JP5481850B2 - ヘテロアセン誘導体、その前駆化合物及びそれらの製造方法 - Google Patents

ヘテロアセン誘導体、その前駆化合物及びそれらの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、有機半導体等の電子材料への展開が可能なヘテロアセン誘導体、その用途及びその製造方法に関する。さらに本発明は、該ヘテロアセン誘導体の前駆化合物であるジ(アルキルカルコゲノ)ジアリールエチン誘導体及びジ(アルキルカルコゲノ)ジアリールエチレン誘導体並びにそれらの製造方法に関する。
有機薄膜トランジスタに代表される有機半導体デバイスは、省エネルギー、低コスト及びフレキシブルといった無機半導体デバイスにはない特徴を有することから近年注目されるようになった。この有機半導体デバイスは有機半導体活性相、基板、絶縁相、電極等数種類の材料から構成されるが、中でも電荷のキャリアー移動を担う有機半導体活性相は該デバイスの中心的な役割を有している。この有機半導体活性相を構成する有機材料のキャリアー移動能により有機半導体デバイス性能が左右される。
有機半導体活性相を作製する方法としては一般的に、高温真空下、有機材料を気化させて実施する真空蒸着法及び有機材料を適当な溶媒に溶解させその溶液を塗布する塗布法が知られている。塗布法においては、塗布は高温高真空条件を用いることなく印刷技術を用いても実施することができる。そのため、塗布法は印刷によりデバイス作製の大幅な製造コストの削減を図ることができることから、経済的に好ましいプロセスである。しかし、従来、有機半導体デバイスとして性能が高い材料ほど塗布法で有機半導体活性相を形成することが困難になるという問題があった。
例えば、ペンタセン等の結晶性材料はアモルファスシリコン並みの高いキャリアー移動度を有し、優れた有機半導体デバイス特性を発現することが報告されている(例えば、非特許文献1参照)。又、ペンタセン等のポリアセンを溶解させ塗布法で有機半導体デバイスを製造する試みも報告されている(例えば、特許文献1参照)。しかしながら、ペンタセンはその強い凝集性のため溶解性が低く、塗布法を適用するためには高温加熱等の条件が必要とされ、さらにペンタセンの溶液は極めて容易に空気酸化されることから、塗布法の適用はプロセス的、経済的に困難を伴うものであった。また、ポリ−(3−ヘキシルチオフェン)等の自己組織化材料は溶媒に可溶であり、塗布法による有機半導体デバイス作製が報告されてはいるが、キャリアー移動度が結晶性低分子化合物より1桁低いことから(例えば、非特許文献2参照)、得られた有機半導体デバイスの特性が低いという問題があった。
またジナフト環とチエノチオフェン環が縮環したヘテロアセンが報告されているが、分子長軸が短いことと溶解性が低いという問題があった(例えば、非特許文献3参照)。
WO2003/016599号 「ジャーナル オブ アプライドフィジックス」、(米国)、2002年、92巻、5259−5263頁 「サイエンス」、(米国)、1998年、280巻、1741−1744頁 「ジャーナル オブ アメリカン ケミカル ソサイエティー」、(米国)、2007年、129巻、2224−2225頁
そこで、本発明は上記の従来技術が有する問題点に鑑み、優れた耐酸化性を有し、塗布法による有機半導体活性相形成が可能な、ヘテロアセン誘導体及びそれを用いた耐酸化性有機半導体材料並びに有機薄膜を提供することを目的とする。さらに、本発明は該ヘテロアセン誘導体の前駆体として有用なジ(アルキルカルコゲノ)ジアリールエチン誘導体及びジ(アルキルカルコゲノ)ジアリールエチレン誘導体並びにそれらの製造方法を提供することをも目的とする。
本発明者らは上記課題を解決するため鋭意検討の結果、本発明の新規なヘテロアセン誘導体を見出した。加えて、該ヘテロアセン誘導体は分子長軸が長いことから性能に優れると同時に耐酸化性にも優れ、さらに塗布法の適用が可能であること、及び結晶性の薄膜を容易に安定して作製することができることから、該ヘテロアセン誘導体を含む耐酸化性有機半導体材料及びその有機薄膜を見出し、本発明を完成するに到った。
さらに本発明者らは、該ヘテロアセン誘導体を効率的に製造することができる新規な前駆化合物、即ち特定のジ(アルキルカルコゲノ)ジアリールエチン誘導体及びジ(アルキルカルコゲノ)ジアリールエチレン誘導体を見出し、且つ係るジ(アルキルカルコゲノ)ジアリールエチン誘導体及びジ(アルキルカルコゲノ)ジアリールエチレン誘導体を効率的に製造する方法を見出し本発明を完成するに到った。
以下に本発明を詳細に説明する。説明はヘテロアセン誘導体及びその製造方法、該ヘテロアセン誘導体の前駆体であるジ(アルキルカルコゲノ)ジアリールエチン誘導体及びジ(アルキルカルコゲノ)ジアリールエチレン誘導体及びそれらの製造方法、並びに該ヘテロアセン誘導体を含む耐酸化性有機半導体材料及びその有機薄膜について述べる。
(ヘテロアセン誘導体)
本発明のヘテロアセン誘導体は下記一般式(1)で示される。
Figure 0005481850
[(ここで、T及びTは同一又は異なって、硫黄原子、セレン原子、テルル原子を示し、環A及びBは同一又は異なって、下記一般式(A−1)、(A−2)、又は(A−3)で示される構造を有する。)
Figure 0005481850
Figure 0005481850
Figure 0005481850
(ここで、置換基R〜Rは同一又は異なって、水素原子、フッ素原子、炭素数1〜30のアルキル基、炭素数4〜30のアリール基、炭素数2〜30のアルケニル基、炭素数2〜30のアルキニル基を示し、nは0又は1の整数である。ただし、nが0の場合、置換基R〜Rは同時に水素の場合を除く。)
本発明の一般式(1)で示されるヘテロアセン誘導体の置換基について述べる。
置換基R〜Rにおける炭素数1〜30のアルキル基は、特に限定はなく、例えばメチル基、プロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、2−エチルヘキシル基等の鎖状アルキル基;シクロオクチル基等の環状アルキル基;トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基、パーフルオロオクチル基、パーフルオロドデシル基、パーフルオロオクタデシル基、パーフルオロシクロヘキシル基、パーフルオロシクロオクチル基等のパーフルオロアルキル基;ペンタデカフルオロオクチル基、オクタデカフルオロデシル基、2−エチルパーフルオロヘキシル基等の一部の水素がフッ素に置換されたハロゲン化アルキル基を挙げることができ、好ましくは炭素数6〜30のアルキル基であり、より好ましくはドデシル基、オクタデシル基、パーフルオロドデシル基、パーフルオロオクタデシル基であり、特に好ましくはドデシル基、パーフルオロドデシル基である。
置換基R〜Rにおける炭素数4〜30のアリール基は、特に限定はなく、例えばフェニル基、p−トリル基、p−(オクチル)フェニル基、p−(ドデシル)フェニル基、p−(シクロヘキシル)フェニル基、m−(オクチル)フェニル基、m−(ドデシル)フェニル基、p−フルオロフェニル基、ペンタフルオロフェニル基、p−(トリフルオロメチル)フェニル基、p−(パーフルオロオクチル)フェニル基、p−(パーフルオロドデシル)フェニル基、m−(パーフルオロドデシル)フェニル基、2−チエニル基、5−(ドデシル)−2−チエニル基、2,2’−ビチエニル−5−基、ビフェニル基、パーフルオロビフェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、1−パーフルオロナフチル基、アントラセニル基等を挙げることができ、好ましくはフェニル基、p−(オクチル)フェニル基、p−(パーフルオロオクチル)フェニル基、5−(ドデシル)−2−チエニル基等であり、特に好ましくはフェニル基である。
置換基R〜Rにおける、炭素数2〜30のアルケニル基は、特に限定はなく、例えばエテニル基、メチルエテニル基、イソプロピルエテニル基、tert−ブチルエテニル基、(オクチル)エテニル基、(デシル)エテニル基、(ドデシル)エテニル基、(トリフルオロメチル)エテニル基、(パーフルオロオクチル)エテニル基、(パーフルオロデシル)エテニル基、(パーフルオロドデシル)エテニル基、フェニルエテニル基、{p−(ヘキシル)フェニル}エテニル基、{p−(オクチル)フェニル}エテニル基、{p−(ドデシル)フェニル}エテニル基、{m−(ドデシル)フェニル}エテニル基、2−フェニル−1,2−ジフルオロエテニル基、2−フェニル−1,2−ジメチルエテニル基、ジフェニルエテニル基、トリフェニルエテニル基、ナフチルエテニル基、アントラセニルエテニル基、ベンジルエテニル基、フェニル(メチル)エテニル基、(パーフルオロフェニル)エテニル基、{p−(トリフルオロメチル)フェニル}エテニル基、{5−(ヘキシル)チエニル−2−}エテニル基、{5−(パーフルオロヘキシル)チエニル−2−}エテニル基等を挙げることができ、好ましくは(オクチル)エテニル基、(デシル)エテニル基、(パーフルオロオクチル)エテニル基、(パーフルオロデシル)エテニル基等である。なお、該炭素数2〜30のアルケニル基はトランス体及びシス体の何れであってもよく、またそれらの任意の割合の混合物であってもよい。
置換基R〜Rにおける、炭素数2〜30のアルキニル基は、特に限定はなく、例えばエチニル基、メチルエチニル基、イソプロピルエチニル基、tert−ブチルエチニル基、(オクチル)エチニル基、(デシル)エチニル基、(トリフルオロメチル)エチニル基、(パーフルオロオクチル)エチニル基、(パーフルオロデシル)エチニル基、フェニルエチニル基、{p−(オクチル)フェニル}エチニル基、{p−(ドデシル)フェニル}エチニル基、{m−(ドデシル)フェニル}エチニル基、ナフチルエチニル基、アントラセニルエチニル基、ベンジルエチニル基、パーフルオロフェニルエチニル基、{p−(トリフルオロメチル)フェニル}エチニル基、{p−(パーフルオロオクチル)フェニル}エチニル基、{p−(パーフルオロドデシル)フェニル}エチニル基、{m−(パーフルオロドデシル)フェニル}エチニル基、5−(ヘキシル)チエニル−2−}エチニル基、{5−(パーフルオロヘキシル)チエニル−2−}エチニル基等を挙げることができ、好ましくは(オクチル)エチニル基、(デシル)エチニル基、(パーフルオロオクチル)エチニル基、(パーフルオロデシル)エチニル基等である。
これらの置換基R〜Rの中でも、特に水素原子、フッ素原子、炭素数7〜30のアルキル基、炭素数2〜30のアルキニル基が好ましく、さらに水素原子、フッ素原子、ドデシル基、オクタデシル基、パーフルオロドデシル基、パーフルオロオクタデシル基、(デシル)エチニル基、(パーフルオロデシル)エチニル基等が好ましい。
置換基T及びTは、硫黄原子、セレン原子、テルル原子であり、その中でも好ましくは硫黄原子である。
一般式(1)における(A−1)中のnは0又は1の整数であり、その中でも好ましくは1である。
本発明の一般式(1)で示されるヘテロアセン誘導体の置換基R〜Rの置換様式として、R及びRが、同一又は異なって、フッ素原子、炭素数1〜30のアルキル基、炭素数4〜30のアリール基、炭素数2〜30のアルケニル基、及び炭素数2〜30のアルキニル基からなる群から選ばれる少なくとも一種以上の基であり、且つR及びRが、同一又は異なって、水素原子及びフッ素原子からなる群から選ばれる少なくとも一種以上の基であることが好ましい。また、置換基Rは炭素数1〜30のアルキル基、炭素数4〜30のアリール基、炭素数2〜30のアルケニル基、及び炭素数2〜30のアルキニル基からなる群から選ばれる基であり、且つRが、水素原子及び炭素数7〜30のアルキル基、からなる群から選ばれる少なくとも一種以上の基であることが好ましい。さらに、置換基R及びRは、同一又は異なって、水素原子、フッ素原子、炭素数7〜30のアルキル基、炭素数4〜30のアリール基、炭素数2〜30のアルケニル基からなる群から選ばれる少なくとも一種以上の基であることが好ましい。
本発明の一般式(1)で示されるヘテロアセン誘導体の環A及びBについて述べる。環A及びBは同一又は異なって、一般式(A−1)、(A−2)、又は(A−3)で示される構造を有し、その中でも一般式(A−1)、(A−2)で示される構造が好ましい。特に、環A及びBが同時に一般式(A−1)又は(A−2)で示される構造であることが好ましい。さらに環A及びBは、一般式(A−1)でnが1である構造が特に好ましい。また、環A及びBの一方が、一般式(A−3)で示される構造である場合、もう一方は、(A−1)で示される環であることが好ましい。また、環A及びBが一般式(A−2)の構造の場合、一般式(1)で示されるヘテロアセン誘導体の構造としては、下記一般式(12)で示されるものであることが好ましい。
Figure 0005481850
(ここで、置換基T、T、R、及びRは、一般式(1)で示される置換基と同意義を示す。)
これらの中でも本発明の一般式(1)で示されるヘテロアセン誘導体は、該ヘテロアセン誘導体及び該ヘテロアセン誘導体を含む耐酸化性有機半導体材料及びその有機薄膜が、高い耐酸化性及びキャリアー移動度を発現することから、以下の化合物が好ましく、
Figure 0005481850
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特に好ましくは
Figure 0005481850
Figure 0005481850
である。
(ジ(アルキルカルコゲノ)ジアリールエチン誘導体)
次に、本発明の一般式(1)で示されるヘテロアセン誘導体の前駆化合物であるジ(アルキルカルコゲノ)ジアリールエチン誘導体について述べる。
本発明の一般式(1)で示されるヘテロアセン誘導体の前駆化合物であるジ(アルキルカルコゲノ)ジアリールエチン誘導体は下記一般式(2)で示される。
Figure 0005481850
(ここで、置換基R及びR10は炭素数1〜8のアルキル基を示し、置換基T及びT並びに環A及びBは一般式(1)で示される置換基並びに環と同意義を示す。)
置換基R及びR10における炭素数1〜8のアルキル基は、特に限定はなく、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ベンジル基を挙げることができ、好ましくはメチル基、ベンジル基であり、より好ましくはメチル基である。
一般式(2)で示されるジ(アルキルカルコゲノ)ジアリールエチン誘導体の環A及びBについて述べる。環A及びBは一般式(A−1)、(A−2)、又は(A−3)で示される構造を有し、その中でも一般式(A−1)又は(A−3)で示される構造が好ましい。さらに環A及びBは、一般式(A−1)でnが1である構造が特に好ましい。
本発明の一般式(2)で示されるジ(アルキルカルコゲノ)ジアリールエチン誘導体としては、以下の化合物が好ましく、
Figure 0005481850
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特に好ましくは
Figure 0005481850
である。
(ジハロジアリールエチン誘導体)
次に、本発明の一般式(2)で示されるジ(アルキルカルコゲノ)ジアリールエチン誘導体の原料化合物であるジハロジアリールエチン誘導体について述べる。
本発明の一般式(2)で示されるジ(アルキルカルコゲノ)ジアリールエチン誘導体の原料化合物であるジハロジアリールエチン誘導体は下記一般式(3)で示される。
Figure 0005481850
(ここで、置換基X及びXは臭素原子、ヨウ素原子、塩素原子を示し、環A及びBは一般式(2)で示される環と同意義を示す。)
置換基X及びXは臭素原子、ヨウ素原子、塩素原子を示し、好ましくは臭素原子、ヨウ素原子であり、特に好ましくはいずれも臭素原子である。
一般式(3)で示されるジハロジアリールエチン誘導体の環A及びBについて述べる。環A及びBは一般式(A−1)、(A−2)、又は(A−3)で示される構造を有し、その中でも一般式(A−1)又は(A−3)で示される構造が好ましい。
本発明の一般式(3)で示されるジハロジアリールエチン誘導体としては、以下の化合物が好ましく、
Figure 0005481850
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Figure 0005481850
特に好ましくは
Figure 0005481850
Figure 0005481850
である。
(ジ(アルキルカルコゲノ)ジアリールエチレン誘導体)
次に、本発明の一般式(1)で示されるヘテロアセン誘導体の前駆化合物であるジ(アルキルカルコゲノ)ジアリールエチレン誘導体について述べる。
本発明の一般式(1)で示されるヘテロアセン誘導体の前駆化合物であるジ(アルキルカルコゲノ)ジアリールエチレン誘導体は下記一般式(4)で示される。
Figure 0005481850
(ここで、置換基R11及びR12は炭素数1〜8のアルキル基を示し、置換基T及びT並びに環A及びBは一般式(1)で示される置換基並びに環と同意義を示す。)
置換基R11及びR12における炭素数1〜8のアルキル基は、特に限定はなく、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ベンジル基を挙げることができ、好ましくはメチル基、ベンジル基であり、より好ましくはメチル基である。
一般式(4)で示されるジ(アルキルカルコゲノ)ジアリールエチレン誘導体の環A及びBについて述べる。環A及びBは一般式(A−1)、(A−2)、又は(A−3)で示される構造を有し、その中でも一般式(A−1)で示される構造が好ましい。さらに環A及びBは、一般式(A−1)でnが1である構造が特に好ましい。
なお、一般式(4)で示されるジ(アルキルカルコゲノ)ジアリールエチレン誘導体は好ましくはトランス体であるが、トランス体及びシス体の何れであってもよく、またそれらの任意の割合の混合物であってもよい。
本発明の一般式(4)で示されるジ(アルキルカルコゲノ)ジアリールエチレン誘導体としては、以下の化合物が好ましく、
Figure 0005481850
Figure 0005481850
Figure 0005481850
Figure 0005481850
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Figure 0005481850
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Figure 0005481850
Figure 0005481850
特に好ましくは
Figure 0005481850
である。
(ホルミル(アルキルカルコゲノ)アレーン誘導体)
次に、本発明の一般式(4)で示されるジ(アルキルカルコゲノ)ジアリールエチレン誘導体の原料化合物であるホルミル(アルキルカルコゲノ)アレーン誘導体について述べる。
本発明の一般式(4)で示されるジ(アルキルカルコゲノ)ジアリールエチレン誘導体の原料化合物であるホルミル(アルキルカルコゲノ)アレーン誘導体は下記一般式(5)で示される。
Figure 0005481850
(ここで、置換基R11及びT並びに環Aは一般式(4)で示される置換基並びに環と同意義を示す。)
一般式(5)で示されるホルミル(アルキルカルコゲノ)アレーン誘導体の環Aについて述べる。環Aは一般式(A−1)、(A−2)、又は(A−3)で示される構造を有し、その中でも一般式(A−1)で示される構造が好ましい。さらに環Aは、一般式(A−1)でnが1である構造が特に好ましい。
本発明の一般式(5)で示されるホルミル(アルキルカルコゲノ)アレーン誘導体としては、以下の化合物が好ましい。
Figure 0005481850
Figure 0005481850
Figure 0005481850
(ハロ(アルキルカルコゲノ)アレーン誘導体)
次に、本発明の一般式(5)で示されるホルミル(アルキルカルコゲノ)アレーン誘導体の原料化合物であるハロ(アルキルカルコゲノ)アレーン誘導体について述べる。
本発明の一般式(5)で示されるホルミル(アルキルカルコゲノ)アレーン誘導体の原料化合物であるハロ(アルキルカルコゲノ)アレーン誘導体は下記一般式(6)で示される。
Figure 0005481850
(ここで、置換基Xは臭素原子、ヨウ素原子、塩素原子を示し、置換基R11及びT並びに環Aは一般式(5)で示される置換基並びに環と同意義を示す。)
