JP5301219B2 - (チオフェン/フェニレン)コオリゴマー、その製造方法、およびそれを含む有機半導体材料および発光材料 - Google Patents

(チオフェン/フェニレン)コオリゴマー、その製造方法、およびそれを含む有機半導体材料および発光材料 Download PDF

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Description

本発明は、(チオフェン/フェニレン)コオリゴマー、当該(チオフェン/フェニレン)コオリゴマーを含む有機半導体材料および発光材料、並びに、当該(チオフェン/フェニレン)コオリゴマーの製造方法に関する。
近年、有機EL素子用電荷輸送材料、有機薄膜トランジスタ材料およびレーザー発振用発光材料等として、導電性オリゴマーや導電性ポリマー等の有機電子材料が提案されている。
これら有機電子材料は、豊富な機能を有するだけでなく、柔軟性・耐衝撃性に優れること、大面積に適応可能であること、製造コストが比較的安価であること等といった特徴を持ち合わせていることから非常に有望視され、例えば、有機半導体レーザー、有機LED、有機ELディスプレイ、有機薄膜太陽電池、フレキシブルシートディスプレイ、電子ペーパー、ICカード、情報タグ、バイオセンサ、アクチュエーター等への応用が検討されている。
このような有機電子材料として、種々の(チオフェン/フェニレン)コオリゴマーが提案され、これらが有する種々の特性について報告されている(特許文献1および非特許文献1参照)。例えば、特許文献1には、特定の(チオフェン/フェニレン)コオリゴマーが発光材料やレーザー材料として有用であることが開示されている。また、非特許文献1には特定の(チオフェン/フェニレン)コオリゴマーについて、半導体材料としての特性が開示されている。
特開2000−26451号公報 X.M.Hong, H.E.Katz, A.J.Lovinger, B.Wang, K.Raghavachari, Chem. Mater. 2001, 13, 4686
従来の(チオフェン/フェニレン)コオリゴマーは、有機発光材料として、種々の用途に適用する上で必ずしも満足できる性能を有しているとは言い難い。本発明は、発光性能に優れた(チオフェン/フェニレン)コオリゴマー、当該(チオフェン/フェニレン)コオリゴマーを含む有機半導体材料および発光材料、並びに、当該(チオフェン/フェニレン)コオリゴマーの製造方法を提供することを目的とする。
有機電界発光素子は、両電極から電子およびホールを注入し、それらが対電極に向かい、有機薄膜で再結合して励起子を生成し、その励起子の励起状態が基底状態に戻るときに発光が生じる。従来の(チオフェン/フェニレン)コオリゴマーはホール輸送性能が大きいので、ホール注入と電子注入がアンバランスになるものと考えられ、電子供与能の高いメトキシ基と電子吸引能の高いトリフルオロメチル基を置換基として導入することにより、ホール輸送、および電子輸送の機能を両立させる方法を鋭意検討することにより本発明に至った。
本発明は、以下に示すとおりの、(チオフェン/フェニレン)コオリゴマー、当該(チオフェン/フェニレン)コオリゴマーを含む有機半導体材料および発光材料、並びに、当該(チオフェン/フェニレン)コオリゴマーの製造方法に関する。
項1.
式(1):
Figure 0005301219
(式中、Arは、フェニレン基、またはチエニレン基を示す。nは1〜5の整数を示し、n個のArは同一でも異なっていてもよい。但し、n個のArのうち、少なくとも1個はチエニレン基である。)で表される(チオフェン/フェニレン)コオリゴマー。
項2.
項1に記載の(チオフェン/フェニレン)コオリゴマーを含む有機半導体材料。
項3.
項1に記載の(チオフェン/フェニレン)コオリゴマーを含む発光材料。
項4.
式(2):
Figure 0005301219
(式中、Aは、塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子とクロスカップリング可能な置換基を示す。)で表される化合物と、式(3):
Figure 0005301219
(式中、Arは、フェニレン基、またはチエニレン基を示す。nは1〜5の整数を示し、n個のArは同一でも異なっていてもよい。但し、n個のArのうち、少なくとも1個はチエニレン基である。Xは、塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子を示す。)で表される化合物とを、金属触媒の存在下で反応させることを特徴とする、式(1):
Figure 0005301219
(式中、Arは、フェニレン基、またはチエニレン基を示す。nは1〜5の整数を示し、n個のArは同一でも異なっていてもよい。但し、n個のArのうち、少なくとも1個はチエニレン基である。)で表される(チオフェン/フェニレン)コオリゴマーの製造方法。
項5.
