JP5481850B2 - ヘテロアセン誘導体、その前駆化合物及びそれらの製造方法 - Google Patents
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Description
本発明のヘテロアセン誘導体は下記一般式(1)で示される。
本発明の一般式(1)で示されるヘテロアセン誘導体の置換基について述べる。
これらの中でも本発明の一般式(1)で示されるヘテロアセン誘導体は、該ヘテロアセン誘導体及び該ヘテロアセン誘導体を含む耐酸化性有機半導体材料及びその有機薄膜が、高い耐酸化性及びキャリアー移動度を発現することから、以下の化合物が好ましく、
次に、本発明の一般式(1)で示されるヘテロアセン誘導体の前駆化合物であるジ(アルキルカルコゲノ)ジアリールエチン誘導体について述べる。
置換基R9及びR10における炭素数1〜8のアルキル基は、特に限定はなく、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ベンジル基を挙げることができ、好ましくはメチル基、ベンジル基であり、より好ましくはメチル基である。
次に、本発明の一般式(2)で示されるジ(アルキルカルコゲノ)ジアリールエチン誘導体の原料化合物であるジハロジアリールエチン誘導体について述べる。
置換基X1及びX2は臭素原子、ヨウ素原子、塩素原子を示し、好ましくは臭素原子、ヨウ素原子であり、特に好ましくはいずれも臭素原子である。
次に、本発明の一般式(1)で示されるヘテロアセン誘導体の前駆化合物であるジ(アルキルカルコゲノ)ジアリールエチレン誘導体について述べる。
置換基R11及びR12における炭素数1〜8のアルキル基は、特に限定はなく、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ベンジル基を挙げることができ、好ましくはメチル基、ベンジル基であり、より好ましくはメチル基である。
次に、本発明の一般式(4)で示されるジ(アルキルカルコゲノ)ジアリールエチレン誘導体の原料化合物であるホルミル(アルキルカルコゲノ)アレーン誘導体について述べる。
一般式(5)で示されるホルミル(アルキルカルコゲノ)アレーン誘導体の環Aについて述べる。環Aは一般式(A−1)、(A−2)、又は(A−3)で示される構造を有し、その中でも一般式(A−1)で示される構造が好ましい。さらに環Aは、一般式(A−1)でnが1である構造が特に好ましい。
次に、本発明の一般式(5)で示されるホルミル(アルキルカルコゲノ)アレーン誘導体の原料化合物であるハロ(アルキルカルコゲノ)アレーン誘導体について述べる。
置換基X3は臭素原子、ヨウ素原子、塩素原子を示し、好ましくは臭素、ヨウ素であり、また一般式(6)で示されるハロ(アルキルカルコゲノ)アレーン誘導体は、そのX3が臭素及びヨウ素の任意の割合の混合物であってもよい。
次に、本発明の一般式(1)で示されるヘテロアセン誘導体の前駆化合物であるジハロカルコゲノフェニルアリール誘導体について述べる。
置換基X2は臭素原子、ヨウ素原子、塩素原子を示し、好ましくは臭素原子、ヨウ素原子であり、特に好ましくは臭素原子である。置換基X4は臭素原子、ヨウ素原子、塩素原子を示し、好ましくは臭素原子、ヨウ素原子であり、特に好ましくはヨウ素原子である。
本発明の一般式(1)で示されるヘテロアセン誘導体の製造方法について述べる。
次に、本発明の一般式(1)で示されるヘテロアセン誘導体の前駆化合物である一般式(2)で示されるジ(アルキルカルコゲノ)ジアリールエチン誘導体の製造方法について述べる。
次に、本発明の一般式(2)で示されるジ(アルキルカルコゲノ)ジアリールエチン誘導体の原料として用いられる一般式(3)で示されるジハロジアリールエチン誘導体の製造方法について述べる。
また、一般式(3)で示されるジハロジアリールエチン誘導体のもう一つの製造方法として、一般式(8)で示される2,3−ジハロアレーン誘導体とアセチレン又はトリメチルシリルアセチレンをパラジウム及び/又はニッケル触媒存在下で反応させることでジハロジアリールエチン誘導体を製造することもできる。
次に、本発明の一般式(1)で示されるヘテロアセン誘導体の前駆化合物である一般式(4)で示されるジ(アルキルカルコゲノ)ジアリールエチレン誘導体の製造方法について述べる。
次に、一般式(4)で示されるジ(アルキルカルコゲノ)ジアリールエチレン誘導体の原料化合物であるホルミル(アルキルカルコゲノ)アレーン誘導体の製造方法について述べる。
次に、本発明の一般式(5)で示されるホルミル(アルキルカルコゲノ)アレーン誘導体の原料化合物であるハロ(アルキルカルコゲノ)アレーン誘導体の製造方法について述べる。
(ここで、M1はアルカリ金属を示し、置換基R11及びT1は一般式(6)で示される置換基と同意義を示す。)
一般式(11)で示されるメタルカルコゲノアルコキシドにおけるM1は、アルカリ金属であり、具体的にはナトリウム、リチウム、カリウム、セシウムを示し、好ましくは、ナトリウム、リチウムである。一般式(11)で示される具体的な化合物としては、例えばナトリウムチオメトキシド、リチウムチオメトキシド、カリウムチオメトキシド、セシウウムチオメトキシド、ナトリウムチオエトキシド、ナトリウムチオベンジルオキシド、ナトリウムセレノメトキシド、リチウムセレノメトキシド、ナトリウムセレノベンジルオキシドであり、好ましくはナトリウムチオメトキシド、ナトリウムチオベンジルオキシド、ナトリウムセレノメトキシドであり、特に好ましくはナトリウムチオメトキシドである。
次に、一般式(1)で示されるヘテロアセン誘導体の原料化合物であるジハロカルコゲノフェニルアリール誘導体の製造方法について述べる。
一般式(13)及び(14)について、さらに述べる。
次に、一般式(7)で示されるジハロカルコゲノフェニルアリール誘導体の原料化合物であるジハロカルコゲノフェン誘導体の製造方法について述べる。
該ハロゲン誘導体は、一般式(15)のトリメチルシリル基をハロゲン原子に置換することができるものであれば特に限定はなく、例えば1塩化ヨウ素、1臭化ヨウ素、ヨウ素、臭素、塩素、NIS、NBS、NCS等であり、好ましくは1塩化ヨウ素、1臭化ヨウ素であり、特に好ましくは1塩化ヨウ素である。
置換基R13における炭素数1〜8のアルキル基は、特に限定はなく、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ベンジル基を挙げることができ、好ましくはメチル基、ベンジル基であり、より好ましくはメチル基である。
次に、本発明の一般式(1)で示されるヘテロアセン誘導体を含む耐酸化性有機半導体材料について述べる。該耐酸化性有機半導体材料は溶剤への溶解性、耐酸化性に優れ、好適な塗布性を有する。該耐酸化性有機半導体材料は本発明の一般式(1)で示されるヘテロアセン誘導体を溶剤に溶解することにより製造することができる。
次に本発明の一般式(1)で示されるヘテロアセン誘導体を含む耐酸化性有機半導体材料を用いた有機薄膜について述べる。係る有機薄膜は上記の耐酸化性有機半導体材料(溶液)の再結晶化若しくは基板への塗布により製造することができ、特に基板への塗布により製造することが好ましい。そして、基板への塗布により製造することにより、基板上に形成される有機薄膜となるものである。
装置 島津GC14B
カラム J&Wサイエンティフィック社製、DB−1,30m
ガスクロマトグラフィー−マススペクトル分析
装置 パーキンエルマーオートシステムXL(MS部;ターボマスゴールド)
カラム J&Wサイエンティフィック社製、DB−1,30m
反応用の試薬及び溶媒は、断りのない限り市販品を用いた。なお、グリニャール試薬あるいはブチルリチウム等の有機金属試薬を用いた場合は、市販の脱水溶媒をそのまま用いた。
4−ブロモ−5−ヨード無水フタル酸は「ジャーナル オブ オーガニック ケミストリー」(米国)、1951年、16巻、1577−1581頁を参考に、以下の様に合成した。
1H NMR(CDCl3,22℃):δ=8.51(s,1H),8.23(s,1H)。
MS m/z: 353(M+,100%),309(M+−CO2,18%),282(M+−C2O3,10%),155(M+−C2O3−I,16%),74(M+−C2O3−I−Br,32%)。
1,2−ジドデシルベンゼンは「日本化学会誌」1989年、983−987頁に従い以下の様に合成した。
1H NMR(CDCl3,22℃):δ=7.11(m,4H),2.59(t,J=7.8Hz,4H),1.55(m,4H),1.26(m,36H),0.88(t,J=6.8Hz,6H)。
MS m/z: 414(M+,100%),260(M+−C11H23,71%),106(M+−C22H46,98%)。
2−ブロモ−3−ヨード−6,7−ジドデシルアントラキノンは「ベリヒテ」(独国)、1933年、66B巻、1876−1891頁を参考に以下の様に合成した。
