JP2015219964A - 正極ペースト及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】塗工性の悪化及び密着強度の低下を抑制しつつ、高速乾燥可能な正極ペーストを提供すること。
【解決手段】結着剤と正極活物質とを含む、非水電解質二次電池用の正極ペーストである。結着剤は、重量平均分子量が50000〜140000であり、かつ、水酸基含有量が42〜60mol%である、ポリビニルアセタールを基本骨格とする樹脂と、重量平均分子量が800000〜1200000であるポリフッ化ビニリデンと、を含む。
【選択図】図1

Description

本発明は正極ペースト及びその製造方法に関し、特に非水電解質二次電池用の正極ペースト及びその製造方法に関する。
リチウムイオン二次電池は、リチウムイオンを吸蔵・放出する正極及び負極の間を、非水電解質中のリチウムイオンが移動することで充放電可能な非水電解質二次電池である。近年、大容量のリチウムイオン二次電池が、電気自動車(EV:Electric Vehicle)やプラグインハイブリッド自動車(PHV:Plug-in Hybrid Vehicle)にも搭載されるようになってきた。
このようなリチウムイオン二次電池用の正極及び負極は、いずれも集電体上に活物質層が形成された積層構造を有している。活物質層は、活物質、結着剤(バインダ)、溶媒などを含む電極ペースト(正極ペーストもしくは負極ペースト)を集電体上に塗布・乾燥した後、プレス加工することにより形成される。
特許文献1には、フッ化ビニリデンを成分として含む重合体よりなる第1結着剤と、ポリビニルアセタールおよびその誘導体からなる群のうちの少なくとも1種よりなる第2結着剤とを含む正極ペーストが開示されている。
特開2006−253091号公報
発明者は、特許文献1に開示された正極ペーストに関し、以下の課題を見出した。
上述の通り、製造した正極ペーストを集電体上に塗布・乾燥した後、プレス加工することにより、正極が形成される。ここで、電極の生産性向上の観点から、塗布した正極ペーストをより高速に乾燥できる方が好ましい。当然のことながら、高速乾燥を実現するには、正極ペーストの固形分率を上げる(すなわち溶媒の比率を下げる)必要がある。
ここで、図1は、正極ペーストの粘度のせん断速度依存性を示すグラフである。
特許文献1に開示された正極ペーストにおいて、単純に固形分率を上げた場合、正極ペーストの粘度が上昇する。この場合、図1の粘度曲線Aに示すように、特に高せん断速度u2(例えば10000/s程度)での正極ペーストの粘度が上昇することに起因して、集電体上への正極ペーストの塗工性が悪化してしまう。
そこで、結着剤の量を減らせば、図1の粘度曲線Bに示すように、高せん断速度領域における粘度の上昇を抑制することはできる。しかしながら、この場合、低せん断速度u1(例えば0.1/s程度)での正極ペーストの粘度も低下してしまう。そのため、乾燥工程において正極ペースト内の結着剤が集電体との界面から表層側へ移動する現象(いわゆるマイグレーション)が発生し、集電体との密着強度が低下してしまう。
図2は、結着剤のマイグレーションを模式的に示す断面図である。図2に示すように、集電体1上に塗布された正極ペースト2を表層側から熱風を当てて乾燥すると、溶媒の蒸発に伴い、正極ペースト2内の結着剤22が破線矢印で示すように活物質21同士の間隙を通過して集電体1との界面近傍から表層側へ移動する。なお、このマイグレーションは乾燥速度を高めることにより増進される。
本発明は、上記を鑑みなされたものであって、塗工性の悪化及び密着強度の低下を抑制しつつ、高速乾燥可能な正極ペーストを提供することを目的とする。
本発明に係る正極ペーストは、
結着剤と正極活物質とを含む、非水電解質二次電池用の正極ペーストであって、
前記結着剤は、