金属触媒が、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)である項4記載の(チオフェン/フェニレン)コオリゴマーの製造方法。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明に係る(チオフェン/フェニレン)コオリゴマーは、下記式(1)で表される化合物である。
Figure 0005301219
式(1)中、Arは、フェニレン基、またはチエニレン基を示す。nは1〜5の整数を示し、n個のArは同一でも異なっていてもよい。但し、n個のArのうち、少なくとも1個はチエニレン基である。)
本発明に係る(チオフェン/フェニレン)コオリゴマーの具体例を以下に示す。
Figure 0005301219
Figure 0005301219
Figure 0005301219
Figure 0005301219
本発明に係る(チオフェン/フェニレン)コオリゴマーは、電子受容性に優れたトリフルオロメチル基と電子供与性に優れたメトキシ基を末端に1個づつ置換しているので、トランジスタのソース電極とドレイン電極から、電子とホールの両方を別々に高効率で注入、輸送することができる。アンビポーラー半導体材料は、論理回路、および発光機能を合わせたデバイス等へ応用することができる。
本発明に係る前記式(1)で表される(チオフェン/フェニレン)コオリゴマーは、例えば、下記式(2)で表される化合物と下記式(3)で表される化合物とを金属触媒の存在下で反応させることにより製造することができる。
Figure 0005301219
Figure 0005301219
式(2)中、Aは、塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子とクロスカップリング可能な置換基を示す。
Aで示される、塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子とクロスカップリング可能な置換基の具体例としては、例えば、ボロン誘導体基、ハロゲン化金属基およびトリアルキルスズ基等が挙げられる。ボロン誘導体基としては、ボロン酸基、ジメチルボラン基、ジエチルボラン基、ジフェニルボラン基、ピナコリルボラン基、カテコールボラン基、9−ボラビシクロ[3,3,1]ノニル基およびトリフルオロホウ素基等が挙げられる。ハロゲン化金属基としては、塩化マグネシウム基、臭化マグネシウム基、ヨウ化マグネシウム基、塩化亜鉛基、臭化亜鉛基およびヨウ化亜鉛基等が挙げられる。またトリアルキルスズ基としては、トリメチルスズ基、トリエチルスズ基およびトリブチルスズ基等が挙げられる。
式(3)中、Xは、塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子を示す。Arはフェニレン基またはチエニレン基を示す。nは1〜5の整数を示し、n個のArは同一でも異なっていてもよい。但し、n個のArのうち、少なくとも1個はチエニレン基である。
式(2)および式(3)で表される化合物は、市販品を用いてもよいし、公知の方法およびそれに準拠した方法により適宜必要に応じて製造したものを使用してもよい。
式(2)で表される化合物の製造方法としては、例えば、式(2)中におけるAが塩化亜鉛基である4−メトキシフェニル亜鉛クロリドは、1−ブロモ−4−メトキシベンゼンにn−ブチルリチウムおよび塩化亜鉛を順次反応させる方法(J. Am. Chem. Soc. 2004, 126, 6240)等の公知の方法により製造することができる。
Figure 0005301219
また、例えば、式(2)中におけるAがトリブチルスズ基である4−メトキシフェニルトリブチルスズは、4−メトキシフェニルマグネシウムブロミドに塩化トリブチルスズを反応させる方法(Org. Synth., 71, 97)等の公知の方法により製造することができる。
Figure 0005301219
式(3)で表される化合物の製造方法としては、例えば、式(3)中におけるnが1でArがチエニレンであり、Xが臭素原子である2−ブロモ−5−(4−トリフルオロメチルフェニル)チオフェンは、2−ブロモチオフェンと1−トリフルオロメチル−4−ヨードベンゼンを触媒下で反応させ、2−(4−トリフルオロメチルフェニル)チオフェンとし(Org. Lett., 2005, 7, 5083)、さらにN−ブロモスクシンイミドを反応させる方法等の公知の方法により製造することができる。
Figure 0005301219
また、例えば、式(3)中におけるnが2であり、Aがビチエニル基であり、Xが臭素原子である5−ブロモ−5’−(4−トリフルオロメチルフェニル)−2,2’−ビチオフェンは、5−(4−トリフルオロメチルフェニル)−2,2’−ビチオフェンとN−ブロモスクシンイミドを反応させる方法(J. Heterocyclic Chem., 2007, 44, 853)等、公知の方法により製造することができる。
