JP2006253086A - 高分子電解質、電池および電池の製造方法 - Google Patents

高分子電解質、電池および電池の製造方法 Download PDF

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貴弘 遠藤
Yoshiaki Naruse
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智之 中村
Akira Yamamoto
鑑 山本
Takehiko Suwa
剛彦 諏訪
Yukifumi Takeda
幸史 竹田
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Abstract

【課題】 電流負荷特性を改善することができる高分子電解質、電池、および電池の製造方法を提供する。
【解決手段】 正極21と負極22とをセパレータ24を介して巻回したのち、外装部材の内部に収納して、電解質塩と、溶媒と、ポリビニルアセタールと、Si−O−M結合(MはB,PまたはS)を有する化合物とを含む電解質組成物を添加する。ポリビニルアセタールは、Si−O−M結合を有する化合物と電解質塩とを触媒として重合し、これにより高分子電解質23が形成される。電解質塩としてスルホニル基を含むイミド塩を用いれば、重合をより促進させることができる。
【選択図】 図2

Description

本発明は、ポリビニルアセタールおよびその誘導体からなる群のうちの少なくとも1種を重合した構造を有する高分子電解質およびそれを用いた電池、並びに電池の製造方法に関する。
近年、カメラ一体型VTR(videotape recorder)、携帯電話あるいは携帯用コンピューターなどのポータブル電子機器が多く登場し、その小型軽量化が図られている。それに伴い、電子機器のポータブル電源として、電池、特に二次電池の開発が活発に進められている。中でも、リチウムイオン二次電池は、高いエネルギー密度を実現できるものとして注目されており、薄型で折り曲げ可能な形状の自由度が高いものについても多く研究されている。
このような形状の自由度が高い電池には、高分子化合物に電解質塩を溶解させた全固体状の高分子電解質や、あるいは高分子化合物に電解液を保持させたゲル状の高分子電解質などが用いられている。中でも、ゲル状の高分子電解質は、電解液を保持しているために全固体状に比べて活物質との接触性およびイオン伝導率に優れており、また、電解液に比べて漏液が起こりにくいという特徴を有していることから注目を浴びている。
このゲル状の高分子電解質に用いられる高分子については、エーテル系の高分子をはじめとして、メタクリル酸メチル、ポリフッ化ビニリデンなどの様々な物質が研究されており、この中にポリビニルホルマールあるいはポリビニルブチラールといったポリビニルアセタールを用いたものがある。
例えば、特許文献1には、ポリビニルアセタールを用いた1次電池が記載されている。また、ポリビニルアセタールを用いた電解質については、特許文献2,3にポリビニルブチラールを用いたイオン伝導性固形体組成物が記載されており、特許文献4〜6にポリビニルホルマールと電解液とを含むゲル状電解質が記載されている。しかし、電解液の含有量が低いために十分なイオン伝導性が得られていない。そこで、特許文献7では、ポリビニルホルマールに含まれる水酸基の量を調整することにより、電解液の量を増やすことが検討されている。
特開昭52−115332号公報 特開昭57−143355号公報 特開昭57−143356号公報 特開平3−43909号公報 特開平3−43910号公報 特開平10−50141号公報 特開2001−200126号公報
しかしながら、特許文献7の記載されている方法によっても、ポリビニルアセタールを10質量%以上含有させる必要があり、電流負荷特性を考慮すると、十分なイオン伝導性を得ることは難しいという問題があった。
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたもので、その目的は、電流負荷特性を改善することができる高分子電解質および電池、並びに電池の製造方法を提供することにある。
本発明による第1の高分子電解質は、 電解質塩および溶媒と、ポリビニルアセタールおよびその誘導体からなる群のうちの少なくとも1種を重合した構造を有する高分子化合物と、Si−O−M結合(Mはホウ素(B),リン(P)または硫黄(S))を有する化合物とを含むものである。
本発明による第2の高分子電解質は、ポリビニルアセタールおよびその誘導体からなる群のうちの少なくとも1種を、Si−O−M結合(MはB,PまたはS)を有する化合物を用いて重合した構造を有する高分子化合物と、電解質塩および溶媒とを含むものである。
本発明による第1の電池は、正極および負極と共に高分子電解質を外装部材の内部に備えたものであって、高分子電解質は、電解質塩および溶媒と、ポリビニルアセタールおよびその誘導体からなる群のうちの少なくとも1種を重合した構造を有する高分子化合物と、Si−O−M結合(MはB,PまたはS)を有する化合物とを含むものである。
本発明による第2の電池は、正極および負極と共に高分子電解質を備えたものであって、高分子電解質は、ポリビニルアセタールおよびその誘導体からなる群のうちの少なくとも1種を、Si−O−M結合(MはB,PまたはS)を有する化合物を用いて重合した構造を有する高分子化合物と、電解質塩および溶媒とを含むものである。
