JP5549829B2 - ヘテロアセン誘導体及びその用途 - Google Patents
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Description
本発明のヘテロアセン誘導体は下記一般式(1)で示される。
本発明の一般式(1)で示されるヘテロアセン誘導体の置換基について述べる。
次に、本発明の一般式(1)で示されるヘテロアセン誘導体の前駆化合物であるテトラハロターフェニル誘導体について述べる。
置換基X1〜X4は臭素原子、ヨウ素原子、塩素原子を示し、好ましくは臭素原子、ヨウ素原子であり、特に好ましくはいずれも臭素原子である。
本発明の一般式(1)で示されるヘテロアセン誘導体の製造方法について述べる。
(R3)lT1(L1)p (3)
(R4)mT2(L2)q (4)
(ここで、置換基T1、T2、R3、R4及び記号lとmは一般式(1)で示される置換基及び記号と同意義を示し、置換基L1 、L2は塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、炭素数1〜20のオキシ基、アセトキシ基、フェニルスルホニル基を示し、p及びqは0又は2の整数を示す。)
なお、ここでテトラメタル化とは、一般式(2)におけるX1〜X4をそれぞれメタルに置換することを意味する。
次に、本発明の一般式(1)で示されるヘテロアセン誘導体の前駆体として用いられる一般式(2)で示されるテトラハロターフェニル誘導体の製造方法について述べる。
本発明の一般式(5)、(6)及び(7)について、さらに述べる。
次に、本発明の一般式(1)で示されるヘテロアセン誘導体を含む耐酸化性有機半導体材料について述べる。該耐酸化性有機半導体材料は溶剤への溶解性、耐酸化性に優れ、好適な塗布性を有する。該耐酸化性有機半導体材料は本発明の一般式(1)で示されるヘテロアセン誘導体を溶剤に溶解することにより製造することができる。
次に本発明の一般式(1)で示されるヘテロアセン誘導体を含む耐酸化性有機半導体材料を用いた有機薄膜について述べる。係る有機薄膜は上記の耐酸化性有機半導体材料(溶液)の再結晶化若しくは基板への塗布により製造することができ、特に基板への塗布により製造することが好ましい。そして、基板への塗布により製造することにより、基板上に形成される有機薄膜となるものである。
装置 島津GC14B
カラム J&Wサイエンティフィック社製、DB−1,30m
ガスクロマトグラフィー−マススペクトル分析
装置 パーキンエルマーオートシステムXL(MS部;ターボマスゴールド)
カラム J&Wサイエンティフィック社製、DB−1,30m
反応用の試薬及び溶媒は、断りのない限り市販品を用いた。なお、グリニャール試薬あるいはブチルリチウム等の有機金属試薬を用いた場合は、市販の脱水溶媒をそのまま用いた。
1,4−ジブロモ−2,5−ジヨードベンゼンはジャーナル オブ アメリカン ケミカル ソサイエティー、1997年、119巻、4578−4593頁に記載されている方法を参考に合成を行った。
1H−NMR(CDCl3,21℃):δ=8.02(s,2H)。
1)2,3−ジブロモ−6−ドデカノイルベンゾチオフェンの合成
窒素雰囲気下、300ml二口ナスに2,3−ジブロモベンゾチオフェン(シグマ−アルドリッチ製)10.33g(35.37mmol)及びジクロロメタン(脱水品)150mlを加えた。−25℃に冷却した後、ドデカノイルクロライド(和光純薬工業製)9.00ml(8.28g、37.8mmol)、次いで塩化アルミニウム(和光純薬工業製)5.05g(37.8mmol)を添加した。−25℃で2日間反応させた後、水を加えて反応を停止させた。分相し、有機相に飽和炭酸ナトリウム水溶液を添加し、一昼夜撹拌した(過剰のドデカン酸除去のため)。