JP5417708B2 - アントラセン誘導体及びアントラキノン誘導体 - Google Patents
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Description
本発明のアントラセン誘導体は下記一般式(1)で示される。
本発明の一般式(1)の置換基について述べる。
(アントラキノン誘導体)
本発明のアントラキノン誘導体は下記一般式(2)で示される。
本発明の一般式(2)の置換基について述べる。
(アントラセン誘導体の製法)
本発明の一般式(1)において、R7及びR8が水素原子であるアントラセン誘導体は一般式(2)で示されるアントラキノン誘導体を還元及び脱水から成る操作を2〜4回繰り返すことで製造することができる。
一般式(3)で示される9,10−ジヒドロキシ−9,10−ジヒドロアントラセン誘導体の脱水に用いる酸化合物は特に限定はなく、ヒドロキシル基を選択的に脱水できるものであれば良い。酸化合物の具体例として、例えば塩酸、硫酸、発煙硫酸、リン酸、硝酸、トルエンスルホン酸、フッ酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、塩化アンモニウム等のプロトン酸;塩化アルミニウム、3フッ化ホウ素エーテル錯体等のルイス酸等を挙げることができ、その中でも好ましくはプロトン酸であり、特に好ましくは塩酸である。また、該酸化合物は任意の濃度の水溶液、例えば塩酸水溶液として用いることもできる。
なお、本発明の製法においては、前述の還元と脱水からなる操作を2回以上繰り返しても差し支えない。また、一般式(3)で示される9,10−ジヒドロキシ−9,10−ジヒドロアントラセン誘導体を、次亜リン酸ナトリウム/ヨウ化ナトリウム/酢酸あるいは2塩化スズ/塩酸水溶液で還元処理し、一般式(1)で示されるアントラセン誘導体へ変換させることもできる。
一般式(6)で示される9,10−ジヒドロキシアントラセン誘導体の還元に用いる還元剤は特に限定はなく、ヒドロキシル基を選択的に還元できるものであれば良い。その具体例として、例えばヨウ化ナトリウム/次亜りん酸ナトリウム、塩化スズ、シアン化水素化ホウ素ナトリウム、ヨウ化亜鉛、臭化亜鉛、塩化亜鉛、3フッ化ホウ素ジエチルエーテル錯体、3フッ化ホウ素ジメチルエーテル錯体、3フッ化ホウ素メタノール錯体、3フッ化ホウ素モノエチルアミン錯体、3フッ化ホウ素フェノール錯体、3フッ化ホウ素ピペリジン錯体、3フッ化ホウ素テトラヒドロフラン錯体、3臭化ホウ素、3臭化ホウ素ジクロロメタン錯体、3塩化ホウ素ジクロロメタン錯体、水素化ジイソブチルアルミニウム、水素化ホウ素ナトリウム、水素化リチウムアルミニウム、水素化トリフェニルスズ、水素化トリ−n−ブチルスズ、水素化ジフェニルスズ、水素化ジ−n−ブチルスズ、水素化トリエチルスズ、水素化トリメチルスズ、トリクロロシラン、トリエチルシラン、トリメチルシラン、ジフェニルシラン、フェニルシラン、ポリメチルヒドロシロキサン、水素化ホウ素リチウム、水素化アルミニウムナトリウム、水素化ビス(2−メトキシエトキシ)アルミニウムナトリウム、水素化アルミニウム、水素化トリ−t−ブトキシアルミニウムリチウム、水素化トリエトキシアルミニウムナトリウム、水素化トリメトキシホウ素ナトリウム、硫化水素化ホウ素ナトリウム、シアン化水素化ホウ素リチウム、水素化トリエチルホウ素リチウム、水素化トリ−s−ブチルホウ素リチウム、水素化トリ−t−ブチルホウ素リチウム、水素化ホウ素カルシウム、水素化ホウ素カリウム、水素化トリイソプロポキシホウ素カリウム、水素化トリ−s−ブチルホウ素カリウム、水素化ホウ素亜鉛、水素化ホウ素テトラメチルアンモニウム、水素化シアノホウ素テトラ−n−ブチルアンモニウム、ボラン−テトラヒドロフラン(THF)錯体、ジメチルアミン−ボラン錯体、トリメチルアミン−ボラン錯体、トリエチルアミン−ボラン錯体、ピリジン−ボラン錯体、エタン−1,2−ジアミン−ボラン錯体、ジメチルスルフィド−ボラン錯体、ジクロロボラン、2,3−ジメチル−2−ブチルボラン、ビス−3−メチル−2−ブチルボラン、ジイソピノカンフェニルボラン、ジクロロヘキシルボラン、9−ボラビシクロ[3.3.1]ノナン、ジボラン等を挙げることができ、好ましくはヨウ化ナトリウム/次亜りん酸ナトリウム、塩化スズ、シアン化水素化ホウ素ナトリウム、ヨウ化亜鉛、臭化亜鉛、塩化亜鉛、3フッ化ホウ素ジエチルエーテル錯体であり、特に好ましくはヨウ化ナトリウム/次亜りん酸ナトリウム、塩化スズである。これらの還元剤は単独で用いてもよく、組み合わせて用いてもよい。
