JP2007261961A - (チオフェン・フェニレン)コオリゴマー化合物 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、半導体特性を示す新規な(チオフェン・フェニレン)コオリゴマー化合物に関する。
従来より、新規な有機半導体材料を求めての研究が進められているが、これまでに見出された有機半導体材料はp型の半導体特性を示すものが多く、n型の半導体特性を示す化合物は少ない。
非特許文献1には、両末端にそれぞれチオフェニル基を備え、中心部がビスチオフェニル基もしくはビス(パーフルオロフェニル)基からなる(チオフェン・フェニレン)コオリゴマー化合物が新規なp型の有機半導体材料として記載されている。
非特許文献2には、両末端にそれぞれ長鎖のパーフルオロフッ化アルキル基が結合したフェニル基を有する(チオフェン・フェニレン)コオリゴマー化合物が新規な有機半導体材料として記載されている。
Angew.Chem.Int.Ed.,2003,42,3900
Chem.Mater.,2004,16,4715
本発明は、特に半導体材料として有用な、新規な(チオフェン・フェニレン)コオリゴマー化合物を提供することを目的とする。
本発明者の研究により、下記の式(I)で表わされる特定の化学構造を有する新規な(チオフェン・フェニレン)コオリゴマー化合物が半導体材料としての優れた特性を有することが見出され、さらに当該化合物の内の一部は、n型の半導体特性を示すことが見出された。また、式(I)の(チオフェン・フェニレン)コオリゴマー化合物は、ダイオード構造においてフォトダイオードによる発光を示すことが確認された。
本発明は、下記の式(I)で表される(チオフェン・フェニレン)コオリゴマー化合物:
[但し、X、Y、およびZはそれぞれ独立に、水素原子、フッ素原子、もしくはトリフルオロメチル基を表すが、X、Y、およびZのうちの少なくとも一つは、フッ素原子もしくはトリフルオロメチル基である;mおよびnはそれぞれ独立に0〜5の整数を表し;そしてpは0〜4の整数を表す]。
本発明の(チオフェン・フェニレン)コオリゴマー化合物は有機半導体材料としての優れた効果(例、高い電界効果移動度)を示し、またその内の一部のものは電界効果型トランジスタ(FET)においてn型半導体材料として用いることができる。また、本発明の(チオフェン・フェニレン)コオリゴマー化合物は有機固体レーザとして知られている骨格を有していることから、有機レーザ素子としての利用が期待できる。さらにまた、本発明の(チオフェン・フェニレン)コオリゴマー化合物はダイオード構造においてフォトダイオードによる発光を示すことが確認されている。
本発明の(チオフェン・フェニレン)コオリゴマー化合物として好ましい化合物は次の通りである。
(1)nが1である。
(2)Zがフッ素原子もしくはトリフルオロメチル基であって、mが1〜5の整数である。
(3)mが5である。
(4)Xがフッ素原子もしくはトリフルオロメチル基であって、pが1〜4の整数である。
(5)pが4である。
(6)Yが水素原子である。
(2)Zがフッ素原子もしくはトリフルオロメチル基であって、mが1〜5の整数である。
(3)mが5である。
(4)Xがフッ素原子もしくはトリフルオロメチル基であって、pが1〜4の整数である。
(5)pが4である。
(6)Yが水素原子である。
本発明の(チオフェン・フェニレン)コオリゴマー化合物は、次に示すスキームに従う方法により製造することができる。
上記のスキームでは、まず、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)とトリ−tert-ブチルホスフィンの存在下、1,4−ジブロモベンゼン(上記1の化合物)とトリ−n−ブチル(2−チエニル)スズとのスティルカップリング(Stille Coupling)反応により1,4−ビス(2−チエニル)ベンゼン(上記2の化合物)を得る。この反応は、マイクロウエーブ合成装置を用いることより、非常に短時間に目的物を生成する。次に、得られた1,4−ビス(2−チエニル)ベンゼンに、ブチルリチウムを作用させ、塩化トリメチルスズを加えることで、上記3の化合物を得て、この化合物3と、種々のアリールブロミドとをスティルカップリング反応させることにより、本発明に従う所望の(チオフェン・フェニレン)コオリゴマー化合物(上記4乃至9の化合物)を得ることができる。このスティルカップリング反応でも、マイクロウエーブ合成装置を用いることより、短時間かつ高収率で目的物を得ることができる。
本発明の(チオフェン・フェニレン)コオリゴマー化合物で、より高度にフッ素化された化合物は、次に示すスキームに従う方法により製造することができる。