分相、水洗し、有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥した。濾過減圧濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製した。溶離液をヘキサンとすることで、未反応の2,3−ジブロモベンゾチオフェン及びトリブロモベンゾチオフェンが溶出し、溶離液をヘキサン:トルエン=10:1とすると異性体である2,3−ジブロモ−4−ドデカノイルベンゾチオフェンが溶出し、溶離液をヘキサン:トルエン=2:1とすると目的物を含む成分が溶出した。この最後の成分をヘプタン30mlで再結晶精製し、目的物である2,3−ジブロモ−6−ドデカノイルベンゾチオフェンの白色固体4.39g(9.25mmol)得た(収率26%)。
1H NMR(CDCl3,23℃):δ=8.35(s,1H),8.01(dd,J=8.5Hz,1.4Hz,1H),7.80(d,J=8.4Hz,1H),3.03(t,J=7.6Hz,2H),1.77(m,2H),1.26(m,16H),0.88(t、J=8.1Hz,3H)。
MS m/z: 474(M+,11%),394(M+−Br,2%),334(M+−C10H21+1,100%),319(M+−C11H23,58%)。
窒素雰囲気下、100mlシュレンク反応容器に合成例2の1)で合成した2,3−ジブロモ−6−ドデカノイルベンゾチオフェン3.85g(8.12mmol)及びトリフルオロ酢酸(和光純薬工業製)6.3mlを添加した。氷冷後、トリエチルシラン(信越化学製)2.9mlを滴下した。その後、40℃で6時間反応後、減圧濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製した後(溶離液;ヘキサン)、目的物を含むフラクションを130パスカル、90℃で真空加熱し、低沸分を除去した。残渣に2,3−ジブロモ−6−ドデシルベンゾチオフェンの白色固体を3.35g(7.28mmol)得た(収率90%)。
1H NMR(CDCl3,23℃):δ=7.63(d,J=8.1Hz,1H),7.50(d,J=1.1Hz,1H),7.24(dd,J=8.1Hz,1.4Hz,1H),2.71(t,J=8.1Hz,2H),1.65(m,2H),1.25(m,18H),0.88(t、J=8.1Hz,3H)。
MS m/z: 460(M+,65%),380(M+−Br,4%),305(M+−C11H23,100%)。
100mlシュレンク反応容器に合成例2の2)で合成した2,3−ジブロモ−6−ドデシルベンゾチオフェン984mg(2.13mmol)及びTHF24mlを添加した。−74℃に冷却し、イソプロピルマグネシウムブロマイド(東京化成工業製、0.78M)のTHF溶液5.5ml(4.3mmol)を滴下した。−74℃、15分間、グリニャール化の熟成後、−85℃とし、塩化亜鉛(シグマ−アルドリッチ製、1.0M)のジエチルエーテル溶液4.3ml(4.3mmol)を添加した。1時間熟成後、冷バスを外し、室温で30分間反応後、減圧濃縮した。得られた白色固体[(3−ブロモ−6−ドデシルベンゾチエニル−2−ジンククロライド)(一般式(6)及び(7)の化合物)]に、合成例1で合成した1,4−ジブロモ−2,5−ジヨードベンゼン428mg(0.877mmol)(一般式(5)の化合物)、触媒としてテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(東京化成工業製)38.8mg(0.0335mmol))及びTHF8mlを加え、60℃で、6時間反応させた。氷冷後、容器を水冷し3N塩酸4mlを添加することで反応を停止させた。トルエンを添加し、分相後、有機相を2回飽和食塩水で洗浄した。有機相に70%tert−ブチルハイドロパーオキサイド溶液(和光純薬工業製)0.2ml添加し、1時間撹拌した。水洗2回し、有機相を減圧濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製した(溶離液;ヘキサン)。さらにヘプタンから再結晶精製し、目的物の淡黄固体380mgを得た(収率43%)。