本発明による電池の製造方法は、正極および負極を外装部材の内部に収納したのち、外装部材の内部に、電解質塩と、溶媒と、ポリビニルアセタールおよびその誘導体からなる群のうちの少なくとも1種のモノマーと、Si−O−M結合(MはB,PまたはS)を有する化合物とを含む電解質組成物を添加し、電解質塩とSi−O−M結合を有する化合物とを触媒としてモノマーを重合して高分子電解質を形成するものである。
本発明の高分子電解質によれば、Si−O−M結合を有する化合物を用いるようにしたので、ポリビニルアセタールおよびその誘導体の重合を促進させることができ、容易に高分子化合物の含有量を減少させることができる。よって、この高分子電解質を用いた本発明の電池によれば、漏液を抑制しつつ、電流負荷特性を改善し、電池特性を向上させることができる。
特に、Si−O−M結合を有する化合物の含有量を0.2質量%以上5質量%以下とするようにすれば、より高い効果を得ることができる。
また、電解質塩としてスルホニル基を有するイミド塩を含むようにすれば、ポリビニルアセタールおよびその誘導体の重合をより促進させることができ、電解質塩として六フッ化リン酸リチウムを含むようにすれば、保存特性などの電池特性を向上させることができる。更にその割合を、六フッ化リン酸リチウム:イミド塩のモル比で、95:5から50:50の範囲内とすれば、より高い効果を得ることができる。
加えて、本発明の電池の製造方法によれば、正極および負極を外装部材の内部に収納したのち、電解質組成物を添加してモノマーを重合させるようにしたので、少ない工程で簡単に本発明の電池を製造することができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
本発明の一実施の形態に係る高分子電解質は、ポリビニルアセタールおよびその誘導体からなる群のうちの少なくとも1種を重合した構造を有する高分子化合物と、電解液とを含んでおり、いわゆるゲル状となっている。
ポリビニルアセタールは、化1(A)に示したアセタール基を含む構成単位と、化1(B)に示した水酸基を含む構成単位と、化1(C)に示したアセチル基を含む構成単位とを繰り返し単位に含む高分子化合物である。具体的には、例えば、化1(A)に示したRが水素のポリビニルホルマール、またはRがプロピル基のポリビニルブチラールが挙げられる。
Figure 2006253086
(Rは水素原子もしくは炭素数1〜3のアルキル基を表す。)
ポリビニルアセタールにおけるアセタール基の割合は60mol%以上であることが好ましく、65mol%以上85mol%以下の範囲内であればより好ましい。水酸基の割合は20mol%以下であることが好ましい。また、ポリビニルアセタールの分子量は重量平均分子量で10000以上500000以下であることが好ましい。これらの範囲内において溶媒との溶解性を向上させることができると共に、高分子電解質の安定性をより高めることができるからである。
この高分子化合物は、ポリビニルアセタールのみ、またはその誘導体の1種のみを重合したものでも、それらの2種以上を重合したものでもよく、更に、ポリビニルアセタールおよびその誘導体以外のモノマーとの共重合体でもよい。この高分子化合物の含有量は、0.5質量%以上5質量%以下の範囲内であることが好ましい。これよりも少ないと電解液を十分に保持することができず、これよりも多いと十分なイオン伝導性を得ることができないからである。
また、この高分子化合物は、Si−O−M結合(MはB,PまたはS)を有する化合物を触媒として重合したものであり、これにより重合が促進され、少ない含有量で電解液を保持することができるようになっている。
Si−O−M結合を有する化合物としては、トリメチルシリル基((CH3 3 Si−)を有する無機オキソ酸エステル化合物が好ましく、例えば、ホウ酸トリス(トリメチルシリル)([(CH3 3 SiO−]3 B),リン酸トリス(トリメチルシリル)([(CH3 3 SiO−]3 PO)および硫酸ビス(トリメチルシリル)([(CH3 3 SiO−]2 SO2 )が挙げられる。この化合物は、1種を単独で用いても、2種以上を混合して用いてもよい。
Si−O−M結合を有する化合物の添加量は、この化合物を含めた高分子電解質における割合で、0.2質量%以上5質量%以下の範囲内であることが好ましい。この範囲内においてより高い効果を得ることができるからである。但し、この化合物は、重合時に分解して高分子電解質中には残存していなくてもよい。
電解液は、溶媒に電解質塩を溶解したものであり、必要に応じて添加剤を含んでいてもよい。溶媒としては、例えば、γ−ブチロラクトン,γ−バレロラクトン,δ−バレロラクトンあるいはε−カプロラクトンなどのラクトン系溶媒、炭酸エチレン,炭酸プロピレン,炭酸ブチレン,炭酸ビニレン,炭酸ジメチル,炭酸エチルメチルあるいは炭酸ジエチルなどの炭酸エステル系溶媒、1,2−ジメトキシエタン,1−エトキシ−2−メトキシエタン,1,2−ジエトキシエタン,テトラヒドロフランあるいは2−メチルテトラヒドロフランなどのエーテル系溶媒、アセトニトリルなどのニトリル系溶媒、スルフォラン系溶媒、リン酸類、リン酸エステル溶媒、またはピロリドン類などの非水溶媒が挙げられる。溶媒は、いずれか1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