(アントラキノン誘導体の製法)
本発明の一般式(2)で示されるアントラキノン誘導体は、例えば「ベリヒテ」(独国)、1933年、66B巻、1876−1891頁に記載の方法によっても合成することができる。
一般式(7)で示される無水フタル酸誘導体における置換基X1〜X2は好ましくは水素原子、臭素原子、ヨウ素原子、炭素数2〜20のアルキル基であり、置換基R1〜R2は、好ましくは水素原子、臭素原子、ヨウ素原子、炭素数2〜20のアルキル基である。そして、具体的な一般式(7)で示される無水フタル酸誘導体としては、例えば無水フタル酸、4−ブロモ無水フタル酸、4,5−ジブロモ無水フタル酸、4,5−ジヨード無水フタル酸、4−ブロモ−5−ヨード無水フタル酸、3,6−ジフルオロ−4,5−ジブロモ無水フタル酸、3,6−ジフルオロ−4−ブロモ−5−ヨード無水フタル酸、3,6−ジエチル−4,5−ジブロモ無水フタル酸、3,6−ジヘキシル−4,5−ジブロモ無水フタル酸、3,6−ジフェニル−4−ブロモ−5−ヨード無水フタル酸、3,6−ジフェニル−4−ブロモ−5−ヨード無水フタル酸等が挙げられ、好ましくは無水フタル酸、4−ブロモ−5−ヨード無水フタル酸である。
4−ブロモ−5−ヨードフタル酸無水物は「ジャーナル オブ オーガニック ケミストリー」(米国)、1951年、16巻、1577−1581頁を参考に、以下の様に合成した。
1H NMR(CDCl3,22℃):δ=8.51(s,1H),8.23(s,1H)。
MS m/z: 353(M+,100%),309(M+−CO2,18%),282(M+−C2O3,10%),155(M+−C2O3I,16%),74(M+−C2O3IBr,32%)。
1,2―ジドデシルベンゼンは「日本化学会誌」1989年、6巻、983−987頁に従い以下の様に合成した。
1H NMR(CDCl3,22℃):δ=7.11(m,4H),2.59(t,J=7.8Hz,4H),1.55(m,4H),1.26(m,36H),0.88(t,J=6.8Hz,6H)。
MS m/z: 414(M+,100%),260(M+−C11H23,71%),106(M+−C22H46,98%)。
1,2−ジヨードベンゼン(東京化成工業製)3.08g(9.32mmol)に窒素雰囲気中、乾燥ジクロロメタン20ml、鉄粉67mg(1.20mmol)、ヨウ素10mg(0.04mmol)を加えた。混合液を0℃に冷却し、臭素0.48ml(9.37mmol)を加えて1.5時間反応させた。反応混合液に3mol/l水酸化ナトリウム水溶液と3mol/l硫酸水素ナトリウム水溶液を加えて塩基性にし、塩化メチレンで抽出して有機層を水で洗浄した。硫酸ナトリウムで乾燥し、塩化メチレンを減圧留去して黄色液体を得た。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:ヘキサン)で無機物及び着色成分を除き、THFとメタノールの混合溶媒から再結晶して目的の1−ブロモ−3,4−ジヨードベンゼン2.67g(6.53mmol)を得た。(収率70.1%)。
