JP5577604B2 - ヘテロアセン誘導体の製造方法及びテトラハロターフェニル誘導体 - Google Patents
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Description
最初に、下記一般式(1a)で示されるヘテロアセン誘導体の製造方法について説明する。本発明の一般式(1a)で示されるヘテロアセン誘導体は、下記一般式(2a)で示されるテトラハロターフェニル誘導体をメタル化剤を用いてジメタル化し、硫黄、セレン、あるいはテルルと反応させた後、環化することで製造することができる。
一般式(2a)で示されるテトラハロターフェニル誘導体の中でも、収率よくヘテロアセン誘導体が得られることから下記一般式(2c)で示されるテトラハロターフェニル誘導体を用いることが好ましい。
一般式(1a)で示されるヘテロアセン誘導体の置換基について述べる。
一般式(A−2)中の記号nは、0又は1であり、好ましくは1である。
一般式(1b)で示されるヘテロアセン誘導体の置換基について述べる。
一般式(A−2)中の記号nは、0又は1であり、好ましくは1である。
次に、一般式(1a)で示されるヘテロアセン誘導体の前駆化合物の一部であり、一般式(2a)で示されるテトラハロターフェニル誘導体の中で、好ましく用いられる一般式(2c)で示されるテトラハロターフェニル誘導体について述べる。
最初に、本発明の一般式(1a)で示されるヘテロアセン誘導体の前駆化合物である一般式(2a)で示されるテトラハロターフェニル誘導体の製造方法について述べる。
一般式(3a)の置換基X2及びX3は臭素原子、ヨウ素原子、塩素原子、フッ素原子を示し、好ましくはフッ素原子であり、置換基X9及びX10は、臭素原子、ヨウ素原子、塩素原子を示し、好ましくは臭素原子及び塩素原子であり、特に好ましくはいずれも臭素原子である。
一般式(3b)の置換基X11及びX12は、臭素原子、ヨウ素原子、塩素原子を示し、好ましくは臭素原子及び塩素原子である。
装置 島津GC14B
カラム J&Wサイエンティフィック社製、DB−1,30m
ガスクロマトグラフィー−マススペクトル分析
装置 パーキンエルマーオートシステムXL(MS部;ターボマスゴールド)
カラム J&Wサイエンティフィック社製、DB−1,30m
反応用の試薬及び溶媒は、断りのない限り市販品を用いた。なお、グリニャール試薬あるいはブチルリチウム等の有機金属試薬を用いた場合は、市販の脱水溶媒をそのまま用いた。
1,4−ジブロモ−2,5−ジヨードベンゼンはジャーナル オブ アメリカン ケミカル ソサイエティー、1997年、119巻、4578−4593頁に記載されている方法を参考に、以下の様に合成を行った。
1H NMR(CDCl3,21℃):δ=8.02(s,2H)。
1H NMRスペクトルが文献値と一致したことより、1,4−ジブロモ−2,5−ジヨードベンゼンが得られたことを確認した。
4−ブロモ−5−ヨード無水フタル酸は「ジャーナル オブ オーガニック ケミストリー」(米国)、1951年、16巻、1577−1581頁を参考に、以下の様に合成した。
1H NMR(CDCl3,22℃):δ=8.51(s,1H),8.23(s,1H)。
MS m/z: 353(M+,100%),309(M+−CO2,18%),282(M+−C2O3,10%),155(M+−C2O3−I,16%),74(M+−C2O3−I−Br,32%)。
1,2−ジドデシルベンゼンは「日本化学会誌」1989年、983−987頁に従い以下の様に合成した。
1H NMR(CDCl3,22℃):δ=7.11(m,4H),2.59(t,J=7.8Hz,4H),1.55(m,4H),1.26(m,36H),0.88(t,J=6.8Hz,6H)。
MS m/z: 414(M+,100%),260(M+−C11H23,71%),106(M+−C22H46,98%)。
2−ブロモ−3−ヨード−6,7−ジドデシルアントラキノンは「ベリヒテ」(独国)、1933年、66B巻、1876−1891頁を参考に以下の様に合成した。
1H NMR(CDCl3,22℃):δ=8.73(s,1H),8.45(s,1H),8.05(s,2H),2.75(m,4H),1.62(m,4H),1.26(m,36H),0.88(m,6H)。
MS m/z: 750(M+,100%),440(M+−C22H46,8%),313(M+−C22H46I,2%),233(M+−C22H46IBr,1%)。