1H NMR(CDCl3,23℃):δ=7.79(d,J=8.1Hz,2H),7.78(s,2H),7.66(s,2H),7.34(dd,J=8.1Hz,1.4Hz,2H),2.78(t,J=8.1Hz,4H),1.70(m,4H),1.27(m,36H),0.88(t,J=8.1Hz,6H)。
MS m/z: 994(M+,100%),914(M+−Br,4%),839(M+−C11H23,36%)。
窒素雰囲気下、100mlシュレンク反応容器に、THF21mlを添加し−74℃に冷却した。メタル化剤としてsec−ブチルリチウム(関東化学製1.0M)のシクロヘキサン/ヘキサン溶液3.0ml(3.0mmol)を添加した。さらに合成例2で合成した1,4−ビス(6−ドデシル−3−ブロモベンゾチエニル−2−)−2,5−ジブロモベンゼンの粉体379mg(0.381mmol)を−74℃下で少しずつ添加した。この得られた溶液を−74℃〜−70℃で30分間熟成し、テトラメタル化を行った。次に−83℃とし、反応剤としてビス(フェニルスルホニル)スルフィド(アクロス製)(一般式(3)及び(4)の化合物)477mg(1.51mmol)を一気に投入した。一晩かけて室温まで温度を上げた。飽和食塩水を添加した後、分相し、さらに有機相を飽和食塩水で洗浄した。有機相を減圧濃縮した後、残渣をヘキサンを用いて洗浄した。その残渣のトルエン再結晶精製を3回繰り返し、目的物の鮮黄固体39mgを得た(収率14%)。
1H NMR(重トルエン,105℃):δ=8.00(s,2H),7.60(d,J=8.3Hz,2H),7.54(d,J=1.5Hz,2H),7.10(dd,J=8.3Hz,1.5Hz,2H),2.64(t,J=8.1Hz,4H),1.66(m,4H),1.34(m,36H),0.88(t,J=8.1Hz,6H)。
MS m/z: 738(M+−1,100%),583(M+−C11H23−1,33%)。
1)2,3−ジブロモ−6−デカノイルベンゾチオフェンの合成
ドデカノイルクロライドの代わりに、デカノイルクロライド(和光純薬工業製)を用いた以外は合成例2の1)と同じ操作を繰り返して2,3−ジブロモ−6−デカノイルベンゾチオフェンを収率28%で合成した。
合成例2の2)と同じ操作を繰り返して2,3−ジブロモ−6−デシルベンゾチオフェンを収率96%で合成した。
合成例2の3)と同じ操作を繰り返して1,4−ビス(6−デシル−3−ブロモベンゾチエニル−2−)−2,5−ジブロモベンゼンを収率46%で合成した。
1H NMR(CDCl3,23℃):δ=7.80(d,J=8.1Hz,2H),7.78(s,2H),7.67(s,2H),7.35(dd,J=8.1Hz,1.4Hz,2H),2.78(t,J=8.1Hz,4H),1.70(m,4H),1.27(m,28H),0.88(t,J=8.1Hz,6H)。
MS m/z: 938(M+,100%),858(M+−Br,3%),811(M+−C9H19,33%)。
1H NMR及びMS測定より、1,4−ビス(6−デシル−3−ブロモベンゾチエニル−2−)−2,5−ジブロモベンゼンが得られたことを確認した。なお、その構造式を下記に示す。
1,4−ビス(6−ドデシル−3−ブロモベンゾチエニル−2−)−2,5−ジブロモベンゼンの代わりに、合成例3で合成した1,4−ビス(6−デシル−3−ブロモベンゾチエニル−2−)−2,5−ジブロモベンゼンを用いた以外は実施例1と同じ操作を繰り返して(ジデシル)ジベンゾテトラチエノアセンを収率17%で合成した。