合成例3で得られた1−ブロモ−3,4−ジヨードベンゼン2.15g(5.25mmol)にジヒドロキシフェニルボラン(和光純薬工業製)1.47g(12.1mmol)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(東京化成工業製)458mg(0.40mmol)、炭酸ナトリウム3.34g(31.5mmol)、トルエン42ml、エタノール10.5ml、水13.3mlを加え、80℃で29時間反応させた。1M塩酸水溶液を加えて反応をクエンチし、トルエンで抽出した後、有機層を水洗浄して硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧留去し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:ヘキサン)で精製して目的の1−ブロモ−3,4−ジフェニルベンゼン1.46g(4.72mmol)を得た。(収率89.9%)。
合成例3で得られた1−ブロモ−3,4−ジヨードベンゼン1.84g(4.50mmol)を窒素置換した500mlシュレンクに入れ、ヨウ化銅90mg(0.47mmol)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(東京化成製)272mg(0.24mmol)、乾燥THF59ml、トリエチルアミン2.29g(22.2mmol)、1−ドデシン1.57g(9.47mmol)を加えた。この反応混合物を室温で26時間反応させた。1M塩酸水溶液を加えて反応をクエンチし、トルエンで抽出した後、有機層を水洗浄して硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧留去し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:ジエチルエーテルとヘキサンの混合液)で精製して目的の1−ブロモ−3,4−ジ(ドデシン−1−イル)ベンゼン1.52g(3.14mmol)を得た。(収率69.8%)。
1−クロロ−2−フルオロベンゼン(東京化成工業製)1.31g(10.0mmol)、ジクロロ〔1,3−ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパン〕ニッケル(東京化成工業製)43mg(0.08mmol)、乾燥ジエチルエーテル7.6mlの混合液にドデシルマグネシウムブロミド(シグマ−アルドリッチ製、1.0mol/lジエチルエーテル溶液)14.9ml(14.9mmol)を窒素雰囲気中0℃で滴下した。35℃で20時間反応を行い、反応混合物を0℃に冷やして希塩酸を加え、ジエチルエーテルで抽出した。ジエチルエーテル溶液を水、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、水の順に洗浄し、塩化カルシウムで乾燥させた。得られた液体をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:ヘキサン)及び減圧蒸留で精製し、目的の1−ドデシル−2−フルオロベンゼンを1.23g(9.45mmol)を得た。(収率94.5%)。
合成例1で得られた4−ブロモ−5−ヨードフタル酸無水物6.79g(19.2mmol)、合成例2で得られた1,2−ジドデシルベンゼン7.97g(19.2mmol)、テトラクロロエタン12.0mlの混合液に塩化アルミニウム5.78g(43.4mmol)を加え、室温で3時間反応を行った。水を加えてクエンチし、さらに水洗浄を行い、テトラクロロエタンを減圧留去することで、3’,4’−ジドデシル−4−ブロモ−5−ヨードベンゾフェノンカルボン酸及び3’,4’−ジドデシル−5−ブロモ−4−ヨードベンゾフェノンカルボン酸の混合物14.6g得た(収率99%)(一般式(9)で示される2−ベンゾイル安息香酸誘導体)。その生成物の構造式を以下に示す。
1H NMR(CDCl3,22℃):δ=8.73(s,1H),8.45(s,1H),8.05(s,2H),2.75(m,4H),1.62(m,4H),1.26(m,36H),0.88(m,6H)。
MS m/z: 750(M+,100%),440(M+−C22H46,8%),313(M+−C22H46I,2%),233(M+−C22H46IBr,1%)。