1H NMR(CDCl3,22℃):δ=8.73(s,1H),8.45(s,1H),8.05(s,2H),2.75(m,4H),1.62(m,4H),1.26(m,36H),0.88(m,6H)。
MS m/z: 750(M+,100%),440(M+−C22H46,8%),313(M+−C22H46I,2%),233(M+−C22H46IBr,1%)。
窒素雰囲気下、100mlシュレンク反応容器に合成例3で合成した2−ブロモ−3−ヨード−6,7−ジドデシルアントラキノン1.10g(1.47mmol)を入れた。次いでTHF17mlを加え、水素化ジイソブチルアルミニウム(関東化学製、0.99mol/l、トルエン溶液)4.0ml(4.0mmol)を加え、室温で1.5時間反応を行った。次いで反応混合物に6M塩酸水溶液10mlを加え、65℃で3時間反応を行った。反応混合物を室温まで冷やし、エーテルで抽出した。エーテル溶液を飽和食塩水で洗浄して無水硫酸ナトリウムで乾燥、減圧濃縮し、得られた残渣に再びTHF17mlを加え、水素化ジイソブチルアルミニウム4.0ml(4.0mmol)を加え、室温で1.5時間反応を行った。次いで反応混合物に6M塩酸水溶液10mlを加え、3時間反応を行った。反応混合物を室温まで冷やし、エーテルで抽出した。エーテル溶液を飽和食塩水で洗浄して無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧乾燥した。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:ヘキサン)で精製し、2−ブロモ−3−ヨード−6,7−ジドデシルアントラセンの黄色固体を629mg(0.87mmol)得た(収率59%)。
1H NMR(CDCl3,22℃):δ=8.55(s,1H),8.27(s,1H),8.16(s,1H),8.15(s,1H),7.72(s,2H),2.78(m,4H),1.71(m,4H),1.27(m,36H),0.88(m,6H)。
MS m/z: 720(M+,100%),410(M+−C22H46,16%),283(M+−C22H46−I,4%),203(M+−C22H46−I−Br,5%)。
窒素雰囲気下、100mlシュレンク反応容器に合成例4で合成した2−ブロモ−3−ヨード−6,7−ジドデシルアントラセン(一般式(8)の化合物)625mg(0.868mmol)、THF4ml、及びジイソプロピルアミン12mlを添加した。さらにジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(和光純薬工業製)30.5mg(0.043mmol)、ヨウ化銅(I)(和光純薬工業製)19.8mg(0.10mmol)、及びトリメチルシリルアセチレン(和光純薬工業製)0.15ml(1.05mmol)を添加した。この混合物を26℃で16時間反応を実施した。反応混合物を減圧濃縮し溶媒を留去し、さらに真空乾燥した。得られた残渣にトルエンを添加し、70%tert−ブチルハイドロパーオキサイド溶液(和光純薬工業製)(0.06ml)を添加し、室温で1時間撹拌した。この溶液を水洗浄し、有機相をシリカゲルに通過させた(溶媒;トルエン)。溶出液を減圧濃縮し、得られた残渣608mg(2−トリメチルシリルエチニル−3−ブロモ−6,7−ジドデシルアントラセンを主成分とする)にメタノール8ml及び炭酸カリウム360mg(2.60mmol)を添加し、室温で10時間反応させた(脱トリアルキリシリル処理)。反応混合物を減圧濃縮し溶媒を留去し、さらに真空乾燥した。得られた残渣にエーテルを添加し水で洗浄した。有機相を減圧濃縮し、2−エチニル−3−ブロモ−6,7−ジドデシルアントラセン(一般式(9)で示される2−エチニル−3−ハロアレーン誘導体)を主成分とする550mgの粘調物を得た。
FABMS m/z: 1210(M+,100%),1130(M+−Br,8)。
窒素雰囲気下、100mlシュレンク反応容器に合成例4で合成した2−ブロモ−3−ヨード−6,7−ジドデシルアントラセン(一般式(8)の化合物)879mg(1.22mmol)、トルエン6ml、及びピペリジン5mlを添加した。さらにジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(和光純薬工業製)16.8mg(0.024mmol)、及びヨウ化銅(I)(和光純薬工業製)10.0mg(0.053mmol)を添加した。この混合物を60℃に加熱し、アセチレンのガスを溶液中に浸したディップチューブを通してゆっくりと導入しながら1.5時間反応を実施した。アセチレンのガスの導入を停止後、さらに3時間反応を継続した。室温に冷却後トルエンを添加し、水で洗浄した。有機相を、5%硫酸水溶液、飽和重曹水、飽和食塩水の順に洗浄した。得られた有機相に、70%tert−ブチルハイドロパーオキサイド溶液(和光純薬工業製)(0.06ml)を添加し、室温で1時間撹拌した。この溶液を水洗浄し、有機相を減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し(溶媒;ヘキサン:塩化メチレン=10:1)、ジブロモ(テトラドデシル)ジアントリルエチンの黄色固体530mgを得た(収率72%)。
窒素雰囲気下、100mlシュレンク反応容器に合成例4で合成した2−ブロモ−3−ヨード−6,7−ジドデシルアントラセン(一般式(8)の化合物)454mg(0.631mmol)、トリメチルシリルアセチレン31.0mg(0.315mmol)、ジイソプロピルアミン5ml、トルエン2ml、水4.4mg(0.246mmol)、及び1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン57.7mg(0.379mmol)(東京化成工業製)を添加した。さらにジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(和光純薬工業製)22.1mg(0.032mmol)、及びヨウ化銅(I)(和光純薬工業製)16.8mg(0.088mmol)を添加した。この混合物を60℃に加熱し、20時間反応を継続した。室温に冷却後トルエンを添加し、水で洗浄した。有機相を、5%硫酸水溶液、飽和重曹水、飽和食塩水の順に洗浄した。得られた有機相に、70%tert−ブチルハイドロパーオキサイド溶液(和光純薬工業製)(0.06ml)を添加し、室温で1時間撹拌した。この溶液を水洗浄し、有機相を減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し(溶媒;ヘキサン:塩化メチレン=10:1)、ジブロモ(テトラドデシル)ジアントリルエチンの黄色固体126mgを得た(収率33%)。
合成例2で1,2−ジクロロベンゼンの代わりに、1−クロロ−2−フルオロベンゼン(東京化成工業製)を用いた以外は合成例2と同じ操作を繰り返して1−ドデシル−2−フルオロベンゼンを合成した。この1−ドデシル−2−フルオロベンゼンと合成例1で得られた4−ブロモ−5−ヨードフタル酸無水物を用い、合成例3と同じ操作を繰り返し2−ブロモ−3−ヨード−6,7−(ドデシル)フルオロアントラキノンを得、さらに合成例4と同じ操作を繰り返して、2−ブロモ−3−ヨード−6,7−(ドデシル)フルオロアントラセンへ変換した。
窒素雰囲気下、100mlシュレンク反応容器に合成例5で合成した2−ブロモ−3−ヨード−6−ドデシル−7−フルオロアントラセン(一般式(8)の化合物)464mg(0.815mmol)、トルエン4ml、及びピペリジン3mlを添加した。さらにジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(和光純薬工業製)14.5mg(0.021mmol)、及びヨウ化銅(I)(和光純薬工業製)8.4mg(0.044mmol)を添加した。この混合物を60℃に加熱し、アセチレンのガスを溶液中に浸したディップチューブを通してゆっくりと導入しながら1.5時間反応を実施した。アセチレンのガスの導入を停止後、さらに3時間反応を継続した。室温に冷却後トルエンを添加し、水で洗浄した。有機相を、5%硫酸水溶液、飽和重曹水、飽和食塩水の順に洗浄した。得られた有機相に、70%tert−ブチルハイドロパーオキサイド溶液(和光純薬工業製)(0.06ml)を添加し、室温で1時間撹拌した。この溶液を水洗浄し、有機相を減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し(溶媒;ヘキサン:塩化メチレン=10:1)、ジブロモジフルオロ(ジドデシル)ジアントリルエチンの異性体の混合物からなる黄色固体237mgを得た(収率64%)。
FABMS m/z: 909(M+,100%),829(M+−Br,7).