なお、2−ペンタフルオロフェニルチオフェン(上記化合物11)および2−ブロモ−5−ペンタフルオロフェニルチオフェン(上記化合物12)は、Angew.Chem.Int.Ed.,2003,42,3900〜3903を参考にして合成することができ、1,2,4,5−テトラフルオロ−3,6−ビス(トリメチルスタニル)ベンゼン(上記化合物14)は、J.Organomet.Chem.(1969),19(1),75−80を参考にして合成することができる。得られた上記化合物12と上記化合物14を用いて前記と同様にマイクロウエーブ合成装置を用いることにより上記化合物15が得られる。
[実施例1]1,4−ビス(5−トリメチルスタニル−2−チエニル)ベンゼン(前記化合物3)の合成
アルゴン雰囲気下にて、ドライアイス−アセトン浴中で、1,4−ビス(2−チエニル)ベンゼン(前記化合物2)(6.528g、26.9ミリモル)の乾燥テトラヒドロフラン(THF)溶液(300mL)に、n−ブチルリチウムのn−ヘキサン溶液(2.71M、22.0mL、59.6ミリモル)を10分間かけて滴下し、30分間撹拌した。この反応溶液を約30分間かけて室温に戻し、次いで室温で10分間撹拌した後、再びドライアイス−アセトン浴中で冷却した。これに、塩化トリメチルスズ(98%、13.127g、64.6ミリモル)の乾燥THF(50mL)溶液を5分間かけて滴下して1時間撹拌した後、ドライアイス−アセトン浴を除去して12時間撹拌した。この反応溶液に、0.1M塩酸(400mL)を加えて有機層を分離した後、無水硫酸マグネシウムを用いて乾燥した。硫酸マグネシウムを濾別して、濾液を減圧濃縮し、析出した固体をn−ヘキサンで洗浄することにより、目的の1,4−ビス(5−トリメチルスタニル−2−チエニル)ベンゼンを白色固体(13.259g、収率:87%、融点:158〜162℃)として得た。
IR(KBr)cm-1:1530、1480、1200、1180、1060、920、790、760、730
1H−NMR(CDCl3,400MHz)δ=7.61(4H,s)、7.43(2H,d,J=3.5Hz)、7.17(2H,d,J=3.5Hz)、0.40(18H,s)
13C−NMR(CDCl3,100MHz)δ=149.8,137.8,136.2,133.4,126.3,124.2,−8.2
EI−MS(m/z):570(M+),568(M+),566(M+),555(M−CH3),553(M−CH3),551(M−CH3)
HR−MS:測定値=565.9539、計算値(C20H26S2Sn2)=565.9517
アルゴン雰囲気下にて、ドライアイス−アセトン浴中で、1,4−ビス(2−チエニル)ベンゼン(前記化合物2)(6.528g、26.9ミリモル)の乾燥テトラヒドロフラン(THF)溶液(300mL)に、n−ブチルリチウムのn−ヘキサン溶液(2.71M、22.0mL、59.6ミリモル)を10分間かけて滴下し、30分間撹拌した。この反応溶液を約30分間かけて室温に戻し、次いで室温で10分間撹拌した後、再びドライアイス−アセトン浴中で冷却した。これに、塩化トリメチルスズ(98%、13.127g、64.6ミリモル)の乾燥THF(50mL)溶液を5分間かけて滴下して1時間撹拌した後、ドライアイス−アセトン浴を除去して12時間撹拌した。この反応溶液に、0.1M塩酸(400mL)を加えて有機層を分離した後、無水硫酸マグネシウムを用いて乾燥した。硫酸マグネシウムを濾別して、濾液を減圧濃縮し、析出した固体をn−ヘキサンで洗浄することにより、目的の1,4−ビス(5−トリメチルスタニル−2−チエニル)ベンゼンを白色固体(13.259g、収率:87%、融点:158〜162℃)として得た。
IR(KBr)cm-1:1530、1480、1200、1180、1060、920、790、760、730
1H−NMR(CDCl3,400MHz)δ=7.61(4H,s)、7.43(2H,d,J=3.5Hz)、7.17(2H,d,J=3.5Hz)、0.40(18H,s)
13C−NMR(CDCl3,100MHz)δ=149.8,137.8,136.2,133.4,126.3,124.2,−8.2
EI−MS(m/z):570(M+),568(M+),566(M+),555(M−CH3),553(M−CH3),551(M−CH3)
HR−MS:測定値=565.9539、計算値(C20H26S2Sn2)=565.9517
[実施例2]1,4−ビス{5−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]−2−チエニル}ベンゼン(前記化合物4)の合成