重量平均分子量が50000〜140000であり、かつ、水酸基含有量が42〜60mol%である、ポリビニルアセタールを基本骨格とする樹脂と、
重量平均分子量が800000〜1200000であるポリフッ化ビニリデンと、を含むものである。
このような構成により、塗工性の悪化及び密着強度の低下を抑制しつつ、高速乾燥が可能となる。
当該正極ペーストに占める固形分の比率が60質量%以上であることが好ましい。このような構成により、より確実に高速乾燥できる。
また、前記ポリビニルアセタールを基本骨格とする樹脂の含有量が、前記正極ペーストに占める固形分において0.1質量%以上であり、前記ポリフッ化ビニリデンの含有量が、前記固形分において1.0質量%以上であり、前記ポリビニルアセタールを基本骨格とする樹脂及び前記ポリフッ化ビニリデンの含有量の合計が、前記固形分において3.0質量%以下であることが好ましい。このような構成により、より確実に塗工性の悪化及び密着強度の低下を抑制できる。
本発明により、塗工性の悪化及び密着強度の低下を抑制しつつ、高速乾燥可能な正極ペーストを提供することができる。
正極ペーストの粘度のせん断速度依存性を示すグラフである。 結着剤のマイグレーションを模式的に示す断面図である。
以下、本発明を適用した具体的な実施の形態について、詳細に説明する。ただし、本発明が以下の実施の形態に限定される訳ではない。また、説明を明確にするため、以下の記載は、適宜、簡略化されている。
<リチウムイオン二次電池の製造方法>
最初に、本発明に係る正極ペーストを適用したリチウムイオン二次電池の製造方法について説明する。
まず、正極活物質、導電材、結着剤、及び溶媒を含有する正極ペーストを、帯状の正極集電体の両面に塗布して乾燥させた後、プレス加工することにより、シート状の正極を形成する。
ここで、正極集電体としては、例えばアルミニウムまたはアルミニウム合金からなる金属箔が用いられる。
また、正極ペーストに含有される正極活物質としては、例えばコバルト酸リチウム(LiCoO)、マンガン酸リチウム(LiMn)、ニッケル酸リチウム(LiNiO)等が用いられる。また、LiCoO、LiMn、LiNiOを任意の割合で混合して焼成した材料を用いてもよい。組成の一例としては、例えば、これらの材料を等しい割合で混合したLiNi1/3Co1/3Mn1/3が挙げられる。
導電材としては、例えばアセチレンブラック(AB)、ケッチェンブラック等のカーボンブラックや黒鉛(グラファイト)が用いられる。
結着剤は、ポリビニルアセタール(PVA)を基本骨格とする樹脂及びポリフッ化ビニリデン(PVdF)を含有している。
溶剤としては、例えばNMP(N−メチル−2−ピロリドン)溶液が用いられる。
なお、本発明に係る正極ペーストの詳細については後述する。
他方、負極活物質、結着剤、増粘剤、及び溶媒を含有する負極ペーストを、帯状の負極集電体の両面に塗布して乾燥させた後、プレス加工することにより、シート状の負極を形成する。
ここで、負極集電体としては、例えば銅やニッケルあるいはそれらの合金からなる金属箔が用いられる。
また、負極ペーストに含有される負極活物質としては、天然黒鉛粉末や、天然黒鉛粉末を非晶質炭素で被覆したアモルファスコートグラファイト粉末等が用いられる。
結着剤としては、例えばスチレンブタジエンゴム(SBR)が用いられる。
増粘剤としては、例えばカルボキシメチルセルロース(CMC)が用いられる。
溶媒としては、例えば水が用いられる。
次に、シート状のセパレータを介して上記正極及び負極を積層しながら捲回した後、側面方向から押しつぶすことにより、捲回電極体を形成する。
ここで、セパレータとしては、ポリエチレン膜、ポリオレフィン膜、ポリ塩化ビニル膜等の多孔質ポリマー膜、あるいはイオン導電性ポリマー電解質膜を使用することができる。これらの膜は、単独で使用してもよいし、組み合わせて使用してもよい。
