JP2014196293A - ヘキサフェニルベンゼン骨格の位置選択的交互型修飾方法 - Google Patents
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Abstract
【解決課題】交互型に置換基が導入されたヘキサフェニルベンゼン誘導体を安価、簡便、かつスケールアップが可能な条件で供給できる合成方法を提供すること。更に、従来は効率的に得ることができなかったヘキサフェニルベンゼン誘導体を提供すること。【解決手段】式(I)で表されるヘキサフェニルベンゼン誘導体に対し、有機溶媒中、tert−ブチルリチウムp−(ジメチルアミノ)フェニルリチウム又はメシチルリチウムから選択される少なくとも1の試薬を低温で作用させた後、昇温し、続いて求電子試薬と反応させることにより、式(II)で表されるヘキサフェニルベンゼン誘導体を製造する方法。【選択図】なし
Description
本発明は、新規なヘキサフェニルベンゼン誘導体、及びこれを製造する方法に関する。
ヘキサフェニルベンゼン誘導体は、ヘキサベンゾコロネンをはじめとするグラフェン断片の汎用的な前駆体として重要である。また、これらのπ共役系分子の物性を自在にコントロールするためには目的の位置に望む官能基を導入することが求められる。ヘキサフェニルベンゼン誘導体の合成方法として、従来は、ジアリールアルキンの三量化反応、および、ジアリールアルキンとテトラアリールシクロペンタジエノンの間のDiels−Alder反応が用いられてきた。しかし、これらの合成手法では、例えば置換基が交互型に導入されたヘキサフェニルベンゼン誘導体を効率的に導入することができなかった。
また、ヘキサフェニルベンゼン誘導体はヘキサベンゾコロネン誘導体の汎用的前駆体であり、ヘキサベンゾコロネン誘導体は、その特異な電子状態や凝集特性から、液晶をはじめとする材料として広く用いられている。また、ヘキサベンゾコロネンはグラフェンの部分構造である。現在、医薬から材料分野まで、グラフェンの産業応用が急速に展開されようとしており、今後、ヘキサベンゾコロネン誘導体の産業応用が益々盛んになると考えられている。電子状態、溶解度、凝集特性など、ヘキサベンゾコロネン誘導体の物性を制御するためには、適切な位置に多様な官能基を導入する必要がある。しかしながら、ヘキサベンゾコロネン骨格自体の位置選択的修飾化が困難なことから、前駆体であるヘキサフェニルベンゼン誘導体に対して、置換基を適切に導入しておく必要がある。特に、2種類の性質の異なる置換基を交互に導入した誘導体については、それぞれの置換基がヘキサベンゾコロネンに及ぼす物性変化や隣接する置換基間の相互作用など、特異な物性発現が期待されるものの、従来の方法においては、2種類の性質の異なる置換基を交互に導入した誘導体を効率的に得ることはできなかった。
本発明の課題は、交互型に置換基が導入されたヘキサフェニルベンゼン誘導体を安価、簡便、かつスケールアップが可能な条件で供給できる合成方法を提供することである。さらに、従来は効率的に得ることができなかったヘキサフェニルベンゼン誘導体を提供することも本発明の課題である。
本発明者らは、周縁部がブロモ化されたヘキサフェニルベンゼン誘導体に対し、テトラヒドロフラン中、tert−ブチルリチウム、p−(ジメチルアミノ)フェニルリチウム又はメシチルリチウムを特定の条件下で作用させ、続いて求電子試薬と反応させることにより、新たに導入された置換基R2とブロモ基が交互に位置する化合物を得ることができることを見出して本発明に到達した。
即ち、本発明は、
[1]式(I)で表されるヘキサフェニルベンゼン誘導体に対し、有機溶媒中、tert−ブチルリチウムp−(ジメチルアミノ)フェニルリチウム又はメシチルリチウムから選択される少なくとも1の試薬を低温で作用させた後、昇温し、続いて求電子試薬と反応させることにより、式(II)で表されるヘキサフェニルベンゼン誘導体を製造する方法。
(式中、R1は、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、ペルフルオロアルキル基、アルコキシ基、アミノ基、アリール基又はヘテロアリール基を示す)
(式中、
R1は、式(I)で定義した通りであり;
R2は、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、アルキル基、ペルフルオロアルキル基、アリール基、ヘテロアリール基、ヘテロシクリル基、カルボキシル基、アシル基、アミノ基、アミド基、シアノ基、イソシアノ基、チオシアノ基、イソチオシアノ基、エステル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、−SR、−SH、−SeR、−SeH、−SiR3、−PR2、−P(=O)R2、−P(=S)R2、P(=Se)R2、及び−BR2からなる群から選択され、ここで、Rは、同一又は異なっていてもよいアルキル基又はアリール基を示し、但し、Rが2つ以上ある場合は、そのうちの1つ以上が水素原子であってもよい)
[2]前記試薬がtert−ブチルリチウムであり、該試薬の量が6〜7.2当量である、[1]に記載の製造方法。
[3]前記試薬がp−(ジメチルアミノ)フェニルリチウム又はメシチルリチウムであり、該試薬の量が2.8〜4.5当量である、請求項1に記載の製造方法。
[4]前記試薬を低温で作用させた後、室温程度まで昇温する、[1]〜[3]のいずれか1項に記載の製造方法。
[5]前記有機溶媒がテトラヒドロフランである、[1]〜[4]のいずれか1項に記載の製造方法。
[6]前記求電子試薬が、式(II)においてR2の置換基を与える試薬である、[1]〜[5]のいずれか1項に記載の製造方法。
[7]前記式(II)で表されるヘキサフェニルベンゼン誘導体のブロモ基に対して官能基変換を行うことにより、式(III)で表されるヘキサフェニルベンゼン誘導体を製造する方法。
(式中、
R1及びR2は、式(I)、(II)で定義した通りであり;
R3は、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、アルキル基、ペルフルオロアルキル基、アリール基、ヘテロアリール基、ヘテロシクリル基、カルボキシル基、アシル基、エステル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アミノ基、アミド基、シアノ基、イソシアノ基、チオシアノ基、イソチオシアノ基、−SR、−SH、−SeR、−SeH、−SiR3、−PR2、−P(=O)R2、−P(=S)R2、P(=Se)R2及び−BR2からなる群から選択され、ここで、Rは、同一又は異なっていてもよいアルキル基又はアリール基を示し、但し、Rが2つ以上ある場合は、そのうちの1つ以上が水素原子であってもよい)
[8]式(II)で表される化合物。
(式中、
R1は、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、ペルフルオロアルキル基、アルコキシ基、アミノ基、アリール基又はヘテロアリール基を示し;
R2は、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、アルキル基、ペルフルオロアルキル基、アリール基、ヘテロアリール基、ヘテロシクリル基、カルボキシル基、アシル基、アミノ基、アミド基、シアノ基、イソシアノ基、チオシアノ基、イソチオシアノ基、エステル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、−SR、−SH、−SeR、−SeH、−SiR3、−PR2、−P(=O)R2、−P(=S)R2、P(=Se)R2、及び−BR2からなる群から選択され、ここで、Rは、同一又は異なっていてもよいアルキル基又はアリール基を示し、但し、Rが2つ以上ある場合は、そのうちの1つ以上が水素原子であってもよい)
[9]式(III)で表される化合物。
(式中、
R1は、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、ペルフルオロアルキル基、アルコキシ基、アミノ基、アリール基又はヘテロアリール基を示し;
