JP2009155318A - (チオフェン/フェニレン)コオリゴマー、その製造方法、およびそれを含む有機半導体材料および発光材料 - Google Patents

(チオフェン/フェニレン)コオリゴマー、その製造方法、およびそれを含む有機半導体材料および発光材料 Download PDF

Info

Publication number
JP2009155318A
JP2009155318A JP2008278300A JP2008278300A JP2009155318A JP 2009155318 A JP2009155318 A JP 2009155318A JP 2008278300 A JP2008278300 A JP 2008278300A JP 2008278300 A JP2008278300 A JP 2008278300A JP 2009155318 A JP2009155318 A JP 2009155318A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
carbon atoms
thiophene
thienyl
formula
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2008278300A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5336149B2 (ja
Inventor
Seiji Bando
誠二 坂東
Toshifumi Katagiri
敏文 片桐
Masayoshi Miyata
真良 宮田
Michio Suzuki
三千雄 鈴木
Osamu Hotta
収 堀田
Takeshi Yamao
健史 山雄
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Seika Chemicals Co Ltd
Kyoto Institute of Technology NUC
Original Assignee
Sumitomo Seika Chemicals Co Ltd
Kyoto Institute of Technology NUC
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Seika Chemicals Co Ltd, Kyoto Institute of Technology NUC filed Critical Sumitomo Seika Chemicals Co Ltd
Priority to JP2008278300A priority Critical patent/JP5336149B2/ja
Publication of JP2009155318A publication Critical patent/JP2009155318A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5336149B2 publication Critical patent/JP5336149B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Catalysts (AREA)

Abstract

【課題】融点が比較的低く、種々の溶媒に対する溶解性に優れた(チオフェン/フェニレン)コオリゴマー。当該(チオフェン/フェニレン)コオリゴマーを含む有機半導体材料および発光材料、並びに当該(チオフェン/フェニレン)コオリゴマーの製造方法を提供する。
【解決手段】式(1):
Figure 2009155318

(式中、R〜Rは、それぞれ独立して、水素原子、フッ素原子、炭素数1〜16のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基または炭素数1〜6のパーフルオロアルキル基を示し、少なくとも1個の置換基はフッ素原子、炭素数1〜16のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基または炭素数1〜6のパーフルオロアルキル基である。Aは水素原子またはチエニル基である。mは1〜3の整数を示し、mが1のとき、Aはチエニル基である。)で表される(チオフェン/フェニレン)コオリゴマー。
【選択図】なし

