置換又は非置換の炭素数2〜10のアルキレン基、置換又は非置換の炭素数3〜10のシクロアルキレン基、置換又は非置換の炭素数2〜10のアルケニレン基、置換又は非置換の炭素数2〜10のシクロアルケニレン基、置換又は非置換の炭素数2〜10のヘテロアルキレン基、置換又は非置換の炭素数3〜10のヘテロシクロアルキレン基、置換又は非置換の炭素数2〜10のヘテロアルケニレン基、及び置換又は非置換の炭素数2〜10のヘテロシクロアルケニレン基からなる群より選択される。
Ar及びArは、互いに同一か又は異なり、それぞれ独立して置換又は非置換の炭素数6〜30のアリール基、置換又は非置換の炭素数3〜30のヘテロアリール基、置換又は非置換の炭素数1〜20のアルキル基、置換又は非置換の炭素数1〜20のシクロアルキル基、置換又は非置換の炭素数1〜20のヘテロアルキル基、置換又は非置換の炭素数1〜20のヘテロシクロアルキル基、置換又は非置換の炭素数1〜20のアルケニル基、置換又は非置換の炭素数1〜20のシクロアルケニル基、及び置換又は非置換の炭素数1〜20のヘテロアルケニル基からなる群より選択される。
前記L、L、Ar、Ar、及びR〜Rが置換される場合、水素、重水素、シアノ基、ニトロ基、ハロゲン基、ヒドロキシ基、炭素数1〜30のアルキル基、炭素数2〜30のアルケニル基、炭素数2〜24のアルキニル基、炭素数2〜30のヘテロアルキル基、炭素数6〜30のアラルキル基、炭素数3〜20のシクロアルキル基、炭素数3〜20のヘテロシクロアルキル基、炭素数5〜30のアリール基、炭素数2〜30のヘテロアリール基、炭素数3〜30のヘテロアリールアルキル基、炭素数1〜30のアルコキシ基、炭素数1〜30のアルキルシリル基、炭素数6〜30のアリールシリル基、及び炭素数6〜30のアリールオキシ基からなる群より選択される置換基で置換され、複数の置換基で置換される場合、これらは互いに同一か又は異なる。
本明細書で「ハロゲン基」は、フッ素、塩素、臭素又はヨードである。
本明細書で「アルキル」は、炭素数1〜40の直鎖状又は側鎖を有する飽和炭化水素に由来する1価の置換基のことを指す。一例としては、メチル、エチル、プロピル、イソブチル、sec−ブチル、ペンチル、イソアミル、ヘキシル等が挙げられるが、これらに限定されない。
本明細書で「アルケニル(alkenyl)」は、炭素同士の二重結合を1個以上有する炭素数2〜40の直鎖状又は側鎖を有する不飽和炭化水素に由来する1価の置換基のことを指す。一例としては、ビニル(vinyl)、アリル(allyl)、イソプロペニル(isopropenyl)、2−ブテニル(2−butenyl)等が挙げられるが、これらに限定されない。
本明細書で「アルキニル(alkynyl)」は、炭素同士の三重結合を1個以上有する炭素数2〜40の直鎖状又は側鎖を有する不飽和炭化水素に由来する1価の置換基のことを指す。一例としては、エチニル(ethynyl)、2−プロピニル(2−propynyl)等が挙げられるが、これらに限定されない。
本明細書で「アリール」は、単環又は2以上の環が組み合わされた炭素数6〜60の芳香族炭化水素に由来する1価の置換基のことを指す。また、2以上の環が互いに単結合(pendant)又は縮合された形態も含まれ得る。このようなアリールの例としては、フェニル、ナフチル、フェナントリル、アントリル、フルオニル、ジメチルフルオレニル等が挙げられるが、これらに限定されない。
本明細書で「ヘテロアリール」は、炭素数6〜30の単環式複素環(mono−heterocyclic)又は多環式複素環(poly−heterocyclic)芳香族炭化水素に由来した1価の置換基のことを指す。この際、環中の1個以上の炭素、好ましくは1個〜3個の炭素がN、O、S又はSe等のヘテロ原子で置換される。また、2以上の環が互いに単結合(pendant)又は縮合された形態も含まれ、さらには、アリール基との縮合された形態も含まれ得る。このようなヘテロアリールの例としては、ピリジル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、トリアジニル等の6員単環式複素環、フェノキサチエニル(phenoxathienyl)、インドリジニル(indolizinyl)、インドリル(indolyl)、プリニル(purinyl)、キノリル(quinolyl)、ベンゾチアゾール(benzothiazole)、カルバゾリル(carbazolyl)等の多環式複素環、及び2−フラニル、N−イミダゾリル、2−イソキサゾリル、2−ピリジニル、2−ピリミジニル等が挙げられるが、これらに限定されない。
本明細書で「アリールオキシ」は、RO−で表される1価の置換基であり、前記Rは、炭素数6〜60のアリールのことを指す。このようなアリールオキシの例としては、フェニルオキシ、ナフチルオキシ、ジフェニルオキシ等が挙げられるが、これらに限定されない。
本明細書で「アルキルオキシ」は、R’O−で表される1価の置換基であり、前記R’は、炭素数1〜40のアルキルのことを指し、直鎖状(linear)、分岐鎖状(側鎖を有する、branched)又は環式(cyclic)構造を含み得る。アルキルオキシの例としては、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、1−プロポキシ、t−ブトキシ、n−ブトキシ、ペントキシ等が挙げられるが、これらに限定されない。
本明細書で「アルコキシ」は、直鎖状、分岐鎖状又は環式であり得る。アルコキシの炭素数は特に限定されないが、炭素数1〜20であるものが好ましい。具体的に、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、i−プロピルオキシ、n−ブトキシ、イソブトキシ、tert−ブトキシ、sec−ブトキシ、n−ペンチルオキシ、ネオペンチルオキシ、イソペンチルオキシ、n−ヘキシルオキシ、3,3−ジメチルブチルオキシ、2−エチルブチルオキシ、n−オクチルオキシ、n−ノニルオキシ、n−デシルオキシ、ベンジルオキシ、p−メチルベンジルオキシ等が挙げられるが、これらに限定されない。
本明細書で「アラルキル」は、アリール及びアルキルが前記のようなアリール−アルキル基のことを指す。好ましいアラルキルは、低級アルキル基を含む。好適なアラルキル基の非制限的な例として、ベンジル、2−フェネチル、及びナフタレニルメチルを含む。親部分への結合は、アルキルを介して行われる。
本明細書で「アリールアミノ基」は、炭素数6〜30のアリール基で置換されたアミンのことを指す。
本明細書で「アルキルアミノ基」は、炭素数1〜30のアルキル基で置換されたアミンのことを指す。
本明細書で「アラルキルアミノ基」は、炭素数6〜30のアリール−アルキル基で置換されたアミンのことを指す。
