JP2006253091A - 電池 - Google Patents

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智之 中村
Takahiro Endo
貴弘 遠藤
Yoshiaki Naruse
義明 成瀬
Yuji Uchida
有治 内田
Akira Yamamoto
鑑 山本
Takehiko Suwa
剛彦 諏訪
Yukifumi Takeda
幸史 竹田
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Abstract

【課題】 サイクル特性などの電池特性を向上させることができる電池を提供する。
【解決手段】 電極層21B,22Bは活物質と結着剤とを含んでいる。結着剤には、フッ化ビニリデンを成分として含む重合体よりなる第1結着剤と、ポリビニルアセタールおよびその誘導体からなる群のうちの少なくとも1種よりなる第2結着剤とが混合して用いられている。第1結着剤により活物質を強固に結着させることができ、第2結着剤により電極層21B,22Bと集電体21A,22Aとの密着性を向上させることができる。結着剤における第1結着剤と第2結着剤との質量比は、第1結着剤が95〜50に対して、第2結着剤が5〜50が好ましい。
【選択図】 図2

Description

本発明は、電極の結着剤としてフッ化ビニリデンを成分として含む重合体を用いた電池に関する。
近年、カメラ一体型VTR(videotape recorder)、携帯電話あるいは携帯用コンピューターなどのポータブル電子機器が多く登場し、その小型軽量化が図られている。それに伴い、電子機器のポータブル電源として、電池、特に二次電池の開発が活発に進められている。中でも、リチウムイオン二次電池は、高いエネルギー密度を実現できるものとして注目されている。
このリチウムイオン二次電池では、例えば、コバルト酸リチウムなどの正極活物質の粉末、または炭素材料などの負極活物質の粉末と、結着剤と混合して集電体に塗布し、電極層を形成した電極が広く用いられている。この電極の結着剤としては、例えば、ポリフッ化ビニリデン、またはポリビニルホルマールなどが知られている(例えば、特許文献1参照)。
特許第3311402号公報
しかしながら、結着剤としてポリフッ化ビニリデンを用いた場合、活物質粉末同士を一体化させる結着性には優れるものの、集電体との密着性には劣るので、充放電を繰り返すと電極層が集電体から剥離して、容量が低下したり、電極の抵抗が上昇してしまうという問題があった。また、結着剤としてポリビニルホルマールを用いた場合、集電体との密着性には優れるものの、活物質粉末同士を一体化させる結着性には劣るので、充放電を繰り返すと活物質の脱落が生じ、容量が低下してしまうという問題があった。よって、サイクル特性をより向上させるための改善が求められていた。
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたもので、その目的は、サイクル特性などの電池特性を向上させることができる電池を提供することにある。
本発明による電池は、正極および負極と共に電解質を備えたものであって、正極および負極のうちの少なくとも一方は、集電体に活物質と結着剤とを含む電極層が設けられており、結着剤は、フッ化ビニリデンを成分として含む重合体よりなる第1結着剤と、ポリビニルアセタールおよびその誘導体からなる群のうちの少なくとも1種よりなる第2結着剤とを含むものである。
本発明の電池によれば、結着剤として、フッ化ビニリデンを成分として含む重合体よりなる第1結着剤と、ポリビニルアセタールおよびその誘導体からなる群のうちの少なくとも1種よりなる第2結着剤とを含むようにしたので、活物質の結着性および電極層と集電体との密着性を共に向上させることができ、活物質の脱落および電極層の剥離を抑制することができる。よって、サイクル特性などの電池特性を向上させることができる。
特に、第1結着剤を95〜50に対して、第2結着剤を5〜50の質量比で含むようにすれば、または、第2結着剤として、ポリビニルホルマールおよびその誘導体のうちの少なくとも1種を含むようにすれば、より高い効果を得ることができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施の形態の二次電池の構成を表すものである。この二次電池は、いわゆるラミネートフィルム型といわれるものであり、正極端子11および負極端子12が取り付けられた電池素子20をフィルム状の外装部材30の内部に収容したものである。