Description

本発明は、新規な化合物である(チオフェン/フェニレン)コオリゴマー、当該(チオフェン/フェニレン)コオリゴマーを含む有機半導体材料および発光材料、並びに、当該(チオフェン/フェニレン)コオリゴマーの製造方法に関する。
近年、有機EL素子用電荷輸送材料、有機薄膜トランジスタ材料およびレーザー発振用発光材料等として、導電性オリゴマーや導電性ポリマー等の有機電子材料が提案されている。
これら有機電子材料は、豊富な機能を有するだけでなく、柔軟性・耐衝撃性に優れること、大面積に適応可能であること、製造コストが比較的安価であること等といった特徴を持ち合わせていることから非常に有望視され、例えば、有機半導体レーザー、有機LED、有機ELディスプレイ、有機薄膜太陽電池、フレキシブルシートディスプレイ、電子ペーパー、ICカード、情報タグ、バイオセンサ、アクチュエーター等への応用が検討されている。
このような有機電子材料として、種々の(チオフェン/フェニレン)コオリゴマーが提案され、これらが有する種々の特性について報告されている(特許文献1および非特許文献1参照)。例えば、特許文献1には、特定の(チオフェン/フェニレン)コオリゴマーが発光材料やレーザー材料として有用であることが開示されている。また、非特許文献1には特定の(チオフェン/フェニレン)コオリゴマーについて、半導体材料としての特性が開示されている。
特開2000−26451号公報 X.M.Hong, H.E.Katz, A.J.Lovinger, B.Wang, K.Raghavachari, Chem. Mater. 2001, 13, 4686
有機電子材料の用途は今後もますます多様化し、それに対応するための多種多様な材料の出現が望まれているなかで、これまで提案されている(チオフェン/フェニレン)コオリゴマーは、一般に、融点が比較的高く、また種々の溶媒に対する溶解性に劣るといった特性から、用途範囲が限定される懸念があった。これらの特性は、例えば、大画面表示パネルを製造する際の大きな障害であり、また、インクジェット等の種々の塗布法や印刷法を採用する際の適用容易性を妨げるものである。
本発明は、これらの問題点に鑑みてなされたものであり、融点が比較的低く、また種々の溶媒に対する溶解性に優れた(チオフェン/フェニレン)コオリゴマー、当該(チオフェン/フェニレン)コオリゴマーを含む有機半導体材料および発光材料、並びに、当該(チオフェン/フェニレン)コオリゴマーの製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、以下に示すとおりの、(チオフェン/フェニレン)コオリゴマー、当該(チオフェン/フェニレン)コオリゴマーを含む有機半導体材料および発光材料、並びに、当該(チオフェン/フェニレン)コオリゴマーの製造方法に関する。
項1.
式(1):
Figure 2009155318
(式中、R〜Rは、それぞれ独立して、水素原子、フッ素原子、炭素数1〜16のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基または炭素数1〜6のパーフルオロアルキル基を示し、少なくとも1個の置換基はフッ素原子、炭素数1〜16のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基または炭素数1〜6のパーフルオロアルキル基である。Aは水素原子またはチエニル基である。mは1〜3の整数を示し、mが1のとき、Aはチエニル基である。)で表される(チオフェン/フェニレン)コオリゴマー。
項2.
項1に記載の(チオフェン/フェニレン)コオリゴマーを含む有機半導体材料。
項3.
項1に記載の(チオフェン/フェニレン)コオリゴマーを含む発光材料。
項4.
式(2):
Figure 2009155318
(式中、R〜Rは、それぞれ独立して、水素原子、フッ素原子、炭素数1〜16のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基または炭素数1〜6のパーフルオロアルキル基を示し、少なくとも1個の置換基はフッ素原子、炭素数1〜16のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基または炭素数1〜6のパーフルオロアルキル基である。nは0または1の整数を示す。Yは、塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子とクロスカップリング可能な置換基を示す。)で表される化合物と、式(3):
Figure 2009155318
(Xは、塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子を示す。Aは水素原子またはチエニル基である。nは上記式(2)と同じ整数であり、0または1の整数を示す。mは1〜3の整数を示し、mが1のとき、Aはチエニル基である。)で表される化合物とを、金属触媒の存在下で反応させることを特徴とする、式(1):
Figure 2009155318
(式中、R〜Rは、それぞれ独立して、水素原子、フッ素原子、炭素数1〜16のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基または炭素数1〜6のパーフルオロアルキル基を示し、少なくとも1個の置換基はフッ素原子、炭素数1〜16のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基または炭素数1〜6のパーフルオロアルキル基である。Aは水素原子またはチエニル基である。mは1〜3の整数を示し、mが1のとき、Aはチエニル基である。)で表される(チオフェン/フェニレン)コオリゴマーの製造方法。
項5.
Figure 2009155318
(式中、Yは、塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子とクロスカップリング可能な置換基を示す。pは0または1の整数を示す。Aは水素原子またはチエニル基であり、pが0のとき、Aはチエニル基である。)で表される化合物と、式(5):
Figure 2009155318
(式中、R〜Rは、それぞれ独立して、水素原子、フッ素原子、炭素数1〜16のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基または炭素数1〜6のパーフルオロアルキル基を示し、少なくとも1個の置換基はフッ素原子、炭素数1〜16のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基または炭素数1〜6のパーフルオロアルキル基である。Xは、塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子を示す。mは1〜3の整数を示す。pは上記式(4)と同じ整数であり、0または1の整数を示す。)で表される化合物とを、金属触媒の存在下で反応させることを特徴とする、式(1):
Figure 2009155318
(式中、R〜Rは、それぞれ独立して、水素原子、フッ素原子、炭素数1〜16のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基または炭素数1〜6のパーフルオロアルキル基を示し、少なくとも1個の置換基はフッ素原子、炭素数1〜16のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基または炭素数1〜6のパーフルオロアルキル基である。mは、前記式(6)におけるmと同じ整数を示す。Aは前記式(4)と同じであり、mが1のとき、Aはチエニル基である。)で表される(チオフェン/フェニレン)コオリゴマーの製造方法。
項6.
金属触媒が、ジクロロ[1,3−ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパン]ニッケル(II)である項4または項5に記載の(チオフェン/フェニレン)コオリゴマーの製造方法。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明に係る(チオフェン/フェニレン)コオリゴマーは、下記式(1)で表される化合物である。
Figure 2009155318
式(1)中、R〜Rは、それぞれ独立して、水素原子、フッ素原子、炭素数1〜16のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基または炭素数1〜6のパーフルオロアルキル基を示し、少なくとも1個の置換基はフッ素原子、炭素数1〜16のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基または炭素数1〜6のパーフルオロアルキル基である。Aは水素原子またはチエニル基である。mは1〜3の整数を示し、mが1のとき、Aはチエニル基である。
〜Rで示される炭素数1〜16のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル基、n−ウンデシル基、n−ドデシル基、n−ヘキサデシル基、sec−ヘキシル基、sec−オクチル基、sec−デシル基、sec−ドデシル基、sec−ヘキサデシル基、t−ブチル基、t−ヘキシル基、t−オクチル基、t−デシル基およびt−ドデシル基、t−ヘキサデシル基等が挙げられる。
〜Rで示される炭素数1〜6のアルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、n−ブトキシ基、n−ヘキシルオキシ基、iso−プロポキシ基、sec−ブトキシ基、t−ブトキシ基およびt−ヘキシルオキシ基等が挙げられる。
〜Rで示される炭素数1〜6のパーフルオロアルキル基としては、例えば、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基、n−へプタフルオロプロピル基、n−パーフルオロブチル基、n−パーフルオロペンチル基およびn−パーフルオロヘキシル基等が挙げられる。
本発明に係る(チオフェン/フェニレン)コオリゴマーの具体例を以下に示す。
Figure 2009155318
Figure 2009155318
Figure 2009155318
Figure 2009155318
Figure 2009155318
本発明に係る(チオフェン/フェニレン)コオリゴマーは、左右非対称構造を有することから、左右対称構造を有する類似の(チオフェン/フェニレン)コオリゴマーと比べて、融点が同程度であるかもしくは低く、また種々の溶媒に対する溶解性が同等かもしくは優れるという特性を有する。ここで、本発明に係る(チオフェン/フェニレン)コオリゴマーが同等かもしくは優れた溶解性を示す溶媒としては、例えば、n−ヘキサン、シクロヘキサン、ヘプタン、トルエン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、トリクロロベンゼン、酢酸エチル、ジメチルホルムアミド、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、シクロペンチルメチルエーテル、ジクロロメタン、クロロホルム、アセトンおよびアセトニトリル等を挙げることができる。
本発明に係る(チオフェン/フェニレン)コオリゴマーは、融点が比較的低く、種々の溶媒に対する溶解性に優れている特性を有し、高いキャリア注入・輸送機能を有し、また輝度が高い光を発することができることから、当該化合物単独で、あるいは任意の他の化合物と組み合わせることにより、適用範囲の広い有機半導体材料および発光材料として用いることができる。本発明に係る(チオフェン/フェニレン)コオリゴマーを用いることにより、各種の基板上に蒸着、スパッタリングおよび熱転写することが容易になり、インクジェット等の塗布法や印刷法への適用が容易になり、さらに各種の樹脂との混練が容易になるため、種々のデバイスを容易に製造することができる。
本発明に係る下記式(1)で表される(チオフェン/フェニレン)コオリゴマーは、例えば、下記式(2)で表される化合物と下記式(3)で表される化合物とを金属触媒の存在下で反応させることにより製造することができる。
Figure 2009155318
Figure 2009155318
Figure 2009155318