最後に、電池ケースに捲回電極体を収容するとともに非水電解液を注入した後、電池ケースを封止することにより、リチウムイオン二次電池が得られる。
ここで、非水電解液は、非水溶媒に支持塩が含有された組成物である。非水溶媒としては、例えばプロピレンカーボネート(PC)、エチレンカーボネート(EC)、ジエチルカーボネート(DEC)、ジメチルカーボネート(DMC)、エチルメチルカーボネート(EMC)等からなる群から選択された一種または二種以上の材料が用いられる。また、支持塩としては、例えばLiPF、LiBF、LiClO、LiAsF、LiCFSO、LiCSO、LiN(CFSO、LiC(CFSO、LiI等から選択される一種または二種以上のリチウム化合物(リチウム塩)が用いられる。
<正極ペースト>
次に、本発明に係る正極ペーストの詳細について説明する。上述の通り、本発明に係る正極ペーストは、活物質としてリチウム酸化物、導電材としてカーボンブラック、結着剤としてポリビニルアセタール(PVA)を基本骨格とする樹脂及びPVdF、溶媒としてNMPを含んでいる。
ここで、ポリビニルアセタールを基本骨格とする樹脂は、ポリビニルホルマール、ポリビニルブチラール等のいわゆるポリビニルアセタール樹脂に加え、それらの基本骨格を有するものを含んでいる。例えば、ポリビニルブチラールは、水酸基とアセチル基とブチラール基のランダム共重合体であり、3つのモノマーがランダムにつながっているものである。仮にこのポリビニルブチラールに別の物質を入れて、4つのモノマーでランダム共重合体を作ると、いわゆるポリビニルブチラール樹脂ではなくなるが、ポリビニルブチラール樹脂と同様の効果を奏する。このように、本明細書におけるポリビニルアセタールを基本骨格とする樹脂は、いわゆるポリビニルアセタールに別の物質を入れて作成されたランダム共重合体を含む。これ以降、ポリビニルアセタールを基本骨格とする樹脂を単にPVAと呼ぶ。
本発明に係る正極ペーストは、正極ペースト全体に占める固形分(活物質、導電材、結着剤)の割合(固形分率)が60質量%以上(つまり溶媒であるNMPの割合が40質量%以下)である。そのため、固形分率が30〜50質量%程度の従来の正極ペーストに比べ、高速に乾燥することができる。
正極ペーストに結着剤として含まれるPVdFは、800000〜1200000の重量平均分子量Mwを有している。正極ペーストの固形分におけるPVdFの含有量は、1.0質量%以上であることが好ましい。PVdFの重量平均分子量Mwが800000未満であると、低せん断速度領域における正極ペーストの粘度が低くなり、乾燥工程においてマイグレーションが生じ、密着強度が低下する。一方、PVdFの重量平均分子量Mwが1200000を超えると、高せん断速度領域における正極ペーストの粘度が高くなり過ぎ、塗工性が悪化する。
ここで、低せん断速度領域における正極ペーストの粘度は、正極ペースト中に含有される結着剤の質量よりも分子量に主に依存すると考えられる。そのため、PVdFの添加量が少量であっても、重量平均分子量Mwを800000以上とすることにより、乾燥工程における結着剤のマイグレーションを抑制し、正極ペーストの乾燥により形成される正極活物質層と集電体との密着強度の低下を抑制することができる。
正極ペーストに結着剤として含まれるPVAは、50000〜140000の重量平均分子量Mwを有しているとともに、42〜60mol%の水酸基を含有している。正極ペーストの固形分におけるPVAの含有量は、0.1質量%以上であることが好ましい。PVdFに加えて、PVAを含有しているため、高せん断速度領域における正極ペーストの粘度を低くすることができると考えられる。そのため、集電体上への正極ペーストの塗工性にも優れている。なお、PVAは、導電材を分散させて凝集を防止するための分散剤としての機能も有している。