置換基Xは臭素原子、ヨウ素原子、塩素原子を示し、好ましくは臭素、ヨウ素であり、また一般式(6)で示されるハロ(アルキルカルコゲノ)アレーン誘導体は、そのXが臭素及びヨウ素の任意の割合の混合物であってもよい。
一般式(6)で示されるハロ(アルキルカルコゲノ)アレーン誘導体の環Aについて述べる。環Aは一般式(A−1)、(A−2)、又は(A−3)で示される構造を有し、その中でも一般式(A−1)で示される構造が好ましい。さらに環Aは、一般式(A−1)でnが1である構造が特に好ましい。
本発明の一般式(6)で示されるハロ(アルキルカルコゲノ)アレーン誘導体としては、以下の化合物が好ましい。
Figure 0005481850
Figure 0005481850
Figure 0005481850
(ジハロカルコゲノフェニルアリール誘導体)
次に、本発明の一般式(1)で示されるヘテロアセン誘導体の前駆化合物であるジハロカルコゲノフェニルアリール誘導体について述べる。
本発明の一般式(1)で示されるヘテロアセン誘導体の前駆化合物であるジハロカルコゲノフェニルアリール誘導体は下記一般式(7)で示される。
Figure 0005481850
(ここで、置換基X及びXは臭素原子、ヨウ素原子、塩素原子を示し、置換基T並びに環A及びBは一般式(1)で示される置換基並びに環と同意義を示す。)
置換基Xは臭素原子、ヨウ素原子、塩素原子を示し、好ましくは臭素原子、ヨウ素原子であり、特に好ましくは臭素原子である。置換基Xは臭素原子、ヨウ素原子、塩素原子を示し、好ましくは臭素原子、ヨウ素原子であり、特に好ましくはヨウ素原子である。
一般式(7)で示されるジハロカルコゲノフェニルアリール誘導体の環A及びBについて述べる。環A及びBは一般式(A−1)、(A−2)、又は(A−3)で示される構造を有し、その中でも一般式(A−2)で示される構造が好ましい。
本発明の一般式(7)で示されるジハロカルコゲノフェニルアリール誘導体としては、以下の化合物が好ましく、
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特に好ましくは
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である。
(ヘテロアセン誘導体の製造方法)
本発明の一般式(1)で示されるヘテロアセン誘導体の製造方法について述べる。
本発明の一般式(1)で示されるヘテロアセン誘導体は、一般式(2)で示されるジ(アルキルカルコゲノ)ジアリールエチン誘導体をハロゲン誘導体と反応させることにより製造することができる。
該ハロゲン誘導体は不飽和結合をハロゲン化できるものであれば特に限定はなく、例えばヨウ素、臭素、塩素、N−ヨードスクシンイミド(以下、NISと略す)、N−ブロモスクシンイミド(以下、NBSと略す)、N−クロロスクシンイミド(以下、NCSと略す)等を挙げることができ、好ましくはヨウ素、臭素であり、特に好ましくはヨウ素である。該ハロゲン誘導体の使用量は一般式(2)で示されるジ(アルキルカルコゲノ)ジアリールエチン誘導体1当量に対し、0.9〜30当量が好ましく、さらに好ましくは1.5〜20当量、特に好ましくは2〜15当量である。
該ハロゲン誘導体との反応は、好ましくは溶媒中で実施する。用いる溶媒は特に限定はなく、例えばジクロロメタン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン、1,1,2,2−テトラクロロエタン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、テトラヒドロフラン(以下、THFと略す)、ジエチルエーテル(以下、エーテルと略す)、メチル−tert−ブチルエーテル、エチル−tert−ブチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、ジオキサン、トルエン、ヘキサン、シクロヘキサン等であり、特に好ましくは、ジクロロメタン、クロロホルムである。又、これら溶剤は1種若しくは2種以上の混合物を用いても良い。該反応の温度は20〜150℃で行うことが好ましく、特に好ましくは30〜70℃である。反応時間は1〜24時間が好ましく、特に好ましくは2〜12時間である。なお、該反応の進行は、薄層クロマトグラフィーあるいはガスクロマトグラフィーで分析することで監視することができる。
本発明の一般式(1)で示されるヘテロアセン誘導体の別の製造方法について述べる。
本発明の一般式(1)で示されるヘテロアセン誘導体は、一般式(4)で示されるジ(アルキルカルコゲノ)ジアリールエチレン誘導体をハロゲン誘導体と反応させることにより製造することができる。
該ハロゲン誘導体は不飽和結合をハロゲン化できるものであれば特に限定はなく、例えばヨウ素、臭素、塩素、NIS、NBS、NCS等を挙げることができ、好ましくはヨウ素、臭素であり、特に好ましくはヨウ素である。該ハロゲン誘導体の使用量は一般式(4)で示されるジ(アルキルカルコゲノ)ジアリールエチレン誘導体1当量に対し、0.9〜30当量が好ましく、さらに好ましくは1.5〜20当量、特に好ましくは2〜15当量である。
該ハロゲン誘導体との反応は、好ましくは溶媒中で実施する。用いる溶媒は特に限定はなく、例えばジクロロメタン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン、1,1,2,2−テトラクロロエタン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、THF、エーテル、メチル−tert−ブチルエーテル、エチル−tert−ブチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、ジオキサン、トルエン、ヘキサン、シクロヘキサン等であり、特に好ましくは、ジクロロメタン、クロロホルムである。又、これら溶剤は1種若しくは2種以上の混合物を用いても良い。該反応の温度は20〜150℃で行うことが好ましく、特に好ましくは30〜70℃である。反応時間は1〜24時間が好ましく、特に好ましくは2〜12時間である。なお、該反応の進行は、薄層クロマトグラフィーあるいはガスクロマトグラフィーで分析することで監視することができる。
本発明の一般式(1)で示されるヘテロアセン誘導体のもう一つ別の製造方法について述べる。
本発明の一般式(1)で示されるヘテロアセン誘導体は、一般式(7)で示されるジハロカルコゲノフェニルアリール誘導体をメタル化剤を用いてメタル化し、ビス(フェニルスルホニル)スルフィド、2塩化硫黄、硫黄、あるいはセレンと反応させることにより製造することができる。
なお、ここでメタル化とは、一般式(7)におけるX及びXの両方あるいはいずれか一方のみをメタルに置換することを意味する。
一般式(7)で示されるジハロカルコゲノフェニルアリール誘導体をメタル化する場合、用いるメタル化剤は、一般式(7)におけるX及び/又はXをメタルに置換することができるものである限り特に限定はなく、例えばn−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウム、tert−ブチルリチウム、メチルリチウム、ヘキシルリチウム等のアルキルリチウム;フェニルリチウム、p−tert−ブチルフェニルリチウム、p−メトキシフェニルリチウム、p−フルオロフェニルリチウム等のアリールリチウム;リチウムジイソプロピルアミド、リチウムヘキサメチルジシラジド等のリチウムアミド;リチウムパウダー等のリチウム金属;メチルマグネシウムブロミド、エチルマグネシウムブロミド、イソプロピルマグネシウムブロミド、イソプロピルマグネシウムクロリド、tert−ブチルマグネシウムクロリド、シクロヘキシルマグネシウムブロミド等のアルキルグリニャール試薬;マグネシウム金属;亜鉛金属等を挙げることができ、好ましくはアルキルリチウム、アルキルグリニャール試薬であり、特に好ましくはn−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウム、tert−ブチルリチウム、イソプロピルマグネシウムブロミド、シクロヘキシルマグネシウムブロミドである。一般式(7)におけるX及びXの両方をメタルに置換する場合は、好ましくはアルキルリチウムを用いて実施することができ、一般式(7)におけるX及びXのいずれか一方のみをメタルに置換する場合は、好ましくはアルキルグリニャール試薬を用いて実施することができる。
該メタル化剤の使用量は一般式(7)で示されるジハロカルコゲノフェニルアリール誘導体1当量に対し、0.9〜4.0当量が好ましく、さらに好ましくは1.1〜3.0当量、特に好ましくは1.1〜2.5当量である。また、一般式(7)におけるX及びXの両方をメタルに置換する場合のメタル化剤の使用量は、一般式(7)で示されるジハロカルコゲノフェニルアリール誘導体1当量に対し、1.9〜4.0当量が好ましく、さらに好ましくは2.0〜3.0当量であり、一般式(7)におけるX及びXのいずれか一方のみをメタルに置換する場合のメタル化剤の使用量は、一般式(7)で示されるジハロカルコゲノフェニルアリール誘導体1当量に対し、0.9〜2.0当量が好ましく、さらに好ましくは1.0〜1.6当量である。
該メタル化は、好ましくは溶媒中で実施する。用いる溶媒は特に限定はなく、例えばTHF、エーテル、メチル−tert−ブチルエーテル、エチル−tert−ブチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、ジオキサン、トルエン、ヘキサン、シクロヘキサン等であり、特に好ましくはTHF、エーテルである。又、これら溶媒は1種若しくは2種以上の混合物を用いても良い。該メタル化の温度は−90〜60℃で行うことが好ましく、特に好ましくは−80〜30℃である。反応時間は1〜240分が好ましく、特に好ましくは10〜120分である。なお、メタル化の進行は、反応液の一部を取り出し、水で反応を停止させた後、薄層クロマトグラフィーあるいはガスクロマトグラフィーで分析することで監視することができる。
該メタル化は、一般式(7)で示されるジハロカルコゲノフェニルアリール誘導体に、メタル化剤を添加しても良いし、メタル化剤に一般式(7)で示されるジハロカルコゲノフェニルアリール誘導体を添加するいずれの方法を用いても実施することができる。
該メタル化により生成したメタル塩は、次いでカルコゲン反応剤であるビス(フェニルスルホニル)スルフィド、2塩化硫黄、硫黄、あるいはセレン、テルルと反応させることにより、一般式(1)で示されるヘテロアセン誘導体が得られるものである。係るカルコゲン反応剤との反応は、前記メタル化により生成したメタル塩を含む反応混合物に前記カルコゲン反応剤を添加する方法;生成したメタル塩を含む反応混合物を前記カルコゲン反応剤に添加する方法のいずれを用いてもよい。
なお、一般式(7)で示されるジハロカルコゲノフェニルアリール誘導体におけるX及びXの両方をメタルに置換した場合、用いるカルコゲン反応剤は好ましくはビス(フェニルスルホニル)スルフィド、2塩化硫黄であり、一般式(7)におけるX及びXのいずれか一方をメタルに置換した場合、用いるカルコゲン反応剤は好ましくは硫黄、セレンである。
メタル化により生成したメタル塩とカルコゲン反応剤と反応させる際には、好ましくは溶媒中で実施する。用いる溶媒は特に限定はなく、例えばTHF、エーテル、メチル−tert−ブチルエーテル、エチル−tert−ブチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、ジグライム、ジオキサン、トルエン、ヘキサン、シクロヘキサン等であり、好ましくはTHF、エーテルである。用いるカルコゲン反応剤の量は、一般式(7)で示されるジハロカルコゲノフェニルアリール誘導体1当量に対し、0.8〜1.4当量が好ましく、特に好ましくは0.9〜1.2当量である。該反応剤との反応温度は−90〜50℃が好ましく、特に好ましくは−80〜30℃であり、反応時間は0.5〜30時間が好ましく、特に好ましくは1〜18時間である。
一般式(7)で示されるジハロカルコゲノフェニルアリール誘導体におけるX及びXのいずれか一方のみをメタルに置換する場合は、前記カルコゲン反応剤との反応後、一般式(1)で示されるヘテロアセン誘導体へと変換するために、さらに加熱することが好ましい。
該加熱は、好ましくは溶媒中で実施する。用いる溶媒は特に限定はなく、例えばN−メチルピロリドン(以下、NMPと略す)、N,N−ジメチルホルムアミド(以下、DMFと略す)、ジメチルスルホキシド、水、エタノール、THF、エチレングリコールジメチルエーテル、ジグライム、ジオキサン、トルエン等であり、好ましくはTHF、エーテルである。又、これら溶媒は1種若しくは2種以上の混合物を用いても良い。該加熱の反応温度は60〜200℃が好ましく、特に好ましくは80〜180℃であり、反応時間は1〜20時間が好ましく、特に好ましくは2〜15時間である。
なお、該加熱では反応系中に塩基を存在させることもできる。この場合の塩基の種類としては特に限定はなく、例えば炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム、りん酸カリウム、りん酸ナトリウム、ナトリウムtert−ブトキサイド、カリウムtert−ブトキサイド、フッ化カリウム等の無機塩基;1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]−5−ノネン、トリエチルアミン、トリメチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、エチレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン、ジイソプロピルアミン、ピリジン等の有機塩基を好適なものとして挙げることができる。これらの塩基の使用量は一般式(7)で示されるジハロカルコゲノフェニルアリール誘導体1当量に対し、1.0〜10.0当量が好ましく、特に好ましくは1.5〜4.0当量である。
本発明の一般式(1)で示されるヘテロアセン誘導体の製造は、好ましくは窒素又はアルゴン等の不活性雰囲気下で実施する。
また、一般式(1)で示されるヘテロアセン誘導体の製造方法は、例えば、「ジャーナル オブ ヘテロサイクリック ケミストリィー」、1998年、35巻、725−726頁に記載の2,2’−ジブロモジフェニルアセチレン(本発明の一般式(3)で示されるジハロジアリールエチン誘導体に相当)をtert−ブチルリチウムでリチオ化し、硫黄あるいはセレンと反応させる方法で実施することもできる。
かくして得られた、本発明の一般式(1)で示されるヘテロアセン誘導体は、さらに精製することができる。精製する方法は特に限定はなく、例えばカラムクロマトグラフィー、再結晶化、あるいは昇華による方法を挙げることができる。
(ジ(アルキルカルコゲノ)ジアリールエチン誘導体の製造方法)
次に、本発明の一般式(1)で示されるヘテロアセン誘導体の前駆化合物である一般式(2)で示されるジ(アルキルカルコゲノ)ジアリールエチン誘導体の製造方法について述べる。
本発明の一般式(2)で示されるジ(アルキルカルコゲノ)ジアリールエチン誘導体は一般式(3)で示されるジハロジアリールエチン誘導体をメタル化剤を用いてメタル化し、ジアルキルジスルフィド及び/又はジアルキルジセレニドと反応させることで製造することができる。
なお、ここでメタル化とは、一般式(3)におけるX及びXをそれぞれメタルに置換することを意味する。
一般式(3)で示されるジハロジアリールエチン誘導体をメタル化する場合、用いるメタル化剤は、一般式(3)におけるX及びXをメタルに置換することができるものである限り特に限定はなく、例えばn−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウム、tert−ブチルリチウム、メチルリチウム、ヘキシルリチウム等のアルキルリチウム;フェニルリチウム、p−tert−ブチルフェニルリチウム、p−メトキシフェニルリチウム、p−フルオロフェニルリチウム等のアリールリチウム;リチウムジイソプロピルアミド、リチウムヘキサメチルジシラジド等のリチウムアミド;リチウムパウダー等のリチウム金属;メチルマグネシウムブロミド、エチルマグネシウムブロミド、イソプロピルマグネシウムブロミド、イソプロピルマグネシウムクロリド、tert−ブチルマグネシウムクロリド、シクロヘキシルマグネシウムブロミド等のアルキルグリニャール試薬;マグネシウム金属;亜鉛金属等を挙げることができ、好ましくはアルキルリチウム、アルキルグリニャール試薬であり、特に好ましくはn−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウム、tert−ブチルリチウムである。
該メタル化剤の使用量は一般式(3)で示されるジハロジアリールエチン誘導体1当量に対し、1.5〜5.0当量が好ましく、さらに好ましくは2.0〜4.5当量、特に好ましくは2.2〜4.2当量である。
該メタル化は、好ましくは溶媒中で実施する。用いる溶媒は特に限定はなく、例えばTHF、エーテル、メチル−tert−ブチルエーテル、エチル−tert−ブチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、ジオキサン、トルエン、ヘキサン、シクロヘキサン等であり、特に好ましくはTHF、エーテルである。又、これら溶媒は1種若しくは2種以上の混合物を用いても良い。該メタル化の温度は−90〜30℃で行うことが好ましく、特に好ましくは−80〜20℃である。反応時間は1〜240分が好ましく、特に好ましくは10〜120分である。なお、メタル化の進行は、反応液の一部を取り出し、水で反応を停止させた後、薄層クロマトグラフィーあるいはガスクロマトグラフィーで分析することで監視することができる。
該メタル化は、一般式(3)で示されるジハロジアリールエチン誘導体に、メタル化剤を添加しても良いし、メタル化剤に一般式(3)で示されるジハロジアリールエチン誘導体を添加するいずれの方法を用いても実施することができる。
該メタル化により生成したメタル塩は、次いでジアルキルジスルフィド及び/又はジアルキルジセレニドと反応させることにより、一般式(2)で示されるジ(アルキルカルコゲノ)ジアリールエチン誘導体が得られるものである。係る反応は、前記メタル化により生成したメタル塩を含む反応混合物に前記ジアルキルジスルフィド及び/又はジアルキルジセレニドを添加する方法;生成したメタル塩を含む反応混合物を前記ジアルキルジスルフィド及び/又はジアルキルジセレニドに添加する方法のいずれを用いてもよい。
メタル化により生成したメタル塩とジアルキルジスルフィド及び/又はジアルキルジセレニドと反応させる際には、好ましくは溶媒中で実施する。用いる溶媒は特に限定はなく、例えばTHF、エーテル、メチル−tert−ブチルエーテル、エチル−tert−ブチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、ジグライム、ジオキサン、トルエン、ヘキサン、シクロヘキサン等であり、好ましくはTHF、エーテルである。用いるジアルキルジスルフィド及び/又はジアルキルジセレニドの量は、一般式(3)で示されるジハロジアリールエチン誘導体1当量に対し、1.5〜5.0当量が好ましく、さらに好ましくは2.0〜4.0当量である。該反応剤との反応温度は−90〜30℃が好ましく、特に好ましくは−80〜20℃であり、反応時間は0.5〜10時間が好ましく、特に好ましくは1〜5時間である。
かくして得られた、本発明の一般式(2)で示されるジ(アルキルカルコゲノ)ジアリールエチン誘導体は、さらに精製することができる。精製する方法は特に限定はなく、例えばカラムクロマトグラフィー、再結晶化、あるいは昇華による方法を挙げることができる。
(ジハロジアリールエチン誘導体の製造方法)
次に、本発明の一般式(2)で示されるジ(アルキルカルコゲノ)ジアリールエチン誘導体の原料として用いられる一般式(3)で示されるジハロジアリールエチン誘導体の製造方法について述べる。
本発明の一般式(3)で示されるジハロジアリールエチン誘導体は下記一般式(8)で示される2,3−ジハロアレーン誘導体とトリアルキルシリルアセチレンをパラジウム及び/又はニッケル触媒存在下で反応させた後、脱トリアルキルシリル処理し、得られた下記一般式(9)で示される2−エチニル−3−ハロアレーン誘導体と下記一般式(10)で示される2,3−ジハロアレーン誘導体をパラジウム及び/又はニッケル触媒存在下で反応させることにより製造することができる。なお、一般式(8)と一般式(10)で示される2,3−ジハロアレーン誘導体が同じ化合物であっても良い。