(一般式(1)で示されるアントラセン誘導体の合成)
実施例1で合成した6−ブロモ−7−ヨード−2,3−ジドデシルアントラキノン383mg(0.53mmol)を窒素ガスで置換した50mlのシュレンク管に入れた。次いでTHF6.0mlを加え、水素化ジイソブチルアルミニウム(関東化学製、0.99mol/l、トルエン溶液)1.30ml(1.29mmol)を加え、室温で1.5時間還元反応を行った。得られた6−ブロモ−7−ヨード−2,3−ジドデシル−9,10−ジヒドロキシ−9,10−ジヒドロアントラセン(一般式(3)で示される化合物)を含む反応混合物に6M塩酸水溶液3.5mlを加え、65℃で3時間脱水反応を行った。反応混合物を室温まで冷やし、ジエチルエーテルで抽出した。エーテル溶液を飽和食塩水で洗浄して硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧乾燥し、6−ブロモ−7−ヨード−2,3−ジドデシルアントロン及び7−ブロモ−6−ヨード−2,3−ジドデシルアントロン(一般式(4)で示されるアントロン誘導体)を主成分とする固体395mgを得た。この主生成物の構造式を以下に示す。
1H NMR(CDCl3,22℃):δ=8.55(s,1H),8.27(s,1H),8.16(s,1H),8.15(s,1H),7.72(s,2H),2.78(m,4H),1.71(m,4H),1.27(m,36H)0.88(m,6H)。
MS m/z: 720(M+,100%),410(M+−C22H46,16%),283(M+−C22H46I,4%),203(M+−C22H46IBr,5%)。
合成例4で得られた1−ブロモ−3,4−ジフェニルベンゼン1.46g(4.72mmol)を窒素ガスで置換した300mlのシュレンク管に入れた。次いでTHF28.3mlを加えて−78℃に冷却し、n−ブチルリチウム(関東化学製、1.59mol/l、ヘキサン溶液)3.0ml(4.77mmol)を加え、30分間反応させた。次いで合成例1で得られた4−ブロモ−5−ヨードフタル酸無水物1.66g(4.72mmol)を加え、室温まで昇温した。水を加えてクエンチし、さらに水洗浄を行い、3’,4’−ジフェニル−4−ブロモ−5−ヨードベンゾフェノンカルボン酸及び3’,4’−ジフェニル−5−ブロモ−4−ヨードベンゾフェノンカルボン酸の混合物を2.6g得た(収率96%)。(一般式(9)で示される2−ベンゾイル安息香酸誘導体)この生成物の構造式を以下に示す。
実施例3で合成した6−ブロモ−7−ヨード−2,3−ジフェニルアントラキノン243mg(0.43mmol)を窒素ガスで置換した50mlのシュレンク管に入れた。次いでTHF4.9mlを加え、水素化ジイソブチルアルミニウム(関東化学製、0.99mol/l、トルエン溶液)1.20ml(1.20mmol)を加え、室温で1.5時間還元反応を行った。得られた6−ブロモ−7−ヨード−2,3−ジフェニル−9,10−ジヒドロキシ−9,10−ジヒドロアントラセン(一般式(3)で示される化合物)を含む反応混合物に6M塩酸水溶液2.9mlを加え、65℃で3時間脱水反応を行った。反応混合物を室温まで冷やし、ジエチルエーテルで抽出した。エーテル溶液を飽和食塩水で洗浄して硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧乾燥し、6−ブロモ−7−ヨード−2,3−ジフェニルアントロン及び7−ブロモ−6−ヨード−2,3−ジフェニルアントロンを主成分とする個体248mgを得た(一般式(4)で示されるアントロン誘導体)。この主生成物の構造式を以下に示す。