1H NMR(重トルエン,105℃):δ=7.99(s,2H),7.60(d,J=8.3Hz,2H),7.53(d,J=1.5Hz,2H),7.11(dd,J=8.3Hz,1.5Hz,2H),2.64(t,J=8.1Hz,4H),1.66(m,4H),1.34(m,28H),0.88(t,J=8.1Hz,6H)。
MS m/z: 682(M+−1,100%),555(M+−C9H19−1,35%)。
1)2,3−ジブロモ−6−オクタデカノイルベンゾチオフェンの合成
ドデカノイルクロライドの代わりに、オクタデカノイルクロライド(和光純薬工業製)を用い、さらに反応を−25℃で3日間実施した以外は合成例2の1)と同じ操作を繰り返して2,3−ジブロモ−6−オクタデカノイルベンゾチオフェンを収率20%で合成した。
40℃で6時間反応させる代わりに、60℃で4時間反応させた以外は合成例2の2)と同じ操作を繰り返して2,3−ジブロモ−6−オクタデシルベンゾチオフェンを収率99%で合成した。
グリニャール化の熟成を『−74℃、15分間』から、『−74℃から−28℃まで4時間かけて行った』以外は合成例2の3)と同じ操作を繰り返して1,4−ビス(6−オクタデシル−3−ブロモベンゾチエニル−2−)−2,5−ジブロモベンゼンを収率33%で合成した。
1H NMR(CDCl3,23℃):δ=7.80(d,J=8.1Hz,2H),7.79(s,2H),7.67(s,2H),7.34(dd,J=8.1Hz,1.4Hz,2H),2.78(t,J=8.1Hz,4H),1.70(m,4H),1.27(m,60H),0.88(t,J=8.1Hz,6H)。
MS m/z: 1163(M+,100%),1083(M+−Br,4%),924(M+−C17H35,38%)。
1H NMR及びMS測定より、1,4−ビス(6−オクタデシル−3−ブロモベンゾチエニル−2−)−2,5−ジブロモベンゼンが得られたことを確認した。なお、その構造式を下記に示す。
1,4−ビス(6−ドデシル−3−ブロモベンゾチエニル−2−)−2,5−ジブロモベンゼンの代わりに、合成例4で合成した1,4−ビス(6−オクタデシル−3−ブロモベンゾチエニル−2−)−2,5−ジブロモベンゼンを用いた以外は実施例1と同じ操作を繰り返して(ジオクタデシル)ジベンゾテトラチエノアセンを収率12%で合成した。
1H NMR(重トルエン,105℃):δ=8.00(s,2H),7.61(d,J=8.3Hz,2H),7.53(d,J=1.5Hz,2H),7.10(dd,J=8.3Hz,1.5Hz,2H),2.64(t,J=8.1Hz,4H),1.66(m,4H),1.34(m,60H),0.88(t,J=8.1Hz,6H)。
MS m/z: 907(M+,100%),667(M+−C17H35−1,29%)。
1,4−ビス(6−ドデシル−3−ブロモベンゾチエニル−2−)−2,5−ジブロモベンゼンの代わりに、1,4−ビス(3−ブロモベンゾチエニル−2−)−2,5−ジブロモベンゼンを用いた以外は実施例1と同じ操作を繰り返してジベンゾテトラチエノアセンを収率21%で合成した。
MS m/z: 402(M+,100%),370(M+−S,16%),201(M+/2,74%)。
1)1,2−ジペンタデシルベンゼンの合成
1,2−ジペンタデシルベンゼンは、「シンセシス」、1993年、387−390頁の方法を参考に1,2−ジクロロベンゼンとn−ペンタデシルマグネシウムブロマイドから次のように合成した。
4−ブロモ−5−ヨード無水フタル酸は「ジャーナル オブ オルガニック ケミストリィー」(米国)、1951年、16巻、1577−1581頁に記載されている方法を参考に4−ブロモ無水フタル酸を原料に用いて次のように合成を行った。