R2は、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、アルキル基、ペルフルオロアルキル基、アリール基、ヘテロアリール基、ヘテロシクリル基、カルボキシル基、アシル基、エステル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アミノ基、アミド基、シアノ基、イソシアノ基、チオシアノ基、イソチオシアノ基、−SR、−SH、−SeR、−SeH、−SiR3、−PR2、−P(=O)R2、−P(=S)R2、P(=Se)R2、及び−BR2からなる群から選択され、ここで、Rは、同一又は異なっていてもよいアルキル基又はアリール基を示し、但し、Rが2つ以上ある場合は、そのうちの1つ以上が水素原子であってもよく;
R3は、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、アルキル基、ペルフルオロアルキル基、アリール基、ヘテロアリール基、ヘテロシクリル基、カルボキシル基、アシル基、エステル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アミノ基、アミド基、シアノ基、イソシアノ基、チオシアノ基、イソチオシアノ基、−SR、−SH、−SeR、−SeH、−SiR3、−PR2、−P(=O)R2、−P(=S)R2、P(=Se)R2及び−BR2からなる群から選択され、ここで、Rは、同一又は異なっていてもよいアルキル基又はアリール基を示し、但し、Rが2つ以上ある場合は、そのうちの1つ以上が水素原子であってもよい)
を、提供するものである。
[1]式(I)で表されるヘキサフェニルベンゼン誘導体に対し、有機溶媒中、tert−ブチルリチウムp−(ジメチルアミノ)フェニルリチウム又はメシチルリチウムから選択される少なくとも1の試薬を低温で作用させた後、昇温し、続いて求電子試薬と反応させることにより、式(II)で表されるヘキサフェニルベンゼン誘導体を製造する方法。
(式中、R1は、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、ペルフルオロアルキル基、アルコキシ基、アミノ基、アリール基又はヘテロアリール基を示す)
(式中、
R1は、式(I)で定義した通りであり;
R2は、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、アルキル基、ペルフルオロアルキル基、アリール基、ヘテロアリール基、ヘテロシクリル基、カルボキシル基、アシル基、アミノ基、アミド基、シアノ基、イソシアノ基、チオシアノ基、イソチオシアノ基、エステル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、−SR、−SH、−SeR、−SeH、−SiR3、−PR2、−P(=O)R2、−P(=S)R2、P(=Se)R2、及び−BR2からなる群から選択され、ここで、Rは、同一又は異なっていてもよいアルキル基又はアリール基を示し、但し、Rが2つ以上ある場合は、そのうちの1つ以上が水素原子であってもよい)
[2]前記試薬がtert−ブチルリチウムであり、該試薬の量が6〜7.2当量である、[1]に記載の製造方法。
[3]前記試薬がp−(ジメチルアミノ)フェニルリチウム又はメシチルリチウムであり、該試薬の量が2.8〜4.5当量である、請求項1に記載の製造方法。
[4]前記試薬を低温で作用させた後、室温程度まで昇温する、[1]〜[3]のいずれか1項に記載の製造方法。
[5]前記有機溶媒がテトラヒドロフランである、[1]〜[4]のいずれか1項に記載の製造方法。
[6]前記求電子試薬が、式(II)においてR2の置換基を与える試薬である、[1]〜[5]のいずれか1項に記載の製造方法。
[7]前記式(II)で表されるヘキサフェニルベンゼン誘導体のブロモ基に対して官能基変換を行うことにより、式(III)で表されるヘキサフェニルベンゼン誘導体を製造する方法。
(式中、
R1及びR2は、式(I)、(II)で定義した通りであり;
R3は、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、アルキル基、ペルフルオロアルキル基、アリール基、ヘテロアリール基、ヘテロシクリル基、カルボキシル基、アシル基、エステル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アミノ基、アミド基、シアノ基、イソシアノ基、チオシアノ基、イソチオシアノ基、−SR、−SH、−SeR、−SeH、−SiR3、−PR2、−P(=O)R2、−P(=S)R2、P(=Se)R2及び−BR2からなる群から選択され、ここで、Rは、同一又は異なっていてもよいアルキル基又はアリール基を示し、但し、Rが2つ以上ある場合は、そのうちの1つ以上が水素原子であってもよい)
[8]式(II)で表される化合物。
(式中、
R1は、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、ペルフルオロアルキル基、アルコキシ基、アミノ基、アリール基又はヘテロアリール基を示し;
R2は、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、アルキル基、ペルフルオロアルキル基、アリール基、ヘテロアリール基、ヘテロシクリル基、カルボキシル基、アシル基、アミノ基、アミド基、シアノ基、イソシアノ基、チオシアノ基、イソチオシアノ基、エステル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、−SR、−SH、−SeR、−SeH、−SiR3、−PR2、−P(=O)R2、−P(=S)R2、P(=Se)R2、及び−BR2からなる群から選択され、ここで、Rは、同一又は異なっていてもよいアルキル基又はアリール基を示し、但し、Rが2つ以上ある場合は、そのうちの1つ以上が水素原子であってもよい)
[9]式(III)で表される化合物。
(式中、
R1は、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、ペルフルオロアルキル基、アルコキシ基、アミノ基、アリール基又はヘテロアリール基を示し;
R2は、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、アルキル基、ペルフルオロアルキル基、アリール基、ヘテロアリール基、ヘテロシクリル基、カルボキシル基、アシル基、エステル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アミノ基、アミド基、シアノ基、イソシアノ基、チオシアノ基、イソチオシアノ基、−SR、−SH、−SeR、−SeH、−SiR3、−PR2、−P(=O)R2、−P(=S)R2、P(=Se)R2、及び−BR2からなる群から選択され、ここで、Rは、同一又は異なっていてもよいアルキル基又はアリール基を示し、但し、Rが2つ以上ある場合は、そのうちの1つ以上が水素原子であってもよく;
R3は、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、アルキル基、ペルフルオロアルキル基、アリール基、ヘテロアリール基、ヘテロシクリル基、カルボキシル基、アシル基、エステル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アミノ基、アミド基、シアノ基、イソシアノ基、チオシアノ基、イソチオシアノ基、−SR、−SH、−SeR、−SeH、−SiR3、−PR2、−P(=O)R2、−P(=S)R2、P(=Se)R2及び−BR2からなる群から選択され、ここで、Rは、同一又は異なっていてもよいアルキル基又はアリール基を示し、但し、Rが2つ以上ある場合は、そのうちの1つ以上が水素原子であってもよい)
を、提供するものである。
本発明により、従来は効率的に得ることができなかった、交互型の置換様式を有するヘキサフェニルベンゼン誘導体を効率よく得ることが可能になった。また、本発明で用いる試薬類はいずれも安価であるとともに、反応操作は簡便であることから、本発明の製造方法をスケールアップで行っても問題なく反応が進行する。さらに、十分に確立された既存の手法を用いて、残りのブロモ基の官能基変換を行うことで、多様なヘキサフェニルベンゼン誘導体へ誘導可能である。