Figure 0005481850
(ここで、置換基Xは臭素原子、ヨウ素原子、塩素原子を示す。置換基X並びに環Aは一般式(3)で示される置換基及び環と同意義を示す。)
Figure 0005481850
(ここで、置換基X並びに環Aは一般式(3)で示される置換基及び環と同意義を示す。)
Figure 0005481850
(ここで、置換基Xは臭素原子、ヨウ素原子、塩素原子を示す。置換基X並びに環Bは一般式(3)で示される置換基及び環と同意義を示す。)
また、一般式(3)で示されるジハロジアリールエチン誘導体のもう一つの製造方法として、一般式(8)で示される2,3−ジハロアレーン誘導体とアセチレン又はトリメチルシリルアセチレンをパラジウム及び/又はニッケル触媒存在下で反応させることでジハロジアリールエチン誘導体を製造することもできる。
本発明の一般式(8)及び(10)で示される2,3−ジハロアレーン誘導体の置換基について、述べる。
一般式(8)の置換基Xは、臭素原子、ヨウ素原子、塩素原子を示し、好ましくは臭素原子及びヨウ素原子であり、さらに好ましくはヨウ素原子である。
一般式(10)の置換基Xは、臭素原子、ヨウ素原子、塩素原子を示し、好ましくは臭素原子及びヨウ素原子であり、さらに好ましくはヨウ素原子である。
具体的な一般式(8)及び一般式(10)で示される化合物としては、例えば2−ブロモ−3−ヨード−6,7−ジオクチルアントラセン、2−ブロモ−3−ヨード−6,7−ジデシルアントラセン、2−ブロモ−3−ヨード−6,7−ジドデシルアントラセン、2−ブロモ−3−ヨード−6,7−ジペンタデシルアントラセン、2−ブロモ−3−ヨード−6−ドデシル−7−フルオロアントラセン、2−ブロモ−3−ヨード−7−ドデシル−6−フルオロアントラセン、2−ブロモ−3−ヨード−6,7−ジ(パーフルオロドデシル)アントラセン、2−ブロモ−3−ヨード−6,7−ジ(デシルエチニル)アントラセン、2−ブロモ−3−ヨード−6,7−ジ(パーフルオロデシルエチニル)アントラセン、2−ブロモ−3−ヨード−6,7−ジフェニルアントラセン、2,3−ジブロモ−6−オクチルベンゾチオフェン、2,3−ジブロモ−6−デシルベンゾチオフェン、2,3−ジブロモ−6−ドデシルベンゾチオフェン、2,3−ジブロモ−6−ペンタデシルベンゾチオフェン、2,3−ジブロモ−6−オクタデシルベンゾチオフェン、2,3−ジブロモ−6−(パーフルオロドデシル)ベンゾチオフェン、2,3−ジブロモ−6−(パーフルオロオクタデシル)ベンゾチオフェン、2,3−ジブロモ−4,6−ジデシルベンゾチオフェン、2,3−ジブロモ−4,6−ジドデシルベンゾチオフェン等が挙げられ、その中でも2−ブロモ−3−ヨード−6,7−ジドデシルアントラセン、2−ブロモ−3−ヨード−6,7−ジ(パーフルオロドデシル)アントラセン、2,3−ジブロモ−6−ドデシルベンゾチオフェン、2,3−ジブロモ−6−オクタデシルベンゾチオフェン、が好ましい。
一般式(9)で示される2−エチニル−3−ハロアレーン誘導体は、一般式(8)で示される2,3−ジハロアレーン誘導体とトリアルキルシリルアセチレンをパラジウム及び/又はニッケル触媒存在下で反応させた後、脱トリアルキルシリル処理することで得ることができる。
一般式(8)で示される2,3−ジハロアレーン誘導体とトリアルキルシリルアセチレンの反応に用いる触媒はパラジウム及び/又はニッケル触媒であれば特に限定はなく、例えばテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム/トリフェニルホスフィン混合物、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム、ジクロロビス(アセトニトリル)パラジウム、ビス(トリ−tert−ブチルホスフィン)パラジウム、ジアセタトビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム、ジクロロ(1,2−ビス(ジフェニルホスフィノ)エタン)パラジウム、ジクロロ(1,3−ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパン)パラジウム、酢酸パラジウム/トリフェニルホスフィン混合物、酢酸パラジウム/トリ(o−トリル)ホスフィン混合物、酢酸パラジウム/トリ−tert−ブチルホスフィン混合物、酢酸パラジウム/2−(ジシクロヘキシルホスフィノ)−1,1’−ビフェニル混合物、ジクロロ(エチレンジアミン)パラジウム、ジクロロ(N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン)パラジウム、ジクロロ(N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン)パラジウム/トリフェニルホスフィン混合物等のパラジウム触媒;ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)ニッケル、ジクロロ(1,2−ビス(ジフェニルホスフィノ)エタン)ニッケル、ジクロロ(1,3−ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパン)ニッケル、ジクロロ(エチレンジアミン)ニッケル、ジクロロ(N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン)ニッケル、ジクロロ(N,N,N’,N’−テトラメチルプロパンジアミン)ニッケル、ジクロロ(N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン)ニッケル/トリフェニルホスフィン混合物、ビス(1,5−シクロオクタジエン)ニッケル/トリフェニルホスフィン混合物等のニッケル触媒;を挙げることができる。中でも、好ましい触媒はパラジウム化合物であり、特に好ましい触媒はテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウムである。又、これら触媒は1種若しくは2種以上の混合物を用いても良い。
一般式(8)で示される2,3−ジハロアレーン誘導体とトリアルキルシリルアセチレンをパラジウム及び/又はニッケル触媒存在下で反応させる際には、好ましくは溶媒中で実施する。用いる溶媒に特に限定はなく、例えばTHF、エーテル、メチル−tert−ブチルエーテル、エチル−tert−ブチルエーテル、ジオキサン、エチレングリコールジメチルエーテル、ベンゼン、トルエン、キシレン、ヘキサン、シクロヘキサン、エタノール、水、DMF、NMP、トリエチルアミン、トリブチルアミン、ピペリジン、ピロリジン、ジエチルアミン、ジイソプロピルアミン等を挙げることができ、又、これら溶剤は1種若しくは2種以上の混合物を用いても良く、例えばTHF/ジイソプロピルアミン、THF/トリエチルアミン、トルエン/ピペリジン、トルエン/水、ジイソプロピルアミン/トルエン/水、トルエン/エタノール/水のような2乃至3成分系でも使用することができる。
パラジウム触媒、ニッケル触媒の使用量は一般式(8)で示される2,3−ジハロアレーン誘導体1モルに対し、0.05〜10モル%が好ましく、特に好ましくは0.1〜5モル%である。
トリアルキルシリルアセチレンの使用量は一般式(8)で示される2,3−ジハロアレーン誘導体1当量に対し、0.4〜1.8当量が好ましく、さらに好ましくは0.4〜1.6当量、特に好ましくは0.5〜1.2当量である。トリアルキルシリルアセチレンしては、例えばトリメチルシリルアセチレン、トリエチルシリルアセチレン、トリイソプロピルシリルアセチレン、トリブチルシリルアセチレン等を挙げることができ、好ましくはトリメチルシリルアセチレンである。
なお、反応系中に銅化合物を存在させることが好ましい。該銅化合物しては特に限定はなく、例えば塩化銅(I)、臭化銅(I)、ヨウ化銅(I)、酢酸銅(I)等の1価銅;塩化銅(II)、臭化銅(II)、ヨウ化銅(II)、酢酸銅(II)、アセチルアセトナート銅(II)等の2価銅等を挙げることができる。その中でも好ましくは1価銅であり、特に好ましくはヨウ化銅(I)である。これらの銅化合物の使用量は該パラジウム及び/又はニッケル触媒1当量に対し、0.5〜4.0当量が好ましく、特に好ましくは0.6〜2.0当量である。
反応の際の温度は10〜120℃が好ましく、さらに好ましくは20〜80℃、特に好ましくは20〜60℃であり、反応時間は1〜96時間が好ましく、特に好ましくは2〜72時間である。
なお、反応系中に塩基を存在させることもできる。この場合の塩基の種類としては特に限定はなく、例えば炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム、りん酸カリウム、りん酸ナトリウム、ナトリウムtert−ブトキサイド、カリウムtert−ブトキサイド、フッ化カリウム、フッ化ナトリウム、フッ化セシウム等の無機塩基;1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]−5−ノネン、トリエチルアミン、トリメチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、エチレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン、ジイソプロピルアミン、ピリジン、テトラブチルアンモニウムフルオライド等の有機塩基を好適なものとして挙げることができる。これらの塩基の使用量は一般式(8)で示される2,3−ジハロアレーン1当量に対し、0.4〜10.0当量が好ましく、特に好ましくは0.5〜4.0当量である。さらにこれらの塩基と併用し、相間移動触媒を用いることもできる。相間移動触媒の種類は特に限定はなく、例えばトリオクチルメチルアンモニウムクロライド、テトラブチルアンモニウムクロライド、セチルピリジニウムクロライド、ベンジルトリメチルアンモニウムクロライド等を好適なものとして挙げることができる。これらの相間移動触媒の使用量は一般式(8)で示される2,3−ジハロアレーン1当量に対し、0.1〜1.5当量が好ましく、特に好ましくは0.2〜0.8当量である。
さらに反応系中にトリフェニルホスフィン、トリ(o−トリル)ホスフィン等のホスフィンを存在させることもできる。これらのホスフィンの使用量は、該パラジウム及び/又はニッケル触媒1当量に対し、0.9〜5.0当量が好ましく、特に好ましくは1.0〜3.0当量である。
また、一般式(8)で示される2,3−ジハロアレーン誘導体とトリアルキルシリルアセチレンをパラジウム及び/又はニッケル触媒存在下で反応させる方法は、例えば、「シンレット」、2004年、165−168頁に記載されている方法で実施することもできる。
かくして得られた、2−トリアルキルシリルエチニル−3−ハロアレーン誘導体はトリアルキルシリル基を脱離(脱トリアルキルシリル処理)することで一般式(9)で示される2−エチニル−3−ハロアレーン誘導体へ変換することができる。トリアルキルシリル基を脱離する方法としては、無機塩基あるいはフッ素化物を用いて実施することができる。該無機塩基としては、例えば炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム等を挙げることができ、好ましくは炭酸カリウムである。一方、該フッ素化物としては、例えばテトラブチルアンモニウムフルオライド、フッ化ナトリウム、フッ化カリウム等を挙げることができ、好ましくはテトラブチルアンモニウムフルオライドである。無機塩基あるいはフッ素化物の使用量は、2−トリアルキルシリルエチニル−3−ハロアレーン誘導体1当量に対し、0.8〜7当量が好ましく、特に好ましくは1.0〜4.0当量である。該脱トリアルキルシリル化反応は好ましくは溶媒中で実施する。用いる溶媒に特に限定はなく、例えばTHF、エーテル、メチル−tert−ブチルエーテル、ジオキサン、エチレングリコールジメチルエーテル、トルエン、キシレン、ヘキサン、シクロヘキサン、エタノール、メタノール、水、DMF、NMP、トリエチルアミン、ピペリジン、ピロリジン、ジエチルアミン、ジイソプロピルアミン等を挙げることができ、又、これら溶剤は1種若しくは2種以上の混合物を用いても良く、例えばエーテル/メタノール、トルエン/水、トルエン/エタノール/水のような2乃至3成分系でも使用することができる。反応の際の温度は−10〜90℃が好ましく、さらに好ましくは0〜60℃、特に好ましくは20〜50℃であり、反応時間は1〜10時間が好ましく、特に好ましくは2〜4時間である。なお該脱トリアルキルシリル化反応は、例えば、「シンレット」、2004年、165−168頁に記載のメタノール/エーテル中、炭酸カリウムで処理する方法で実施することもできる。
かくして得られた、一般式(9)で示される2−エチニル−3−ハロアレーン誘導体は、精製することができる。精製する方法は特に限定はなく、例えばカラムクロマトグラフィー、再結晶化、あるいは昇華による方法を挙げることができる。また、単離精製することなく次の反応の原料として使用することもできる。
次に一般式(9)で示される2−エチニル−3−ハロアレーン誘導体と一般式(10)で示される2,3−ジハロアレーン誘導体をパラジウム及び/又はニッケル触媒存在下で反応させる。該反応に用いる触媒はパラジウム及び/又はニッケル触媒であれば特に限定はなく、上記一般式(8)で示される2,3−ジハロアレーン誘導体とトリアルキルシリルアセチレンの反応で用いたパラジウム及びニッケル触媒と同様の触媒を挙げることができる。これらの触媒の使用量、溶媒、反応条件、並びに銅化合物、塩基、ホスフィン等の添加物も上記一般式(8)で示される2,3−ジハロアレーン誘導体とトリアルキルシリルアセチレンの反応と同様の、使用量、物質、条件を適用することができる。なお、一般式(10)で示される2,3−ジハロアレーン誘導体の使用量は一般式(9)で示される2−エチニル−3−ハロアレーン誘導体1当量に対し、0.8〜2.0当量が好ましく、さらに好ましくは1.0〜1.6当量、特に好ましくは1.0〜1.3当量である。
上記で述べた一般式(3)で示されるジハロジアリールエチン誘導体の製造方法は、環AとBがそれぞれ同一又は異なる場合の一般式(3)で示されるジハロジアリールエチン誘導体の製造方法であるが、環AとBがそれぞれ同一の場合のみの一般式(3)で示されるジハロジアリールエチン誘導体の製造方法について以下に述べる。
即ち、一般式(3)で示されるジハロジアリールエチン誘導体のもう一つの製造方法である一般式(8)で示される2,3−ジハロアレーン誘導体とアセチレン又はトリメチルシリルアセチレンをパラジウム及び/又はニッケル触媒存在下で反応させることでジハロジアリールエチン誘導体を製造することができる。
該反応に用いる触媒は、パラジウム及び/又はニッケル触媒であれば特に限定はなく、上記一般式(8)で示される2,3−ジハロアレーン誘導体とトリアルキルシリルアセチレンの反応で用いたパラジウム及びニッケル触媒と同様の触媒を挙げることができる。これらの触媒の使用量、溶媒、反応条件、並びに銅化合物、塩基、ホスフィン等の添加物も上記一般式(8)で示される2,3−ジハロアレーン誘導体とトリアルキルシリルアセチレンの反応と同様の、使用量、物質、条件を適用することができる。なお、一般式(8)で示される2,3−ジハロアレーン誘導体の使用量はアセチレン又はトリメチルシリルアセチレン1当量に対し、1.6〜3.2当量が好ましく、さらに好ましくは1.8〜2.8当量、特に好ましくは1.9〜2.4当量である。
また、一般式(8)で示される2,3−ジハロアレーン誘導体とアセチレンをパラジウム及び/又はニッケル触媒存在下で反応させる方法は、例えば、「ジャーナル オブ ヘテロサイクリック ケミストリィー」、1998年、35巻、725−726頁に記載されているo−ブロモヨードベンゼンとアセチレンをカップリングする方法で実施することもでき、また、2,3−ジハロアレーン誘導体とトリメチルシリルアセチレンをパラジウム及び/又はニッケル触媒存在下で反応させる方法は、例えば、「ジャーナル オブ アメリカン ケミカル ソサイエティー」(米国)、2006年、128巻、3044−3050頁に記載されている4−ブロモビフェニルとトリメチルシリルアセチレンをカップリングする方法で実施することもできる。
なお、一般式(3)で示されるジハロジアリールエチン誘導体は、アセチレンの代わりにビス(トリ−n−ブチルスタンニル)アセチレンを用い、一般式(8)で示される2,3−ジハロアレーン誘導体とをパラジウム及び/又はニッケル触媒存在下で反応させることによっても製造することができる。
かくして得られた、本発明の一般式(3)で示されるジハロジアリールエチン誘導体は、さらに精製することができる。精製する方法は特に限定はなく、例えばカラムクロマトグラフィー、再結晶化、あるいは昇華による方法を挙げることができる。
(ジ(アルキルカルコゲノ)ジアリールエチレン誘導体の製造方法)
次に、本発明の一般式(1)で示されるヘテロアセン誘導体の前駆化合物である一般式(4)で示されるジ(アルキルカルコゲノ)ジアリールエチレン誘導体の製造方法について述べる。
本発明の一般式(4)で示されるジ(アルキルカルコゲノ)ジアリールエチレン誘導体は一般式(5)で示されるホルミル(アルキルカルコゲノ)アレーン誘導体を塩化チタンと還元剤から成る反応剤と反応させることで製造することができる。
該反応における塩化チタンは、特に限定はなく、4塩化チタン又は3塩化チタンであることが好ましい。
該反応における還元剤は、塩化チタンを3価乃至0価チタンに還元することができるものであれば特に限定はなく、例えば亜鉛、銅、鉄、リチウム、ナトリウム、カリウム、水素化リチウムアルミニウム等を挙げることができ、好ましくは亜鉛、銅、鉄であり、特に好ましくは亜鉛である。
該還元剤の使用量は塩化チタン1当量に対し、0.5〜15当量が好ましく、さらに好ましくは1.0〜12当量、特に好ましくは3.0〜10当量である。
塩化チタンの使用量は一般式(5)で示されるホルミル(アルキルカルコゲノ)アレーン誘導体1当量に対し、0.8〜5.0当量が好ましく、さらに好ましくは1.1〜4.0当量、特に好ましくは1.1〜3.0当量である。
該反応化は、好ましくは溶媒中で実施する。用いる溶媒は特に限定はなく、例えばTHF、エーテル、メチル−tert−ブチルエーテル、エチル−tert−ブチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、ジオキサン、トルエン、ヘキサン、シクロヘキサン等であり、特に好ましくはTHF、エーテルである。又、これら溶媒は1種若しくは2種以上の混合物を用いても良い。該メタル化の温度は0〜120℃で行うことが好ましく、特に好ましくは20〜80℃である。反応時間は1〜24時間が好ましく、特に好ましくは2〜15時間である。なお、反応の進行は、反応液の一部を取り出し、水で反応を停止させた後、薄層クロマトグラフィーあるいはガスクロマトグラフィーで分析することで監視することができる。
なお該反応は、予め塩化チタンと還元剤を混合加熱した後、一般式(5)で示されるホルミル(アルキルカルコゲノ)アレーン誘導体を添加しても良いし、一般式(5)で示されるホルミル(アルキルカルコゲノ)アレーン誘導体と塩化チタンの混合物に還元剤を添加するいずれの方法を用いても実施することができる。
かくして得られた、本発明の一般式(4)で示されるジ(アルキルカルコゲノ)ジアリールエチレン誘導体は、さらに精製することができる。精製する方法は特に限定はなく、例えばカラムクロマトグラフィー、再結晶化、あるいは昇華による方法を挙げることができる。
(ホルミル(アルキルカルコゲノ)アレーン誘導体の製造方法)
次に、一般式(4)で示されるジ(アルキルカルコゲノ)ジアリールエチレン誘導体の原料化合物であるホルミル(アルキルカルコゲノ)アレーン誘導体の製造方法について述べる。
一般式(5)で示されるホルミル(アルキルカルコゲノ)アレーン誘導体は一般式(6)で示されるハロ(アルキルカルコゲノ)アレーン誘導体をメタル化剤を用いてメタル化し、DMFと反応させることで製造することができる。
なお、ここでメタル化とは、一般式(6)におけるXをメタルに置換することを意味する。