MS測定より、ジブロモジフルオロ(ジドデシル)ジアントリルエチンが得られたことを確認した。なお、その構造式を下記に示す。
100mlシュレンク反応容器に、1,2−ジヨードベンゼン(東京化成工業製)5.56g(16.8mmol)及びジクロロメタン30mlを添加し、0℃に冷却した。鉄粉(シグマ−アルドリッチ製)67mg及びヨウ素10mg(0.04mmol)を添加後、臭素0.87ml(17mmol)を滴下した。0℃で8時間撹拌後、亜硫酸水素ナトリウム水溶液を添加し、反応を停止させた。有機相を水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧濃縮し、得られた残渣をTHF/メタノールから2回再結晶化し、4−ブロモ−1,2−ジヨードベンゼン4.94gの白色結晶を得た(収率72%)。
4−ブロモ−1,2−(パーフルオロドデシル)ベンゼンは、「ジャーナル オブ フルオリン ケミストリィー」、1989年、43巻、207−228頁を参考に次のように合成した。
窒素雰囲気下、300mlシュレンク反応容器に、合成例7で得られた4−ブロモ−1,2−(パーフルオロドデシル)ベンゼン6.11g(4.39mmol)及びTHF80mlを添加した。この溶液を−50℃に冷却し、イソプロピルマグネシウムブロミド(関東化学製、0.65M)のTHF溶液6.8ml(4.4mmol)を滴下した。−50℃で30分熟成後、ここに合成例1で合成した4−ブロモ−5−ヨード無水フタル酸1.48g(4.20mmol)とTHF20mlからなる溶液を滴下した。反応混合物を一晩かけて室温まで昇温した後、氷冷し3M塩酸水溶液を添加した。エーテルで抽出し、合わせた有機相を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧下濃縮し、白色固体7.00g得た。得られた固体に濃硫酸40mlを添加し、80℃で12時間反応した。反応混合物を氷に注ぎ入れ、析出した固体をろ過して水で洗浄した。乾燥後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液;ヘキサン:塩化メチレン=15:1)及びヘプタンからの再結晶で精製し、2−ブロモ−3−ヨード−6,7−ジ(パーフルオロドデシル)アントラキノンの固体1.86g(1.13mmol)を得た(収率27%)。
窒素雰囲気下、100mlシュレンク反応容器に合成例8で合成した2−ブロモ−3−ヨード−6,7−ジ(パーフルオロドデシル)アントラキノン1.81g(1.10mmol)を入れた。次いでTHF15mlを加え、水素化ジイソブチルアルミニウム(関東化学製、0.99mol/l、トルエン溶液)3.5ml(3.5mmol)を加え、室温で1.5時間反応を行った。次いで反応混合物に6M塩酸水溶液10mlを加え、65℃で3時間反応を行った。反応混合物を室温まで冷やし、エーテルで抽出した。エーテル溶液を飽和食塩水で洗浄して無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧濃縮した。得られた残渣に再びTHF15mlを加え、水素化ジイソブチルアルミニウム3.5ml(3.5mmol)を加え、室温で1.5時間反応を行った。次いで反応混合物に6M塩酸水溶液10mlを加え、3時間反応を行った。反応混合物を室温まで冷やし、エーテルで抽出した。エーテル溶液を飽和食塩水で洗浄して無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧乾燥した。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:ヘキサン)で精製し、2−ブロモ−3−ヨード−6,7−ジ(パーフルオロドデシル)アントラセンの黄色固体1.12gを得た(収率63%)。
窒素雰囲気下、100mlシュレンク反応容器に合成例9で合成した2−ブロモ−3−ヨード−6,7−ジ(パーフルオロドデシル)アントラセン(一般式(8)の化合物)1.07g(0.661mmol)、トルエン7ml、及びピペリジン6mlを添加した。さらにジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(和光純薬工業製)23.2mg(0.033mmol)、及びヨウ化銅(I)(和光純薬工業製)13.2mg(0.069mmol)を添加した。この混合物を60℃に加熱し、アセチレンのガスを溶液中に浸したディップチューブを通してゆっくりと導入しながら1.5時間反応を実施した。アセチレンのガスの導入を停止後、さらに3時間反応を継続した。室温に冷却後トルエンを添加し、水で洗浄した。有機相を、5%硫酸水溶液、飽和重曹水、飽和食塩水の順に洗浄した。得られた有機相に、70%tert−ブチルハイドロパーオキサイド溶液(和光純薬工業製)(0.08ml)を添加し、室温で1時間撹拌した。この溶液を水洗浄し、有機相を減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し(溶媒;ヘキサン:塩化メチレン=20:1)、ジブロモテトラ(パーフルオロドデシル)ジアントリルエチンの黄色固体407mgを得た(収率41%)。
FABMS m/z: 3009(M+,100%)。
窒素雰囲気下、200mlシュレンク反応容器に、合成例6で得られた4−ブロモ−1,2−ジヨードベンゼン2.15g(5.25mmol)にジヒドロキシフェニルボラン(和光純薬工業製)1.47g(12.1mmol)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(東京化成工業製)458mg(0.40mmol)、炭酸ナトリウム3.34g(31.5mmol)、トルエン42ml、エタノール10.5ml、水13.3mlを加え、80℃で29時間反応させた。1M塩酸水溶液を加えて反応をクエンチし、トルエンで抽出した後、有機層を水洗浄して無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧留去し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:ヘキサン)で精製して目的の4−ブロモ−1,2−ジフェニルベンゼン1.46g(4.72mmol)を得た(収率90%)。
窒素雰囲気下、300mlシュレンク反応容器に、合成例10で得られた4−ブロモ−1,2−ジフェニルベンゼン1.46g(4.72mmol)を入れた。次いでTHF28mlを加えて−78℃に冷却し、n−ブチルリチウム(関東化学製、1.59mol/l、ヘキサン溶液)3.0ml(4.77mmol)を加え、30分間反応させた。次いで合成例1で合成した4−ブロモ−5−ヨード無水フタル酸1.66g(4.72mmol)を加え、室温まで昇温した。水を加えてクエンチし得られた固体を濾過し、さらに水洗浄を行い、加熱真空乾燥後白色固体3.2gを得た。得られた固体に濃硫酸26mlを添加し、80℃で1時間反応した。反応混合物を氷に注ぎ入れ、析出した固体をろ過して水で洗浄した。乾燥後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:ヘキサン/塩化メチレン,10:1)及びヘプタンからの再結晶で精製し、2−ブロモ−3−ヨード−6,7−ジフェニルアントラキノンの黄色固体298mg(0.53mmol)得た(収率11%)。