窒素雰囲気下、100mlシュレンク反応容器に合成例4で合成した2−ブロモ−3−ヨード−6,7−ジドデシルアントラキノン1.10g(1.47mmol)を入れた。次いでTHF17mlを加え、水素化ジイソブチルアルミニウム(関東化学製、0.99mol/l、トルエン溶液)4.0ml(4.0mmol)を加え、室温で1.5時間反応を行った。次いで反応混合物に6M塩酸水溶液10mlを加え、65℃で3時間反応を行った。反応混合物を室温まで冷やし、エーテルで抽出した。エーテル溶液を飽和食塩水で洗浄して無水硫酸ナトリウムで乾燥、減圧濃縮し、得られた残渣に再びTHF17mlを加え、水素化ジイソブチルアルミニウム4.0ml(4.0mmol)を加え、室温で1.5時間反応を行った。次いで反応混合物に6M塩酸水溶液10mlを加え、65℃で3時間反応を行った。反応混合物を室温まで冷やし、ジエチルエーテルで抽出した。エーテル溶液を飽和食塩水で洗浄して無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧乾燥した。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:ヘキサン)で精製し、2−ブロモ−3−ヨード−6,7−ジドデシルアントラセンの黄色固体629mg(0.87mmol)を得た(収率59%)。
1H NMR(CDCl3,22℃):δ=8.55(s,1H),8.27(s,1H),8.16(s,1H),8.15(s,1H),7.72(s,2H),2.78(m,4H),1.71(m,4H),1.27(m,36H),0.88(m,6H)。
MS m/z: 720(M+,100%),410(M+−C22H46,16%),283(M+−C22H46−I,4%),203(M+−C22H46−I−Br,5%)。
窒素雰囲気下、100mlシュレンク反応容器に合成例5で合成した2−ブロモ−3−ヨード−6,7−ジドデシルアントラセン625mg(0.868mmol)及びTHF11mlを添加した。この溶液を−55℃に冷却し、イソプロピルマグネシウムブロマイド(関東化学製、0.65M)のTHF溶液2.8ml(1.82mmol)を滴下し、攪拌した。5分間熟成後、−78℃に冷却し、トリメトキシボラン(和光純薬工業製)180.8mg(1.740mmol)を滴下した。徐々に室温まで昇温した後、3M塩酸水溶液を添加し、30分間撹拌した。トルエンを加え、分相し、有機相を減圧濃縮した[6,7−ジドデシル−3−ブロモ−2−アントラセニルボロン酸(一般式(4a)及び(5a)の2−ハロアリール金属試薬)の合成]。ここへ合成例1で合成した1,4−ジブロモ−2,5−ジヨードベンゼン(一般式(3a)のテトラハロベンゼン)195mg(0.400mmol)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(東京化成工業製)27.7mg(0.0240mmol)、トルエン6ml、及びエタノール1.6mlを添加した。さらに炭酸ナトリウム254mg(2.40mmol)を含む水溶液2mlを加え、60℃で60時間反応を実施した。容器を水冷し3M塩酸水溶液3mlを添加することで反応を停止させた。トルエンを添加後、分相し、有機相を食塩水で洗浄した。有機相を減圧濃縮し溶媒を留去し、さらに真空乾燥した。得られた残渣にトルエンを添加し、70%tert−ブチルハイドロパーオキサイド溶液(和光純薬工業製)(0.06ml)を添加し、室温で2時間撹拌した。この溶液を水洗浄し、有機相を減圧濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し(溶媒;ヘキサン及びヘキサン:クロロホルム=10:1)、テトラブロモ(テトラドデシル)ジナフトターフェニルの薄黄色固体352mgを得た(収率62%)。
1H NMR(CDCl3,22℃):δ=8.34(s,2H),8.32(s,2H),8.28(s,2H),7.97(s,1H),7.92(s,1H),7.79(s,2H),7.78(s,2H),7.73(s,1H),7.72(s,1H),2.81(m,8H),1.71(m,8H),1.28(m,72H),0.88(m,12H)。
FABMS m/z: 1419(M+,100%),1340(M+−Br,10)。
窒素雰囲気下、100mlシュレンク反応容器に、合成例6で合成したテトラブロモ(テトラドデシル)ジナフトターフェニル210mg(0.148mmol)及びエーテル8mlを添加した。この混合物を0℃に冷却し、メタル化剤としてn−ブチルリチウム(関東化学製1.59M)のヘキサン溶液0.20ml(0.32mmol)を滴下し、ジメタル化を行った。90分間撹拌後、−78℃とし反応剤として硫黄(和光純薬工業製)11.9mg(0.37mmol)を添加し、一晩かけて室温まで反応温度を上げた。得られた反応物を減圧濃縮した。この残渣にジメチルスルホキシド3mlを添加し、150℃で15時間反応を行った(環化)。3M塩酸水溶液を添加した後、トルエンを添加し、有機相を水及び飽和食塩水で洗浄した。無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮し、得られた残渣をヘキサン洗浄及び真空乾燥し、トルエンから再結晶し、テトラドデシルジアントラジチエノベンゼンの固体26mgを得た。