一般式(6)で示されるハロ(アルキルカルコゲノ)アレーン誘導体をメタル化する場合、用いるメタル化剤は、一般式(6)におけるXをメタルに置換することができるものである限り特に限定はなく、例えばn−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウム、tert−ブチルリチウム、メチルリチウム、ヘキシルリチウム等のアルキルリチウム;リチウムジイソプロピルアミド、リチウムヘキサメチルジシラジド等のリチウムアミド;リチウムパウダー等のリチウム金属;メチルマグネシウムブロミド、エチルマグネシウムブロマイミド、イソプロピルマグネシウムブロミド、イソプロピルマグネシウムクロリド、tert−ブチルマグネシウムクロリド、シクロヘキシルマグネシウムブロミド等のアルキルグリニャール試薬;マグネシウム金属;亜鉛金属等を挙げることができ、好ましくはアルキルリチウム、アルキルグリニャール試薬であり、特に好ましくはn−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウム、tert−ブチルリチウムである。
該メタル化剤の使用量は一般式(6)で示されるハロ(アルキルカルコゲノ)アレーン誘導体1当量に対し、1.0〜3.0当量が好ましく、さらに好ましくは1.5〜2.2当量、特に好ましくは1.7〜2.1当量である。
該メタル化は、好ましくは溶媒中で実施する。用いる溶媒は特に限定はなく、例えばTHF、エーテル、メチル−tert−ブチルエーテル、エチル−tert−ブチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、ヘキサン等であり、特に好ましくはTHF、エーテルである。又、これら溶媒は1種若しくは2種以上の混合物を用いても良い。該メタル化の温度は−90〜30℃で行うことが好ましく、特に好ましくは−80〜20℃である。反応時間は1〜60分が好ましく、特に好ましくは10〜30分である。なお、メタル化の進行は、反応液の一部を取り出し、水で反応を停止させた後、薄層クロマトグラフィーあるいはガスクロマトグラフィーで分析することで監視することができる。
該メタル化により生成したメタル塩は、次いでDMFと反応させることにより、一般式(5)で示されるホルミル(アルキルカルコゲノ)アレーン誘導体を得ることができる。メタル化により生成したメタル塩とDMFと反応させる際には、好ましくは溶媒中で実施する。用いる溶媒は特に限定はなく、例えばTHF、エーテル、メチル−tert−ブチルエーテル、エチル−tert−ブチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、ヘキサン等であり、好ましくはTHF、エーテルである。用いるDMFの量は、一般式(6)で示されるハロ(アルキルカルコゲノ)アレーン誘導体1当量に対し、1.0〜3.0当量が好ましく、さらに好ましくは1.5〜2.2当量である。DMFとの反応温度は−90〜30℃が好ましく、特に好ましくは−80〜20℃であり、反応時間は0.5〜8時間が好ましく、特に好ましくは1〜4時間である。
かくして得られた、一般式(5)で示されるホルミル(アルキルカルコゲノ)アレーン誘導体は、さらに精製することができる。精製する方法は特に限定はなく、例えばカラムクロマトグラフィー、再結晶化、あるいは昇華による方法を挙げることができる。
(ハロ(アルキルカルコゲノ)アレーン誘導体の製造方法)
次に、本発明の一般式(5)で示されるホルミル(アルキルカルコゲノ)アレーン誘導体の原料化合物であるハロ(アルキルカルコゲノ)アレーン誘導体の製造方法について述べる。
本発明の一般式(6)で示されるハロ(アルキルカルコゲノ)アレーン誘導体は一般式(8)で示される2,3−ジハロアレーン誘導体と下記一般式(11)で示されるメタルカルコゲノアルコキシドを反応させることで製造することができる。
11 (11)
(ここで、Mはアルカリ金属を示し、置換基R11及びTは一般式(6)で示される置換基と同意義を示す。)
一般式(11)で示されるメタルカルコゲノアルコキシドにおけるMは、アルカリ金属であり、具体的にはナトリウム、リチウム、カリウム、セシウムを示し、好ましくは、ナトリウム、リチウムである。一般式(11)で示される具体的な化合物としては、例えばナトリウムチオメトキシド、リチウムチオメトキシド、カリウムチオメトキシド、セシウウムチオメトキシド、ナトリウムチオエトキシド、ナトリウムチオベンジルオキシド、ナトリウムセレノメトキシド、リチウムセレノメトキシド、ナトリウムセレノベンジルオキシドであり、好ましくはナトリウムチオメトキシド、ナトリウムチオベンジルオキシド、ナトリウムセレノメトキシドであり、特に好ましくはナトリウムチオメトキシドである。
該メタルカルコゲノアルコキシド化剤の使用量は一般式(8)で示される2,3−ジハロアレーン誘導体1当量に対し、0.9〜2.1当量が好ましく、さらに好ましくは1.4〜1.7当量、特に好ましくは1.2〜1.5当量である。
該メタルカルコゲノアルコキシドとの反応は、好ましくは溶媒中で実施する。用いる溶媒は特に限定はなく、例えばNMP、DMF、THF、エーテル、エチル−tert−ブチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、ジオキサン、ジメチオルスルホキシド、トルエン、ヘキサン等であり、特に好ましくはNMP、DMF、ジオキサンである。又、これら溶媒は1種若しくは2種以上の混合物を用いても良い。該反応の温度は10〜100℃で行うことが好ましく、特に好ましくは20〜80℃である。反応時間は0.5〜6時間が好ましく、特に好ましくは1〜4時間である。なお、該反応の進行は、薄層クロマトグラフィーあるいはガスクロマトグラフィーで分析することで監視することができる。
かくして得られた、一般式(6)で示されるハロ(アルキルカルコゲノ)アレーン誘導体は、さらに精製することができる。精製する方法は特に限定はなく、例えばカラムクロマトグラフィー、再結晶化、あるいは昇華による方法を挙げることができる。
なお、一般式(8)で示される2,3−ジハロアレーン誘導体は、例えば、特開2008/81494号公報に記載されている2,3−ジハロキノン誘導体の水素化ジイソブチルアルミニウムによる還元反応を用いて製造することができる。
(ジハロカルコゲノフェニルアリール誘導体の製造方法)
次に、一般式(1)で示されるヘテロアセン誘導体の原料化合物であるジハロカルコゲノフェニルアリール誘導体の製造方法について述べる。
一般式(7)で示されるジハロカルコゲノフェニルアリール誘導体は、例えば下記一般式(13)で示されるジハロカルコゲノフェン誘導体と下記一般式(14)で示される3−ハロアリール金属試薬をパラジウム及び/又はニッケル触媒存在下で反応させることにより製造することができる。
Figure 0005481850
(ここで、置換基Xは臭素原子、ヨウ素原子、塩素原子を示す。置換基X及びT、並びに環Aは一般式(7)で示される置換基及び環と同意義を示す。)
Figure 0005481850
(ここで、Mはマグネシウム、ホウ素、亜鉛、錫、ケイ素のハロゲン化物;ハイドロオキシド;アルコキシド;アルキル化物を示し、置換基X並びにB環は、一般式(7)で示される置換基並びに環と同意義を示す。)
一般式(13)及び(14)について、さらに述べる。
一般式(13)の置換基Xは、臭素原子、ヨウ素原子、塩素原子を示し、好ましくは臭素原子及びヨウ素原子であり、さらに好ましくはヨウ素原子である。
一般式(13)で示されるジハロカルコゲノフェン誘導体の例としては、以下の化合物が好ましい。
Figure 0005481850
一般式(14)の置換基Mはマグネシウム、ホウ素、亜鉛、錫、ケイ素のハロゲン化物;ハイドロオキシド;アルコキシド;アルキル化物であり、上記のパラジウム及び/又はニッケル触媒により脱離され、パラジウム及び/又はニッケルと置換できる基である限り特に限定はなく、例えばMgCl、MgBr、B(OH)、B(OMe)、テトラメチルジオキサボロラニル基、ZnCl、ZnBr、ZnI、Sn(Bu−n)、Si(OMe)等を挙げることができ、好ましくはZnCl、B(OH)、Si(OMe)である。
そして、具体的な一般式(14)で示される化合物としては、例えば3−ブロモ−6−ドデシルベンゾチエニル−2−ジンククロリド、3−ブロモ−6−オクタデシルベンゾチエニル−2−トリメトキシシラン、3−ブロモ−6,7−ジドデシルアントラセニルボロン酸、3−ブロモ−6,7−ジペンタデシルアントラセニル−2−ボロン酸等が挙げられる。
なお、一般式(14)で示される3−ハロアリール金属試薬は、例えば、それらの原料となる一般式(10)で示される2,3−ジハロアレーン誘導体をイソプロピルマグネシウムブロミド等のグリニャール試薬あるいはn−ブチルリチウム等の有機リチウム試薬によりハロゲン/金属交換反応を行った後、塩化亜鉛、トリメトキシボラン、トリ(イソプロポキシ)ボラン、2−イソプロポキシ−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン、テトラメトキシシラン等と反応させることで好適に調製することができる。また、一般式(6)、(7)の置換基M、MがSi(OMe)又はSi(OEt)の場合、それらの原料となるアリールジハロゲン置換体とPd又はRh触媒を用いたトリアルコキシシランとの反応によっても調製することができる。なお、グリニャール試薬によるハロゲン/金属交換反応は、例えば「ジャーナル オブ オルガニック ケミストリィー」、2000年、65巻、4618−4634頁」に記載されている方法を用いることもできる。
該触媒反応に用いる触媒は、パラジウム及び/又はニッケル触媒であれば特に限定はなく、上記一般式(3)で示されるジハロジアリールエチン誘導体の製造で上記一般式(8)で示される2,3−ジハロアレーン誘導体とトリアルキルシリルアセチレンの反応で用いたパラジウム及びニッケル触媒と同様の触媒を挙げることができる。これらの触媒の使用量、溶媒、反応条件、並びに銅化合物、塩基、ホスフィン等の添加物も上記一般式(8)で示される2,3−ジハロアレーン誘導体とトリアルキルシリルアセチレンの反応と同様の、使用量、物質、条件を適用することができる。なお、一般式(14)で示される3−ハロアリール金属試薬の使用量は一般式(13)で示されるジハロカルコゲノフェン誘導体1当量に対し、0.9〜2.0当量が好ましく、さらに好ましくは1.1〜1.5当量、特に好ましくは1.1〜1.3当量である。
また、一般式(13)で示されるジハロカルコゲノフェン誘導体と一般式(14)で示される3−ハロアリール金属試薬の反応における炭素−炭素結合は、一般式(13)で示されるジハロカルコゲノフェン誘導体の2位(置換基Xが結合している位置)に形成される。これは一般式(13)で示されるジハロカルコゲノフェン誘導体の2位の反応性が極めて高いことに基づくものである。
さらに一般式(7)で示されるジハロカルコゲノフェニルアリール誘導体は、一般式(13)で示されるジハロカルコゲノフェン誘導体とグリニャール試薬あるいはn−ブチルリチウム等の有機リチウム試薬によりハロゲン/金属交換反応で置換基Xをメタル化した後、一般式(10)で示される2,3−ジハロアレーン誘導体とパラジウム及び/又はニッケル触媒存在下で反応させることにより製造することもできる。
かくして得られた、一般式(7)で示されるジハロカルコゲノフェニルアリール誘導体は、さらに精製することができる。精製する方法は特に限定はなく、例えばカラムクロマトグラフィー、再結晶化、あるいは昇華による方法を挙げることができる。
(ジハロカルコゲノフェン誘導体の製造方法)
次に、一般式(7)で示されるジハロカルコゲノフェニルアリール誘導体の原料化合物であるジハロカルコゲノフェン誘導体の製造方法について述べる。
一般式(13)で示されるジハロカルコゲノフェン誘導体は、例えば下記一般式(15)で示されるハロ(トリメチルシリル)カルコゲノフェン誘導体とハロゲン誘導体を反応させることにより製造することができる。
Figure 0005481850
(ここで、置換基X及びT、並びに環Aは一般式(13)で示される置換基及び環と同意義を示す。)
該ハロゲン誘導体は、一般式(15)のトリメチルシリル基をハロゲン原子に置換することができるものであれば特に限定はなく、例えば1塩化ヨウ素、1臭化ヨウ素、ヨウ素、臭素、塩素、NIS、NBS、NCS等であり、好ましくは1塩化ヨウ素、1臭化ヨウ素であり、特に好ましくは1塩化ヨウ素である。
該ハロゲン誘導体の使用量は一般式(15)で示されるハロ(トリメチルシリル)カルコゲノフェン誘導体1当量に対し、0.9〜1.5量が好ましく、さらに好ましくは1.0〜1.2当量である。
該ハロゲン誘導体との反応は、好ましくは溶媒中で実施する。用いる溶媒は特に限定はなく、例えばジクロロメタン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン、1,1,2,2−テトラクロロエタン、クロロベンゼン、THF、エーテル、エチル−tert−ブチルエーテル、トルエン、ヘキサン等であり、特に好ましくはジクロロメタン、クロロホルムである。又、これら溶媒は1種若しくは2種以上の混合物を用いても良い。該反応の温度は−20〜50℃で行うことが好ましく、特に好ましくは−10〜30℃である。反応時間は0.5〜6時間が好ましく、特に好ましくは1〜4時間である。なお、該反応の進行は、薄層クロマトグラフィーあるいはガスクロマトグラフィーで分析することで監視することができる。
かくして得られた、一般式(13)で示されるジハロカルコゲノフェン誘導体は、さらに精製することができる。精製する方法は特に限定はなく、例えばカラムクロマトグラフィー、再結晶化、あるいは昇華による方法を挙げることができる。
一方、一般式(13)で示されるジハロカルコゲノフェン誘導体の原料である一般式(15)で示されるハロ(トリメチルシリル)カルコゲノフェン誘導体は、下記一般式(16)で示される(アルキルカルコゲニル)(トリメチルシリルエチニル)アレーン誘導体とハロゲン誘導体を反応させることにより製造することができる。
Figure 0005481850
(ここで、置換基R13は炭素数1〜8のアルキル基を示し、置換基T及び環Aは一般式(15)で示される置換基及び環と同意義を示す。)
置換基R13における炭素数1〜8のアルキル基は、特に限定はなく、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ベンジル基を挙げることができ、好ましくはメチル基、ベンジル基であり、より好ましくはメチル基である。
該ハロゲン誘導体は不飽和結合をハロゲン化できるものであれば特に限定はなく、例えばヨウ素、臭素、塩素、NIS、NBS、NCS等を挙げることができ、好ましくはヨウ素、臭素であり、特に好ましくはヨウ素である。該ハロゲン誘導体の使用量は一般式(16)で示される(アルキルカルコゲニル)(トリメチルシリルエチニル)アレーン誘導体1当量に対し、0.9〜1.6当量が好ましく、さらに好ましくは1.0〜1.3当量である。
該ハロゲン化は、好ましくは溶媒中で実施する。用いる溶媒は特に限定はなく、例えばジクロロメタン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン、1,1,2,2−テトラクロロエタン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、THF、エーテル、メチル−tert−ブチルエーテル、エチル−tert−ブチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、ジオキサン、トルエン、ヘキサン、シクロヘキサン等であり、特に好ましくは、ジクロロメタン、クロロホルムである。又、これら溶剤は1種若しくは2種以上の混合物を用いても良い。該ハロゲン化の温度は0〜80℃で行うことが好ましく、特に好ましくは20〜60℃である。反応時間は1〜24時間が好ましく、特に好ましくは2〜12時間である。なお、ハロゲン化の進行は、薄層クロマトグラフィーあるいはガスクロマトグラフィーで分析することで監視することができる。
なお、一般式(16)で示される(アルキルカルコゲニル)(トリメチルシリルエチニル)アレーン誘導体は、例えば2−トリメチルシリルエチニル−3−ハロアレーン誘導体をメタル化剤を用いてメタル化し、ジアルキルジスルフィド及び/又はジアルキルジセレニドと反応させることで製造することができる。本反応の反応条件は、上記一般式(2)で示されるジ(アルキルカルコゲノ)ジアリールエチン誘導体を製造する場合と同様の反応条件を適用することができる。さらに該2−トリメチルシリルエチニル−3−ハロアレーン誘導体は、上記一般式(8)で示される2,3−ジハロアレーン誘導体とトリメチルシリルアセチレンのパラジウム触媒反応(薗頭カップリング)により調製することができる。この反応の触媒及び条件は、上記一般式(3)で示されるジハロジアリールエチン誘導体を製造する場合と同様の触媒及び条件を適用することができる。
(耐酸化性有機半導体材料)
次に、本発明の一般式(1)で示されるヘテロアセン誘導体を含む耐酸化性有機半導体材料について述べる。該耐酸化性有機半導体材料は溶剤への溶解性、耐酸化性に優れ、好適な塗布性を有する。該耐酸化性有機半導体材料は本発明の一般式(1)で示されるヘテロアセン誘導体を溶剤に溶解することにより製造することができる。
本発明の一般式(1)で示されるヘテロアセン誘導体の溶解に用いる溶剤は、特に限定はなく、例えばo−ジクロロベンゼン、クロロベンゼン、トリクロロベンゼン、1,2−ジクロロエタン、1,1,2,2−テトラクロロエタン、クロロホルム、ジクロロメタン等のハロゲン系溶剤;THF、ジオキサン等のエーテル系溶剤;トルエン、キシレン、メシチレン、ビフェニル、エチルベンゼン、オクチルベンゼン等の芳香族の炭化水素系溶剤;酢酸エチル、γ−ブチロラクトン等のエステル系溶剤;DMF、NMP等のアミド系溶剤;等が挙げられる。又、これら溶剤は1種若しくは2種以上の混合物を用いても良い。中でも、好ましくはクロロベンゼン、トルエン等である。
上記に挙げた溶剤と一般式(1)で示されるヘテロアセン誘導体を混合攪拌することにより、一般式(1)で示されるヘテロアセン誘導体を含む耐酸化性有機半導体材料となるものである。混合攪拌する際の温度は10〜150℃が好ましく、特に好ましくは20〜100℃である。混合攪拌する際の一般式(1)で示されるヘテロアセン誘導体の濃度は、溶剤及び温度により変えることができ、0.01〜10.0重量%であることが好ましい。溶液の調製は空気中でも実施することができるが、好ましくは窒素、アルゴン等の不活性雰囲気下で調製する。
一般式(1)で示されるヘテロアセン誘導体を含む耐酸化性有機半導体材料の耐酸化性の評価は、該溶液を所定時間、空気と接触させる方法で実施することができる。まず用いる溶剤は予め脱気しておき、溶存酸素を除去する。空気との接触時間は、温度により適宜選択することができ、0.5分〜3時間が好適である。酸化の進行は、溶液の色の変化並びに薄層クロマトグラフィー、ガスクロマトグラフィー、及びガスクロマトグラフィー(GC)−マススペクトル(GCMS)分析による酸化物の検出により行うことができる。
本発明の一般式(1)で示されるヘテロアセン誘導体を含む耐酸化性有機半導体材料は、用いられる一般式(1)で示されるヘテロアセン誘導体自体が適度の凝集性を有することから比較的に低温で溶剤へ溶解でき、且つ耐酸化性があることから、塗布法による有機薄膜の製造に好適に適用できる。即ち、雰囲気から厳密に空気を除く必要がないことから塗布工程を簡略化することができる。塗布は空気中でも実施できるが、好ましくは溶剤の乾燥を考慮して窒素気流下で行う。なお、好適な塗布性を得るために、本発明の一般式(1)で示されるヘテロアセン誘導体を含む耐酸化性有機半導体材料の粘度は、0.005〜20ポアズの範囲にあることが好ましい。
(有機薄膜)
次に本発明の一般式(1)で示されるヘテロアセン誘導体を含む耐酸化性有機半導体材料を用いた有機薄膜について述べる。係る有機薄膜は上記の耐酸化性有機半導体材料(溶液)の再結晶化若しくは基板への塗布により製造することができ、特に基板への塗布により製造することが好ましい。そして、基板への塗布により製造することにより、基板上に形成される有機薄膜となるものである。