式(1)中、R〜Rは、それぞれ独立して、水素原子、フッ素原子、炭素数1〜16のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基または炭素数1〜6のパーフルオロアルキル基を示し、少なくとも1個の置換基はフッ素原子、炭素数1〜16のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基または炭素数1〜6のパーフルオロアルキル基である。Aは水素原子またはチエニル基である。mは1〜3の整数を示し、mが1のとき、Aはチエニル基である。
式(2)中、R〜Rは、それぞれ、式(1)におけるR〜Rと同じ基を示す。また、nは0または1整数を示す。Yは、塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子とクロスカップリング可能な置換基を示す。
で示される、塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子とクロスカップリング可能な置換基の具体例としては、例えば、ボロン誘導体基、ハロゲン化金属基およびトリアルキルスズ基等が挙げられる。ボロン誘導体基としては、ボロン酸基、ジメチルボラン基、ジエチルボラン基、ジフェニルボラン基、ピナコリルボラン基、カテコールボラン基、9−ボラビシクロ[3,3,1]ノニル基およびトリフルオロホウ素基等が挙げられる。ハロゲン化金属基としては、塩化マグネシウム基、臭化マグネシウム基、ヨウ化マグネシウム基、塩化亜鉛基、臭化亜鉛基およびヨウ化亜鉛基等が挙げられる。またトリアルキルスズ基としては、トリメチルスズ基、トリエチルスズ基およびトリブチルスズ基等が挙げられる。
式(3)中、Xは、塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子を示す。Aは水素原子またはチエニル基である。nは上記式(2)と同じ整数であり、0または1の整数を示す。mは1〜3の整数を示し、mが1のとき、Aはチエニル基である。
式(2)および式(3)で表される化合物は、市販品を用いてもよいし、公知の方法およびそれに準拠した方法により適宜必要に応じて製造したものを使用してもよい。
式(2)で表される化合物の製造方法としては、例えば、式(2)中におけるRがトリフルオロメチル基であり、R〜RおよびR〜Rが全て水素原子であり、nが1であり、Yが塩化亜鉛基である5−(4−トリフルオロメチルフェニル)−2−チエニル亜鉛クロリドは、2−(4−トリフルオロメチルフェニル)チオフェンにn−ブチルリチウムおよび塩化亜鉛を順次反応させる方法(特開2007-197358)等の公知の方法により製造することができる。
Figure 2009155318
また、式(2)中におけるRがメトキシ基であり、R〜RおよびR〜Rが全て水素原子であり、nが1であり、Yが塩化亜鉛基である5−(4−メトキシフェニル)−2−チエニル亜鉛クロリドは、2−(4−メトキシフェニル)チオフェンにn−ブチルリチウムおよび塩化亜鉛を順次反応させる方法((K.Takahashi, T. Suguki, K.Akiyama, Y.Ikegami, Y.Fukazawa, J. Am. Chem. Soc., 1991, 113, 4576)等の公知の方法により製造することができる。
Figure 2009155318
また、式(2)中におけるRがヘキシル基であり、R〜RおよびR〜Rが全て水素原子であり、nが1であり、Yが臭化マグネシウム基である2−(4−ヘキシルフェニル)−5−チエニルマグネシウムブロミドは、2−(4−ヘキシルフェニル)チオフェンとN−ブロモコハク酸イミドとを反応させ2−ブロモ−5−(4−ヘキシルフェニル)チオフェンとし(S.E.Fritz, S.Mohapatra, B.T.Holmes, A.M.Amderson, C.F.Prendergast, C.D.Frisbie, M.D.Ward, M.F.Toner, Chemistry of Materials, 2007, 19, 1355)、さらにマグネシウムを反応させる等、公知の方法により製造することができる。
Figure 2009155318
また、式(2)中におけるRがメトキシ基であり、R〜RおよびR〜Rが全て水素原子であり、nが1であり、Yがホウ酸基である5−(4−メトキシフェニル)−2−チエニルボロン酸は、2−(4−メトキシフェニル)チオフェンとn−ブチルリチウムを反応させ、さらにホウ酸トリエチルを反応させた後、塩酸で処理する(特開2004-143133)等、公知の方法により製造することができる。
Figure 2009155318
また、例えば、式(2)中におけるRがn−デシル基であり、R〜RおよびR〜Rが全て水素原子であり、nが1であり、Yがトリブチルスズ基である5−(4−デシルフェニル)−2−チエニルトリブチルスズは、2−(4−デシルフェニル)チオフェンにn−ブチルリチウムおよび塩化トリブチルスズを順次反応させる方法(特開2004-303890)等の公知の方法により製造することができる。
Figure 2009155318
一方、式(3)で表される化合物の製造方法としては、例えば、式(3)中におけるAがチエニル基であり、(m−n)が0であり、nが1であり、Xが臭素原子である2−(4−ブロモフェニル)チオフェンは、2−チオフェンボロン酸とp−ジブロモベンゼンを触媒下で反応させる方法(Xia Hao, Xing-yu Yang, Zi-Xung Shan, De-Jie Zhao, 合成化学(Hecheng Huaxue) 2000, 8, 355)等の公知の方法により製造することができる。
Figure 2009155318
また、例えば、式(3)中における、Aが水素原子であり、Xが臭素であり、nが0であり、(m−n)が2である、2−[4−(5−ブロモ−2−チエニル)フェニル]−5−フェニルチオフェンは、2−(4−ブロモフェニル)チオフェンと5−フェニル−2−チエニルマグネシウムブロミドを反応させ2−フェニル−5−[4−(2−チエニル)フェニル]チオフェンとし(S.Hotta、H.Kimura、S.A.Lee、T.Tamaki、J. Heterocyclic Chem., 2000, 37, 281)、さらに、N−ブロモコハク酸イミドを反応させる方法等、公知の方法により製造することができる。
Figure 2009155318
前記式(2)で表される化合物と前記式(3)で表される化合物とを金属触媒の存在下で反応させる、前記式(1)で表される(チオフェン/フェニレン)コオリゴマーの製造方法において、式(2)で表される化合物の使用割合は、特に限定されないが、式(3)で表される化合物1モルに対して、0.5〜10モルの割合であることが好ましく、0.8〜2モルの割合であることがより好ましい。式(2)で表される化合物の使用割合が0.5モル未満の場合は、収率が低下するおそれがある。また、式(2)で表される化合物の使用割合が10モルを超える場合は、使用量に見合う効果がなく経済的でない。
前記金属触媒としては、特に限定されず、例えば、パラジウム触媒およびニッケル触媒等が挙げられる。パラジウム触媒としては、例えば、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)、トリス(ジベンジリデンアセトン)二パラジウム(0)、ビス(トリシクロヘキシルホスフィン)パラジウム(0)、ビス(トリブチルホスフィン)パラジウム(0)、ジクロロビス(アセトニトリル)パラジウム(II)、パラジウム(0)カーボン、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)、ジブロモビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)、ジクロロ[1,4−ビス(ジフェニルホスフィノ)ブタン]パラジウム(II)、ジクロロ[1,2−ビス(ジフェニルホスフィノ)エタン]パラジウム(II)、ジクロロ[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウム(II)、酢酸パラジウム(II)、ジアセトビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)、ジアセト[1,4−ビス(ジフェニルホスフィノ)ブタン]パラジウム(II)、ジアセト[1,3−ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパン]パラジウム(II)、ジアセト[1,2−ビス(ジフェニルホスフィノ)エタン]パラジウム(II)、ジアセト[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウム(II)等が挙げられる。
またニッケル触媒としては、例えば、ジクロロ[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ニッケル(II)、ジクロロ[1,4−ビス(ジフェニルホスフィノ)ブタン]ニッケル(II)、ジクロロ[1,3−ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパン]ニッケル(II)、ジクロロ[1,2−ビス(ジフェニルホスフィノ)エタン]ニッケル(II)、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)ニッケル(II)、ジブロモ[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ニッケル(II)、ジブロモ[1,4−ビス(ジフェニルホスフィノ)ブタン]ニッケル(II)、ジブロモ[1,3−ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパン]ニッケル(II)、ジブロモ[1,2−ビス(ジフェニルホスフィノ)エタン]ニッケル(II)、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)ニッケル(II)等が挙げられる。
これらの金属触媒の中でも、反応性が高い観点から、ジクロロ[1,3−ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパン]ニッケル(II)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)が好適に用いられ、とりわけ、ジクロロ[1,3−ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパン]ニッケル(II)が好ましく用いられる。
金属触媒の使用割合は、特に限定されないが、式(3)で表される化合物1モルに対して、0.001〜0.5モルの割合であることが好ましく、0.01〜0.15モルの割合であることがより好ましい。金属触媒の使用割合が0.001モル未満の場合は、反応が完結しにくくなるおそれがある。また、金属触媒の使用割合が0.5モルを超える場合は、使用量に見合う効果がなく経済的でない。
式(2)で表される化合物と式(3)で表される化合物との反応に用いられる反応溶媒としては、特に限定されないが、例えば、ペンタン、n−ヘキサン、シクロヘキサン、ヘプタン、オクタン等の炭化水素系溶媒;ベンゼン、トルエン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、トリクロロベンゼン等の芳香族炭化水素系溶媒;酢酸エチル、酢酸イソプロピル等のエステル系溶媒;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ヘキサメチルホスホルアミド等のアミド系溶媒;ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメトキシエタン、シクロペンチルメチルエーテル等のエーテル系溶媒;ジクロロメタン、クロロホルム等のハロゲン系溶媒;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン系溶媒;アセトニトリル、プロピオニトリル、ブチロニトリル等のニトリル系溶媒等が挙げられる。中でも、ヘキサン、トリクロロベンゼン、テトラヒドロフランおよびシクロペンチルメチルエーテルが好適に用いられる。
前記反応溶媒の使用量は、特に限定されないが、式(3)で表される化合物100重量部に対して、20〜20000重量部であることが好ましく、100〜10000重量部であることがより好ましい。反応溶媒の使用量が20重量部未満の場合は、反応生成物が析出して撹拌が困難となるおそれがある。また、反応溶媒の使用量が20000重量部を超える場合は、使用量に見合う効果がなく容積効率が悪化し経済的でない。