窒素雰囲気下、100mlシュレンク反応容器に合成例4で合成した2−ブロモ−3−ヨード−6,7−ジドデシルアントラキノン541mg(0.722mmol)及びTHF20mlを添加した。−78℃に冷却後、フェニルリチウム(関東化学製、1.0mol/l、シクロヘキサン/エーテル溶液)1.5ml(1.5mmol)を加えた後、一晩かけて室温まで昇温した。次いで反応混合物に3M塩酸水溶液及びエーテルを加えた後、分相し、さらにエーテルで抽出した。エーテル溶液を飽和食塩水で洗浄して無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧濃縮した。得られた残渣に酢酸30ml、ヨウ化ナトリウム749mg(5.0mmol)、及び次亜りん酸ナトリウム・1水和物727mg(6.86mmol)を加え、1時間加熱還流下で反応を行った。反応混合物を室温まで冷やし、トルエンで抽出した。トルエン溶液を飽和食塩水で洗浄して無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧濃縮した。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:ヘキサン:トルエン=30:1)で精製し、2−ブロモ−3−ヨード−6,7−ジドデシル−9,10−ジフェニルアントラセンの黄色固体453mgを得た(収率72%)。
窒素雰囲気下、100mlシュレンク反応容器に合成例7で合成した2−ブロモ−3−ヨード−6,7−ジドデシル−9,10−ジフェニルアントラセン448mg(0.513mmol)及びTHF8mlを添加した。この混合物を−60℃に冷却し、イソプロピルマグネシウムブロマイド(東京化成工業製、0.81M)のTHF溶液1.27ml(1.03mmol)を滴下した。10分間熟成後、−78℃に冷却し、トリメトキシボラン(和光純薬工業製)107.0mg(1.03mmol)を滴下した。徐々に室温まで昇温した後、3M塩酸水溶液を加えて30分間攪拌後、トルエンを添加し分相した。有機相を減圧濃縮した[6,7−ジドデシル−9,10−ジフェニル−3−ブロモ−2−アントラセニルボロン酸(一般式(4a)及び(5a)の2−ハロアリール金属試薬)]。得られた固形物に、合成例1で合成した1,4−ジブロモ−2,5−ジヨードベンゼン(一般式(3a)のテトラハロベンゼン)117mg(0.240mmol)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(東京化成工業製)16.6mg(0.014mmol)、トルエン4ml、及びエタノール1.0mlを添加した。さらに炭酸ナトリウム154mg(1.46mmol)を含む水溶液1.2mlを加え、60℃で60時間反応を実施した。容器を水冷し3M塩酸水溶液3mlを添加することで反応を停止させた。室温まで冷却後、トルエンを添加分相し、有機相を食塩水で洗浄した。有機相を減圧濃縮し溶媒を留去し、さらに真空乾燥した。得られた残渣をトルエン5mlに溶解後、70%tert−ブチルハイドロパーオキサイド溶液(和光純薬工業製)0.05mlを添加し、室温で2時間撹拌した。このトルエン溶液を水で2回洗浄後、有機相を減圧濃縮し、得られた残渣をシリカゲルを充填したカラムで精製した(溶媒:ヘキサン及びヘキサン:トルエン=10:1)。得られた溶液を減圧濃縮し、得られた残渣をヘプタンから再結晶化し、目的物の薄黄色固体211mgを得た(収率51%)。
FABMS m/z: 1723(M+)。
窒素雰囲気下、100mlシュレンク反応容器に、硫黄(和光純薬工業製)9.0mg(0.28mmol)及びエーテル8mlを添加した。窒素雰囲気下、別の50mlシュレンク反応容器に、合成例8で合成したテトラブロモ(テトラドデシル)(テトラフェニル)ジナフトターフェニル207mg(0.120mmol)及びエーテル6mlを添加した。この混合物を0℃に冷却し、メタル化剤としてn−ブチルリチウム(関東化学製1.59M)のヘキサン溶液0.16ml(0.25mmol)を滴下し、ジメタル化を行った。90分間撹拌後、テフロン(登録商標)キャヌラーを用いてこの混合物を−78℃にて前記の硫黄を含むシュレンクへ移液した。一晩かけて室温まで反応温度を上げた後、得られた反応混合物を減圧濃縮した。この残渣にジメチルスルホキシド3mlを添加し、150℃で15時間反応を行った(環化)。3M塩酸水溶液を添加した後、トルエンを添加し、有機相を水及び飽和食塩水で洗浄した。無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮し、得られた残渣をヘキサン洗浄及び真空乾燥し、トルエンから再結晶し、テトラドデシルテトラフェニルジアントラジチエノベンゼンの固体28mgを得た。
2,3,5,6−テトラブロモチエノチオフェンはジャーナル オブ ケミカル ソサイエティー、パーキン トランザクション 1: 1997年、3465−3470頁に記載されている方法を参考に以下の様に合成を行った。