正極端子11および負極端子12は、それぞれ、外装部材30の内部から外部に向かい例えば同一方向に導出されている。正極端子11および負極端子12は、例えば、アルミニウム(Al),銅(Cu),ニッケル(Ni)あるいはステンレスなどの金属材料によりそれぞれ構成されており、それぞれ薄板状または網目状とされている。
外装部材30は、例えば、ナイロンフィルム,アルミニウム箔およびポリエチレンフィルムをこの順に貼り合わせた矩形状のアルミラミネートフィルムにより構成されている。外装部材30は、例えば、ポリエチレンフィルム側と電池素子20とが対向するように配設されており、各外縁部が融着あるいは接着剤により互いに密着されている。外装部材30と正極端子11および負極端子12との間には、外気の侵入を防止するための密着フィルム31が挿入されている。密着フィルム31は、正極端子11および負極端子12に対して密着性を有する材料、例えば、ポリエチレン,ポリプロピレン,変性ポリエチレンあるいは変性ポリプロピレンなどのポリオレフィン樹脂により構成されている。
なお、外装部材30は、上述したアルミラミネートフィルムに代えて、他の構造を有するラミネートフィルム,ポリプロピレンなどの高分子フィルムあるいは金属フィルムにより構成するようにしてもよい。
図2は、図1に示した電池素子20の断面の一部を拡大して表すものである。電池素子20は、正極21と負極22とをセパレータ23を介して積層し、巻回したものであり、最外周部は図示しない保護テープにより保護されている。
正極21は、例えば、集電体21Aの両面に電極層21Bが設けられた構造を有している。集電体21Aは、例えば、アルミニウム箔,ニッケル箔あるいはステンレス箔などの金属箔により構成されており、電極層21Bは、例えば、正極活物質と、必要に応じて導電材および結着剤とを含んでいる。
負極22は、例えば、集電体22Aの両面に電極層22Bが設けられた構造を有している。集電体22Aは、例えば、銅箔,ニッケル箔あるいはステンレス箔などの金属箔により構成されており、電極層22Bは、例えば、負極活物質と、必要に応じて導電材および結着剤とを含んでいる。
正極活物質としては、例えば、リチウム(Li)を吸蔵および放出可能な正極材料が挙げられ、例えば、硫化チタン(TiS2 ),硫化モリブデン(MoS2 ),セレン化ニオブ(NbSe2 )あるいは酸化バナジウム(V2 5 )などのリチウムを含有しないカルコゲン化物、またはリチウムを含有するリチウム含有化合物、またはポリアセチレンあるいはポリピロールなどの高分子化合物が挙げられる。
中でも、リチウム含有化合物は、高電圧および高エネルギー密度を得ることができるものがあるので好ましい。このようなリチウム含有化合物としては、例えば、リチウムと遷移金属元素とを含む複合酸化物、またはリチウムと遷移金属元素とを含むリン酸化合物が挙げられ、特にコバルト(Co),ニッケル,マンガン(Mn)および鉄(Fe)のうちの少なくとも1種を含むものが好ましい。より高い電圧を得ることができるからである。その化学式は、例えば、Lix MIO2 あるいはLiy MIIPO4 で表される。式中、MIおよびMIIは1種類以上の遷移金属元素を表す。xおよびyの値は電池の充放電状態によって異なり、通常、0.05≦x≦1.10、0.05≦y≦1.10である。
リチウムと遷移金属元素とを含む複合酸化物の具体例としては、リチウムコバルト複合酸化物(Lix CoO2 )、リチウムニッケル複合酸化物(Lix NiO2 )、リチウムニッケルコバルト複合酸化物(Lix Ni1-z Coz 2 (z<1))、あるいはスピネル型構造を有するリチウムマンガン複合酸化物(LiMn2 4 )などが挙げられる。リチウムと遷移金属元素とを含むリン酸化合物の具体例としては、例えばリチウム鉄リン酸化合物(LiFePO4 )あるいはリチウム鉄マンガンリン酸化合物(LiFe1-v Mnv PO4 (v<1))が挙げられる。