電解質塩は、溶媒に溶解してイオンを生ずるものであればいずれを用いてもよく、1種を単独で用いても、2種以上を混合して用いてもよい。例えばリチウム塩であれば、六フッ化リン酸リチウム(LiPF6 ),四フッ化ホウ酸リチウム(LiBF4 ),六フッ化ヒ酸リチウム(LiAsF6 ),過塩素酸リチウム(LiClO4 ),トリフルオロメタンスルホン酸リチウム(LiCF3 SO3 ),ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドリチウム(LiN(CF3 SO2 2 ),ビス(パーフルオロエタンスルホニル)イミドリチウム(LiN(C2 5 SO2 2 ),トリス(トリフルオロメタンスルホニル)メチルリチウム(LiC(CF3 SO2 3 ),トリス(パーフルオロエタンスルホニル)メチルリチウム(LiC(C2 5 SO2 3 ),四塩化アルミン酸リチウム(LiAlCl4 )あるいは六フッ化ケイ酸リチウム(LiSiF6 )などが挙げられる。
中でも、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドリチウムあるいはビス(パーフルオロエタンスルホニル)イミドリチウムなどのスルホニル基を含むイミド塩を用いるようにすれば、ポリビニルアセタールおよびその誘導体の重合を促進させることができるので好ましい。また、イミド塩に加えて六フッ化リン酸リチウムを混合して用いるようにすれば、保存による劣化を抑制することができるので好ましい。その場合、六フッ化リン酸リチウムとイミド塩との割合は、六フッ化リン酸リチウム:イミド塩のモル比で、95:5から50:50の範囲内が好ましい。この範囲内においてより高い効果を得ることができるからである。
この高分子電解質は、例えば、次のようにして電池に用いられる。なお、本実施の形態では、電極反応物質としてリチウムを用いる電池について説明する。
図1は本実施の形態に係る高分子電解質を用いた二次電池を分解して表すものである。この二次電池は、正極端子11および負極端子12が取り付けられた電池素子20をフィルム状の外装部材30の内部に封入したものである。正極端子11および負極端子12は、外装部材30の内部から外部に向かい例えば同一方向にそれぞれ導出されている。正極端子11および負極端子12は、例えば、アルミニウム(Al),銅(Cu),ニッケル(Ni)あるいはステンレスなどの金属材料によりそれぞれ構成されている。
外装部材30は、例えば、ナイロンフィルム,アルミニウム箔およびポリエチレンフィルムをこの順に張り合わせた矩形状のラミネートフィルムにより構成されている。外装部材30は、例えば、ポリエチレンフィルム側と電池素子20とが対向するように配設されており、各外縁部が融着あるいは接着剤により互いに密着されている。外装部材30と正極端子11および負極端子12との間には、外気の侵入を防止するための密着フィルム31が挿入されている。密着フィルム31は、正極端子11および負極端子12に対して密着性を有する材料により構成され、例えば、正極端子11および負極端子12が上述した金属材料により構成される場合には、ポリエチレン,ポリプロピレン,変性ポリエチレンあるいは変性ポリプロピレンなどのポリオレフィン樹脂により構成されることが好ましい。
なお、外装部材30は、上述したラミネートフィルムに代えて、他の構造を有するラミネートフィルム、ポリプロピレンなどの高分子フィルムあるいは金属フィルムなどにより構成するようにしてもよい。
図2は、図1に示した電池素子20のI−I線に沿った断面構造を表すものである。電池素子20は、正極21と負極22とが本実施の形態に係る高分子電解質23およびセパレータ24を介して対向して位置し、巻回されているものであり、最外周部は保護テープ25により保護されている。
正極21は、例えば、対向する一対の面を有する正極集電体21Aの両面に正極活物質層21Bが設けられた構造を有している。正極集電体21Aは、例えば、アルミニウム箔,ニッケル箔あるいはステンレス箔などの金属箔により構成されている。
正極活物質層21Bは、例えば、正極活物質として、リチウムを吸蔵および離脱することが可能な正極材料のいずれか1種または2種以上を含んでおり、必要に応じて導電剤および結着剤を含んでいてもよい。リチウムを吸蔵および離脱することが可能な正極材料としては、例えば、硫化チタン(TiS2 ),硫化モリブデン(MoS2 ),セレン化ニオブ(NbSe2 )あるいは酸化バナジウム(V2 5 )などのリチウムを含有しないカルコゲン化物、またはリチウムを含有するリチウム含有化合物、またはポリアセチレンあるいはポリピロールなどの高分子化合物が挙げられる。
中でも、リチウム含有化合物は、高電圧および高エネルギー密度を得ることができるものがあるので好ましい。このようなリチウム含有化合物としては、例えば、リチウムと遷移金属元素とを含む複合酸化物、またはリチウムと遷移金属元素とを含むリン酸化合物が挙げられ、特にコバルト(Co),ニッケル,マンガン(Mn)および鉄(Fe)のうちの少なくとも1種を含むものが好ましい。より高い電圧を得ることができるからである。その化学式は、例えば、Lix MIO2 あるいはLiy MIIPO4 で表される。式中、MIおよびMIIは1種類以上の遷移金属元素を表す。xおよびyの値は電池の充放電状態によって異なり、通常、0.05≦x≦1.10、0.05≦y≦1.10である。