メカニカルスターラー付き1lの三口フラスコに、3−ブロモチオフェン−2−カルボキシアルデヒド(アルファアエサール製)26.8g(140mmol)、チオグリコール酸エチル(和光純薬工業製)16.9g(141mmol)、炭酸カリウム26g、及びジメチルホルムアルデヒド250mlを加え、室温で72時間撹拌した。反応終了後、水500mlを添加し、ジクロロメタンで抽出し、エチル チエノ[3,2−b]チオフェン−2−カルボキシレートの粗生成物23.8gを得た。
1l三口フラスコに、1)で得られたエチル チエノ[3,2−b]チオフェン−2−カルボキシレート23.8g、THF300ml、及び水酸化リチウム水溶液(1.0M)300mlを加え、3時間加熱還流した。反応終了後、溶媒を減圧下濃縮し、塩酸150mlを添加すると結晶が析出した。得られた結晶を濾別し、水で3回洗浄し、乾燥後、チエノ[3,2−b]チオフェン−2−カルボン酸16.0gを得た。
窒素雰囲気下、1l三口フラスコに2)で得られたチエノ[3,2−b]チオフェン−2−カルボン酸16.0g及び酢酸水溶液500mlを加え、臭素15.2gを滴下した。5時間撹拌した後、水を加え、析出した固体を濾別し、固体を水洗し、2,3,5−トリブロモチエノ[3,2−b]チオフェン27.4gを得た。
窒素雰囲気下、1l三口フラスコにジイソプロピルアミン2.85g(28.0mmol)及びTHF150mlを加え、0℃とした。n−ブチルリチウム(関東化学製、1.60M)ヘキサン溶液17.5ml(28.0mmol)を滴下した。得られた溶液を−66℃に冷却後、3)で得られた2,3,5−トリブロモ−チエノ[3,2−b]チオフェン10.3g(27.3mmol)を添加した。さらに臭素21gを滴下し、ゆっくりと室温まで上昇させた。飽和塩化アンモニウム水溶液を加えた後、水洗し、結晶物を濾別した。真空乾燥後、2,3,5,6−テトラブロモチエノチオフェンの固体2.1gを得た。
窒素雰囲気下、100mlシュレンク反応容器に合成例5で合成した2−ブロモ−3−ヨード−6,7−ジドデシルアントラセン625mg(0.868mmol)及びTHF11mlを添加した。この溶液を−55℃に冷却し、イソプロピルマグネシウムブロマイド(関東化学製、0.65M)のTHF溶液2.8ml(1.82mmol)を滴下し、攪拌した。5分間熟成後、−78℃に冷却し、トリメトキシボラン(和光純薬工業製)180.8mg(1.740mmol)を滴下した。徐々に室温まで昇温した後、3M塩酸水溶液を添加し、30分間撹拌した。トルエンを加え、分相し、有機相を減圧濃縮した[6,7−ジドデシル−3−ブロモ−2−アントラセニルボロン酸(一般式(4b)及び(5b)の2−ハロアリール金属試薬)]。ここへ合成例9で合成した2,3,5,6−テトラブロモチエノチオフェン(一般式(3b)のテトラハロチエノチオフェン)182mg(0.400mmol)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(東京化成工業製)27.7mg(0.0240mmol)、トルエン6ml、及びエタノール1.6mlを添加した。さらに炭酸ナトリウム254mg(2.40mmol)を含む水溶液2mlを加え、60℃で56時間反応を実施した。容器を水冷し3M塩酸水溶液3mlを添加することで反応を停止させた。トルエンを添加後、分相し、有機相を食塩水で洗浄した。有機相を減圧濃縮し溶媒を留去し、さらに真空乾燥した。得られた残渣にトルエンを添加し、70%tert−ブチルハイドロパーオキサイド溶液(和光純薬工業製)(0.06ml)を添加し、室温で2時間撹拌した。この溶液を水洗浄し、有機相を減圧濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し(溶媒;ヘキサン及びヘキサン:クロロホルム=10:1)、テトラブロモ(テトラドデシルジアントラセニル)チエノチオフェンの薄黄色固体427mgを得た(収率72%)。
FABMS m/z: 1481(M+,100%),1401(M+−Br,10%)。
窒素雰囲気下、100mlシュレンク反応容器に、合成例10で合成したテトラブロモ(テトラドデシルジアントラセニル)チエノチオフェン204mg(0.137mmol)及びエーテル6mlを添加した。この混合物を0℃に冷却し、メタル化剤としてn−ブチルリチウム(関東化学製1.59M)のヘキサン溶液0.19ml(0.30mmol)を滴下し、ジメタル化を行った。90分間撹拌後、−78℃とし硫黄(和光純薬工業製)11.2mg(0.35mmol)を一気に投入した。一晩かけて室温まで反応温度を上げた後、メタノールを添加して反応を停止させた。飽和食塩水を加えて分相し、有機相を減圧濃縮した。この残渣にジメチルスルホキシド3ml及び水酸化セシウム・1水和物(和光純薬工業製)69.0mg(0.411mmol)を添加し、150℃で1時間反応を行った(環化)。3M塩酸水溶液を添加した後、トルエンを添加し、有機相を水及び飽和食塩水で洗浄した。無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮し、得られた残渣をヘキサン洗浄及び真空乾燥し、トルエンから再結晶し、テトラドデシルジアントラテトラチエノアセンの固体20mgを得た。