再結晶化による薄膜は、前記耐酸化性有機半導体材料を冷却することで形成することができる。有機薄膜を冷却する時の雰囲気は、窒素、アルゴン等の不活性ガス又は空気下で行うことが好ましく、特に窒素、アルゴン等の不活性ガス下で行うことが好ましい。該溶液中の一般式(1)で示されるヘテロアセン誘導体の濃度は、特に限定はなく、例えば0.01〜10.0重量%である。冷却は60〜150℃の温度から−20〜60℃が好ましく、特に好ましくは−10℃〜40℃の間に冷却することにより好適に実施することができる。またこのようにして製造した結晶状の有機薄膜を適当な基板の上に張り合わせる、即ちラミネーション等により基板上に製造することもできる。再結晶化により得られる有機薄膜の膜厚は特に限定はなく、好ましくは50nm〜2mm、特に好ましくは1〜500μmである。
基板への塗布による有機薄膜の製造は、前記耐酸化性有機半導体材料を基板上に塗布した後、加熱、気流及び自然乾燥等の方法により溶剤を気化させることで実施することができる。該溶液中の一般式(1)で示されるヘテロアセン誘導体の濃度は、特に限定はなく、例えば0.01〜10.0重量%であることが好ましい。塗布温度は特に限定はなく、例えば20〜150℃の間で好適に実施することができる。塗布の具体的方法は特に限定はなく、公知の方法、例えばスピンコート、キャストコート及びディップコート等を用いることができる。さらにスクリーン印刷、インクジェット印刷、グラビア印刷等の印刷技術を用いても作製することが可能である。使用する基板の材料は特に限定はなく、結晶性、非結晶性の種々の材料を用いることができる。基板の具体例としては、例えばポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリメチルメタクリレート、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、環状ポリオレフィン、ポリイミド、ポリカーボネート、ポリビニルフェノール、ポリビニルアルコール、ポリ(ジイソプロピルフマル酸)、ポリ(ジエチルフマル酸)、ポリ(ジイソプロピルマレイン酸)等のプラスチック基板;ガラス、石英、酸化アルミニウム、シリコン、酸化シリコン、二酸化タンタル、五酸化タンタル、インジウム錫酸化物等の無機材料基板;金、銅、クロム、チタン、アルミニウム等の金属基板を好適に用いることができる。またこれらの基板の表面は、例えばオクタデシルトリクロロシラン、オクチルトリクロロシラン、オクタデシルトリメトキシシラン、β−フェネチルトリクロロシラン等のシラン類;ヘキサメチルジシラザン等のシリルアミン類で修飾処理したものであっても使用することができる。さらに、基板は絶縁性あるいは誘電性を有する材料であっても良い。塗布した後の溶剤の乾燥は、常圧若しくは減圧で除去することができる、又、加熱、窒素気流により乾燥してもよい。さらに、溶剤の気化速度を調節することで本発明の一般式(1)で示されるヘテロアセン誘導体の結晶成長を制御することができる。基板への塗布により得られる有機薄膜の膜厚は特に限定はなく、好ましくは1nm〜100μm、特に好ましくは10nm〜20μmである。
また、該有機薄膜は塗布乾燥後、40〜120℃にアニーリングすることも可能である。
本発明の一般式(1)で示されるヘテロアセン誘導体は平面剛直性の高い分子構造を有することから、優れた半導体特性を与えることが期待できる。又、該ヘテロアセン誘導体はトルエンあるいはクロロベンゼン等の溶媒に溶解し、溶液状態にあっても容易に空気酸化されることはない。従って、塗布法により半導体薄膜を容易に作成できる。したがって、本発明の一般式(1)で示されるヘテロアセン誘導体は、電子ペーパー、有機ELディスプレイ、液晶ディスプレイ、ICタグ用等のトランジスタの有機半導体活性相用途;有機ELディスプレイ材料;有機半導体レーザー材料;有機薄膜太陽電池材料;フォトニック結晶材料等の電子材料に利用することができる。
分子長軸が長いことから高性能且つ優れた耐酸化性を有し、塗布法による有機半導体活性相形成が可能な、ヘテロアセン誘導体及びその用途を提供する。さらに、該ヘテロアセン誘導体の前駆化合物であるジ(アルキルカルコゲノ)ジアリールエチン誘導体及びジ(アルキルカルコゲノ)ジアリールエチレン誘導体誘導体及びそれらの製造方法をも提供する。
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
生成物の同定にはH−NMRスペクトル及びマススペクトルを用いた。なお、H−NMRスペクトルは日本電子製JEOL GSX−270WB(270MHz)を用いた。マススペクトル(MS)は日本電子製JEOL JMS−700を用いて、試料を直接導入し、電子衝突(EI)法(70エレクトロンボルト)又はFAB法(6キロエレクトロンボルト、キセノンガス、マトリックス(2−ニトロフェニルオクチルエーテル)で測定した。
反応の進行の確認等は薄層クロマトグラフィー、ガスクロマトグラフィー(GC)、あるいはガスクロマトグラフィー−マススペクトル(GCMS)分析を用いた。
ガスクロマトグラフィー分析
装置 島津GC14B
カラム J&Wサイエンティフィック社製、DB−1,30m
ガスクロマトグラフィー−マススペクトル分析
装置 パーキンエルマーオートシステムXL(MS部;ターボマスゴールド)
カラム J&Wサイエンティフィック社製、DB−1,30m
反応用の試薬及び溶媒は、断りのない限り市販品を用いた。なお、グリニャール試薬あるいはブチルリチウム等の有機金属試薬を用いた場合は、市販の脱水溶媒をそのまま用いた。
合成例1 (4−ブロモ−5−ヨード無水フタル酸の合成)
4−ブロモ−5−ヨード無水フタル酸は「ジャーナル オブ オーガニック ケミストリー」(米国)、1951年、16巻、1577−1581頁を参考に、以下の様に合成した。
4−ブロモフタルイミド(東京化成工業製)9.95g(44.0mmol)を窒素ガスで置換した50mlの二口ナスフラスコに入れた。次いでヨウ素5.87g(23.1mmol)及び10%発煙硫酸(ヨツハタ化学工業製)12mlを加え、90℃で23時間反応を行った。反応混合物を室温に冷やして氷に注ぎ入れた後、ガラスフィルターでろ過し、黄色固体12.8gを得た。得られた固体を濃硫酸35mlに溶解させ、130℃で5時間反応を行った。反応混合物を氷冷後、氷水を加えて析出した固体をろ過し、フタル酸誘導体の固体13.8gを得た。次に得られた固体を、水酸化ナトリウム3.6gを水18mlに溶かした水溶液に室温で溶かした。この塩基性水溶液に酢酸を加えpHを3〜4に調整し、析出するフタル酸誘導体のモノナトリウム塩の白色沈殿をろ過した。得られた白色固体を水に懸濁させ、濃塩酸でpHを1以下にし、再びフタル酸誘導体として白色固体6.45gを得た。この固体をトルエン48mlに溶かし、無水酢酸8.7g(85.7mmol)を加え、105℃で4時間反応を行った。反応液を減圧濃縮して白色固体5.87gを得た。この固体をトルエンで再結晶精製し、目的の4−ブロモ−5−ヨード無水フタル酸を5.13g(14.5mmol)を得た(収率33%)。
H NMR(CDCl,22℃):δ=8.51(s,1H),8.23(s,1H)。
MS m/z: 353(M,100%),309(M−CO,18%),282(M−C,10%),155(M−C−I,16%),74(M−C−I−Br,32%)。
合成例2 (1,2―ジドデシルベンゼンの合成)
1,2−ジドデシルベンゼンは「日本化学会誌」1989年、983−987頁に従い以下の様に合成した。
1,2−ジクロロベンゼン2.22g(15.1mmol)、ジクロロ〔1,3−ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパン〕ニッケル(東京化成工業製)131mg(0.24mmol)、エーテル12mlの混合液にドデシルマグネシウムブロミド(シグマ−アルドリッチ製、1.0mol/lエーテル溶液)45ml(45.0mmol)を窒素雰囲気中0℃で滴下した。35℃で20時間反応を行い、反応混合物を0℃に冷やして希塩酸を加え、エーテルで抽出した。エーテル溶液を水、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、水の順に洗浄し、塩化カルシウムで乾燥させた。得られた液体をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:ヘキサン)及び減圧蒸留で精製し、目的の1,2―ジドデシルベンゼンを5.56g(13.4mmol)を得た(収率88%)。
H NMR(CDCl,22℃):δ=7.11(m,4H),2.59(t,J=7.8Hz,4H),1.55(m,4H),1.26(m,36H),0.88(t,J=6.8Hz,6H)。
MS m/z: 414(M,100%),260(M−C1123,71%),106(M−C2246,98%)。
合成例3 (2−ブロモ−3−ヨード−6,7−ジドデシルアントラキノンの合成)
2−ブロモ−3−ヨード−6,7−ジドデシルアントラキノンは「ベリヒテ」(独国)、1933年、66B巻、1876−1891頁を参考に以下の様に合成した。
合成例1で得られた4−ブロモ−5−ヨード無水フタル酸2.82g(8.00mmol)、合成例2で得られた1,2−ジドデシルベンゼン3.32g(8.00mmol)、テトラクロロエタン5.0mlの混合液に塩化アルミニウム2.41g(18.1mmol)を加え、室温で3時間反応を行った。水を加えてクエンチし、さらに水洗浄を行い、加熱真空乾燥後、白色固体を6.2g得た。得られた固体に濃硫酸44mlを添加し、80℃で1時間反応した。反応混合物を氷に注ぎ入れ、析出した固体をろ過して水で洗浄した。乾燥後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:ヘキサン/酢酸エチル,10:1)及びヘプタンからの再結晶で精製し、2−ブロモ−3−ヨード−6,7−ジドデシルアントラキノンの固体4.20g(5.60mmol)を得た(収率70%)。
H NMR(CDCl,22℃):δ=8.73(s,1H),8.45(s,1H),8.05(s,2H),2.75(m,4H),1.62(m,4H),1.26(m,36H),0.88(m,6H)。
MS m/z: 750(M,100%),440(M−C2246,8%),313(M−C2246I,2%),233(M−C2246IBr,1%)。
合成例4 (2−ブロモ−3−ヨード−6,7−ジドデシルアントラセンの合成)(一般式(8)及び(10)の化合物の合成)
窒素雰囲気下、100mlシュレンク反応容器に合成例3で合成した2−ブロモ−3−ヨード−6,7−ジドデシルアントラキノン1.10g(1.47mmol)を入れた。次いでTHF17mlを加え、水素化ジイソブチルアルミニウム(関東化学製、0.99mol/l、トルエン溶液)4.0ml(4.0mmol)を加え、室温で1.5時間反応を行った。次いで反応混合物に6M塩酸水溶液10mlを加え、65℃で3時間反応を行った。反応混合物を室温まで冷やし、エーテルで抽出した。エーテル溶液を飽和食塩水で洗浄して無水硫酸ナトリウムで乾燥、減圧濃縮し、得られた残渣に再びTHF17mlを加え、水素化ジイソブチルアルミニウム4.0ml(4.0mmol)を加え、室温で1.5時間反応を行った。次いで反応混合物に6M塩酸水溶液10mlを加え、3時間反応を行った。反応混合物を室温まで冷やし、エーテルで抽出した。エーテル溶液を飽和食塩水で洗浄して無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧乾燥した。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:ヘキサン)で精製し、2−ブロモ−3−ヨード−6,7−ジドデシルアントラセンの黄色固体を629mg(0.87mmol)得た(収率59%)。
H NMR(CDCl,22℃):δ=8.55(s,1H),8.27(s,1H),8.16(s,1H),8.15(s,1H),7.72(s,2H),2.78(m,4H),1.71(m,4H),1.27(m,36H),0.88(m,6H)。
MS m/z: 720(M,100%),410(M−C2246,16%),283(M−C2246−I,4%),203(M−C2246−I−Br,5%)。
実施例1 (ジブロモ(テトラドデシル)ジアントリルエチンの合成)(一般式(3)のジハロジアリールエチン誘導体の合成)
窒素雰囲気下、100mlシュレンク反応容器に合成例4で合成した2−ブロモ−3−ヨード−6,7−ジドデシルアントラセン(一般式(8)の化合物)625mg(0.868mmol)、THF4ml、及びジイソプロピルアミン12mlを添加した。さらにジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(和光純薬工業製)30.5mg(0.043mmol)、ヨウ化銅(I)(和光純薬工業製)19.8mg(0.10mmol)、及びトリメチルシリルアセチレン(和光純薬工業製)0.15ml(1.05mmol)を添加した。この混合物を26℃で16時間反応を実施した。反応混合物を減圧濃縮し溶媒を留去し、さらに真空乾燥した。得られた残渣にトルエンを添加し、70%tert−ブチルハイドロパーオキサイド溶液(和光純薬工業製)(0.06ml)を添加し、室温で1時間撹拌した。この溶液を水洗浄し、有機相をシリカゲルに通過させた(溶媒;トルエン)。溶出液を減圧濃縮し、得られた残渣608mg(2−トリメチルシリルエチニル−3−ブロモ−6,7−ジドデシルアントラセンを主成分とする)にメタノール8ml及び炭酸カリウム360mg(2.60mmol)を添加し、室温で10時間反応させた(脱トリアルキリシリル処理)。反応混合物を減圧濃縮し溶媒を留去し、さらに真空乾燥した。得られた残渣にエーテルを添加し水で洗浄した。有機相を減圧濃縮し、2−エチニル−3−ブロモ−6,7−ジドデシルアントラセン(一般式(9)で示される2−エチニル−3−ハロアレーン誘導体)を主成分とする550mgの粘調物を得た。
得られた2−エチニル−3−ブロモ−6,7−ジドデシルアントラセンを主成分とする550mgの粘調物にTHF4ml、及びジイソプロピルアミン12mlを添加した。ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(和光純薬工業製)29.0mg(0.041mmol)、ヨウ化銅(I)(和光純薬工業製)19.4mg(0.10mmol)、及び合成例4で合成した2−ブロモ−3−ヨード−6,7−ジドデシルアントラセン(一般式(10)の化合物)630mg(0.875mmol)を添加した。この混合物を26℃で16時間反応を実施した。反応混合物を減圧濃縮し溶媒を留去し、さらに真空乾燥した。得られた残渣にトルエンを添加し、70%tert−ブチルハイドロパーオキサイド溶液(和光純薬工業製)(0.06ml)を添加し、室温で1時間撹拌した。この溶液を水洗浄し、有機相を減圧濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し(溶媒;ヘキサン:塩化メチレン=10:1)、ジブロモ(テトラドデシル)ジアントリルエチンの黄色固体724mgを得た(収率69%)。
FABMS m/z: 1210(M,100%),1130(M−Br,8)。
MS測定より、ジブロモ(テトラドデシル)ジアントリルエチンが得られたことを確認した。なお、その構造式を下記に示す。
Figure 0005481850
実施例2 (ジブロモ(テトラドデシル)ジアントラセニルエチンの合成)(一般式(3)のジハロジアリールエチン誘導体)
窒素雰囲気下、100mlシュレンク反応容器に合成例4で合成した2−ブロモ−3−ヨード−6,7−ジドデシルアントラセン(一般式(8)の化合物)879mg(1.22mmol)、トルエン6ml、及びピペリジン5mlを添加した。さらにジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(和光純薬工業製)16.8mg(0.024mmol)、及びヨウ化銅(I)(和光純薬工業製)10.0mg(0.053mmol)を添加した。この混合物を60℃に加熱し、アセチレンのガスを溶液中に浸したディップチューブを通してゆっくりと導入しながら1.5時間反応を実施した。アセチレンのガスの導入を停止後、さらに3時間反応を継続した。室温に冷却後トルエンを添加し、水で洗浄した。有機相を、5%硫酸水溶液、飽和重曹水、飽和食塩水の順に洗浄した。得られた有機相に、70%tert−ブチルハイドロパーオキサイド溶液(和光純薬工業製)(0.06ml)を添加し、室温で1時間撹拌した。この溶液を水洗浄し、有機相を減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し(溶媒;ヘキサン:塩化メチレン=10:1)、ジブロモ(テトラドデシル)ジアントリルエチンの黄色固体530mgを得た(収率72%)。
実施例3 (ジブロモ(テトラドデシル)ジアントリルエチンの合成)(一般式(3)のジハロジアリールエチン誘導体)
窒素雰囲気下、100mlシュレンク反応容器に合成例4で合成した2−ブロモ−3−ヨード−6,7−ジドデシルアントラセン(一般式(8)の化合物)454mg(0.631mmol)、トリメチルシリルアセチレン31.0mg(0.315mmol)、ジイソプロピルアミン5ml、トルエン2ml、水4.4mg(0.246mmol)、及び1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン57.7mg(0.379mmol)(東京化成工業製)を添加した。さらにジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(和光純薬工業製)22.1mg(0.032mmol)、及びヨウ化銅(I)(和光純薬工業製)16.8mg(0.088mmol)を添加した。この混合物を60℃に加熱し、20時間反応を継続した。室温に冷却後トルエンを添加し、水で洗浄した。有機相を、5%硫酸水溶液、飽和重曹水、飽和食塩水の順に洗浄した。得られた有機相に、70%tert−ブチルハイドロパーオキサイド溶液(和光純薬工業製)(0.06ml)を添加し、室温で1時間撹拌した。この溶液を水洗浄し、有機相を減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し(溶媒;ヘキサン:塩化メチレン=10:1)、ジブロモ(テトラドデシル)ジアントリルエチンの黄色固体126mgを得た(収率33%)。
合成例5 (2−ブロモ−3−ヨード−6,7−(ドデシル)フルオロアントラセンの合成)(一般式(8)及び(10)の化合物の合成)
合成例2で1,2−ジクロロベンゼンの代わりに、1−クロロ−2−フルオロベンゼン(東京化成工業製)を用いた以外は合成例2と同じ操作を繰り返して1−ドデシル−2−フルオロベンゼンを合成した。この1−ドデシル−2−フルオロベンゼンと合成例1で得られた4−ブロモ−5−ヨードフタル酸無水物を用い、合成例3と同じ操作を繰り返し2−ブロモ−3−ヨード−6,7−(ドデシル)フルオロアントラキノンを得、さらに合成例4と同じ操作を繰り返して、2−ブロモ−3−ヨード−6,7−(ドデシル)フルオロアントラセンへ変換した。
実施例4 (ジブロモジフルオロ(ジドデシル)ジアントリルエチンの合成)(一般式(3)のジハロジアリールエチン誘導体)
窒素雰囲気下、100mlシュレンク反応容器に合成例5で合成した2−ブロモ−3−ヨード−6−ドデシル−7−フルオロアントラセン(一般式(8)の化合物)464mg(0.815mmol)、トルエン4ml、及びピペリジン3mlを添加した。さらにジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(和光純薬工業製)14.5mg(0.021mmol)、及びヨウ化銅(I)(和光純薬工業製)8.4mg(0.044mmol)を添加した。この混合物を60℃に加熱し、アセチレンのガスを溶液中に浸したディップチューブを通してゆっくりと導入しながら1.5時間反応を実施した。アセチレンのガスの導入を停止後、さらに3時間反応を継続した。室温に冷却後トルエンを添加し、水で洗浄した。有機相を、5%硫酸水溶液、飽和重曹水、飽和食塩水の順に洗浄した。得られた有機相に、70%tert−ブチルハイドロパーオキサイド溶液(和光純薬工業製)(0.06ml)を添加し、室温で1時間撹拌した。この溶液を水洗浄し、有機相を減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し(溶媒;ヘキサン:塩化メチレン=10:1)、ジブロモジフルオロ(ジドデシル)ジアントリルエチンの異性体の混合物からなる黄色固体237mgを得た(収率64%)。
FABMS m/z: 909(M,100%),829(M−Br,7).