本明細書で「ヘテロアリールアミノ基」は、炭素数6〜30のアリール基及びヘテロ環基で置換されたアミン基のことを指す。
本明細書で「ヘテロアラルキル基」は、ヘテロ環基で置換されたアリール−アルキル基のことを指す。
本明細書で「シクロアルキル」は、炭素数3〜40の単環式複素環又は多環式複素環の非芳香族炭化水素に由来した1価の置換基のことを指す。このようなシクロアルキルの例としては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、ノルボルニル(norbornyl)、アダマンティン(adamantine)等が挙げられるが、これらに限定されない。
本明細書で「ヘテロシクロアルキル」は、炭素数3〜40の非芳香族炭化水素に由来した1価の置換基のことを指し、環中の1個以上の炭素、好ましくは1個〜3個の炭素がN、O、S又はSe等のヘテロ原子で置換される。このようなヘテロシクロアルキルの例としては、モルホリン、ピペラジン等が挙げられるが、これらに限定されない。
本明細書で「アルキルシリル」は、炭素数1〜40のアルキルで置換されたシリルであり、「アリールシリル」は、炭素数6〜60のアリールで置換されたシリルのことを指す。
本明細書で「縮合環」は、縮合脂肪族環、縮合芳香族環、縮合ヘテロ脂肪族環、縮合ヘテロ芳香族環、又はこれらの組み合わされた形態のことを指す。
本明細書で「隣接する基と互いに結合して環を形成する」とは、隣接する基と互いに結合して置換又は非置換の脂肪族炭化水素環、置換又は非置換の芳香族炭化水素環、置換又は非置換の脂肪族ヘテロ環、置換又は非置換の芳香族ヘテロ環、又はこれらの縮合環を形成することを指す。
本明細書で「脂肪族炭化水素環」は、芳香族ではない環であって、炭素と水素との原子のみからなる環のことを指す。
本明細書で「芳香族炭化水素環」の例としては、フェニル基、ナフチル基、アントラセニル基等が挙げられるが、これらに限定されない。
本明細書で「脂肪族ヘテロ環」は、ヘテロ原子中の1個以上を含む脂肪族環のことを指す。
本明細書で「芳香族ヘテロ環」は、ヘテロ原子中の1個以上を含む芳香族環のことを指す。
本明細書で「脂肪族炭化水素環」、「芳香族炭化水素環」、「脂肪族ヘテロ環」、及び「芳香族ヘテロ環」は、単環又は多環であり得る。
本明細書で「置換」は、化合物の炭素原子に結合された水素原子が、異なる置換基に変わることを意味し、置換される位置は水素原子が置換される位置、すなわち、置換基が置換可能な位置であれば限定することなく、2以上置換される場合、2以上の置換基は互いに同一か又は異なり得る。前記置換基として、水素、重水素、シアノ基、ニトロ基、ハロゲン基、ヒドロキシ基、炭素数1〜30のアルキル基、炭素数2〜30のアルケニル基、炭素数2〜24のアルキニル基、炭素数2〜30のヘテロアルキル基、炭素数6〜30のアラルキル基、炭素数5〜30のアリール基、炭素数2〜30のヘテロアリール基、炭素数3〜30のヘテロアリールアルキル基、炭素数1〜30のアルコキシ基、炭素数1〜30のアルキルアミノ基、炭素数6〜30のアリールアミノ基、炭素数6〜30のアラルキルアミノ基、及び炭素数2〜24のヘテロアリールアミノ基からなる群より選択される1つ以上が用いられ得るが、これらの例示に限定されない。
本発明の重水素化芳香族化合物の中間体及びこれを利用した重水素化芳香族化合物の調製方法によると、該中間体を利用して、重水素を高いレベルで転換させた重水素化芳香族化合物を容易に調製することができる。
また、重水素を高いレベルで転換させた重水素化芳香族化合物を利用して、長寿命で発光効率等の特性に優れた有機電界発光素子を提供することができる。
図1は、本発明の一実施例である合成例1−1における、重水素化された中間体のマススペクトルである。 図2は、本発明の一実施例である合成例1−1における、反応前の化合物のH−NMRスペクトルである。 図3は、本発明の一実施例である合成例1−1における、重水素化された中間体のH−NMRスペクトルである。
以下、本発明が属する技術分野において、通常の知識を有する者が容易に実施できるように、本発明の実施態様について詳細に説明する。しかし、本発明は様々な異なる形態で実現することができ、ここで説明する実施態様に限定されない。
本発明の一実施態様によると、本発明の重水素化芳香族化合物の中間体は、下記化学式1で表される化合物である。
Figure 0006855083
ここで、n及びmは、互いに同一か又は異なり、それぞれ独立して1〜4の整数であり、o及びpは、互いに同一か又は異なり、それぞれ独立して0〜2の整数であり、X及びXは、互いに同一か又は異なり、それぞれ独立してC=O又はC(R)(R)であり、R及びRは、互いに同一か又は異なり、それぞれ独立して水素、シアノ基、ニトロ基、ハロゲン基、ヒドロキシ基、置換又は非置換の炭素数1〜30のアルキル基、置換又は非置換の炭素数3〜30のシクロアルキル基、置換又は非置換の炭素数1〜20のヘテロアルキル基、置換又は非置換の炭素数1〜20のヘテロシクロアルキル基、置換又は非置換の炭素数6〜30のアリール基、及び置換又は非置換の炭素数3〜30のヘテロアリール基からなる群より選択され、R及びRは、互いに同一か又は異なり、それぞれ独立して水素、重水素、及びOHからなる群より選択される。
前記R及びRが置換される場合、水素、重水素、シアノ基、ニトロ基、ハロゲン基、ヒドロキシ基、炭素数1〜30のアルキル基、炭素数2〜30のアルケニル基、炭素数2〜24のアルキニル基、炭素数2〜30のヘテロアルキル基、炭素数6〜30のアラルキル基、炭素数3〜20のシクロアルキル基、炭素数3〜20のヘテロシクロアルキル基、炭素数5〜30のアリール基、炭素数2〜30のヘテロアリール基、炭素数3〜30のヘテロアリールアルキル基、炭素数1〜30のアルコキシ基、炭素数1〜30のアルキルシリル基、炭素数6〜30のアリールシリル基、及び炭素数6〜30のアリールオキシ基からなる群より選択される置換基で置換され、複数の置換基で置換される場合、これらは互いに同一か又は異なる。
前記n及びmは、互いに同一か又は異なり、それぞれ独立して2〜4の整数である。
前記X及びXは、互いに同一か又は異なり、それぞれ独立してC=O又はC(R)(R)であり、好ましくは、XがC=Oであれば、XはC=O又はC(R)(R)である。
本発明の調製方法により、本発明の重水素化芳香族化合物の中間体を利用して、アントロン(anthrone)又はアントラキノン(anthraquinone)から、高いレベルの重水素化を達成することができる重水素化アントラセン化合物が提供され得る。