更に、本発明により、従来は供給が不可能、あるいは困難であった交互型の置換様式を有するヘキサフェニルベンゼン誘導体を、安価、簡便、かつスケールアップ可能な条件で効率的に入手可能にすることができることから、本発明は、ヘキサベンゾコロネン誘導体の産業応用において重要な手法になる可能性が高く、産業上大きな意義を有する。
本明細書において、「アルキル基」又はアルキル部分を含む置換基(例えばアルコキシ基など)のアルキル部分は、特に言及しない場合には例えば炭素数1〜12個、好ましくは炭素数1〜8個程度の直鎖、分枝鎖、環状、又はそれらの組み合わせからなるアルキル基を意味している。より具体的には、アルキル基として、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、シクロプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、シクロプロピルメチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−デシル基、n−ドデシル基などを挙げることができる。
本発明の1つの実施形態は、下記式(I)で表される周縁部がブロモ化されたヘキサフェニルベンゼン誘導体に対し、有機溶媒中、tert−ブチルリチウムp−(ジメチルアミノ)フェニルリチウム又はメシチルリチウムから選択される少なくとも1のリチオ化試薬を低温で作用させた後、昇温し、続いて求電子試薬と反応させることにより、新たに導入された置換基R2とブロモ基が交互に位置する式(II)で表されるヘキサフェニルベンゼン誘導体を製造する方法である(以下、「本発明の製造方法1」ともいう)。
式(I)において、R1は、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、ペルフルオロアルキル基、アルコキシ基、アミノ基、アリール基又はヘテロアリール基を示す。R1のハロゲン原子としては、好ましくは、臭素、塩素又はフッ素である。
R1のアルキル基は、前記で定義したとおり、炭素数1〜12個、好ましくは炭素数1〜8個程度の直鎖、分枝鎖、環状、又はそれらの組み合わせからなるアルキル基を意味する。また、アルキル基は、置換又は無置換のアルキル基を含み、置換基としては、例えば、ハロゲン原子、カルボキシ基、スルホニル基、水酸基、アミノ基、アルコキシ基、アリール基などであってもよい。
R1のアルキル基の種類には特に制限がないが、例えば、メチル基、エチル基等が挙げられる。
R1のペルフルオロアルキル基には特に制限がないが、例えば、三フッ化メチル基等が挙げられる。
R1のアルコキシ基の種類には特に制限がないが、例えば、メトキシ基、エトキシ基などが挙げられる。
R1のアミノ基としては、−NR’2型(R’は前記したアルキル基又はアリール基を表す)が好ましい。−NR’2型のアミノ基の種類としては、特に制限がなく、例えば、ジメチルアミンなどが挙げられる。
R1のアルキル基の種類には特に制限がないが、例えば、メチル基、エチル基等が挙げられる。
R1のペルフルオロアルキル基には特に制限がないが、例えば、三フッ化メチル基等が挙げられる。
R1のアルコキシ基の種類には特に制限がないが、例えば、メトキシ基、エトキシ基などが挙げられる。
R1のアミノ基としては、−NR’2型(R’は前記したアルキル基又はアリール基を表す)が好ましい。−NR’2型のアミノ基の種類としては、特に制限がなく、例えば、ジメチルアミンなどが挙げられる。
R1のアリール基は、単環の芳香族基又は縮合芳香族基のいずれであってもよく、アリール環は1個又は2個以上の環構成ヘテロ原子(例えば窒素原子、イオウ原子、又は酸素原子など)を含んでいてもよい。アリール基としては、例えば、フェニル基などが挙げられる。アリール環上には1個又は2個以上の置換基が存在していてもよい。置換基としては、例えばハロゲン原子、カルボキシ基、スルホニル基、アミノ基、アルコキシ基などが1個又は2個以上存在していてもよい。
R1のヘテロアリールは、環構成員としてO、N及びSからなる群から選択される1〜3個のヘテロ原子を含有していてもよく、さらに、炭素数1〜6個のアルキル、炭素数2〜6個のアルケニル、又は炭素数2〜6個のアルキニル、炭素数6〜10個のアラルキル基(ベンジル基、フェネチル基等)、炭素数6〜10個のアルアルケニル基で置換されていてもよい。
ヘテロアリールとしては、例えば、ピロール、イミダゾール、ピラゾール、オキサゾール、チアゾールなどが挙げられるが、これらに限定されない。
R1のヘテロアリールは、環構成員としてO、N及びSからなる群から選択される1〜3個のヘテロ原子を含有していてもよく、さらに、炭素数1〜6個のアルキル、炭素数2〜6個のアルケニル、又は炭素数2〜6個のアルキニル、炭素数6〜10個のアラルキル基(ベンジル基、フェネチル基等)、炭素数6〜10個のアルアルケニル基で置換されていてもよい。
ヘテロアリールとしては、例えば、ピロール、イミダゾール、ピラゾール、オキサゾール、チアゾールなどが挙げられるが、これらに限定されない。
本発明の製造方法1において、試薬としてtert−ブチルリチウムを用いる場合は、R1は、ハロゲン原子、ペルフルオロアルキル基、アリール基又はヘテロアリール基が好ましい。
また、本発明の製造方法1において、試薬としてp−(ジメチルアミノ)フェニルリチウム又はメシチルリチウムを用いる場合は、R1が前記で挙げたいずれの置換基(水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、ペルフルオロアルキル基、アルコキシ基、アミノ基、アリール基又はヘテロアリール基)であっても反応は効率よく進行する。これは、p−(ジメチルアミノ)フェニルリチウム又はメシチルリチウムはテトラヒドロフラン等の有機溶媒中で安定であるため、R1として比較的活性が高くない置換基を有する式(I)の化合物であっても反応が効率よく進行すると考えられる。
また、本発明の製造方法1において、試薬としてp−(ジメチルアミノ)フェニルリチウム又はメシチルリチウムを用いる場合は、R1が前記で挙げたいずれの置換基(水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、ペルフルオロアルキル基、アルコキシ基、アミノ基、アリール基又はヘテロアリール基)であっても反応は効率よく進行する。これは、p−(ジメチルアミノ)フェニルリチウム又はメシチルリチウムはテトラヒドロフラン等の有機溶媒中で安定であるため、R1として比較的活性が高くない置換基を有する式(I)の化合物であっても反応が効率よく進行すると考えられる。
式(II)において、R1は、式(I)と同義である。R2は、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、アルキル基、ペルフルオロアルキル基、アリール基、ヘテロアリール基、ヘテロシクリル基、カルボキシル基、アシル基、エステル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アミノ基、アミド基、シアノ基、イソシアノ基、チオシアノ基、イソチオシアノ基、−SR、−SH、−SeR、−SeH、−SiR3、−PR2、−P(=O)R2、−P(=S)R2、P(=Se)R2、及び−BR2からなる群から選択され、ここで、Rは、同一又は異なっていてもよいアルキル基又はアリール基を示し、但し、Rが2つ以上ある場合は、そのうちの1つ以上が水素原子であってもよい。
R2のアルキル基は、前記で定義したとおり、炭素数1〜12個、好ましくは炭素数1〜8個程度の直鎖、分枝鎖、環状、又はそれらの組み合わせからなるアルキル基を意味する。また、アルキル基は、置換又は無置換のアルキル基を含み、置換基としては、例えば、ハロゲン原子、カルボキシ基、スルホニル基、水酸基、アミノ基、アルコキシ基、アリール基などであってもよい。
R2のアリール基は単環の芳香族基又は縮合芳香族基のいずれであってもよく、アリール環は1個又は2個以上の環構成ヘテロ原子(例えば窒素原子、イオウ原子、又は酸素原子など)を含んでいてもよい。アリール基としては、例えば、フェニル基などが挙げられる。アリール環上には1個又は2個以上の置換基が存在していてもよい。置換基としては、例えばハロゲン原子、カルボキシ基、スルホニル基、水酸基、アミノ基、アルコキシ基などが1個又は2個以上存在していてもよい。