Figure 0005301219
前記式(2)で表される化合物と前記式(3)で表される化合物とを金属触媒の存在下で反応させる、前記式(1)で表される(チオフェン/フェニレン)コオリゴマーの製造方法において、式(2)で表される化合物の使用割合は、特に限定されないが、式(3)で表される化合物1モルに対して、0.5〜10モルの割合であることが好ましく、0.8〜2モルの割合であることがより好ましい。式(2)で表される化合物の使用割合が0.5モル未満の場合は、収率が低下するおそれがある。また、式(2)で表される化合物の使用割合が10モルを超える場合は、使用量に見合う効果がなく経済的でない。
前記金属触媒としては、特に限定されず、例えば、パラジウム触媒およびニッケル触媒等が挙げられる。パラジウム触媒としては、例えば、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)、トリス(ジベンジリデンアセトン)二パラジウム(0)、ビス(トリシクロヘキシルホスフィン)パラジウム(0)、ビス(トリブチルホスフィン)パラジウム(0)、ジクロロビス(アセトニトリル)パラジウム(II)、パラジウム(0)カーボン、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)、ジブロモビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)、ジクロロ[1,4−ビス(ジフェニルホスフィノ)ブタン]パラジウム(II)、ジクロロ[1,2−ビス(ジフェニルホスフィノ)エタン]パラジウム(II)、ジクロロ[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウム(II)、酢酸パラジウム(II)、ジアセトビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)、ジアセト[1,4−ビス(ジフェニルホスフィノ)ブタン]パラジウム(II)、ジアセト[1,3−ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパン]パラジウム(II)、ジアセト[1,2−ビス(ジフェニルホスフィノ)エタン]パラジウム(II)、ジアセト[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)]フェロセン]パラジウム(II)等が挙げられる。
またニッケル触媒としては、例えば、ジクロロ[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ニッケル(II)、ジクロロ[1,4−ビス(ジフェニルホスフィノ)ブタン]ニッケル(II)、ジクロロ[1,3−ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパン]ニッケル(II)、ジクロロ[1,2−ビス(ジフェニルホスフィノ)エタン]ニッケル(II)、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)ニッケル(II)、ジブロモ[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ニッケル(II)、ジブロモ[1,4−ビス(ジフェニルホスフィノ)ブタン]ニッケル(II)、ジブロモ[1,3−ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパン]ニッケル(II)、ジブロモ[1,2−ビス(ジフェニルホスフィノ)エタン]ニッケル(II)、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)ニッケル(II)等が挙げられる。
これらの金属触媒の中でも、反応性が高い観点から、ジクロロ[1,3−ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパン]ニッケル(II)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)が好適に用いられる。
本発明において、金属触媒は、それぞれ1種単独で用いてもよいし、あるいは2種以上を組み合わせて用いてもよい。
金属触媒の使用割合は、特に限定されないが、式(3)で表される化合物1モルに対して、0.001〜0.5モルの割合であることが好ましく、0.01〜0.15モルの割合であることがより好ましい。金属触媒の使用割合が0.001モル未満の場合は、反応が完結しにくくなるおそれがある。また、金属触媒の使用割合が0.5モルを超える場合は、使用量に見合う効果がなく経済的でない。