本発明の一実施態様によると、本発明の重水素化芳香族化合物の調製方法は、(1)重水素化されていない下記化学式2で表される化合物と重水素源とを金属触媒下で反応させ、重水素化された芳香族化合物の中間体である、下記化学式1で表される化合物を調製する段階と、(2)前記(1)段階における重水素化された芳香族化合物の中間体である、下記化学式1で表される化合物を用いて、下記化学式3で表される化合物を調製する段階とを含み得る。
Figure 0006855083
Figure 0006855083
Figure 0006855083
ここで、o及びpは、互いに同一か又は異なり、それぞれ独立して0〜2の整数であり、X及びXは、互いに同一か又は異なり、それぞれ独立してC=O又はC(R)(R)であり、R及びRは、互いに同一か又は異なり、それぞれ独立して水素、シアノ基、ニトロ基、ハロゲン基、ヒドロキシ基、置換又は非置換の炭素数1〜30のアルキル基、置換又は非置換の炭素数3〜30のシクロアルキル基、置換又は非置換の炭素数1〜20のヘテロアルキル基、置換又は非置換の炭素数1〜20のヘテロシクロアルキル基、置換又は非置換の炭素数6〜30のアリール基、及び置換又は非置換の炭素数3〜30のヘテロアリール基からなる群より選択され、R及びRは、互いに同一か又は異なり、それぞれ独立して水素、重水素、及びOHからなる群より選択される。
n及びmは、互いに同一か又は異なり、それぞれ独立して1〜4の整数であり、L及びLは、互いに同一か又は異なり、それぞれ独立して単結合、置換又は非置換の炭素数6〜30のアリーレン基、置換又は非置換の炭素数3〜30のヘテロアリーレン基、置換又は非置換の炭素数2〜10のアルキレン基、置換又は非置換の炭素数3〜10のシクロアルキレン基、置換又は非置換の炭素数2〜10のアルケニレン基、置換又は非置換の炭素数2〜10のシクロアルケニレン基、置換又は非置換の炭素数2〜10のヘテロアルキレン基、置換又は非置換の炭素数3〜10のヘテロシクロアルキレン基、置換又は非置換の炭素数2〜10のヘテロアルケニレン基、及び置換又は非置換の炭素数2〜10のヘテロシクロアルケニレン基からなる群より選択される。
Ar及びArは、互いに同一か又は異なり、それぞれ独立して置換又は非置換の炭素数6〜30のアリール基、置換又は非置換の炭素数3〜30のヘテロアリール基、置換又は非置換の炭素数1〜20のアルキル基、置換又は非置換の炭素数1〜20のシクロアルキル基、置換又は非置換の炭素数1〜20のヘテロアルキル基、置換又は非置換の炭素数1〜20のヘテロシクロアルキル基、置換又は非置換の炭素数1〜20のアルケニル基、置換又は非置換の炭素数1〜20のシクロアルケニル基、及び置換又は非置換の炭素数1〜20のヘテロアルケニル基からなる群より選択される。
前記L、L、Ar、Ar及びR〜Rが置換される場合、水素、重水素、シアノ基、ニトロ基、ハロゲン基、ヒドロキシ基、炭素数1〜30のアルキル基、炭素数2〜30のアルケニル基、炭素数2〜24のアルキニル基、炭素数2〜30のヘテロアルキル基、炭素数6〜30のアラルキル基、炭素数3〜20のシクロアルキル基、炭素数3〜20のヘテロシクロアルキル基、炭素数5〜30のアリール基、炭素数2〜30のヘテロアリール基、炭素数3〜30のヘテロアリールアルキル基、炭素数1〜30のアルコキシ基、炭素数1〜30のアルキルシリル基、炭素数6〜30のアリールシリル基、及び炭素数6〜30のアリールオキシ基からなる群より選択される置換基で置換され、複数の置換基で置換される場合、これらは互いに同一か又は異なる。
より具体的に、前記(1)段階では、下記化学式2で表される化合物を利用して、下記化学式1で表される中間体を調製する。
Figure 0006855083
Figure 0006855083
ここで、n及びmは、互いに同一か又は異なり、それぞれ独立して1〜4の整数であり、o及びpは、互いに同一か又は異なり、それぞれ独立して0〜2の整数であり、X及びXは、互いに同一か又は異なり、それぞれ独立してC=O又はC(R)(R)であり、R及びRは、互いに同一か又は異なり、それぞれ独立して水素、シアノ基、ニトロ基、ハロゲン基、ヒドロキシ基、置換又は非置換の炭素数1〜30のアルキル基、置換又は非置換の炭素数3〜30のシクロアルキル基、置換又は非置換の炭素数1〜20のヘテロアルキル基、置換又は非置換の炭素数1〜20のヘテロシクロアルキル基、置換又は非置換の炭素数6〜30のアリール基、及び置換又は非置換の炭素数3〜30のヘテロアリール基からなる群より選択され、R及びRは、互いに同一か又は異なり、それぞれ独立して水素、重水素及びOHからなる群より選択される。
前記R〜Rが置換される場合、水素、重水素、シアノ基、ニトロ基、ハロゲン基、ヒドロキシ基、炭素数1〜30のアルキル基、炭素数2〜30のアルケニル基、炭素数2〜24のアルキニル基、炭素数2〜30のヘテロアルキル基、炭素数6〜30のアラルキル基、炭素数3〜20のシクロアルキル基、炭素数3〜20のヘテロシクロアルキル基、炭素数5〜30のアリール基、炭素数2〜30のヘテロアリール基、炭素数3〜30のヘテロアリールアルキル基、炭素数1〜30のアルコキシ基、炭素数1〜30のアルキルシリル基、炭素数6〜30のアリールシリル基、及び炭素数6〜30のアリールオキシ基からなる群より選択される置換基で置換され、複数の置換基で置換される場合、これらは互いに同一か又は異なる。
より具体的に、前記(1)段階では、化学式2で表される化合物と、重水素源と、有機溶媒とを混合し、金属触媒下で反応させて、重水素に転換する反応を行わせる。最終産物である重水素化芳香族化合物を調製するために、前記化学式2で表される化合物を利用して重水素化反応を行い、前記化学式1で表される中間体を調製する。
前記(1)段階では、下記反応式1又は反応式2の方法を利用して化学式1で表される中間体を調製することができるが、これらの方法に限定されず、当業者が選択可能な調製方法はいずれも適用可能である。
Figure 0006855083
Figure 0006855083
前記金属触媒は、白金、パラジウム、ロジウム、ルテニウム、ニッケル、コバルト、これらの酸化物、これらの錯体、及びこれらの組み合せからなる群より選択することができるが、これらの金属触媒に限定されず、重水素化反応を行うために使用可能な金属触媒は、制限されることなく使用可能である。
この際、前記金属触媒は、好ましくは、反応式1の反応物であるアントロン、又は反応式2の反応物であるアントラキノンを基準にして、1:0.01(モル比)〜1:0.20(モル比)で用いられ、さらに好ましくは1:0.05(モル比)〜1:0.15(モル比)で用いられるが、前記範囲に限定されず、当業者が選択して使用可能な範囲内では、いずれも使用可能である。