R2のヘテロアリール又はヘテロシクリルは、環構成員としてO、N及びSからなる群から選択される1〜3個のヘテロ原子を含有していてもよく、さらに、炭素数1〜6個のアルキル、炭素数2〜6個のアルケニル、又は炭素数2〜6個のアルキニル、炭素数6〜10個のアラルキル基(ベンジル基、フェネチル基等)、炭素数6〜10個のアルアルケニル基で置換されていてもよい。
ヘテロアリール又はヘテロシクリルとしては、例えば、ピロリジン、ピペリジン、ヘキサメチレンイミン、ピロール、イミダゾール、ピラゾール、オキサゾール、チアゾールなどが挙げられるが、これらに限定されない。
R2のヘテロアリール又はヘテロシクリルは、環構成員としてO、N及びSからなる群から選択される1〜3個のヘテロ原子を含有していてもよく、さらに、炭素数1〜6個のアルキル、炭素数2〜6個のアルケニル、又は炭素数2〜6個のアルキニル、炭素数6〜10個のアラルキル基(ベンジル基、フェネチル基等)、炭素数6〜10個のアルアルケニル基で置換されていてもよい。
ヘテロアリール又はヘテロシクリルとしては、例えば、ピロリジン、ピペリジン、ヘキサメチレンイミン、ピロール、イミダゾール、ピラゾール、オキサゾール、チアゾールなどが挙げられるが、これらに限定されない。
R2のアシル基としては、例えば、ホルミル基、アセチル基、プロピオニル基、ベンゾイル基、アクリリル基などが挙げられるが、これらに限定されない。
エステル基及びアルコキシ基は、それぞれ、−C(=O)OR’及び−OR’で表され、R’はアルキル基又はアリール基を表す。
エステル基及びアルコキシ基は、それぞれ、−C(=O)OR’及び−OR’で表され、R’はアルキル基又はアリール基を表す。
R2のアミノ基には、−NH2、−NHR’、−NR’2が含まれ、R’は前記したアルキル基又はアリール基を表す。
R2のアミド基には、−C(=O)NH2、−C(=O)NHR’、−C(=O)NR’2が含まれ、R’はアルキル基又はアリール基を表す。
R2のアミド基には、−C(=O)NH2、−C(=O)NHR’、−C(=O)NR’2が含まれ、R’はアルキル基又はアリール基を表す。
本発明の製造方法1においては、tert−ブチルリチウムの濃度を、好ましくは6〜7.2当量で、より好ましくは6当量程度にしてリチオ化反応が行われる。
また、本発明の製造方法1においては、p−(ジメチルアミノ)フェニルリチウム又はメシチルリチウムの濃度を、好ましくは2.8〜4.5当量で、より好ましくは3当量程度にしてリチオ化反応が行われる。
また、本発明の製造方法1においては、p−(ジメチルアミノ)フェニルリチウム又はメシチルリチウムの濃度を、好ましくは2.8〜4.5当量で、より好ましくは3当量程度にしてリチオ化反応が行われる。
本発明の製造方法1において用いる有機溶媒は、テトラヒドロフランが好ましい。また、本発明の製造方法1においては、一般的なtert−ブチルリチウムによるリチオ化反応に比べて、用いる溶媒の量を少なくする。通常のリチオ化反応においては、0.1gの基質(式(I)で表される周縁部がブロモ化されたサフェニルベンゼン誘導体)に対して5mL程度の溶媒を使用するが、本発明の製造方法1においては、0.1gの基質に対して1〜2mL程度の溶媒が使用される。
本発明の製造方法1においては、tert−ブチルリチウム、p−(ジメチルアミノ)フェニルリチウム又はメシチルリチウムから選択される試薬を低温で作用させた後、昇温する。tert−ブチルリチウムを作用させる温度としては、好ましくは−100〜−60℃、より好ましくは−100〜−75℃である。また、p−(ジメチルアミノ)フェニルリチウム又はメシチルリチウムを作用させる温度としては、好ましくは−100〜25℃、より好ましくは0〜25℃である。
また、上記試薬を低温で作用させた後は、好ましくは−10℃以上、より好ましくは室温程度まで昇温する。
また、上記試薬を低温で作用させた後は、好ましくは−10℃以上、より好ましくは室温程度まで昇温する。
理論に拘束されることを意図するものではないが、リチオ化反応を高濃度の条件で行い、低温で試薬を混合後、室温付近まで昇温することにより、以下のスキーム1で示すように中間体(1)を経由して、tert−ブチルリチウムp−(ジメチルアミノ)フェニルリチウム又はメシチルリチウムによるリチオ化反応は位置選択的に進行すると推察される。
本発明の製造方法1において使用される求電子試薬は、式(II)においてR2の置換基を与えるものであれば特に限定されない。このような求電子試薬としては、例えば、水、ヨウ素、トリアルキルクロロシラン、ジアルキルクロロホスフィン、ジアリールクロロホスフィン、硫黄、ジアリールメトキシボラン、ケトン、アルデヒド、アミド、酸塩化物、二酸化炭素、アルキルハライドが挙げられる。好ましくは、水、クロロトリメチルシラン、ベンゾフェノンである。
本発明の製造方法1において、リチオ化反応における生成物(スキーム1の中間体(1))を求電子試薬と反応させる条件としては、まず低温、好ましくは−100〜0℃で求電子試薬を添加し、その後、徐々に室温程度まで昇温させることが好ましい。また、試薬としてp−(ジメチルアミノ)フェニルリチウム又はメシチルリチウムを作用させる場合は、−100〜0℃で求電子試薬を添加することができる。
本発明のもう1つの実施形態は、式(II)で表されるヘキサフェニルベンゼン誘導体のブロモ基に対して官能基変換を行うことにより、式(III)で表されるヘキサフェニルベンゼン誘導体を製造する方法である(以下、「本発明の製造方法2」ともいう)。
式(III)において、R1及びR2は、式(I)、(II)で定義したとおりである。
R3は、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、アルキル基、ペルフルオロアルキル基、アリール基、ヘテロアリール基、ヘテロシクリル基、カルボキシル基、アシル基、エステル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アミノ基、アミド基、シアノ基、イソシアノ基、チオシアノ基、イソチオシアノ基、−SR、−SH、−SeR、−SeH、−SiR3、−PR2、−P(=O)R2、−P(=S)R2、P(=Se)R2及び−BR2からなる群から選択され、ここで、Rは、同一又は異なっていてもよいアルキル基又はアリール基を示し、但し、Rが2つ以上ある場合は、そのうちの1つ以上が水素原子であってもよい。
R3は、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、アルキル基、ペルフルオロアルキル基、アリール基、ヘテロアリール基、ヘテロシクリル基、カルボキシル基、アシル基、エステル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アミノ基、アミド基、シアノ基、イソシアノ基、チオシアノ基、イソチオシアノ基、−SR、−SH、−SeR、−SeH、−SiR3、−PR2、−P(=O)R2、−P(=S)R2、P(=Se)R2及び−BR2からなる群から選択され、ここで、Rは、同一又は異なっていてもよいアルキル基又はアリール基を示し、但し、Rが2つ以上ある場合は、そのうちの1つ以上が水素原子であってもよい。
本発明の製造方法2において、式(II)で表されるヘキサフェニルベンゼン誘導体のブロモ基に対して官能基変換を行う方法としては、一般に多段階の反応、例えばブチルリチウムを作用させた後に、式(III)のR3の置換基を与える求電子剤を作用させるなどの方法が挙げられる。求電子剤としては、例えば、水、ヨウ素、トリアルキルクロロシラン、ジアルキルクロロホスフィン、ジアリールクロロホスフィン、硫黄、ジアリールメトキシボラン、ケトン、アルデヒド、アミド、酸塩化物、二酸化炭素、アルキルハライドが挙げられる。好ましくは、水、クロロトリメチルシラン、ベンゾフェノンである。
ブロモ基に対する官能基変換を行う方法としては、従来公知の方法を用いることができる。例えば、園頭カップリング、鈴木カップリング、根岸カップリングが挙げられる。これらの方法(反応)を行う条件についても、当該方法を行う場合の通常の条件により行うことができる。
R1及びR2は、前記で定義した通りである。
式(II)の化合物は、本発明の製造方法1により好適に製造することができる。
式(II)の化合物は、本発明の製造方法1により好適に製造することができる。
R1、R2、及びR3は、前記で定義した通りである。
式(III)の化合物は、本発明の製造方法2により好適に製造することができる。