MS測定より、ジブロモジフルオロ(ジドデシル)ジアントリルエチンが得られたことを確認した。なお、その構造式を下記に示す。
Figure 0005481850
合成例6 (4−ブロモ−1,2−ジヨードベンゼンの合成)
100mlシュレンク反応容器に、1,2−ジヨードベンゼン(東京化成工業製)5.56g(16.8mmol)及びジクロロメタン30mlを添加し、0℃に冷却した。鉄粉(シグマ−アルドリッチ製)67mg及びヨウ素10mg(0.04mmol)を添加後、臭素0.87ml(17mmol)を滴下した。0℃で8時間撹拌後、亜硫酸水素ナトリウム水溶液を添加し、反応を停止させた。有機相を水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧濃縮し、得られた残渣をTHF/メタノールから2回再結晶化し、4−ブロモ−1,2−ジヨードベンゼン4.94gの白色結晶を得た(収率72%)。
合成例7 (4−ブロモ−1,2−(パーフルオロドデシル)ベンゼンの合成)
4−ブロモ−1,2−(パーフルオロドデシル)ベンゼンは、「ジャーナル オブ フルオリン ケミストリィー」、1989年、43巻、207−228頁を参考に次のように合成した。
窒素雰囲気下、100mlシュレンク反応容器に、銅粉(カッパーブロンズ)(シグマ−アルドリッチ製)2.85g(44.8mmol)、パーフルオロドデシルアイオダイド(シンクエスト製)18.4g(24.6mmol)、合成例6で合成した4−ブロモ−1,2−ジヨードベンゼン4.58g(11.2mmol)、及びジメチルスルホキシド18mlを添加し、125℃に加熱し、8時間反応させた。室温に冷却後、水を添加し反応を停止させた。さらにエーテルを添加し、混合物をセライトを用いて濾過した。濾液をエーテル抽出し、合わせた有機相を水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧濃縮し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し(溶媒:ヘキサン)、4−ブロモ−1,2−(パーフルオロドデシル)ベンゼンの無色の液体6.24gを得た(収率40%)。
合成例8 (2−ブロモ−3−ヨード−6,7−ジ(パーフルオロドデシル)アントラキノンの合成)
窒素雰囲気下、300mlシュレンク反応容器に、合成例7で得られた4−ブロモ−1,2−(パーフルオロドデシル)ベンゼン6.11g(4.39mmol)及びTHF80mlを添加した。この溶液を−50℃に冷却し、イソプロピルマグネシウムブロミド(関東化学製、0.65M)のTHF溶液6.8ml(4.4mmol)を滴下した。−50℃で30分熟成後、ここに合成例1で合成した4−ブロモ−5−ヨード無水フタル酸1.48g(4.20mmol)とTHF20mlからなる溶液を滴下した。反応混合物を一晩かけて室温まで昇温した後、氷冷し3M塩酸水溶液を添加した。エーテルで抽出し、合わせた有機相を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧下濃縮し、白色固体7.00g得た。得られた固体に濃硫酸40mlを添加し、80℃で12時間反応した。反応混合物を氷に注ぎ入れ、析出した固体をろ過して水で洗浄した。乾燥後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液;ヘキサン:塩化メチレン=15:1)及びヘプタンからの再結晶で精製し、2−ブロモ−3−ヨード−6,7−ジ(パーフルオロドデシル)アントラキノンの固体1.86g(1.13mmol)を得た(収率27%)。
合成例9 (2−ブロモ−3−ヨード−6,7−ジ(パーフルオロドデシル)アントラセンの合成)(一般式(8)及び(10)の化合物の合成)
窒素雰囲気下、100mlシュレンク反応容器に合成例8で合成した2−ブロモ−3−ヨード−6,7−ジ(パーフルオロドデシル)アントラキノン1.81g(1.10mmol)を入れた。次いでTHF15mlを加え、水素化ジイソブチルアルミニウム(関東化学製、0.99mol/l、トルエン溶液)3.5ml(3.5mmol)を加え、室温で1.5時間反応を行った。次いで反応混合物に6M塩酸水溶液10mlを加え、65℃で3時間反応を行った。反応混合物を室温まで冷やし、エーテルで抽出した。エーテル溶液を飽和食塩水で洗浄して無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧濃縮した。得られた残渣に再びTHF15mlを加え、水素化ジイソブチルアルミニウム3.5ml(3.5mmol)を加え、室温で1.5時間反応を行った。次いで反応混合物に6M塩酸水溶液10mlを加え、3時間反応を行った。反応混合物を室温まで冷やし、エーテルで抽出した。エーテル溶液を飽和食塩水で洗浄して無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧乾燥した。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:ヘキサン)で精製し、2−ブロモ−3−ヨード−6,7−ジ(パーフルオロドデシル)アントラセンの黄色固体1.12gを得た(収率63%)。
実施例5 (ジブロモテトラ(パーフルオロドデシル)ジアントラセニルエチンの合成)(一般式(3)のジハロジアリールエチン誘導体)
窒素雰囲気下、100mlシュレンク反応容器に合成例9で合成した2−ブロモ−3−ヨード−6,7−ジ(パーフルオロドデシル)アントラセン(一般式(8)の化合物)1.07g(0.661mmol)、トルエン7ml、及びピペリジン6mlを添加した。さらにジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(和光純薬工業製)23.2mg(0.033mmol)、及びヨウ化銅(I)(和光純薬工業製)13.2mg(0.069mmol)を添加した。この混合物を60℃に加熱し、アセチレンのガスを溶液中に浸したディップチューブを通してゆっくりと導入しながら1.5時間反応を実施した。アセチレンのガスの導入を停止後、さらに3時間反応を継続した。室温に冷却後トルエンを添加し、水で洗浄した。有機相を、5%硫酸水溶液、飽和重曹水、飽和食塩水の順に洗浄した。得られた有機相に、70%tert−ブチルハイドロパーオキサイド溶液(和光純薬工業製)(0.08ml)を添加し、室温で1時間撹拌した。この溶液を水洗浄し、有機相を減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し(溶媒;ヘキサン:塩化メチレン=20:1)、ジブロモテトラ(パーフルオロドデシル)ジアントリルエチンの黄色固体407mgを得た(収率41%)。
FABMS m/z: 3009(M,100%)。
MS測定より、ジブロモテトラ(パーフルオロドデシル)ジアントリルエチンが得られたことを確認した。なお、その構造式を下記に示す。
Figure 0005481850
合成例10 (4−ブロモ−1,2−ジフェニルベンゼンの合成)
窒素雰囲気下、200mlシュレンク反応容器に、合成例6で得られた4−ブロモ−1,2−ジヨードベンゼン2.15g(5.25mmol)にジヒドロキシフェニルボラン(和光純薬工業製)1.47g(12.1mmol)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(東京化成工業製)458mg(0.40mmol)、炭酸ナトリウム3.34g(31.5mmol)、トルエン42ml、エタノール10.5ml、水13.3mlを加え、80℃で29時間反応させた。1M塩酸水溶液を加えて反応をクエンチし、トルエンで抽出した後、有機層を水洗浄して無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧留去し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:ヘキサン)で精製して目的の4−ブロモ−1,2−ジフェニルベンゼン1.46g(4.72mmol)を得た(収率90%)。
合成例11 (2−ブロモ−3−ヨード−6,7−ジフェニルアントラキノンの合成)
窒素雰囲気下、300mlシュレンク反応容器に、合成例10で得られた4−ブロモ−1,2−ジフェニルベンゼン1.46g(4.72mmol)を入れた。次いでTHF28mlを加えて−78℃に冷却し、n−ブチルリチウム(関東化学製、1.59mol/l、ヘキサン溶液)3.0ml(4.77mmol)を加え、30分間反応させた。次いで合成例1で合成した4−ブロモ−5−ヨード無水フタル酸1.66g(4.72mmol)を加え、室温まで昇温した。水を加えてクエンチし得られた固体を濾過し、さらに水洗浄を行い、加熱真空乾燥後白色固体3.2gを得た。得られた固体に濃硫酸26mlを添加し、80℃で1時間反応した。反応混合物を氷に注ぎ入れ、析出した固体をろ過して水で洗浄した。乾燥後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:ヘキサン/塩化メチレン,10:1)及びヘプタンからの再結晶で精製し、2−ブロモ−3−ヨード−6,7−ジフェニルアントラキノンの黄色固体298mg(0.53mmol)得た(収率11%)。
合成例12 (2−ブロモ−3−ヨード−6,7−ジフェニルアントラセンの合成)(一般式(8)及び(10)の化合物の合成)
窒素雰囲気下、50mlシュレンク反応容器に、合成例11で合成した2−ブロモ−3−ヨード−6,7−ジフェニルアントラキノン243mg(0.43mmol)及びTHF5mlを加えた。水素化ジイソブチルアルミニウム(関東化学製、0.99mol/l、トルエン溶液)1.20ml(1.20mmol)を滴下し、室温で1.5時間還元反応を行った。この反応混合物に6M塩酸水溶液3mlを加え、65℃で3時間脱水反応を行った。反応混合物を室温まで冷やし、エーテルで抽出した。エーテル溶液を飽和食塩水で洗浄して、無水硫酸ナトリウムで乾燥、減圧濃縮し、得られた残渣に再びTHF5mlを加え、水素化ジイソブチルアルミニウム(関東化学製、0.99mol/l、トルエン溶液)1.20ml(1.20mmol)を加え、室温で1.5時間還元反応を行った。次いで反応混合物に6M塩酸水溶液3mlを加え、3時間脱水反応を行った。反応混合物を室温まで冷やし、エーテルで抽出した。エーテル溶液を飽和食塩水で洗浄して無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧濃縮した。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:ヘキサン)で精製し、2−ブロモ−3−ヨード−6,7−ジフェニルアントラセンの黄色固体128mg(0.239mmol)を得た(収率56%)。
参考例1(ジブロモテトラフェニルジアントリルエチンの合成)(一般式(3)のジハロジアリールエチン誘導体)
窒素雰囲気下、100mlシュレンク反応容器に合成例12で合成した2−ブロモ−3−ヨード−6,7−ジフェニルアントラセン(一般式(8)の化合物)128mg(0.239mmol)、トルエン4ml、及びピペリジン3mlを添加した。さらにジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(和光純薬工業製)8.4mg(0.012mmol)、及びヨウ化銅(I)(和光純薬工業製)4.8mg(0.025mmol)を添加した。この混合物を60℃に加熱し、アセチレンのガスを溶液中に浸したディップチューブを通してゆっくりと導入しながら1.5時間反応を実施した。アセチレンのガスの導入を停止後、さらに3時間反応を継続した。室温に冷却後トルエンを添加し、水で洗浄した。有機相を、5%硫酸水溶液、飽和重曹水、飽和食塩水の順に洗浄した。得られた有機相に、70%tert−ブチルハイドロパーオキサイド溶液(和光純薬工業製)(0.06ml)を添加し、室温で1時間撹拌した。この溶液を水洗浄し、有機相を減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し(溶媒;ヘキサン:塩化メチレン=10:1)、ジブロモテトラフェニルジアントリルエチンの黄色固体66mgを得た(収率66%)。
FABMS m/z: 841(M,100%),761(M−Br,7)。
MS測定より、ジブロモテトラフェニルジアントリルエチンが得られたことを確認した。なお、その構造式を下記に示す。
Figure 0005481850
合成例13 (2−ブロモ−3−ヨード−6,7−ジ(ペンタデシル)アントラセンの合成)(一般式(8)及び(10)の化合物の合成)
合成例2でドデシルマグネシウムブロミドの代わりに、ペンタデシルマグネシウムブロミド(エーテル中、1−ブロモペンタデカンとマグネシウムから調製)を用いた以外は合成例2と同じ操作を繰り返して1,2−ジ(ペンタデシル)ベンゼンを合成した。この1,2−ジ(ペンタデシル)ベンゼンと合成例1で得られた4−ブロモ−5−ヨードフタル酸無水物を用い、合成例3と同じ操作を繰り返し2−ブロモ−3−ヨード−6,7−ジ(ペンタデシル)フルオロアントラキノンを得、さらに合成例4と同じ操作を繰り返して、2−ブロモ−3−ヨード−6,7−ジ(ペンタデシル)アントラセンへ変換した。
H NMR(CDCl,22℃):δ=8.55(s,1H),8.27(s,1H),8.16(s,1H),8.15(s,1H),7.72(s,2H),2.78(m,4H),1.71(m,4H),1.27(m,36H),0.88(m,6H)。
MS m/z: 720(M,100%),410(M−C2246,16%),283(M−C2246−I,4%),203(M−C2246−I−Br,5%)。
実施例7 (ジブロモテトラ(ペンタデシル)ジアントリルエチンの合成)(一般式(3)のジハロジアリールエチン誘導体の合成)
窒素雰囲気下、100mlシュレンク反応容器に合成例13で合成した2−ブロモ−3−ヨード−6,7−ジ(ペンタデシル)アントラセン(一般式(8)の化合物)201mg(0.250mmol)、THF5ml、及びジイソプロピルアミン12mlを添加した。さらにジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(和光純薬工業製)8.5mg(0.0074mmol)、ヨウ化銅(I)(和光純薬工業製)3.4mg(0.018mmol)、及びトリメチルシリルアセチレン(和光純薬工業製)0.035ml(0.25mmol)を添加した。この混合物を26℃で1.5時間、50℃で3時間、及び60℃で1時間反応を実施した。反応混合物をシリカゲル濾過(溶媒;トルエン)し溶媒を留去後、さらに真空乾燥した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し(溶媒;ヘキサン)、2−トリメチルシリルエチニル−3−ブロモ−6,7−ジ(ペンタデシル)アントラセン143mgを得た(収率74%)。ここへメタノール2.5ml、THF5ml、及び炭酸カリウム53mg(0.383mmol)を添加し、室温で1.5時間反応させた(脱トリアルキリシリル処理)。反応混合物にトルエンを添加し水で洗浄した。有機相を減圧濃縮し、2−エチニル−3−ブロモ−6,7−ジ(ペンタデシル)アントラセン(一般式(9)で示される2−エチニル−3−ハロアレーン誘導体)を主成分とする130mgの橙色固体を得た。
得られた2−エチニル−3−ブロモ−6,7−ジ(ペンタデシル)アントラセンを主成分とする130mgの固体にトルエン5ml、及びトリエチルアミン1mlを添加した。テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(東京化成工業製)6.7mg(0.0058mmol)、ヨウ化銅(I)(和光純薬工業製)2.8mg(0.015mmol)、及び合成例13で合成した2−ブロモ−3−ヨード−6,7−ジ(ペンタデシル)アントラセン(一般式(10)の化合物)149mg(0.185mmol)を添加した。この混合物を26℃で24時間反応を実施した。反応混合物をシリカゲル濾過(溶媒;トルエン)し、溶媒を留去後、さらに真空乾燥した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し(溶媒;熱ヘプタン)、ジブロモテトラ(ペンタデシル)ジアントリルエチンの黄色固体201mgを得た(収率82%)。
H NMR(重トルエン,80℃):δ=8.28(s,2H),8.11(s,2H),7.98(s,2H),7.87(s,2H),7.66(s,4H),2.81(t,J=7.5Hz,8H),1.81−1.70(m,8H),1.55−1.11(m,96H),0.86(t,J=5.8Hz,12H)。
FABMS m/z: 1375(M)。
MS測定より、ジブロモテトラ(ペンタデシル)ジアントリルエチンが得られたことを確認した。なお、その構造式を下記に示す。
Figure 0005481850
合成例14 (4−ブロモ−5−ヨード−1,2―ジドデシルベンゼンの合成)(一般式(8)及び(10)の化合物の合成)
窒素雰囲気下、100mlシュレンク反応容器に合成例2で合成した1,2−ジドデシルベンゼン2.95g(12.0mmol)、過ヨウ素酸・2水和物684mg(3.00mmol)、ヨウ素1.62g(6.36mmol)、酢酸6.9ml、水1.4ml、及び硫酸0.21mlを添加した。65℃で6時間撹拌後、室温まで冷却後、亜硫酸水素ナトリウム水溶液を添加し、反応を停止させた。ジクロロメタンで抽出し、有機相を水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。有機相を減圧濃縮し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し(溶媒;ヘキサン)、3.73gの液体を得た。この液体の3.47gにジクロロメタン20mlを添加し、0℃に冷却した。鉄粉(シグマ−アルドリッチ製)67mg及びヨウ素10mg(0.04mmol)を添加後、臭素0.48ml(9.37mmol)を滴下した。0℃で2時間撹拌後、亜硫酸水素ナトリウム水溶液を添加し、反応を停止させた。有機相を水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧濃縮し、得られた残渣をシリカゲルを用いて濾過し、濾液を濃縮後、−78℃下でヘキサン再結晶精製を行い、4−ブロモ−5−ヨード−1,2―ジドデシルベンゼンを得た(3.14g、収率75%)。
H NMR(CDCl,22℃):δ=7.59(s,1H),7.37(s,1H),2.58−2.40(m,4H),1.57−1.45(m,4H),1.42−1.23(m,36H),0.90(t,J=6.6Hz,6H)。
参考例2(ジブロモテトラ(ドデシル)ジフェニルエチンの合成)(一般式(3)のジハロジアリールエチン誘導体の合成)
窒素雰囲気下、100mlシュレンク反応容器に合成例14で合成した4−ブロモ−5−ヨード−1,2―ジドデシルベンゼン(一般式(8)の化合物)353mg(0.570mmol)、トルエン12ml、及びトリエチルアミン2mlを添加した。さらにテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(東京化成工業製)20.0mg(0.017mmol)、ヨウ化銅(I)(和光純薬工業製)6.5mg(0.034mmol)、及びトリメチルシリルアセチレン(和光純薬工業製)0.080ml(55.6mg、0.566mmol)を添加した。この混合物を50℃で7時間反応を実施した。反応混合物を室温に冷却し、テトラブチルアンモニウムフルオリド(シグマ−アルドリッチ製、1.0mol/l、THF溶液)1.0ml(1.0mmol)を添加し、室温で1時間撹拌することで脱トリアルキリシリル処理を行い、3−エチニル−4−ブロモ−1,2―ジドデシルベンゼン(一般式(9)で示される2−エチニル−3−ハロアレーン誘導体)を調製した。ここへ合成例14で合成した4−ブロモ−5−ヨード−1,2―ジドデシルベンゼン(一般式(10)の化合物)353mg(0.570mmol)を添加した。この混合物を26℃で16時間、さらに40℃で2時間反応を実施した。トルエン及び飽和食塩水を添加し、分相後、有機相を減圧濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し(溶媒;ヘプタン)、ジブロモテトラ(ドデシル)ジフェニルエチンの白色固体396mgを得た(収率69%)。