前記重水素源は、重水(例えば、DO、TO)、過重水素化されたベンゼン(例えば、ベンゼン−D)、過重水素化されたトルエン(例えば、トルエン−D)、過重水素化されたキシレン(例えば、キシレン−D10)、過重水素化されたトリクロロメタン(例えば、CDCl)、及び過重水素化されたメタノール(例えば、CDOD)からなる群より選択することが好ましく、より好ましくは、重水(DO)又は過重水素化されたベンゼン(ベンゼン−D)であるが、前記例示に限定されず、当業者が選択可能な重水素源は、制限されることなく使用可能である。
この際、前記重水素源は、好ましくは、反応式1の反応物であるアントロン、又は反応式2の反応物であるアントラキノンを基準にして、1:10〜1:100(質量比)で用いられることが好ましいが、前記範囲に限定されず、当業者が選択して使用可能な範囲内では、いずれも使用可能である。
前記(1)段階では、好ましくは、40℃〜100℃の温度にて反応させた後、室温まで冷却して生成物を取得し得る。60℃〜100℃の温度にて反応させることがさらに好ましい。これ以上の温度で反応させる場合は、前記反応式1及び反応式2の生成物が割れる現象が発生する恐れがある。
前記室温は、15℃〜25℃であり、当業者が選択可能な室温範囲を意味する。
前記(1)段階及び(2)段階での反応は反応溶媒下で行われ、前記反応溶媒は、エーテル、アルコール、アルカン、シクロアルカン、酸、アミド又はエステル、及びこれらの組み合せからなる群より選択され得るが、前記例示に限定されず、当業者が選択可能な反応溶媒は制限されることなく使用可能である。
前記(2)段階は、(2−1)重水素化芳香族化合物の中間体をトリフラート化する段階と、(2−2)前記トリフラート化した中間体を金属触媒下で有機ホウ素化合物と反応させる段階とを含む。
具体的に、重水素化芳香族化合物の中間体をTfO(トリフルオロメタンスルホン酸無水物)と反応させてトリフラート化する。より具体的に、下記化学式1で表される中間体をTfOと反応させてトリフラート化する。この際、X及びXがC=Oであれば、X及びXでトリフラート化され、XのみがC=Oであれば、Xでトリフラート化される。
Figure 0006855083
ここで、n、m、o、p、X、X、R、及びRは、前記化学式1において定義したとおりである。
その後、トリフラート化した中間体は金属触媒下で有機ホウ素化合物と反応し、炭素同士の結合形成反応が行われる。
すなわち、炭素同士の結合形成反応を行うために、中間体をTfOと反応させてトリフラート化し、トリフラート化した中間体を有機ホウ素化合物と反応させて、新たな炭素同士の結合を形成させる。
前記化学式1において、XのみがC=Oであると、XはC(R)(R)であり、前記R及びRは重水素(D)であり得る。
前記の場合、一段階のトリフラート化反応により、Xはトリフラート化され、Xは−CDで反応され、その後、Xにてハロゲン化反応が行われる。
前記ハロゲン化反応は、NBS(N−bromosuccinimide)と反応させ、ハロゲン基を置換させ、その後、有機ホウ素化合物と炭素同士の結合形成反応を行う。
前記ハロゲン化反応は、NBSを利用して行うことができるが、ハロゲン基で置換することができれば、NBSに制限されずに反応化合物として使用可能である。
前記ハロゲン化反応は、結合力が最も弱いC−Hを攻撃してHを離脱させ、ハロゲン基で置換させる反応であり、ハロゲン化反応を行うと、Xにてハロゲン化反応が行われ、ハロゲン化反応により置換されたハロゲン基は、有機ホウ素化合物と反応して炭素同士の結合を形成することができる。
本発明は、下記化学式3で表される化合物を含む有機電界発光素子を提供する。
Figure 0006855083
ここで、n、m、o、p、R、及びRは、前記化学式1において定義したとおりであり、L及びLは、互いに同一か又は異なり、それぞれ独立して単結合、置換又は非置換の炭素数6〜30のアリーレン基、置換又は非置換の炭素数3〜30のヘテロアリーレン基、置換又は非置換の炭素数2〜10のアルキレン基、置換又は非置換の炭素数3〜10のシクロアルキレン基、置換又は非置換の炭素数2〜10のアルケニレン基、置換又は非置換の炭素数2〜10のシクロアルケニレン基、置換又は非置換の炭素数2〜10のヘテロアルキレン基、置換又は非置換の炭素数3〜10のヘテロシクロアルキレン基、置換又は非置換の炭素数2〜10のヘテロアルケニレン基、及び置換又は非置換の炭素数2〜10のヘテロシクロアルケニレン基からなる群より選択される。
Ar及びArは、互いに同一か又は異なり、それぞれ独立して置換又は非置換の炭素数6〜30のアリール基、置換又は非置換の炭素数3〜30のヘテロアリール基、置換又は非置換の炭素数1〜20のアルキル基、置換又は非置換の炭素数1〜20のシクロアルキル基、置換又は非置換の炭素数1〜20のヘテロアルキル基、置換又は非置換の炭素数1〜20のヘテロシクロアルキル基、置換又は非置換の炭素数1〜20のアルケニル基、置換又は非置換の炭素数1〜20のシクロアルケニル基、及び置換又は非置換の炭素数1〜20のヘテロアルケニル基からなる群より選択される。
前記L、L、Ar、及びArが置換される場合、水素、重水素、シアノ基、ニトロ基、ハロゲン基、ヒドロキシ基、炭素数1〜30のアルキル基、炭素数2〜30のアルケニル基、炭素数2〜24のアルキニル基、炭素数2〜30のヘテロアルキル基、炭素数6〜30のアラルキル基、炭素数3〜20のシクロアルキル基、炭素数3〜20のヘテロシクロアルキル基、炭素数5〜30のアリール基、炭素数2〜30のヘテロアリール基、炭素数3〜30のヘテロアリールアルキル基、炭素数1〜30のアルコキシ基、炭素数1〜30のアルキルシリル基、炭素数6〜30のアリールシリル基、及び炭素数6〜30のアリールオキシ基からなる群より選択される置換基で置換され、複数の置換基で置換される場合、これらは互いに同一か又は異なる。
本発明の有機化合物(前記化学式3で表される化合物)は、発光層物質として有機発光素子に含まれることができ、この場合有機発光素子は、長寿命で発光効率等の特性に優れる。したがって、前記化学式3で表される化合物(重水素化されたアントラセン誘導体)を含む有機物層は、発光層であることが好ましい。
また、本発明は、前記有機化合物を含む発光層形成用材料に関するものである。該発光層形成用材料は、前記有機化合物を必要な形態で調製して発光層を形成する際に通常添加される物質、例えば、ドーパント物質等をさらに含み得る。
また、本発明は、陰極と陽極との間に少なくとも発光層を含む一層又は複数層からなる有機薄膜層が積層された有機電界発光素子において、前記発光層が、前記化学式3で表される有機化合物を、1種単独で又は2種以上を組み合せて含有することを特徴とする、有機電界発光素子に関する。
前記有機電界発光素子は、陽極、正孔注入層、正孔輸送層、発光層、電子輸送層、電子注入層、及び陰極が積層された構造を有することができ、必要に応じて、電子遮断層、正孔遮断層等がさらに積層され得る。