リチウムと遷移金属元素とを含む複合酸化物の具体例としては、リチウムコバルト複合酸化物(Lix CoO2 )、リチウムニッケル複合酸化物(Lix NiO2 )、リチウムニッケルコバルト複合酸化物(Lix Ni1-z Coz 2 (z<1))、あるいはスピネル型構造を有するリチウムマンガン複合酸化物(LiMn2 4 )などが挙げられる。リチウムと遷移金属元素とを含むリン酸化合物の具体例としては、例えばリチウム鉄リン酸化合物(LiFePO4 )あるいはリチウム鉄マンガンリン酸化合物(LiFe1-v Mnv PO4 (v<1))が挙げられる。
負極22は、例えば、正極21と同様に、対向する一対の面を有する負極集電体22Aの両面に負極活物質層22Bが設けられた構造を有している。負極集電体22Aは、例えば、銅箔,ニッケル箔あるいはステンレス箔などの金属箔により構成されている。
負極活物質層22Bは、例えば、負極活物質として、リチウムを吸蔵および離脱することが可能な負極材料、または金属リチウムのいずれか1種または2種以上を含んでおり、必要に応じて導電剤および結着剤を含んでいてもよい。リチウムを吸蔵および離脱することが可能な負極材料としては、例えば、炭素材料,金属酸化物あるいは高分子化合物が挙げられる。炭素材料としては、難黒鉛化炭素材料あるいは黒鉛系材料などが挙げられ、より具体的には、熱分解炭素類,コークス類,黒鉛類,ガラス状炭素類,有機高分子化合物焼成体,炭素繊維あるいは活性炭などがある。このうち、コークス類にはピッチコークス,ニードルコークスあるいは石油コークスなどがあり、有機高分子化合物焼成体というのは、フェノール樹脂やフラン樹脂などの高分子材料を適当な温度で焼成して炭素化したものをいう。また、金属酸化物としては、酸化鉄,酸化ルテニウムあるいは酸化モリブテンなどが挙げられ、高分子化合物としてはポリアセチレンあるいはポリピロールなどが挙げられる。
リチウムを吸臓および離脱することが可能な負極材料としては、また、リチウムと合金を形成可能な金属元素および半金属元素のうちの少なくとも1種を構成元素として含む材料も挙げられる。この負極材料は金属元素あるいは半金属元素の単体でも合金でも化合物でもよく、またこれらの1種または2種以上の相を少なくとも一部に有するようなものでもよい。なお、本発明において、合金には2種以上の金属元素からなるものに加えて、1種以上の金属元素と1種以上の半金属元素とを含むものも含める。また、非金属元素を含んでいてもよい。その組織には固溶体,共晶(共融混合物),金属間化合物あるいはそれらのうちの2種以上が共存するものがある。
このような金属元素あるいは半金属元素としては、例えば、スズ(Sn),鉛(Pb),アルミニウム,インジウム(In),ケイ素(Si),亜鉛(Zn),アンチモン(Sb),ビスマス(Bi),ガリウム(Ga),ゲルマニウム(Ge),ヒ素(As),銀(Ag),ハフニウム(Hf),ジルコニウム(Zr)およびイットリウム(Y)が挙げられる。中でも、長周期型周期表における14族の金属元素あるいは半金属元素が好ましく、特に好ましいのはケイ素あるいはスズである。ケイ素およびスズは、リチウムを吸蔵および放出する能力が大きく、高いエネルギー密度を得ることができるからである。
スズの合金としては、例えば、スズ以外の第2の構成元素として、ケイ素,ニッケル,銅,鉄,コバルト,マンガン,亜鉛,インジウム,銀,チタン(Ti),ゲルマニウム,ビスマス,アンチモンおよびクロム(Cr)からなる群のうちの少なくとも1種を含むものが挙げられる。ケイ素の合金としては、例えば、ケイ素以外の第2の構成元素として、スズ,ニッケル,銅,鉄,コバルト,マンガン,亜鉛,インジウム,銀,チタン,ゲルマニウム,ビスマス,アンチモンおよびクロムからなる群のうちの少なくとも1種を含むものが挙げられる。
スズの化合物あるいはケイ素の化合物としては、例えば、酸素(O)あるいは炭素(C)を含むものが挙げられ、スズまたはケイ素に加えて、上述した第2の構成元素を含んでいてもよい。
セパレータ24は、例えば、ポリプロピレンあるいはポリエチレンなどのポリオレフィン系の合成樹脂よりなる多孔質膜、またはセラミック製の不織布などの無機材料よりなる多孔質膜など、イオン透過度が大きく、所定の機械的強度を有する絶縁性の薄膜により構成されており、これら2種以上の多孔質膜を積層した構造とされていてもよい。中でも、ポリオレフィン系の多孔質膜は、正極21と負極22との分離性に優れ、内部短絡や開回路電圧の低下をより低減できるので好ましい。
この二次電池は例えば次のようにして製造することができる。
まず、正極21を作製する。例えば、粒子状の正極活物質を用いる場合には、正極活物質と必要に応じて導電剤および結着剤とを混合して正極合剤を調製し、N−メチル−2−ピロリドンなどの分散媒に分散させて正極合剤スラリーを作製する。そののち、この正極合剤スラリーを正極集電体21Aに塗布し乾燥させ、圧縮成型して正極活物質層21Bを形成する。
また、負極22を作製する。例えば、粒子状の負極活物質を用いる場合には、負極活物質と必要に応じて導電剤および結着剤とを混合して負極合剤を調製し、N−メチル−2−ピロリドンなどの分散媒に分散させて負極合剤スラリーを作製する。そののち、この負極合剤スラリーを負極集電体22Aに塗布し乾燥させ、圧縮成型して負極活物質層22Bを形成する。