負極活物質としては、例えば、リチウムを吸蔵および放出可能な負極材料、例えば、炭素材料,金属酸化物あるいは高分子化合物が挙げられる。炭素材料としては、難黒鉛化炭素材料あるいは黒鉛系材料などが挙げられ、より具体的には、熱分解炭素類,コークス類,黒鉛類,ガラス状炭素類,有機高分子化合物焼成体,炭素繊維あるいは活性炭などがある。このうち、コークス類にはピッチコークス,ニードルコークスあるいは石油コークスなどがあり、有機高分子化合物焼成体というのは、フェノール樹脂やフラン樹脂などの高分子材料を適当な温度で焼成して炭素化したものをいう。また、金属酸化物としては、酸化鉄,酸化ルテニウムあるいは酸化モリブテンなどが挙げられ、高分子化合物としてはポリアセチレンあるいはポリピロールなどが挙げられる。
リチウムを吸蔵および放出可能な負極材料としては、また、リチウムと合金を形成可能な金属元素および半金属元素のうちの少なくとも1種を構成元素として含む材料も挙げられる。この負極材料は金属元素あるいは半金属元素の単体でも合金でも化合物でもよく、またこれらの1種または2種以上の相を少なくとも一部に有するようなものでもよい。なお、本発明において、合金には2種以上の金属元素からなるものに加えて、1種以上の金属元素と1種以上の半金属元素とを含むものも含める。また、非金属元素を含んでいてもよい。その組織には固溶体,共晶(共融混合物),金属間化合物あるいはそれらのうちの2種以上が共存するものがある。
このような金属元素あるいは半金属元素としては、例えば、スズ(Sn),鉛(Pb),アルミニウム,インジウム(In),ケイ素(Si),亜鉛(Zn),アンチモン(Sb),ビスマス(Bi),ガリウム(Ga),ゲルマニウム(Ge),ヒ素(As),銀(Ag),ハフニウム(Hf),ジルコニウム(Zr)およびイットリウム(Y)が挙げられる。中でも、長周期型周期表における14族の金属元素あるいは半金属元素が好ましく、特に好ましいのはケイ素あるいはスズである。ケイ素およびスズは、リチウムを吸蔵および放出する能力が大きく、高いエネルギー密度を得ることができるからである。
スズの合金としては、例えば、スズ以外の第2の構成元素として、ケイ素,ニッケル,銅,鉄,コバルト,マンガン,亜鉛,インジウム,銀,チタン(Ti),ゲルマニウム,ビスマス,アンチモンおよびクロム(Cr)からなる群のうちの少なくとも1種を含むものが挙げられる。ケイ素の合金としては、例えば、ケイ素以外の第2の構成元素として、スズ,ニッケル,銅,鉄,コバルト,マンガン,亜鉛,インジウム,銀,チタン,ゲルマニウム,ビスマス,アンチモンおよびクロムからなる群のうちの少なくとも1種を含むものが挙げられる。
スズの化合物あるいはケイ素の化合物としては、例えば、酸素(O)あるいは炭素(C)を含むものが挙げられ、スズまたはケイ素に加えて、上述した第2の構成元素を含んでいてもよい。
結着剤は、フッ化ビニリデンを成分として含む重合体よりなる第1結着剤と、ポリビニルアセタールおよびその誘導体からなる群のうちの少なくとも1種よりなる第2結着剤とを含むことが好ましい。第1結着剤により活物質を強固に結着することができると共に、第2結着剤により電極層21B,22Bと集電体21A,22Aとの密着性を向上させることができるからである。結着剤における第1結着剤と第2結着剤との割合は、質量比で、第1結着剤が95〜50に対して、第2結着剤が5〜50の範囲内であることが好ましい。この範囲内においてより高い相乗効果を得られるからである。なお、第1結着剤および第2結着剤は、正極21および負極22の両方に用いることが好ましいが、正極21または負極22のいずれか一方のみに用いるようにしてもよい。
第1結着剤としては、例えば、ポリフッ化ビニリデン、あるいはフッ化ビニリデンを成分とする共重合体が挙げられる。共重合体の具体例としては、フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、フッ化ビニリデン−テトラフルオロエチレン共重合体,フッ化ビニリデン−クロロトリフルオロエチレン共重合体、フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン−テトラフルオロエチレン共重合体、あるいはこれらに更に他のエチレン性不飽和モノマーを共重合したものなどが挙げられる。共重合可能なエチレン性不飽和モノマーとしては、アクリル酸エステル,メタクリル酸エステル,酢酸ビニル,アクリロニトリル,アクリル酸,メタクリル酸,無水マレイン,ブタジエン,スチレン,N−ビニルピロリドン,N−ビニルピリジン,グリシジルメタクリレート,ヒドロキシエチルメタクリレートあるいはメチルビニルエーテルなどが挙げられる。第1結着剤は1種を単独で用いてもよいが、2種以上を混合して用いてもよい。