窒素雰囲気下、50mlシュレンク反応容器に、合成例11で合成した2−ブロモ−3−ヨード−6,7−ジフェニルアントラキノン243mg(0.43mmol)及びTHF5mlを加えた。水素化ジイソブチルアルミニウム(関東化学製、0.99mol/l、トルエン溶液)1.20ml(1.20mmol)を滴下し、室温で1.5時間還元反応を行った。この反応混合物に6M塩酸水溶液3mlを加え、65℃で3時間脱水反応を行った。反応混合物を室温まで冷やし、エーテルで抽出した。エーテル溶液を飽和食塩水で洗浄して、無水硫酸ナトリウムで乾燥、減圧濃縮し、得られた残渣に再びTHF5mlを加え、水素化ジイソブチルアルミニウム(関東化学製、0.99mol/l、トルエン溶液)1.20ml(1.20mmol)を加え、室温で1.5時間還元反応を行った。次いで反応混合物に6M塩酸水溶液3mlを加え、3時間脱水反応を行った。反応混合物を室温まで冷やし、エーテルで抽出した。エーテル溶液を飽和食塩水で洗浄して無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧濃縮した。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:ヘキサン)で精製し、2−ブロモ−3−ヨード−6,7−ジフェニルアントラセンの黄色固体128mg(0.239mmol)を得た(収率56%)。
窒素雰囲気下、100mlシュレンク反応容器に合成例12で合成した2−ブロモ−3−ヨード−6,7−ジフェニルアントラセン(一般式(8)の化合物)128mg(0.239mmol)、トルエン4ml、及びピペリジン3mlを添加した。さらにジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(和光純薬工業製)8.4mg(0.012mmol)、及びヨウ化銅(I)(和光純薬工業製)4.8mg(0.025mmol)を添加した。この混合物を60℃に加熱し、アセチレンのガスを溶液中に浸したディップチューブを通してゆっくりと導入しながら1.5時間反応を実施した。アセチレンのガスの導入を停止後、さらに3時間反応を継続した。室温に冷却後トルエンを添加し、水で洗浄した。有機相を、5%硫酸水溶液、飽和重曹水、飽和食塩水の順に洗浄した。得られた有機相に、70%tert−ブチルハイドロパーオキサイド溶液(和光純薬工業製)(0.06ml)を添加し、室温で1時間撹拌した。この溶液を水洗浄し、有機相を減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し(溶媒;ヘキサン:塩化メチレン=10:1)、ジブロモテトラフェニルジアントリルエチンの黄色固体66mgを得た(収率66%)。
FABMS m/z: 841(M+,100%),761(M+−Br,7)。
合成例2でドデシルマグネシウムブロミドの代わりに、ペンタデシルマグネシウムブロミド(エーテル中、1−ブロモペンタデカンとマグネシウムから調製)を用いた以外は合成例2と同じ操作を繰り返して1,2−ジ(ペンタデシル)ベンゼンを合成した。この1,2−ジ(ペンタデシル)ベンゼンと合成例1で得られた4−ブロモ−5−ヨードフタル酸無水物を用い、合成例3と同じ操作を繰り返し2−ブロモ−3−ヨード−6,7−ジ(ペンタデシル)フルオロアントラキノンを得、さらに合成例4と同じ操作を繰り返して、2−ブロモ−3−ヨード−6,7−ジ(ペンタデシル)アントラセンへ変換した。
1H NMR(CDCl3,22℃):δ=8.55(s,1H),8.27(s,1H),8.16(s,1H),8.15(s,1H),7.72(s,2H),2.78(m,4H),1.71(m,4H),1.27(m,36H),0.88(m,6H)。
MS m/z: 720(M+,100%),410(M+−C22H46,16%),283(M+−C22H46−I,4%),203(M+−C22H46−I−Br,5%)。
窒素雰囲気下、100mlシュレンク反応容器に合成例13で合成した2−ブロモ−3−ヨード−6,7−ジ(ペンタデシル)アントラセン(一般式(8)の化合物)201mg(0.250mmol)、THF5ml、及びジイソプロピルアミン12mlを添加した。さらにジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(和光純薬工業製)8.5mg(0.0074mmol)、ヨウ化銅(I)(和光純薬工業製)3.4mg(0.018mmol)、及びトリメチルシリルアセチレン(和光純薬工業製)0.035ml(0.25mmol)を添加した。この混合物を26℃で1.5時間、50℃で3時間、及び60℃で1時間反応を実施した。反応混合物をシリカゲル濾過(溶媒;トルエン)し溶媒を留去後、さらに真空乾燥した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し(溶媒;ヘキサン)、2−トリメチルシリルエチニル−3−ブロモ−6,7−ジ(ペンタデシル)アントラセン143mgを得た(収率74%)。ここへメタノール2.5ml、THF5ml、及び炭酸カリウム53mg(0.383mmol)を添加し、室温で1.5時間反応させた(脱トリアルキリシリル処理)。反応混合物にトルエンを添加し水で洗浄した。有機相を減圧濃縮し、2−エチニル−3−ブロモ−6,7−ジ(ペンタデシル)アントラセン(一般式(9)で示される2−エチニル−3−ハロアレーン誘導体)を主成分とする130mgの橙色固体を得た。
1H NMR(重トルエン,80℃):δ=8.28(s,2H),8.11(s,2H),7.98(s,2H),7.87(s,2H),7.66(s,4H),2.81(t,J=7.5Hz,8H),1.81−1.70(m,8H),1.55−1.11(m,96H),0.86(t,J=5.8Hz,12H)。
FABMS m/z: 1375(M+)。
窒素雰囲気下、100mlシュレンク反応容器に合成例2で合成した1,2−ジドデシルベンゼン2.95g(12.0mmol)、過ヨウ素酸・2水和物684mg(3.00mmol)、ヨウ素1.62g(6.36mmol)、酢酸6.9ml、水1.4ml、及び硫酸0.21mlを添加した。65℃で6時間撹拌後、室温まで冷却後、亜硫酸水素ナトリウム水溶液を添加し、反応を停止させた。ジクロロメタンで抽出し、有機相を水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。有機相を減圧濃縮し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し(溶媒;ヘキサン)、3.73gの液体を得た。この液体の3.47gにジクロロメタン20mlを添加し、0℃に冷却した。鉄粉(シグマ−アルドリッチ製)67mg及びヨウ素10mg(0.04mmol)を添加後、臭素0.48ml(9.37mmol)を滴下した。0℃で2時間撹拌後、亜硫酸水素ナトリウム水溶液を添加し、反応を停止させた。有機相を水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧濃縮し、得られた残渣をシリカゲルを用いて濾過し、濾液を濃縮後、−78℃下でヘキサン再結晶精製を行い、4−ブロモ−5−ヨード−1,2―ジドデシルベンゼンを得た(3.14g、収率75%)。
1H NMR(CDCl3,22℃):δ=7.59(s,1H),7.37(s,1H),2.58−2.40(m,4H),1.57−1.45(m,4H),1.42−1.23(m,36H),0.90(t,J=6.6Hz,6H)。