アルゴン雰囲気下、1,4−ビス(5−トリメチルスタニル−2−チエニル)ベンゼン(前記化合物3)(5.680g、10.0ミリモル)、1−ブロモ−4−トリフルオロメチルベンゼン(9.000g、40.0ミリモル)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(0.916g、1.0ミリモル)、トリ−tert−ブチルホスフィン(0.813g、4.0ミリモル)、および乾燥N,N−ジメチルホルムアミド(100mL)の混合物にマイクロ波(設定出力300W、設定温度100℃)を1時間照射した。この反応混合物を室温まで冷却した後、メタノールを加え、析出した固体を吸引濾過した。得られた固体をショートカラム(シリカゲル、熱トルエン)に通した後、トルエンから再結晶して、目的の1,4−ビス{5−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]−2−チエニル}ベンゼンを黄色板状結晶(4.428g、収率:83%、融点:283.0〜284.0℃)として得た。
IR(KBr)cm-1:1610、1320、1130、1110、1080、1060、840、800
1H−NMR(CDCl3,400MHz)δ=7.74(4H,br d,J=8.0Hz)、7.68(4H,s)、7.65(4H,br d,J=8.0Hz)、7.40(2H,d,J=4.0Hz)、7.37(2H,d,J=4.0Hz)
19F−NMR(CDCl3,376.5MHz)δ=−62.8(6F)
EI−MS(m/z):530(M+)
HR−MS:測定値=530.0572、計算値(C28H16F6S2)=530.0598
アルゴン雰囲気下、1,4−ビス(5−トリメチルスタニル−2−チエニル)ベンゼン(前記化合物3)(5.680g、10.0ミリモル)、1−ブロモ−4−トリフルオロメチルベンゼン(9.000g、40.0ミリモル)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(0.916g、1.0ミリモル)、トリ−tert−ブチルホスフィン(0.813g、4.0ミリモル)、および乾燥N,N−ジメチルホルムアミド(100mL)の混合物にマイクロ波(設定出力300W、設定温度100℃)を1時間照射した。この反応混合物を室温まで冷却した後、メタノールを加え、析出した固体を吸引濾過した。得られた固体をショートカラム(シリカゲル、熱トルエン)に通した後、トルエンから再結晶して、目的の1,4−ビス{5−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]−2−チエニル}ベンゼンを黄色板状結晶(4.428g、収率:83%、融点:283.0〜284.0℃)として得た。
IR(KBr)cm-1:1610、1320、1130、1110、1080、1060、840、800
1H−NMR(CDCl3,400MHz)δ=7.74(4H,br d,J=8.0Hz)、7.68(4H,s)、7.65(4H,br d,J=8.0Hz)、7.40(2H,d,J=4.0Hz)、7.37(2H,d,J=4.0Hz)
19F−NMR(CDCl3,376.5MHz)δ=−62.8(6F)
EI−MS(m/z):530(M+)
HR−MS:測定値=530.0572、計算値(C28H16F6S2)=530.0598
[実施例3]1,4−ビス[5−(2,6−ジフルオロフェニル)−2−チエニル]ベンゼン(前記化合物6)の合成
実施例2の方法と同様にして、目的化合物の合成を行なった。得られた化合物の測定データを次に記す。
性状:黄色固体(収率:75%)
融点:194.0〜195.5℃
IR(KBr)cm-1:1560、1460、1270、1240、1190、1000、780、710
1H−NMR(CDCl3,400MHz)δ=7.69(4H,s)、7.57(2H,br d,J=4.0Hz)、7.39(2H,br d,J=4.0Hz)、7.23(2H,m)、7.01(4H,m)
19F−NMR(CDCl3,376.5MHz)δ=−110.3(4F)
EI−MS(m/z):466(M+)
HR−MS:測定値=466.0486、計算値(C26H14F4S2)=466.0473
実施例2の方法と同様にして、目的化合物の合成を行なった。得られた化合物の測定データを次に記す。
性状:黄色固体(収率:75%)
融点:194.0〜195.5℃
IR(KBr)cm-1:1560、1460、1270、1240、1190、1000、780、710