次いで、正極21に正極端子11を取り付けると共に、負極22に負極端子12を取り付けたのち、セパレータ24,正極21,セパレータ24および負極22を順次積層して巻回し、最外周部に保護テープ25を接着して巻回電極体を形成する。続いて、この巻回電極体を外装部材30で挟み、一辺を除く外周縁部を熱融着して袋状とする。
そののち、上述したポリビニルアセタールおよびその誘導体のうちの少なくとも1種のモノマーと、Si−O−M結合を有する化合物と、電解質塩および溶媒とを含む電解質組成物を用意し、外装部材30の開口部から巻回電極体の内部に注入して、外装部材30の開口部を熱融着し封入する。これにより、外装部材30の内部において、Si−O−M結合を有する化合物および電解質塩を触媒としてモノマーが重合することにより高分子電解質23が形成され、図1および図2に示した二次電池が完成する。
なお、この二次電池は次のようにして製造してもよい。例えば、巻回電極体を作製してから電解質組成物を注入するのではなく、正極21および負極22の上に電解質組成物を塗布したのちに巻回し、外装部材30の内部に封入するようにしてもよい。また、正極21および負極22の上にポリビニルアセタールおよびその誘導体のうちの少なくとも1種のモノマーを塗布して巻回し、外装部材30の内部に収納したのちに電解液を注入するようにしてもよい。
この二次電池では、充電を行うと、例えば、正極活物質層21Bからリチウムイオンが離脱し、高分子電解質23を介して負極活物質層22Bに吸蔵される。放電を行うと、例えば、負極活物質層22Bからリチウムイオンが離脱し、高分子電解質23を介して正極活物質層21Bに吸蔵される。その際、リチウムイオンの移動度は高分子電解質23に含まれる電解液に依存する。本実施の形態では、Si−O−M結合を有する化合物を用いることにより、高分子化合物の重合が促進されている。よって、高分子化合物の割合が少なくても電解液を保持することが可能となり、電解液の割合を増やすことができるので、リチウムイオンの移動が容易となり、高いイオン伝導率が得られる。
このように本実施の形態によれば、Si−O−M結合を有する化合物を用いるようにしたので、ポリビニルアセタールおよびその誘導体の重合を促進させることができ、容易に高分子化合物の含有量を減少させることができる。よって、漏液を抑制しつつ、電流負荷特性を改善することができ、サイクル特性などの電池特性を向上させることができる。
特に、高分子電解質23におけるSi−O−M結合を有する化合物の含有量を0.2質量%以上5質量%以下とするようにすれば、より高い効果を得ることができる。
また、電解質塩としてスルホニル基を有するイミド塩を含むようにすれば、ポリビニルアセタールおよびその誘導体の重合をより促進させることができ、電解質塩として六フッ化リン酸リチウムを含むようにすれば、保存特性などの電池特性を向上させることができる。更にその割合を、六フッ化リン酸リチウム:イミド塩のモル比で、95:5から50:50の範囲内とすれば、より高い効果を得ることができる。
加えて、正極21および負極22を外装部材30の内部に収納したのち、電解質組成物を添加してモノマーを重合させるようにすれば、少ない工程で簡単に本実施の形態に係る電池を製造することができる。
更に、本発明の具体的な実施例について詳細に説明する。
(実施例1−1〜1−4)
図1,2に示したようなラミネートフィルム型の二次電池を作製した。
まず、炭酸リチウム0.5molと炭酸コバルト1molとを混合し、この混合物を空気中において900℃で5時間焼成して正極活物質であるリチウムコバルト複合酸化物(LiCoO2 )を合成した。次いで、このリチウムコバルト複合酸化物粉末85質量部と、導電剤である黒鉛粉末5質量部と、結着剤であるポリフッ化ビニリデン10質量部とを混合して正極合剤を調製したのち、分散媒であるN−メチル−2−ピロリドンに分散させて正極合剤スラリーを作製した。続いて、この正極合剤スラリーを厚み20μmのアルミニウム箔よりなる正極集電体21Aの両面に塗布し乾燥させたのち圧縮成型して正極活物質層21Bを形成し、正極21を作製した。そののち、正極21に正極端子11を取り付けた。
また、粉砕した黒鉛粉末を負極活物質として用い、この黒鉛粉末90質量部と、結着剤であるポリフッ化ビニリデン10質量部とを混合して負極合剤を調製したのち、分散媒であるN−メチル−2−ピロリドンに分散させて負極合剤スラリーを作製した。続いて、この負極合剤スラリーを厚み15μmの銅箔よりなる負極集電体22Aの両面に塗布し乾燥させたのち圧縮成型して負極活物質層22Bを形成し、負極22を作製した。そののち、負極22に負極端子12を取り付けた。
そののち、作製した正極21および負極22を、厚み25μmの微多孔性ポリエチレンフィルムよりなるセパレータ24を介して密着させ、長手方向に巻き回し、最外周部に保護テープ25を接着して巻回電極体を作製した。次いで、この巻回電極体を、外装部材30に挟んだのち、外装部材30の外周縁部を一辺を除いて貼り合わせ袋状とした。外装部材30には、最外層から順に厚み25μmのナイロンフィルム、厚み40μmのアルミニウム箔および厚み30μmのポリプロピレンフィルムを積層した防湿性のアルミラミネートフィルムを用いた。
そののち、電解質組成物を外装部材30の開口部から注入し、開口部を減圧下において熱融着して封入したのち、電池形状を一定に保つためガラス板に挟んで2時間放置することにより図1,2に示した二次電池を作製した。