窒素雰囲気下、100mlシュレンク反応容器に、合成例6で合成したテトラブロモ(テトラドデシル)ジナフトターフェニル215mg(0.151mmol)及びエーテル8mlを添加した。この混合物を0℃に冷却し、メタル化剤としてn−ブチルリチウム(関東化学製1.59M)のヘキサン溶液0.20ml(0.32mmol)を滴下し、ジメタル化を行った。90分間撹拌後、−78℃とし反応剤として硫黄(和光純薬工業製)10.4mg(0.326mmol)を添加し、一晩かけて室温まで反応温度を上げた。メタノールを添加して反応を停止させた。飽和食塩水を加えて分相し、有機相を減圧濃縮し、この残渣にジメチルスルホキシド3ml及び水酸化セシウム・1水和物(和光純薬工業製)74.6mg(0.444mmol)を添加し、150℃で8時間反応を行った(環化)。3M塩酸水溶液を添加した後、トルエンを添加し、有機相を水及び飽和食塩水で洗浄した。無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮し、得られた残渣をヘキサン洗浄及び真空乾燥し、トルエンから再結晶し、テトラドデシルジアントラジチエノベンゼンの固体29mgを得た。
1)2,3−ジブロモ−6−ドデカノイルベンゾチオフェンの合成
窒素雰囲気下、300ml二口ナスにドデカノイルクロライド(和光純薬工業製)10.9ml(10.1g、46.0mmol)及びジクロロメタン(脱水品)150mlを加えた。−25℃に冷却した後、塩化アルミニウム(和光純薬工業製)6.13g(46.0mmol)を添加した。−25℃で1時間撹拌後、2,3−ジブロモベンゾチオフェン(シグマ−アルドリッチ製)10.33g(35.37mmol)を添加した。−25℃で20時間反応させた後、水を加えて反応を停止させた。分相し、有機相に飽和炭酸ナトリウム水溶液を添加し、一昼夜撹拌した(過剰のドデカン酸除去のため)。分相、水洗し、有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥した。濾過減圧濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製した。溶離液をヘキサンとすることで、未反応の2,3−ジブロモベンゾチオフェン及び副生物であるトリブロモベンゾチオフェンが溶出し、溶離液をヘキサン:トルエン=10:1とすると異性体である2,3−ジブロモ−4−ドデカノイルベンゾチオフェンが溶出し、溶離液をヘキサン:トルエン=2:1とすると目的物を含む成分が溶出した。この最後の成分をヘプタン50mlで再結晶精製し、目的物である2,3−ジブロモ−6−ドデカノイルベンゾチオフェンの白色固体4.39g(9.25mmol)得た(収率26%)。
1H NMR(CDCl3,23℃):δ=8.35(s,1H),8.01(dd,J=8.5Hz,1.4Hz,1H),7.80(d,J=8.4Hz,1H),3.03(t,J=7.6Hz,2H),1.77(m,2H),1.26(m,16H),0.88(t、J=8.1Hz,3H)。
MS m/z: 474(M+,11%),394(M+−Br,2%),334(M+−C10H21+1,100%),319(M+−C11H23,58%)。
窒素雰囲気下、100mlシュレンク反応容器に実施例5の1)で合成した2,3−ジブロモ−6−ドデカノイルベンゾチオフェン3.85g(8.12mmol)及びトリフルオロ酢酸(和光純薬工業製)6.3mlを添加した。氷冷後、トリエチルシラン(信越化学製)2.9mlを滴下した。その後、40℃で6時間反応後、減圧濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製した後(溶離液;ヘキサン)、目的物を含むフラクションを130パスカル、90℃で真空加熱し、低沸分を除去した。残渣に2,3−ジブロモ−6−ドデシルベンゾチオフェンの白色固体を3.35g(7.28mmol)得た(収率90%)。
1H NMR(CDCl3,23℃):δ=7.63(d,J=8.1Hz,1H),7.50(d,J=1.1Hz,1H),7.24(dd,J=8.1Hz,1.4Hz,1H),2.71(t,J=8.1Hz,2H),1.65(m,2H),1.25(m,18H),0.88(t、J=8.1Hz,3H)。
MS m/z: 460(M+,65%),380(M+−Br,4%),305(M+−C11H23,100%)。