合成例5で得られた1−ブロモ−3,4−ジ(ドデシン−1−イル)ベンゼン1.52g(3.14mmol)を窒素ガスで置換した300mlのシュレンク管に入れた。次いでTHF18.8mlを加えて−95℃に冷却し、n−ブチルリチウム(関東化学製、1.59mol/l、ヘキサン溶液)2.0ml(3.18mmol)を加え、30分間反応させた。次いで合成例1で得られた4−ブロモ−5−ヨードフタル酸無水物1.10g(3.14mmol)を加え、室温まで昇温した。水を加えてクエンチし、さらに水洗浄を行い、1−ブロモ−3,4−ジ(ドデシン−1−イル)ベンゼン及び3’,4’−ジ(ドデシン−1−イル)−5−ブロモ−4−ヨードベンゾフェノンカルボン酸の混合物を2.3g(3.1mmol)得た(収率98%)(一般式(9)で示される2−ベンゾイル安息香酸誘導体)。この生成物の構造式を以下に示す。
実施例5で合成した6−ブロモ−7−ヨード−2,3−ジ(ドデシン−1−イル)アントラキノン245mg(0.33mmol)を窒素ガスで置換した50mlのシュレンク管に入れた。次いでTHF3.8mlを加え、水素化ジイソブチルアルミニウム(関東化学製、0.99mol/l、トルエン溶液)0.70ml(0.70mmol)を加え、室温で1.5時間還元反応を行った。得られた6−ブロモ−7−ヨード−2,3−ジ(ドデシン−1−イル)−9,10−ジヒドロキシ−9,10−ジヒドロアントラセン(一般式(3)で示される化合物)を含む反応混合物に6M塩酸水溶液2.0mlを加え、65℃で3時間脱水反応を行った。反応混合物を室温まで冷やし、ジエチルエーテルで抽出した。エーテル溶液を飽和食塩水で洗浄して硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧乾燥し、6−ブロモ−7−ヨード−2,3−ジ(ドデシン−1−イル)アントロン及び7−ブロモ−6−ヨード−2,3−ジ(ドデシン−1−イル)アントロンを主成分とする固体251mgを得た(一般式(4)で示されるアントロン誘導体)。この主生成物の構造式を以下に示す。
窒素ガスで置換した50mlのシュレンク管にTHF8.6mlを加え−78℃に冷やし、フェニルリチウム(関東化学製、1.0mol/l、シクロヘキサン、ジエチルエーテル溶液)1.10ml(1.10mmol)を加えた。次いで実施例1で合成した6−ブロモ−7−ヨード−2,3−ジドデシルアントラキノン383mg(0.51mmol)を加え、室温まで昇温させて一晩撹拌した。1M塩酸水溶液5.6mlを加えて反応をクエンチし、ジクロロメタンで抽出した。エーテル溶液を飽和食塩水で洗浄して硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧乾燥し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:ジエチルエーテル/ジクロロメタン)で精製して6−ブロモ−7−ヨード−2,3−ジドデシル−9,10−ジヒドロキシ−9,10−ジフェニルアントラセンを主成分とする固体277mgを得た(一般式(6)で示される9,10−ジヒドロキシアントラセン誘導体)。この生成物の構造式を以下に示す。
合成例1で得られた4−ブロモ−5−ヨードフタル酸無水物3.34g(9.45mmol)、合成例6で得られた1−ドデシル−2−フルオロベンゼン1.23g(9.45mmol)、テトラクロロエタン6.0mlの混合液に塩化アルミニウム2.84g(21.4mmol)を加え、室温で3時間反応を行った。水を加えてクエンチし、さらに水洗浄を行い、テトラクロロエタンを減圧留去することで、3’−ドデシル−4’−フルオロ−4−ブロモ−5−ヨードベンゾフェノンカルボン酸及び3’−ドデシル−4’−フルオロ−5−ブロモ−4−ヨードベンゾフェノンカルボン酸及び4’−ドデシル−3’−フルオロ−4−ブロモ−5−ヨードベンゾフェノンカルボン酸及び4’−ドデシル−3’−フルオロ−5−ブロモ−4−ヨードベンゾフェノンカルボン酸の混合物7.2g得た(収率99%)(一般式(9)で示される2−ベンゾイル安息香酸誘導体)。その生成物の構造式を以下に示す。