窒素雰囲気下、100mlシュレンク反応容器に合成例14で合成した4−ブロモ−5−ヨード−1,2―ジドデシルベンゼン(一般式(8)の化合物)353mg(0.570mmol)、トルエン12ml、及びトリエチルアミン2mlを添加した。さらにテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(東京化成工業製)20.0mg(0.017mmol)、ヨウ化銅(I)(和光純薬工業製)6.5mg(0.034mmol)、及びトリメチルシリルアセチレン(和光純薬工業製)0.080ml(55.6mg、0.566mmol)を添加した。この混合物を50℃で7時間反応を実施した。反応混合物を室温に冷却し、テトラブチルアンモニウムフルオリド(シグマ−アルドリッチ製、1.0mol/l、THF溶液)1.0ml(1.0mmol)を添加し、室温で1時間撹拌することで脱トリアルキリシリル処理を行い、3−エチニル−4−ブロモ−1,2―ジドデシルベンゼン(一般式(9)で示される2−エチニル−3−ハロアレーン誘導体)を調製した。ここへ合成例14で合成した4−ブロモ−5−ヨード−1,2―ジドデシルベンゼン(一般式(10)の化合物)353mg(0.570mmol)を添加した。この混合物を26℃で16時間、さらに40℃で2時間反応を実施した。トルエン及び飽和食塩水を添加し、分相後、有機相を減圧濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し(溶媒;ヘプタン)、ジブロモテトラ(ドデシル)ジフェニルエチンの白色固体396mgを得た(収率69%)。
1H NMR(CDCl3,22℃):δ=7.365(s,2H),7.355(s,2H),2.56−2.42(m,8H),1.61−1.42(m,8H),1.26(m,72H),0.88(t,J=6.9Hz,12H)。
MS m/z:1009(M+,100%),929(M+−Br,15),849(M+−2Br,1)。
NMR及びMS測定より、ジブロモテトラ(ドデシル)ジフェニルエチンが得られたことを確認した。なお、その構造式を下記に示す。
窒素雰囲気下、100mlシュレンク反応容器に合成例14で合成した4−ブロモ−5−ヨード−1,2―ジドデシルベンゼン(一般式(8)の化合物)309mg(0.500mmol)、トルエン11ml、及びトリエチルアミン2mlを添加した。さらにテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(東京化成工業製)17.0mg(0.015mmol)、ヨウ化銅(I)(和光純薬工業製)5.7mg(0.030mmol)、及びトリメチルシリルアセチレン(和光純薬工業製)0.070ml(48.7mg、0.496mmol)を添加した。この混合物を50℃で7時間反応を実施した。反応混合物を室温に冷却し、テトラブチルアンモニウムフルオリド(シグマ−アルドリッチ製、1.0mol/l、THF溶液)1.0ml(1.0mmol)を添加し、室温で1時間撹拌することで脱トリアルキリシリル処理を行い、3−エチニル−4−ブロモ−1,2―ジドデシルベンゼン(一般式(9)で示される2−エチニル−3−ハロアレーン誘導体)を調製した。ここへ合成例4で合成した2−ブロモ−3−ヨード−6,7−ジドデシルアントラセン(一般式(10)の化合物)309mg(0.500mmol)を添加した。この混合物を26℃で16時間、さらに40℃で2時間反応を実施した。トルエン及び飽和食塩水を添加し、分相後、有機相を減圧濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し(溶媒;ヘプタン)、ジブロモテトラ(ドデシル)アントリルフェニルエチンの白色固体351mgを得た(収率63%)。
1H NMR(CDCl3,22℃):δ=8.26(s,1H),8.25(s,1H),8.23(s,1H),8.17(s,1H),7.73(s,2H),7.43(s,1H),7.40(s,1H),2.84−2.72(m,4H),2.65−2.49(m,4H),1.80−1.63(m,4H),1.63−1.48(m,4H),1.48−1.08(m、72H),0.88(t,J=6.5Hz,12H)。
窒素雰囲気下、100mlシュレンク反応容器に2,3−ジブロモベンゾチオフェン(シグマ−アルドリッチ製)(一般式(8)の化合物)500mg(1.71mmol)、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(和光純薬工業製)24.9mg(0.035mmol)、ヨウ化銅(I)(和光純薬工業製)13.5mg(0.071mmol)、THF6ml、及びトリエチルアミン3mlを添加した。さらに及びトリメチルシリルアセチレン(和光純薬工業製)198mg(2.01mmol)を添加した。この混合物を室温(27℃)で17時間反応を実施した。反応混合物にテトラブチルアンモニウムフルオリド(シグマ−アルドリッチ製、1.0mol/lTHF溶液)2.0ml(2.0mmol)を添加し、室温で1時間撹拌することで脱トリアルキリシリル処理を行い、2−エチニル−3−ブロモベンゾチオフェン(一般式(9)で示される2−エチニル−3−ハロアレーン誘導体)を調製した。ここへ2,3−ジブロモベンゾチオフェン(シグマ−アルドリッチ製)(一般式(10)の化合物)500mg(1.71mmol)、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(和光純薬工業製)20.4mg(0.029mmol)、ヨウ化銅(I)(和光純薬工業製)13.0mg(0.068mmol)を添加した。この混合物を室温で5日間撹拌した。トルエン及び3M塩酸水溶液を添加し、分相後、有機相を水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。有機相を減圧濃縮し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し(溶媒;ヘキサン:トルエン=30:1〜5:1)、さらにヘプタン:トルエン=5:2の溶媒から再結晶精製を行い、ジブロモジ(ベンゾチエニル)エチンの黄色固体289mgを得た(収率38%)。
1H NMR(CDCl3,22℃):δ=7.87−7.76(m,4H),7.54−7.44(m,4H)。
窒素雰囲気下、100mlシュレンク反応容器に参考例2で合成したジブロモテトラ(ドデシル)ジフェニルエチン(一般式(3)の化合物)85mg(0.085mmol)及びエーテル4mlを添加した。0℃でn−ブチルリチウム(関東化学製、1.61mol/l、ヘキサン溶液)0.21ml(0.34mmol)を滴下し、0℃で30分間撹拌した。0℃でジメチルジスルフィド(和光純薬工業製)32.4mg(0.344mmol)を添加した。0℃で1時間撹拌後、水及びクロロホルムを添加し、分相した。有機相を水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し(溶媒;ヘキサン:クロロホルム=10:1)、ジ(メチルチオ)テトラ(ドデシル)ジフェニルエチンの白色固体60mgを得た(収率75%)。
1H NMR(CDCl3,22℃):δ=7.31(s,2H),6.97(s,2H),2.62−2.51(m,8H),2.51(s,6H),1.62−1.45(m,8H),1.44−1.12(m、72H),0.88(t,J=6.9Hz,12H)。
MS m/z:944(M++1,17%),928(M+−CH3,100),913(M+−2CH3,14)。
窒素雰囲気下、100mlシュレンク反応容器に参考例4で合成したジ(メチルチオ)テトラ(ドデシル)ジフェニルエチン(一般式(2)の化合物)57mg(0.060mmol)、テトラクロロエタン6ml、及びヨウ素307mg(1.21mmol)を添加した。得られた混合物を100℃で3日間撹拌した。室温に冷却後、飽和チオ硫酸ナトリウム水溶液及びジクロロメタンを添加し、分相した。有機相を水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し(溶媒;ヘキサン)、テトラ(ドデシル)ベンゾチエノベンゾチオフェンの白色固体19mgを得た(収率35%)。