100mlシュレンク反応容器に実施例5の2)で合成した2,3−ジブロモ−6−ドデシルベンゾチオフェン929mg(2.01mmol)及びTHF24mlを添加した。−74℃に冷却し、イソプロピルマグネシウムブロマイド(東京化成工業製、0.78M)のTHF溶液5.2ml(4.1mmol)を滴下した。−74℃で15分間、グリニャール化の熟成後、−85℃とし、塩化亜鉛(シグマ−アルドリッチ製、1.0M)のエーテル溶液4.1ml(4.1mmol)を添加した。1時間熟成後、冷バスを外し、室温で30分間反応後、減圧濃縮し、6mlの低沸分を除去した。得られた白色懸濁液[(3−ブロモ−6−ドデシルベンゾチエニル−2−ジンククロライド)(一般式(4a)及び(5a)の2−ハロアリール金属試薬)]に、1,4−ジブロモ−2,5−ジフルオロベンゼン(和光純薬工業製)227mg(0.834mmol)(一般式(3a)のテトラハロベンゼン)、触媒としてテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(東京化成工業製)39.2mg(0.0339mmol)を加え、60℃で、3時間反応させた。反応後、容器を水冷し3N塩酸4mlを添加することで反応を停止させた。トルエンを添加し、分相後、有機相を2回飽和食塩水で洗浄した。有機相に70%tert−ブチルハイドロパーオキサイド溶液(和光純薬工業製)0.2ml添加し、1時間撹拌した。水洗2回し、有機相を減圧濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製した(溶離液;ヘキサン)。さらにヘプタンから再結晶精製し、目的物の淡黄固体308mgを得た(収率42%)。
1H NMR(CDCl3,23℃):δ=7.81(d,J=8.3Hz,2H),7.65(s,2H),7.46(t,J=7.7Hz,2H),7.34(dd,J=7.8Hz,1.4Hz,2H),2.78(t,J=8.1Hz,4H),1.70(m,4H),1.27(m,36H),0.89(t,J=8.1Hz,6H)。
MS m/z: 872(M+,100%),792(M+−Br,11%),717(M+−C11H23,40%)。
窒素雰囲気下、100mlシュレンク反応容器に、実施例5で合成した1,4−ビス(6−ドデシル−3−ブロモベンゾチエニル−2−)−2,5−ジフルオロベンゼンの粉体286mg(0.327mmol)及びエーテル9mlを添加し0℃に冷却した。メタル化剤としてn−ブチルリチウム(関東化学製1.6M)のヘキサン溶液0.51ml(0.82mmol)を添加した。0℃で45分間ジメタル化の熟成を行った後、−74℃に冷却し、硫黄(和光純薬工業製)26.8mg(0.835mmol)を投入した。一晩かけて室温まで温度を上げた後、反応物を減圧濃縮した。残渣にN−メチルピロリドン3mlを添加し、混合物を170℃で3時間加熱した(環化)。氷冷した後、水及びトルエンを添加し、得られた懸濁液を濾別し、固体を取り出した。固体をトルエン及び水で洗浄し、乾燥した。得られた粗固体をトルエンから2回再結晶精製することで目的物の鮮黄固体88mgを得た(収率36%)。
1H NMR(重トルエン,105℃):δ=8.00(s,2H),7.60(d,J=8.3Hz,2H),7.54(d,J=1.5Hz,2H),7.10(dd,J=8.3Hz,1.5Hz,2H),2.64(t,J=8.1Hz,4H),1.66(m,4H),1.34(m,36H),0.88(t,J=8.1Hz,6H)。
MS m/z: 738(M+−1,100%),583(M+−C11H23−1,33%)。
1)2,3−ジブロモ−6−オクタデカノイルベンゾチオフェンの合成
ドデカノイルクロライドの代わりに、オクタデカノイルクロライド(和光純薬工業製)を用い、さらに反応を−25℃で3日間実施した以外は実施例5の1)と同じ操作を繰り返して2,3−ジブロモ−6−オクタデカノイルベンゾチオフェンを収率20%で合成した。
実施例7の1)で合成した2,3−ジブロモ−6−オクタデカノイルベンゾチオフェンを用い、40℃で6時間反応させる代わりに、60℃で4時間反応させた以外は実施例5の2)と同じ操作を繰り返して2,3−ジブロモ−6−オクタデシルベンゾチオフェンを収率99%で合成した。
実施例7の2)で合成した2,3−ジブロモ−6−オクタデシルベンゾチオフェンを用い、グリニャール化の熟成を『−74℃、15分間』から、『−74℃から−28℃まで4時間かけて行った』以外は実施例5の3)と同じ操作を繰り返して1,4−ビス(6−オクタデシル−3−ブロモベンゾチエニル−2−)−2,5−ジフルオロベンゼンを収率33%で合成した。
1H NMR(CDCl3,23℃):δ=7.81(d,J=8.3Hz,2H),7.65(s,2H),7.46(t,J=7.8Hz,2H),7.33(dd,J=7.8Hz,1.4Hz,2H),2.77(t,J=8.1Hz,4H),1.70(m,4H),1.26(m,60H),0.88(t,J=8.1Hz,6H)。
MS m/z: 1040(M+−1,100%),880(M+−1−2Br,46%),801(M+−1−C17H35,16%)。
1,4−ビス(6−ドデシル−3−ブロモベンゾチエニル−2−)−2,5−ジフルオロベンゼンの代わりに、実施例7で合成した1,4−ビス(6−オクタデシル−3−ブロモベンゾチエニル−2−)−2,5−ジフルオロベンゼンを用いた以外は実施例6と同じ操作を繰り返して(ジオクタデシル)ジベンゾテトラチエノアセンを収率30%で合成した。