1H−NMR(CDCl3,400MHz)δ=7.69(4H,s)、7.57(2H,br d,J=4.0Hz)、7.39(2H,br d,J=4.0Hz)、7.23(2H,m)、7.01(4H,m)
19F−NMR(CDCl3,376.5MHz)δ=−110.3(4F)
EI−MS(m/z):466(M+)
HR−MS:測定値=466.0486、計算値(C26H14F4S2)=466.0473
[実施例4]1,4−ビス[5−(3,5−ジフルオロフェニル)−2−チエニル]ベンゼン(前記化合物7)の合成
実施例2の方法と同様にして、目的化合物の合成を行なった。得られた化合物の測定データを次に記す。
性状:黄色固体(収率:89%)
融点:219.0〜221.0℃
IR(KBr)cm-1:1610、1580、1450、1250、1170、1120、980、840、800
1H−NMR(CDCl3,400MHz)δ=7.65(4H,s)、7.34(2H,d,J=4.0Hz)、7.32(2H,d,J=4.0Hz)、7.14(2H,m)、6.74(2H,m)
19F−NMR(CDCl3,376.5MHz)δ=−109.6(4F)
EI−MS(m/z):466(M+)
HR−MS:測定値=466.0434、計算値(C26H14F4S2)=466.0473
実施例2の方法と同様にして、目的化合物の合成を行なった。得られた化合物の測定データを次に記す。
性状:黄色固体(収率:89%)
融点:219.0〜221.0℃
IR(KBr)cm-1:1610、1580、1450、1250、1170、1120、980、840、800
1H−NMR(CDCl3,400MHz)δ=7.65(4H,s)、7.34(2H,d,J=4.0Hz)、7.32(2H,d,J=4.0Hz)、7.14(2H,m)、6.74(2H,m)
19F−NMR(CDCl3,376.5MHz)δ=−109.6(4F)
EI−MS(m/z):466(M+)
HR−MS:測定値=466.0434、計算値(C26H14F4S2)=466.0473
[実施例5]1,4−ビス[5−(2,4,6−トリフルオロフェニル)−2−チエニル]ベンゼン(前記化合物8)の合成
実施例2の方法と同様にして、目的化合物の合成を行なった。得られた化合物の測定データを次に記す。
性状:黄色固体(収率:73%)
融点:222.5〜224.0℃
IR(KBr)cm-1:1630、1590、1480、1440、1120、1030、1100、830、790
1H−NMR(CDCl3,400MHz)δ=7.67(4H,s)、7.47(2H,br d,J=4.0Hz)、7.37(2H,br d,J=4.0Hz)、6.80(4H,m)
19F−NMR(CDCl3,376.5MHz)δ=−107.1(4F)、−109.2(2F)
EI−MS(m/z):502(M+)
HR−MS:測定値=502.0300、計算値(C26H12F6S2)=502.0285
実施例2の方法と同様にして、目的化合物の合成を行なった。得られた化合物の測定データを次に記す。
性状:黄色固体(収率:73%)
融点:222.5〜224.0℃
IR(KBr)cm-1:1630、1590、1480、1440、1120、1030、1100、830、790
1H−NMR(CDCl3,400MHz)δ=7.67(4H,s)、7.47(2H,br d,J=4.0Hz)、7.37(2H,br d,J=4.0Hz)、6.80(4H,m)
19F−NMR(CDCl3,376.5MHz)δ=−107.1(4F)、−109.2(2F)
EI−MS(m/z):502(M+)
HR−MS:測定値=502.0300、計算値(C26H12F6S2)=502.0285
[実施例6]1,4−ビス[5−(2,4,6−トリフルオロフェニル)−2−チエニル]ベンゼン(前記化合物8)の合成
実施例2の方法と同様にして、目的化合物の合成を行なった。得られた化合物の測定データを次に記す。
性状:黄色固体(収率:94%)
融点:185.5〜187.5℃
IR(KBr)cm-1:1610、1530、1500、1430、1260、1040、840、800、740
1H−NMR(CDCl3,400MHz)δ=7.64(4H,s)、7.32(2H,d,J=4.0Hz)、7.26−7.18(6H,m)
19F−NMR(CDCl3,376.5MHz)δ=−133.9(4F)、−161.8(2F)
EI−MS(m/z):502(M+)
HR−MS:測定値=502.0285、計算値(C26H12F6S2)=502.0285
実施例2の方法と同様にして、目的化合物の合成を行なった。得られた化合物の測定データを次に記す。
性状:黄色固体(収率:94%)