1H NMR(CDCl3,22℃):δ=7.65(s,2H),7.59(s,2H),2.71(m,8H),1.65(m,8H),1.26(m,72H),0.88(t,J−7.0Hz,12H)。
参考例4でジブロモテトラ(ドデシル)ジフェニルエチンの代わりに参考例2で合成したジブロモテトラ(ドデシル)アントリルフェニルエチン(一般式(3)の化合物)を用いた以外は実施例11と同様な操作を繰り返して、ジ(メチルチオ)テトラ(ドデシル)アントリルフェニルエチンの黄色固体を得た(収率57%)。
1H NMR(CDCl3,22℃):δ=8.18(s,2H),8.13(s,1H),7.70(s,1H),7.68(s,1H),7.55(s,1H),7.39(s,1H),7.00(s,1H),2.77(t,J=7.6Hz,4H),2.63(s,3H),2.58(t,J=7.6Hz,4H),2.55(s,3H),1.79−1.45(m,8H),1.44−1.12(m,72H),0.88(t,J=6.1Hz,12H)。
窒素雰囲気下、100mlシュレンク反応容器に参考例6で合成したジ(メチルチオ)テトラ(ドデシル)アントリルフェニルエチン(一般式(2)の化合物)105mg(0.101mmol)、テトラクロロエタン8ml、及びヨウ素840mg(3.31mmol)を添加した。得られた混合物を100℃で17時間撹拌した。室温に冷却後、飽和亜硫酸水素ナトリウム水溶液及びクロロホルムを添加し、分相した。有機相を水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し(溶媒;ヘキサン)、テトラ(ドデシル)アントラチエノベンゾチオフェンの橙色固体24mgを得た(収率24%)。
1H NMR(CDCl3,22℃):δ=8.47(s,1H),8.46(s,1H),8.41(s,1H),8.38(s,1H),7.77(s,2H),7.70(s,1H),7.62(s,1H),2.81(t,J=6.5Hz,4H),2.76(t,J=6.5Hz,4H),1.80−1.57(m,8H),1.53−1.08(m,72H),0.88(t,J=6.5Hz,12H)。
1H NMRスペクトルを図1に示した。
実施例11でジブロモテトラ(ドデシル)ジフェニルエチンの代わりに実施例10で合成したジブロモジ(ベンゾチエニル)エチン(一般式(3)の化合物)を用いた以外は実施例11と同様な操作を繰り返して、ジ(メチルチオ)ジ(ベンゾチエニル)エチンの黄色固体を得た(収率83%)。
1H NMR(CDCl3,22℃):δ=7.92−7.86(m,2H),7.72−7.67(m,2H),7.38−7.33(m,4H),2.58(s,6H)。
窒素雰囲気下、100mlシュレンク反応容器に合成例13で合成した2−ブロモ−3−ヨード−6,7−ジ(ペンタデシル)アントラセン(一般式(8)の化合物)502mg(0.625mmol)、ナトリウムチオメトキシド(シグマ−アルドリッチ製)(一般式(11)の化合物)48.3mg(0.687mmol)、及びNMP5mlを添加した。この混合物を40℃で8時間反応させた後、水及びトルエンを添加し、分相した。有機相を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し(溶媒;ヘキサン)、さらにヘキサンから再結晶精製を実施し、2−ブロモ(ヨード)−3−メチルチオ−6,7−ジ(ペンタデシル)アントラセンの黄色固体326mgを得た(収率70%)。
1H NMR(CDCl3,22℃):δ=8.48(s,0.5H),8.17(s,0.5H),8.16(s,0.5H),8.14(s,1H),8.11(s,0.5H),7.70(s,1H),7.69(s,1H),7.55(s,0.5H),7.52(s,0.5H),2.78(t,J=7.8Hz,4H),2.60(s,1.5H),2.58(s,1.5H),1.73−1.62(m,4H),1.53−1.10(m,48H),0.88(t,J=6.6Hz,6H)。
窒素雰囲気下、100mlシュレンク反応容器に実施例16で合成した2−ブロモ(ヨード)−3−メチルチオ−6,7−ジ(ペンタデシル)アントラセン(一般式(6)の化合物)150mg(0.200mmol)及びTHF10mlを添加した。この混合物を−58℃に冷却し、n−ブチルリチウム(関東化学製、1.61mol/l、ヘキサン溶液)0.25ml(0.40mmol)を滴下し、−58℃で8分間撹拌した。そこへDMF47.2mg(0.646mmol)を添加し、−58℃で20分間反応させた後、1M塩酸水溶液を添加し、反応をクエンチした。水及びトルエンを添加し、分相後、有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し(溶媒;ヘキサン:クロロホルム=1:1からクロロホルム)、2−ホルミル−3−メチルチオ−6,7−ジ(ペンタデシル)アントラセンの黄色固体118mgを得た(収率87%)。
1H NMR(CDCl3,22℃):δ=10.34(s,1H),8.46(s,1H),8.41(s,1H),8.19(s,1H),7.76(s,1H),7.73(s,1H),7.66(s,1H),2.80(t,J=7.0Hz,4H),2.61(s,3H),1.79−1.65(m,4H),1.55−1.10(m,48H),0.88(t,J=6.6Hz,6H)。
窒素雰囲気下、100mlシュレンク反応容器に亜鉛粉末39.5mg(0.604mmol)、THF1ml、及び4塩化チタン56.9mg(0.30mmol)の順に添加した。得られた混合物を1.5時間加熱還流した後、室温に冷却し、実施例17で合成した2−ホルミル−3−メチルチオ−6,7−ジ(ペンタデシル)アントラセン(一般式(5)の化合物)135mg(0.200mmol)とTHF5mlからなる溶液を添加した。得られた混合物を4時間加熱還流した後、室温に冷却し、飽和炭酸カリウム水溶液を添加し、1時間撹拌した。得られた反応液をセライト濾過し、濾液を分相し、水相をトルエンで抽出した。合わせた有機相を無水硫酸マグネシウムで乾燥し減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し(溶媒;ヘキサン:クロロホルム=4:1)、さらにヘプタンから再結晶精製し、テトラ(ペンタデシル)ジ(メチルチオ)ジアントリルエチレンの黄色固体26.4mgを得た(収率20%)。
1H NMR(CDCl3,22℃):δ=8.31(s,2H),8.23(s,2H),8.18(s,2H),7.73(s,4H),7.72(s,4H),2.80(t,J=7.7Hz,8H),2.64(s,6H),1.81−1.62(m,8H),1.53−1.12(m,96H),0.88(t,J=6.1Hz,12H)。
窒素雰囲気下、100mlシュレンク反応容器に実施例18で合成したテトラ(ペンタデシル)ジ(メチルチオ)ジアントリルエチレン36.3mg(0.0276mmol)(一般式(4)の化合物)、ヨウ素225mg(0.886mmol)、及びクロロホルム2.5mlを添加した。得られた混合物を加熱還流下で20時間反応を行った。室温に冷却後、飽和亜硫酸水素ナトリウム水溶液で洗浄し、全体を濾過した。フィルター上に残った固体を水、クロロホルムで洗浄し、さらにトルエンから再結晶精製し、テトラ(ペンタデシル)アントラチエノアントラチオフェンの赤色固体6.0mgを得た(収率17%)。