反応温度は、通常、−80〜200℃であり、好ましくは−20〜150℃であり、より好ましくは−10〜120℃である。反応温度が−80℃未満の場合は、反応に長時間を要するおそれがある。また、反応温度が200℃を超える場合は、副生成物が増加するおそれがある。また、反応時間は、反応温度により異なるが、通常0.5〜50時間である。
かくして得られる(チオフェン/フェニレン)コオリゴマーは、反応液を濃縮し固体を析出させる方法や反応液を冷却して固体を析出させた後に濾過する方法等により容易に単離することができる。
本発明に係る下記式(1)で表される(チオフェン/フェニレン)コオリゴマーは、例えば、下記式(4)で表される化合物と下記式(5)で表される化合物とを金属触媒の存在下で反応させることにより製造することもできる。
Figure 2009155318
Figure 2009155318
Figure 2009155318
式(1)中、R〜Rは、それぞれ独立して、水素原子、フッ素原子、炭素数1〜16のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基または炭素数1〜6のパーフルオロアルキル基を示し、少なくとも1個の置換基はフッ素原子、炭素数1〜16のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基または炭素数1〜6のパーフルオロアルキル基である。Aは水素原子またはチエニル基である。mは1〜3の整数を示し、mが1のとき、Aはチエニル基である。
式(4)中、Yは、塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子とクロスカップリング可能な置換基を示す。pは0または1の整数を示す。Aは水素原子またはチエニル基であり、pが0のとき、Aはチエニル基である。
で示される、塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子とクロスカップリング可能な置換基の具体例としては、前記式(2)においてYで示される、塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子とクロスカップリング可能な置換基の具体例と同じ基を挙げることができる。
式(5)中、R〜Rは、それぞれ独立して、水素原子、フッ素原子、炭素数1〜16のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基または炭素数1〜6のパーフルオロアルキル基を示し、少なくとも1個の置換基はフッ素原子、炭素数1〜16のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基または炭素数1〜6のパーフルオロアルキル基である。Xは、塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子を示す。mは1〜3の整数を示す。pは上記式(4)と同じ整数であり、0または1の整数を示す。
式(4)および式(5)で表される化合物は、市販品を用いてもよいし、公知の方法およびそれに準拠した方法により適宜必要に応じて製造したものを使用してもよい。
式(4)で表される化合物の製造方法としては、例えば、式(4)中におけるAがチエニル基であり、pが1であり、Yが臭化マグネシウム基である4−(2−チエニル)フェニルマグネシウムブロミドは、2−チオフェンボロン酸とp−ジブロモベンゼンを触媒下で反応させ(Xia Hao, Xing-yu Yang, Zi-Xung Shan, De-Jie Zhao, 合成化学(Hecheng Huaxue) 2000, 8, 355)、マグネシウムと反応させる等の公知の方法により製造することができる。
Figure 2009155318
式(5)で表される化合物の製造方法としては、例えば、式(5)中におけるRがヘキシル基であり、R〜RおよびR〜Rが全て水素原子であり、Xが臭素であり、pが1であり、(m−p)が0である、2−ブロモ−5−(4−ヘキシルフェニル)チオフェンは、2−(4−ヘキシルフェニル)チオフェンとN−ブロモコハク酸イミドとを反応させる(S.E.Fritz, S.Mohapatra, B.T.Holmes, A.M.Amderson, C.F.Prendergast, C.D.Frisbie, M.D.Ward, M.F.Toner, Chemistry of Materials, 2007, 19, 1355)等、公知の方法により製造することができる。
Figure 2009155318
前記式(4)で表される化合物と前記式(5)で表される化合物とを金属触媒の存在下で反応させる、前記式(1)で表される(チオフェン/フェニレン)コオリゴマーの製造方法において、式(4)で表される化合物の使用割合は、特に限定されないが、式(5)で表される化合物1モルに対して、0.5〜10モルの割合であることが好ましく、0.8〜2モルの割合であることがより好ましい。式(4)で表される化合物の使用割合が0.5モル未満の場合は、収率が低下するおそれがある。また、式(4)で表される化合物の使用割合が10モルを超える場合は、使用量に見合う効果がなく経済的でない。
前記金属触媒としては、前記した、式(2)で表される化合物と式(3)で表される化合物との反応に用いられる金属触媒と同じものを挙げることができる。
金属触媒の使用割合は、特に限定されないが、式(5)で表される化合物1モルに対して、0.001〜0.5モルの割合であることが好ましく、0.01〜0.15モルの割合であることがより好ましい。金属触媒の使用割合が0.001モル未満の場合は、反応が完結しにくくなるおそれがある。また、金属触媒の使用割合が0.5モルを超える場合は、使用量に見合う効果がなく経済的でない。
式(4)で表される化合物と式(5)で表される化合物との反応に用いられる反応溶媒としては、前記した、式(2)で表される化合物と式(3)で表される化合物との反応に用いられる反応溶媒と同じものを挙げることができる。
前記反応溶媒の使用量は、特に限定されないが、式(5)で表される化合物100重量部に対して、20〜20000重量部であることが好ましく、100〜10000重量部であることがより好ましい。反応溶媒の使用量が20重量部未満の場合は、反応生成物が析出して撹拌が困難となるおそれがある。また、反応溶媒の使用量が20000重量部を超える場合は、使用量に見合う効果がなく容積効率が悪化し経済的でない。
反応温度は、通常、−80〜200℃であり、好ましくは−20〜150℃であり、より好ましくは−10〜120℃である。反応温度が−80℃未満の場合は、反応に長時間を要するおそれがある。また、反応温度が200℃を超える場合は、副生成物が増加するおそれがある。また、反応時間は、反応温度により異なるが、通常0.5〜50時間である。
かくして得られる(チオフェン/フェニレン)コオリゴマーは、反応液を濃縮し固体を析出させる方法や、反応液を冷却して固体を析出させた後に濾過する方法等により、容易に単離することができる。
本発明によると、融点が比較的低く、また種々の溶媒に対する溶解性に優れた(チオフェン/フェニレン)コオリゴマー、当該(チオフェン/フェニレン)コオリゴマーを含む有機半導体材料および発光材料、並びに、当該(チオフェン/フェニレン)コオリゴマーの製造方法を提供することができる。
以下に、実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は、これらの実施例
に限定されるものではない。
製造例1 2−ブロモ−5−(4−ヘキシルフェニル)チオフェン
Figure 2009155318
4−ブロモヘキシルベンゼン24.1g(100mmol)、ジクロロ[1,3−ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパン]ニッケル(II)2.7g(5mmol)およびシクロペンチルメチルエーテル100mLを撹拌機、温度計および冷却器を備え付けた500mL容の四つ口フラスコに仕込み、室温、窒素雰囲気下で、2−チエニルマグネシウムブロミドの1.0Mシクロペンチルメチルエーテル溶液120ml(120mmol)を1時間かけて滴下した後、2時間撹拌した。
次に、2.5%塩酸250mlを添加して30分撹拌した。その後、分液して有機層を得て、これに水100mlを加えて30分撹拌した。これを分液し、得られた有機層を濃縮し、減圧蒸留(0.6kPa、160〜190℃)することにより、無色油状物である2−(4−ヘキシルフェニル)チオフェンを20.6g(84mmol)得た。2−(4−ヘキシルフェニル)チオフェンの4−ブロモヘキシルベンゼンに対する収率は84%であった。
次に、得られた2−(4−ヘキシルフェニル)チオフェン19.6g(80mmol)およびジメチルホルムアミド100mLを、撹拌機、温度計および冷却器を備え付けた300mL容の四つ口フラスコに仕込み、室温、窒素雰囲気下でN−ブロモスクシンイミド14.2g(80mmol)を少量ずつ分割して加えた。2時間撹拌した後、濃縮し、メタノールで再結晶を行い、白色結晶の2−ブロモ−5−(4−ヘキシルフェニル)チオフェン22.2g(69mmol)を得た。2−ブロモ−5−(4−ヘキシルフェニル)チオフェンの2−(4−ヘキシルフェニル)チオフェンに対する収率は86%であった。
製造例2 2−ブロモ−5−(4−オクチルフェニル)チオフェン
Figure 2009155318
4−ブロモオクチルベンゼン26.9g(100mmol)、ジクロロ[1,3−ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパン]ニッケル(II)1.1g(2mmol)およびシクロペンチルメチルエーテル100mLを撹拌機、温度計および冷却器を備え付けた500mL容の四つ口フラスコに仕込み、室温、窒素雰囲気下で、2−チエニルマグネシウムブロミドの1.0Mシクロペンチルメチルエーテル溶液120ml(120mmol)を1時間かけて滴下した後、2時間撹拌した。
次に、2.5%塩酸250mlを添加して30分撹拌した。その後、分液して有機層を得て、これに水100mlを加えて30分撹拌した。これを分液し、得られた有機層を濃縮し、減圧蒸留(0.4kPa、165〜180℃)することにより、無色油状物である2−(4−オクチルフェニル)チオフェンを16.3g(60mmol)得た。2−(4−オクチルフェニル)チオフェンの4−ブロモオクチルベンゼンに対する収率は60%であった。
次に、得られた2−(4−オクチルフェニル)チオフェン13.6g(50mmol)およびジメチルホルムアミド50mLを、撹拌機、温度計および冷却器を備え付けた200mL容の四つ口フラスコに仕込み、室温、窒素雰囲気下でN−ブロモスクシンイミド8.9g(50mmol)を少量ずつ分割して加えた。2時間撹拌した後、メタノール50ml添加し濾過して粗体を取得した。さらに、メタノールで再結晶を行い、白色結晶の2−ブロモ−5−(4−オクチルフェニル)チオフェン14.5g(41mmol)を得た。2−ブロモ−5−(4−オクチルフェニル)チオフェンの2−(4−オクチルフェニル)チオフェンに対する収率は83%であった。
製造例3 2−ブロモ−5−(4−ヘキサデシルフェニル)チオフェン
Figure 2009155318
マグネシウム0.90g(38mmol)、およびシクロペンチルメチルエーテル40mlを200mL容の四つ口フラスコに仕込み、ヨウ化ヘキサデシル8.8g(25mmol)を、室温、窒素雰囲気下で約1/10量添加した。反応液が白濁したところで、さらに残りのヨウ化ヘキサデシルを1時間かけて滴下した。5時間撹拌し、ヘキサデシルマグネシウムヨージドのシクロペンチルメチルエーテル溶液とした。
別途、2−(4−ブロモフェニル)チオフェン3.0g(13mmol)、ジクロロ[1,3−ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパン]ニッケル(II)0.3g(0.6mmol)およびシクロペンチルメチルエーテル40mLを撹拌機、温度計および冷却器を備え付けた200mL容の四つ口フラスコに仕込み、室温、窒素雰囲気下で、上記で調製したヘキサデシルマグネシウムヨージドのシクロペンチルメチルエーテル溶液を1時間かけて滴下した後、2時間撹拌した。
次に、2.5%塩酸100mlを添加して30分撹拌し、分液して有機層を得た。これに水20mlを加えて30分撹拌後、分液し、得られた有機層を得た。有機層を濃縮し、濾過し、黄色固体を得た。これをシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製することにより、2−(4−ヘキサデシルフェニル)チオフェンの黄色結晶を2.6g(6.8mmol)を得た。得られた2−(4−ヘキサデシルフェニル)チオフェンの2−(4−ブロモフェニル)チオフェンに対する収率は54%であった。