2−ブロモ−3−ヨード−6,7−ジペンタデシルアントラキノンは「ベリヒテ」(独国)、1933年、66B巻、1876−1891頁に記載されている方法を参考に次のように合成を行った。
合成例5の3)で得た2−ブロモ−3−ヨード−6,7−ジペンタデシルアントラキノン2.96g(3.55mmol)にTHF40mlを加えた後、水素化ジイソブチルアルミニウム(関東化学製、0.99M)トルエン溶液9.0ml(8.9mmol)を添加し、室温で2時間撹拌した。氷冷後、6N塩酸24mlを添加した後、65℃に加熱し、4時間反応を行った。トルエン及び食塩水を添加し、分相した。さらに有機相を食塩水で洗浄し、減圧濃縮及び真空乾燥した。得られた残渣に、水素化ジイソブチルアルミニウムを用いた還元、6N塩酸による脱水操作をさらに2回繰り返した。粗生成物をトルエンから再結晶精製し、2.27gの薄黄色固体である2−ブロモ−3−ヨード−6,7−ジペンタデシルアントラセンを得た(収率80%)。
窒素雰囲気下、100mlシュレンク反応容器に合成例5で合成した2−ブロモ−3−ヨード−6,7−ジペンタデシルアントラセン210mg(0.261mmol)及びTHF10mlを添加した。この溶液を−60℃に冷却し、イソプロピルマグネシウムブロマイド(東京化成工業製、0.78M)のTHF溶液0.73ml(0.57mmol)を滴下した。60分間かけて−40℃まで昇温することで熟成させた後、−83℃に冷却し、トリメトキシボラン(和光純薬工業製)67.7mg(0.651mmol)を滴下した。徐々に室温まで昇温した後、3M塩酸水溶液を加えて30分間攪拌後、トルエンを添加し分相した。有機相を減圧濃縮した。得られた3−ブロモ−6,7−ジペンタデシルアントラセニル−2−ボロン酸(一般式(6)及び(7)の化合物)に、合成例1で合成した1,4−ジブロモ−2,5−ジヨードベンゼン50.7mg(0.104mmol)(一般式(5)の化合物)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(東京化成工業製)7.6mg(0.0066mmol)、トルエン3.3ml、及びエタノール0.8mlを添加した。さらに炭酸ナトリウム66.4mg(0.626mmol)と水1.0mlからなる水溶液を加え、60℃で78時間反応を実施した。室温まで冷却後、トルエン及び水を添加し分相した。有機相を濃縮し、得られた残渣をトルエン5mlに溶解後、70%tert−ブチルハイドロパーオキサイド溶液(和光純薬工業製)0.02mlを添加し、室温で2時間撹拌した。このトルエン溶液を水で2回洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。有機相を濾過し、減圧濃縮し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製した(溶離液:ヘキサン)。得られた粗固体をヘプタンから再結晶化し、目的物の薄黄色固体43.7mgを得た(収率26%)。
1H NMR(CDCl3,23℃):δ=8.35(s,2H),8.33(s,2H),8.28(s,2H),7.96(s,1H),7.92(s,1H),7.79(s,2H),7.78(s,2H),7.72(s,1H),7.71(s,1H),2.81(m,8H),1.71(m,8H),1.28(m,96H),0.88(m,12H)。
FABMS m/z: 1587(M+,100%),1507(M+−Br,10)。