PVAの重量平均分子量Mwが50000未満の場合、分散剤としての機能が不充分となり、高せん断速度領域における正極ペーストの粘度が高くなり、塗工性が悪化する。重量平均分子量Mwが50000以上では、分散剤として充分に機能するようになり、高せん断速度領域における正極ペーストの粘度が低くなる。この際、重量平均分子量Mwの増加とともに高せん断速度領域における正極ペーストの粘度が上昇する。そのため、PVAの重量平均分子量Mwが140000を超えると、高せん断速度領域における正極ペーストの粘度が高くなり過ぎ、塗工性が悪化する。
PVAにおける水酸基は、正極ペーストの乾燥により形成される正極活物質層と集電体との密着強度を向上させる。PVAの水酸基含有量が42mol%未満の場合、正極活物質層と集電体との密着強度が不充分となる。他方、PVAの水酸基含有量が60mol%を超えた場合、高せん断速度領域における正極ペーストの粘度が高くなり、塗工性が悪化する。
なお、PVA及びPVdFの添加量の合計が固形分において3.0質量%を超えると、高せん断速度領域における正極ペーストの粘度が上昇し、集電体上への正極ペーストの塗工性が悪化してしまう。従って、PVA及びPVdFの添加量の合計は、固形分において3.0質量%以下であることが好ましい。
ここで、図1を参照して本発明に係る正極ペーストの効果について説明する。図1の粘度曲線Cに示すように、本発明に係る正極ペーストは、低せん断速度u1(例えば0.1/s程度)における粘度が高く、マイグレーションによる密着強度の低下を抑制することができる。同時に、高せん断速度u2(例えば10000/s程度)における粘度が低く、集電体上への塗工性にも優れている。すなわち、本発明に係る正極ペーストは、塗工性の悪化及び密着強度の低下を抑制しつつ、高速乾燥が可能である。
本発明に係る正極ペーストは、上述の活物質、導電材、結着剤、及び溶媒を例えば2軸混練押出機に投入し、混練することにより、連続的に製造することができる。2軸混練押出機を用いることにより、バッチ式の混練機を用いた場合よりも効率よく生産することができる。当然のことながら、バッチ式の混練機を用いて正極ペーストを製造してもよい。
以下、実施例、比較例を挙げて本実施の形態を詳細に説明する。しかしながら、本実施の形態は、以下の実施例のみに限定されるものではない。
表1に、全ての実施例1〜7及び比較例1〜6の試験条件及び結果を示す。
まず、実施例1〜7及び比較例1〜6に係る正極ペーストに共通の試験条件について説明する。
正極活物質にはLiNi1/3Co1/3Mn1/3、導電材にはアセチレンブラック(電気化学工業社製デンカブラックHS−100)、溶媒にはNMP(三菱化学社製)を使用した。
一方の結着剤であるPVdFには、クレハ・バッテリー・マテリアルズ・ジャパン社製KFポリマーを使用した。具体的には、重量平均分子量が1000000のPVdFについては、KFポリマー#7300を使用した。それ以外の重量平均分子量を有するPVdFについては、クレハ・バッテリー・マテリアルズ・ジャパン社に依頼して重量平均分子量を変化させたKFポリマーの特注品を使用した。
もう一方の結着剤であるポリビニルアセタール樹脂(PVA)については、積水化学工業社製ポリビニルブチラール樹脂エスレックBを使用した。具体的には、積水化学工業社に依頼して重量平均分子量及び水酸基量を変化させたエスレックBの特注品を使用した。
なお、PVA及びPVdFの重量平均分子量は、ゲル浸透クロマトグラフィ(GPC)を用いた絶対分子量測定法により測定することができる。また、PVAにおける水酸基含有量は、フーリエ変換型赤外分光法(FT−IR)により測定することができる。
固形分における正極活物質の含有量を90.3質量%、導電材の含有量を8.0質量%、PVAの含有量を0.2質量%、PVdFの含有量を1.5質量%に固定した上で、表1に示すように、PVAの重量平均分子量、水酸基含有量、及びPVdFの重量平均分子量を変化させた。