次に、得られた2−(4−ヘキサデシルフェニル)チオフェン1.3g(3.4mmol)およびジメチルホルムアミド50mLを、撹拌機、温度計および冷却器を備え付けた200mL容の四つ口フラスコに仕込み、室温、窒素雰囲気下でN−ブロモスクシンイミド0.6g(3.4mmol)を少量ずつ分割して加えた。2時間撹拌した後、メタノール100ml添加し濾過して粗体を取得した。シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製することにより、黄色結晶の2−ブロモ−5−(4−ヘキサデシルフェニル)チオフェン1.5g(3.2mmol)を得た。2−ブロモ−5−(4−ヘキサデシルフェニル)チオフェンの2−(4−ヘキサデシルフェニル)チオフェンに対する収率は95%であった。
製造例4 2−ブロモ−5−(4−トリフルオロメチルフェニル)チオフェン
Figure 2009155318
K. Kobayashi ら(Palladium-Catalyzed Coupling Reactions of Bromothiophenes at the C-H Bond Adjacent to the Sulfur Atom with a New Activator System,AgNO3/KF, ORGANIC LETTERS, 2005, 7, 5083-5085,およびS1-S7 (Supporting Information); インターネット<URL: http://pubs.acs.org.>)の記載に準じて2−ブロモ−5−(4−トリフルオロメチルフェニル)チオフェンを合成した。即ち、撹拌機、温度計および冷却器を備え付けた500mL容の四つ口フラスコにジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)1.7g(2.5mmol)、フッ化カリウム5.8g(0.1mol)、4‐ヨードベンゾトリフルオリド13.6g(50mmol)、2−ブロモチオフェン9.8g(60mmol)、硝酸銀8.5g(50mmol)およびジメチルスルホキシド300mlを仕込み、100℃に昇温し5時間撹拌して反応液を得た。この反応液を冷却し、ろ過後、濃縮して粗生成物を得た。この粗生成物をメタノールで再結晶することにより2−ブロモ−5−(4−トリフルオロメチルフェニル)チオフェン10.7g(35mmol)を得た。4‐ヨードベンゾトリフルオリドに対する収率は70%であった。
製造例5 4−(2−チエニル)フェニルボロン酸
Figure 2009155318
堀田ら(特開2002−220392号公報,第3頁)の記載に準じて4−(2−チエニル)フェニルボロン酸を合成した。即ち、マグネシウム2.0g(84mmol)およびジエチルエーテル30mlを100mL容の四つ口フラスコに仕込み、2−(4−ブロモフェニル)チオフェン20.0g(84mmol)のジエチルエーテル20mlの溶液のうち、室温、窒素雰囲気下で約1/10量を添加し、反応液が白濁してきたところで、さらに残りの2−(4−ブロモフェニル)チオフェンのジエチルエーテル溶液を1時間かけて滴下し、2−(4−ブロモフェニル)チエニルマグネシウムブロミドのジエチルエーテル溶液とした。別途、ホウ酸トリメチル8.7g(84mmol)およびジエチルエーテル50mLを、撹拌機、温度計および冷却器を備え付けた500mL容の四つ口フラスコに仕込み、−60℃以下、窒素雰囲気下で、上記で合成した2−(4−ブロモフェニル)チエニルマグネシウムブロミドのジエチルエーテル溶液全量を1時間かけて滴下した後、室温で20時間撹拌した。次に、10%硫酸水溶液75mlを添加して30分撹拌後、分液し、得られた有機層を濃縮し4−(2−チエニル)フェニルボロン酸の粗体を得た。得られた粗体を、テトラヒドロフランとヘキサンの混合溶液で再結晶することにより4−(2−チエニル)フェニルボロン酸の結晶を7.8g(38mmol)を得た。得られた4−(2−チエニル)フェニルボロン酸の2−(4−ブロモフェニル)チオフェンに対する収率は45%であった。
実施例1 2−(4−ヘキシルフェニル)−5−[4−(2−チエニル)フェニル]チオフェン
Figure 2009155318
マグネシウム0.29g(12mmol)、およびシクロペンチルメチルエーテル15mlを200mL容の四つ口フラスコに仕込み、製造例1で得られた2−ブロモ−5−(4−ヘキシルフェニル)チオフェン3.6g(11mmol)のシクロペンチルメチルエーテル15mlの溶液のうち、室温、窒素雰囲気下で約1/10量添加した。60℃に昇温後、反応液が白濁したところで、さらに残りの2−ブロモ−5−(4−ヘキシルフェニル)チオフェンのシクロペンチルメチルエーテル溶液を1時間かけて滴下した。60℃で5時間撹拌し、5−(4−ヘキシルフェニル)−2−チエニルマグネシウムブロミドのシクロペンチルメチルエーテル溶液とした。
別途、2−(4−ブロモフェニル)チオフェン2.4g(10mmol)、ジクロロ[1,3−ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパン]ニッケル(II)0.27g(0.5mmol)およびシクロペンチルメチルエーテル30mLを撹拌機、温度計および冷却器を備え付けた300mL容の四つ口フラスコに仕込み、室温、窒素雰囲気下で、上記で合成した5−(4−ヘキシルフェニル)−2−チエニルマグネシウムブロミドのシクロペンチルメチルエーテル溶液全量を1時間かけて滴下した後、2時間撹拌した。
次に、2.5%塩酸25mlを添加して30分撹拌した。その後、シクロペンチルメチルエーテルを250ml添加後、50℃に昇温し、分液して有機層を得た。これに水20mlを加えて30分撹拌した。これを分液し、得られた有機層を5℃に冷却後、濾過、乾燥し、黄色固体を得た。これをシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製することにより、2−(4−ヘキシルフェニル)−5−[4−(2−チエニル)フェニル]チオフェンの淡黄色結晶を3.0g(7mmol)を得た。得られた2−(4−ヘキシルフェニル)−5−[4−(2−チエニル)フェニル]チオフェンの2−(4−ブロモフェニル)チオフェンに対する収率は75%であった。
得られた淡黄色結晶が、2−(4−ヘキシルフェニル)−5−[4−(2−チエニル)フェニル]チオフェンであることを下記の分析結果により確認した。
融点:219℃
H−NMR(400MHz, CDCl3)δ0.90 (t, 3H), 1.30-1.38 (m, 6H), 1.60-1.67 (m), 2.63 (t, 2H), 7.11 (dd, 1H), 7.22 (d, 2H), 7.30 (d, 1H), 7.32 (dd, 1H), 7.35 (d, 1H), 7.38 (dd, 1H), 7.56 (d, 2H), 7.66 (s, 4H)
実施例2 1−[5−(4−ヘキシルフェニル)−2−チエニル]−4−(5−フェニル−2−チエニル)ベンゼン
Figure 2009155318
実施例1で得られた2−(4−ヘキシルフェニル)−5−[4−(2−チエニル)フェニル]チオフェン5.2g(13mmol)、およびジメチルホルムアミド1000mLを、撹拌機、温度計および冷却器を備え付けた2000mL容の四つ口フラスコに仕込み、室温、窒素雰囲気下でN−ブロモスクシンイミド2.3g(13mmol)を少量ずつ分割して加えた。2時間撹拌した後、5℃に冷却し濾過、乾燥することで、5−(4−ヘキシルフェニル)−2−[4−(5−ブロモ−2−チエニル)フェニル]チオフェンの淡黄色結晶5.1g(11mmol)を取得した。5−(4−ヘキシルフェニル)−2−[4−(5−ブロモ−2−チエニル)フェニル]チオフェンの2−(4−ヘキシルフェニル)−5−[4−(2−チエニル)フェニル]チオフェンに対する収率は82%であった。
次に、上記で得られた5−(4−ヘキシルフェニル)−2−[4−(5−ブロモ−2−チエニル)フェニル]チオフェン1.0g(2mmol)、ジクロロ[1,3−ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパン]ニッケル(II)0.1g(0.2mmol)およびシクロペンチルメチルエーテル150mLを撹拌機、温度計および冷却器を備え付けた500mL容の四つ口フラスコに仕込み、80℃、窒素雰囲気下で、2−フェニルマグネシウムブロミドの1.0Mシクロペンチルメチルエーテル溶液10ml(10mmol)を1時間かけて滴下した後、2時間撹拌した。
次に、2.5%塩酸100mlを添加して30分撹拌した。その後、分液して有機層を得て、これに水100mlを加えて30分撹拌した。これを分液し、得られた有機層を5℃に冷却し濾過、乾燥することにより、黄色結晶である1−[5−(4−ヘキシルフェニル)−2−チエニル]−4−(5−フェニル−2−チエニル)ベンゼンを0.5g(1mmol)得た。1−[5−(4−ヘキシルフェニル)−2−チエニル]−4−(5−フェニル−2−チエニル)ベンゼンの5−(4−ヘキシルフェニル)−2−[4−(5−ブロモ−2−チエニル)フェニル]チオフェンに対する収率は50%であった。
得られた黄色結晶が、1−[5−(4−ヘキシルフェニル)−2−チエニル]−4−(5−フェニル−2−チエニル)ベンゼンであることを下記の分析結果により確認した。
融点:262℃
H−NMR(400MHz, THF-d8)δ0.90 (t, 3H), 1.29-1.40 (m, 6H), 1.63-1.67 (m, 2H), 2.62 (t, 2H), 7.21 (d, 1H), 7.25 (t, 1H), 7.34 (d, 1H), 7.36 (d, 2H), 7.39 (d, 1H), 7.41 (d, 1H), 7.43 (d, 1H), 7.57 (d, 2H), 7.57 (d, 2H), 7.69 (s, 2H)
実施例3 2−(4−オクチルフェニル)−5−[4−(2−チエニル)フェニル]チオフェン
Figure 2009155318
マグネシウム0.4g(16mmol)、およびシクロペンチルメチルエーテル20mlを200mL容の四つ口フラスコに仕込み、製造例2で得られた2−ブロモ−5−(4−オクチルフェニル)チオフェン4.2g(11mmol)のシクロペンチルメチルエーテル50mlの溶液のうち、室温、窒素雰囲気下で約1/10量添加した。80℃に昇温後、反応液が白濁してきたところで、さらに残りの2−ブロモ−5−(4−ヘキシルフェニル)チオフェンのシクロペンチルメチルエーテル溶液を1時間かけて滴下した。80℃で3時間撹拌し、5−(4−オクチルフェニル)−2−チエニルマグネシウムブロミドのシクロペンチルメチルエーテル溶液とした。
別途、2−(4−ブロモフェニル)チオフェン2.4g(10mmol)、ジクロロ[1,3−ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパン]ニッケル(II)0.27g(0.5mmol)およびシクロペンチルメチルエーテル50mLを撹拌機、温度計および冷却器を備え付けた300mL容の四つ口フラスコに仕込み、室温、窒素雰囲気下で、上記で合成した5−(4−オクチルフェニル)−2−チエニルマグネシウムブロミドのシクロペンチルメチルエーテル溶液全量を1時間かけて滴下した後、2時間撹拌した。
次に、2.5%塩酸50mlを添加して30分撹拌した。その後、シクロペンチルメチルエーテルを100ml添加後、80℃に昇温し、分液して有機層を得た。これに水20mlを加えて30分撹拌した。これを分液し、得られた有機層を5℃に冷却後、濾過、乾燥し、2−(4−オクチルフェニル)−5−[4−(2−チエニル)フェニル]チオフェンの淡黄色結晶を1.8g(4mmol)を得た。得られた2−(4−オクチルフェニル)−5−[4−(2−チエニル)フェニル]チオフェンの2−(4−ブロモフェニル)チオフェンに対する収率は39%であった。
得られた淡黄色結晶が、2−(4−オクチルフェニル)−5−[4−(2−チエニル)フェニル]チオフェンであることを下記の分析結果により確認した。
融点:218℃
H−NMR(400MHz, THF-d8)δ0.89 (t, 3H), 1.28-1.33 (m, 10H), 1.60-1.65 (m, 2H), 2.62 (t, 2H), 7.11 (dd, 1H), 7.22 (d, 2H), 7.30 (d, 1H), 7.33 (dd, 1H), 7.35 (d, 1H), 7.38 (dd, 1H), 7.56 (d, 2H), 7.66 (s, 4H)