電解質組成物には、ポリビニルホルマールと、電解液とを、ポリビニルホルマール:電解液=2.0:98.0の質量比で混合溶解して混合溶液を作製したのち、この混合溶液に対して、Si−O−M結合を有する化合物であるリン酸トリス(トリメチルシリル)とホウ酸トリス(トリメチルシリル)とをそれぞれ1質量%になるように添加したものを用いた。その際、電解液は、炭酸エチレンと炭酸エチルメチルとを炭酸エチレン:炭酸エチルメチル=3:7の質量比で混合した溶媒に、六フッ化リン酸リチウムを1.2mol/lの濃度で溶解したものとした。
また、ポリビニルホルマールは次のようにして作製した。まず、ポリビニルアルコール100質量部を、エタノールと、濃度30質量%のホルマリン水溶液との混合物に溶解し分散させて、攪拌しながら濃硫酸10質量部を滴下した。その際、攪拌は、液温を75℃以下に冷却しながら行った。濃硫酸を滴下したのち、8時間程度攪拌を行い、40℃まで冷却した。次いで、この溶液を水酸化ナトリウムを用いて中和したのち、蒸留水1000質量部を用いて洗浄し、スラリーとした。そののち、このスラリーをろ別することにより、ポリビニルホルマール200質量部を得た。
その際、実施例1−1では、重合度が700のポリビニルアルコールを用い、エタノールの割合を300質量部、ホルマリン水溶液の割合を170質量部とした。これにより得られたポリビニルホルマールの重量平均分子量は約70000であり、ホルマール基と水酸基とアセチル基とのモル比は、ホルマール基:水酸基:アセチル基≒80:7:3であった。
また、実施例1−2では、重合度が1100であるポリビニルアルコールを用い、エタノールの割合を300質量部、ホルマリン水溶液の割合を170質量部とした。これにより得られたポリビニルホルマールの重量平均分子量は約100000であり、ホルマール基と水酸基とアセチル基とのモル比は、ホルマール基:水酸基:アセチル基≒79:8:13であった。
更に、実施例1−3では、重合度が1100であるポリビニルアルコールを用い、エタノールの割合を300質量部、ホルマリン水溶液の割合を200質量部とした。これにより得られたポリビニルホルマールの重量平均分子量は約100000であり、ホルマール基と水酸基とアセチル基とのモル比は、ホルマール基:水酸基:アセチル基≒82:5:13であった。
更にまた、実施例1−4では、重合度が1700であるポリビニルアルコールを用い、エタノールの割合を400質量部、ホルマリン水溶液の割合を180質量部とした。これにより得られたポリビニルホルマールの重量平均分子量は約140000であり、ホルマール基と水酸基とアセチル基とのモル比は、ホルマール基:水酸基:アセチル基≒80:8:12であった。
実施例1−1〜1−4に対する比較例1−1,1−2として、Si−O−M結合を有する化合物を添加しなかったことを除き、他は実施例1−1〜1−4と同様にして二次電池を作製した。その際、比較例1−1では実施例1−1と同一のポリビニルホルマールを用い、比較例1−4では実施例1−4と同一のポリビニルホルマールを用いた。
作製した実施例1−1〜1−4および比較例1−1,1−2の二次電池について、漏液試験を次のようにして行った。まず、実施例1−1〜1−4および比較例1−1,1−2の二次電池を各20個ずつ作製し、1週間放置した。続いて、外装部材30に直径0.5mmの穴を開け、9.8MPaの圧力でプレスし、電解液が漏れた電池の数を求めた。結果を表1に示す。
また、放電容量およびサイクル特性を次にようにして調べた。まず、23℃で500mAの定電流定電圧充電を上限4.2Vまで2時間行い、次に100mAの定電流放電を終止電圧3.0Vまで行い、このときの放電容量を求めた。続いて、23℃で500mAの定電流定電圧充電を上限4.2Vまで2時間行い、次に500mAの定電流放電を終止電圧3.0Vまで行うという充放電を100サイクル繰返した。サイクル特性は、500mA放電における1サイクル目の放電容量を100%としたときの100サイクル目の容量維持率、すなわち、(500mA放電における100サイクル目の放電容量/500mA放電における1サイクル目の放電容量)×100(%)により求めた。結果を表1に示す。
Figure 2006253086
表1から分かるように、ポリビニルホルマールをリン酸トリ(トリメチルシリル)およびホウ酸トリ(トリメチルシリル)を用いて重合した実施例1−1〜1−4では、電解液の液漏れが生じなかったのに対して、これらを用いていない比較例1−1,1−2では、電解液の液漏れが生じた。また、実施例1−1〜1−4では、比較例1−1,1−2と同等の放電容量が得られ、放電容量維持率については向上させることができた。更に、重量平均分子量が100000以下のポリビニルホルマールを用いた実施例1−1〜1−3では、重量平均分子量が100000超であるポリビニルホルマールを用いた実施例1−4よりも放電容量および放電容量維持率が高かった。
すなわち、ポリビニルアセタールをSi−O−M結合を有する化合物を用いて重合するようにすれば、高分子化合物の含有量を少なくしても電解液の液漏れを抑制することができることが分かった。また、ポリビニルアセタールの重量平均分子量は、100000以下が好ましいことが分かった。
(実施例2−1〜2−5)