第2結着剤であるポリビニルアセタールは、化1(A)に示したアセタール基を含む構成単位と、化1(B)に示した水酸基を含む構成単位と、化1(C)に示したアセチル基を含む構成単位とを繰り返し単位に含む高分子化合物である。具体的には、例えば、化1(A)に示したRが水素のポリビニルホルマール、またはRがプロピル基のポリビニルブチラールが挙げられる。第2結着剤は1種を単独で用いても2種以上を混合して用いてもよいが、中でも、ポリビニルホルマールまたはその誘導体を用いるようにすれば、集電体21A,22Aとの密着性をより向上させることができるので好ましい。
Figure 2006253091
(Rは水素原子もしくは炭素数1〜3のアルキル基を表す。)
ポリビニルアセタールにおけるアセタール基の割合は60mol%以上80mol%以下であることが好ましく、ポリビニルアセタールの分子量は重量平均分子量で10000以上500000以下が好ましい。この範囲内においてより高い効果が得られるからである。
セパレータ23は、例えば、ポリプロピレンあるいはポリエチレンなどのポリオレフィン系の合成樹脂よりなる多孔質膜、またはセラミック製の不織布などの無機材料よりなる多孔質膜など、イオン透過度が大きく、所定の機械的強度を有する絶縁性の薄膜により構成されており、これら2種以上の多孔質膜を積層した構造とされていてもよい。中でも、ポリオレフィン系の多孔質膜は、正極21と負極22との分離性に優れ、内部短絡や開回路電圧の低下をより低減できるので好ましい。
セパレータ23には液状の電解質である電解液が含浸されている。電解液は、例えば、溶媒と、この溶媒に溶解された電解質塩とを含んでいる。溶媒としては、例えば、γ−ブチロラクトン,γ−バレロラクトン,δ−バレロラクトンあるいはε−カプロラクトンなどのラクトン系溶媒、炭酸エチレン,炭酸プロピレン,炭酸ブチレン,炭酸ビニレン,炭酸ジメチル,炭酸エチルメチルあるいは炭酸ジエチルなどの炭酸エステル系溶媒、1,2−ジメトキシエタン,1−エトキシ−2−メトキシエタン,1,2−ジエトキシエタン,テトラヒドロフランあるいは2−メチルテトラヒドロフランなどのエーテル系溶媒、アセトニトリルなどのニトリル系溶媒、スルフォラン系溶媒、リン酸類、リン酸エステル溶媒、またはピロリドン類などの非水溶媒が挙げられる。溶媒は、いずれか1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
電解質塩は、溶媒に溶解してイオンを生ずるものであればいずれを用いてもよく、1種を単独で用いても、2種以上を混合して用いてもよい。例えばリチウム塩であれば、六フッ化リン酸リチウム(LiPF6 ),四フッ化ホウ酸リチウム(LiBF4 ),六フッ化ヒ酸リチウム(LiAsF6 ),過塩素酸リチウム(LiClO4 ),トリフルオロメタンスルホン酸リチウム(LiCF3 SO3 ),ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドリチウム(LiN(SO2 CF3 2 ),トリス(トリフルオロメタンスルホニル)メチルリチウム(LiC(SO2 CF3 3 ),四塩化アルミン酸リチウム(LiAlCl4 )あるいは六フッ化ケイ酸リチウム(LiSiF6 )などが挙げられる。
また、電解液に代えて、電解液を高分子化合物に保持させたいわゆるゲル状の電解質を用いてもよい。高分子化合物としては、例えば、ポリフッ化ビニリデンあるいはフッ化ビニリデンとヘキサフルオロプロピレンとの共重合体などのフッ素系高分子化合物、ポリエチレンオキサイドあるいはポリエチレンオキサイドを含む架橋体などのエーテル系高分子化合物、ポリアクリロニトリル、またはポリビニルアセタールあるいはその架橋体が挙げられる。この場合、電解質はセパレータ23に含浸されていてもよく、また、セパレータ23と正極21および負極22との間に存在していてもよい。
この二次電池は、例えば、次のようにして製造することができる。
