以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物或いはその用途を制限することを意図するものではない。
(実施形態1)
図1は、本発明の実施形態1に係る、差し込み部材を本体部材から取り外した状態におけるブレスレット用連結具(装身具用連結具)を示す斜視図である。図2は、実施形態1に係るブレスレット用連結具を示す分解斜視図である。図3は、実施形態1に係る、差し込み部材を本体部材に取り付けた状態におけるブレスレット用連結具を示す断面図である。図4は、実施形態1に係るブレスレット用連結具の差し込み部材を示す断面図であり、(a)は突出状態におけるストッパ部を示す図、(b)は没入状態におけるストッパ部を示す図である。
図1〜図4に示すように、ブレスレットは、トロールビーズ等の孔1aが形成された装飾体1(図1のみ図示。図1の例では、円型)を着脱可能になっている。ブレスレットは、チェーンやロープ等の線状部材2と、この線状部材2に連結されたブレスレット用連結具3(以下、単に「連結具」という)とを備えている。線状部材2には、装飾体1が外嵌される。
上記連結具3は、本体部材4(連結部材)(被差し込み部材)と、この本体部材4に差し込み連結可能な差し込み部材5(連結部材)とを備えている。本体部材4は、装飾体1が通過不能な大きさに形成されている。本体部材4は、ケース6と、後述する係合部70e,71eの係合溝部51への係合を解除可能な操作部材7とを有している。
ケース6は、直方体筐体状に形成されている。ケース6における差し込み部材5側の面には、この差し込み部材5が差し込まれる円状の差し込み孔60が形成されている。この差し込み孔60の内周面は、ケース6の内側から外側に行くに従って次第に直径が大きくなるテーパ状に形成されている。このテーパ形状により、差し込み部材5をケース6の内部に確実に案内することができる。ケース6における差し込み孔60とは反対側の端部には、線状部材2の一端が連結される連結部61が形成されている。
ケース6の内部における差し込み部材5の本体部材4への差し込み方向(以下、単に「差し込み方向」という。図3では、左右方向)の両側には、垂直壁状の内壁部62が1つずつそれぞれ一体に形成されている。この内壁部62は、差し込み方向と直交する方向に延びるように形成されている。内壁部62同士の内側空間は、操作部材7が挿入される挿入孔63を構成している。内壁部62は、後述する第1ブロック部材70及び第2ブロック部材71を差し込み方向と直交する方向に案内する。内壁部62における差し込み孔60に対応する部分には、円状の挿通孔62aが形成されている。この挿通孔62aには、差し込み部材5の本体部材4への差し込み時に差し込み孔60から差し込まれた差し込み部材5が挿通される。内壁部62における、第1ブロック部材70の第1貫通孔70b及び第2ブロック部材71の第2貫通孔71cに対応する部分には、円状の貫通孔62bが形成されている。
上記操作部材7は、第1ブロック部材70と、この第1ブロック部材70と差し込み方向と直交する方向に組み合わされる第2ブロック部材71と、これらの第1ブロック部材70及び第2ブロック部材71の間に挟持されるコイルばね73と、ケース6、第1ブロック部材70及び第2ブロック部材71を互いに結合するためのピン部材74とを有している。
第1ブロック部材70における第2ブロック部材71とは反対側の端部には、楕円状の操作部70aが形成されている。この操作部70aは、挿入孔63の一方の開口端部(図3では、上側の開口端部)から突出している。第1ブロック部材70における操作部70aよりも第2ブロック部材71側の部分には、差し込み方向に互いに対向する一対の円状の第1貫通孔70bが形成されている。第1ブロック部材70における第1貫通孔70bよりも第2ブロック部材71側の部分には、差し込み方向に互いに対向する一対の円状の第2貫通孔70cが形成されている。これらの第2貫通孔70cは、第1貫通孔70bよりも差し込み方向の内側に配置されている。第1ブロック部材70における第2貫通孔70cの、第2ブロック部材71とは反対側近傍には、差し込み方向に延びる壁部70dが形成されている。この壁部70dにおける差し込み部材5側の端部には、差し込み部材5の本体部材4への差し込み時に係合溝部51に係合可能な係合部70eが形成されている。この係合部70eは、壁部70dにおける、第1ブロック部材70及び第2ブロック部材71の組み合わせ方向(以下、単に「組み合わせ方向」という。図3では、上下方向)の内側の面から組み合わせ方向の内側に突出している。