1H NMR(CDCl3,50℃):δ=8.47(s,4H),8.41(s,2H),8.37(s,2H),7.76(s,4H),2.81(t,J=7.8Hz,8H),1.82−1.66(m,8H),1.58−1.10(m,96H),0.88(t,J=6.6Hz,12H)。
1H NMRスペクトルを図2に示した。
1)2,3−ジブロモ−6−オクタデカノイルベンゾチオフェンの合成
窒素雰囲気下、200ml二口ナスにオクタデカノイルクロライド(シグマ−アルドリッチ製)7.50ml(6.75g、22.3mmol)及びジクロロメタン50mlを加えた。−15℃に冷却した後、塩化アルミニウム(和光純薬工業製)2.76g(20.7mmol)を添加した。−15℃で30分間攪拌後、−25℃に冷却し、2,3−ジブロモベンゾチオフェン(シグマ−アルドリッチ製)5.02g(17.1mmol)を添加し、−25℃で3日間反応させた後、水を加えて反応を停止させた。ジクロロメタンを添加後分相し、有機相を水で洗浄した。有機相に飽和炭酸ナトリウム水溶液を添加し、一昼夜撹拌することでオクタデカン酸をナトリウム塩とした。分相し、有機相を減圧濃縮した。得られた残渣をショートシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し(溶媒;ヘプタンからヘプタン:トルエン=3:1)、さらにヘプタンから再結晶精製することで2,3−ジブロモ−6−オクタデカノイルベンゾチオフェンの白色固体3.91gを得た(収率41%)。
1H NMR(CDCl3,23℃):δ=8.33(s,1H),8.00(dd,J=8.5Hz,1.4Hz,1H),7.80(d,J=8.4Hz,1H),3.02(t,J=7.6Hz,2H),1.77(m,2H),1.26(m,28H),0.88(t、J=8.1Hz,3H)。
MS m/z: 558(M+,18%),479(M+−Br+1,8%),334(M+−C16H33+1,100%)。
窒素雰囲気下、100mlシュレンク反応容器に合成例15の1)で合成した2,3−ジブロモ−6−オクタデカノイルベンゾチオフェン2.18g(3.90mmol)及びトリフルオロ酢酸(和光純薬工業製)5mlを添加した。室温でトリエチルシラン(信越化学製)1.5mlを滴下した。得られた混合物を60℃で4時間反応後、減圧濃縮した。残渣を120パスカル、100℃で真空加熱し、低沸分を除去した。残渣に2,3−ジブロモ−6−オクタデシルベンゾチオフェンの白色固体2.11gを得た(収率99%)。
1H NMR(CDCl3,23℃):δ=7.63(d,J=8.1Hz,1H),7.50(d,J=1.1Hz,1H),7.24(dd,J=8.1Hz,1.4Hz,1H),2.71(t,J=8.1Hz,2H),1.65(m,2H),1.25(m,30H),0.88(t、J=8.1Hz,3H)。
窒素雰囲気下、100mlシュレンク反応容器に合成例15で合成した2,3−ジブロモ−6−オクタデシルベンゾチオフェン351mg(0.644mmol)、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(和光純薬工業製)4.2mg(0.0060mmol)、ヨウ化銅(I)(和光純薬工業製)0.8mg(0.0042mmol)、THF4ml、及びトリエチルアミン3mlを添加した。さらに及びトリメチルシリルアセチレン(和光純薬工業製)72.3mg(0.736mmol)を添加した。この混合物を室温で15時間反応を実施した。得られた混合物を氷冷し、3M塩酸水溶液及びトルエンを添加し、分相した。得られた有機相を水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し(溶媒;ヘキサン)、3−ブロモ−2−トリメチルシリルエチニル−6−オクタデシルベンゾチオフェンの白色固体345mgを得た(収率95%)。
1H NMR(CDCl3,23℃):δ=7.66(d,J=8.1Hz,1H),7.52(d,J=1.1Hz,1H),7.27(dd,J=8.1Hz,1.4Hz,1H),2.72(t,J=8.1Hz,2H),1.65(m,2H),1.25(m,30H),0.88(t、J=8.1Hz,3H),0.30(s,9H)。
合成例17 (3−メチルチオ−2−トリメチルシリルエチニル−6−オクタデシルベンゾチオフェンの合成)(一般式(16)の化合物の合成)
窒素雰囲気下、100mlシュレンク反応容器に合成例16で合成した3−ブロモ−2−トリメチルシリルエチニル−6−オクタデシルベンゾチオフェン345mg(0.614mmol)及びTHF7mlを添加した。得られた混合物を−74℃に冷却し、tert−ブチルリチウム(関東化学製、1.46mol/l、ペンタン溶液)0.84ml(1.22mmol)を滴下した。−74℃で20分間攪拌後、ジメチルジスルフィド(シグマ−アルドリッチ製)115mg(1.22mmol)を滴下した。−74℃で1.5時間攪拌後、3M塩酸水溶液を加えて反応をクエンチした。水及びトルエンを添加し、分相後、有機相を水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し(溶媒;ヘキサン)、3−メチルチオ−2−トリメチルシリルエチニル−6−オクタデシルベンゾチオフェンの白色固体278mgを得た(収率86%)。
1H NMR(CDCl3,23℃):δ=7.80(d,J=8.1Hz,1H),7.52(d,J=1.1Hz,1H),7.23(dd,J=8.1Hz,1.4Hz,1H),2.71(t,J=8.1Hz,2H),2.55(s,3H),1.65(m,2H),1.25(m,30H),0.88(t、J=8.1Hz,3H),0.30(s,9H)。
合成例18 (3−ヨード−2−トリメチルシリル(オクタデシル)ベンゾチエノチオフェンの合成)(一般式(15)の化合物の合成)
窒素雰囲気下、100mlシュレンク反応容器に合成例17で合成した3−メチルチオ−2−トリメチルシリルエチニル−6−オクタデシルベンゾチオフェン277mg(0.525mmol)及びジクロロメタン14mlを添加した。得られた混合物にヨウ素146mg(0.577mmol)を添加し、40℃で10時間攪拌した。反応混合物を室温に冷却し、チオ硫酸ナトリウム水溶液を添加後、分相し、有機相を水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧濃縮後、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し(溶媒;ヘキサン)、3−ヨード−2−トリメチルシリル(オクタデシル)ベンゾチエノチオフェンの無色オイル283mgを得た(収率84%)。
1H NMR(CDCl3,23℃):δ=7.68(d,J=8.1Hz,1H),7.63(d,J=1.1Hz,1H),7.23(dd,J=8.1Hz,1.4Hz,1H),2.72(t,J=8.1Hz,2H),1.67(m,2H),1.25(m,30H),0.88(t、J=8.1Hz,3H),0.49(s,9H)。
窒素雰囲気下、100mlシュレンク反応容器に合成例18で合成した3−ヨード−2−トリメチルシリル(オクタデシル)ベンゾチエノチオフェン283mg(0.441mmol)及びジクロロメタン12mlを添加した。得られた混合物を氷冷し、1塩化ヨウ素(シグマ−アルドリッチ製、1.0mol/l、ジクロロメタン溶液)0.49ml(0.49mmol)を添加し、室温で5時間攪拌した。得られた反応混合物を減圧濃縮し、残渣をヘプタンから再結晶精製し、2,3−ジヨード(オクタデシル)ベンゾチエノチオフェンの淡黄色固体288mg(0.415mmol)を得た(収率94%)。