窒素雰囲気下、100mlシュレンク反応容器に、合成例6で合成した3,2’,5’,3”−テトラブロモ−6,7,6”,7”−(テトラペンタデシル)−2,1’,4’,2”−ジナフトターフェニル42.8mg(0.027mmol)及びジエチルエーテル6mlを添加した。この混合物を0℃に冷却し、メタル化剤としてn−ブチルリチウム(関東化学製1.57M)のヘキサン溶液0.10ml(0.15mmol)を滴下した。60分間かけて5℃まで昇温することで熟成させた後、−70℃に冷却し、ビス(フェニルスルホニル)スルフィド(アクロス製)23.6mg(0.075mmol)(一般式(3)及び(4)の化合物)を一気に投入した。徐々に昇温し、一晩かけて室温まで反応温度を上げた。飽和食塩水及びトルエンを添加した後、固体を濾過し、水、ヘキサンで洗浄した。固体を乾燥後、トルエンから再結晶精製し、目的物の黄色結晶12mgを得た(収率33%)。
1H NMR(重トルエン,100℃):δ=8.50(s,2H),8.43(s,2H),8.26(s,2H),8.20(s,2H),8.14(s,2H),7.85(s,2H),7.78(s,2H),2.87(t,J=7.8Hz,8H),1.77(m,8H),1.31(m,96H),0.88(m,J=7.8Hz,12H)。
2−ジウンデシルベンゼンの合成
1)1,2−ジウンデシルベンゼンの合成
n−ペンタデシルマグネシウムブロマイド(シグマ−アルドリッチ製、0.5M)のジエチルエーテル溶液の代わりに、n−ウンデシルマグネシウムブロマイドのジエチルエーテル溶液(ジエチルエーテル中、1−ブロモウンデカン(和光純薬工業製)とマグネシウムから調製)を用いた以外は合成例5の1)と同じ操作を繰り返して1,2−ジウンデシルベンゼンを収率87%で合成した。
1,2−ジペンタデシルベンゼンの代わりに、合成例7の1)で合成した1,2−ジウンデシルベンゼンを用いた以外は合成例5の3)と同じ操作を繰り返して2−ブロモ−3−ヨード−6,7−ジウンデシルアントラキノンを収率65%で合成した。
2−ブロモ−3−ヨード−6,7−ジペンタデシルアントラキノンの代わりに、合成例7の2)で合成した2−ブロモ−3−ヨード−6,7−ジウンデシルアントラキノンを用いた以外は合成例5の4)と同じ操作を繰り返して2−ブロモ−3−ヨード−6,7−ジウンデシルアントラセンを収率87%で合成した。
2−ブロモ−3−ヨード−6,7−ジペンタデシルアントラセンの代わりに、合成例7で合成した2−ブロモ−3−ヨード−6,7−ジウンデシルアントラセンを用いた以外は合成例6と同じ操作を繰り返して3,2’,5’,3”−テトラブロモ−6,7,6”,7”−(テトラウンデシル)−2,1’,4’,2”−ジナフトターフェニルを収率58%で合成した。
1H NMR(CDCl3,23℃):δ=8.36(s,2H),8.34(s,2H),8.28(s,2H),7.96(s,1H),7.91(s,1H),7.79(s,2H),7.78(s,2H),7.71(s,1H),7.70(s,1H),2.81(m,8H),1.71(m,8H),1.28(m,64H),0.88(m,12H)。
FABMS m/z: 1363(M+,100%),1283(M+−Br,12)。
3,2’,5’,3”−テトラブロモ−6,7,6”,7”−(テトラペンタデシル)−2,1’,4’,2”−ジナフトターフェニルの代わりに合成例8で合成した3,2’,5’,3”−テトラブロモ−6,7,6”,7”−(テトラウンデシル)−2,1’,4’,2”−ジナフトターフェニルを用いた以外は実施例4と同じ操作を繰り返して、(テトラウンデシル)ジアントラジチエノアセンを収率39%で合成した。
1H NMR(重トルエン,100℃):δ=8.49(s,2H),8.44(s,2H),8.25(s,2H),8.20(s,2H),8.13(s,2H),7.85(s,2H),7.79(s,2H),2.87(t,J=7.8Hz,8H),1.77(m,8H),1.31(m,64H),0.88(m,J=7.8Hz,12H)。