まず、例えば、集電体21Aに電極層21Bを形成し正極21を作製する。電極層21Bは、例えば、正極活物質の粉末と導電剤と結着剤とを混合して正極合剤を調製したのち、この正極合剤をN−メチル−2−ピロリドンなどの溶剤に分散させてペースト状の正極合剤スラリーとし、この正極合剤スラリーを集電体21Aに塗布し乾燥させ、圧縮成型することにより形成する。また、例えば、正極21と同様にして、集電体22Aに電極層22Bを形成し負極22を作製する。その際、結着剤には第1結着剤と第2結着剤とを混合して用いる。
次いで、集電体21Aに正極端子11を取り付けると共に、集電体22Aに負極端子12を取り付け、正極21と負極22とをセパレータ23を介して積層し、長手方向に巻回して、最外周部に保護テープを接着し巻回電極体とする。続いて、この巻回電極体を外装部材30の間に挟み、外装部材30の外周縁部を一辺を除いて熱融着し、電解液を注入したのち、残りの一辺を熱融着して封入する。これにより、図1および図2に示した二次電池が完成する。
なお、電解液に代えて、電解液と、高分子化合物の原料であるモノマーとを含む電解質組成物とを注入し、封入したのち、モノマーを重合させて電解質を形成するようにしてもよい。また、正極21および負極22の上に電解液と高分子化合物とを含む電解質を塗布したのち、セパレータ23を介して巻回して外装部材30に封入するようにしてもよい。
この二次電池では、充電を行うと、例えば、正極21からリチウムイオンが放出され、電解液を介して負極22に吸蔵される。一方、放電を行うと、例えば、負極22からリチウムイオンが放出され、電解液を介して正極21に吸蔵される。この充放電に伴い、正極21および負極22は膨張・収縮するが、本実施の形態では、第1結着剤と第2結着剤とを含んでいるので、活物質の結着性および電極層21B,22Bと集電体21A,22Aとの密着性が共に高くなっており、電極層21B,22Bの崩壊および剥離が抑制される。
このように本実施の形態によれば、結着剤として、フッ化ビニリデンを成分として含む重合体よりなる第1結着剤と、ポリビニルアセタールおよびその誘導体からなる群のうちの少なくとも1種よりなる第2結着剤とを含むようにしたので、活物質の結着性および電極層21B,22Bと集電体21A,22Aとの密着性を共に向上させることができる。よって、活物質の脱落および電極層21B,22Bの剥離を抑制することができ、サイクル特性などの電池特性を向上させることができる。
特に、第1結着剤を95〜50に対して、第2結着剤を5〜50の質量比で含むようにすれば、または、第2結着剤として、ポリビニルホルマールおよびその誘導体のうちの少なくとも1種を含むようにすれば、より高い効果を得ることができる。
更に、本発明の具体的な実施例について詳細に説明する。
(実施例1−1〜1−4)
図1,2に示したようなラミネートフィルム型の二次電池を作製した。
まず、炭酸リチウム0.5molと炭酸コバルト1molとを混合し、この混合物を空気中において900℃で5時間焼成して正極活物質であるリチウムコバルト複合酸化物(LiCoO2 )を合成した。次いで、このリチウムコバルト複合酸化物粉末90質量部と、導電剤である黒鉛粉末5質量部と、結着剤5質量部とを混合して正極合剤を調製したのち、溶剤であるN−メチル−2−ピロリドンに分散させて正極合剤スラリーを作製した。
その際、結着剤には、第1結着剤として、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)またはフッ化ビニリデン95質量部とヘキサフルオロプロピレン5質量部との共重合体を用い、第2結着剤として、ポリビニルホルマール(PVF)を用いた。また、第1結着剤と第2結着剤との割合を実施例1−1〜1−4で表1に示したように変化させた。具体的には、実施例1−1,1−2ではポリフッ化ビニリデン80質量%とポリビニルホルマール20質量%とを用い、実施例1−3ではポリフッ化ビニリデンのみを用い、実施例1−4ではポリフッ化ビニリデンの共重合体80質量%とポリビニルホルマール20質量%とを用いた。
続いて、この正極合剤スラリーを厚み20μmのアルミニウム箔よりなる集電体21Aの両面に塗布し乾燥させたのち圧縮成型して電極層21Bを形成することにより帯状の正極21を作製した。そののち、正極21に正極端子11を取り付けた。
