JP2015211721A - 医療台 - Google Patents
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Abstract
Description
一方、特許文献2の産婦人科用分娩台では、患者の臀部を受ける座部と、この座部に対して起伏する背凭れ部とを有し、背凭れ部は座部側を支軸としてアクチュエータにより起伏可能に設けられ、また、座部も背凭れ側を支軸として油圧シリンダにより起伏可能に設けられている。
このような医療台では、分娩や診療等の医療行為の実施時に患者が楽な体勢で臨めるように、また、医師や看護士などにとっても患者の体勢を診療しやすい状態に調節可能にすることが望まれており、その場合に、医療行為の支障になることなく円滑に動作することが重要である。
一方、特許文献2においては座部が起伏可能に設けられているが、その動作は座部に直接取り付けられた油圧シリンダにより行われる構成である。このため、座部に加わる患者の体重が直接油圧シリンダに加わることになり、この油圧シリンダへの負荷が大きくなって故障の可能性も高くなる。また、座部の下方位置に医療器具等の何らかの障害物がある場合、この座部を起伏状態から水平方向に動作させたときにその下部に障害物が挟まれて油圧シリンダに大きな負荷が加わって故障につながることもある。
また、前述の特許文献2記載の産婦人科用分娩台の場合、油圧シリンダの位置が座部に近接することになるため、分娩時等の汚水で汚れやすく、座部付近の清掃等も困難になるという問題があるが、本発明の医療台の場合は、運動変換機構により直線駆動機構の駆動源と腰板とを離間して配置することができるので、分娩時の汚水等により駆動源が汚れることが防止される。また、腰板のみを回動することが可能であるので、腰板周囲の清掃やメンテナンスが容易になる。
また、腰板の従動体は傾斜板に接触しているだけであるので、傾斜姿勢の腰板を水平姿勢に戻す際に、万一腰板の下方に障害物があった場合でも、直線駆動機構の作動に抵抗となることはなく、より故障しにくい構造である。
[全体構成]
図1及び図5に全体を示すように、医療台1は、床上に配置されるベース2と、ベース2に設けた昇降機構(図示略)により上下移動させられる台本体部3とを備えており、台本体部3には、患者の背部を支持して水平姿勢から起立姿勢まで回動可能な背板4と、起立状態の背板4の下方に配置されるように取り付けられ、患者の臀部を支持可能な腰板(腰板と称される場合もある)5と、必要時に腰板5の前方に配置可能な補助台6とが設けられている。
図1には、背板4及び腰板5を同一水平面上に配置したベッドポジション時の形態を示しているが、背板4が腰板5に対して起立した椅子ポジション等に姿勢を変えることができるようになっている。また、補助台6を若干引き出した状態で示しているが、台本体部3内に収納することも可能である。
ベース2はキャスタ11を備え、診察室などの床上に設置される。
なお、この医療台1において、水平姿勢の腰板5の上面が向く方向を上方向、その反対方向を下方向とし、腰板5から背板4に向かう水平方向を後方、背板4から腰板5に向かう水平方向を前方、この前後方向に直交する方向を左右方向とする。
また、ハウジング12の下部には、患者から排泄される汚物等を受けるための汚物受け13が水平方向にスライド可能に設けられる場合もある。
腰板5は、背板4側の端部が台本体部3に水平な軸21を介して垂直回動自在に取り付けられており、腰板駆動機構7は、この腰板5を図1及び図2に示す水平姿勢と図5及び図6に示す傾斜姿勢との間で回動することができる。
この腰板駆動機構7は、腰板5の下方に設けられ、直線駆動機構22とカム機構23とから構成されている。
直線駆動機構22は、本実施形態では送りねじ機構によって構成され、その送りねじ24の先端に水平なロッド25が連結され、送りねじ24の基端部に螺合している雌ねじ部材26をモータ等の駆動部27によって回転することにより、送りねじ24とともにロッド25を進退させる構成である。この場合、図3及び図7に示すように、駆動部27は台本体部3の最後部に設けられ、送りねじ24、ロッド25は前後方向に沿って設置されている。