(実施合成例)
Figure 0006855083
[合成例1−1]
アントロン(1.00g、5.15mmol)、5%Pt/C(3.32g、0.772mmol)、重水(20mL)、イソプロパノール(IPA)(2mL)、及びシクロヘキサン(c−HEX)(18mL)を、高圧反応器に投入した。高圧反応器で80℃にて24時間撹拌した後、室温に冷却した。ジクロロメタンを投入した後、層分離して有機層を得た。MgSOで乾燥させ、ろ過した後、ろ液を濃縮して、重水素化されたアントロン930mg(88%、重水素転換率96%)を得た。
MS(LC−MS)m/z:205.14[M+1]
[合成例1−2]
アントロン(1.00g、5.15mmol)、5%Pt/C(2.22g、0.515mmol)、重水(20mL)、イソプロパノール(2mL)、及びシクロヘキサン(18mL)を、高圧反応器に投入した。高圧反応器で80℃にて12時間撹拌した後、室温に冷却した。ジクロロメタンを投入した後、層分離して有機層を得た。MgSOで乾燥させ、ろ過した後、ろ液を濃縮して、重水素化されたアントロン940mg(89%、重水素転換率96%)を得た。
MS(LC−MS)m/z:205.14[M+1]
[合成例1−3]
アントロン(1.00g、5.15mmol)、5%Pt/C(1.11g、0.257mmol)、重水(20mL)、イソプロパノール(2mL)、及びシクロヘキサン(18mL)を、高圧反応器に投入した。高圧反応器で80℃にて12時間撹拌した後、室温に冷却した。ジクロロメタンを投入した後、層分離して有機層を得た。MgSOで乾燥させ、ろ過した後、ろ液を濃縮して、重水素化されたアントロン930mg(88%、重水素転換率93%)を得た。
MS(LC−MS)m/z:205.14[M+1]
[合成例1−4]
アントロン(1.00g、5.15mmol)、5%PtO(0.058g、0.515mmol)、重水(20mL)、イソプロパノール(2mL)、及びシクロヘキサン(18mL)を高圧反応器に投入した。高圧反応器で80℃にて36時間撹拌した後、室温に冷却した。ジクロロメタンを投入した後、層分離して有機層を得た。MgSOで乾燥させ、ろ過した後、ろ液を濃縮して、重水素化されたアントロン950mg(90%、重水素転換率96%)を得た。
MS(LC−MS)m/z:205.14[M+1]
[合成例1−5]
アントロン(1.00g、5.15mmol)、5%PtO(0.058g、0.515mmol)、重水(20mL)、イソプロパノール(2mL)、及びシクロヘキサン(18mL)を、高圧反応器に投入した。高圧反応器で80℃にて12時間撹拌した後、室温に冷却した。ジクロロメタンを投入した後、層分離して有機層を得た。MgSOで乾燥させ、ろ過した後、ろ液を濃縮して、重水素化されたアントロン950mg(90%、重水素転換率83%)を得た。
MS(LC−MS)m/z:205.14[M+1]
[合成例1−6]
アントロン(1.00g、5.15mmol)、5%PtO(0.058g、0.515mmol)、重水(20mL)、2−ペンタノール(2mL)、及びシクロヘキサン(18mL)を、高圧反応器に投入した。高圧反応器で80℃にて36時間撹拌した後、室温に冷却した。ジクロロメタンを投入した後、層分離して有機層を得た。MgSOで乾燥させ、ろ過した後、ろ液を濃縮して、重水素化されたアントロン950mg(90%、重水素転換率96%)を得た。
MS(LC−MS)m/z:205.14[M+1]
[合成例1−7]
アントロン(1.00g、5.15mmol)、5%PtO(0.058g、0.515mmol)、重水(20mL)、2−ブタノール(2mL)、及びシクロヘキサン(18mL)を、高圧反応器に投入した。高圧反応器で80℃にて36時間撹拌した後、室温に冷却した。ジクロロメタンを投入した後、層分離して有機層を得た。MgSOで乾燥させ、ろ過した後、ろ液を濃縮して、重水素化されたアントロン950mg(90%、重水素転換率96%)を得た。
MS(LC−MS)m/z:205.14[M+1]
[合成例1−8]
アントロン(1.00g、5.15mmol)、5%PtO(0.058g、0.515mmol)、重水(20mL)、イソプロパノール(2mL)、及びメチルシクロヘキサン(18mL)を、高圧反応器に投入した。高圧反応器で80℃にて36時間撹拌した後、室温に冷却した。ジクロロメタンを投入した後、層分離して有機層を得た。MgSOで乾燥させ、ろ過した後、ろ液を濃縮して、重水素化されたアントロン940mg(89%、重水素転換率95%)を得た。
MS(LC−MS)m/z:205.14[M+1]
[合成例1−9]
アントロン(1.00g、5.15mmol)、5%PtO(0.058g、0.515mmol)、重水(20mL)、イソプロパノール(2mL)、及びデカヒドロナフタレン(18mL)を、高圧反応器に投入した。高圧反応器で80℃にて36時間撹拌した後、室温に冷却した。ジクロロメタンを投入した後、層分離して有機層を得た。MgSOで乾燥させ、ろ過した後、ろ液を濃縮して、重水素化されたアントロン950mg(90%、重水素転換率96%)を得た。
MS(LC−MS)m/z:205.14[M+1]
[合成例1−10]
アントロン(1.00g、5.15mmol)、5%PtO(0.058g、0.515mmol)、重水(20mL)、イソプロパノール(2mL)、及びヘプタン(18mL)を、高圧反応器に投入した。高圧反応器で80℃にて36時間撹拌した後、室温に冷却した。ジクロロメタンを投入した後、層分離して有機層を得た。MgSOで乾燥させ、ろ過した後、ろ液を濃縮して、重水素化されたアントロン930mg(88%、重水素転換率95%)を得た。
MS(LC−MS)m/z:205.14[M+1]
[合成例1−11]
アントロン(1.00g、5.15mmol)、5%PtO(0.058g、0.515mmol)、重水(20mL)、イソプロパノール(2mL)、及びシクロヘキサン(18mL)を、高圧反応器に投入した。高圧反応器で60℃にて36時間撹拌した後、室温に冷却した。ジクロロメタンを投入した後、層分離して有機層を得た。MgSOで乾燥させ、ろ過した後、ろ液を濃縮して、重水素化されたアントロン930mg(88%、重水素転換率90%)を得た。
MS(LC−MS)m/z:205.14[M+1]
[合成例1−12]
アントロン(1.00g、5.15mmol)、5%PtO(0.058g、0.515mmol)、重水(20mL)、イソプロパノール(2mL)、及びシクロヘキサン(18mL)を、高圧反応器に投入した。高圧反応器で90℃にて36時間撹拌した後、室温に冷却した。ジクロロメタンを投入した後、層分離して有機層を得た。MgSOで乾燥させ、ろ過した後、ろ液を濃縮して、重水素化されたアントロン900mg(86%、重水素転換率96%)を得た。