一方、黒鉛粉末を負極活物質として用い、この黒鉛粉末95質量部と、結着剤5質量部とを混合して負極合剤を調製したのち、溶剤であるN−メチル−2−ピロリドンに分散させて負極合剤スラリーを作製した。その際、結着剤には、第1結着剤として、ポリフッ化ビニリデンを用い、第2結着剤としてポリビニルホルマールを用いた。また、第1結着剤と第2結着剤との割合を実施例1−1〜1−4で表1に示したように変化させた。具体的には、実施例1−1,1−3,1−4ではポリフッ化ビニリデン80質量%とポリビニルホルマール20質量%とを用い、実施例1−2ではポリフッ化ビニリデンのみを用いた。
次いで、この負極合剤スラリーを厚み15μmの銅箔よりなる集電体22Aの両面に塗布し乾燥させたのち圧縮成型して電極層22Bを形成することにより帯状の負極22を作製した。続いて、負極22に負極端子12を取り付けた。
そののち、作製した正極21および負極22を、厚み25μmの微多孔性ポリエチレンフィルムよりなるセパレータ23を介して密着させ、長手方向に巻き回して巻回電極体を作製した。次いで、この巻回電極体を、アルミラミネートフィルムよりなる外装部材30に挟んだのち、外装部材30の外周縁部を一辺を除いて貼り合わせ、電解液を注入した。電解液には、炭酸エチレンと炭酸ジエチルとを3:7の質量比で混合した混合溶媒に電解質塩として1mol/lのLiPF6 を溶解させたものを用いた。そののち、外装部材30の外縁部の残りの一辺を貼り合わせ、図1,2に示した二次電池を作製した。
また、実施例1−1〜1−4に対する比較例1−1,1−2として、正極および負極に第1結着剤または第2結着剤のみを用いたことを除き、他は実施例1−1〜1−4と同様にして二次電池を作製した。
作製した実施例1−1〜1−4および比較例1−1,1−2の二次電池について、サイクル特性を次のようにして求めた。まず、23℃で100mAの定電流定電圧充電を上限4.2Vまで15時間行い、次に100mAの定電流放電を終止電圧2.5Vまで行ったのち、23℃で500mAの定電流定電圧充電を上限4.2Vまで2時間行い、次に500mAの定電流放電を終止電圧2.5Vまで行うという充放電を300サイクル繰返した。サイクル特性は、500mA放電における1サイクル目の放電容量を100%としたときの300サイクル目の容量維持率を求めた。得られた結果を表1に示す。
Figure 2006253091
表1に示したように、正極21または負極22の少なくとも一方に第1結着剤と第2結着剤とを用いた実施例1−1〜1−4によれば、いずれか一方のみを用いた比較例1−1,1−2に比べてサイクル特性を向上させることができた。すなわち、正極21および負極22のうちの少なくとも一方に、第1結着剤と第2結着剤とを用いるようにすれば、サイクル特性を向上させることができることが分かった。また、正極21および負極22の両方に用いるようにすればより好ましいことも分かった。
(実施例2−1〜2−4)
第1結着剤としてポリフッ化ビニリデンを用いると共に、第2結着剤としてポリビニルホルマール(PVF)を用い、その割合を表2に示したように変化させたことを除き、他は実施例1−1と同様にして二次電池を作製した。作製した実施例2−1〜2−4の二次電池についても、実施例1−1と同様にしてサイクル特性を評価した。それらの結果を、実施例1−1および比較例1−1の結果と合わせて表2に示す。
Figure 2006253091
表2に示したように、結着剤における第1結着剤の割合を減少させ第2結着剤の割合を増加させると、サイクル特性は向上し、極大値を示したのち低下する傾向がみられた。すなわち、結着剤における第1結着剤の質量比を95〜50に対して、第2結着剤を5〜50の範囲内とするようにすれば、より高い効果を得られることが分かった。
(実施例3)
第2結着剤としてポリビニルホルマールに代えて、ポリビニルブチラール(PVB)を用いたことを除き、他は実施例1−1と同様にして二次電池を作製した。また、実施例3に対する比較例3として、正極および負極の結着性としてポリビニルブチラールのみを用いたことを除き、他は実施例3と同様にして二次電池を作製した。
作製した実施例3および比較例3の二次電池についても、実施例1−1と同様にしてサイクル特性を評価した。それらの結果を、実施例1−1および比較例1−1の結果と合わせて表3に示す。
Figure 2006253091