電解質塩の種類および電解液における濃度を実施例2−1〜2−5で表2に示したように変えたことを除き、実施例1−1〜1−4と同様にして二次電池を作製した。その際、ポリビニルホルマールは、重量平均分子量が約70000であり、ホルマール基と水酸基とアセチル基とをホルマール基:水酸基:アセチル基=76:12:12のモル比で含むものとし、ポリビニルホルマールと電解液との質量比は、ポリビニルホルマール:電解液=1.5:98.5とした。また、Si−O−M結合を有する化合物はリン酸トリス(トリメチルシリル)とし、その添加量は1質量%とした。
作製した実施例2−1〜2−5の二次電池について、漏液試験を次のようにして行った。まず、実施例2−1〜2−5の二次電池を各20個作製したのち、放置せず直ちに外装部材30に直径0.5mmの穴を開け、9.8MPaの圧力でプレスし、電解液が漏れた電池の数を求めた。結果を表2に示す。
また、放電容量および保存特性を次のようにして調べた。まず、23℃で500mAの定電流定電圧充電を上限4.2Vまで2時間行い、次に100mAの定電流放電を終止電圧3.0Vまで行い、このときの放電容量を求めた。続いて、23℃で500mAの定電流定電圧充電を上限4.2Vまで2時間行ったのち、45℃で1カ月間保存した。そののち、100mAの定電流放電を終止電圧3.0Vまで行い保存後の放電容量を求めた。保存特性は、保存前の放電容量を100%としたときの保存後の放電容量維持率、すなわち、(保存後の放電容量/保存前の放電容量)×100(%)により求めた。結果を表2に示す。
Figure 2006253086
表2から分かるように、Si−O−M結合を有する化合物と共にスルホニル基を含むイミド塩を添加した実施例2−1,2−2,2−5では、電池の作製直後であっても液漏れが生じなかったのに対して、イミド塩を添加しなかった実施例2−3,2−4では、液漏れが生じた。また、六フッ化リン酸リチウムを用いなかった実施例2−5では、実施例2−1〜2−4に比べて保存後の放電容量維持率が低かった。
すなわち、スルホニル基を含むイミド塩を用いるようにすれば、ポリビニルアセタールの重合をより促進させることができ好ましいことが分かった。また、六フッ化リン酸リチウムを用いるようにすれば、保存特性を向上させることができ好ましいことが分かった。
(実施例3−1〜3−8)
電解液における六フッ化リン酸リチウムおよびビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドリチウムの濃度を、表3に示したように変化させたことを除き、他は実施例2−1と同様にして二次電池を作製した。
Figure 2006253086
作製した実施例3−1〜3−8の二次電池についても、実施例2−1と同様にして漏液試験,放電容量および保存特性を調べた。結果を表3に示す。
表3から分かるように、六フッ化リン酸リチウム:イミド塩のモル比を95:5〜50:50とした実施例3−3〜3−5において、液漏れがなく、かつ高い保存特性が得られた。すなわち、六フッ化リン酸リチウム:イミド塩のモル比を、95:5から50:50の範囲内とするようにすれば好ましいことが分かった。
(実施例4−1〜4−5)
Si−O−M結合を有する化合物の種類およびその添加量を表4に示したように変化させたことを除き、他は実施例2−1と同様にして二次電池を作製した。また、実施例4−1〜4−5に対する比較例4−1として、Si−O−M結合を有する化合物を添加しなかったことを除き、他は実施例4−1〜4−5と同様にして二次電池を作製した。
Figure 2006253086
作製した実施例4−1〜4−5および比較例4−1の二次電池についても、実施例2−1と同様にして漏液試験,放電容量および保存特性を調べた。結果を表4に示す。
表4から分かるように、実施例4−1〜4−5では液漏れが生じなかったのに対して、比較例4−1では液漏れが生じた。また、放電容量は、Si−O−M結合を有する化合物の添加量が多くなるに伴い低下し、保存後の放電容量維持率は、Si−O−M結合を有する化合物の添加量の添加量が多くなるに伴い上昇したのち低下する傾向が見られた。
すなわち、Si−O−M結合を有する化合物は、ホウ酸トリス(トリメチルシリル),リン酸トリス(トリメチルシリル)または硫酸ビス(トリメチルシリル)のいずれを用いても好ましく、Si−O−M結合を有する化合物の添加量は、0.2質量%以上5質量%以下の範囲内が好ましいことが分かった。
以上、実施の形態および実施例を挙げて本発明を説明したが、本発明は実施の形態および実施例に限定されず、種々の変形が可能である。例えば、上記実施の形態および実施例では、正極21および負極22を積層して巻回した電池素子20を備える場合について説明したが、一対の正極と負極とを積層した平板状の電池素子、または複数の正極と負極とを積層した積層型の電池素子を備える場合についても本発明を適用することができる。また、上記実施の形態および実施例では、フィルム状の外装部材30を用いる場合について説明したが、外装部材に缶を用いたいわゆる円筒型、角型、コイン型、ボタン型などの他の形状を有する電池についても同様に適用することができる。更に、二次電池に限らず、一次電池についても適用することができる。
加えて、上記実施の形態および実施例では、電極反応物質としてリチウムを用いる電池について説明したが、ナトリウム(Na)あるいはカリウム(K)などの他のアルカリ金属、またはマグネシウムあるいはカルシウム(Ca)などのアルカリ土類金属、またはアルミニウムなどの他の軽金属を用いる場合についても、本発明を適用することができる。