傾斜板31は、先端から後方に向かうにしたがって所定の角度の上り勾配となるように傾斜しており、腰板5の下方に幅方向にわたって設けられ、直線駆動機構22によって前後方向に移動させられる。
従動体32は、図4及び図8に示す例では傾斜板31の上面に接触するカムフロア33を備えており、腰板5の下面の左右両側部に下方に突出するブラケット34が固定され、両ブラケット34にカムフロア33がそれぞれ回転自在に取り付けられている。この場合、腰板5を回動可能に支持している軸21よりも下方かつ前方位置に離間してカムフロア33が配置されている。この従動体32としては、カムフォロア等の転動体を有していなくてもよいが、後述するように傾斜板31上を接触したまま移動するので、そのときの摩擦力を軽減できる材料等のものが好ましい。
なお、腰板5が水平姿勢の際には、腰板5は図1及び図2に示すように台本体部3のハウジング12の上面に当接して支持される。
まず、水平姿勢に配置した腰板5を傾斜姿勢に回動する場合は、直線駆動機構22の駆動部27を駆動すると、雌ねじ部材26が回転し、この雌ねじ部材26に螺合している送りねじ24がロッド25を前進させることにより、ロッド25の先端の傾斜板31が前進し、この傾斜板31の上面に接触している従動体32が押されて、傾斜板31の勾配にしたがって押し上げられる。この従動体32は、腰板5の軸21よりも下方かつ前方に離間して配置されていることから、従動体32が傾斜板31上を移動するにしたがって、その接触位置の変化に追従するように腰板5が軸21を中心に回動する。
この場合、傾斜板31と従動体32との接触位置は、腰板5が水平姿勢にある状態で、腰板5の軸21の直下の位置か、その位置よりも前方であれば、傾斜板31の前進移動に伴って腰板5を回動させることが可能である。
また、腰板5は、水平方向に対して例えば30°の傾斜角度まで傾斜することができるが、30°に限らず、他の角度に設定してよい。
なお、傾斜板31は、少なくとも従動体32のカムフロア33と接触可能なように腰板5の左右両側付近に設けられていればよいが、本実施形態では腰板5の幅方向にわたって長尺状に形成されている。このため、この傾斜板31の後方に配置されている直線駆動機構22等が図5に示すように傾斜板31により隠された状態となり、汚物等が直線駆動機構22等に付着することを防止することができる。また、傾斜板31の表面に汚物等が付着したとしても、平坦面であり、清掃は容易である。
この下降途中に、万一腰板5と台本体部3のハウジング12との間に障害物が挟まった場合には、腰板5の従動体32は傾斜板31上に載置されているだけであるので、直線駆動機構22により傾斜板31のみが後退し、障害物が挟まったことによる負荷が直線駆動機構22の駆動部24に作用することはなく、安全に医療台1を使用することができる。
例えば、運動変換機構としては、実施形態の傾斜板によるカム機構の他に、腰板の軸に固定したピニオンを直進移動するラックによって回転する構成としてもよい。
2 ベース
3 台本体部
4 背板
5 腰板
6 補助台
7 腰板駆動機構
12 ハウジング
21 軸
22 直線駆動機構
23 カム機構(運動変換機構)
24 送りねじ
25 ロッド
26 雌ねじ部材
27 駆動部
31 傾斜板
32 従動体
33 カムフロア(転動体)
34 ブラケット
Claims (3)
- 患者の背部を支持可能な背板と、患者の臀部を支持可能な腰板と、前記腰板を水平姿勢と傾斜姿勢との間で回動する駆動機構とを備え、前記駆動機構は、直線駆動機構と、該直線駆動機構による直線駆動を前記腰板の回動に変換する運動変換機構とを有していることを特徴とする医療台。
- 前記駆動機構は前記腰板の下方に設けられ、前記運動変換機構は、前記直線駆動機構により前後方向に沿って直線駆動され、先端から後方に向かうにしたがって上り勾配とされた傾斜板と、前記腰板から下方に突出して前記傾斜板の表面に接触し、前記傾斜板の直線移動による該傾斜板との接触位置の変化に追従して前記腰板を回動する従動体とを有していることを特徴とする請求項1記載の医療台。
- 前記従動体に、前記傾斜板の表面に接触する転動体が回転自在に設けられていることを特徴とする請求項2記載の医療台。
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