実施例4 1−[5−(4−オクチルフェニル)−2−チエニル]−4−(5−フェニル−2−チエニル)ベンゼン
Figure 2009155318
実施例3で得られた2−(4−オクチルフェニル)−5−[4−(2−チエニル)フェニル]チオフェン0.95g(2.2mmol)、およびジメチルホルムアミド100mLを、撹拌機、温度計および冷却器を備え付けた200mL容の四つ口フラスコに仕込み、80℃、窒素雰囲気下でN−ブロモスクシンイミド0.39g(2.2mmol)を少量ずつ分割して加えた。2時間撹拌した後、室温に冷却し濾過することで、5−(4−オクチルフェニル)−2−[4−(5−ブロモ−2−チエニル)−フェニル]チオフェンの粗結晶を得た。さらに、シクロペンチルメチルエーテルで再結晶することで、淡黄色結晶0.57g(1.1mmol)を取得した。5−(4−オクチルフェニル)−2−[4−(5−ブロモ−2−チエニル)−フェニル]チオフェンの2−(4−オクチルフェニル)−5−[4−(2−チエニル)フェニル]チオフェンに対する収率は51%であった。
次に、上記で得られた5−(4−オクチルフェニル)−2−[4−(5−ブロモ−2−チエニル)−フェニル]チオフェン0.51g(1.0mmol)、ジクロロ[1,3−ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパン]ニッケル(II)0.05g(0.1mmol)およびシクロペンチルメチルエーテル100mLを撹拌機、温度計および冷却器を備え付けた500mL容の四つ口フラスコに仕込み、80℃、窒素雰囲気下で、2−フェニルマグネシウムブロミドの1.0Mシクロペンチルメチルエーテル溶液5ml(5mmol)を1時間かけて滴下した後、2時間撹拌した。
次に、室温で2.5%塩酸50mlを添加して30分撹拌した。その後、シクロペンチルエーテルを100ml添加し、80℃に昇温後、分液して有機層を得た。これに水50mlを加えて30分撹拌し、分液することで、有機層を得た。室温に冷却し濾過、乾燥することにより、黄色結晶である1−[5−(4−オクチルフェニル)−2−チエニル]−4−(5−フェニル−2−チエニル)ベンゼンを0.2g(0.4mmol)得た。1−[5−(4−オクチルフェニル)−2−チエニル]−4−(5−フェニル−2−チエニル)ベンゼンの5−(4−オクチルフェニル)−2−[4−(2−ブロモ−5−チエニル)−フェニル]チオフェンに対する収率は50%であった。
得られた黄色結晶が、1−[5−(4−オクチルフェニル)−2−チエニル]−4−(5−フェニル−2−チエニル)ベンゼンであることを下記の分析結果により確認した。
融点:255℃
H−NMR(400MHz, CD2Cl2): δ0.81 (t, 3H), 1.18-1.30 (m, 10H), 1.40-1.48 (m, 2H), 2.55 (t, 2H), 7.15 (d, 1H), 7.22-7.35 (m, 10H), 7.48 (d, 2H), 7.57-7.60 (m, 4H)
実施例5 2−(4−ヘキサデシルフェニル)−5−[4−(2−チエニル)フェニル]チオフェン
Figure 2009155318
マグネシウム0.4g(15mmol)、シクロペンチルメチルエーテル20ml、および製造例3で得られた2−ブロモ−5−(4−ヘキサデシルフェニル)チオフェン0.7g(15mmol)を200mL容の四つ口フラスコに仕込み、100℃に昇温後、5時間撹拌し、5−(4−ヘキサデシルフェニル)−2−チエニルマグネシウムブロミドのシクロペンチルメチルエーテル溶液とした。
別途、2−(4−ブロモフェニル)チオフェン0.9g(3.6mmol)、ジクロロ[1,3−ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパン]ニッケル(II)0.10g(0.2mmol)およびシクロペンチルメチルエーテル30mLを撹拌機、温度計および冷却器を備え付けた300mL容の四つ口フラスコに仕込み、室温、窒素雰囲気下で、上記で合成した5−(4−ヘキサデシルフェニル)−2−チエニルマグネシウムブロミドのシクロペンチルメチルエーテル溶液全量を1時間かけて滴下した後、6時間撹拌した。
次に、2.5%塩酸100mlを添加して30分撹拌した。その後、シクロペンチルメチルエーテルを50ml添加後、80℃に昇温し、分液して有機層を得た。これに水20mlを加えて30分撹拌した。これを分液し、得られた有機層を5℃に冷却後、濾過、乾燥し、2−(4−ヘキサデシルフェニル)−5−[4−(2−チエニル)フェニル]チオフェンの淡黄色結晶を0.4g(0.7mmol)を得た。得られた2−(4−ヘキサデシルフェニル)−5−[4−(2−チエニル)フェニル)チオフェンの2−(4−ブロモフェニル)チオフェンに対する収率は20%であった。
得られた淡黄色結晶が、2−(4−ヘキサデシルフェニル)−5−[4−(2−チエニル)フェニル]チオフェンであることを下記の分析結果により確認した。
融点:205℃
H−NMR(400MHz, THF-d8)δ0.89 (t, 3H), 1.28-1.35 (m, 26H), 1.62-1.66 (m, 2H), 2.62 (t, 2H), 7.07 (dd, 1H), 7.20 (d, 2H), 7.34 (d, 1H), 7.37 (dd, 1H), 7.40 (d, 1H), 7.42 (dd, 1H), 7.56 (d, 2H), 7.67 (s, 4H)
実施例6 2−[4−(2−チエニル)フェニル]−5−(4−トリフルオロメチルフェニル)チオフェン
Figure 2009155318
撹拌機、温度計および冷却器を備え付けた2000mL容の四つ口フラスコに製造例4で合成した2−ブロモ−5−(4−トリフルオロメチルフェニル)チオフェン6.1g(20mmol)、クロロベンゼン400mlおよび水400mlを仕込んだ。これに室温、窒素雰囲気下で、製造例5で合成した4−(2−チエニル)フェニルボロン酸4.9g(24mmol)および炭酸ナトリウム2.5g(24mmol)を順次添加し、さらにテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)1.2g(1.0mmol)を添加した後、90℃に昇温し、5時間撹拌して反応液を得た。この反応液を冷却し、析出した生成物をろ過することにより得られた結晶をシクロペンチルメチルエーテルで洗浄し、減圧乾燥することにより、黄色結晶の2−[4−(2−チエニル)フェニル]−5−(4−トリフルオロメチルフェニル)チオフェン5.4g(14mmol)を得た。2−ブロモ−5−(4−トリフルオロメチルフェニル)チオフェンに対する収率は70%であった。
融点:284℃
H−NMR(400MHz, THF-d8):・ 7.08 (dd, 1H), 7.39 (dd, 1H), 7.44 (dd, 1H), 7.48 (d, 1H), 7.56 (d, 1H), 7.68-7.73 (m, 6H), 7.86 (d, 2H)
比較例1
1,4−ビス[5−(4−オクチルフェニル)−2−チエニル]ベンゼン
Figure 2009155318
マグネシウム0.6g(25mmol)、およびシクロペンチルメチルエーテル20mlを200mL容の四つ口フラスコに仕込み、製造例2で得られた2−ブロモ−5−(4−オクチルフェニル)チオフェン7.7g(22mmol)のシクロペンチルメチルエーテル20mlの溶液のうち、室温、窒素雰囲気下で約1/10量添加した。80℃に昇温後、反応液が白濁してきたところで、さらに残りの2−ブロモ−5−(4−ヘキシルフェニル)チオフェンのシクロペンチルメチルエーテル溶液を1時間かけて滴下した。80℃で3時間撹拌し、5−(4−オクチルフェニル)−2−チエニルマグネシウムブロミドのシクロペンチルメチルエーテル溶液とした。
別途、1,4−ジヨードベンゼン3.3g(10mmol)、ジクロロ[1,3−ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパン]ニッケル(II)0.27g(0.5mmol)およびシクロペンチルメチルエーテル30mLを撹拌機、温度計および冷却器を備え付けた500mL容の四つ口フラスコに仕込み、室温、窒素雰囲気下で、上記で合成した5−(4−オクチルフェニル)−2−チエニルマグネシウムブロミドのシクロペンチルメチルエーテル溶液全量を1時間かけて滴下した後、2時間撹拌した。
次に、2.5%塩酸50mlを添加して30分撹拌した。その後、シクロペンチルメチルエーテルを250ml添加後、80℃に昇温し、分液して有機層を得た。これに水20mlを加えて30分撹拌した。これを分液し、得られた有機層を5℃に冷却後、濾過、乾燥し、1,4−ビス[5−(4−オクチルフェニル)−2−チエニル]ベンゼンの黄色結晶を3.2g(5.2mmol)を得た。得られた1,4−ビス[5−(4−オクチルフェニル)−2−チエニル]ベンゼンの1,4−ジヨードベンゼンに対する収率は52%であった。
融点:258℃
H−NMR(400MHz, THF-d8)δ0.89 (t, 6H), 1.26-1.38 (m, 20H), 1.58-1.62 (m, 4H), 2.62 (t, 4H), 7.20 (d, 4H), 7.34 (d, 2H), 7.41 (d, 2H), 7.57 (d, 4H), 7.69 (s, 4H)
比較例2
1,4−ビス(5−フェニル−2−チエニル)ベンゼン
Figure 2009155318
特許文献(特開2003-040886)に記載の通り合成した。
攪拌機、温度計、および冷却器を備え付けた5L容の四つ口フラスコに、1,2,4−トリクロロベンゼン1050g、4重量%炭酸ナトリウム水溶液761g(0.289モル)、1,4−ビス(5−ブロモ−2−チエニル)ベンゼン14.5g(0.036モル)、フェニルボロン酸17.7g(0.145モル)、およびテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)5.5g(4.8ミリモル)を仕込み、80℃で6時間反応させた。
反応終了後、反応溶液を冷却し、析出した生成物を濾過し、結晶を水およびアセトンで洗浄し、減圧乾燥して1,4−ビス(5−フェニル−2−チエニル)ベンゼン11.4g(0.029モル)を得た。1,4−ビス(5−ブロモ−2−チエニル)ベンゼンに対する収率は81%であった。
評価
[融点および溶媒に対する溶解性]
実施例4および比較例1、2で得られた(チオフェン/フェニレン)コオリゴマーについて、融点およびテトラヒドロフランに対する25℃での溶解度を測定した。それぞれの測定結果を表1に示す。
Figure 2009155318
表1から、実施例4で得られた左右非対称構造を有する(チオフェン/フェニレン)コオリゴマーと比較例1、比較例2で得られた左右非対称構造を有さない(チオフェン/フェニレン)コオリゴマーとは、それらの構造が非常に近似しているにもかかわらず、実施例4で得られた(チオフェン/フェニレン)コオリゴマーは、融点が低くテトラヒドロフランに対する溶解性に優れていることがわかる。
[発光特性]
実施例1〜6で得られた(チオフェン/フェニレン)コオリゴマーについて、発光材料としての有用性を評価した。評価方法としては、実施例1〜6で得られた各結晶物の数片を試料管に入れて密栓し、試料管の外部から紫外光(365nm)を照射して、当該結晶物から発せられる蛍光の色調を目視で観察した。これらの結果を表2に示す。
Figure 2009155318
表2から、実施例1〜6で得られた(チオフェン/フェニレン)コオリゴマーは、発光材料として有用であることがわかる。
[半導体特性]
実施例1、2、4および5で得られた(チオフェン/フェニレン)コオリゴマーについて、キャリア移動度を測定した。測定に際し、抵抗値1Ω・cmのSiウエハーを用いて、厚さ300nmの熱酸化膜を形成したゲート絶縁層上にくし型Au電極(厚さ50nm、幅40μm、チャネル長10μm、チャネル幅8cm)を形成させ、さらに各実施例で得られた(チオフェン/フェニレン)コオリゴマーをそれぞれ蒸着させて得られた有機薄膜トランジスタを作成して測定用試料とし、各測定用試料についての10−3Paの真空下におけるI−V特性の飽和領域からキャリア移動度を求めた。これらの結果を表3に示す。
Figure 2009155318
表3から、実施例1、2、4および5で得られた(チオフェン/フェニレン)コオリゴマーは、有機半導体材料として有用であることがわかる。