実施例8で合成した2−ブロモ−3−ヨード−6−ドデシル−7−フルオロアントラキノン1.26mg(2.10mmol)を窒素ガスで置換した200mlのシュレンク管に入れた。次いでTHF24.0mlを加え、水素化ジイソブチルアルミニウム(関東化学製、0.99mol/l、トルエン溶液)5.20ml(5.11mmol)を加え、室温で1.5時間還元反応を行った。得られた2−ブロモ−3−ヨード−6−ドデシル−7−フルオロ−9,10−ジヒドロキシ−9,10−ジヒドロアントラセン(一般式(3)で示される化合物)を含む反応混合物に6M塩酸水溶液14.0mlを加え、65℃で3時間脱水反応を行った。反応混合物を室温まで冷やし、ジエチルエーテルで抽出した。エーテル溶液を飽和食塩水で洗浄して硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧乾燥し、3−ブロモ−2−ヨード−7−ドデシル−6−フルオロアントロン及び2−ブロモ−3−ヨード−6−ドデシル−7−フルオロアントロン(一般式(4)で示されるアントロン誘導体)を主成分とする固体1.56gを得た。この主生成物の構造式を以下に示す。
生成物の構造式を以下に示す。
窒素ガスで置換した100mlのシュレンク管に2,3−ジブロモアントラセン443mg(1.32mmol)と乾燥THF46mlを加え−83℃に冷やした。次いでn−ブチルリチウム(関東化学製、1.59mol/l、ヘキサン溶液)2.5ml(4.0mmol)を加え、30分間撹拌した。反応混合物にヨウ素1.67g(6.59mmol)とTHF8mlから成る混合物を滴下し、室温まで昇温した。1M塩酸水溶液を加えて反応をクエンチし、ジエチルエーテルで抽出した。ジエチルエーテル溶液を飽和食塩水で洗浄して硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧乾燥した。得られた固体のうち、3−ブロモ−2−ヨードアントラセンは269mg(0.70mmol)得られた(収率53%)。
得られたアントラセンは、ハロゲン原子が同じ(本発明の一般式(1)においてX1及びX2が同一原子)であることから、一方のみを選択的に反応させることが困難である。
Claims (7)
- 一般式(1)で示されるアントラセン誘導体において、置換基X1は、臭素原子、X2は、ヨウ素原子であることを特徴とする請求項1に記載のアントラセン誘導体。
- 一般式(1)で示されるアントラセン誘導体において、R4がフッ素原子、ドデシル基、フェニル基、ドデシン−1−イル基からなる群より選ばれる基、R5がドデシル基、フェニル基、ドデシン−1−イル基からなる群より選ばれる基であることを特徴とする請求項1又は2に記載のアントラセン誘導体。
- 一般式(1)で示されるアントラセン誘導体が、6−ブロモ−7−ヨード−2,3−ジドデシルアントラセン、6−ブロモ−7−ヨード−2,3−ジフェニルアントラセン、6−ブロモ−7−ヨード−2,3−ジ(ドデシン−1−イル)アントラセン、2−ブロモ−3−ヨード−6−ドデシル−7−フルオロアントラセンからなる群より選ばれるアントラセン誘導体であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のアントラセン誘導体。
- 一般式(2)で示されるアントラキノン誘導体において、R4がフッ素原子、ドデシル基、フェニル基、ドデシン−1−イル基からなる群より選ばれる基、R5がドデシル基、フェニル基、ドデシン−1−イル基からなる群より選ばれる基であることを特徴とする請求項5に記載のアントラキノン誘導体。
- 一般式(2)で示されるアントラキノン誘導体が、6−ブロモ−7−ヨード−2,3−ジドデシルアントラキノン、6−ブロモ−7−ヨード−2,3−ジフェニルアントラキノン、6−ブロモ−7−ヨード−2,3−ジ(ドデシン−1−イル)アントラキノン、2−ブロモ−3−ヨード−6−ドデシル−7−フルオロアントラキノンからなる群より選ばれるアントラキノン誘導体であることを特徴とする請求項5又は6に記載のアントラキノン誘導体。
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