窒素雰囲気下、100mlシュレンク容器にトルエン5.4gを添加し、凍結(液体窒素)−減圧−窒素置換−融解から成るサイクルを3回繰り返すことで溶存酸素を除去した。そこへ実施例1で得られた(ジドデシル)ジベンゾテトラチエノアセンの固体5.1mgを添加し、100℃に加熱し溶解させ、(ジドデシル)ジベンゾテトラチエノアセンを含む耐酸化性有機半導体材料を合成した(山吹色溶液)。次に、このシュレンク容器の上部の栓を開け、1分間、外気に接触させることで空気を導入(耐酸化性評価)し、さらに90℃で撹拌したが、色の変化は見られなかった。したがって、色の変化が見られなかったことから、耐酸化性に優れるものであった。
窒素雰囲気下、実施例1で得られた(ジドデシル)ジベンゾテトラチエノアセン2.5mgをトルエン25gと混合し、100℃で1時間撹拌し、(ジドデシル)ジベンゾテトラチエノアセンの山吹色溶液を調製した(ジドデシル)ジベンゾテトラチエノアセンを含む耐酸化性有機半導体材料の合成)。
窒素雰囲気下、100mlシュレンク容器にトルエン5.4gを添加し、凍結(液体窒素)−減圧−窒素置換−融解から成るサイクルを3回繰り返すことで溶存酸素を除去した。そこへ実施例4で得られた(テトラペンタデシル)ジアントラジチエノアセンの固体6.2mgを添加し、70℃に加熱し溶解させ、(テトラペンタデシル)ジアントラジチエノアセンを含む耐酸化性有機半導体材料を合成した(黄橙色溶液)。次に、このシュレンク容器の上部の栓を開け、1分間、外気に接触させることで空気を導入(耐酸化性評価)し、さらに70℃で撹拌したが、色の変化は見られなかった。したがって、色の変化が見られなかったことから、耐酸化性に優れるものであった。
窒素雰囲気下、実施例4で得られた(テトラペンタデシル)ジアントラジチエノアセン4.7mgをトルエン15gと混合し、100℃で1時間撹拌し、(テトラペンタデシル)ジアントラジチエノアセンの黄橙色溶液を調製した(テトラペンタデシル)ジアントラジチエノアセンを含む耐酸化性有機半導体材料の合成)。
ペンタセンを用いて耐酸化性を評価した。
窒素雰囲気下、実施例1で得られた(ジドデシル)ジベンゾテトラチエノアセン10.0mgをn−オクチルベンゼン5gと混合し、165℃で1時間撹拌し、(ジドデシル)ジベンゾテトラチエノアセンの黄色溶液を調製した。
窒素雰囲気下、実施例4で得られた(テトラペンタデシル)ジアントラジチエノアセン10.0mgをn−オクチルベンゼン5gと混合し、165℃で1時間撹拌し、(テトラペンタデシル)ジアントラジチエノアセンの黄色溶液を調製した。
窒素雰囲気下、(テトラドデシル)ジアントラジチエノアセン10.0mgをn−オクチルベンゼン5gと混合し、165℃で1時間撹拌し、(テトラドデシル)ジアントラジチエノアセンの黄色溶液を調製した。
1,4−ビス(6−ドデシル−3−ブロモベンゾチエニル−2−)−2,5−ジブロモベンゼンの代わりに、1,4−ビス(6−ペンチル−3−ブロモベンゾチエニル−2−)−2,5−ジブロモベンゼンを用いた以外は実施例1と同じ操作を繰り返して(ジペンチル)ジベンゾテトラチエノアセンを収率18%で合成した。
MS m/z: 542(M+,100%),485(M+−C4H9−1,26%)。
窒素雰囲気下、比較例3で得られた(ジペンチル)ジベンゾテトラチエノアセン10.0mgをn−オクチルベンゼン5gと混合し、165℃で1時間撹拌し、(ジペンチル)ジベンゾテトラチエノアセンの黄色溶液を調製した。
Claims (5)
- 請求項1に記載のヘテロアセン誘導体を含むことを特徴とする耐酸化性有機半導体材料。
- 請求項2に記載の耐酸化性有機半導体材料を用いることを特徴とする有機薄膜。
- 有機薄膜が基板上に形成されることを特徴とする請求項3に記載の有機薄膜。
- 有機薄膜の表面粗さが13nm以下であることを特徴とする請求項4に記載の有機薄膜。
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