JP2015216352A - 紫外発光ダイオードおよびそれを備える電気機器 - Google Patents

紫外発光ダイオードおよびそれを備える電気機器 Download PDF

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Abstract

【課題】 深紫外発光ダイオードの光取出し効率を高める。【解決手段】 本発明のある実施形態の典型的なLED素子100Aは、単結晶のサファイアまたはAlN結晶の基板110と、n型導電層132、再結合層134、およびp型導電層136を基板層の側からこの順に積層されている紫外発光層130とを備えている。p型導電層136にはさらにp型コンタクト層150、および反射電極160が積層されている。紫外発光層とp型コンタクト層はいずれもAlNとGaNの混晶とされる。発光波長に対するp型コンタクト層の透過率が高まり、光取出し効率が向上する。また本発明では、反射電極がパターニングされ、p型コンタクト層が多層構造にされたLED素子も提供される。加えて、本発明ではこれら上記LED素子を備える電気機器も提供される。【選択図】 図2

Description

本発明は紫外発光ダイオードおよびそれを備える電気機器に関する。さらに詳細には、本発明は光取り出し効率を高めた紫外発光ダイオードおよびそれを備える電気機器に関する。
窒化物半導体を利用する固体発光素子として、青色発光ダイオードが広く実用に付されている。より短い波長である紫外域においても固体光源が求められ、類似の材質を利用した紫外発光ダイオード(UVLED)が開発されている。紫外域のうち350nm以下の深紫外域の紫外線、特にUVC波長帯の一部となる260〜280nm程度の波長域の紫外線は、殺菌、浄水から医療応用にまで広がる広汎な用途が見込まれることから、UVC波長帯のLEDすなわち深紫外LED(DUVLED)の開発が進められている。典型的なDUVLEDの構成は、サファイア基板もしくはAlN単結晶基板を利用し、アルミニウム(Al)、ガリウム(Ga)、および窒素(N)を主な組成とする窒化ガリウムアルミニウム系の半導体による積層構造体を備えるものである。DUVLEDでは出力の向上も図られており、10mW程度の紫外線出力にて動作するDUVLEDも実用化されている。
DUVLEDの技術課題の一つに発光効率の改良を挙げることができる。発光効率の指標の一つが、外部量子効率ηEQEであり、これは、LED素子の外部に放出される単位時間当たりのフォトン数を、駆動電流により投入される単位時間当たりの電子数で除算することにより定義される。この外部量子効率ηEQEは、内部量子効率ηIQE、電子注入効率ηEIE、および光取出し効率ηLEEの3つの因子の積の形により表現される。すなわち、
ηEQE=ηIQE×ηEIE×ηLEE
の関係が成立する。
これまでの開発の結果、DUVLEDにおける上記3つの因子のうち、内部量子効率ηIQEと電子注入効率ηEIEについては飛躍的向上が達成されてきた。その向上をもたらした具体的技術は、内部量子効率ηIQEの向上のためには、紫外発光層の結晶転位の低減である(たとえば、特許文献1、非特許文献1、および非特許文献2)。また、電子注入効率ηEIEの向上のために、p型半導体層に超格子構造を利用したMQB(多重量子障壁)構造と呼ばれる構造を採用することによりp型半導体層における電子のブロック性を補う技術も有効である(たとえば、特許文献2)。現時点では、内部量子効率ηIQE×電子注入効率ηEIEの値は50%〜80%もの値を見込むことさえできる。
ところが、内部量子効率ηIQE×電子注入効率ηEIEの値に高い値を見込めるような実際のDUVLEDの素子であっても、外部量子効率ηEQEは最高でも4%程度にとどまっている。明らかに、光取出し効率ηLEEの低さがその原因となっている。従来のDUVLEDでの光取出し効率ηLEEは高々10%程度に過ぎない。
特開2009−54780号公報 国際公開第2011/104969号
本願の発明者らは、紫外発光ダイオードにおいて光取出し効率ηLEEを向上させる手法を種々の観点から検討した。そして、従来のDUVLED素子において、p型導電層に対する電気的接続を確保するために配置されるp型コンタクト層が、紫外発光層から発せられる紫外線(放射UV)の波長に対し吸収を示すことに着目した。すなわち、典型的なDUVLEDでは、基板、バッファー層、紫外発光層、p型導電層、p型コンタクト層、金属電極(第2電極)をこの順に配置することによりLED素子が作製される。これら以外の層や部位も適宜に配置され、例えばバッファー層と紫外発光層の間には、n型導電層や、n型導電層に対して導通を取る金属電極(第1電極)も設けられる。そして紫外発光層からの放射UVは層構造の両面から外向きに放射される。放射UVのうち一方側である基板側に向かうものは、外部に取り出されるか、その一部または全部(全反射となる方向の成分)が内部に戻る。他方側のp型コンタクト層に向かう放射UVは、p型コンタクト層を透過し、第2電極で反射され、再びp型コンタクト層を通過する。p型コンタクト層に向かう放射UVは、そのうちの吸収されずに基板に到達する成分に限り、最終的に外部に取り出される可能性を残している。p型コンタクト層が吸収した放射UVは損失となることから、p型コンタクト層の吸収は光取出し効率ηLEEを有意に悪化させる。従来の典型的なp型コンタクト層は、良好な電気的接続を確保する目的で、ホール(hole)濃度を高めやすいp型GaNにより作製されている。p型GaNは、特に深紫外の波長域では強い吸収を示すため、p型コンタクト層に採用すると放射UVを吸収してしまう。
特に、p型コンタクト層における吸収は他の技術的工夫の効果を減殺することにも注意が必要である。たとえ第2電極の反射率を高めてもp型コンタクト層における吸収が強ければ当該他の技術的工夫の効果は小さい。同様に、導波路モードとなり内部を伝播する放射UVを取り出すための種々の工夫を施しても、p型コンタクト層における吸収が強ければ導波路モードのUV自体が弱くなるため、その効果は限られる。光取出し効率ηLEEを高めるためにはp型コンタクト層における吸収は抑制されなくてはならない。
本発明は、光取出し効率ηLEEを高めるためのDUVLEDを提供し、高効率のDUVLEDの実現に寄与するものである。
本願の発明者らは、紫外発光層と同様にp型コンタクト層においてもAl(アルミニウム)を含む組成とすれば吸収が弱められることに着目し、また、そのような組成のp型コンタクト層を採用してもDUVLEDとしての動作が可能となることを実験的に確認し、本発明を創出するに至った。
本発明のある態様においては、単結晶のサファイアまたはAlN結晶の基板と、該基板に接して、または該基板上に設けられた追加のバッファー層に接して配置され、少なくともn型導電層、再結合層、およびp型導電層が該基板の側からこの順に積層して配置されているAlNとGaNの混晶の紫外発光層と、前記p型導電層に電気的に接続しているAlNとGaNの混晶のp型コンタクト層と、前記紫外発光層から発せられる紫外線である放射UVに対し反射性を示し前記p型コンタクト層に電気的に接続して配置されている反射電極とを備えている紫外発光ダイオードが提供される。
本発明においては、p型コンタクト層のためにAlNとGaNの混晶の組成を採用する。なお、本出願において、AlNとGaNの混晶をAlGaNと、また、(AlN)と(GaN)1−xの混晶をAlGa1−xNと、それぞれ記載することがある。加えて、AlNとGaNの混晶には、AlNとGaN以外の成分を含む場合もあることに留意すべきである。
AlGaNのバンドギャップはGaNのそれに比べて大きい。しかもそのバンドギャップはAlの比率(AlNとGaNの混晶におけるAlNの比率、AlN混晶組成比)を調整して変化させることができる。この性質を利用すれば、AlGaNを採用するp型コンタクト層の吸収端を調整して放射UVに対する透過率を調整することができる。特に、紫外発光層にもAlNとGaNの混晶を採用する構成では、p型コンタクト層にAlGaNを採用すれば紫外発光層からの放射UVの波長に対応するようにその透過率を調整することも容易となる。本発明においてはこの原理を積極的に利用する。
この際に問題となりうるのはp型コンタクト層のキャリア濃度である。従来のp型コンタクト層のために採用するp型GaNでは、Mgをドーピングすることにより十分なキャリア濃度が得られて、反射電極である第2電極との電気的接続が確立されていた。それと同時に従来は、AlGaNではキャリア濃度を高めにくい、とも考えられてきた。すなわち、紫外発光層からの放射UVの波長にあわせAlN混晶組成比を高めると、Mgドープ時のp型のアクセプターレベルが深くなり、p型導電層におけるキャリア不足(ホール濃度の不足)を生じやすくなるとされてきた。この従来の考えでは、本発明のようにp型コンタクト層としてAlGaNを採用すると、十分なキャリア濃度とならず、第2電極との電気的接続が不十分となる懸念があった。ところが本願の発明者らがp型コンタクト層にAlGaNを採用してDUVLED素子を作製したところ、実際には、光取り出し効率ηLEEが著しく向上し、外部量子効率ηEQEはむしろ高まることを確認している。したがって、DUVのLED素子のp型コンタクト層にAlGaNを採用する構成は、十分に実用的である。
なお、本出願全体の説明においてp型コンタクト層の透過率で問題となるのは、紫外発光層から放出される放射UVの波長における透過率の値である。ただし、発明を説明するために放射UV以外の波長に関しても適宜説明する。
本発明の上記態様においてp型コンタクト層の透過率が90%以上であると好ましい。さらに好ましくは、上記透過率が95%以上とされる。ここで、本出願におけるp型コンタクト層の透過率は、界面反射の効果を含まない値すなわち内部透過率を指している。透過率は、断りのない限り厚み方向に一度通過する際の値である。p型コンタクト層を放射UVが往復することから、第2電極としての作用を持つ反射電極を利用する場合において、p型コンタクト層の吸収は、第2電極に入射するまで、およびそこから出射した後の少なくとも2回生じうる。したがって、p型コンタクト層の吸収を十分に抑制すること、すなわち十分に高い透過率を実現することは、光取出し効率ηLEEを高める上で重要である。透過率を高めるためには、p型コンタクト層に含まれるAl組成比すなわちAlN混晶組成比を高めることにより実現することができる。
本発明の上記態様においてp型導電層に電子ブロック層が設けられていると好ましく、当該電子ブロック層が多重量子障壁(MQB)とされるとさらに好ましい。DUVLEDの素子では、ホール濃度が不足する場合、再結合層から電子がリーク(またはオーバーフロー)することから、電子注入効率ηEIEが低下しやすい。そのような場合に備え、電子からみて再結合層の下流側の位置に電子ブロック層を配置すれば、再結合に関与する電子の割合を増大させ電子注入効率ηEIEを高めることができる。この電子ブロック層の典型例は、シングルバリア、すなわちAlN混晶組成比を高めることにより伝導帯のエネルギーレベルを高めた単一の層である。電子ブロック層のためのさらに好ましい別の典型例がMQBである。MQBでは、AlN混晶組成比の異なる層を複数重ねて伝導帯のエネルギーレベルに厚み方向の凹凸を設け、さらに必要に応じその周期を厚み方向の位置に応じ変化させる。MQBの多重反射は、電子のリークをより効果的に抑制することに役立つ。さらにMQBでは過度にAlN混晶組成比を高める必要がないことから、ホール濃度の低下が抑制できる点からも有利である。
本発明の上記態様においてp型コンタクト層の材質を、組成波長(compositional wavelength)が放射UVの主要波長より短くなるようにすることが好ましい。ここで組成波長とはp型コンタクト層の材質やその成長条件のための指標の一つであり、その層のフォトルミネセンスのピーク波長によって規定される。実験的に組成波長を決定するためには、特徴付ける対象であるp型コンタクト層と同一の組成、同一の成長条件で厚い膜を作製し、そのフォトルミネセンスを測定すればよい。一般に、組成波長は吸収端の指標ともなるため、組成波長を境に長い波長での透過率は高く、短い波長では低くなる。この組成波長と対比される放射UVの主要波長は、例えばある程度波長に幅をもつ放射UVのピーク波長とすることができる。組成波長が放射UVの主要波長よりも短くなるようにp型コンタクト層の材質が選択され成長条件が決められていると、そのp型コンタクト層は、当該主要波長における透過率が高くなる。したがって、p型コンタクト層を特徴付けるために、組成波長に着目して放射UVの主要波長と関連づければ、上記態様のための良好な指標が得られる。なお、放射UVの主要波長を、本出願においては単に発光波長と記すことがある。
本発明の上記態様は、p型コンタクト層の組成AlGa1−xNにおけるAlN混晶組成比xが、放射UVの主要波長の値をW(nm)として、
min=−0.0060W+2.26
により求まる下限値xmin以上の値にされていると好ましい。AlN混晶組成比xは、その下限が放射UVの主要波長の値と関連づけて決定されると、上述した透過率を実現することができる。AlN混晶組成比xは、AlNがなくGaNのみであればx=0となり、AlNのみであればx=1となる数値であり、AlGaNとまとめて記載した場合にAlGa1−xNとも表現される。AlN混晶組成比xの下限値xminは、具体的な波長に関連づければ、例えば260nmでは0.7(70%)、280nmでは0.58(58%)である。これら以外の波長でも、上式から決まるxminを下限としてp型コンタクト層のAlN混晶組成比xが決定されていれば、透過率を高めたp型コンタクト層により、本発明の効果を発揮することができる。
実際にも、本願の発明者らは、AlN混晶組成比xを0.7とすることにより、放射UVの主要波長が260nmにまで短波長化できることを確認した。本発明の上記態様において260nmにおける効率
の高い紫外光源が実現できることは、260〜280nmの殺菌波長の範囲において実施上の要求に適合する光源を実現できる点において重用である。
本願の発明者らは、p型コンタクト層の透過率が低いままでは第2電極の反射率を高める効果が限定的なものとなる点にも着目した。逆に、本発明の上記態様においてp型コンタクト層の透過率が確保されていれば、第2電極としての作用を持つ反射電極のUV反射効果が顕著に光取出し効率ηLEEを向上させる。本発明の上記態様においては、反射電極の反射率を高めることが有利である。
すなわち本発明の上記態様の好ましい構成において、反射電極がAlを主成分とする金属膜であり、オーミックコンタクトのための挿入金属層がp型コンタクト層と金属膜とに接しながら挟まれている。第2電極のために従来多用されているのはAu(金)である。これに対しAlは紫外波長に対し高い反射率を示す。この点に着目し、第2電極の反射率を高めるために、Alを主成分とする金属膜を採用することが有利である。
上記態様における挿入金属層は、一般には仕事関数の大きな金属材料が適する。さらに、挿入金属層は、Ni膜で5nmより薄くされていると好ましく、さらに好ましくは、実質的厚みが1nmとされる。挿入金属層はオーミックコンタクトを実現するために材質が選択され、Niのほかには、パラジウム(Pd)、白金(Pt)、銀(Ag),チタン(Ti)などを採用することができる。各金属は、互いに、または他の元素を添加して合金とすることも有用である。ただし、Ni膜とする場合には、反射率を高く保つためには5nmより薄いことが好ましい。特に実質的厚みが1nmとされると、オーミックコンタクトを実現しつつ高い反射率が得られるため、DUVLEDのための光学的側面と電気的側面を両立させることができる。なお、上記「実質的」厚みとは、実際の成膜において起こりうる膜厚の誤差や、不均質な成膜に伴う厚みの分布などが許容されることを意味する。また、Ni膜以外の場合にも、同様に膜厚を調整することにより、反射率を高めつつ、電気的接続を確立することができる。
本願の発明者らは、光取り出し効率の点でさらに有利となるような反射電極と挿入金属層とを組合せて得られる第2電極に関する構成を創出した。具体的には、挿入金属層がp型コンタクト層に対して一部のみ覆うようにパターン化されて配置されており、反射電極は、挿入金属層が存在しない位置においてp型コンタクト層に直に接しており、挿入金属層が存在する位置において挿入金属層を介してp型コンタクト層に電気的に接続しているものであると好ましい。加えて、この構成においても、挿入金属層は、p型コンタクト層に直に接する位置にNi膜を有する単層または複層の金属膜となっているとさらに好ましい。これらの構成においては、オーミックコンタクトを実現するという電気的側面の観点から挿入金属層を選択し、かつ放射UVに対する反射率という光学的側面の観点から反射電極を選択することが可能となる。
さらに、挿入金属層がパターン化されている構成において、p型コンタクト層は、AlN混晶組成比の互いに異なる層が厚み方向に積層された多層構造になっていると発光効率の点で一層好ましい。この構成では、p型コンタクト層において、パターン化された挿入金属層からp型導電層に向かって伝播する正孔が、基板面内のいずれかの向きに拡散される。このために、光学的側面の観点から選択された高い反射率の反射電極を採用する場合において、反射電極による反射を期待できる位置で電子とホールの再結合が高い頻度で生じることから、光取り出し効率の向上が最終的な発光効率の向上に反映される。p型コンタクト層が多層構造となっている構成において、さらに好ましくは、LED素子がパターン化されたp型GaN層をさらに備えており、パターン化された該p型GaN層の少なくとも一部が、多層構造の前記p型コンタクト層とパターン化されている前記挿入金属層との双方に直に接して挟まれている。p型GaN層がパターン化されてパターン化された挿入金属層と接していれば、反射率が追加的に低下する現象を回避しつつ、p型GaN層の示す良好な電気特性を生かすことができる。したがって、パターン化されたp型GaN層を採用することにより、光学的特性を損なうことなく電力効率を向上させることが可能となる。
加えて、p型コンタクト層の透過率が高められている本発明の上記態様においては、導波路モードで伝播する放射UVを外部に取り出す各種の構成も有用である。上記態様のLED素子において、バッファー層にボイド(空隙)が形成されていると好ましい。例えば、結晶成長させる際の面内方向のバッファー層の断面を、多数並べた孤立図形パターンの各図形部分や、海島構造パターンの島状の部分のみにて結晶を成長させることによりピラー状の構造を成長させることができる。その際のピラー同士の間がボイドとなる。逆に上記面内方向の断面において、多数並べた孤立図形パターンの各図形の間隙部分や、海島構造パターンの海の部分のみ結晶を成長させることにより、穴あき部が形成される。この場合にはこの穴あき部がボイドとなる。これら以外にも、ストライプパターンをなすように成長させれば多重の壁が形成され壁の間はボイドとなる。結晶成長条件を工夫すれば成長と共にボイドを閉じさせることにより、バッファー層に要求される結晶品質の単結晶連続層を再び得ることもできる。ボイドを形成する各種の手法のうち、特にピラーを形成し、ピラーをあたかも素子の厚み方向に延びる導波路とすることがとりわけ有用である。アスペクト比の高いピラー構造を設けて光の縦伝搬が可能な構造にすれば、光はピラーを伝搬しやすくなる。この場合、導波路モードの光も、素子内から外部に取り出すまでに2〜3回程度の往復しか要さない。このため、第2電極の反射率が必ずしも十分とはいえない場合には大変有利である。なお、単なるボイド構造では、10回程度の内部反射を経て光が外部に取り出させるため、その往復の途中で減衰しやすい。さらに、バッファー層にボイドが形成されている構成において、基板を除去することも好ましい。例えばピラーを形成した場合は、基板を除去すると、光を取り出す方向に延びる縦型の導波路が多数配列し、それがそのまま表面に位置するため、有利である。
さらに、上記態様のLED素子において、放射UVの主要波長が260nm以上280nm以下のいずれかの波長であると好ましい。屈折率のステップを伴う表面または界面にはモスアイ構造を作製することにより、一般に、屈折率のステップがもたらす表面反射または界面反射を低減することができる。このような屈折率のステップは、放射UVの伝播経路や外部に取り出す際の表面にて問題となるため、第2電極とは反対側に位置する表面や、別の界面のうち屈折率ステップが大きくなる面のいずれかにモスアイ構造が形成されていれば好ましい。そのような表面、界面を例示すれば、例えば、LED素子と外界との最表面となる表面、LED素子をUV透過性媒体(樹脂、ガラス質透明体など)で封止する際のLED素子とUV透過性媒体との界面を挙げることができる。
さらに、本発明の上記態様において、p型導電層、p型コンタクト層のいずれかのAlNとGaNの混晶の材質にさらにInが含まれていることも好適である。電子バリア層を含め、p型導電層やp型コンタクト層ではInが含まれている場合には、キャリア(ホール)濃度が高まる効果を期待することができる。
さらに加えて、本発明の上記いずれかの態様の紫外発光ダイオードは、それを紫外線の放出源として備える電気機器に適用されると有用である。このような電気機器は、紫外線の放出源の効率が向上することで有用性が高まるからである。
紫外発光ダイオード(以下、「UVLED」と略記する)とは、紫外域の電磁波(紫外線)を放出する発光ダイオードである。本出願では、主に220〜350nmの波長域という、深紫外を中心とする波長範囲におけるUVLED(DUVLED)を作製することができる。また、本発明では、いわゆる殺菌波長(260〜280nm)の波長範囲の深紫外領域において発光するDUVLEDも提供される。なお、本出願においては、たとえば紫外域といった可視光ではない電磁波放射に対しても、慣例に従って「光」、「光源」、「発光」、「光取り出し」等と光学分野の表現を用いる。
また、紫外発光層とは、典型的にはAlGaN層の多層体、つまり、多層体をなす各層の組成が、AlGa1−yN(yは、0≦y≦1のいずれかの値)の組成比であり、必要に応じ正または負の伝導型とするための微少量の元素(ドーパント)がさらにドーピングされているような多層体である。紫外発光層は、大略、n型導電層、再結合層、p型導電層がこの順に積層された構成に作製される。なお、n型導電層、再結合層、p型導電層それぞれ自体が量子井戸構造などのために多層膜となっている場合もある。
本発明のいずれかの態様においては、p型コンタクト層による吸収が抑制され光取出し効率ηLEEを高めた紫外発光ダイオードが実現される。
本発明の第1実施形態における概念を示す説明図である。 従来のLED素子および本発明の第1実施形態のLED素子の両者に共通する概略構成を示す斜視図である。 従来のLED素子および本発明の第1実施形態のLED素子の両者に共通する概略構成を示す概略断面図である。 本発明の第1実施形態の製造方法を示すフローチャートである。 本発明の第1実施形態において、p型コンタクト層にAlGaNを採用した実施例のためのp型コンタクト層のAlN混晶組成比を変更したサンプルから得られた電流密度に対する外部量子効率ηEQEの依存性を示すグラフである。 本発明の第1実施形態において、p型コンタクト層にAlGaNを採用した実施例のためのp型コンタクト層のAlN混晶組成比を変更したサンプルから得られた電流密度に対する外部量子効率ηEQEの依存性を示すグラフである。 本発明の第1実施形態の実施例に用いたp型コンタクト層と同一の材質および成膜条件で形成した膜の透過スペクトルを実測したグラフである。 本発明の第1実施形態に採用するp型コンタクト層のためのAlN混晶組成比の放射UVの波長に対する依存性を示す説明図である。 本発明の第2電極として作用する挿入金属層と反射電極のための金属膜についての反射スペクトルである。 本発明の第1実施形態の実施例において、第2電極のみを相異させて特性が向上した様子を示す実測のグラフである。 本発明の第1実施形態の実施例において、第2電極を高い反射率の構成に変更した際に外部量子効率ηEQEが変化する様子を示す。(a)は変化を算出する比較対象サンプルの様子を模式的に示す説明図、(b)はそのグラフである。 本発明の第1実施形態の実施例において、共通する組成のp型コンタクト層に対し異なる発光波長の紫外発光層を採用した場合の実測の特性を示すグラフである。(a)は電流密度に対する外部量子効率ηEQEの依存性を示し、(b)は、最大の外部量子効率ηEQEが得られたときの発光スペクトルを示す。 本発明の第1実施形態の実施例において、260nmの発光波長に応じたp型コンタクト層の構成を採用し、第2電極の構成が異なるサンプルにおける実測の特性を示すグラフである。(a)は電流密度に対する外部量子効率ηEQEの依存性を示し、(b)は、最大の外部量子効率ηEQEが得られたときの発光スペクトルを示す。 本発明の第2実施形態における概念を示す説明図である。 本発明の第2実施形態の挿入金属層のパターンの一例を示す平面図である。 本発明の第2実施形態の実施例におけるLED素子の構成を示す断面図である。図16(a)はバルクp型AlGaNをp型コンタクト層に採用した実施例サンプルのもの、図16(b)は多層構造のp型AlGaNをp型コンタクト層に採用した実施例サンプルのものである。 本発明の第2実施形態の実施例において実施例サンプルの電流値に対する外部量子効率ηEQEの依存性を示すグラフである。図17(a)はバルクp型AlGaNをp型コンタクト層に採用した実施例サンプルのもの、図17(b)は多層構造のp型AlGaNをp型コンタクト層に採用した実施例サンプルのものである。 本発明の実施形態のある変形例において得られるLED素子の構成を示す断面図である。 本発明の実施形態のある変形例の一例の構成のLED素子において、パターン化されたp型GaN層を、挿入金属層のNi層と多層構造のp型コンタクト層との間に配置した一例の構成を示す拡大断面図である。
以下、本発明に係る紫外LED素子(以下、「LED素子」という)およびその製造方法に関する実施形態を図面に基づき説明する。当該説明に際し特に言及がない限り、全図にわたり共通する部分または要素には共通する参照符号が付されている。また各図は各部の互いの縮尺を保って示されてはいない。
1.第1実施形態
図1は、本実施形態における概念を示す説明図である。図1では左右それぞれに、従来のLED素子100および本実施形態のLED素子100Aの概略の断面構成を示す。両LED素子において、基板にいくつかの層を介し形成された発光層からは、すべての方向に光が放たれる。従来はp型コンタクト層がp型GaNであるため、深紫外の放射UVは、p型コンタクト層を通過する際に吸収されている。また、両LED素子に共通して、UVを透過させる材質の屈折率が2を越す程度である。そのため、放射UVの大半は基板から出射できず導波路モードとなって内部を伝搬する。具体的には、紫外発光層から、反射、屈折を経ずに直接外部に取り出される光は、発光した光(放射UV)のうち、基板側に向かうものに限定され、基板の法線方向から約20度程度の開き角の円錐の作る立体角の範囲の光のみに限定される。この立体角は全体の約8%程度に過ぎない。従来のp型コンタクト層を採用すると残りの成分が外部に取出される見込みはない。
これに対し本発明においては、p型コンタクト層にUVに対する透過率が高い材料であるAlGaN、すなわちAlNとGaNの混晶を採用する。これにより、第2電極に向かう光の吸収が抑制される。p型コンタクト層を通過する光には紫外発光層から直接向かう放射UVのほか、導波路モードになり内部を伝播する光も含まれる。p型コンタクト層のUVに対する透過率を高めれば、従来利用することができなかった放射UVすなわち第2電極側に放たれた放射UVも基板側に向けることができ、導波路モードの光も無用な吸収をせずに利用できる。これが本実施形態の狙いである。
1−1.LED素子の構成
図2は、従来のLED素子100および本実施形態のLED素子100Aの両者に共通する概略構成を示す斜視図である。また、図3はその概略断面図である。LED素子100および100Aでは、概して平板状のα−Al単結晶であるサファイア基板110の一方の面104にバッファー層120がAlN結晶等の材質によりエピタキシャル成長される。そのバッファー層120に接するように、紫外発光層130が配置される。紫外発光層130の結晶もバッファー層120に対しエピタキシャル成長されている。紫外発光層130の構成は、従来のLED素子100であるか本実施形態のLED素子100Aであるかによらず共通している。具体的には、紫外発光層130の構成は、バッファー層120の側から、n型導電層132、再結合層134、およびp型導電層136がこの順に積層し形成されている。紫外発光層130の材質は、典型的にはAlGaNまたはそれに微量元素(n型のためにはSi、p型のためにはMgなど)をドーピングした組成である。n型導電層132には第1電極140が電気的に接続されている。これに対し、p型導電層136には、従来のLED素子100の場合には、p型コンタクト層150、さらに第2電極として作用させる反射電極160が配置される。本実施形態のLED素子100Aの場合には、p型導電層136にp型コンタクト層150Aが形成され、さらに、反射電極160Aが配置される。反射電極160または160Aは、それぞれp型コンタクト層150または150Aを介し、p型導電層136との電気的接続を確立している。そして、サファイア基板110の他方の面である光取出し面102から光出力Lが放射される。
より詳細に各層の構成を説明する。バッファー層120はサファイア基板110にAlGaNの結晶をエピタキシャル成長させるために導入されており、例えば2μm程度の厚みに作製される。つまり、サファイア基板110に良質なAlGaN層の結晶を形成し内部発光効率ηIQEを高めるという結晶成長上の要請を満たすために、バッファー層120が採用されている。本実施形態のLED素子100Aでのバッファー層120はこれと同様のものとすることができる。
紫外発光層130についてn型導電層132は、例えばn型になるようSiがドーピングされたAl0.60Ga0.40Nの層、つまりAl0.60Ga0.40N;Si層である。再結合層134は、Al0.60Ga0.40NとAl0.53Ga0.47Nの組成の薄膜を超格子構造となるように積層したMQW(多重量子井戸)積層体であり、再結合層134における量子井戸の数は例えば3程度とする。p型導電層136は、AlGaN;Mg層、つまりp型となるようにMgをドープしたAlGaNの層である。本実施形態のLED素子100Aでは、p型導電層136に任意選択として電子ブロック層138が設けられていてもよい。その場合の電子ブロック層138は例えばMQBにより構成される。
従来のLED素子100では、p型コンタクト層150は、たとえばマグネシウムをドープした窒化ガリウムであるGaN;Mg(p型GaNとも呼ぶ)という組成の層である。これに対し本実施形態のLED素子100Aに採用するp型コンタクト層150AではAlを含む材質、つまり、AlNとGaNとの混晶(AlGaN)の材質にMgをドープした材質とされる(以下この材質をp型AlGaNとも呼ぶ)。
従来のp型コンタクト層150にp型GaNが採用されたのは、第2電極との電気的接続を確立して電流注入動作を行なうためである。しかし、上述したようにGaN;Mgは放射UVを吸収するため光取り出し効率を悪化させる原因となる。これに対し本実施形態のp型コンタクト層150Aはp型AlGaNとすることにより高透過性とされ放射UVの吸収が抑制される。この場合であってもLED素子100Aが実際に動作することを本願の発明者らは確認した。この実験的確認については実施例にて詳述する。
第1電極140は、下地側からNi/Auの積層構造の金属電極である。このNiは、オーミックコンタクトを実現するためにAuとその下地の半導体層との間に挿入されている薄い、例えば25nmの厚みの層である。
従来のLED素子100の場合、反射電極160も第1電極140と同様である。それに対し、LED素子100Aにおいては、反射電極160Aのために高純度のAlやAlを主成分とする合金を採用する。本実施形態のLED素子100Aではp型コンタクト層150Aの透過率が高まっており、反射電極160Aが反射性をもてば放射UVを反射させて効率良く取り出すことができるためである。つまり反射電極160Aを、UVをサファイア基板110側に戻す反射膜としても機能させる。そのために、UVの波長域において高い反射率となるよう、反射電極160Aに金よりも高い反射率を示すAlを主成分とする金属膜を採用して反射電極として動作させる。また、この構成の反射電極160Aにおいても電気的側面から下地側に挿入金属層162となるNiを挿入する。ただしNiの場合は厚みが5nmを越すとUVに対する反射率が低くなる。したがって、本実施形態における反射電極160の挿入金属層162となるNiの厚みは5nmより薄く、好ましくは実質的厚みが1nm程度とされる。この点も実施例にて詳述する。なお、本出願の各実施形態において反射電極に採用するAlには高純度のAlのみならずAl合金を含み、両者を含む膜を、総称して「Alを主成分とする金属膜」とも呼ぶ。
実際のLED素子100および100Aの形状について補足する。これらは、バッファー層120から反射電極160または160Aまでの厚みが高々100μm、LED素子100または100Aの面内のサイズが500μm×500μm程度またはそれより大きいサイズの、概して平板状の形状である。ここで、LED素子100または100Aを構成する材質の放射UVの波長における屈折率は周囲より有意に大きい。実際、周囲の媒体(空気や真空など)や、UV透過性媒体による封止部材(採用される場合)の屈折率は、それぞれ、1および1.5程度である。これに対しLED素子100または100Aを構成する材質の屈折率は2またはそれを越える程度である。このような形状と屈折率に起因し、再結合層134において伝導キャリアの再結合の結果放出された光の大半は、導波路モードの光となる。つまり、LED素子100または100Aの平面の法線から臨界角を超えた向きに向かう光は全反射によりLED素子100または100Aから出射しない。従来のLED素子100では、この導波路モードの光は、外部に出射するまでにp型コンタクト層150に吸収されるため、光取出し面102から取り出される光出力には寄与しない。従来のLED素子100においては、再結合層134において生成された光のうち、実効的に光出力となるのは、上記一方の面104とは逆の面である光取出し面102から直接出射した光のみである。直接出射可能な立体角は全方位のうち高々8%程度であるため、残りの大半はp型コンタクト層150の吸収の影響を受ける。
これに対し本実施形態のLED素子100Aでは、再結合層134において生成され光取出し面102に向かう光に加え、p型コンタクト層150A側に向かう光でも光取出し面102から取り出される成分が多くなる。また導波路モードとなる光もp型コンタクト層150Aにより吸収されなければ挿入金属層162または反射電極160Aにより反射されて光取出し面102から取り出される。つまり、本実施形態のLED素子100Aでは、吸収の少ないp型コンタクト層150Aを採用し、第2電極のために、高い反射率を示すような反射電極160Aを挿入金属層162とともに採用することともあわせ、紫外発光層130から両面に向かう光と、導波路モードとなる光の双方を活かすことができる。これがLED素子100Aにおいて光取出し面102から出力させる光の総量を増大させ光取出し効率ηLEEが改善される理由である。
この観点から、導波路モードの光をさらに効率良く取出すための改良も本実施形態では有用となる。具体的には、本実施形態のLED素子100Aにおいては、バッファー層120にボイドを形成して放射UVを散乱させたり屈折させる等の光の方向変換作用をもたせたりすることにより、LED素子100Aにおける光取出し効率ηLEEを向上させることもできる。そのバッファー層は、一例としては、結合ピラーAlNバッファーと呼ぶ構造に作製する(図18、バッファー層120B)。この構造は、結晶成長上の要請を満たしつつ、方向変換作用を生じさせるような機能を果たす構造である。バッファー層が結合ピラーAlNバッファー等の構造、より一般にはボイドを有していても、これらが形成されないバッファー層120(図2)と比肩される程度の内部発光効率ηIQEを維持することができることを本願の発明者らが確認している。このため、伝播する光の方向を変換するボイドやピラーは、導波路モードの光取出し効率ηLEEの向上をもたらす。この点について変形例として後述する。
1−2.LED素子の製造方法
次に、本実施形態のLED素子の製造方法を説明する。図4は、本実施形態のLED素子100Aの製造方法を示すフローチャートである。本実施形態におけるLED素子100Aの製造工程は、基板準備工程S110、バッファー層成長工程S120、紫外発光層形成工程S130、p型コンタクト層形成工程S140、電極形成工程S150を含んでいる。
まず、基板準備工程S110ではサファイア基板110を準備する。サファイア基板110は、格子転位の少ない単結晶のα−Alの(0001)面配向の基板が好適である。サファイア基板110は、温度制御機能およびガス供給機能を備えたMOVPE装置の反応炉内に配置される。
次に、バッファー層成長工程S120においてバッファー層120を形成する。このバッファー層成長工程S120は、本実施形態では、一例として、核結晶形成工程S122、埋め込み工程S124、という2つの工程により実施される。核結晶形成工程S122および埋め込み工程S124においては、バッファー層120において可能な限り良質な結晶を実現するべく、本願の発明者らが開発してきた高品質な結晶成長のための手法を適用することが有利である。
具体的には、核結晶形成工程S122では、微少なAlNの結晶が形成されやすい条件にてAlNの微少な結晶を成長させる。生成された結晶核はその後の結晶成長の種結晶として機能する。この手法としては、アンモニアを時系列において間欠的に供給するMOVPE工程(「アンモニアパルスフロー成長法」と呼ぶ)が好適である。
続く埋め込み工程S124では、その結晶核の間を埋めるように下地結晶層(図示しない)を成長させる。この工程では、アンモニアパルスフロー成長法と、同時供給成長法(simultaneous supply growth)とを少なくとも一回ずつ実行することが好適である。なお、ここでのアンモニアパルスフロー成長法で採用されるのは、核結晶形成工程S122における成長条件とは異なるものであり、新たな結晶核が生成されにくい代わりに、形成済みの結晶核の結晶に対しコヒーレントに横方向(面内方向、無極性方向)に結晶成長しやすい横エンハンス成長(enhanced lateral growth)と呼ぶ条件である。また、同時供給成長法は、TMAl(tri−methyl−aluminum)とアンモニアとの両方の供給を継続しながら、主として膜厚方向に速い速度で成長させる手法である。この時点のAlNが、後の結晶品質に影響するようである。そこで、本実施形態では、たとえば上述したアンモニアパルスフロー成長法と、同時供給成長法とを交互に複数回繰り返すこと(アンモニアパルスフロー多段成長法)が好適である。このような繰り返しにより、膜厚方向に延びる貫通転位は減少する。具体的な成長工程では、MOVPE法による結晶成長の条件が精密に制御される。その結晶成長条件のうち本願の発明者らがとりわけ重要と考える条件は、原料ガスのうちV族元素のためのガス(アンモニア)とIII族元素のためのガス(TMAl)の供給比率である。
発光層形成工程S130では、バッファー層120の結晶格子をテンプレートとして、その表面にAlGa1−xN(xは、0<x≦1のいずれかの値)の組成が主成分の紫外発光層130が形成される。紫外発光層130は、図1に示したものと同様に、n型導電層132、再結合層134、p型導電層136をこの順にバッファー層120から積層した積層体である。n型導電層132、再結合層134、およびp型導電層136を形成するためには、原料ガスとしてTMAlガス、アンモニアガスのほか、原料ガスとしてSiのためにTESi(tetraethyl silane)や、GaのためにTMGa(tri−methyl−gallium)またはTEGa(tri−ethyl−gallium)、また、MgのためにCpMg(bis−cyclopentadienyl magnesium)等の種々のガスを採用することができる。p型導電層136に電子ブロック層を設ける場合には、その電子ブロック層の構成に合せてガス比率等を調整して成長を行なう。
さらに、p型コンタクト層形成工程S140において、電気的接続のためのp型コンタクト層150Aを形成する。この際にも、p型導電層136を作製するのと同様の原料ガスを採用することができる。なお、従来のp型コンタクト層150であればp型GaNを作製するため、p型コンタクト層形成工程S140ではTMAlガスは用いられなかった。
その後、電極形成工程S150により電極を形成する。これは、図1に示した第1電極140と第2電極を形成する工程である。たとえば、n型導電層132の表面には第1電極140が形成される。また、p型コンタクト層150Aの表面には、第2電極のために反射電極160Aが形成される。反射電極160Aを形成する前には、必要に応じ挿入金属層162も配置されることがある。
2.第1実施形態の実施例
次に、第1実施形態を実施例に基づきさらに詳細に説明する。以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容、処理手順、要素または部材の向きや具体的配置等は本発明の趣旨を逸脱しない限り適宜変更することかできる。したがって、本発明の範囲は以下の具体例に限定されるものではない。以下の説明においては、これまでに説明した図面も引き続き参照し、説明済みの要素の符号はそのまま用いる。
2−1.実施例1:p型コンタクト層150Aの動作可能性確認
本実施形態の実施例1として、まず電気的側面での動作が可能かどうか確認した。なお、実施例1は、全般において、p型コンタクト層150Aにはp型AlGaNを利用しているものの、第2電極のためには、従来と同様の反射率の低い挿入金属層162および反射電極160の構成を採用している。
図5は本実施形態のp型コンタクト層にAlGaNを採用して動作させた実施例(実施例1)において、p型コンタクト層のAlN混晶組成比を変更したサンプルの電流密度に対する外部量子効率ηEQEの依存性を示すグラフである。測定は室温下の連続発光にて行なった。以下、実施例のために作製したサンプルを実施例サンプルE1等と呼び、比較例のために作製したサンプルを比較例サンプルC1と呼ぶ。各サンプルの作製条件を表1に抜粋して示す。なお、p型導電層136は、MQBの電子ブロック層138のみで構成した。
Figure 2015216352
各サンプルでは、上述した製造方法に従いLED素子を作製した。実施例1では、比較例サンプルC1、および実施例サンプルE1〜E3を作製した。これらサンプルは、いずれも発光波長(放射UVの主要波長)が265nmとなるように作製し、p型導電層136には多重量子障壁(MQB)の電子ブロック層138を設けた。また、いずれも第2電極となる挿入金属層162および反射電極160は、従来と同様のNi/Auとした(上述)。各サンプルではp型コンタクト層のみを作り分けた。具体的には、比較例サンプルC1では、従来のp型コンタクト層150にp型GaNを採用した。p型GaNではAlN混晶組成比は0%である。これに対し実施例サンプルE1〜E3では、p型コンタクト層150Aにp型AlGaNを採用した。AlN混晶組成比は、順に、47%、56%、および60%である。各p型コンタクト層と同様の組成および同様の成膜条件によって、厚い膜を成膜して室温でのフォトルミネッセンスを測定して求めた組成波長も表1に併記している。また、これらサンプルの電流密度に対する外部量子効率ηEQEの測定値が図5のグラフに明示されている。
図5に示されるように、実施例サンプルE1〜3がLED素子として十分に動作することが確認された。比較例サンプルC1および実施例サンプルE1〜E3の傾向は、電気的側面において比較例サンプルC1が最も優位であり、AlN混晶組成比が増加する実施例サンプルE1、E2、E3の順に劣ってゆく結果となった。すなわち比較例サンプルC1が最も高い外部量子効率ηEQEを示した。ただし、重要なことは、実施例サンプルE1、E2、およびE3のいずれのLED素子も、動作に支障がない点である。
次に、殺菌用途の波長(260〜280nm)の範囲でわずかに長波長側に波長をシフトさせた発光波長277nmであるLED素子を対象として同種の傾向を調べた。図6は、本実施形態において、p型コンタクト層にAlGaNを採用し、p型コンタクト層のAlN混晶組成比を精密に変更した実施例の電流密度に対する外部量子効率ηEQEの依存性を示すグラフである。図5と図6では、p型コンタクト層の組成波長が、発光波長よりも長いもの(図5)と、短いもの(図6)という違いがある。つまり、実施例サンプルE4およびE5は、p型コンタクト層150AのAlN混晶組成比xを、組成波長が発光波長よりも短くなる範囲で変化させたサンプルである。これらのサンプルの条件も表1に記載している。測定は図5と同様に室温下の連続発光にて行なった。AlN混晶組成比xが60%および63%の実施例サンプルE4およびE5それぞれのp型コンタクト層150Aを対象に組成波長を求めたところ、それぞれ、270および265nmであった。
発光波長よりも短い波長をp型コンタクト層150Aの組成波長としている実施例サンプルE4およびE5のLED素子は、ともに支障なく動作した。本願発明者が知る限り、AlN混晶組成比xが60%および63%もの高いp型コンタクト層150AのAlN混晶組成比xの値で実際に動作が確認されたDUVのLED素子は報告されていない。また、約3%の外部量子効率ηEQEは、発光波長277nmのLED素子としてみても十分に高いといえる。なお、これらのサンプルでも、同一の放射UVの波長に対し、AlN混晶組成比xが増すと、外部量子効率ηEQEが低下する関係は確認された。
実施例サンプルE4およびE5のp型コンタクト層150Aは、両者とも277nmの波長に対しては一定程度の透過性を示すものの、AlN混晶組成比xが増すに従い(組成波長が短くなるに従い)透過率が高くなることが期待される。ただし、AlN混晶組成比xを過度に増大させても、必ずしも良好な結果とはならない。AlN混晶組成比xを増大させることによる電気的接続に関する弊害、具体的には、p型コンタクト層150Aのホール濃度の不足が、問題となり始める。つまり、p型コンタクト層150AのAlN混晶組成比xは、放射UVの波長に応じ適切に調整されるべきといえる。注目すべきは、挿入金属層162および反射電極160が反射の期待できないNi/Au構成であるにもかかわらず図6のような十分な動作可能性が確認されたことである。p型コンタクト層の電気的側面の問題は、対処可能であるといえる。
以上のように、Alを組成に含むp型コンタクト層150Aを利用しても動作が十分可能であることを確認した。またその際の発光波長と、組成波長で規定されるp型コンタクト層150AのAl組成との関係についても知見を得た。
2−2.実施例2:p型コンタクト層150Aの透過特性
次に、実施例2として、p型コンタクト層150Aに採用する材質の光学的特性を確認するために、p型コンタクト層150Aのための材質の透過率を測定した。図7はp型コンタクト層150Aと同一の膜の透過スペクトルを実測したグラフである。測定サンプルの膜は、エピタキシャル成長のためのAlNバッファー層が形成されたサファイア基板の当該バッファー層に対し、AlN混晶組成比xを0.6(60%、組成波長270nm)とするp型コンタクト層150Aのための成膜条件でAlGaNを形成したものである。透過率測定用のサンプルでは、測定の精度を高めるため、AlGaNの厚みをp型コンタクト層150Aに実際に採用する厚みの2倍とした。また、界面反射の影響を含まない内部透過率の値を算出するため、反射率も同時に測定した。その結果、透過率測定用のサンプルでは、AlN混晶組成比xが0.6の場合(組成波長が270nmとなる組成の場合)、279nmで94%もの高い透過率となることを確認した。厚みが2倍の膜に対するこの値は、AlN混晶組成比xが0.6の場合のp型コンタクト層150Aの内部透過率が279nmで97%であることに相当する。なお、279nmの放射UVの波長は別の実施例にて示すように実現可能である。また、0.6というAlN混晶組成比xは、実施例1にて説明したように、電気的側面での動作に支障を生じない値である。このように、p型コンタクト層150Aの内部透過率として、放射UVの波長において90%を超え、また、95%をも上回る高い値を確認した。また、測定値は示さないが、AlN混晶組成比x(組成波長)を変更することにより、透過率が急激に低下する波長(吸収端)がシフトすることを確認した。
次に、発光波長とそれに適するp型コンタクト層150AのAlN混晶組成比との関係を明らかにした。上述したように、電気的側面からAlN混晶組成比は可能な限り小さな値が望ましい。その一方、透過率の高いp型コンタクト層150Aを実現するためにAlN混晶組成比には下限値が存在する。本願の発明者らは、AlN混晶組成比として好ましい値の範囲をLEDの発光波長と対応付けることとした。図8は、本実施形態に採用するp型コンタクト層のためのAlN混晶組成比の発光波長に対する依存性を示す説明図である。
本願のLED素子の典型的な用途の1つとして想定できる殺菌用途では、LEDの発光波長は260nm〜280nmであることが好ましい。260nmおよび280nmの発光波長のLEDそれぞれにおいて、p型コンタクト層150Aに採用するAlGaNのAlN混晶組成比を、それぞれ70%以上、および58%以上とすることが好ましい。ただし、この思想は260nm〜280nm以外の発光波長のLEDに対しても適用することができ、そのことを示すのが図8である。具体的には、AlN混晶組成比xが、発光波長(放射UVの主要波長)の値をW(nm)として、
min=−0.0060W+2.26
により求まる下限値xmin以上の値にされていると好ましい。図8でハッチングされた領域のAlN混晶組成比xを各波長で採用することが好ましく、上式のxminは直線で示されている。
2−3.実施例3:第2電極の反射特性
次に実施例3として、第2電極による反射の増強を試みた。図9は、挿入金属層と第2電極のための各種の金属膜についての反射スペクトルである。測定は、p型コンタクト層150Aに形成された第2電極のp型コンタクト層150A側での入射および反射のための測定値を得るため、サファイア基板に金属膜を形成し、サファイア基板側から金属膜に入射した光に対する反射スペクトルを測定した。サファイア基板にAl膜のみを十分な厚みで形成した場合には、例えば270nmで91%程度の反射率が測定された。これに対し従来の挿入金属層162および反射電極160として採用されてきたNi(25nm)/Au(150nm)では、270nmにおいて30%程度の反射率であった。なお、Ni(25nm)/Au(150nm)は、まず挿入金属層としてNiを25nm厚だけ形成し、そのNi層に接してAuを150nm厚に形成した金属膜である。つまり、従来の反射電極160には改善の余地がある。本願の発明者らは、Alの高い反射率を可能な限り維持しつつ、挿入金属層として用いるNiの効果を検討した。
まずNiを5nmとし、そこに100nmのAlを被覆したところ、270nmにて約34%となり、Ni/Auと大差の無い反射率に留まった。この問題がNiの低い反射率に起因すると推測しNiを薄く1nm厚としたところ、100nmのAlと組み合わせて約64%もの反射率が得られた。Alの厚みをこれ以上増加させても実質的に変化はなかった。逆にアルミニウムを薄く、例えば50nmとした場合、反射率が47%程度にまで低下した。これより、挿入金属層162であるニッケルは実質的に厚みが1nm程度となるようにして反射電極160AにAlを採用すれば、良好な反射率が実現することを確認した。反射電極160AのAlは厚く形成することが電気的側面からも反射率からも有利である。
図9のグラフは反射率を測定するためのサンプルのものであるが、本願の発明者らは実際のLED素子でも同様の傾向が成り立つものと考えている。つまり、実際のLED素子においても、Ni/Auの構成の第2電極は10〜30%程度の低い反射率となり、Ni/Alの構成にすると64%程度は確保できるものと考えている。さらにPd、Pt、Ag、Tiなどのコンタクト金属の選択と、その膜厚の制御を行うことにより、70%以上の高い反射率も期待できる。
2−4.実施例4:LED素子100Aでの実証
次に実施例4として、透過率を高めたp型コンタクト層150Aと反射率が高められた第2電極とを組み合わせたLED素子100Aの実用性を実証した。具体的にはLED素子100Aにおいて、光取出し効率ηLEEが実際に高まること、および外部量子効率ηEQEが高まることを確認した。なお、実施例4のLED素子100Aのサンプルではこれまでの実施例サンプルにおいてMQBの最適化を図った。これは、p型コンタクト層150Aにおいて透過率を高めること、すなわちAlN混晶組成比xが高められることに伴い、ホール濃度が不足して電子のリーク(オーバーフロー)が生じやすくなり、電子注入効率ηEIEの低下が懸念されるため、および本実施形態のLED素子100Aのもつ可能性を引き出すためである。最適化の具体的内容は、p型導電層136に配置するMQBのバリア高を増大させて電子ブロック効果を増強した。透過率を高めたp型コンタクト層150Aは、たとえそれによる電子注入効率ηEIEの低下という電気的側面での不利が生じても、MQB等の電子ブロック層により対処可能である。
図10は本実施例において第2電極のみを相異させて特性が向上した様子を示す実測のグラフである。また図11には、第2電極を高い反射率のものに変更した際に外部量子効率ηEQEが変化する様子を示す。具体的には図11(a)は変化を算出する比較対象サンプルの様子を模式的に示す説明図、図11(b)はそのグラフである。各サンプルの条件は表1に記載している。本願の発明者らは、透過率を高めたp型コンタクト層150Aと反射率が高められた第2電極との組合せによって光取出し効率ηLEEが高まることを実証するため、図11(a)に模式的に示すように、第2電極の構成のみを変更したサンプルを作製し変更の前後で光取出し効率ηLEEの変化を調べた。
具体的には、第2電極がNi/Auであるもの(実施例サンプルE6)とNi/Alであるもの(実施例サンプルE7)を対象に電流密度と外部量子効率ηEQEの関係を調べた(図10)。これらのサンプルは、ともに、発光波長が279nmとなるように紫外発光層130を作製し、組成波長が270nmであるp型コンタクト層150A(AlN混晶組成比xが60%)を採用したものであり、室温の連続動作により測定を行なっている。図10に示すように、第2電極をNi/Au(E6)からNi/Al(E7)にすることにより、外部量子効率ηEQEの最大値が、4.1%から7.0%へと、約1.67倍になることが確認できた。
このことは、直接的には二つの点で重要である。まず、殺菌用途の波長である発光波長279nmに対して、実際に7.0%もの外部量子効率ηEQEが実現している点で重要である。もう一つは、LED素子100とLED素子100Aとを対比することにより、第2電極の反射率の違いが、p型コンタクト層150Aの透過率の高さのために実際のLED素子に反映されたことを実際に確認できた点で重要である。本実施例により、透過性を高めるために60%のAlN混晶組成比としたp型コンタクト層150Aにおいて、反射率を高めた第2電極を組み合わせて、光取出し効率ηLEEが増大することが現実に確認された。
図10の結果は、さらにLED素子の動作におけるp型コンタクト層150Aの組成と発光波長の詳細な関係を示唆している点でも重要である。図10からは、発光波長279nmに対して組成波長が270nm(AlN混晶組成比xが60%)のAlGaNのp型コンタクト層150Aが高い透過率を有していること、および、第2電極の高い反射率が実際にも実現していることを示している。ここで図7に関連して説明したように、p型コンタクト層150Aの透過率スペクトルはそのAlN混晶組成比x(組成波長)に依存する。このため、第2電極の反射率による外部量子効率ηEQEの改善効果がp型コンタクト層150Aの組成と発光波長との組合せに依存する。この点に着目し、図10のために採用した発光波長(279nm)以外波長に対しても、第2電極の反射率による外部量子効率ηEQEの改善効果を調査したものが図11(b)である。この改善効果を示す値を「光取り出し比(LEE Enhancement Factor)」と呼ぶ。光取り出し比は、反射率が高められた第2電極(Ni/Al、Niを1nmとしたもの)の場合の外部量子効率ηEQEを、第2電極が反射率の低い従来のもの(Ni/Au)である場合の外部量子効率ηEQEで除した値である。ここでの調査対象のサンプルは、p型コンタクト層150Aの材質を固定し(組成波長270nm、AlN混晶組成比xが60%)、発光波長が異なるサンプルを作製した。図11(b)にその結果を示す。図11(b)には、6波長の発光波長(279、277、275、273、271、および265nm)に対する光取り出し比を示した。なお、発光波長279nmの値は図10と同一の実施例サンプルE6およびE7の組合せから得られたものである。
図11(b)に示すように、p型コンタクト層150Aの組成波長(270nm)を境に、発光波長が短波長である構成では光取り出し比が1.3〜1.4程度の値であった。これに対し発光波長が組成波長より長波長となると光取り出し比が増加し、最大1.7程度の光取り出し比となった。
この結果は、第2電極の反射率の外部量子効率ηEQEに対する寄与が、p型コンタクト層150Aの透過率が低ければ小さく、逆に透過率が高ければ大きくなる、という理解を支持している。特に、図7に示した透過スペクトルを当てはめて考えればこの点は理解が容易となる。つまり、第2電極の金属膜の反射スペクトルが図9に示されたように波長に対し緩慢な変化しか示さないのに対し、p型コンタクト層150Aの透過スペクトルが図7に示されたように波長に対し急峻に変化している。図11(b)に示したように、光取り出し比の発光波長依存性も組成波長付近を境に急峻に変化しており、p型コンタクト層150Aの透過率が光取出し効率ηLEEに大きな寄与を持つことを示している。このように、透過率を高めたp型コンタクト層150Aが光取出し効率ηLEEの向上に大きく寄与することを確認した。
また、p型コンタクト層150Aの材質を固定して発光波長を変更することによる確認も実施した。図12は、共通する組成のp型コンタクト層に対して異なる発光波長の紫外発光層を採用した場合の実測の特性を示すグラフである。図12(a)は電流密度に対する外部量子効率ηEQEの依存性を示し、図12(b)は、ほぼ最大の外部量子効率ηEQEが得られた20mA/cmの電流密度の際の発光スペクトルを示す。具体的には、図12は、第2電極にNi/Alを採用し発光波長を279nmとした実施例サンプルE7に加え、図11のために発光波長を277、275nmとしたサンプル(実施例サンプルE8およびE9)も加えて外部量子効率ηEQEの電流密度依存性を示す。確認されたことは、一つには、p型コンタクト層150Aの組成波長(これらのサンプルについて、すべて270nm)を固定し発光波長を変化させても、当該組成波長に比べて長い波長の発光波長に対しては、高い外部量子効率ηEQEが得られることである。この点が、実際の外部量子効率ηEQEの値により確認された。もう一つ確認されたことは数量的な関係である。組成波長(270nm)に比べ、5nm長い発光波長の場合(実施例サンプルE9)に比べ、7nm長い発光波長(E8)では外部量子効率ηEQEの最大値が大幅に高まること、および、9nm長い発光波長(E7)では外部量子効率ηEQEの最大値がさらに高まることも確認した。発光波長から組成波長を減算した値は7nm程度とすることが好ましく、当該値を9nm程度とすることはさらに好ましい。
2−5.実施例5:短波長化の例
本願の発明者らは、260〜280nm波長域のうち、上述したものよりも一層短い波長での動作を確認するため、260nm付近での発光素子を作製した。具体的には、LED素子100Aの実施例サンプルE10およびE11を表2に示す条件により作製した。
Figure 2015216352
すなわち、実施例サンプルE9までのLED素子100Aとは異なり、実施例サンプルE10およびE11では、発光波長を260nmとし、それに応じて、p型コンタクト層150AのAlN混晶組成比xを70%と増大させた。発光波長260nmとAlN混晶組成比xが70%(0.7)という関係は、図8に示した発光波長260nmに対するAlN混晶組成比xの好ましい値の最小値xminに対応する。
実施例サンプルE10およびE11では、p型コンタクト層150Aは厚みを100nmとなるように形成し、p型伝導のためのドーピングはMgのドーパント濃度が5×1019cm−3程度となるように調整した。こうして作製されたp型コンタクト層150Aの透過率を図7と同様に測定したところ、図7の吸収スペクトルを約30nm短波長方向へシフトした特性となり、250nmより長波長側では吸収は生じなかった。その際の組成波長は約240nmである。第2電極は、実施例サンプルE10についてNi/Au、実施例サンプルE11についてNi/Alとした。発光波長である260nmにおける各電極の反射率を図9と同様に測定したところ、Ni/Auについて25%、Ni/Alについて70%であった。
実施例サンプルE10およびE11を動作させて得た実測の特性を図13に示す。図13(a)は電流密度に対する外部量子効率ηEQEの依存性、図13(b)は最大の外部量子効率ηEQEが得られたときの発光スペクトルである。各サンプルの外部量子効率(最大値)は、第2電極をNi/Auとした実施例サンプルE10では約2%となり、Ni/Alとした実施例サンプルE11では約3.2%を超えた。このように、本実施形態において、260nmの発光波長に合せた設計をしても、良好な動作が実現することが確認された。なお、260nmの発光波長で3%を超す外部量子効率で動作する紫外発光ダイオードは、これまで報告されていないようである。
3.第2実施形態
次に本願の発明者等は、第1実施形態におけるLED素子100Aのために図9にて上述した第2電極の構成のうち、最も反射率が高いAl単層膜に着目した。この高い反射率を活かすには、第2電極をAl単層膜の反射電極160Aとし、そのAl単層膜をp型コンタクト層150Aに直に接する配置が有利である。他方、オーミックコンタクトの条件を成立させるためには、p型コンタクト層150Aに直に接する位置にはNiなどの挿入金属層162を配置しなくてはならない。これら光学的側面と電気的側面とを考慮し、本願の発明者らは、パターン化された挿入金属層を採用することとした。この形態を本願の第2実施形態として説明する。
図14は、本実施形態においてLED素子の光取り出し効率を向上させる概念を示す説明図である。図14(a)および(b)は、パターン化された挿入金属層162Bおよび162CにAlの反射電極160Bおよび160Cを組み合わせた第2電極を使用するLED素子100Bおよび100Cの構造を模式的に示す。LED素子100B(図14(a))のp型コンタクト層150Bは、p型コンタクト層150A(図2、図3)と同様に一様な組成の単層膜のp型AlGaNとされ、放射UVの吸収が抑制された高透過性を示す。これに対し、図14(b)は、多層構造のp型コンタクト層150Cを使用するLED素子100Cのものであり、p型コンタクト層150Cは、高透過性のみならず、図の黒塗り矢印により示すように、ホール流(hole current)を拡散させている。LED素子100BとLED素子100Cの反射電極および挿入電極層の構成は同一とすることができる。さらに、LED素子100B、100Cのいずれも、p型導電層136にMQBの電子ブロック層138が設けられていている。LED素子100B、100Cの他の要素の構成、例えば紫外発光層130の構成や、バッファー層120はLED素子100Aと同様である。
パターン化された挿入金属層162Bおよび162Cに、Alの反射電極160Bおよび160Cを組み合わせた第2電極の構成および作用についてLED素子100Bを例に説明する。図15は、挿入金属層162Bのパターンの一例を示す平面図であり、図14における紙面の上方から観察する向きで描いたものである。なお、図15では、LED素子100Cの場合の符号も同様に併記している。挿入金属層162Bはp型コンタクト層150Bの一部のみを覆うようにパターン化して配置される。挿入金属層162Bは、典型例において、個別には微小なサイズのドットパターンにされ、ドットパターンのなす配列は二次元の正方格子とされる(図15、拡大図)。挿入金属層162Bはここに示したもの以外にも、二次元の三角格子の配列をなすようにパターニングされたり、細線のストライプパターンに配列されたり、細線のストライプを交差させたグリッド状に配列されるなど、種々のパターンを持つように形成することができる。また、挿入金属層162Bは、規則的パターン配列のみならず、ランダムに分散されたドットなど不規則な配列とすることもできる。図14に示したように、反射電極160Bは、典型的には主成分がAlであり、挿入金属層162Bが存在しない位置においてp型コンタクト層150Bに直に接し、挿入金属層162Bが存在する位置においてその挿入金属層162Bを介しp型コンタクト層150Bに電気的に接続している。
挿入金属層162Bのパターニング工程は任意の手法により実行することができる。例えば、リフトオフやマスクデポを採用することができる。リフトオフでは、p型コンタクト層150Bの表面が最表面となっている段階で、まず、開口を設けたパターンのレジスト膜を形成する。次に、挿入金属層162Bのための単層または複層の金属層を成膜する。そしてレジスト膜ごとその上の金属膜を除去する。これにより、開口のパターンの挿入金属層162Bをパターニングすることができる。マスクデポでは、例えばp型コンタクト層150Bの表面が最表面となっている段階で、開口部を持つある厚みの金属板をマスクとして、当該マスク越しに挿入金属層162Bのための単層または複層の金属層を成膜する。これにより、マスクの開口部に応じて挿入金属層162Bをパターニングすることができる。
反射電極160Bおよび挿入金属層162Bの作用は、挿入金属層162Bを介している領域では、挿入金属層162Bとp型コンタクト層150Bとの間において電気的接続をオーミックコンタクトに近づけて良好とする作用である。これに対し、反射電極160Bの下方の界面のうちの挿入金属層162Bを介さずp型コンタクト層150Bに直に接する領域R(図14)では、反射電極160Bに直接入射して反射する放射UVに対し高い反射率をもたらす。LED素子100Bでは、領域Rの面積比を高めることにより、反射電極による反射率を実質的に高めることができる。この点において、LED素子100Bは、反射電極160、160Aに挿入金属層162を組み合わせたLED素子100、100A(図2、図3)からみて、光取り出し効率の点では相対的に有利である。
説明のための例示として、具体的サイズを説明する。挿入金属層162Bは、典型的には、例えば5μm角の正方形となるようパターニングされたものであり、各ドットは15μmピッチの二次元正方格子の配列パターンをなすように配置される。この場合、反射電極160Bがp型コンタクト層150Bに直に接するような領域Rの面積比は約89%となる。これらのドットのサイズ、ピッチの値は、挿入金属層162Bの配列と同様に、適宜に設定することができる。
このように、図14、図15に示した構造のLED素子100Bにおいては、反射電極160BのAlによる高い反射率を活かしつつ、挿入金属層162Bによる良好な電気的接続を実現することが可能となる。
図14では挿入金属層162B自体をNi/Auの複層に構成するものを示しており、p型コンタクト層150BとNi膜との界面においてオーミックコンタクトが確立される。このため、LED素子100Bに採用されるパターン化された挿入金属層162Bは、p型コンタクト層150Bに直に接する厚み方向の位置にオーミックコンタクトに適する金属の膜を有している限り、それ自体が単層であっても、また他種の金属を積層した複層のものであっても構わない。オーミックコンタクトに適する金属の典型例がNiである。ここに説明した反射電極および挿入金属層を組み合わせた第2電極の構成や作用はLED素子100C(図14(b))でも同様である。
次に、実際の動作において反射電極160Bの高い反射率を一層活かすことができる追加の工夫について説明する。LED素子100Bではp型コンタクト層150Bの透過率を高めるためAlN混晶組成比を高く設定するとともに、パターン化された挿入金属層162Bを採用している。しかし、LED素子100Bの発光波長の設定によってはAlN混晶組成比を大きくせざるを得ず、p型コンタクト層150Bの導電性が小さくなる場合もある。導電性が低く体積抵抗率が大きいp型コンタクト層150Bでは、図14に示すように、p型コンタクト層150B中でのホール流が挿入金属層162Bそれぞれの直下またはその近傍の狭い部分に集中する。再結合層134における電子とホールの再結合も挿入金属層162Bそれぞれの直下およびその近傍の制限された範囲に集中することから、反射電極160Bとp型コンタクト層150Bが直に接する領域Rでは発光が生じにくい。
ここで、挿入金属層162Bのために過度に微細なパターンは実用上の観点から採用が難しい。また、p型コンタクト層150Bの厚みは100nm前後の厚みとなるように作製される。これらの理由から、反射電極160Bとp型コンタクト層150Bが直に接する領域Rの面積比を大きく保ちつつ挿入金属層162Bのパターン同士の間隔を縮小するにも限界がある。図14は、紙面上の上下方向が左右方向に比べ拡大されていることに注意されたい。この限界から、領域Rに適合する紫外発光層130の範囲で再結合の頻度を高くし放射UVを強く放出させることは難しく、挿入金属層162Bの吸収が挿入金属層162Bの縮小された面積比よりも大きな影響を及ぼし続ける。領域Rの高い反射率を活かすためには、電気的側面で改善の余地がある。
そこで、本願の発明者らは、図14(b)に示したLED素子100Cにおいて、p型コンタクト層150Cのために多層構造を採用することとした。p型コンタクト層150Cは、AlN混晶組成比が交互に増減するようにされたp型AlGaNの積層体である。p型コンタクト層150Cにおける電荷(ホール)も、p型コンタクト層150B(図14(a))と同様に、主として厚み方向にp型コンタクト層150Cを伝播する。ところが、p型コンタクト層150CにおいてAlN混晶組成比が互いに異なる多数の層を横切るホールの流れはp型コンタクト層150Bの場合よりも広がる。すなわち、ホール流は、p型コンタクト層150Bの場合には膜厚方向にほぼ直進し挿入金属層162Bの直下に制限されて流れるのに対し、多層構造のp型コンタクト層150Cの場合には、膜厚方向のみならず面内方向に拡散されながら流れる。この結果、多層構造のp型コンタクト層150Cの場合ではホール流の集中が緩和されて再結合層134での再結合頻度の空間分布が均される。このホール流の拡散は、反射電極160Cによる高い反射率が得られる範囲における発光量を増大させる(図14(b))。こうして反射電極160Cがp型コンタクト層150Cに直に接するような領域Rの高い反射率が一層効果的に活かされる。なお、ホール流が拡散する理由は、多層構造のp型コンタクト層150Cでは、ホール濃度も層状に変調され、その結果生じたAlN混晶組成比が小さくホール濃度が高い層が相対的に示す高い伝導度のために、層の広がりの向きにホールが広がるものと考えている。
4.第2実施形態の実施例
第2実施形態の上述した着想を実施例に基づきさらに詳細に説明する。
4−1.実施例6
まず本実施形態の着想の有効性を確認した実施例(実施例6)を説明する。図16は、実施例6において作製したサンプルの構造を示す断面図であり、図16(a)および(b)は、LED素子100Bおよび100Cそれぞれのための実施例サンプルE12およびE13を示す。各サンプルでは一片の素子のために2種の第2電極を形成した。各サンプルは、実施例4と同様に光取り出し比を評価するための2種の第2電極の特性の比較対照を容易にし、第2電極の構成以外の他の条件の影響を可能な限り排除して評価ができるように準備したものである。各サンプルの2種の第2電極は、一方がNi(5nm)/Au(100nm)の構成を持つものであり、他方がドットパターン(5μm角、ピッチ15μmの二次元正方格子)のNi(5nm)/Au(100nm)とした挿入金属層162Bおよび162Cを、さらにAl(100nm)の反射電極160Bおよび160Cにより覆うものである。
LED素子100Bおよび100Cのための実施例サンプルE12およびE13の具体的作製条件は次の通りとした。実施例サンプルE12、E13のLED素子100B、100Cは、いずれも、c面サファイア基板にMOCVD法により作製された。実施例サンプルE12およびE13ともに発光波長を280nmとし、バッファー層120、n型導電層132、再結合層134、p型導電層136は図3を参照して説明したものと同様とした。実施例サンプルE12のp型コンタクト層150Bは、Al0.66Ga0.34Nの組成の単層膜のp型AlGaN(「バルクp型AlGaN」)で厚みを100nmとした。これに対し、実施例サンプルE13のp型コンタクト層150Cは、AlN混晶組成比の異なるAl0.73Ga0.27NとAl0.66Ga0.34Nの組成の層を交互に積層する多層構造となるようにした。この組成は、平均したAlN混晶組成比がp型コンタクト層150Bと一致するようにしたものである。ただし、p型コンタクト層150Cにおいて、多層構造の繰り返し周期と、AlN混晶組成比の変動幅(差分)は独立して最適化した。実施例サンプルE13のp型コンタクト層150Cには、試行した条件のうちで最良の結果のもの、すなわち、積層される層の繰り返し周期が20nm、全体の厚みが90nm(4.5周期分形成したもの)を採用した。このp型コンタクト層150Cには、Al0.73Ga0.27Nが5層、Al0.66Ga0.34Nが4層含まれており、各層の厚みは10nmである。その後、各サンプルに図16の2種の第2電極を形成した。いずれの第2電極も平面形状は0.4mm×0.4mmの正方形とした。
図17は、本実施例における実施例サンプルE12およびE13の電流値に対する外部量子効率ηEQEの依存性を示すグラフである。図17(a)および(b)はそれぞれ実施例サンプルE12およびE13のグラフであり、各グラフには2つの第2電極構成での特性を明示している。バルクp型AlGaNをp型コンタクト層150Bに採用した実施例サンプルE12は、Ni/Au電極である第2電極の部分と、パターン化された挿入金属層162Bに高い反射率を示すAlを組み合せた第2電極の部分との間において外部量子効率ηEQEの最大値に実質的違いがみられず、両者の外部量子効率ηEQEの最大値の比率である光取り出し比の値はほぼ1であった(図17(a))。これに対し、多層構造のp型AlGaNをp型コンタクト層150Cに採用した実施例サンプルE13における外部量子効率ηEQEの最大値は、パターン化された挿入金属層162Bの第2電極の部分でNi/Au電極の部分より有意に向上し、光取り出し比の値が1.5〜1.6倍程度となった(図17(b))。実施例サンプルE12とE13から得られた実験結果は、p型コンタクト層150Cを多層構造のp型AlGaNとすることによりホールが拡散してホール流の集中が緩和されるとする仮説をサポートするものといえる。さらに、ホール流の拡散によりAlの高い反射率を活かして光取り出し効率を増大させる、という本実施形態の着想の実現性が実証された。
5.変形例
上述した本発明の各実施形態は、種々の変形を伴う形態により実施することも好ましい。特に、p型コンタクト層150A、150B、150Cのいずれかにより透過率が高まり、第2電極160A、160B、160Cのいずれかにより反射率が高まれば、導波路モードによってLED素子100A、100B、100Cの内部を伝播する光を外部に取り出すための各種の方策がいずれも効果的に作用することとなる。また、電気的側面での対策も変形が可能である。
5−1.変形例1:ボイドを持つAlNバッファー層
変形例の1つがバッファー層にボイド(空隙)を設けることである。ボイドは、屈折・散乱など現象を引き起こし、伝播する光の方向を変化させる方向変換作用を発揮する。図18は第1実施形態のある変形例において得られるLED素子の構成を示す断面図であり、ボイドVが形成される変形例である。ボイドVは、バッファー層120Bの結晶成長工程において形成される。その形成のための典型的な手法において、サファイア基板110Aの表面にパターニングにより高低差が付けられている。バッファー層120Bを形成する際に、サファイア基板110Aの高いところ(凸部)において結晶成長速度が速く、低いところ(凹部)において遅くなる。この現象を利用すれば、バッファー層120Bを成長させる過程において位置選択的に結晶成長を促進または抑制することができる。また、バッファー層120Bの結晶成長の条件において、面内方向に成長が促進される条件を適用すれば、ボイドVを成長と共に塞ぐようにして連続した結晶となるバッファー層120Bを成膜することができる。このようにしてボイドを含むようにされたバッファー層120Bでは、LED素子100Bから放射UVが出射する際に臨界角以上に傾斜して導波路モードになって伝播する光の方向を、エネルギー損失を伴わずに変化させることができる。p型コンタクト層150Aが強い吸収を持つ場合、そこに入射した導波路モードとなった光も吸収してしまう。各実施形態のLED素子100A、100B、100Cの構成ではp型コンタクト層150A、150B、150Cによる吸収が弱いため、挿入金属層162およびいずれかの反射電極を含む第2電極の反射機能と相まって、導波路モードとなった光を再び取り出すことに寄与する。ボイドの方向変換作用は、p型コンタクト層の少ない吸収により効果的に光取出し効率ηLEEの向上に作用することができる。
ボイドの形成のためには、種々の手法を利用することができる。上述したサファイア基板110Aの表面の高低差パターンは、海島構造パターン構造の島部が高くなれば、ピラー124が形成され、ピラー124同士の間がボイドVとなる(図18)。逆に海部が高くなれば、島部に当たる穴あき部が形成できてボイドとなる。バッファー層120Bの成長の際には、結晶格子の対称性を反映した成長が行なわれるため、ピラーやボイドの平面内の断面形状には、結晶格子の対称性による辺や角が現われる。また、これ以外にも、ストライプパターンや、任意のパターンに形成することができる。さらに、サファイア基板110Aの表面における高低差のパターンによらず、結晶成長を阻害する組成の膜をパターニングして付与することによりマスクとすることもできる。
ボイドVを形成したバッファー層120Bの場合、サファイア基板110Aを除去することも好ましい。図18には、ピラー124のサファイア基板110A側に点線により、サファイア基板110Aが除去される位置を示している。サファイア基板110Aを除去してバッファー層120BのボイドVが表面に露出すると、そのボイドの構造が全反射や表面反射により内部へ戻る光の総量を減少させる。バッファー層120Bが結合ピラー状となっている場合に基板を除去すると、UVにとっては各ピラーが導波路となり、また放射UVを外部に取り出す際に各ピラー内部を通過しながら外部に放出されるため、全反射や表面反射による光が減少し、光取出し効率ηLEEが高まる。ピラー部のサイズや伝播方向によっては、後述するモスアイ構造のように外部に出射する放射UVの界面でのインピーダンスが低下することもあり得るが、全反射や表面反射による光は減少する。
5−2.変形例2:モスアイ構造
各実施形態においてp型コンタクト層の透過率を高めることは、光取出し効率ηLEEを高める別の手法と両立することもできる。光取出し効率ηLEEを高めるために、紫外発光層130から第2電極側に発せられる光や、導波路モードとなって伝播する光は、ともに最終的に外界に出射される。LED素子の第2電極とは反対側に位置する表面や、別の界面のうち屈折率ステップを伴う表面または界面のいずれかにモスアイ構造が形成されていれば、その出射の際に内部に戻る光を抑制できるため好ましい。モスアイ構造が形成される面を例示すれば、第2電極とは反対側に位置するLED素子と外界との最表面となる表面(例えば基板110の光取出し面102)、LED素子をUV透過性媒体(樹脂、ガラス質透明体など)で封止する際のLED素子とUV透過性媒体との界面である。屈折率ステップが大きくなる面のいずれかにモスアイ構造が形成されていれば好ましい。モスアイ構造は、波長を基準にしてそれより小さい面内のサイズで凹凸をもつ任意の表面形状を指しており、屈折率ステップとなる面において、その表面形状のために屈折率ステップによる反射が抑制されているようなものをいう。このような構造では、屈折率ステップのある界面において外部に出射する放射UVのインピーダンスが低下するために、表面反射が軽減される。
5−3.変形例3:電子ブロック層の構成
上述した各実施形態のさらに別の典型例として、電子ブロック層について説明する。光取出し効率ηLEEを高める各実施形態において、電子注入効率ηEIEを高めるための手法は外部量子効率ηEQEを高める点で重要である。なかでも各実施形態はp型コンタクト層150Aの透過率を高めるためにホール濃度を犠牲にすることから、そのことによる電子注入効率ηEIEの低下を補う手法が併用できるかどうかは実用性に影響する。この電子注入効率ηEIEを高める手段として既にMQBに関連して上述したように、p型導電層136に設ける電子ブロック層138は有効な手段である。
一般に、発光波長が紫外域の範囲で長波長である場合には、p型コンタクト層150Aの組成波長もそれに合せた大きい値となる。つまりp型導電層136のAlN混晶組成比xは少なくてもよい。この場合においてホール濃度の問題も深刻ではない。各実施形態の場合でも、UVでも長波長の場合には電子ブロック層は必ずしも必要ではない。短波長になるにつれて、p型導電層136やp型コンタクト層150AのAlN混晶組成比xを高めざるをえずホール濃度もその分だけ犠牲になりることから、電子注入効率ηEIEへの影響が深刻化する。これに応じ電子ブロック層138を用いる必要性が高まる。波長によっては、比較的簡素な、Al組成比の高い単層の領域設けるシングルバリア構造で十分な場合がある。極性が生じる結晶方位の場合、シングルバリア構造でも、有効な電子ブロック作用が実現する。より発光波長が短くなると、シングルバリア構造よりも高い電子ブロック作用の期待できるMQBを採用したり、その最適化を緻密に行ったりすることが適切な解決策となる。特に多重反射の効果を利用するMQBでは、p型導電層の電子ブロック層のためにAl混晶組成比の増大をわずかとすることができて電気的接続が維持され、電子注入効率ηEIEの低下を補う手法として上記各実施形態にとって好適である。なお、殺菌用途の波長範囲(260〜280nm)では、シングルバリア構造とすることも、実施例として示したようにMQBを採用することも、どちらも有用である。
重要なことは、各実施形態において光取出し効率ηLEEを高めるべく透過率を高めたp型コンタクト層のために引き起こされかねない副作用について、既に解決策が提示されており、その有効性が確認されていることである。さらに、MQBの効果を高めるにはAl組成比の高低の変化をもたらす厚み方向の周期を変化させることも有用である。この点を含むMQBの詳細は本願の発明者による特許文献2に詳述されている。
5−4.変形例4:p型層へのInの導入
各実施形態の変形例として、p型導電層136や、任意選択として設けられる電子ブロック層138、およびp型コンタクト層150Aというキャリア(ホール)濃度が低下するp型層のいずれかにインジウム(In)を導入することも有用である。p型InAlGaNにはInを導入することにより、キャリア濃度が高まることを本願の発明者らは確認している(非特許文献3)。具体的には、ドーピングレベルの低濃度(1×1018cm−3)から2%程度までの濃度範囲でInを含有させて作製したp型InAlGaNとすることが好ましい。なお、このような組成のp型コンタクト層150Aでは、組成波長がおおむねAlN混晶組成比で決まり、また組成波長より長波長の領域での透過率にもほとんど影響はない。このため、p型導電層136、電子ブロック層138、およびp型コンタクト層150Aに対し本実施形態の上記説明をほとんど変更することなく適用することができる。Inを導入するためには、トリメチルインジウムジイソプロピルアミンアダクト(TMInアダクト)等の原料ガスを適時に適量添加する。
5−5.変形例5: 紫外発光層へのInの導入
各実施形態において発光出力を向上するために、紫外発光層、特に再結合層134にもInを導入することが有用である。紫外発光層130や再結合層134のAlNとGaNとの混晶の組成にInを例えば0.3%程度混入することにより、280nm付近で発光する量子井戸の内部量子効率が増強されることを本願の発明者らは確認している(非特許文献2)。そのメカニズムについて、AlGaN中のInの組成が揺らぐこと(変調)により、キャリアの局在化が生じる結果、発光に寄与する再結合する電子とホールの比率が増加し、貫通転位の結晶欠陥で非発光で再結合することによる損失が抑制できるためと本願の発明者は考えている。この変形例においても、Inの組成比は、ドーピングレベル(1×1018cm−3)から最高で2%程度とすることが有用である。
5−6.変形例6:AlN結晶の基板
各実施形態の変形例として、上述したサファイア基板110に代え、AlN結晶の基板を採用することもできる。この変形例では、AlN結晶によるバッファー層120が省略される場合がある。紫外発光層130は、AlN結晶、またはバッファー層(利用される場合)に接して配置され、エピタキシャル成長される。AlN結晶の基板を利用する場合であっても、p型コンタクト層の透過率を高めることや、第2電極の反射率を高めることは、光取り出し効率を向上させ、外部量子効率の向上にも役立つ。サファイア基板110を採用する場合におけるすべての説明は、AlN結晶の基板を採用する変形例についても適用される。
5−8.変形例7:電気特性の改良
上述した第2実施形態におけるパターン化された挿入金属層160Cと多層構造のp型コンタクト層150Cとを採用する構成のLED素子100C(図14(b))では、さらに電気特性を改良する変形を行なうことにより実用性をさらに高められる。その変形は、パターン化したp型GaN層を、多層構造のp型コンタクト層とパターン化された挿入金属層との双方に直に接して挟まれる位置に追加することである。図19は、一例の構成のLED素子100Dにおいて、パターン化されたp型GaN層152を、パターン化された挿入金属層162DのNi層と多層構造のp型コンタクト層150Dとの間に配置する例を示す拡大断面図である。反射電極160Dは、パターン化されたp型GaN層152、挿入金属層162Dを覆い、挿入金属層162Dもp型GaN層152も介さずp型コンタクト層150Dに直に接する領域Rをさらにもつように高い反射率のAl層を形成することによって完成される。
p型GaN層152の材質は、マグネシウムをドープした窒化ガリウムであるGaN;Mg(p型GaNとも呼ぶ)の組成により構成されている。従来のLED素子100のp型コンタクト層150に関し述べたように、p型GaNの材質では光学的な吸収が問題となり得る。しかし、p型GaN層152がパターニングされ、その配置が例えば図19に示したように挿入金属層162Dのパターンと対応付けられている場合、実際上の光学的な不利は限定的なものにとどまる。なぜなら、光取り出し効率ηLEEに対しては、パターン化された挿入金属層162Dの反射の寄与はもともと小さく、それに対応付けて配置されているp型GaN層152が光を吸収しても全体の反射率の低下に影響しにくいためである。
その一方、p型GaN層152を用いることによる電気的側面での利点は大きい。パターン化された挿入金属層162DのNi層とp型コンタクト層150Dとの間の接触電位差は、これらを直接接触させた場合に比べ、p型GaN層152を間に介在させることで5V程度の低減できる。これは挿入金属層162DのNi層とp型コンタクト層150Dとの間に介在するp型GaN層152が縮退半導体層(p+層)となってオーミックコンタクトの確立に役立つためである。この接触電位差の低減は、電流を担うホール流に伴うジュール熱を低減させるため、時間あたりの出力放射エネルギーと投入電力との比によって規定される動作時の電力効率が改善され、発熱も抑制される。
上述した構成とするためのp型GaN層152のパターニングは、例えばフォトリソグラフィーによるレジストパターンを利用したエッチングをパターン化された挿入金属層162Dの形成の前に行うことにより容易に行うことができる。p型GaN層152のためのパターニングは任意のパターニング手法で行なうことができる。典型的には、フォトリソグラフィーによるレジストマスクを利用したドライエッチングが採用される。パターン化された挿入金属層162Dのためのパターニングは、パターン化された挿入金属層162C(図14(b))のためのものと同様に行なうことができる。パターン化されたp型GaN層152の平面形状は、図19に示したようにパターン化された挿入金属層162Dに一致させることもできるし、一致させることは必ずしも要さない。パターン化されたp型GaN層152は、少なくともその一部がp型コンタクト層150Dとパターン化された挿入金属層162Dとの双方に直に接して挟まれていれば、本変形例にて目的とする電気特性の改良が実現する。なお、パターン化された挿入金属層162Dは、Ni/Auの複層のものを図示しているが、挿入金属層162Cと同様にAu層は必ずしも要さず、例えば単層のNI層とすることもできる。こうしてLED素子100Dでは、領域Rの高い反射率を活かしつつ、LED素子100Cよりもさらに高い電力効率が実現される。
5−8.変形例8:電気機器への適用
各実施形態のLED素子100A〜Dにより得られる、効率が高められた紫外線の放出源は、それを用いる電気機器の有用性をも高める。このような電気機器は任意であり特段限定されない。そのような電気機器の非限定的な例を挙げれば、殺菌装置、浄水装置、化学物質の分解装置(排ガス浄化装置等を含む)、情報記録・再生装置、等が含まれている。これら電気機器を動作させる際には、効率が高い紫外線の放出源が得られれば、動作のための電力が抑制できて環境負荷が低下しランニングコストも抑制される。また、放出源の効率が高まれば、これら電気機器の構成において放出源自体の数を抑制できるばかりか、放熱構造や駆動電源の構成等も簡素化される。これらは、電気機器の小型化・軽量化に寄与し、機器価格も抑制される。
以上のように、p型コンタクト層の透過率を高める種々の変形や他の変形を本実施形態に施せば、DUVLEDの外部量子効率ηEQEを高めることにより、DUVLEDの実用性を高めることができる。
以上、本発明の実施形態を具体的に説明した。上述の各実施形態および構成例は、発明を説明するために記載されたものであり、本出願の発明の範囲は、特許請求の範囲の記載に基づいて定められるべきものである。また、各実施形態のほかの組合せを含む本発明の範囲内に存在する変形例もまた特許請求の範囲に含まれるものである。
本発明の紫外発光ダイオードは紫外線を生成する任意の電気機器に利用可能である。
100、100A〜D LED素子(深紫外LED素子)
102 光取出し面
104 基板の一方の面
110、110A 基板
120、120B バッファー層
130 紫外発光層
132 n型導電層
134 再結合層
136 p型導電層
140 第1電極
150 p型コンタクト層
150A p型コンタクト層(高透過性)
150B p型コンタクト層(バルクp型AlGaN)
150C p型コンタクト層(多層型)
152 p型GaN層(パターン化されたもの)
160 反射電極
160A 反射電極(高反射性)
160B〜D、 反射電極(高反射性、Al)
162 挿入金属層
162B〜D 挿入金属層(パターン化されたもの)

Claims (20)

  1. 単結晶のサファイアまたはAlN結晶の基板と、
    該基板に接して、または該基板上に設けられた追加のバッファー層に接して配置され、少なくともn型導電層、再結合層、およびp型導電層が該基板の側からこの順に積層して配置されているAlNとGaNの混晶の紫外発光層と、
    前記p型導電層に電気的に接続しているAlNとGaNの混晶のp型コンタクト層と、
    前記紫外発光層から発せられる紫外線である放射UVに対し反射性を示し前記p型コンタクト層に電気的に接続して配置されている反射電極と
    を備えている紫外発光ダイオード。
  2. 前記p型コンタクト層は、前記放射UVが厚み方向に一度通過する際の前記放射UVに対する透過率が90%以上である請求項1に記載の紫外発光ダイオード。
  3. 前記透過率が95%以上である請求項2に記載の紫外発光ダイオード。
  4. 前記p型導電層に電子ブロック層が配置されている請求項1〜3のいずれかに記載の紫外発光ダイオード。
  5. 前記電子ブロック層が多重量子障壁である請求項4に記載の紫外発光ダイオード。
  6. 前記p型コンタクト層の材質が、前記放射UVの主要波長に比べ短い波長を組成波長としてもつようにされている、請求項1に記載の紫外発光ダイオード。
  7. 前記p型コンタクト層の組成AlGa1−xNにおけるAlN混晶組成比xが、前記放射UVの主要波長の値をW(単位:nm)として、
    min=−0.0060W+2.26
    により求まる下限値xmin以上の値にされている、請求項1に記載の紫外発光ダイオード。
  8. 前記AlN混晶組成比xが0.7であり、
    前記放射UVの主要波長の値が260nmである、請求項7に記載の紫外発光ダイオード。
  9. 前記反射電極がAlを主成分とする金属膜であり、
    オーミックコンタクトのための挿入金属層が前記p型コンタクト層と該金属膜とによって挟まれている請求項1に記載の紫外発光ダイオード。
  10. 前記挿入金属層がNi膜であり5nmより薄くされている請求項9に記載の紫外発光ダイオード。
  11. 前記挿入金属層がNi膜であり実質的厚みが1nmである請求項9に記載の紫外発光ダイオード。
  12. 前記挿入金属層は、前記p型コンタクト層に対して一部のみ覆うようにパターン化されて配置されており、
    前記反射電極は、
    前記挿入金属層が存在しない位置において前記p型コンタクト層に直に接しており、
    前記挿入金属層が存在する位置において、前記挿入金属層と前記p型コンタクト層とが前記挿入金属層を挟んでいるものである、
    請求項9に記載の紫外発光ダイオード。
  13. 前記挿入金属層は、前記p型コンタクト層に直に接する位置にNi膜を有する単層または複層の金属膜である、請求項12に記載の紫外発光ダイオード。
  14. 前記p型コンタクト層は、AlN混晶組成比の互いに異なる層が厚み方向に積層された多層構造になっており、
    これにより、パターン化された前記挿入金属層から前記p型導電層に向かって前記p型コンタクト層を伝播する正孔が、前記基板面内の向きに拡散される、請求項12に記載の紫外発光ダイオード。
  15. パターン化されたp型GaN層をさらに備えており、
    パターン化された該p型GaN層の少なくとも一部が、多層構造の前記p型コンタクト層とパターン化されている前記挿入金属層との双方に直に接して挟まれているものである
    請求項14に記載の紫外発光ダイオード。
  16. 前記追加のバッファー層が設けられており、該バッファー層にボイドが形成されている請求項1に記載の紫外発光ダイオード。
  17. 前記基板が除去されている請求項16に記載の紫外発光ダイオード。
  18. 前記放射UVの主要波長が260nm以上280nm以下のいずれかの波長である請求項1に記載の紫外発光ダイオード。

  19. 前記p型導電層、前記p型コンタクト層のいずれかの前記AlNとGaNの混晶の材質にさらにInが含まれている請求項1に記載の紫外発光ダイオード。
  20. 請求項1〜19のいずれか1項に記載の紫外発光ダイオードを紫外線の放出源として備える電気機器。
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