固形分率については、66質量%とした。
Figure 2015219964
次に、表1に示した実施例1〜7及び比較例1〜6に係る正極ペーストの評価方法について説明する。
粘度については、アントンパール社製のレオメータを用い、異なる2つのせん断速度1/s及び40/sにおいて測定した。この2つのせん断速度は上述の低せん断速度u1(例えば0.1/s程度)や高せん断速度u2(例えば10000/s程度)には該当しない標準的なものである。しかしながら、1/sでの粘度は密着性及び塗工性の指標となり、40/sでの粘度は塗工性の指標となる。
ここで、せん断速度1/sでの粘度は10000〜16000mPa・sであることが好ましく、せん断速度40/sでの粘度は8000mPa・s以下であることが好ましい。せん断速度1/sでの粘度が10000mPa・s未満では、活物質層と集電体との密着強度が不充分となり、せん断速度1/sでの粘度が16000mPa・sを超えると、塗工性が悪化する。他方、せん断速度40/sでの粘度が8000mPa・sを超えると、塗工性が悪化する。
さらに、実施例1〜7及び比較例1〜6に係る正極ペーストをダイコータにより集電体である帯状のアルミニウム箔に塗布し、熱風により9秒間乾燥させた。ここで、固形分率が高いため、全ての正極ペーストについて高速乾燥が可能であった。
塗工性については、ダイコータにより塗工可能か否かを目視により判断し、スジが無いものを良好(○)、スジが有るものを不可(×)とした。
形成した活物質層と集電体との密着強度については、エー・アンド・ディ社製の密着強度測定器を用いて90°剥離試験を行い、1.2N/m以上を良好、1.2N/m未満を不可とした。
次に、実施例1〜7及び比較例1〜6の個別の条件及び評価結果について説明する。
[比較例1]
PVAの重量平均分子量を30000、水酸基含有量を42mol%とし、PVdFの重量平均分子量を1000000とした。
比較例1に係る正極ペーストでは、PVAの重量平均分子量が低いため、せん断速度40/sでの粘度が8100mPa・sとやや高く、塗工性が悪かった。また、密着強度は1.1N/mであって、わずかに評価基準の1.2N/mを下回った。
[実施例1]
PVAの重量平均分子量を50000へ増やした以外は、比較例1と同様にした。
実施例1に係る正極ペーストでは、せん断速度40/sでの粘度が5980mPa・sと比較例1よりも低く、塗工性も良好であった。また、せん断速度1/sでの粘度が13130mPa・sと比較例1よりも高く、密着強度も評価基準の1.2N/mに到達した。
[実施例2]
PVAの重量平均分子量を90000へ増やした以外は、実施例1と同様にした。
実施例2に係る正極ペーストでは、せん断速度40/sでの粘度が6350mPa・sと実施例1よりも高かったが、塗工性は良好であった。また、せん断速度1/sでの粘度が13300mPa・sと実施例1よりも高くなり、密着強度も向上した。
[実施例3]
PVAの重量平均分子量を140000へ増やした以外は、実施例1及び実施例2と同様にした。
実施例3に係る正極ペーストでは、せん断速度40/sでの粘度が6870mPa・sと実施例2よりも高かったが、塗工性は良好であった。また、せん断速度1/sでの粘度が13560mPa・sと実施例2よりも高くなり、密着強度もさらに向上した。
[比較例2]
PVAの重量平均分子量を180000へ増やした以外は、実施例1〜3と同様にした。
比較例2に係る正極ペーストでは、せん断速度40/sでの粘度が8540mPa・sと比較例1よりも高く、塗工性が悪かった。なお、密着強度は実施例3よりも高かった。
[比較例3]
PVAの水酸基含有量を35mol%へ減らした以外は、実施例2と同様にした。
比較例3に係る正極ペーストでは、PVAの水酸基含有量が低いため、密着強度が1.1N/mとなり、わずかに評価基準の1.2N/mを下回った。