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明の範囲は下記の実施例に限定されることはない。
[原料]
tert−ブチルリチウム:関東化学製(濃度は反応直前に滴定により決定した。)
2−ブロモメシチレン:アルドリッチ製(98%)
粒状リチウム:アルドリッチ製(99%)
p−ブロモ−N、N−ジメチルアニリン:東京化成工業製(>97.0%)
ジエチルエーテル:関東化学製(>99.5%、s脱水)
テトラヒドロフラン:関東化学製(>99.5%、脱水、安定剤無添加)
クロロトリメチルシラン:東京化成工業製(>98.0%)
ベンゾフェノン:関東化学製(鹿特級)
p−クロロ(フェニルエチニル)ベンゼン:Chemical Communication誌の48巻(2012年)の5419ページに記載の方法で調製した。
テトラフェニルシクロペンタジエノン:東京化成工業(>98.0%)
tert−ブチルリチウム:関東化学製(濃度は反応直前に滴定により決定した。)
2−ブロモメシチレン:アルドリッチ製(98%)
粒状リチウム:アルドリッチ製(99%)
p−ブロモ−N、N−ジメチルアニリン:東京化成工業製(>97.0%)
ジエチルエーテル:関東化学製(>99.5%、s脱水)
テトラヒドロフラン:関東化学製(>99.5%、脱水、安定剤無添加)
クロロトリメチルシラン:東京化成工業製(>98.0%)
ベンゾフェノン:関東化学製(鹿特級)
p−クロロ(フェニルエチニル)ベンゼン:Chemical Communication誌の48巻(2012年)の5419ページに記載の方法で調製した。
テトラフェニルシクロペンタジエノン:東京化成工業(>98.0%)
[実施例1]
化合物2(1,3,5−トリス(4−ブロモフェニル)−2,4,6−トリス{4−(トリメチルシリル)フェニル}ベンゼン)の合成
以下のスキームにより化合物2を合成した。
化合物1(1,2,3,4,5,6−ヘキサキス(4−ブロモフェニル)ベンゼン)は、Organic Synthesis誌82巻(2005年)30ぺージに記載の方法により合成した。
窒素雰囲気下、上記で得た化合物1(1.0g、0.99mmol)のテトラヒドロフラン懸濁液(10mL)に、メタノール−液体窒素バス中、−98℃でtert−ブチルリチウム(1.7Mペンタン溶液3.5mL、6.0mmol)を加えた後、冷却バスを取り除き、ゆっくりと室温まで昇温させ、30分間かくはんした。次いで、反応溶液を再び−98℃まで冷却し、クロロトリメチルシラン(0.76mL、6.0mmol)を加え、ゆっくりと室温まで昇温し、30分間かくはんした。次いで飽和塩化アンモニウム水溶液(10mL)を加えて反応を停止し、クロロホルムで抽出し(20mL×3回)、有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥した。硫酸マグネシウムを濾過した後、溶媒留去して得られた残さをクロロホルム−エタノールから再結晶し、無色固体の化合物2(0.59g、60%)を得た。
化合物2: 1H NMR (500 MHz, CDCl3): δ 0.14 (s, 27H), 6.63 (d, J = 8.8 Hz, 6H), 6.72 (d, J = 8.0 Hz, 6H), 6.95 (d, J = 8.8 Hz, 6H), 7.03 (d, J = 8.0 Hz, 6H).
化合物2(1,3,5−トリス(4−ブロモフェニル)−2,4,6−トリス{4−(トリメチルシリル)フェニル}ベンゼン)の合成
以下のスキームにより化合物2を合成した。
化合物1(1,2,3,4,5,6−ヘキサキス(4−ブロモフェニル)ベンゼン)は、Organic Synthesis誌82巻(2005年)30ぺージに記載の方法により合成した。
窒素雰囲気下、上記で得た化合物1(1.0g、0.99mmol)のテトラヒドロフラン懸濁液(10mL)に、メタノール−液体窒素バス中、−98℃でtert−ブチルリチウム(1.7Mペンタン溶液3.5mL、6.0mmol)を加えた後、冷却バスを取り除き、ゆっくりと室温まで昇温させ、30分間かくはんした。次いで、反応溶液を再び−98℃まで冷却し、クロロトリメチルシラン(0.76mL、6.0mmol)を加え、ゆっくりと室温まで昇温し、30分間かくはんした。次いで飽和塩化アンモニウム水溶液(10mL)を加えて反応を停止し、クロロホルムで抽出し(20mL×3回)、有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥した。硫酸マグネシウムを濾過した後、溶媒留去して得られた残さをクロロホルム−エタノールから再結晶し、無色固体の化合物2(0.59g、60%)を得た。
化合物2: 1H NMR (500 MHz, CDCl3): δ 0.14 (s, 27H), 6.63 (d, J = 8.8 Hz, 6H), 6.72 (d, J = 8.0 Hz, 6H), 6.95 (d, J = 8.8 Hz, 6H), 7.03 (d, J = 8.0 Hz, 6H).
[実施例2]
化合物4(1,3−ビス(4−ブロモフェニル)−5−(4−クロロフェニル)−2,4,6−トリス{4−(トリメチルシリル)フェニル}ベンゼン)の合成
以下のスキームにより化合物4を合成した。
化合物4(1,3−ビス(4−ブロモフェニル)−5−(4−クロロフェニル)−2,4,6−トリス{4−(トリメチルシリル)フェニル}ベンゼン)の合成
以下のスキームにより化合物4を合成した。
(1)化合物3(1,2,3,4,5−ペンタキス(4−ブロモフェニル)−6−(4−クロロフェニル)ベンゼン)の合成
p−クロロ(フェニルエチニル)ベンゼン(1.1g、5.3mmol)とテトラフェニルシクロペンタジエノン(2.0g、5.3mmol)のジフェニルエーテル溶液(4.5mL)を3時間加熱還流した。反応溶液を室温まで冷却した後、0℃に冷却したエタノール(20mL)へ注ぎ、生じた固体をろ別し、エタノールで洗浄することで、無色固体の1−(4−クロロフェニル)−2,3,4,5,6−ペンタフェニルベンゼン(2.7g、91%)を得た。
1H NMR (500 MHz, CDCl3): δ 6.75 (d, J = 8.5 Hz, 2H), 6.79-6.90 (m, 27H).
先に得た1−(4−クロロフェニル)−2,3,4,5,6−ペンタフェニルベンゼン(2.7g、4.7mmol)に対して、0℃で臭素(7.5mL)を加えた後、室温で2時間かくはんした。次いで、反応溶液を、亜硫酸ナトリウム(20g)と氷の混合物へ注いでかくはんし、生じた固体をろ別し、水、アセトン、ジクロロメタンで洗浄することで、無色固体の化合物3(4.4g、96%)を得た。
1H NMR (500 MHz, CDCl3): δ 6.60-6.63 (m, 10H), 6.67 (d, J = 8.5 Hz, 2H), 6.90 (d, J = 8.5 Hz, 2H), 7.03-7.08 (m, 10H).
p−クロロ(フェニルエチニル)ベンゼン(1.1g、5.3mmol)とテトラフェニルシクロペンタジエノン(2.0g、5.3mmol)のジフェニルエーテル溶液(4.5mL)を3時間加熱還流した。反応溶液を室温まで冷却した後、0℃に冷却したエタノール(20mL)へ注ぎ、生じた固体をろ別し、エタノールで洗浄することで、無色固体の1−(4−クロロフェニル)−2,3,4,5,6−ペンタフェニルベンゼン(2.7g、91%)を得た。
1H NMR (500 MHz, CDCl3): δ 6.75 (d, J = 8.5 Hz, 2H), 6.79-6.90 (m, 27H).
先に得た1−(4−クロロフェニル)−2,3,4,5,6−ペンタフェニルベンゼン(2.7g、4.7mmol)に対して、0℃で臭素(7.5mL)を加えた後、室温で2時間かくはんした。次いで、反応溶液を、亜硫酸ナトリウム(20g)と氷の混合物へ注いでかくはんし、生じた固体をろ別し、水、アセトン、ジクロロメタンで洗浄することで、無色固体の化合物3(4.4g、96%)を得た。
1H NMR (500 MHz, CDCl3): δ 6.60-6.63 (m, 10H), 6.67 (d, J = 8.5 Hz, 2H), 6.90 (d, J = 8.5 Hz, 2H), 7.03-7.08 (m, 10H).