MS(LC−MS)m/z:205.14[M+1]
[合成例1−13]
アントラキノン(1.00g、4.80mmol)、5%Pt/c(3.09g、0.720mmol)、重水(20mL)、イソプロパノール(2mL)、及びデカヒドロナフタレン(18mL)を、高圧反応器に投入した。高圧反応器で80℃にて24時間撹拌した後、室温に冷却した。ジクロロメタンを投入した後、層分離して有機層を得た。MgSOで乾燥させ、ろ過した後、ろ液を濃縮して、重水素化されたアントラキノン910mg(87%、重水素転換率95%)を得た。
MS(LC−MS)m/z:217.10[M+1]
[合成例2−1]
Figure 0006855083
アントロンd10(10.0g、48.95mmol)、ジクロロメタン(150mL)、及びトリエチルアミン(TEA)(20.4mL)を、反応器に投入した。0℃に冷却した後、TfO(18.9mL、53.85mmol)をゆっくりと滴加した。室温にて1時間撹拌した後、精製水で反応を終結させた。層分離して有機層を得た後、MgSOで乾燥させ、ろ過した。ろ液を濃縮して、アントラセン−9−イルトリフルオロメタンスルホネートd9 14.6g(89%、重水素転換率95%)を得た。
LC−MS[M+1]:336.08
[合成例2−2]
Figure 0006855083
アントラセン−9−イルトリフルオロメタンスルホネートd9(10.0g、30.7mmol)、1−ナフチルボロン酸(6.15g、35.8mmol)、炭酸カリウム(8.24g、59.6mmol)、トルエン(100mL)、水(20mL)、及びエタノール(20mL)を反応器に投入した。室温にて20分間撹拌した後、テトラキストリフェニルホスフィンパラジウム(Pd(PPh)(1.03g、0.895mmol)を投入して5時間還流した。その後、反応混合物を室温に冷却した後、メタノール(200mL)を投入して30分間撹拌した。生成された固体を水及びメタノールで洗浄した後、トルエンで再結晶して、9−(ナフタレン−1−イル)アントラセンd9 6.90g(74%、重水素転換率96%)を得た。
[合成例2−3]
Figure 0006855083
9−(1−ナフチル)アントラセンd9(6.00g、19.1mmol)をDMF(dimethylformamide)(60mL)に溶解させた。NBS(N−bromosuccinimide)(3.75g、21.1mmol)をDMF(30mL)に溶解させた後、室温にてゆっくりと滴加した。室温にて16時間撹拌した後、メタノール(200mL)を投入した。生成された固体をろ過した後、トルエンで再結晶して、9−ブロモ−10−(ナフタレン−1−イル)アントラセンd8 6.65g(88%、重水素転換率96%)を得た。
(実施合成例1)
Figure 0006855083
9−ブロモ−10−(ナフタレン−1−イル)アントラセンd8(5.00g、12.9mmol)、2−ナフチルボロン酸(2.63g、15.3mmol)、炭酸カリウム(3.53g、25.6mmol)、トルエン(50mL)、水(10mL)、及びエタノール(10mL)を、反応器に投入した。室温にて20分間撹拌した後、テトラキストリフェニルホスフィンパラジウム(0.295g、0.265mmol)を投入して5時間還流した。その後、反応混合物を室温に冷却した後、メタノール(100mL)を投入して30分間撹拌した。生成された固体を水及びメタノールで洗浄した後、トルエンで再結晶して、9−(ナフタレン−1−イル)−10−(ナフタレン−2−イル)アントランセンd8 4.12g(75%、重水素転換率96%)を得た。
MS(MALDI−TOF)m/z:438.22[M]
(実施合成例2)
Figure 0006855083
9−ブロモ−10−(ナフタレン−1−イル)アントラセンd15(5.14g、12.9mmol)、2−ナフチルボロン酸d7(2.63g、15.3mmol)、炭酸カリウム(3.53g、25.6mmol)、トルエン(50mL)、水(10mL)、及びエタノール(10mL)を、反応器に投入した。室温にて20分間撹拌した後、テトラキストリフェニルホスフィンパラジウム(0.295g、0.265mmol)を投入して5時間還流した。その後、反応混合物を室温に冷却した後、メタノール(100mL)を投入して30分間撹拌した。生成された固体を水及びメタノールで洗浄した後、トルエンで再結晶して、9−(ナフタレン−1−イル)−10−(ナフタレン−2−イル)アントランセンd22 4.14g(71%、重水素転換率96%)を得た。
MS(MALDI−TOF)m/z:452.31[M]
(実施合成例3)
Figure 0006855083
4−(10−ブロモアントラセン−9−イル)ジベンゾ[b,d]フランd8(5.00g、11.6mmol)、(3−(ナフタレン−1−イル)フェニル)ボロン酸(3.45g、13.9mmol)、炭酸カリウム(3.53g、25.6mmol)、トルエン(50mL)、水(10mL)、及びエタノール(10mL)を、反応器に投入した。室温にて20分間撹拌した後、テトラキストリフェニルホスフィンパラジウム(0.402g、0.348mmol)を投入して5時間還流した。その後、反応混合物を室温に冷却した後、メタノール(100mL)を投入して30分間撹拌した。生成された固体を水及びメタノールで洗浄した後、ジクロロメタン及びn−ヘプタンで再結晶して、4−(10−(3−(ナフタレン−1−イル)フェニル)アントラセン−9−イル)ジベンゾ[b,d]フランd8 4.12g(62%、重水素転換率95%)を得た。
MS(MALDI−TOF)m/z:554.25[M]
(実施合成例4)
Figure 0006855083
4−(10−ブロモアントラセン−9−イル)ジベンゾ[b,d]フランd8(5.00g、11.6mmol)、(4−(ナフタレン−2−イル)フェニル)ボロン酸(3.45g、13.9mmol)、炭酸カリウム(3.53g、25.6mmol)、トルエン(50mL)、水(10mL)、及びエタノール(10mL)を、反応器に投入した。室温にて20分間撹拌した後、テトラキストリフェニルホスフィンパラジウム(0.402g、0.348mmol)を投入して5時間還流した。その後、反応混合物を室温に冷却した後、メタノール(100mL)を投入して30分間撹拌した。生成された固体を水及びメタノールで洗浄した後、トルエンで再結晶して、4−(10−(4−(ナフタレン−2−イル)フェニル)アントラセン−9−イル)ジベンゾ[b,d]フランd8 4.23g(66%、重水素転換率96%)を得た。