[実施例4]
PVAの水酸基含有量を50mol%へ増やした以外は、実施例2と同様にした。
実施例4に係る正極ペーストでは、水酸基含有量が増えたことにより、密着強度が1.5N/mとなり、実施例2よりも向上した。
[実施例5]
PVAの水酸基含有量を60mol%へ増やした以外は、実施例2及び実施例4と同様にした。
実施例5に係る正極ペーストでは、密着強度が1.6N/mとなり、実施例4よりもさらに向上した。
[比較例4]
PVAの水酸基含有量を70mol%へ増やした以外は、実施例2、実施例4及び実施例5と同様にした。
比較例4に係る正極ペーストでは、せん断速度40/sでの粘度が9100mPa・sと比較例2よりも高くなり、塗工性が悪かった。なお、密着強度は実施例5よりも高かった。
[比較例5]
PVdFの重量平均分子量を600000へ減らした以外は、実施例2と同様にした。
比較例5に係る正極ペーストでは、せん断速度1/sでの粘度が8700mPa・sと低いため、密着強度が0.7N/mとなり、評価基準の1.2N/mを大きく下回った。
[実施例6]
PVdFの重量平均分子量を800000へ増やした以外は、比較例5と同様にした。
実施例6に係る正極ペーストでは、せん断速度1/sでの粘度が10340mPa・sと比較例5よりも高くなり、密着強度も評価基準の1.2N/mに到達した。
[実施例7]
PVdFの重量平均分子量を1200000へ増やした以外は、実施例2及び実施例6と同様にした。
実施例7に係る正極ペーストでは、せん断速度1/sでの粘度が15850mPa・sと実施例2及び実施例6よりも高くなり、密着強度も1.7N/mと極めて良好であった。
[比較例6]
PVdFの重量平均分子量を1400000へ増やした以外は、実施例2、実施例6及び実施例7と同様にした。
比較例6に係る正極ペーストでは、せん断速度1/sでの粘度が18090mPa・sと高くなり過ぎ、塗工性が悪化した。なお、密着強度は実施例7よりも高かった。
以上に説明したように、50000〜140000の重量平均分子量を有しかつ42〜60mol%の水酸基を含有したPVAと、800000〜1200000の重量平均分子量を有したPVdFとを、結着剤として含む正極ペーストを用いることにより、塗工性を良好に保ちつつ密着強度を向上させることができた。
なお、本発明は上記実施の形態に限られたものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。
1 集電体
2 正極ペースト
21 活物質
22 結着剤
A、B 従来の正極ペーストの粘度曲線
C 本発明に係る正極ペーストの粘度曲線

Claims (3)

  1. 結着剤と正極活物質とを含む、非水電解質二次電池用の正極ペーストであって、
    前記結着剤は、
    重量平均分子量が50000〜140000であり、かつ、水酸基含有量が42〜60mol%である、ポリビニルアセタールを基本骨格とする樹脂と、
    重量平均分子量が800000〜1200000であるポリフッ化ビニリデンと、を含む、
    正極ペースト。
  2. 当該正極ペーストに占める固形分の比率が60質量%以上である、
    請求項1に記載の正極ペースト。
  3. 前記ポリビニルアセタールを基本骨格とする樹脂の含有量が、前記正極ペーストに占める固形分において0.1質量%以上であり、
    前記ポリフッ化ビニリデンの含有量が、前記固形分において1.0質量%以上であり、
    前記ポリビニルアセタールを基本骨格とする樹脂及び前記ポリフッ化ビニリデンの含有量の合計が、前記固形分において3.0質量%以下である、
    請求項1又は2に記載の正極ペースト。
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