1H NMR(重トルエン,105℃):δ=8.00(s,2H),7.61(d,J=8.3Hz,2H),7.53(d,J=1.5Hz,2H),7.10(dd,J=8.3Hz,1.5Hz,2H),2.64(t,J=8.1Hz,4H),1.66(m,4H),1.34(m,60H),0.88(t,J=8.1Hz,6H)。
MS m/z: 907(M+,100%),667(M+−C17H35−1,29%)。
窒素雰囲気下、100mlシュレンク反応容器に合成例3で合成した1,2−ジドデシルベンゼン2.95g(7.11mmol)、過ヨウ素酸・2水和物402mg(1.76mmol)、ヨウ素960mg(3.78mmol)、酢酸15ml、水0.8ml、及び硫酸0.11mlを添加した。65℃で17時間撹拌後、室温まで冷却後、亜硫酸水素ナトリウム水溶液を添加し、反応を停止させた。ジクロロメタンで抽出し、有機相を水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。有機相を減圧濃縮し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し(溶媒;ヘキサン)、3.73gの液体を得た。この液体にジクロロメタン20mlを添加し、0℃に冷却した。鉄粉(シグマ−アルドリッチ製)67mg及びヨウ素10mg(0.04mmol)を添加後、臭素0.39ml(7.61mmol)を滴下した。0℃で6時間撹拌後、亜硫酸水素ナトリウム水溶液を添加し、反応を停止させた。有機相を水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧濃縮し、得られた残渣をシリカゲルを用いて濾過し、濾液を濃縮後、−30℃下で2回ヘプタン再結晶精製を行い、1,2―ジドデシル−4−ブロモ−5−ヨードベンゼンを得た(3.14g、収率71%)。
1H NMR(CDCl3,22℃):δ=7.59(s,1H),7.36(s,1H),2.58−2.40(m,4H),1.57−1.45(m,4H),1.42−1.23(m,36H),0.90(t,J=6.6Hz,6H)。
窒素雰囲気下、100mlシュレンク反応容器に合成例11で合成した1,2―ジドデシル−4−ブロモ−5−ヨードベンゼン2.78g(4.49mmol)、トルエン20ml、及びトリエチルアミン15mlを添加した。さらにジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(和光純薬工業製)33.3mg(0.047mmol)、ヨウ化銅(I)(和光純薬工業製)6.8mg(0.036mmol)、及びトリメチルシリルアセチレン(和光純薬工業製)0.67ml(0.46g、4.7mmol)を添加した。この混合物を50℃で7時間反応を実施した。得られた反応物にトルエン及び飽和食塩水を添加し、分相後、有機相を減圧濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し(溶媒;ヘキサン)、1,2―ジドデシル−5−(トリメチルシリル)エチニル−4−ブロモベンゼンの黄色油状物2.29gを得た(収率86%)。
1H NMR(CDCl3,22℃):δ=7.31(s,1H),7.26(s,1H),2.57−2.44(m,4H),1.58−1.44(m,4H),1.26(m,36H),0.88(t,J=6.9Hz,6H)、0.28(s,9H)。
MS m/z:590(M+,39%),575(M+−CH3,100%)。
窒素雰囲気下、100mlシュレンク反応容器にTHF30mlを加え、−75℃に冷却し、tert−ブチルリチウム(関東化学製、1.46mol/l、ペンタン溶液)4.9ml(7.2mmol)を添加した。合成例12で合成した1,2―ジドデシル−5−(トリメチルシリル)エチニル−4−ブロモベンゼン1.66g(2.81mmol)及びTHF12mlからなる溶液をキャヌラーを用いて−75℃下で投入した。−75℃で40分間撹拌した後、−75℃でジメチルジスルフィド(シグマ−アルドリッチ製)669mg(7.10mmol)を添加した。−75℃で1時間撹拌後、3M塩酸水溶液を添加し、反応を停止させた。トルエン及び水を加え分相し、トルエンで抽出した。有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し(溶媒;ヘキサン及びヘキサン:ジクロロメタン=10:1)、1,2―ジドデシル−5−(トリメチルシリル)エチニル−4−メチルチオベンゼンの薄黄色固油状物1.45gを得た(収率92%)。
1H NMR(CDCl3,22℃):δ=7.21(s,1H),6.92(s,1H),2.62−2.44(m,4H),2.47(s,3H),1.58−1.44(m,4H),1.26(m,36H),0.88(t,J=6.9Hz,6H)、0.27(s,9H)。