MS(MALDI−TOF)m/z:554.25[M]
(実施合成例5)
Figure 0006855083
9−ブロモ−10−(ナフタレン−1−イル)アントラセンd8(5.00g、12.9mmol)、(4−(ナフタレン−2−イル)フェニル)ボロン酸(3.45g、13.9mmol)、炭酸カリウム(3.53g、25.6mmol)、トルエン(50mL)、水(10mL)、及びエタノール(10mL)を、反応器に投入した。室温にて20分間撹拌した後、テトラキストリフェニルホスフィンパラジウム(0.295g、0.265mmol)を投入して5時間還流した。その後、反応混合物を室温に冷却した後、メタノール(100mL)を投入して30分間撹拌した。生成された固体を水及びメタノールで洗浄した後、トルエンで再結晶して、9−(ナフタレン−1−イル)−10−(4−(ナフタレン−2−イル)フェニル)アントラセンd8 4.23g(66%、重水素転換率96%)を得た。
MS(MALDI−TOF)m/z:514.25[M]
(実施合成例6)
Figure 0006855083
9−ブロモ−10−(ナフタレン−1−イル)アントラセンd15(5.14g、12.9mmol)と(4−(ナフタレン−2−イル)フェニル)ボロン酸d11(3.60g、13.9mmol)、炭酸カリウム(3.53g、25.6mmol)、トルエン(50mL)、水(10mL)、及びエタノール(10mL)を、反応器に投入した。室温にて20分間撹拌した後、テトラキストリフェニルホスフィンパラジウム(0.295g、0.265mmol)を投入して5時間還流した。その後、反応混合物を室温にて冷却した後、メタノール(100mL)を投入して30分間撹拌した。生成された固体を水及びメタノールで洗浄した後、トルエンで再結晶して、9−(ナフタレン−1−イル)−10−(4−(ナフタレン−2−イル)フェニル)アントラセンd26 4.67g(68%、重水素転換率96%)を得た。
MS(MALDI−TOF)m/z:532.37[M]
(比較合成例1)
Figure 0006855083
9−(ナフタレン−1−イル)−10−(ナフタレン−2−イル)アントランセン(1.00g、2.32mmol)、5%Pt/C(300mg、0.070mmol)、重水(40mL)、イソプロパノール(2mL)、及びシクロヘキサン(20mL)を、高圧反応器に投入した。高圧反応器で80℃にて12時間撹拌し、室温に冷却した。ジクロロメタンを投入した後、層分離して有機層を得た。MgSOで乾燥させた後、ろ過し、ろ液を濃縮させた。イソプロパノールを投入した後、9−(ナフタレン−1−イル)−10−(ナフタレン−2−イル)アントランセンd22 870mg(83%、重水素転換率59%)を得た。
MS(MALDI−TOF)m/z:452.31[M]
(比較合成例2)
Figure 0006855083
9−(ナフタレン−1−イル)−10−(4−(ナフタレン−2−イル)フェニル)アントラセン(1.00g、1.97mmol)、5%Pt/C(255mg、0.059mmol)、重水(40mL)、イソプロパノール(2mL)、及びシクロヘキサン(20mL)を、高圧反応器に投入した。高圧反応器で80℃にて12時間撹拌した後、室温に冷却した。ジクロロメタンを投入した後、層分離して有機層を得た。MgSOで乾燥させた後、ろ過し、ろ液を濃縮させた。イソプロパノールを投入した後、9−(ナフタレン−1−イル)−10−(4−(ナフタレン−2−イル)フェニル)アントラセンd26 890mg(85%、重水素転換率45%)を得た。
MS(MALDI−TOF)m/z:532.37[M]
<実施例1:有機電界発光素子の製作>
光反射層であるAg合金と有機電界発光素子の陽極であるITO(10nm)とが順次積層された基板を、露光(Photo−Lithograph)工程により陰極と陽極領域、及び絶縁層に区分してパターニング(Patterning)し、その後、陽極(ITO)の仕事関数(work−function)の増大及びディスカム(descum)処理のために、UVオゾン処理及びO:Nプラズマによる表面処理を行った。この上に、正孔注入層(HIL)として、1,4,5,8,9,11−ヘキサアザトリフェニレン−ヘキサカルボニトリル(1,4,5,8,9,11−hexaazatriphenylene−hexacarbonitrile:HAT−CN)の層を100Åの厚さで形成した。
次いで、前記正孔注入層(HIL)の上部に、N4,N4,N4’,N4’−テトラ([1,1’−ビフェニル]−4−イル)−[1,1’−ビフェニル]−4,4’−ジアミンを真空蒸着して、1000Åの厚さの正孔輸送層(HTL)を形成した。
前記正孔輸送層(HTL)の上部に、電子遮断層(EBL)として、N−フェニル−N−(4−(スピロ[ベンゾ[de]アントラセン−7,9’−フルオレン]−2’−イル)フェニル)ジベンゾ[b,d]フラン−4−アミンの層を150Åの厚さで形成した。この電子遮断層(EBL)の上部に、発光層のホスト(HOST)として実施合成例1の化合物を蒸着させるとともに、ドーパントとしてN1,N1,N6,N6−テトラキス(4−(1−シリル)フェニル)ピレン−1,6−ジアミンをドーピングして、200Å厚さで発光層(EML)を形成した。
この上に、2−(4−(9,10−ジ(ナフタレン−2−イル)アントラセン−2−イル)フェニル)−1−フェニル−1H−ベンゾ[d]イミダゾールとLiQとを1:1の重量比で混合して、360Åの厚さで電子輸送層(ETL)を蒸着し、陰極としてマグネシウム(Mg)と銀(Ag)とを9:1で160Åの厚さに蒸着した。
また、前記陰極の上に、キャッピング層(CPL)として、N4,N4’−ジフェニル−N4,N4’−ビス(4−(9−フェニル−9H−カルバゾール−3−イル)フェニル)−[1,1’−ビフェニル]−4,4’−ジアミンを、63nm〜65nmの厚さで蒸着した。
大気中のOや水分から有機電界発光素子を保護できるように、前記キャッピング層(CPL)の上にUV硬化型接着剤によりシールキャップ(seal cap)を合着して、有機電界発光素子を製作した。
<実施例2〜4:有機電界発光素子の製作>
ホストとして、前記実施合成例1の化合物の代わりに、下記表1及び表2に示すとおり、実施合成例2、5、及び6の化合物を用いたことを除いては、実施例1と同様の方法により有機電界発光素子を製作した。
<比較例1〜2:有機電界発光素子の製作>
ホストとして、前記実施合成例1の化合物の代わりに、下記表1及び表2に示すとおり、比較合成例1及び2の化合物を用いたことを除いては、実施例1と同様の方法により有機電界発光素子を製作した。
<実験例1:有機電界発光素子の素子特性及び寿命測定>