1H NMR(CDCl3,23℃):δ=7.63(brs,1H),7.62(d,J=8.1Hz,1H),7.23(d,J=8.1Hz,1H),2.73(t,J=8.1Hz,2H),1.67(m,2H),1.25(m,30H),0.88(t、J=8.1Hz,3H)。
窒素雰囲気下、100mlシュレンク反応容器に合成例15で合成した2,3−ジブロモ−6−オクタデシルベンゾチオフェン(一般式(10)の化合物)237mg(0.434mmol)及びTHF15mlを添加した。得られた混合物を−72℃に冷却し、イソプロピルマグネシウムブロミド(東京化成工業製、0.78mmol/l、THF溶液)1.1ml(0.86mmol)を添加し、3.5時間かけて−28℃まで昇温させた。再度−72℃に冷却し、塩化亜鉛(シグマ−アルドリッチ製、1.0mmol/l、エーテル溶液)0.9ml(0.9mmol)を添加した。ゆっくりと室温まで昇温させた後、混合物を減圧濃縮した。得られた残渣(一般式(14)の化合物)に、合成例19で合成した2,3−ジヨード(オクタデシル)ベンゾチエノチオフェン(一般式(13)の化合物)200mg(0.288mmol)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(東京化成工業製)16.5mg(0.014mmol)、及びTHF8mlを添加した。この混合物を65℃で5時間反応を実施した。得られた反応混合物を室温に冷却後、3M塩酸水溶液を添加し、反応をクエンチした。ここへトルエンを添加し、分相後、有機相を水で洗浄し、減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し(溶媒;ヘキサン)、ブロモヨードジ(オクタデシル)ベンゾチエノチエニルベンゾチエニルの淡黄色固体151mgを得た(収率51%)。
1H NMR(CDCl3,23℃):δ=7.81(d,J=8.1Hz,1H),7.69(d,J=8.1Hz,1H),7.59(s,1H),7.46(s,1H),7.29(dd,J=8.1Hz,1.4Hz,1H),7.24(dd,J=8.1Hz,1.4Hz,1H),2.74(m,4H),1.65(m,4H),1.25(m,60H),0.88(m,6H)。
窒素雰囲気下、100mlシュレンク反応容器に実施例20で合成したブロモヨードジ(オクタデシル)ベンゾチエノチエニルベンゾチエニル(一般式(7)の化合物)1111mg(0.107mmol)及びエーテル6mlを添加した。得られた混合物を0℃に冷却し、n−ブチルリチウム(関東化学製、1.61mol/l、ペンタン溶液)0.28ml(0.45mmol)を滴下した。0℃で30分間攪拌後、−72℃に冷却し、ビス(フェニルスルホニル)スルフィド(アクロス製)42.8mg(0.136mmol)を投入した。一晩かけて室温まで昇温後、水及びトルエンを添加し、分相した。得られた有機相を水で洗浄後、減圧濃縮した。得られた残渣をヘキサンで洗浄し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し(溶媒;ヘキサン)、ジ(オクタデシル)ジ(ベンゾチエノ)チエノチオフェンを含む黄色固体45mgを得た。
窒素雰囲気下、100mlシュレンク容器にトルエン5.4gを添加し、凍結(液体窒素)−減圧−窒素置換−融解から成るサイクルを3回繰り返すことで溶存酸素を除去した。そこへ実施例19で得られたテトラ(ペンタデシル)ジアントリルチエノチオフェンの赤色固体7.1mgを添加し、60℃に加熱し溶解させ、テトラ(ペンタデシル)ジアントリルチエノチオフェンを含む耐酸化性有機半導体材料を合成した(赤色溶液)。次に、このシュレンク容器の上部の栓を開け、10分間、外気に接触させることで空気を導入(耐酸化性評価)し、さらに60℃で撹拌したが、色の変化は見られなかった。したがって、色の変化が見られなかったことから、耐酸化性に優れるものであった。さらにこの溶液を70℃、1時間、撹拌下で空気と接触させても溶液の色の変化は見られず、耐酸化性に優れるものであった。
窒素雰囲気下、100mlシュレンク容器に実施例19で得られたテトラ(ペンタデシル)ジアントリルチエノチオフェンの赤色固体6.5mgをトルエン15gと混合し、70℃で1時間撹拌し、テトラ(ペンタデシル)ジアントリルチエノチオフェンの赤色溶液を調製した(ヘテロアセンを含む耐酸化性有機半導体材料の合成)。
ペンタセンを用いて耐酸化性を評価した。
「ジャーナル オブ アメリカン ケミカル ソサイエティー」、(米国)、2007年、129巻、2224−2225頁に記載のジナフト[2,3−b:2’,3’−f]チエノ[3,2−b]チオフェン(DNTT)を用いて有機薄膜の作製を評価した。
Claims (17)
- T1及びT2が硫黄原子であることを特徴とする請求項1に記載のヘテロアセン誘導体。
- 請求項3に記載の一般式(2)で示されるジ(アルキルカルコゲノ)ジアリールエチン誘導体をハロゲン誘導体と反応させることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のヘテロアセン誘導体の製造方法。
- 請求項5に記載の一般式(4)で示されるジ(アルキルカルコゲノ)ジアリールエチレン誘導体をハロゲン誘導体と反応させることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のヘテロアセン誘導体の製造方法。
- 請求項4に記載の一般式(3)で示されるジハロジアリールエチン誘導体をメタル化剤を用いてメタル化し、ジアルキルジスルフィド及び/又はジアルキルジセレニドと反応させることを特徴とする請求項3に記載のジ(アルキルカルコゲノ)ジアリールエチン誘導体の製造方法。
- 請求項6に記載の一般式(5)で示されるホルミル(アルキルカルコゲノ)アレーン誘導体を塩化チタンと還元剤から成る反応剤と反応させることを特徴とする請求項5に記載のジ(アルキルカルコゲノ)ジアリールエチレン誘導体の製造方法。
- 下記一般式(8)で示される2,3−ジハロアレーン誘導体とトリアルキルシリルアセチレンをパラジウム及び/又はニッケル触媒存在下で反応させた後、脱トリアルキルシリル処理し、得られた下記一般式(9)で示される2−エチニル−3−ハロアレーン誘導体と下記一般式(10)で示される2,3−ジハロアレーン誘導体をパラジウム及び/又はニッケル触媒存在下で反応させることを特徴とする請求項4に記載のジハロジアリールエチン誘導体の製造方法。
- 請求項12に記載の一般式(8)で示される2,3−ジハロアレーン誘導体とアセチレン又はトリメチルシリルアセチレンをパラジウム及び/又はニッケル触媒存在下で反応させることを特徴とする請求項4に記載のジハロジアリールエチン誘導体の製造方法。
- 請求項12に記載の一般式(8)で示される2,3−ジハロアレーン誘導体と下記一般式(11)で示されるメタルカルコゲノアルコキシドを反応させることを特徴とする請求項7に記載のハロ(アルキルカルコゲノ)アレーン誘導体の製造方法。
R11T1M1 (11)
(ここで、M1はアルカリ金属を示し、置換基R11及びT1は請求項7に記載の一般式(6)で示される置換基と同意義を示す。) - 請求項1又は請求項2に記載のヘテロアセン誘導体を含むことを特徴とする耐酸化性有機半導体材料。
- 請求項15に記載の耐酸化性有機半導体材料を用いることを特徴とする有機薄膜。
- 有機薄膜が基板上に形成されることを特徴とする請求項16に記載の有機薄膜。
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