(2)化合物4の合成
(1)で得た化合物3(0.30g、0.31mmol)のテトラヒドロフラン懸濁液(3mL)に、メタノール−液体窒素バス中、−98℃でtert−ブチルリチウム(1.6Mペンタン溶液1.2mL、1.9mmol)を加えた後、冷却バスを取り除き、ゆっくりと室温まで昇温させ、30分間かくはんした。次いで、反応溶液を再び−98℃まで冷却し、クロロトリメチルシラン(0.24mL、1.9mmol)を加えた後、ゆっくりと室温まで昇温し、30分間かくはんした。次いで飽和塩化アンモニウム水溶液(3mL)を加えて反応を停止し、クロロホルムで抽出し(5mL×3回)、有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥した。硫酸マグネシウムを濾過した後、溶媒留去して得られた残さをクロロホルム−エタノールから再結晶し、無色固体の化合物4(0.13g、45%)を得た。
化合物4: 1H NMR (500 MHz, CDCl3): δ 0.13 (s, 18H), 0.14 (s, 9H), 6.63 (d, J = 8.5 Hz, 4H), 6.69 (d, J = 8.5 Hz, 2H), 6.71-6.73 (m, 6H), 6.80 (d, J = 8.8 Hz, 2H), 6.95 (d, J = 8.5 Hz, 4H), 7.02-7.04 (m, 6H).
(1)で得た化合物3(0.30g、0.31mmol)のテトラヒドロフラン懸濁液(3mL)に、メタノール−液体窒素バス中、−98℃でtert−ブチルリチウム(1.6Mペンタン溶液1.2mL、1.9mmol)を加えた後、冷却バスを取り除き、ゆっくりと室温まで昇温させ、30分間かくはんした。次いで、反応溶液を再び−98℃まで冷却し、クロロトリメチルシラン(0.24mL、1.9mmol)を加えた後、ゆっくりと室温まで昇温し、30分間かくはんした。次いで飽和塩化アンモニウム水溶液(3mL)を加えて反応を停止し、クロロホルムで抽出し(5mL×3回)、有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥した。硫酸マグネシウムを濾過した後、溶媒留去して得られた残さをクロロホルム−エタノールから再結晶し、無色固体の化合物4(0.13g、45%)を得た。
化合物4: 1H NMR (500 MHz, CDCl3): δ 0.13 (s, 18H), 0.14 (s, 9H), 6.63 (d, J = 8.5 Hz, 4H), 6.69 (d, J = 8.5 Hz, 2H), 6.71-6.73 (m, 6H), 6.80 (d, J = 8.8 Hz, 2H), 6.95 (d, J = 8.5 Hz, 4H), 7.02-7.04 (m, 6H).
実施例1で得た化合物1(0.2g、0.20mmol)のテトラヒドロフラン懸濁液(2mL)に、メタノール−液体窒素バス中、−98℃でtert−ブチルリチウム(1.6Mペンタン溶液0.74mL、1.2mmol)を加えた後、冷却バスを取り除き、ゆっくりと室温まで昇温させ、30分間かくはんした。次いで、反応溶液を再び−98℃まで冷却し、ベンゾフェノン(0.22g、1.2mmol)を加えた後、ゆっくりと室温まで昇温し、30分間かくはんした。次いで飽和塩化アンモニウム水溶液(2mL)を加えて反応を停止し、クロロホルムで抽出し(5mL×3回)、有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥した。硫酸マグネシウムを濾過した後、溶媒留去して得られた残さをシリカゲルクロマトグラフィー(展開溶媒:酢酸エチル/ヘキサン(1/4))で精製し、無色固体の化合物5(0.19g、71%)を得た。
化合物5: 1H NMR (500 MHz, CDCl3): δ 2.74 (s, 3H), 6.69 (d, J = 8.5 Hz, 6H), 6.74 (d, J = 8.5 Hz, 6H), 6.83 (d, J = 8.5 Hz, 6H), 7.00-7.03 (m, 12H) 7.05 (d, J = 8.5 Hz, 6H), 7.24-7.29 (m, 6H), 7.30-7.34 (m, 12 H).
化合物5: 1H NMR (500 MHz, CDCl3): δ 2.74 (s, 3H), 6.69 (d, J = 8.5 Hz, 6H), 6.74 (d, J = 8.5 Hz, 6H), 6.83 (d, J = 8.5 Hz, 6H), 7.00-7.03 (m, 12H) 7.05 (d, J = 8.5 Hz, 6H), 7.24-7.29 (m, 6H), 7.30-7.34 (m, 12 H).
[実施例4]
化合物2(1,3,5−トリス(4−ブロモフェニル)−2,4,6−トリス{4−(トリメチルシリル)フェニル}ベンゼン)の合成
以下のスキームにより化合物2を合成した。
化合物1(1,2,3,4,5,6−ヘキサキス(4−ブロモフェニル)ベンゼン)は、Organic Synthesis誌82巻(2005年)30ぺージに記載の方法により合成した。
窒素雰囲気下、粒状リチウム(1.0g、0.14mmol)に対し、室温でp−ブロモ−N、N−ジメチルアニリンのジエチルエーテル溶液(50mL)を10分かけて滴下した後、45分間加熱還流することで、p−(ジメチルアミノ)フェニルリチウムを調製した。この溶液を化合物1(16.1g、16.0mmol)のテトラヒドロフラン懸濁液(100mL)に、0℃で加えた後、冷却バスを取り除き、20分間かくはんした。次いで、反応溶液を再び0℃まで冷却し、クロロトリメチルシラン(18.3mL、15.1mmol)を加え、室温で30分間かくはんした。次いで水(100mL)を加えて反応を停止し、ジエチルエーテルとテトラヒドロフランを減圧留去した後、クロロホルム(150mL)で抽出し、有機層を希塩酸(1M、100mL×2回)で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。硫酸マグネシウムを濾過した後、溶媒留去して得られた残さをクロロホルム−エタノールから再結晶し、無色固体の化合物2(10.1g、64%)を得た。
化合物2: 1H NMR (500 MHz, CDCl3): δ 0.14 (s, 27H), 6.63 (d, J = 8.8 Hz, 6H), 6.72 (d, J = 8.0 Hz, 6H), 6.95 (d, J = 8.8 Hz, 6H), 7.03 (d, J = 8.0 Hz, 6H).
化合物2(1,3,5−トリス(4−ブロモフェニル)−2,4,6−トリス{4−(トリメチルシリル)フェニル}ベンゼン)の合成
以下のスキームにより化合物2を合成した。
化合物1(1,2,3,4,5,6−ヘキサキス(4−ブロモフェニル)ベンゼン)は、Organic Synthesis誌82巻(2005年)30ぺージに記載の方法により合成した。
窒素雰囲気下、粒状リチウム(1.0g、0.14mmol)に対し、室温でp−ブロモ−N、N−ジメチルアニリンのジエチルエーテル溶液(50mL)を10分かけて滴下した後、45分間加熱還流することで、p−(ジメチルアミノ)フェニルリチウムを調製した。この溶液を化合物1(16.1g、16.0mmol)のテトラヒドロフラン懸濁液(100mL)に、0℃で加えた後、冷却バスを取り除き、20分間かくはんした。次いで、反応溶液を再び0℃まで冷却し、クロロトリメチルシラン(18.3mL、15.1mmol)を加え、室温で30分間かくはんした。次いで水(100mL)を加えて反応を停止し、ジエチルエーテルとテトラヒドロフランを減圧留去した後、クロロホルム(150mL)で抽出し、有機層を希塩酸(1M、100mL×2回)で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。硫酸マグネシウムを濾過した後、溶媒留去して得られた残さをクロロホルム−エタノールから再結晶し、無色固体の化合物2(10.1g、64%)を得た。
化合物2: 1H NMR (500 MHz, CDCl3): δ 0.14 (s, 27H), 6.63 (d, J = 8.8 Hz, 6H), 6.72 (d, J = 8.0 Hz, 6H), 6.95 (d, J = 8.8 Hz, 6H), 7.03 (d, J = 8.0 Hz, 6H).