前記実施例1〜4及び比較例1〜2の有機電界発光素子の素子特性(電圧、電流効率、及び色座標)、並びに寿命T95を測定した。これらの結果を下記表1及び表2に示す。
Figure 0006855083
Figure 0006855083
表1及び表2から分かるように、本発明の実施例で製作した有機電界発光素子には、重水素転換率が非常に高い化合物が用いられているので、電圧、電流効率、及び色座標といった素子特性が阻害されていないだけでなく、比較例で製作した有機電界発光素子に比べて、長寿命である。
以上、本発明の好ましい実施形態及び実施例について詳細に説明したが、本発明の権利範囲はこれらに限定されるものではなく、以下の特許請求の範囲で定義している本発明の基本概念を用いた、当業者による種々の変形及び改良の形態も、本発明の権利範囲に属するものである。

Claims (8)

  1. 下記化学式1で表される重水素化芳香族化合物:
    Figure 0006855083
    ここで、
    n及びmは、互いに同一か又は異なり、それぞれ独立して1〜4の整数であり、
    o及びpは、互いに同一か又は異なり、それぞれ独立して0〜2の整数であり、
    は、C=Oで、X は、C(R)(R)であり、
    及びRは、互いに同一か又は異なり、それぞれ独立して水素、シアノ基、ニトロ基、ハロゲン基、ヒドロキシ基、置換又は非置換の炭素数1〜30のアルキル基、置換又は非置換の炭素数3〜30のシクロアルキル基、置換又は非置換の炭素数1〜20のヘテロアルキル基、置換又は非置換の炭素数1〜20のヘテロシクロアルキル基、置換又は非置換の炭素数6〜30のアリール基、及び置換又は非置換の炭素数3〜30のヘテロアリール基からなる群より選択され、
    及びR、重水素であり
    前記R及びRが置換される場合、水素、重水素、シアノ基、ニトロ基、ハロゲン基、ヒドロキシ基、炭素数1〜30のアルキル基、炭素数2〜30のアルケニル基、炭素数2〜24のアルキニル基、炭素数2〜30のヘテロアルキル基、炭素数6〜30のアラルキル基、炭素数3〜20のシクロアルキル基、炭素数3〜20のヘテロシクロアルキル基、炭素数5〜30のアリール基、炭素数2〜30のヘテロアリール基、炭素数3〜30のヘテロアリールアルキル基、炭素数1〜30のアルコキシ基、炭素数1〜30のアルキルシリル基、炭素数6〜30のアリールシリル基、及び炭素数6〜30のアリールオキシ基からなる群より選択される置換基で置換され、複数の置換基で置換される場合、これらは互いに同一か又は異なる。
  2. 前記n及びmは、互いに同一か又は異なり、それぞれ独立して2〜4の整数である、請求項1に記載の重水素化芳香族化合物。
  3. (1)下記化学式2で表される化合物と重水素源とを金属触媒下で反応させ、下記化学式1で表される重水素化芳香族化合物の中間体を調製する段階と、
    (2)前記(1)段階の重水素化芳香族化合物の中間体を用いて、下記化学式3で表される化合物を調製する段階と
    を含む、重水素化芳香族化合物の調製方法:
    Figure 0006855083
    Figure 0006855083
    Figure 0006855083
    ここで、
    n、m、o、p、X、X、R及びRは、請求項1において定義したものと同様であり、
    及びLは、互いに同一か又は異なり、それぞれ独立して単一結合、置換又は非置換の炭素数6〜30のアリーレン基、置換又は非置換の炭素数3〜30のヘテロアリーレン基、置換又は非置換の炭素数2〜10のアルキレン基、置換又は非置換の炭素数3〜10のシクロアルキレン基、置換又は非置換の炭素数2〜10のアルケニレン基、置換又は非置換の炭素数2〜10のシクロアルケニレン基、置換又は非置換の炭素数2〜10のヘテロアルキレン基、置換又は非置換の炭素数3〜10のヘテロシクロアルキレン基、置換又は非置換の炭素数2〜10のヘテロアルケニレン基、及び置換又は非置換の炭素数2〜10のヘテロシクロアルケニレン基からなる群より選択され、
    Ar及びArは、互いに同一か又は異なり、それぞれ独立して置換又は非置換の炭素数6〜30のアリール基、置換又は非置換の炭素数3〜30のヘテロアリール基、置換又は非置換の炭素数1〜20のアルキル基、置換又は非置換の炭素数1〜20のシクロアルキル基、置換又は非置換の炭素数1〜20のヘテロアルキル基、置換又は非置換の炭素数1〜20のヘテロシクロアルキル基、置換又は非置換の炭素数1〜20のアルケニル基、置換又は非置換の炭素数1〜20のシクロアルケニル基、及び置換又は非置換の炭素数1〜20のヘテロアルケニル基からなる群より選択され、
    前記L、L、Ar及びArが置換される場合、水素、重水素、シアノ基、ニトロ基、ハロゲン基、ヒドロキシ基、炭素数1〜30のアルキル基、炭素数2〜30のアルケニル基、炭素数2〜24のアルキニル基、炭素数2〜30のヘテロアルキル基、炭素数6〜30のアラルキル基、炭素数3〜20のシクロアルキル基、炭素数3〜20のヘテロシクロアルキル基、炭素数5〜30のアリール基、炭素数2〜30のヘテロアリール基、炭素数3〜30のヘテロアリールアルキル基、炭素数1〜30のアルコキシ基、炭素数1〜30のアルキルシリル基、炭素数6〜30のアリールシリル基、及び炭素数6〜30のアリールオキシ基からなる群より選択される置換基で置換され、複数の置換基で置換される場合、これらは互いに同一か又は異なる。
  4. 前記金属触媒は、白金、パラジウム、ロジウム、ルテニウム、ニッケル、コバルト、これらの酸化物、これらの錯体、及びこれらの組み合せからなる群より選択される、請求項3に記載の重水素化芳香族化合物の調製方法。
  5. 前記重水素源は、重水、過重水素化されたベンゼン、過重水素化されたトルエン、過重水素化されたキシレン、過重水素化されたトリクロロメタン、及び過重水素化されたメタノールからなる群より選択される、請求項3に記載の重水素化芳香族化合物の調製方法。
  6. 前記重水素源は、重水又は過重水素化されたベンゼンである、請求項5に記載の重水素化芳香族化合物の調製方法。
  7. 前記(1)段階及び前記(2)段階の反応を反応溶媒下で行い、
    前記反応溶媒は、エーテル、アルコール、アルカン、シクロアルカン、酸、アミド又はエステル、及びこれらの組み合せからなる群より選択される、請求項3に記載の重水素化芳香族化合物の調製方法。
  8. 前記(2)段階は、
    (2−1)重水素化芳香族化合物の中間体をトリフラート化する段階と、
    (2−2)前記トリフラート化した中間体を金属触媒下で有機ホウ素化合物と反応させる段階と
    を含む、請求項3に記載の重水素化芳香族化合物の調製方法。
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