窒素雰囲気下、100mlシュレンク反応容器に合成例13で合成した1,2―ジドデシル−5−(トリメチルシリル)エチニル−4−メチルチオベンゼン1.43g(2.56mmol)及びジクロロメタン27mlを添加した。得られた混合物にヨウ素703mg(2.77mmol)を添加し、室温で2時間攪拌した。反応混合物を室温に冷却し、亜硫酸水素ナトリウム水溶液を添加後、分相し、有機相を水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧濃縮後、5,6−ジ(ドデシル)−2−トリメチルシリル−3−ヨードベンゾチオフェンの黄色油状物1.64gを得た(収率97%)。
1H NMR(CDCl3,23℃):δ=7.68(d,J=8.1Hz,1H),7.63(d,J=1.1Hz,1H),7.23(dd,J=8.1Hz,1.4Hz,1H),2.72(t,J=8.1Hz,2H),1.67(m,2H),1.25(m,30H),0.88(t、J=8.1Hz,3H),0.49(s,9H)。
窒素雰囲気下、100mlシュレンク反応容器に合成例14で合成した5,6−ジ(ドデシル)−2−トリメチルシリル−3−ヨードベンゾチオフェン1.64g(2.45mmol)及びジクロロメタン50mlを添加した。得られた混合物を氷冷し、1塩化ヨウ素(シグマ−アルドリッチ製、1.0mol/l、ジクロロメタン溶液)2.7ml(2.7mmol)を添加し、室温で1時間攪拌した。得られた反応混合物に亜硫酸水素ナトリウム水溶液を添加後、分相し、有機相を水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧濃縮し、残渣をヘプタンから再結晶精製し、5,6−ジ(ドデシル)−2,3−ジヨードベンゾチオフェンの白色固体1.66gを得た(収率94%)。
1H NMR(CDCl3,23℃):δ=7.48(s,1H),7.40(s,1H),2.76−2.63(m,4H),1.68−1.45(m,4H),1.26(m,30H),0.88(t,J=8.1Hz,6H)。
MS m/z:722(M+,100%),596(M+−I,5%),413(M+−2C11H23+1,87%)。
合成例15で合成した5,6−ジ(ドデシル)−2,3−ジヨードベンゾチオフェンを用い、グリニャール化の熟成を『−74℃、15分間』から、『−74℃から−35℃まで4時間かけて行った』以外は実施例5の3)と同じ操作を繰り返して1,4−ビス(5,6−ジドデシル−3−ヨードベンゾチエニル−2−)−2,5−ジフルオロベンゼンを含む成分を収率41%で得た。
1H NMR(CDCl3,23℃):δ=7.79(s,2H),7.66(s,2H),7.47(t,J=7.8Hz,2H)2.70−2.61(m,8H),1.72−1.49(m,8H),1.26(m,72H),0.88(t,J=8.1Hz,12H)。
1,4−ビス(6−ドデシル−3−ブロモベンゾチエニル−2−)−2,5−ジフルオロベンゼンの代わりに、実施例9で合成した1,4−ビス(5,6−ジドデシル−3−ヨードベンゾチエニル−2−)−2,5−ジフルオロベンゼンを用い、n−ブチルリチウムとエーテルの混合物に0℃で1,4−ビス(5,6−ジドデシル−3−ヨードベンゾチエニル−2−)−2,5−ジフルオロベンゼンのエーテル溶液を投入した以外は実施例6と同じ操作を繰り返して黄色の固体を得た(収率21%)。
Claims (6)
- 下記一般式(1a)で示されるヘテロアセン誘導体の製造方法であり、下記一般式(2a)で示されるテトラハロターフェニル誘導体をメタル化剤を用いてジメタル化し(下記一般式(2a)においてX 1 及びX 2 又はX 3 及びX 4 がジメタル化される場合を除く。)、硫黄、セレン、あるいはテルルと反応させた後、環化するヘテロアセン誘導体の製造方法であって、該メタル化剤の使用量が該テトラハロターフェニル誘導体1当量に対し、1.8〜4.2当量であることを特徴とするヘテロアセン誘導体の製造方法。
- 一般式(2a)で示されるテトラハロターフェニル誘導体が、下記一般式(2c)で示されるテトラハロターフェニル誘導体であることを特徴とする請求項1に記載のヘテロアセン誘導体の製造方法。
- 下記一般式(1b)で示されるヘテロアセン誘導体の製造方法であり、下記一般式(2b)で示されるテトラハロターフェニル誘導体をメタル化剤を用いてジメタル化し、硫黄、セレン、あるいはテルルと反応させた後、環化することを特徴とするヘテロアセン誘導体の製造方法。
- メタル化剤としてアルキルリチウムを用いることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のヘテロアセン誘導体の製造方法。
- 硫黄と反応させた後、環化することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のヘテロアセン誘導体の製造方法。
- 一般式(2c)で示されることを特徴とするテトラハロターフェニル誘導体。
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