式(2)で表される化合物と式(3)で表される化合物との反応に用いられる反応溶媒としては、特に限定されないが、例えば、ペンタン、n−ヘキサン、シクロヘキサン、ヘプタン、オクタン等の炭化水素系溶媒;ベンゼン、トルエン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、トリクロロベンゼン等の芳香族炭化水素系溶媒;酢酸エチル、酢酸イソプロピル等のエステル系溶媒;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ヘキサメチルホスホルアミド等のアミド系溶媒;ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメトキシエタン、シクロペンチルメチルエーテル等のエーテル系溶媒;ジクロロメタン、クロロホルム等のハロゲン系溶媒;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン系溶媒;アセトニトリル、プロピオニトリル、ブチロニトリル等のニトリル系溶媒等が挙げられる。中でも、ヘキサン、トリクロロベンゼン、テトラヒドロフランおよびシクロペンチルメチルエーテルが好適に用いられる。
前記反応溶媒の使用量は、特に限定されないが、式(3)で表される化合物100重量部に対して、20〜20000重量部であることが好ましく、100〜10000重量部であることがより好ましい。反応溶媒の使用量が20重量部未満の場合は、反応生成物が析出して撹拌が困難となるおそれがある。また、反応溶媒の使用量が20000重量部を超える場合は、使用量に見合う効果がなく容積効率が悪化し経済的でない。
反応温度は、通常、−80〜200℃であり、好ましくは−20〜150℃であり、より好ましくは−10〜120℃である。反応温度が−80℃未満の場合は、反応に長時間を要するおそれがある。また、反応温度が200℃を超える場合は、副生成物が増加するおそれがある。また、反応時間は、反応温度により異なるが、通常0.5〜50時間である。
かくして得られる(チオフェン/フェニレン)コオリゴマーは、反応液を濃縮し固体を析出させる方法や反応液を冷却して固体を析出させた後にろ過する方法等により容易に単離することができる。
本発明によると、発光性能に優れた(チオフェン/フェニレン)コオリゴマー、当該(チオフェン/フェニレン)コオリゴマーを含む有機半導体材料および発光材料、並びに、当該(チオフェン/フェニレン)コオリゴマーの製造方法を提供することができる。
以下に、実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は、これらの実施例
に限定されるものではない。
製造例1 5−ブロモ−5”−(4−トリフルオロメチルフェニル)−2,2’:5’,2”−テルチオフェン
Figure 0005301219
攪拌機、温度計および冷却器を備え付けた50mL容の四つ口フラスコにマグネシウム0.4g(16mmol)、シクロペンチルメチルエーテル10mlを仕込み、5−ブロモ−2,2’−ビチオフェン3.7g(15mmol)を量りとり、室温、窒素雰囲気下で約1/10量添加した。反応液が白濁したところで、さらに残りの5−ブロモ−2,2’−ビチオフェンを30分かけて滴下し、3時間撹拌して2,2’−ビチオフェン−5−イルマグネシウムブロミドのシクロペンチルメチルエーテル溶液を得た。
別途、撹拌機、温度計および冷却器を備え付けた50mL容の四つ口フラスコに文献(Org. Lett., 2005, 7, 5803)の記載に従って合成した2−ブロモ−5−(4−トリフルオロメチルフェニル)チオフェン3.1g(10mmol)、ジクロロ[1,3−ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパン]ニッケル(II)0.3g(0.5mmol)およびシクロペンチルメチルエーテル20mlを仕込み、室温、窒素雰囲気下で、前記2,2’−ビチオフェン−5−イルマグネシウムブロミドのシクロペンチルメチルエーテル溶液の全量を1時間かけて滴下した後、14時間撹拌して反応液を得た。
次に、前記反応液に2.5%塩酸70mlを添加して30分撹拌し、分液して有機層を得た後、これに水50mlを加えて30分撹拌し、再度分液して有機層を得た。得られた有機層を濃縮し、トルエン550mlで再結晶することにより、黄色の5−(4−トリフルオロメチルフェニル)−2,2’:5’,2”−テルチオフェン2.1g(5.4mmol)を得た。5−(4−トリフルオロメチルフェニル)−2,2’:5’,2”−テルチオフェンの2−ブロモ−5−(4−トリフルオロメチルフェニル)チオフェンに対する収率は54%であった。
次に、撹拌機、温度計および冷却器を備え付けた2000ml容の四つ口フラスコに、得られた5−(4−トリフルオロメチルフェニル)−2,2’:5’,2”−テルチオフェン2g(5mmol)およびテトラヒドロフラン1000mLを仕込み、室温、窒素雰囲気下でN−ブロモスクシンイミド0.9g(5.3mmol)を少量ずつ分割して加え、4時間撹拌して反応液を得た。この反応液にトルエン300mlおよび水300mlを添加し、分液して有機層を得た後、これに水200mlを添加し、30分撹拌し、再度分液して有機層を得た。得られた有機層を濃縮し、トルエン200mlで再結晶することにより5−ブロモ−5”−(4−トリフルオロメチルフェニル)−2,2’:5’,2”−テルチオフェン1.8g(3.8mmol)を得た。5−ブロモ−5”−(4−トリフルオロメチルフェニル)−2,2’:5’,2”−テルチオフェンの5−(4−トリフルオロメチルフェニル)−2,2’:5’,2”−テルチオフェンに対する収率は76%であった。
製造例2 2−[4−(5−ブロモ−2−チエニル)フェニル]−5−(4−トリフルオロメチルフェニル)チオフェン
Figure 0005301219
撹拌機、温度計および冷却器を備え付けた2000mL容の四つ口フラスコに文献(Org. Lett., 2005, 7, 5803)の記載に従って合成した2−ブロモ−5−(4−トリフルオロメチルフェニル)チオフェン6.1g(20mmol)、クロロベンゼン400ml、水400mlを仕込んだ。これに室温、窒素雰囲気下で、文献(特開2002−220392)の記載に従って合成した4−(2−チエニル)フェニルボロン酸4.9g(24mmol)および炭酸ナトリウム2.5g(24mmol)を順次添加し、さらにテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)1.2g(1.0mmol)を添加した後、90℃に昇温し、5時間撹拌して反応液を得た。この反応液を冷却し、析出した生成物をろ過することにより得られた結晶をシクロペンチルメチルエーテルで洗浄し、減圧乾燥することにより、黄色結晶の2−[4−(2−チエニル)フェニル]−5−(4−トリフルオロメチルフェニル)チオフェン5.4g(14mmol)を得た。2−ブロモ−5−(4−トリフルオロメチルフェニル)チオフェンに対する収率は70%であった。
次に、撹拌機、温度計および冷却器を備え付けた2000ml容の四つ口フラスコに得られた2−[4−(2−チエニル)フェニル]−5−(4−トリフルオロメチルフェニル)チオフェン3.9g(10mmol)およびテトラヒドロフラン1000mlを仕込み、室温、窒素雰囲気下でN−ブロモスクシンイミド2.5g(14mmol)を少量ずつ分割して加え、2時間撹拌して反応液を得た。この反応液を冷却し、析出した生成物をろ過することにより得られた結晶をテトラヒドロフランで洗浄し、減圧乾燥することにより、黄色結晶の2−[4−(5−ブロモ−2−チエニル)フェニル]−5−(4−トリフルオロメチルフェニル)チオフェン3.4g(7mmol)を得た。2−[4−(5−ブロモ−2−チエニル)フェニル]−5−(4−トリフルオロメチルフェニル)チオフェンの2−[4−(2−チエニル)フェニル]−5−(4−トリフルオロメチルフェニル)チオフェンに対する収率は70%であった。
実施例1 5−(4−メトキシフェニル)−5”−(4−トリフルオロメチルフェニル)−2,2’:5’,2”−テルチオフェン
Figure 0005301219
撹拌機、温度計および冷却器を備え付けた200ml容の四つ口フラスコに5−ブロモ−5”−(4−トリフルオロメチルフェニル)−2,2’,:5’,2”−テルチオフェン1.0g(2.2mmol)、クロロベンゼン90mlおよび水40mlを仕込んだ。これに室温、窒素雰囲気下で、4−メトキシフェニルボロン酸0.7g(4mmol)および炭酸ナトリウム0.7g(6mmol)を順次添加し、さらにテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)0.3g(0.2mmol)を添加した後、98℃に昇温し、2時間撹拌して反応液を得た。この反応液を冷却し、析出した生成物をろ過することにより得られた結晶をシクロペンチルメチルエーテルで洗浄し、減圧乾燥することにより、オレンジ色結晶の5−(4−メトキシフェニル)−5”−(4−トリフルオロメチルフェニル)−2,2’:5’,2”−テルチオフェン1.0g(2.0mmol)を得た。5−ブロモ−5”−(4−トリフルオロメチルフェニル)−2,2’:5’,2”−テルチオフェンに対する収率は90%であった。
得られたオレンジ色結晶が、5−(4−メトキシフェニル)−5”−(4−トリフルオロメチルフェニル)−2,2’:5’,2”−テルチオフェンであることを下記の分析結果により確認した。
融点:325℃
H−NMR(400MHz, THF-d8): TM 3.80 (s, 3H), 6.94 (d, 2H), 7.18-7.29 (m, 3H), 7.52-7.57 (m, 3H), 7.67-7.71 (m, 4H), 7.84 (d, 2H)
実施例2 2−(4−メトキシフェニル)−5−{4−[5−(4−トリフルオロメチルフェニル)−2−チエニル]フェニル}チオフェン
Figure 0005301219
撹拌機、温度計および冷却器を備え付けた500ml容の四つ口フラスコに2−[4−(5−ブロモ−2−チエニル)フェニル]−5−(4−トリフルオロメチルフェニル)チオフェン2.8g(6.0mmol)、クロロベンゼン120mlおよび水120mlを仕込んだ。これに室温、窒素雰囲気下で、4−メトキシフェニルボロン酸1.1g(7mmol)および炭酸ナトリウム0.8g(7mmol)を順次添加し、さらにテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)0.3g(0.2mmol)を添加した後、90℃に昇温し、5時間撹拌して反応液を得た。この反応液を冷却し、析出した生成物をろ過することにより得られた結晶をシクロペンチルメチルエーテルで洗浄し、減圧乾燥することにより、黄色結晶の2−(4−メトキシフェニル)−5−{4−[5−(4−トリフルオロメチルフェニル)−2−チエニル]フェニル}チオフェン2.7g(5.6mmol)を得た。2−[4−(5−ブロモ−2−チエニル)フェニル]−5−(4−トリフルオロメチルフェニル)チオフェンに対する収率は93%であった。
得られた黄色結晶が、2−(4−メトキシフェニル)−5−{4−[5−(4−トリフルオロメチルフェニル)−2−チエニル]フェニル}チオフェンであることを下記の分析結果により確認した。
融点:338℃
H−NMR(400MHz, THF-d8):δ 3.76 (s, 3H), 6.95 (d, 2H), 7.27 (d, 1H), 7.42 (d, 1H), 7.49 (d, 1H), 7.57-7.60 (m, 3H), 7.67-7.71 (m, 6H), 7.87 (d, 2H)
評価
[発光特性]
実施例1〜2で得られた(チオフェン/フェニレン)コオリゴマーについて、発光材料としての有用性を評価した。評価方法としては、実施例1〜2で得られた各結晶物の数片を試料管に入れて密栓し、試料管の外部から紫外光(365nm)を照射して、当該結晶物から発せられる蛍光の色調を目視で観察した。これらの結果を表2に示す。
Figure 0005301219
表2から、実施例1〜2で得られた(チオフェン/フェニレン)コオリゴマーは、発光材料として有用であることが分かる。

Claims (5)

  1. 式(1):
    Figure 0005301219
    (式中、Arは、1,4−フェニレン基、または2,5−チエニレン基を示す。nは1〜5の整数を示し、n個のArは同一でも異なっていてもよい。但し、n個のArのうち、少なくとも1個は2,5−チエニレン基である。)で表される(チオフェン/フェニレン)コオリゴマー。
  2. 請求項1に記載の(チオフェン/フェニレン)コオリゴマーを含む有機半導体材料。
  3. 請求項1に記載の(チオフェン/フェニレン)コオリゴマーを含む発光材料。
  4. 式(2):
    Figure 0005301219
    (式中、Aは、塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子とクロスカップリング可能な置換基を示す。)で表される化合物と、式(3):
    Figure 0005301219
    (式中、Arは、1,4−フェニレン基、または2,5−チエニレン基を示す。nは1〜5の整数を示し、n個のArは同一でも異なっていてもよい。但し、n個のArのうち、少なくとも1個は2,5−チエニレン基である。Xは、塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子を示す。)で表される化合物とを、金属触媒の存在下で反応させることを特徴とする、式(1):
    Figure 0005301219
    (式中、Arは、1,4−フェニレン基、または2,5−チエニレン基を示す。nは1〜5の整数を示し、n個のArは同一でも異なっていてもよい。但し、n個のArのうち、少なくとも1個は2,5−チエニレン基である。)で表される(チオフェン/フェニレン)コオリゴマーの製造方法。
  5. 金属触媒が、ジクロロ[1,3−ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパン]ニッケル(II)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)またはジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)である請求項4に記載の(チオフェン/フェニレン)コオリゴマーの製造方法。
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