化合物6(1,2,3,4,5−ペンタキス(4−ブロモフェニル)−6−フェニルベンゼン)は、Organic Letters誌16巻(2014年)1024ぺージに記載の方法により合成した。
化合物6(1.5g、1.6mmol)および2−ブロモメシチレン(0.69mL、4.5mmol)のテトラヒドロフラン懸濁液(15mL)に、メタノール−液体窒素バス中、−98℃でtert−ブチルリチウム(1.7Mペンタン溶液5.6mL、9.7mmol)を加えて系中でメシチルリチウムを調製した後、冷却バスを取り除き、ゆっくりと室温まで昇温させ、45分間かくはんした。次いで、反応溶液を再び−98℃まで冷却し、クロロトリメチルシラン(1.2mL、9.7mmol)を加えた後、ゆっくりと室温まで昇温し、30分間かくはんした。次いで飽和塩化アンモニウム水溶液(30mL)を加えて反応を停止し、クロロホルムで抽出し(50mL×3回)、有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥した。硫酸マグネシウムを濾過した後、溶媒留去して得られた残さをクロロホルム−エタノールから再結晶し、無色固体の化合物7(0.81g、55%)を得た。
化合物7: 1H NMR (500 MHz, CDCl3): 7.03 (d, J = 8.2 Hz, 2H), 7.00 (d, J = 8.2 Hz, 4H), 6.95 (d, J = 8.6 Hz, 4H), 6.84-6.80 (m, 3H), 6.77-6.74 (m, 2H), 6.73 (d, J = 8.2 Hz, 4H), 6.73 (d, J = 8.2 Hz, 2H), 6.64 (d, J = 8.6 Hz, 4H), 0.14 (s, 9H), 0.11 (s, 18H).
化合物6(1.5g、1.6mmol)および2−ブロモメシチレン(0.69mL、4.5mmol)のテトラヒドロフラン懸濁液(15mL)に、メタノール−液体窒素バス中、−98℃でtert−ブチルリチウム(1.7Mペンタン溶液5.6mL、9.7mmol)を加えて系中でメシチルリチウムを調製した後、冷却バスを取り除き、ゆっくりと室温まで昇温させ、45分間かくはんした。次いで、反応溶液を再び−98℃まで冷却し、クロロトリメチルシラン(1.2mL、9.7mmol)を加えた後、ゆっくりと室温まで昇温し、30分間かくはんした。次いで飽和塩化アンモニウム水溶液(30mL)を加えて反応を停止し、クロロホルムで抽出し(50mL×3回)、有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥した。硫酸マグネシウムを濾過した後、溶媒留去して得られた残さをクロロホルム−エタノールから再結晶し、無色固体の化合物7(0.81g、55%)を得た。
化合物7: 1H NMR (500 MHz, CDCl3): 7.03 (d, J = 8.2 Hz, 2H), 7.00 (d, J = 8.2 Hz, 4H), 6.95 (d, J = 8.6 Hz, 4H), 6.84-6.80 (m, 3H), 6.77-6.74 (m, 2H), 6.73 (d, J = 8.2 Hz, 4H), 6.73 (d, J = 8.2 Hz, 2H), 6.64 (d, J = 8.6 Hz, 4H), 0.14 (s, 9H), 0.11 (s, 18H).
化合物8(1,2,3,4,5−ペンタキス(4−ブロモフェニル)−6−(4−トリル)ベンゼン)は、Organic Letters誌16巻(2014年)1024ぺージに記載の方法により合成した。
化合物8(0.15g、0.16mmol)および2−ブロモメシチレン(68μL、0.45mmol)のテトラヒドロフラン懸濁液(2mL)に、メタノール−液体窒素バス中、−98℃でtert−ブチルリチウム(1.7Mペンタン溶液0.57mL、0.95mmol)を加えて系中でメシチルリチウムを調製した後、冷却バスを取り除き、ゆっくりと室温まで昇温させ、30分間かくはんした。次いで、反応溶液を再び−98℃まで冷却し、クロロトリメチルシラン(0.12mL、0.95mmol)を加えた後、ゆっくりと室温まで昇温し、30分間かくはんした。次いで飽和塩化アンモニウム水溶液(3mL)を加えて反応を停止し、クロロホルムで抽出し(5mL×3回)、有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥した。硫酸マグネシウムを濾過した後、溶媒留去して得られた残さをクロロホルム−エタノールから再結晶し、無色固体の化合物9(0.098g、67%)を得た。
化合物9: 1H NMR (500 MHz, CDCl3): δ 7.02 (d, J = 8.2 Hz, 2H), 7.00 (d, J = 8.2 Hz, 4H), 6.94 (d, J = 8.6 Hz, 4H), 6.73 (d, J = 8.2 Hz, 4H), 6.72 (d, J = 8.2 Hz, 2H), 6.63 (d, J = 8.6 Hz, 4H), 6.62 (s, 4H), 2.08 (s, 3H) 0.14 (s, 9H), 0.12 (s, 18H).
化合物8(0.15g、0.16mmol)および2−ブロモメシチレン(68μL、0.45mmol)のテトラヒドロフラン懸濁液(2mL)に、メタノール−液体窒素バス中、−98℃でtert−ブチルリチウム(1.7Mペンタン溶液0.57mL、0.95mmol)を加えて系中でメシチルリチウムを調製した後、冷却バスを取り除き、ゆっくりと室温まで昇温させ、30分間かくはんした。次いで、反応溶液を再び−98℃まで冷却し、クロロトリメチルシラン(0.12mL、0.95mmol)を加えた後、ゆっくりと室温まで昇温し、30分間かくはんした。次いで飽和塩化アンモニウム水溶液(3mL)を加えて反応を停止し、クロロホルムで抽出し(5mL×3回)、有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥した。硫酸マグネシウムを濾過した後、溶媒留去して得られた残さをクロロホルム−エタノールから再結晶し、無色固体の化合物9(0.098g、67%)を得た。
化合物9: 1H NMR (500 MHz, CDCl3): δ 7.02 (d, J = 8.2 Hz, 2H), 7.00 (d, J = 8.2 Hz, 4H), 6.94 (d, J = 8.6 Hz, 4H), 6.73 (d, J = 8.2 Hz, 4H), 6.72 (d, J = 8.2 Hz, 2H), 6.63 (d, J = 8.6 Hz, 4H), 6.62 (s, 4H), 2.08 (s, 3H) 0.14 (s, 9H), 0.12 (s, 18H).