融点:185.5〜187.5℃
IR(KBr)cm-1:1610、1530、1500、1430、1260、1040、840、800、740
1H−NMR(CDCl3,400MHz)δ=7.64(4H,s)、7.32(2H,d,J=4.0Hz)、7.26−7.18(6H,m)
19F−NMR(CDCl3,376.5MHz)δ=−133.9(4F)、−161.8(2F)
EI−MS(m/z):502(M+)
HR−MS:測定値=502.0285、計算値(C26H12F6S2)=502.0285
[実施例7]1,4−ビス(5−ペンタフルオロフェニル−2−チエニル)−2,3,5,6−テトラフルオロベンゼン(前記化合物15)の合成
アルゴン雰囲気下、1,2,4,5−テトラフルオロ−3,6−ビス(トリメチルスタニル)ベンゼン(0)(前記化合物14)(9.515g、20.0ミリモル)、2−ブロモ−5−ペンタフルオロフェニルチオフェン(前記化合物12)(15.796g、48.0ミリモル)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(0.916g、1.0ミリモル)、トリ−tert−ブチルホスフィン(0.813g、4.0ミリモル)、および乾燥N,N−ジメチルホルムアミド(100mL)の混合物にマイクロ波(設定出力300W、設定温度100℃)を3.5時間照射した。この反応混合物を室温まで冷却した後、析出した固体を吸引濾過した。得られた固体をトルエンに溶解させ、不溶物を濾別し、次いで濾液を減圧濃縮し、残留物をトルエンから再結晶して、目的の1,4−ビス(5−ペンタフルオロフェニル−2−チエニル)−2,3,5,6−テトラフルオロベンゼンを黄色固体(1.160g、収率:9%、融点:225.0〜227.0℃)として得た。
IR(KBr)cm-1:1520、1490、1060、1030、980、960、800、770
1H−NMR(CDCl3,400MHz)δ=7.76(2H,d,J=4.0Hz)、7.62(2H,d,J=4.0Hz)
19F−NMR(CDCl3,376.5MHz)δ=−139.5(4F)、−140.0(4F)、−154.8(2F)、−161.9(4F)
EI−MS(m/z):646(M+)
HR−MS:測定値=645.9528、計算値(C26H4F14S2)=645.9531
アルゴン雰囲気下、1,2,4,5−テトラフルオロ−3,6−ビス(トリメチルスタニル)ベンゼン(0)(前記化合物14)(9.515g、20.0ミリモル)、2−ブロモ−5−ペンタフルオロフェニルチオフェン(前記化合物12)(15.796g、48.0ミリモル)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(0.916g、1.0ミリモル)、トリ−tert−ブチルホスフィン(0.813g、4.0ミリモル)、および乾燥N,N−ジメチルホルムアミド(100mL)の混合物にマイクロ波(設定出力300W、設定温度100℃)を3.5時間照射した。この反応混合物を室温まで冷却した後、析出した固体を吸引濾過した。得られた固体をトルエンに溶解させ、不溶物を濾別し、次いで濾液を減圧濃縮し、残留物をトルエンから再結晶して、目的の1,4−ビス(5−ペンタフルオロフェニル−2−チエニル)−2,3,5,6−テトラフルオロベンゼンを黄色固体(1.160g、収率:9%、融点:225.0〜227.0℃)として得た。
IR(KBr)cm-1:1520、1490、1060、1030、980、960、800、770
1H−NMR(CDCl3,400MHz)δ=7.76(2H,d,J=4.0Hz)、7.62(2H,d,J=4.0Hz)
19F−NMR(CDCl3,376.5MHz)δ=−139.5(4F)、−140.0(4F)、−154.8(2F)、−161.9(4F)
EI−MS(m/z):646(M+)
HR−MS:測定値=645.9528、計算値(C26H4F14S2)=645.9531
[実施例8]本発明の化合物の特性評価例
本発明の(チオフェン・フェニレン)コオリゴマー化合物の代表例として、実施例2で合成した1,4−ビス{5−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]−2−チエニル}ベンゼン(前記化合物4)を選び、この化合物を有機半導体材料として用いたFET素子の評価を下記の方法により実施した。
本発明の(チオフェン・フェニレン)コオリゴマー化合物の代表例として、実施例2で合成した1,4−ビス{5−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]−2−チエニル}ベンゼン(前記化合物4)を選び、この化合物を有機半導体材料として用いたFET素子の評価を下記の方法により実施した。