Claims (6)

  1. 式(1):
    Figure 2009155318
    (式中、R〜Rは、それぞれ独立して、水素原子、フッ素原子、炭素数1〜16のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基または炭素数1〜6のパーフルオロアルキル基を示し、少なくとも1個の置換基はフッ素原子、炭素数1〜16のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基または炭素数1〜6のパーフルオロアルキル基である。Aは水素原子またはチエニル基である。mは1〜3の整数を示し、mが1のとき、Aはチエニル基である。)で表される(チオフェン/フェニレン)コオリゴマー。
  2. 請求項1に記載の(チオフェン/フェニレン)コオリゴマーを含む有機半導体材料。
  3. 請求項1に記載の(チオフェン/フェニレン)コオリゴマーを含む発光材料。
  4. 式(2):
    Figure 2009155318
    (式中、R〜Rは、それぞれ独立して、水素原子、フッ素原子、炭素数1〜16のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基または炭素数1〜6のパーフルオロアルキル基を示し、少なくとも1個の置換基はフッ素原子、炭素数1〜16のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基または炭素数1〜6のパーフルオロアルキル基である。nは0または1の整数を示す。Yは、塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子とクロスカップリング可能な置換基を示す。)で表される化合物と、式(3):
    Figure 2009155318
    (Xは、塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子を示す。Aは水素原子またはチエニル基である。nは上記式(2)と同じ整数であり、0または1の整数を示す。mは1〜3の整数を示し、mが1のとき、Aはチエニル基である。)で表される化合物とを、金属触媒の存在下で反応させることを特徴とする、式(1):
    Figure 2009155318
    (式中、R〜Rは、それぞれ独立して、水素原子、フッ素原子、炭素数1〜16のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基または炭素数1〜6のパーフルオロアルキル基を示し、少なくとも1個の置換基はフッ素原子、炭素数1〜16のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基または炭素数1〜6のパーフルオロアルキル基である。Aは水素原子またはチエニル基である。mは1〜3の整数を示し、mが1のとき、Aはチエニル基である。)で表される(チオフェン/フェニレン)コオリゴマーの製造方法。
  5. Figure 2009155318
    (式中、Yは、塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子とクロスカップリング可能な置換基を示す。pは0または1の整数を示す。Aは水素原子またはチエニル基であり、pが0のとき、Aはチエニル基である。)で表される化合物と、式(5):
    Figure 2009155318
    (式中、R〜Rは、それぞれ独立して、水素原子、フッ素原子、炭素数1〜16のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基または炭素数1〜6のパーフルオロアルキル基を示し、少なくとも1個の置換基はフッ素原子、炭素数1〜16のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基または炭素数1〜6のパーフルオロアルキル基である。Xは、塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子を示す。mは1〜3の整数を示す。pは上記式(4)と同じ整数であり、0または1の整数を示す。)で表される化合物とを、金属触媒の存在下で反応させることを特徴とする、式(1):
    Figure 2009155318
    (式中、R〜Rは、それぞれ独立して、水素原子、フッ素原子、炭素数1〜16のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基または炭素数1〜6のパーフルオロアルキル基を示し、少なくとも1個の置換基はフッ素原子、炭素数1〜16のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基または炭素数1〜6のパーフルオロアルキル基である。mは、前記式(6)におけるmと同じ整数を示す。Aは前記式(4)と同じであり、mが1のとき、Aはチエニル基である。)で表される(チオフェン/フェニレン)コオリゴマーの製造方法。
  6. 金属触媒が、ジクロロ[1,3−ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパン]ニッケル(II)である請求項4または5に記載の(チオフェン/フェニレン)コオリゴマーの製造方法。
JP2008278300A 2007-12-05 2008-10-29 (チオフェン/フェニレン)コオリゴマー、その製造方法、およびそれを含む有機半導体材料および発光材料 Expired - Fee Related JP5336149B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008278300A JP5336149B2 (ja) 2007-12-05 2008-10-29 (チオフェン/フェニレン)コオリゴマー、その製造方法、およびそれを含む有機半導体材料および発光材料