H NMR(CDCl,22℃):δ=7.365(s,2H),7.355(s,2H),2.56−2.42(m,8H),1.61−1.42(m,8H),1.26(m,72H),0.88(t,J=6.9Hz,12H)。
MS m/z:1009(M,100%),929(M−Br,15),849(M−2Br,1)。
NMR及びMS測定より、ジブロモテトラ(ドデシル)ジフェニルエチンが得られたことを確認した。なお、その構造式を下記に示す。
Figure 0005481850
参考例3(ジブロモテトラ(ドデシル)アントリルフェニルエチンの合成)(一般式(3)のジハロジアリールエチン誘導体の合成)
窒素雰囲気下、100mlシュレンク反応容器に合成例14で合成した4−ブロモ−5−ヨード−1,2―ジドデシルベンゼン(一般式(8)の化合物)309mg(0.500mmol)、トルエン11ml、及びトリエチルアミン2mlを添加した。さらにテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(東京化成工業製)17.0mg(0.015mmol)、ヨウ化銅(I)(和光純薬工業製)5.7mg(0.030mmol)、及びトリメチルシリルアセチレン(和光純薬工業製)0.070ml(48.7mg、0.496mmol)を添加した。この混合物を50℃で7時間反応を実施した。反応混合物を室温に冷却し、テトラブチルアンモニウムフルオリド(シグマ−アルドリッチ製、1.0mol/l、THF溶液)1.0ml(1.0mmol)を添加し、室温で1時間撹拌することで脱トリアルキリシリル処理を行い、3−エチニル−4−ブロモ−1,2―ジドデシルベンゼン(一般式(9)で示される2−エチニル−3−ハロアレーン誘導体)を調製した。ここへ合成例4で合成した2−ブロモ−3−ヨード−6,7−ジドデシルアントラセン(一般式(10)の化合物)309mg(0.500mmol)を添加した。この混合物を26℃で16時間、さらに40℃で2時間反応を実施した。トルエン及び飽和食塩水を添加し、分相後、有機相を減圧濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し(溶媒;ヘプタン)、ジブロモテトラ(ドデシル)アントリルフェニルエチンの白色固体351mgを得た(収率63%)。
H NMR(CDCl,22℃):δ=8.26(s,1H),8.25(s,1H),8.23(s,1H),8.17(s,1H),7.73(s,2H),7.43(s,1H),7.40(s,1H),2.84−2.72(m,4H),2.65−2.49(m,4H),1.80−1.63(m,4H),1.63−1.48(m,4H),1.48−1.08(m、72H),0.88(t,J=6.5Hz,12H)。
NMRより、ジブロモテトラ(ドデシル)アントリルフェニルエチンが得られたことを確認した。なお、その構造式を下記に示す。
Figure 0005481850
実施例10 (ジブロモジ(ベンゾチエニル)エチンの合成)(一般式(3)のジハロジアリールエチン誘導体の合成)
窒素雰囲気下、100mlシュレンク反応容器に2,3−ジブロモベンゾチオフェン(シグマ−アルドリッチ製)(一般式(8)の化合物)500mg(1.71mmol)、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(和光純薬工業製)24.9mg(0.035mmol)、ヨウ化銅(I)(和光純薬工業製)13.5mg(0.071mmol)、THF6ml、及びトリエチルアミン3mlを添加した。さらに及びトリメチルシリルアセチレン(和光純薬工業製)198mg(2.01mmol)を添加した。この混合物を室温(27℃)で17時間反応を実施した。反応混合物にテトラブチルアンモニウムフルオリド(シグマ−アルドリッチ製、1.0mol/lTHF溶液)2.0ml(2.0mmol)を添加し、室温で1時間撹拌することで脱トリアルキリシリル処理を行い、2−エチニル−3−ブロモベンゾチオフェン(一般式(9)で示される2−エチニル−3−ハロアレーン誘導体)を調製した。ここへ2,3−ジブロモベンゾチオフェン(シグマ−アルドリッチ製)(一般式(10)の化合物)500mg(1.71mmol)、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(和光純薬工業製)20.4mg(0.029mmol)、ヨウ化銅(I)(和光純薬工業製)13.0mg(0.068mmol)を添加した。この混合物を室温で5日間撹拌した。トルエン及び3M塩酸水溶液を添加し、分相後、有機相を水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。有機相を減圧濃縮し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し(溶媒;ヘキサン:トルエン=30:1〜5:1)、さらにヘプタン:トルエン=5:2の溶媒から再結晶精製を行い、ジブロモジ(ベンゾチエニル)エチンの黄色固体289mgを得た(収率38%)。
H NMR(CDCl,22℃):δ=7.87−7.76(m,4H),7.54−7.44(m,4H)。
NMR測定より、ジブロモジ(ベンゾチエニル)エチンが得られたことを確認した。なお、その構造式を下記に示す。
Figure 0005481850
参考例4(ジ(メチルチオ)テトラ(ドデシル)ジフェニルエチンの合成)(一般式(2)のジ(アルキルカルコゲノ)ジアリールエチン誘導体の合成)
窒素雰囲気下、100mlシュレンク反応容器に参考例2で合成したジブロモテトラ(ドデシル)ジフェニルエチン(一般式(3)の化合物)85mg(0.085mmol)及びエーテル4mlを添加した。0℃でn−ブチルリチウム(関東化学製、1.61mol/l、ヘキサン溶液)0.21ml(0.34mmol)を滴下し、0℃で30分間撹拌した。0℃でジメチルジスルフィド(和光純薬工業製)32.4mg(0.344mmol)を添加した。0℃で1時間撹拌後、水及びクロロホルムを添加し、分相した。有機相を水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し(溶媒;ヘキサン:クロロホルム=10:1)、ジ(メチルチオ)テトラ(ドデシル)ジフェニルエチンの白色固体60mgを得た(収率75%)。
H NMR(CDCl,22℃):δ=7.31(s,2H),6.97(s,2H),2.62−2.51(m,8H),2.51(s,6H),1.62−1.45(m,8H),1.44−1.12(m、72H),0.88(t,J=6.9Hz,12H)。
MS m/z:944(M+1,17%),928(M−CH,100),913(M−2CH,14)。
NMR測定及びMS測定より、ジ(メチルチオ)テトラ(ドデシル)ジフェニルエチンが得られたことを確認した。なお、その構造式を下記に示す。
Figure 0005481850
参考例5(テトラ(ドデシル)ベンゾチエノベンゾチオフェンの合成)(一般式(1)のヘテロアセン誘導体の合成)
窒素雰囲気下、100mlシュレンク反応容器に参考例4で合成したジ(メチルチオ)テトラ(ドデシル)ジフェニルエチン(一般式(2)の化合物)57mg(0.060mmol)、テトラクロロエタン6ml、及びヨウ素307mg(1.21mmol)を添加した。得られた混合物を100℃で3日間撹拌した。室温に冷却後、飽和チオ硫酸ナトリウム水溶液及びジクロロメタンを添加し、分相した。有機相を水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し(溶媒;ヘキサン)、テトラ(ドデシル)ベンゾチエノベンゾチオフェンの白色固体19mgを得た(収率35%)。
H NMR(CDCl,22℃):δ=7.65(s,2H),7.59(s,2H),2.71(m,8H),1.65(m,8H),1.26(m,72H),0.88(t,J−7.0Hz,12H)。
NMR測定より、テトラ(ドデシル)ベンゾチエノベンゾチオフェンが得られたことを確認した。なお、その構造式を下記に示す。
Figure 0005481850
参考例6(ジ(メチルチオ)テトラ(ドデシル)アントリルフェニルエチンの合成)(一般式(2)のジ(アルキルカルコゲノ)ジアリールエチン誘導体の合成)
参考例4でジブロモテトラ(ドデシル)ジフェニルエチンの代わりに参考例2で合成したジブロモテトラ(ドデシル)アントリルフェニルエチン(一般式(3)の化合物)を用いた以外は実施例11と同様な操作を繰り返して、ジ(メチルチオ)テトラ(ドデシル)アントリルフェニルエチンの黄色固体を得た(収率57%)。
H NMR(CDCl,22℃):δ=8.18(s,2H),8.13(s,1H),7.70(s,1H),7.68(s,1H),7.55(s,1H),7.39(s,1H),7.00(s,1H),2.77(t,J=7.6Hz,4H),2.63(s,3H),2.58(t,J=7.6Hz,4H),2.55(s,3H),1.79−1.45(m,8H),1.44−1.12(m,72H),0.88(t,J=6.1Hz,12H)。
NMR測定より、ジ(メチルチオ)テトラ(ドデシル)アントリルフェニルエチンが得られたことを確認した。なお、その構造式を下記に示す。
Figure 0005481850
参考例7(テトラ(ドデシル)アントラチエノベンゾチオフェンの合成)(一般式(1)のヘテロアセン誘導体の合成)
窒素雰囲気下、100mlシュレンク反応容器に参考例6で合成したジ(メチルチオ)テトラ(ドデシル)アントリルフェニルエチン(一般式(2)の化合物)105mg(0.101mmol)、テトラクロロエタン8ml、及びヨウ素840mg(3.31mmol)を添加した。得られた混合物を100℃で17時間撹拌した。室温に冷却後、飽和亜硫酸水素ナトリウム水溶液及びクロロホルムを添加し、分相した。有機相を水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し(溶媒;ヘキサン)、テトラ(ドデシル)アントラチエノベンゾチオフェンの橙色固体24mgを得た(収率24%)。
H NMR(CDCl,22℃):δ=8.47(s,1H),8.46(s,1H),8.41(s,1H),8.38(s,1H),7.77(s,2H),7.70(s,1H),7.62(s,1H),2.81(t,J=6.5Hz,4H),2.76(t,J=6.5Hz,4H),1.80−1.57(m,8H),1.53−1.08(m,72H),0.88(t,J=6.5Hz,12H)。
H NMRスペクトルを図1に示した。
NMR測定より、テトラ(ドデシル)アントラチエノベンゾチオフェンが得られたことを確認した。なお、その構造式を下記に示す。
Figure 0005481850
実施例15 (ジ(メチルチオ)ジ(ベンゾチエニル)エチンの合成)(一般式(2)のジ(アルキルカルコゲノ)ジアリールエチン誘導体の合成)
実施例11でジブロモテトラ(ドデシル)ジフェニルエチンの代わりに実施例10で合成したジブロモジ(ベンゾチエニル)エチン(一般式(3)の化合物)を用いた以外は実施例11と同様な操作を繰り返して、ジ(メチルチオ)ジ(ベンゾチエニル)エチンの黄色固体を得た(収率83%)。
H NMR(CDCl,22℃):δ=7.92−7.86(m,2H),7.72−7.67(m,2H),7.38−7.33(m,4H),2.58(s,6H)。
NMR測定より、ジ(メチルチオ)ジ(ベンゾチエニル)エチンが得られたことを確認した。なお、その構造式を下記に示す。
Figure 0005481850
実施例16 (2−ブロモ(ヨード)−3−メチルチオ−6,7−ジ(ペンタデシル)アントラセンの合成)(一般式(6)のハロ(アルキルカルコゲニル)アレーン誘導体の合成)
窒素雰囲気下、100mlシュレンク反応容器に合成例13で合成した2−ブロモ−3−ヨード−6,7−ジ(ペンタデシル)アントラセン(一般式(8)の化合物)502mg(0.625mmol)、ナトリウムチオメトキシド(シグマ−アルドリッチ製)(一般式(11)の化合物)48.3mg(0.687mmol)、及びNMP5mlを添加した。この混合物を40℃で8時間反応させた後、水及びトルエンを添加し、分相した。有機相を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し(溶媒;ヘキサン)、さらにヘキサンから再結晶精製を実施し、2−ブロモ(ヨード)−3−メチルチオ−6,7−ジ(ペンタデシル)アントラセンの黄色固体326mgを得た(収率70%)。
H NMR(CDCl,22℃):δ=8.48(s,0.5H),8.17(s,0.5H),8.16(s,0.5H),8.14(s,1H),8.11(s,0.5H),7.70(s,1H),7.69(s,1H),7.55(s,0.5H),7.52(s,0.5H),2.78(t,J=7.8Hz,4H),2.60(s,1.5H),2.58(s,1.5H),1.73−1.62(m,4H),1.53−1.10(m,48H),0.88(t,J=6.6Hz,6H)。
NMR測定より、2−ブロモ−3−メチルチオ−6,7−ジ(ペンタデシル)アントラセンと2−ヨード−3−メチルチオ−6,7−ジ(ペンタデシル)アントラセンの1:1の混合物であることを確認した。なお、その構造式を下記に示す。
Figure 0005481850
実施例17 (2−ホルミル−3−メチルチオ−6,7−ジ(ペンタデシル)アントラセンの合成)(一般式(5)のホルミル(アルキルカルコゲニル)アレーン誘導体の合成)
窒素雰囲気下、100mlシュレンク反応容器に実施例16で合成した2−ブロモ(ヨード)−3−メチルチオ−6,7−ジ(ペンタデシル)アントラセン(一般式(6)の化合物)150mg(0.200mmol)及びTHF10mlを添加した。この混合物を−58℃に冷却し、n−ブチルリチウム(関東化学製、1.61mol/l、ヘキサン溶液)0.25ml(0.40mmol)を滴下し、−58℃で8分間撹拌した。そこへDMF47.2mg(0.646mmol)を添加し、−58℃で20分間反応させた後、1M塩酸水溶液を添加し、反応をクエンチした。水及びトルエンを添加し、分相後、有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し(溶媒;ヘキサン:クロロホルム=1:1からクロロホルム)、2−ホルミル−3−メチルチオ−6,7−ジ(ペンタデシル)アントラセンの黄色固体118mgを得た(収率87%)。
H NMR(CDCl,22℃):δ=10.34(s,1H),8.46(s,1H),8.41(s,1H),8.19(s,1H),7.76(s,1H),7.73(s,1H),7.66(s,1H),2.80(t,J=7.0Hz,4H),2.61(s,3H),1.79−1.65(m,4H),1.55−1.10(m,48H),0.88(t,J=6.6Hz,6H)。
NMR測定より、2−ホルミル−3−メチルチオ−6,7−ジ(ペンタデシル)アントラセンが得られたことを確認した。なお、その構造式を下記に示す。
Figure 0005481850
実施例18 (テトラ(ペンタデシル)ジ(メチルチオ)ジアントリルエチレンの合成)(一般式(4)のジ(アルキルカルコゲニル)ジアリールエチレン誘導体の合成)
窒素雰囲気下、100mlシュレンク反応容器に亜鉛粉末39.5mg(0.604mmol)、THF1ml、及び4塩化チタン56.9mg(0.30mmol)の順に添加した。得られた混合物を1.5時間加熱還流した後、室温に冷却し、実施例17で合成した2−ホルミル−3−メチルチオ−6,7−ジ(ペンタデシル)アントラセン(一般式(5)の化合物)135mg(0.200mmol)とTHF5mlからなる溶液を添加した。得られた混合物を4時間加熱還流した後、室温に冷却し、飽和炭酸カリウム水溶液を添加し、1時間撹拌した。得られた反応液をセライト濾過し、濾液を分相し、水相をトルエンで抽出した。合わせた有機相を無水硫酸マグネシウムで乾燥し減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し(溶媒;ヘキサン:クロロホルム=4:1)、さらにヘプタンから再結晶精製し、テトラ(ペンタデシル)ジ(メチルチオ)ジアントリルエチレンの黄色固体26.4mgを得た(収率20%)。
H NMR(CDCl,22℃):δ=8.31(s,2H),8.23(s,2H),8.18(s,2H),7.73(s,4H),7.72(s,4H),2.80(t,J=7.7Hz,8H),2.64(s,6H),1.81−1.62(m,8H),1.53−1.12(m,96H),0.88(t,J=6.1Hz,12H)。
NMR測定より、テトラ(ペンタデシル)ジ(メチルチオ)ジアントリルエチレンが得られたことを確認した。なお、その構造式を下記に示す。
Figure 0005481850
実施例19 (テトラ(ペンタデシル)アントラチエノアントラチオフェンの合成)(一般式(1)のヘテロアセン誘導体の合成)
窒素雰囲気下、100mlシュレンク反応容器に実施例18で合成したテトラ(ペンタデシル)ジ(メチルチオ)ジアントリルエチレン36.3mg(0.0276mmol)(一般式(4)の化合物)、ヨウ素225mg(0.886mmol)、及びクロロホルム2.5mlを添加した。得られた混合物を加熱還流下で20時間反応を行った。室温に冷却後、飽和亜硫酸水素ナトリウム水溶液で洗浄し、全体を濾過した。フィルター上に残った固体を水、クロロホルムで洗浄し、さらにトルエンから再結晶精製し、テトラ(ペンタデシル)アントラチエノアントラチオフェンの赤色固体6.0mgを得た(収率17%)。
H NMR(CDCl,50℃):δ=8.47(s,4H),8.41(s,2H),8.37(s,2H),7.76(s,4H),2.81(t,J=7.8Hz,8H),1.82−1.66(m,8H),1.58−1.10(m,96H),0.88(t,J=6.6Hz,12H)。
H NMRスペクトルを図2に示した。
NMR測定より、テトラ(ペンタデシル)アントラチエノアントラチオフェンが得られたことを確認した。なお、その構造式を下記に示す。
Figure 0005481850
合成例15 (2,3−ジブロモ−6−オクタデシルベンゾチオフェンの合成)
1)2,3−ジブロモ−6−オクタデカノイルベンゾチオフェンの合成
窒素雰囲気下、200ml二口ナスにオクタデカノイルクロライド(シグマ−アルドリッチ製)7.50ml(6.75g、22.3mmol)及びジクロロメタン50mlを加えた。−15℃に冷却した後、塩化アルミニウム(和光純薬工業製)2.76g(20.7mmol)を添加した。−15℃で30分間攪拌後、−25℃に冷却し、2,3−ジブロモベンゾチオフェン(シグマ−アルドリッチ製)5.02g(17.1mmol)を添加し、−25℃で3日間反応させた後、水を加えて反応を停止させた。ジクロロメタンを添加後分相し、有機相を水で洗浄した。有機相に飽和炭酸ナトリウム水溶液を添加し、一昼夜撹拌することでオクタデカン酸をナトリウム塩とした。分相し、有機相を減圧濃縮した。得られた残渣をショートシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し(溶媒;ヘプタンからヘプタン:トルエン=3:1)、さらにヘプタンから再結晶精製することで2,3−ジブロモ−6−オクタデカノイルベンゾチオフェンの白色固体3.91gを得た(収率41%)。