表3に示したように、第2結着剤としてポリビニルブチラールを用いた場合においても、第1結着剤と第2結着剤とを用いた実施例3の方が、その一方のみを用いた比較例3に比べて、サイクル特性を向上させることができた。また、第2結着剤としてポリビニルブチラールを用いた実施例3よりも、ポリビニルホルマールを用いた実施例1−1の方がより高いサイクル特性が得られた。
すなわち、第2結着剤としてポリビニルブチラールなどの他のポリビニルアセタールを用いても同様の効果を得ることができるが、ポリビニルホルマールを用いた方がより高い効果を得られることが分かった。
(実施例4)
電解液に代えて、電解液97質量部とポリビニルホルマール3質量部とを混合した電解質組成物を注入し、ポリビニルホルマールを重合させることによりゲル状の電解質としたことを除き、他は実施例1−1と同様にして二次電池を作製した。また、実施例4に対する比較例4として、正極および負極の結着性としてポリフッ化ビニリデンのみを用いたことを除き、他は実施例4と同様にして二次電池を作製した。
作製した実施例4および比較例4の二次電池についても、実施例1−1と同様にしてサイクル特性を評価した。それらの結果を、実施例1−1の結果と合わせて表4に示す。
Figure 2006253091
表4に示したように、ゲル状の電解質を用いた場合においても、第1結着剤と第2結着剤とを用いた実施例4の方が、その一方のみを用いた比較例4に比べて、サイクル特性を向上させることができた。すなわち、ゲル状の電解質を備えた場合においても、第1結着剤と第2結着剤とを用いるようにすれば、サイクル特性を向上させることができることが分かった。
以上、実施の形態および実施例を挙げて本発明を説明したが、本発明は実施の形態および実施例に限定されず、種々の変形が可能である。例えば、上記実施の形態および実施例では、電解質として電解液を用いる場合および電解液を高分子化合物に保持させたゲル状電解質を用いる場合について説明したが、他の電解質を用いるようにしてもよい。他の電解質としては、例えば、イオン伝導性を有する高分子化合物に電解質塩を溶解または分散させた有機固体電解質、イオン伝導性セラミックス,イオン伝導性ガラスあるいはイオン性結晶などのイオン伝導性無機化合物を含む無機固体電解質、またはこれらと電解液との混合したものが挙げられる。
また、上記実施の形態および実施例では、電極反応物質としてリチウムを用いる電池について説明したが、ナトリウム(Na)あるいはカリウム(K)などの他のアルカリ金属、またはマグネシウムあるいはカルシウム(Ca)などのアルカリ土類金属、またはアルミニウムなどの他の軽金属を用いる場合についても、本発明を適用することができる。
更に、上記実施の形態および実施例では、ラミネートフィルム型の二次電池を具体的に挙げて説明したが、本発明はコイン型、ボタン型、円筒型あるいは角型などの他の形状を有する二次電池、または積層構造などの他の構造を有する二次電池についても同様に適用することができる。また、本発明は、二次電池に限らず、一次電池などの他の電池についても同様に適用することができる。
本発明の一実施の形態に係る二次電池の構成を表す分解斜視図である。 図1に示した電池素子の一部を拡大して表す断面図である。
符号の説明
11…正極端子、12…負極端子、20…電池素子、21…正極、21A,22A…集電体、21B,22B…電極層、22…負極、23…セパレータ、30…外装部材、31…密着フィルム。

Claims (3)

  1. 正極および負極と共に電解質を備えた電池であって、
    前記正極および負極のうちの少なくとも一方は、集電体に活物質と結着剤とを含む電極層が設けられており、
    前記結着剤は、フッ化ビニリデンを成分として含む重合体よりなる第1結着剤と、ポリビニルアセタールおよびその誘導体からなる群のうちの少なくとも1種よりなる第2結着剤とを含む
    ことを特徴とする電池。
  2. 前記結着剤は、第1結着剤を95〜50に対して、第2結着剤を5〜50の質量比で含むことを特徴とする請求項1記載の電池。
  3. 前記第2結着剤はポリビニルホルマールおよびその誘導体のうちの少なくとも1種を含むことを特徴とする請求項1記載の電池。
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