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007314771 2007-12-05
JP2007314771 2007-12-05
JP2008278300A JP5336149B2 (ja) 2007-12-05 2008-10-29 (チオフェン/フェニレン)コオリゴマー、その製造方法、およびそれを含む有機半導体材料および発光材料

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2009155318A true JP2009155318A (ja) 2009-07-16
JP5336149B2 JP5336149B2 (ja) 2013-11-06

Family

ID=40959706

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008278300A Expired - Fee Related JP5336149B2 (ja) 2007-12-05 2008-10-29 (チオフェン/フェニレン)コオリゴマー、その製造方法、およびそれを含む有機半導体材料および発光材料

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5336149B2 (ja)

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003040886A (ja) * 2001-07-30 2003-02-13 Sumitomo Seika Chem Co Ltd (チオフェン/フェニレン)コオリゴマー類の製造方法
JP2004059458A (ja) * 2002-07-26 2004-02-26 Sumitomo Seika Chem Co Ltd (チオフェン/フェニレン)コオリゴマー類の製造方法
JP2004059457A (ja) * 2002-07-26 2004-02-26 Sumitomo Seika Chem Co Ltd (チオフェン/フェニレン)コオリゴマー類の製造方法
JP2007197359A (ja) * 2006-01-26 2007-08-09 Sumitomo Seika Chem Co Ltd (チオフェン/フェニレン)コオリゴマーおよびそれらを含む発光材料
JP2007261961A (ja) * 2006-03-27 2007-10-11 Shinshu Univ (チオフェン・フェニレン)コオリゴマー化合物

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003040886A (ja) * 2001-07-30 2003-02-13 Sumitomo Seika Chem Co Ltd (チオフェン/フェニレン)コオリゴマー類の製造方法
JP2004059458A (ja) * 2002-07-26 2004-02-26 Sumitomo Seika Chem Co Ltd (チオフェン/フェニレン)コオリゴマー類の製造方法
JP2004059457A (ja) * 2002-07-26 2004-02-26 Sumitomo Seika Chem Co Ltd (チオフェン/フェニレン)コオリゴマー類の製造方法
JP2007197359A (ja) * 2006-01-26 2007-08-09 Sumitomo Seika Chem Co Ltd (チオフェン/フェニレン)コオリゴマーおよびそれらを含む発光材料
JP2007261961A (ja) * 2006-03-27 2007-10-11 Shinshu Univ (チオフェン・フェニレン)コオリゴマー化合物

Non-Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Title
JPN6013014650; Macromolecules 33, 2000, 7349-7358 *
JPN6013014651; Macromolecules 34, 2001, 4314-4323 *
JPN6013014652; Chem. Mater. 16, 2004, 4715-4727 *
JPN6013014653; J. Heterocyclic Chem. 44, 2007, 853-862 *

Also Published As

Publication number Publication date
JP5336149B2 (ja) 2013-11-06

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN107602584B (zh) 有机电气元件用化合物、利用其的有机电气元件及其电子装置
JP5867583B2 (ja) 新規なカルコゲン含有有機化合物およびその用途
KR101535606B1 (ko) 유기전기 소자용 화합물, 이를 이용한 유기전기소자 및 그 전자 장치
JP4792796B2 (ja) 2,3−ジハロビフェニレン誘導体、その前駆化合物及び製造方法
US8299272B2 (en) Process for production of fused ring compound
JP2007261961A (ja) (チオフェン・フェニレン)コオリゴマー化合物
JP5336149B2 (ja) (チオフェン/フェニレン)コオリゴマー、その製造方法、およびそれを含む有機半導体材料および発光材料
JP5301219B2 (ja) (チオフェン/フェニレン)コオリゴマー、その製造方法、およびそれを含む有機半導体材料および発光材料
Zhang et al. Synthesis of carbazole derivatives with high quantum yield and high glass transition temperature
JP2007197359A (ja) (チオフェン/フェニレン)コオリゴマーおよびそれらを含む発光材料
JP5298636B2 (ja) ペンタフルオロスルファニル基を有する複素環オリゴマー化合物
JP2010024191A (ja) (チオフェン/フェニレン)コオリゴマー、その製造方法、およびそれを含む有機半導体材料および発光材料
US8030512B2 (en) Polycyclic pentafluorosulfanylbenzene compound and process for producing the compound
JP4427230B2 (ja) (チオフェン/フェニレン)コオリゴマー類の製造方法
JPWO2006022040A1 (ja) 1,4−ジチエニルベンゼン誘導体
JP2009114074A (ja) (チオフェン/フェニレン)コオリゴマー
KR102350372B1 (ko) 4-설퍼 설폰 아릴 디벤조퓨란을 함유하는 광전 물질 및 응용
JP4383026B2 (ja) (チオフェン/フェニレン)コオリゴマー類の製造方法
JP2003040886A (ja) (チオフェン/フェニレン)コオリゴマー類の製造方法
TWI614253B (zh) 具有類四面體構形的有機化合物
JP5076599B2 (ja) ターフェニレン誘導体の製造方法
JP2014114224A (ja) ホウ素含有複素環化合物
JP2014196293A (ja) ヘキサフェニルベンゼン骨格の位置選択的交互型修飾方法
JP5585053B2 (ja) 新規なフルオレン化合物
JP4383027B2 (ja) (チオフェン/フェニレン)コオリゴマー類の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20110613

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20110613

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20110927

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20130402

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20130603

A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A711

Effective date: 20130603

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20130603

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20130723

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20130801

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5336149

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees