JP2015119108A - 紫外線発光素子 - Google Patents
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Abstract
【課題】配光角をより狭くすることが可能な紫外線発光素子を提供する。
【解決手段】紫外線発光素子10は、サファイア基板1と、サファイア基板1の第1面上に形成されたバッファ層2と、バッファ層2上に形成された第1導電型AlGaN層3と、第1導電型AlGaN層3上に形成された発光層4と、発光層4上に形成された第2導電型AlGaN層5と、を備える。発光層4は、発光ピーク波長が250nm〜290nmの紫外波長域にある紫外線を放射するように構成されたAlGaN層41を備える。バッファ層2は、AlN層により構成される。また、紫外線発光素子10は、サファイア基板1の第2面が紫外線を出射させる光取り出し面を構成している。また、紫外線発光素子10は、紫外線に対するAlN層の屈折率が、紫外線に対する発光層4及び第1導電型AlGaN層3それぞれの屈折率よりも高い。
【選択図】図1
【解決手段】紫外線発光素子10は、サファイア基板1と、サファイア基板1の第1面上に形成されたバッファ層2と、バッファ層2上に形成された第1導電型AlGaN層3と、第1導電型AlGaN層3上に形成された発光層4と、発光層4上に形成された第2導電型AlGaN層5と、を備える。発光層4は、発光ピーク波長が250nm〜290nmの紫外波長域にある紫外線を放射するように構成されたAlGaN層41を備える。バッファ層2は、AlN層により構成される。また、紫外線発光素子10は、サファイア基板1の第2面が紫外線を出射させる光取り出し面を構成している。また、紫外線発光素子10は、紫外線に対するAlN層の屈折率が、紫外線に対する発光層4及び第1導電型AlGaN層3それぞれの屈折率よりも高い。
【選択図】図1
Description
本発明は、紫外線を放射する紫外線発光素子に関するものである。
この種の紫外線発光素子としては、例えば、240nm乃至360nmの深紫外線(deep ultraviolet)光を生成する紫外線発光素子が提案されている(特許文献1)。
また、発光装置としては、図10に示すように、LEDチップ110と、実装基板120と、リフレクタ140と、封止部150と、レンズ160と、を備えた発光装置101が提案されている(特許文献2)。
発光装置101は、所望の配光特性を得るために、リフレクタ140及びレンズ160を必要としている。
本発明は上記事由に鑑みて為されたものであり、その目的は、配光角をより狭くすることが可能な紫外線発光素子を提供することにある。
本発明の紫外線発光素子は、サファイア基板と、前記サファイア基板の第1面上に形成されたバッファ層と、前記バッファ層上に形成された第1導電型AlGaN層と、前記第1導電型AlGaN層上に形成された発光層と、前記発光層上に形成された第2導電型AlGaN層と、を備える。前記発光層は、発光ピーク波長が250nm〜290nmの紫外波長域にある紫外線を放射するように構成されたAlGaN層を備える。前記バッファ層は、AlN層により構成される。また、本発明の紫外線発光素子は、前記サファイア基板の第2面が前記紫外線を出射させる光取り出し面を構成している。また、本発明の紫外線発光素子は、前記紫外線に対する前記AlN層の屈折率が、前記紫外線に対する前記発光層及び前記第1導電型AlGaN層それぞれの屈折率よりも高い。
この紫外線発光素子において、前記AlN層は、前記紫外線に対する屈折率が2.55以上、3.0以下であるのが好ましい。
この紫外線発光素子において、前記AlN層は、前記紫外線に対する屈折率が2.6以上、2.85以下であるのが好ましい。
本発明の紫外線発光素子においては、前記AlN層の屈折率が、前記発光層及び前記第1導電型AlGaN層それぞれの屈折率よりも高いので、前記サファイア基板の前記第2面から出射される前記紫外線の配光角をより狭くすることが可能になるという効果がある。
以下では、本実施形態の紫外線発光素子10について、図1〜7に基づいて説明する。
紫外線発光素子10は、サファイア基板1と、サファイア基板1の第1面1a(図2、3参照)上に形成されたバッファ層2と、を備える。また、紫外線発光素子10は、バッファ層2上に形成された第1導電型AlGaN層3と、第1導電型AlGaN層3上に形成された発光層4と、発光層4上に形成された第2導電型AlGaN層5と、を備える。発光層4は、発光ピーク波長が250nm〜290nmの紫外波長域にある紫外線を放射するように構成されたAlGaN層41を備える。バッファ層2は、AlN層により構成される。また、紫外線発光素子10は、サファイア基板1の第2面1b(図2、3参照)が紫外線を出射させる光取り出し面を構成している。また、紫外線発光素子10は、紫外線に対するAlN層の屈折率が、紫外線に対する発光層4及び第1導電型AlGaN層3それぞれの屈折率よりも高い。よって、紫外線発光素子10は、サファイア基板1の第2面1bから出射される紫外線の配光角をより狭くすることが可能になる。サファイア基板1の第2面1bは、サファイア基板1の第1面1aとは反対側の表面である。
紫外線発光素子10は、第1導電型AlGaN層3に電気的に接続された第1電極7と、第2導電型AlGaN層5に電気的に接続された第2電極8と、を備える。
紫外線発光素子10は、第1導電型AlGaN層3が、n型AlGaN層により構成され、第2導電型AlGaN層5が、p型AlGaN層により構成されているのが、好ましい。この場合、紫外線発光素子10は、第2導電型AlGaN層上に、第2導電型コンタクト層6を備え、第2電極8が、第2導電型コンタクト層6上に形成されているのが好ましい。なお、紫外線発光素子10は、第1導電型AlGaN層3が、p型AlGaN層により構成され、第2導電型AlGaN層5が、n型AlGaN層により構成されていてもよい。
紫外線発光素子10は、サファイア基板1の第1面1a側に、バッファ層2を介して、第1導電型AlGaN層3と、発光層4と、第2導電型AlGaN層5と、を備える多層構造9が形成されている。多層構造9は、第2導電型コンタクト層6を備えていてもよい。
紫外線発光素子10は、多層構造9の一部を多層構造9の表面9a側から第1導電型AlGaN層3の途中までエッチングすることで形成されたメサ構造(mesa structure)11を有している。そして、紫外線発光素子10は、第1導電型AlGaN層3の表面3a上に第1電極7が形成されている。紫外線発光素子10は、メサ構造11の上面11aの一部と側面と第1導電型AlGaN層3の表面3aの一部とに跨って絶縁膜(図示せず)が形成されているのが好ましい。絶縁膜の材料としては、例えば、SiO2等を採用することができる。
紫外線発光素子10は、250nm〜290nmの紫外波長域に発光ピーク波長を有する紫外線LED(Light Emitting Diode)チップであるのが好ましい。これにより、紫外線発光素子10は、例えば、高効率白色照明、殺菌、医療、環境汚染物質を高速で処理する用途等の分野で、利用することができ、特に、殺菌の分野で好適に用いることができる。
サファイア基板1は、例えば、第1面1aが、(0001)面のサファイア基板が好ましい。つまり、サファイア基板1は、c面サファイア基板(α−Al2O3基板)が好ましい。また、サファイア基板1の第1面1aは、(0001)面からのオフ角が、0〜0.3°のものが好ましい。サファイア基板1の第1面1aは、c面に限らず、例えば、m面、a面、R面等を採用することもできる。
バッファ層2は、貫通転位を減少させることを目的として設けた層であり、厚さが薄すぎると、貫通転位の減少が不十分となりやすく、厚さが厚すぎると格子不整合に起因したクラックが発生する懸念がある。このため、バッファ層2の厚さは、例えば、500nm〜10μm程度の範囲で設定するのが好ましく、1μm〜5μmの範囲で設定するのが、より好ましい。バッファ層2の厚さは、4μmに設定してあるが、一例であり、特に限定するものではない。
第1導電型AlGaN層3の組成比は、発光層4で発光する紫外線を効率良く放出できるように設定するのが好ましい。第1導電型AlGaN層3の厚さは、一例として2μmに設定してあるが、特に限定するものではない。第1導電型AlGaN層3は、n型AlGaN層により構成する場合、ドナー不純物として、例えば、Siが好ましい。第1導電型AlGaN層3は、単層構造に限らず、例えば、互いにAlの組成比の異なる複数のn型AlGaN層の積層構造でもよい。
発光層4は、AlGaN層41を含む量子井戸構造を有しているのが好ましい。この場合、量子井戸構造は、AlGaN層41が井戸層を構成し、AlGaN層41よりもAlの組成比の大きなAlGaN層42が障壁層を構成するのが好ましい。発光層4は、AlGaN層41のAlの組成比を変化させることにより、発光ピーク波長を210nm〜360nmの範囲で任意の発光ピーク波長に設定することが可能である。例えば、所望の発光ピーク波長が270nmである場合には、III族元素に関して、Alの組成比を0.50程度に設定すればよい。
量子井戸構造は、多重量子井戸構造でもよいし、単一量子井戸構造でもよい。また、井戸層及び障壁層それぞれの厚さは、特に限定するものではない。ただし、発光層4は、井戸層の厚さが厚すぎると、井戸層に注入された電子及び正孔が、量子井戸構造における格子不整合に起因するピエゾ電界に起因して、空間的に分離してしまい、発光効率が低下する。また、発光層4は、井戸層の厚さが薄すぎる場合、キャリアの閉じ込め効果が低下し、発光効率が低下する。このため、井戸層の厚さは、1nm〜5nm程度が好ましく、1.3nm〜3nm程度が、より好ましい。また、障壁層の厚さは、例えば、5nm〜15nm程度の範囲で設定することが好ましい。紫外線発光素子10では、一例として、井戸層の厚さを2nmに設定し、障壁層の厚さを10nmに設定してあるが、これらの厚さに限定するものではない。紫外線発光素子10は、発光層4が量子井戸構造を有した構成に限らず、例えば、発光層4が第1導電型AlGaN層3と第2導電型AlGaN層5とで挟まれたダブルヘテロ構造でもよい。
第2導電型AlGaN層5は、例えば、互いにAlの組成比の異なるp型AlGaN層51、52の積層構造を有しているのが好ましい。p型AlGaN層51は、p型AlGaN層52よりもAlの組成比が高いのが好ましい。p型AlGaN層51の厚さについては、Alの組成比や正孔濃度等の値によって適した厚さが変化するので、一概には言えないが、1nm〜50nmの範囲で設定することが好ましい。p型AlGaN層52の組成比は、発光層4で発光する紫外線の吸収を抑制できる組成比であれば、特に限定するものではない。p型AlGaN層52の厚さは、200nm以下が好ましく、100nm以下が、より好ましい。紫外線発光素子10では、一例として、p型AlGaN層51の厚さを4nm、p型AlGaN層52の厚さを7nmに設定している。p型AlGaN層51及びp型AlGaN層52のアクセプタ不純物としては、例えば、Mgが好ましい。第2導電型AlGaN層5は、2つのp型AlGaN層51、52の積層構造に限らず、例えば、互いにAlの組成比の異なる3つ以上のp型AlGaN層の積層構造でもよいし、1つのp型AlGaN層の単層構造でもよい。
第2導電型コンタクト層6は、第2電極8との接触抵抗を下げ、第2電極8との良好なオーミック接触を得るために設けてある。第2導電型コンタクト層6は、p形GaN層により構成してある。第2導電型コンタクト層6の厚さは、400nmに設定してあるが、これに限らず、例えば、50nm〜500nmの範囲で設定すればよい。
紫外線発光素子10のチップサイズは、400μm□(400μm×400μm)に設定してあるが、これに限らない。チップサイズは、例えば、200μm□(200μm×200μm)〜1mm□(1mm×1mm)程度の範囲で適宜設定することができる。また、紫外線発光素子10の平面形状は、正方形状に限らず、例えば、長方形状等でもよい。紫外線発光素子10の平面形状が、長方形状の場合、紫外線発光素子10のチップサイズは、例えば、500μm×240μmとすることができる。
多層構造9は、エピタキシャル成長法により形成することができる。エピタキシャル成長法としては、MOVPE(metal organic vapor phase epitaxy)法を採用するのが好ましい。MOVPE法としては、減圧MOVPE法を採用するのが好ましい。
紫外線発光素子10は、上述のように、バッファ層2を構成するAlN層の屈折率を、発光層4の屈折率よりも大きくしてある。
雰囲気温度が300Kにおける、250nm〜290nmの紫外波長域の紫外線に対するAlNの屈折率は、例えば、参考文献1〔Optical constants of crystalline and amorphous semiconductors, Sadao Adachi, pg150〕のTable B5-1から推測することができる。本願発明者らは、Table B5-1で開示されている、「Photon energy〔eV〕」と「n value」との関係において、Photon energy〔eV〕をEp〔eV〕として、下記の式(1)により、波長λ〔nm〕に換算した。
また、本願発明者らは、バッファ層2を構成するAlN層の結晶性の向上を図るためにAlN層の成長方法について鋭意、研究開発を行った。その結果、本願発明者らは、バッファ層2として、第1導電型AlGaN層3及び発光層4よりも屈折率の高いAlN層を形成することができるという知見を得た。なお、AlN層の結晶性については、例えば、X線回折によるロッキングカーブ測定を行ない、その半値幅により評価することができる。また、AlN層の結晶性については、例えば、断面TEM(transmission electron microscope)像から求めた貫通転位密度により評価することができる。
例えば、バッファ層2を構成するAlN層は、図3に示すように、第1AlN層21と、第2AlN層22とを交互に積層することにより、形成されている。第1AlN層21は、減圧MOVPE法において、第1プロセス条件で形成されている。第2AlN層22は、減圧MOVPE法において、第2第2プロセス条件で形成されている。第1プロセス条件と第2プロセス条件とは、原料ガスの供給方法が異なる。
第1プロセス条件及び第2プロセス条件では、Alの原料ガスとして、トリメチルアルミニウム(TMA)を採用するのが好ましい。また、第1プロセス条件及び第2プロセス条件では、Nの原料ガスとして、NH3を採用するのが好ましい。
第1プロセス条件では、原料ガスの供給方法として、TMAを連続して一定量で供給し且つNH3を間欠的に供給する方法(以下、「パルス供給法」という。)を採用している。
また、第2プロセス条件では、TMAを連続して第1の一定量で供給し且つNH3を連続して第2の一定量で供給する方法(以下、「同時供給法」という。)を採用している。同時供給法では、所定の成長時間の間、TMAとNH3とを同時に供給する。TMAとNH3とのモル比を表すV/III比は、パルス供給法、同時供給法、のいずれの場合でも、1以上5000以下であることが好ましい。本願発明者らは、パルス供給法のほうが、同時供給法に比べて、サファイア基板1の第1面1a側に供給されるAl原子の拡散を促進させることが可能になると推考した。また、本願発明者らは、減圧MOVPE法によりバッファ層2を形成する際に、第1プロセス条件と第2プロセス条件とを交互に繰り返すことにより、結果的に、バッファ層を構成するAlN層の結晶性を向上させることが可能になると推考した。
ところで、本願発明者らは、AlN層の屈折率を調べるために、サファイア基板1上にAlN層からなるバッファ層2を形成したサンプルを作製した。そして、本願発明者らは、図4に示すように、標準光源から、サンプルのバッファ層2の表面に対して垂直方向から光を照射し、サンプルのサファイア基板1の第2面1bから出射した光を分光光度計で測定することで、サンプルの透過率を測定した。透過率の測定を行う際のサンプルの雰囲気の温度は、300Kとした。図4中の白抜きの矢印は、光の照射方向を模式的に示している。図5は、波長と透過率の測定値との関係を示している。図5は、横軸が波長、縦軸が透過率である。
次に、本願発明者らは、透過率の測定値の妥当性を評価するために、透過率の測定値とシミュレーション値との比較検討を行った。図6は、バッファ層2を構成するAlN層に関して、波長と透過率の測定値及びシミュレーション値との関係を示す図である。図6は、横軸が波長、縦軸が透過率である。また、図6では、透過率の測定値を太い実線A1で示し、透過率のシミュレーション値を細い実線A2で示してある。
図7は、バッファ層2を構成するAlN層の屈折率と、参考例のAlNの屈折率と、の比較図である。参考例のAlNの屈折率の波長依存性については、参考文献1のTable B5-1から求めた。
バッファ層2を構成するAlN層の屈折率は、下記の式(2)から求めた。
図7から、バッファ層2を構成するAlN層の、紫外線に対する屈折率が、参考例のAlNの、紫外線に対する屈折率よりも高くなっていることが分かる。
本願発明者らは、市販の薄膜設計ソフトウェア(「OPTAS−FILM」)を使用し、式(2)で求められた屈折率から透過率をシミュレーションで求めた。そして、本願発明者らは、透過率のシミュレーション値が、上述の図6の細い実線A2で示すように、図6の太い実線A1で示す測定値と整合していることを確認した。
図9は、比較例の紫外線発光素子30において多層構造9から放射される紫外線の進行方向の模式的な説明図である。図9では、紫外線の進行経路を矢印で示してある。
比較例の紫外線発光素子30は、基本構成が実施形態の紫外線発光素子10と略同じである。紫外線発光素子30は、サファイア基板1と多層構造9との間に介在するバッファ層20を構成するAlN層の、紫外線に対する屈折率が、紫外線に対する発光層4及び第1導電型AlGaN層3それぞれの屈折率よりも小さい点が紫外線発光素子10と相違する。
比較例の紫外線発光素子30は、発光層4から放射される紫外線に対して、第1導電型AlGaN層3の屈折率が2.5、バッファ層20を構成するAlN層の屈折率が2.3、サファイア基板1の屈折率が1.78である。このため、比較例の紫外線発光素子30は、発光層4から放射される紫外線のうち、第1導電型AlGaN層3とバッファ層20との第1界面32に第1臨界角(約67度)よりも大きな入射角で入射する紫外線が、第1界面32で全反射される。また、比較例の紫外線発光素子30は、発光層4から放射される紫外線のうち、バッファ層20とサファイア基板1との第2界面33に第3臨界角(約51度)よりも大きな入射角入射する紫外線が、第2界面33で全反射される。
これに対して、図2は、本実施形態の紫外線発光素子10において多層構造9から放射される紫外線の進行方向の模式的な説明図である。図2では、紫外線の進行経路を矢印で示してある。
紫外線発光素子10は、発光層4から放射される紫外線に対して、第1導電型AlGaN層3の屈折率が2.5、バッファ層2を構成するAlN層の屈折率が2.65、サファイア基板1の屈折率が1.78である。このため、紫外線発光素子10は、発光層4から放射される紫外線が、第1導電型AlGaN層3とバッファ層2との第1界面12で全反射されるのを防止することが可能となる。また、紫外線発光素子10は、発光層4から放射される紫外線のうち、バッファ層2とサファイア基板1との第2界面13に臨界角(約42度)よりも大きな入射角で入射する紫外線が、第2界面13で全反射される。よって、紫外線発光素子10は、比較例の紫外線発光素子30よりも狭角配光とすることが可能となる。
これにより、紫外線発光素子10は、リフレクタ及びレンズを用いることなくサファイア基板1の第2面1bから出射される紫外線の配光角をより狭くすることが可能になる。紫外線発光素子10は、比較例の紫外線発光素子30よりも光取り出し効率が低下する。しかしながら、紫外線発光素子10は、リフレクタ及びレンズを用いることなく紫外線発光素子30に比べて配光角を狭くすることが可能となるので、リフレタ及びレンズに起因した光損失をなくすことが可能となる。
紫外線発光素子10において、バッファ層2を構成するAlN層は、発光層4から放射される紫外線に対する屈折率が2.55以上、3.0以下であるのが、好ましい。これにより、紫外線発光素子10は、発光ピーク波長を290nm〜240nmとすることができ、例えば、殺菌等の用途に有用な紫外線を放射することが可能となる。
また、紫外線発光素子10において、バッファ層2を構成するAlN層は、発光層4から放射される紫外線に対する屈折率が2.6以上、2.85以下であるのが、より好ましい。これにより、紫外線発光素子10は、280nm〜250nmとすることができ、特に、殺菌の用途に有用な紫外線を放射することが可能となる。
なお、紫外線発光素子10は、紫外線LEDチップに限らず、紫外線LD(Laser Diode)チップでもよい。
上述の実施形態において説明した各図は、模式的なものであり、各構成要素の大きさや厚さそれぞれの比が、必ずしも実際のものの寸法比を反映しているとは限らない。また、実施形態に記載した材料、数値等は、好ましいものを例示しているだけであり、それに限定するものではない。更に、本願発明は、その技術的思想の範囲を逸脱しない範囲で、構成に適宜変更を加えることが可能である。
1 サファイア基板
1a 第1面
1b 第2面
2 バッファ層
3 第1導電型AlGaN層
4 発光層
5 第2導電型AlGaN層
10 紫外線発光素子
41 AlGaN層
1a 第1面
1b 第2面
2 バッファ層
3 第1導電型AlGaN層
4 発光層
5 第2導電型AlGaN層
10 紫外線発光素子
41 AlGaN層
Claims (3)
- サファイア基板と、前記サファイア基板の第1面上に形成されたバッファ層と、前記バッファ層上に形成された第1導電型AlGaN層と、前記第1導電型AlGaN層上に形成された発光層と、前記発光層上に形成された第2導電型AlGaN層と、を備え、
前記発光層は、発光ピーク波長が250nm〜290nmの紫外波長域にある紫外線を放射するように構成されたAlGaN層を備え、
前記バッファ層は、AlN層により構成され、
前記サファイア基板の第2面が前記紫外線を出射させる光取り出し面を構成し、
前記紫外線に対する前記AlN層の屈折率が、前記紫外線に対する前記発光層及び前記第1導電型AlGaN層それぞれの屈折率よりも高い、
ことを特徴とする紫外線発光素子。 - 前記AlN層は、前記紫外線に対する屈折率が2.55以上、3.0以下である、
ことを特徴とする請求項1記載の紫外線発光素子。 - 前記AlN層は、前記紫外線に対する屈折率が2.6以上、2.85以下である、
ことを特徴とする請求項2記載の紫外線発光素子。
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