[実施例7]
化合物11(1,3−ビス(4−ブロモフェニル)−5−(4−メトキシフェニル)−2,4,6−トリス{4−(トリメチルシリル)フェニル}ベンゼン)の合成
以下のスキームにより化合物11を合成した。
化合物11(1,3−ビス(4−ブロモフェニル)−5−(4−メトキシフェニル)−2,4,6−トリス{4−(トリメチルシリル)フェニル}ベンゼン)の合成
以下のスキームにより化合物11を合成した。
化合物10(1,2,3,4,5−ペンタキス(4−ブロモフェニル)−6−(4−メトキシフェニル)ベンゼン)は、Organic Letters誌16巻(2014年)1024ぺージに記載の方法により合成した。
化合物10(0.15g、0.16mmol)および2−ブロモメシチレン(67μL、0.44mmol)のテトラヒドロフラン懸濁液(2mL)に、メタノール−液体窒素バス中、−98℃でtert−ブチルリチウム(1.7Mペンタン溶液0.56mL、0.94mmol)を加えて系中でメシチルリチウムを調製した後、冷却バスを取り除き、ゆっくりと室温まで昇温させ、30分間かくはんした。次いで、反応溶液を再び−98℃まで冷却し、クロロトリメチルシラン(0.12mL、0.94mmol)を加えた後、ゆっくりと室温まで昇温し、30分間かくはんした。次いで飽和塩化アンモニウム水溶液(3mL)を加えて反応を停止し、クロロホルムで抽出し(5mL×3回)、有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥した。硫酸マグネシウムを濾過した後、溶媒留去して得られた残さをクロロホルム−エタノールから再結晶し、無色固体の化合物11(0.088g、60%)を得た。
化合物11: 1H NMR (500 MHz, CDCl3): δ 7.02 (d, J = 8.2 Hz, 2H), 7.02 (d, J = 8.2 Hz, 4H), 6.94 (d, J = 8.5 Hz, 4H), 6.73 (d, J = 8.2 Hz, 4H), 6.72 (d, J = 8.2 Hz, 2H), 6.65 (d, J = 8.9 Hz, 2H), 6.63 (d, J = 8.5 Hz, 4H), 6.37 (d, J = 8.9 Hz, 2H), 3.60 (s, 3H), 0.14 (s, 9H), 0.12 (s, 18H).
化合物10(0.15g、0.16mmol)および2−ブロモメシチレン(67μL、0.44mmol)のテトラヒドロフラン懸濁液(2mL)に、メタノール−液体窒素バス中、−98℃でtert−ブチルリチウム(1.7Mペンタン溶液0.56mL、0.94mmol)を加えて系中でメシチルリチウムを調製した後、冷却バスを取り除き、ゆっくりと室温まで昇温させ、30分間かくはんした。次いで、反応溶液を再び−98℃まで冷却し、クロロトリメチルシラン(0.12mL、0.94mmol)を加えた後、ゆっくりと室温まで昇温し、30分間かくはんした。次いで飽和塩化アンモニウム水溶液(3mL)を加えて反応を停止し、クロロホルムで抽出し(5mL×3回)、有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥した。硫酸マグネシウムを濾過した後、溶媒留去して得られた残さをクロロホルム−エタノールから再結晶し、無色固体の化合物11(0.088g、60%)を得た。
化合物11: 1H NMR (500 MHz, CDCl3): δ 7.02 (d, J = 8.2 Hz, 2H), 7.02 (d, J = 8.2 Hz, 4H), 6.94 (d, J = 8.5 Hz, 4H), 6.73 (d, J = 8.2 Hz, 4H), 6.72 (d, J = 8.2 Hz, 2H), 6.65 (d, J = 8.9 Hz, 2H), 6.63 (d, J = 8.5 Hz, 4H), 6.37 (d, J = 8.9 Hz, 2H), 3.60 (s, 3H), 0.14 (s, 9H), 0.12 (s, 18H).
Claims (9)
- 式(I)で表されるヘキサフェニルベンゼン誘導体に対し、有機溶媒中、tert−ブチルリチウム、p−(ジメチルアミノ)フェニルリチウム又はメシチルリチウムから選択される少なくとも1の試薬を低温で作用させた後、昇温し、続いて求電子試薬と反応させることにより、式(II)で表されるヘキサフェニルベンゼン誘導体を製造する方法。
(式中、R1は、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、ペルフルオロアルキル基、アルコキシ基、アミノ基、アリール基又はヘテロアリール基を示す)
(式中、
R1は、式(I)で定義した通りであり;
R2は、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、アルキル基、ペルフルオロアルキル基、アリール基、ヘテロアリール基、ヘテロシクリル基、カルボキシル基、アシル基、アミノ基、アミド基、シアノ基、イソシアノ基、チオシアノ基、イソチオシアノ基、エステル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、−SR、−SH、−SeR、−SeH、−SiR3、−PR2、−P(=O)R2、−P(=S)R2、P(=Se)R2、及び−BR2からなる群から選択され、ここで、Rは、同一又は異なっていてもよいアルキル基又はアリール基を示し、但し、Rが2つ以上ある場合は、そのうちの1つ以上が水素原子であってもよい) - 前記試薬がtert−ブチルリチウムであり、該試薬の量が6〜7.2当量である、請求項1に記載の製造方法。
- 前記試薬がp−(ジメチルアミノ)フェニルリチウム又はメシチルリチウムであり、該試薬の量が2.8〜4.5当量である、請求項1に記載の製造方法。
- 前記試薬を低温で作用させた後、室温程度まで昇温する、請求項1〜3のいずれま1項に記載の製造方法。
- 前記有機溶媒がテトラヒドロフランである、請求項1〜4のいずれか1項に記載の製造方法。
- 前記求電子試薬が、式(II)においてR2の置換基を与える試薬である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の製造方法。
- 前記式(II)で表されるヘキサフェニルベンゼン誘導体のブロモ基に対して官能基変換を行うことにより、式(III)で表されるヘキサフェニルベンゼン誘導体を製造する方法。
(式中、
R1及びR2は、式(I)、(II)で定義した通りであり;
R3は、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、アルキル基、ペルフルオロアルキル基、アリール基、ヘテロアリール基、ヘテロシクリル基、カルボキシル基、アシル基、エステル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アミノ基、アミド基、シアノ基、イソシアノ基、チオシアノ基、イソチオシアノ基、−SR、−SH、−SeR、−SeH、−SiR3、−PR2、−P(=O)R2、−P(=S)R2、P(=Se)R2及び−BR2からなる群から選択され、ここで、Rは、同一又は異なっていてもよいアルキル基又はアリール基を示し、但し、Rが2つ以上ある場合は、そのうちの1つ以上が水素原子であってもよい) - 式(II)で表される化合物。
(式中、
R1は、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、ペルフルオロアルキル基、アルコキシ基、アミノ基、アリール基又はヘテロアリール基を示し;
R2は、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、アルキル基、ペルフルオロアルキル基、アリール基、ヘテロアリール基、ヘテロシクリル基、カルボキシル基、アシル基、アミノ基、アミド基、シアノ基、イソシアノ基、チオシアノ基、イソチオシアノ基、エステル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、−SR、−SH、−SeR、−SeH、−SiR3、−PR2、−P(=O)R2、−P(=S)R2、P(=Se)R2、及び−BR2からなる群から選択され、ここで、Rは、同一又は異なっていてもよいアルキル基又はアリール基を示し、但し、Rが2つ以上ある場合は、そのうちの1つ以上が水素原子であってもよい) - 式(III)で表される化合物。
(式中、
R1は、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、ペルフルオロアルキル基、アルコキシ基、アミノ基、アリール基又はヘテロアリール基を示し;
R2は、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、アルキル基、ペルフルオロアルキル基、アリール基、ヘテロアリール基、ヘテロシクリル基、カルボキシル基、アシル基、エステル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アミノ基、アミド基、シアノ基、イソシアノ基、チオシアノ基、イソチオシアノ基、−SR、−SH、−SeR、−SeH、−SiR3、−PR2、−P(=O)R2、−P(=S)R2、P(=Se)R2、及び−BR2からなる群から選択され、ここで、Rは、同一又は異なっていてもよいアルキル基又はアリール基を示し、但し、Rが2つ以上ある場合は、そのうちの1つ以上が水素原子であってもよく;
R3は、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、アルキル基、ペルフルオロアルキル基、アリール基、ヘテロアリール基、ヘテロシクリル基、カルボキシル基、アシル基、エステル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アミノ基、アミド基、シアノ基、イソシアノ基、チオシアノ基、イソチオシアノ基、−SR、−SH、−SeR、−SeH、−SiR3、−PR2、−P(=O)R2、−P(=S)R2、P(=Se)R2及び−BR2からなる群から選択され、ここで、Rは、同一又は異なっていてもよいアルキル基又はアリール基を示し、但し、Rが2つ以上ある場合は、そのうちの1つ以上が水素原子であってもよい)
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