[評価方法]
FET構造はトップコンタクト型とし、ゲート絶縁膜(SiO2)付きのシリコン基板に有機半導体材料を蒸着し、この上に、金(アルミニウムでもよい)を蒸着してソース電極とドレイン電極を形成し、添付図面(図1)の構造のFET素子−1を得た。同様に、有機半導体材料を平板昇華法により単結晶化して、これをゲート絶縁膜の上に配置したFET素子−2を得た。
また、発光素子としての特性を評価するために、有機単結晶を用いて添付図面(図2)の構造のダイオード型素子を作成した。
FET構造はトップコンタクト型とし、ゲート絶縁膜(SiO2)付きのシリコン基板に有機半導体材料を蒸着し、この上に、金(アルミニウムでもよい)を蒸着してソース電極とドレイン電極を形成し、添付図面(図1)の構造のFET素子−1を得た。同様に、有機半導体材料を平板昇華法により単結晶化して、これをゲート絶縁膜の上に配置したFET素子−2を得た。
また、発光素子としての特性を評価するために、有機単結晶を用いて添付図面(図2)の構造のダイオード型素子を作成した。
[評価結果]
FET素子−1およびFET素子−2からはn型の特性が観測された。また、FET素子−1では、〜10-2cm2/Vsの移動度が観測された。一方、FT素子−2では約0.1cm2/Vsの移動度が観測された。
ダイオード型素子では、フォトダイオードにより素子の発光が確認された。
FET素子−1およびFET素子−2からはn型の特性が観測された。また、FET素子−1では、〜10-2cm2/Vsの移動度が観測された。一方、FT素子−2では約0.1cm2/Vsの移動度が観測された。
ダイオード型素子では、フォトダイオードにより素子の発光が確認された。
Claims (7)
- nが1である請求項1に記載の(チオフェン・フェニレン)コオリゴマー化合物。
- Zがフッ素原子もしくはトリフルオロメチル基であって、mが1〜5の整数である請求項1に記載の(チオフェン・フェニレン)コオリゴマー化合物。
- mが5である請求項3に記載の(チオフェン・フェニレン)コオリゴマー化合物。
- Xがフッ素原子もしくはトリフルオロメチル基であって、pが1〜4の整数である請求項1乃至4のうちのいずれかの項に記載の(チオフェン・フェニレン)コオリゴマー化合物。
- Yが水素原子である請求項1乃至5のうちのいずれかの項に記載の(チオフェン・フェニレン)コオリゴマー化合物。
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JP2006086227A JP2007261961A (ja) | 2006-03-27 | 2006-03-27 | (チオフェン・フェニレン)コオリゴマー化合物 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009155318A (ja) * | 2007-12-05 | 2009-07-16 | Sumitomo Seika Chem Co Ltd | (チオフェン/フェニレン)コオリゴマー、その製造方法、およびそれを含む有機半導体材料および発光材料 |
JP2010024191A (ja) * | 2008-07-22 | 2010-02-04 | Sumitomo Seika Chem Co Ltd | (チオフェン/フェニレン)コオリゴマー、その製造方法、およびそれを含む有機半導体材料および発光材料 |
JP2010053045A (ja) * | 2008-08-26 | 2010-03-11 | Sumitomo Seika Chem Co Ltd | (チオフェン/フェニレン)コオリゴマー、その製造方法、およびそれを含む有機半導体材料および発光材料 |
KR101323188B1 (ko) | 2011-09-30 | 2013-10-30 | 서울대학교산학협력단 | n형 전기 특성을 가지는 유기물 반도체 물질, 이를 이용한 트랜지스터 소자 및 트랜지스터 소자의 제조 방법 |
CN116606304A (zh) * | 2023-07-06 | 2023-08-18 | 天津大学 | 一种高电荷密度有机半导体分子及其制备方法与应用 |
-
2006
- 2006-03-27 JP JP2006086227A patent/JP2007261961A/ja active Pending
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