H NMR(CDCl,23℃):δ=8.33(s,1H),8.00(dd,J=8.5Hz,1.4Hz,1H),7.80(d,J=8.4Hz,1H),3.02(t,J=7.6Hz,2H),1.77(m,2H),1.26(m,28H),0.88(t、J=8.1Hz,3H)。
MS m/z: 558(M,18%),479(M−Br+1,8%),334(M−C1633+1,100%)。
2)2,3−ジブロモ−6−オクタデシルベンゾチオフェンの合成
窒素雰囲気下、100mlシュレンク反応容器に合成例15の1)で合成した2,3−ジブロモ−6−オクタデカノイルベンゾチオフェン2.18g(3.90mmol)及びトリフルオロ酢酸(和光純薬工業製)5mlを添加した。室温でトリエチルシラン(信越化学製)1.5mlを滴下した。得られた混合物を60℃で4時間反応後、減圧濃縮した。残渣を120パスカル、100℃で真空加熱し、低沸分を除去した。残渣に2,3−ジブロモ−6−オクタデシルベンゾチオフェンの白色固体2.11gを得た(収率99%)。
H NMR(CDCl,23℃):δ=7.63(d,J=8.1Hz,1H),7.50(d,J=1.1Hz,1H),7.24(dd,J=8.1Hz,1.4Hz,1H),2.71(t,J=8.1Hz,2H),1.65(m,2H),1.25(m,30H),0.88(t、J=8.1Hz,3H)。
合成例16 (3−ブロモ−2−トリメチルシリルエチニル−6−オクタデシルベンゾチオフェンの合成)
窒素雰囲気下、100mlシュレンク反応容器に合成例15で合成した2,3−ジブロモ−6−オクタデシルベンゾチオフェン351mg(0.644mmol)、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(和光純薬工業製)4.2mg(0.0060mmol)、ヨウ化銅(I)(和光純薬工業製)0.8mg(0.0042mmol)、THF4ml、及びトリエチルアミン3mlを添加した。さらに及びトリメチルシリルアセチレン(和光純薬工業製)72.3mg(0.736mmol)を添加した。この混合物を室温で15時間反応を実施した。得られた混合物を氷冷し、3M塩酸水溶液及びトルエンを添加し、分相した。得られた有機相を水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し(溶媒;ヘキサン)、3−ブロモ−2−トリメチルシリルエチニル−6−オクタデシルベンゾチオフェンの白色固体345mgを得た(収率95%)。
H NMR(CDCl,23℃):δ=7.66(d,J=8.1Hz,1H),7.52(d,J=1.1Hz,1H),7.27(dd,J=8.1Hz,1.4Hz,1H),2.72(t,J=8.1Hz,2H),1.65(m,2H),1.25(m,30H),0.88(t、J=8.1Hz,3H),0.30(s,9H)。
合成例17 (3−メチルチオ−2−トリメチルシリルエチニル−6−オクタデシルベンゾチオフェンの合成)(一般式(16)の化合物の合成)
窒素雰囲気下、100mlシュレンク反応容器に合成例16で合成した3−ブロモ−2−トリメチルシリルエチニル−6−オクタデシルベンゾチオフェン345mg(0.614mmol)及びTHF7mlを添加した。得られた混合物を−74℃に冷却し、tert−ブチルリチウム(関東化学製、1.46mol/l、ペンタン溶液)0.84ml(1.22mmol)を滴下した。−74℃で20分間攪拌後、ジメチルジスルフィド(シグマ−アルドリッチ製)115mg(1.22mmol)を滴下した。−74℃で1.5時間攪拌後、3M塩酸水溶液を加えて反応をクエンチした。水及びトルエンを添加し、分相後、有機相を水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し(溶媒;ヘキサン)、3−メチルチオ−2−トリメチルシリルエチニル−6−オクタデシルベンゾチオフェンの白色固体278mgを得た(収率86%)。
H NMR(CDCl,23℃):δ=7.80(d,J=8.1Hz,1H),7.52(d,J=1.1Hz,1H),7.23(dd,J=8.1Hz,1.4Hz,1H),2.71(t,J=8.1Hz,2H),2.55(s,3H),1.65(m,2H),1.25(m,30H),0.88(t、J=8.1Hz,3H),0.30(s,9H)。
合成例18 (3−ヨード−2−トリメチルシリル(オクタデシル)ベンゾチエノチオフェンの合成)(一般式(15)の化合物の合成)
窒素雰囲気下、100mlシュレンク反応容器に合成例17で合成した3−メチルチオ−2−トリメチルシリルエチニル−6−オクタデシルベンゾチオフェン277mg(0.525mmol)及びジクロロメタン14mlを添加した。得られた混合物にヨウ素146mg(0.577mmol)を添加し、40℃で10時間攪拌した。反応混合物を室温に冷却し、チオ硫酸ナトリウム水溶液を添加後、分相し、有機相を水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧濃縮後、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し(溶媒;ヘキサン)、3−ヨード−2−トリメチルシリル(オクタデシル)ベンゾチエノチオフェンの無色オイル283mgを得た(収率84%)。
H NMR(CDCl,23℃):δ=7.68(d,J=8.1Hz,1H),7.63(d,J=1.1Hz,1H),7.23(dd,J=8.1Hz,1.4Hz,1H),2.72(t,J=8.1Hz,2H),1.67(m,2H),1.25(m,30H),0.88(t、J=8.1Hz,3H),0.49(s,9H)。
合成例19 (2,3−ジヨード(オクタデシル)ベンゾチエノチオフェンの合成)(一般式(13)の化合物の合成)
窒素雰囲気下、100mlシュレンク反応容器に合成例18で合成した3−ヨード−2−トリメチルシリル(オクタデシル)ベンゾチエノチオフェン283mg(0.441mmol)及びジクロロメタン12mlを添加した。得られた混合物を氷冷し、1塩化ヨウ素(シグマ−アルドリッチ製、1.0mol/l、ジクロロメタン溶液)0.49ml(0.49mmol)を添加し、室温で5時間攪拌した。得られた反応混合物を減圧濃縮し、残渣をヘプタンから再結晶精製し、2,3−ジヨード(オクタデシル)ベンゾチエノチオフェンの淡黄色固体288mg(0.415mmol)を得た(収率94%)。
H NMR(CDCl,23℃):δ=7.63(brs,1H),7.62(d,J=8.1Hz,1H),7.23(d,J=8.1Hz,1H),2.73(t,J=8.1Hz,2H),1.67(m,2H),1.25(m,30H),0.88(t、J=8.1Hz,3H)。
実施例20 (ブロモヨードジ(オクタデシル)ベンゾチエノチエニルベンゾチエニルの合成)(一般式(7)のジハロカルコゲノフェニルアリール誘導体の合成)
窒素雰囲気下、100mlシュレンク反応容器に合成例15で合成した2,3−ジブロモ−6−オクタデシルベンゾチオフェン(一般式(10)の化合物)237mg(0.434mmol)及びTHF15mlを添加した。得られた混合物を−72℃に冷却し、イソプロピルマグネシウムブロミド(東京化成工業製、0.78mmol/l、THF溶液)1.1ml(0.86mmol)を添加し、3.5時間かけて−28℃まで昇温させた。再度−72℃に冷却し、塩化亜鉛(シグマ−アルドリッチ製、1.0mmol/l、エーテル溶液)0.9ml(0.9mmol)を添加した。ゆっくりと室温まで昇温させた後、混合物を減圧濃縮した。得られた残渣(一般式(14)の化合物)に、合成例19で合成した2,3−ジヨード(オクタデシル)ベンゾチエノチオフェン(一般式(13)の化合物)200mg(0.288mmol)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(東京化成工業製)16.5mg(0.014mmol)、及びTHF8mlを添加した。この混合物を65℃で5時間反応を実施した。得られた反応混合物を室温に冷却後、3M塩酸水溶液を添加し、反応をクエンチした。ここへトルエンを添加し、分相後、有機相を水で洗浄し、減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し(溶媒;ヘキサン)、ブロモヨードジ(オクタデシル)ベンゾチエノチエニルベンゾチエニルの淡黄色固体151mgを得た(収率51%)。
H NMR(CDCl,23℃):δ=7.81(d,J=8.1Hz,1H),7.69(d,J=8.1Hz,1H),7.59(s,1H),7.46(s,1H),7.29(dd,J=8.1Hz,1.4Hz,1H),7.24(dd,J=8.1Hz,1.4Hz,1H),2.74(m,4H),1.65(m,4H),1.25(m,60H),0.88(m,6H)。
NMR測定より、ブロモヨードジ(オクタデシル)ベンゾチエノチエニルベンゾチエニルが得られたことを確認した。なお、その構造式を下記に示す。
Figure 0005481850
実施例21 (ジ(オクタデシル)ジ(ベンゾチエノ)チエノチオフェンの合成)(一般式(1)のヘテロアセン誘導体の合成)
窒素雰囲気下、100mlシュレンク反応容器に実施例20で合成したブロモヨードジ(オクタデシル)ベンゾチエノチエニルベンゾチエニル(一般式(7)の化合物)1111mg(0.107mmol)及びエーテル6mlを添加した。得られた混合物を0℃に冷却し、n−ブチルリチウム(関東化学製、1.61mol/l、ペンタン溶液)0.28ml(0.45mmol)を滴下した。0℃で30分間攪拌後、−72℃に冷却し、ビス(フェニルスルホニル)スルフィド(アクロス製)42.8mg(0.136mmol)を投入した。一晩かけて室温まで昇温後、水及びトルエンを添加し、分相した。得られた有機相を水で洗浄後、減圧濃縮した。得られた残渣をヘキサンで洗浄し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し(溶媒;ヘキサン)、ジ(オクタデシル)ジ(ベンゾチエノ)チエノチオフェンを含む黄色固体45mgを得た。
ジ(オクタデシル)ジ(ベンゾチエノ)チエノチオフェンの構造式を下記に示す。
Figure 0005481850
実施例22 (耐酸化性有機半導体材料の合成及びその耐酸化性評価)
窒素雰囲気下、100mlシュレンク容器にトルエン5.4gを添加し、凍結(液体窒素)−減圧−窒素置換−融解から成るサイクルを3回繰り返すことで溶存酸素を除去した。そこへ実施例19で得られたテトラ(ペンタデシル)ジアントリルチエノチオフェンの赤色固体7.1mgを添加し、60℃に加熱し溶解させ、テトラ(ペンタデシル)ジアントリルチエノチオフェンを含む耐酸化性有機半導体材料を合成した(赤色溶液)。次に、このシュレンク容器の上部の栓を開け、10分間、外気に接触させることで空気を導入(耐酸化性評価)し、さらに60℃で撹拌したが、色の変化は見られなかった。したがって、色の変化が見られなかったことから、耐酸化性に優れるものであった。さらにこの溶液を70℃、1時間、撹拌下で空気と接触させても溶液の色の変化は見られず、耐酸化性に優れるものであった。
実施例23 (有機薄膜の作製)
窒素雰囲気下、100mlシュレンク容器に実施例19で得られたテトラ(ペンタデシル)ジアントリルチエノチオフェンの赤色固体6.5mgをトルエン15gと混合し、70℃で1時間撹拌し、テトラ(ペンタデシル)ジアントリルチエノチオフェンの赤色溶液を調製した(ヘテロアセンを含む耐酸化性有機半導体材料の合成)。
窒素雰囲気下、凹面のあるガラス基板を70℃に加熱し、この基板上に上記の溶液をスポイトを用いて塗布し常圧下で乾燥し、膜厚230nmの有機薄膜を作製した。
比較例1 (耐酸化性評価)
ペンタセンを用いて耐酸化性を評価した。
窒素雰囲気下、20mlシュレンク容器にo−ジクロロベンゼン2.9gを添加し、凍結(液体窒素)−減圧−窒素置換−融解から成るサイクルを3回繰り返すことで溶存酸素を除去した。そこへペンタセン(東京化成工業製)2.5mgを添加し、120℃に加熱し溶解させると赤紫色溶液となった。次にこのシュレンク容器の上部の栓を開け、1分間、外気に接触させることで空気を導入し、さらに120℃で撹拌した。ガスクロマトグラフィー及びガスクロマトグラフィー−マススペクトル(GCMS)分析から、6,13−ペンタセンキノンが生成していることがわかった。
さらにこの溶液を120℃、1時間、撹拌下で空気と接触させると溶液の色が黄に変化していた。ガスクロマトグラフィー分析から、6,13−ペンタセンキノンの生成が増加していることがわかった。
したがって、溶液の色の変化及び6,13−ペンタセンキノンが生成していることから、酸化が進行しており、耐酸化性に劣るものであった。
比較例2 (有機薄膜の作製)
「ジャーナル オブ アメリカン ケミカル ソサイエティー」、(米国)、2007年、129巻、2224−2225頁に記載のジナフト[2,3−b:2’,3’−f]チエノ[3,2−b]チオフェン(DNTT)を用いて有機薄膜の作製を評価した。
窒素雰囲気下、100mlシュレンク容器にトルエン15gを添加し、凍結(液体窒素)−減圧−窒素置換−融解から成るサイクルを3回繰り返すことで溶存酸素を除去した。そこへDNTT6.0mgを添加し、110℃で1時間撹拌したが、わずかに溶解したのみでほとんどが固体として残存し、溶解性に劣るものであった。
また窒素雰囲気下、凹面のあるガラス基板を70℃に加熱し、この基板上に上記の溶液部分をスポイトを用いて塗布し常圧下で乾燥した。しかし、材料がある部分とない部分が存在し、均一な膜は得られず、塗布による薄膜作製は困難であった。
参考例7で合成したテトラ(ドデシル)アントラチエノベンゾチオフェンのH NMRスペクトル 実施例19で合成したテトラ(ペンタデシル)アントラチエノアントラチオフェンのH NMRスペクトル

Claims (17)

  1. 下記一般式(1)で示されることを特徴とするヘテロアセン誘導体。
    Figure 0005481850
    [(ここで、T及びTは同一又は異なって、硫黄原子、セレン原子、テルル原子を示し、環A及びBは同一又は異なって、下記一般式(A−1)で示される構造を有する。)
    Figure 0005481850
    ここで、置換基R〜R は同一又は異なって、水素原子、フッ素原子、炭素数1〜30のアルキル基(炭素数10のアルキル基を除くを示し、nは1である。)
  2. 及びTが硫黄原子であることを特徴とする請求項1に記載のヘテロアセン誘導体。
  3. 下記一般式(2)で示されることを特徴とするジ(アルキルカルコゲノ)ジアリールエチン誘導体。
    Figure 0005481850
    (ここで、置換基R及びR10は炭素数1〜8のアルキル基を示し、置換基T及びT並びに環A及びBは請求項1に記載の一般式(1)で示される置換基並びに環と同意義を示す。)
  4. 下記一般式(3)で示されることを特徴とするジハロジアリールエチン誘導体。
    Figure 0005481850
    (ここで、置換基X及びXは臭素原子、ヨウ素原子、塩素原子を示し、環A及びBは請求項に記載の一般式(2)で示される環と同意義を示す。)
  5. 下記一般式(4)で示されることを特徴とするジ(アルキルカルコゲノ)ジアリールエチレン誘導体。
    Figure 0005481850
    (ここで、置換基R11及びR12は炭素数1〜8のアルキル基を示し、T及びT並びに環A及びBは請求項1に記載の一般式(1)で示される置換基並びに環と同意義を示す。)
  6. 下記一般式(5)で示されることを特徴とするホルミル(アルキルカルコゲノ)アレーン誘導体。
    Figure 0005481850
    (ここで、置換基R11及びT並びに環Aは請求項に記載の一般式(4)で示される置換基並びに環と同意義を示す。)
  7. 下記一般式(6)で示されることを特徴とするハロ(アルキルカルコゲノ)アレーン誘導体。
    Figure 0005481850
    (ここで、置換基Xは臭素原子、ヨウ素原子、塩素原子を示し、置換基R11及びT並びに環Aは請求項に記載の一般式(5)で示される置換基並びに環と同意義を示す。)
  8. 請求項に記載の一般式(2)で示されるジ(アルキルカルコゲノ)ジアリールエチン誘導体をハロゲン誘導体と反応させることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のヘテロアセン誘導体の製造方法。
  9. 請求項に記載の一般式(4)で示されるジ(アルキルカルコゲノ)ジアリールエチレン誘導体をハロゲン誘導体と反応させることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のヘテロアセン誘導体の製造方法。
  10. 請求項に記載の一般式(3)で示されるジハロジアリールエチン誘導体をメタル化剤を用いてメタル化し、ジアルキルジスルフィド及び/又はジアルキルジセレニドと反応させることを特徴とする請求項に記載のジ(アルキルカルコゲノ)ジアリールエチン誘導体の製造方法。
  11. 請求項に記載の一般式(5)で示されるホルミル(アルキルカルコゲノ)アレーン誘導体を塩化チタンと還元剤から成る反応剤と反応させることを特徴とする請求項に記載のジ(アルキルカルコゲノ)ジアリールエチレン誘導体の製造方法。
  12. 下記一般式(8)で示される2,3−ジハロアレーン誘導体とトリアルキルシリルアセチレンをパラジウム及び/又はニッケル触媒存在下で反応させた後、脱トリアルキルシリル処理し、得られた下記一般式(9)で示される2−エチニル−3−ハロアレーン誘導体と下記一般式(10)で示される2,3−ジハロアレーン誘導体をパラジウム及び/又はニッケル触媒存在下で反応させることを特徴とする請求項に記載のジハロジアリールエチン誘導体の製造方法。
    Figure 0005481850
    (ここで、置換基Xは臭素原子、ヨウ素原子、塩素原子を示す。置換基X並びに環Aは請求項に記載の一般式(3)で示される置換基及び環と同意義を示す。)
    Figure 0005481850
    (ここで、置換基X並びに環Aは請求項に記載の一般式(3)で示される置換基及び環と同意義を示す。)
    Figure 0005481850
    (ここで、置換基Xは臭素原子、ヨウ素原子、塩素原子を示す。置換基X並びに環Bは請求項に記載の一般式(3)で示される置換基及び環と同意義を示す。)
  13. 請求項12に記載の一般式(8)で示される2,3−ジハロアレーン誘導体とアセチレン又はトリメチルシリルアセチレンをパラジウム及び/又はニッケル触媒存在下で反応させることを特徴とする請求項に記載のジハロジアリールエチン誘導体の製造方法。
  14. 請求項12に記載の一般式(8)で示される2,3−ジハロアレーン誘導体と下記一般式(11)で示されるメタルカルコゲノアルコキシドを反応させることを特徴とする請求項に記載のハロ(アルキルカルコゲノ)アレーン誘導体の製造方法。
    11 (11)
    (ここで、Mはアルカリ金属を示し、置換基R11及びTは請求項に記載の一般式(6)で示される置換基と同意義を示す。)
  15. 請求項1又は請求項2に記載のヘテロアセン誘導体を含むことを特徴とする耐酸化性有機半導体材料。
  16. 請求項15に記載の耐酸化性有機半導体材料を用いることを特徴とする有機薄膜。
  17. 有機薄膜が基板上に形成されることを特徴とする請求項16に記載の有機薄膜。
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