本発明の一実施の形態に係る二次電池の構成を表す分解斜視図である。 図1に示した電池素子のI−I線に沿った断面図である。
符号の説明
11…正極端子、12…負極端子、20…電池素子、21…正極、21A…正極集電体、21B…正極活物質層、22…負極、22A…負極集電体、22B…負極活物質層、23…高分子電解質、24…セパレータ、25…保護テープ、30…外装部材、31…密着フィルム。

Claims (18)

  1. 電解質塩および溶媒と、
    ポリビニルアセタールおよびその誘導体からなる群のうちの少なくとも1種を重合した構造を有する高分子化合物と、
    Si−O−M結合(Mはホウ素(B),リン(P)または硫黄(S))を有する化合物と
    を含むことを特徴とする高分子電解質。
  2. 前記Si−O−M結合を有する化合物は、ホウ酸トリス(トリメチルシリル),リン酸トリス(トリメチルシリル)および硫酸ビス(トリメチルシリル)からなる群のうちの少なくとも1種を含むことを特徴とする請求項1記載の高分子電解質。
  3. 前記Si−O−M結合を有する化合物の含有量は、0.2質量%以上5質量%以下であることを特徴とする請求項1記載の高分子電解質。
  4. 前記電解質塩は、六フッ化リン酸リチウムと、スルホニル基を有するイミド塩とを含むことを特徴とする請求項1記載の高分子電解質。
  5. 前記六フッ化リン酸リチウムと前記イミド塩との割合は、六フッ化リン酸リチウム:イミド塩のモル比で、95:5から50:50の範囲内であることを特徴とする請求項4記載の高分子電解質。
  6. 前記イミド塩は、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドリチウム、およびビス(パーフルオロエタンスルホニル)イミドリチウムのうちの少なくとも一方を含むことを特徴とする請求項4記載の高分子電解質。
  7. ポリビニルアセタールおよびその誘導体からなる群のうちの少なくとも1種を、Si−O−M結合(Mはホウ素(B),リン(P)または硫黄(S))を有する化合物を用いて重合した構造を有する高分子化合物と、
    電解質塩および溶媒と
    を含むことを特徴とする高分子電解質。
  8. 正極および負極と共に高分子電解質を外装部材の内部に備えた電池であって、
    前記高分子電解質は、電解質塩および溶媒と、ポリビニルアセタールおよびその誘導体からなる群のうちの少なくとも1種を重合した構造を有する高分子化合物と、Si−O−M結合(Mはホウ素(B),リン(P)または硫黄(S))を有する化合物とを含むことを特徴とする電池。
  9. 前記Si−O−M結合を有する化合物は、ホウ酸トリス(トリメチルシリル),リン酸トリス(トリメチルシリル)および硫酸ビス(トリメチルシリル)からなる群のうちの少なくとも1種を含むことを特徴とする請求項8記載の電池。
  10. 前記Si−O−M結合を有する化合物の含有量は、0.2質量%以上5質量%以下であることを特徴とする請求項8記載の電池。
  11. 前記電解質塩は、六フッ化リン酸リチウムと、スルホニル基を有するイミド塩とを含むことを特徴とする請求項8記載の電池。
  12. 前記六フッ化リン酸リチウムと前記イミド塩との割合は、六フッ化リン酸リチウム:イミド塩のモル比で、95:5から50:50の範囲内であることを特徴とする請求項11記載の電池。
  13. 前記イミド塩は、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドリチウム、およびビス(パーフルオロエタンスルホニル)イミドリチウムのうちの少なくとも一方を含むことを特徴とする請求項11記載の電池。
  14. 前記イミド塩は、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドリチウム、およびビス(パーフルオロエタンスルホニル)イミドリチウムのうちの少なくとも一方を含むことを特徴とする請求項11記載の電池。
  15. 前記高分子化合物は、前記外装部材の内部で重合されたことを特徴とする請求項8記載の電池。
  16. 前記外装部材は、フィルム状の材料よりなることを特徴とする請求項8記載の電池。
  17. 正極および負極と共に高分子電解質を備えた電池であって、
    前記高分子電解質は、ポリビニルアセタールおよびその誘導体からなる群のうちの少なくとも1種を、Si−O−M結合(Mはホウ素(B),リン(P)または硫黄(S))を有する化合物を用いて重合した構造を有する高分子化合物と、電解質塩および溶媒とを含むことを特徴とする電池。
  18. 正極および負極を外装部材の内部に収納したのち、外装部材の内部に、電解質塩と、溶媒と、ポリビニルアセタールおよびその誘導体からなる群のうちの少なくとも1種のモノマーと、Si−O−M結合(Mはホウ素(B),リン(P)または硫黄(S))を有する化合物とを含む電解質組成物を添加し、前記電解質塩と前記Si−O−M結合を有する化合物とを触媒として前記モノマーを重合して高分子電解質を形成することを特徴とする電池の製造方法。
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