上記第2ブロック部材71は、第1ブロック部材70と同様の形状である。つまり、第2ブロック部材71における第1ブロック部材70とは反対側の端部には、楕円状の操作部71aが形成されている。この操作部71aは、挿入孔63の他方の開口端部(図3では、下側の開口端部)から突出している。第2ブロック部材71における操作部71aよりも第1ブロック部材70側の部分には、差し込み方向に互いに対向する一対の円状の第1貫通孔71bが形成されている。これらの第1貫通孔71bの周縁部は、第1ブロック部材70の第2貫通孔70cの周縁部の、差し込み方向の外側に嵌合配置されている。第2ブロック部材71における第1貫通孔71bよりも第1ブロック部材70側の部分には、差し込み方向に互いに対向する一対の円状の第2貫通孔71cが形成されている。これらの第2貫通孔71cは、第1貫通孔71bよりも差し込み方向の内側に配置されている。第2貫通孔71cの周縁部は、第1ブロック部材70の第1貫通孔70bの周縁部の、差し込み方向の内側に嵌合配置されている。第2ブロック部材71における第2貫通孔71cの、第1ブロック部材70とは反対側近傍には、差し込み方向に延びる壁部71dが形成されている。この壁部71dにおける差し込み部材5側の端部には、差し込み部材5の本体部材4への差し込み時に係合溝部51に係合可能な係合部71eが形成されている。この係合部71eは、壁部71dにおける組み合わせ方向の内側の面から組み合わせ方向の内側に突出している。
上記コイルばね73は、第1ブロック部材70の壁部70dにおける組み合わせ方向の外側の面と第2ブロック部材71の操作部71aにおける組み合わせ方向の内側の面(内面)との間に配置されている。コイルばね73は、第1ブロック部材70及び第2ブロック部材71をその組み合わせ方向の外側(第1ブロック部材70及び第2ブロック部材71を互いに離間する方向)に付勢している。
上記ピン部材74は、円筒状の本体部74aと、この本体部74aの両端部にその開口部から出没可能に設けられた出没部74bと、本体部74aの内部に設けられたコイルばね(図示省略)とを有している。このコイルばねは、出没部74bを本体部74aの開口部から突出する方向に付勢している。この付勢力により、出没部74bは、本体部74aの開口部から突出した突出状態となる。一方、突出状態における出没部74bをコイルばねの付勢力に抗して本体部74a側(軸方向内側)に向かって押圧すると、出没部74bが本体部74a内に没入した没入状態となる。また、出没部74bへの押圧を解除すると、出没部74bがコイルばねの付勢力により自動的に突出状態となる。
ピン部材74は、第1ブロック部材70の第1貫通孔70b及び第2ブロック部材71の第2貫通孔71cを挿通した状態で、その出没部74bが内壁部62の貫通孔62bに内嵌されている。つまり、ケース6、第1ブロック部材70及び第2ブロック部材71は、ピン部材74を介して互いに結合されている。一方、ケース6、第1ブロック部材70及び第2ブロック部材71がピン部材74を介して互いに結合されているときに、出没部74bを没入状態とし、ピン部材74をケース6、第1ブロック部材70及び第2ブロック部材71から取り外すと、ケース6、第1ブロック部材70及び第2ブロック部材71が互いに分離される。
上記差し込み部材5は、円柱状の本体部50を有している。この本体部50は、装飾体1が通過可能な大きさに形成されている。本体部50は、その先端側に形成された相対的に小径の小径部50aと、その基端側に形成された相対的に大径の大径部50bとを有している。この大径部50bにより、使用者は、差し込み部材5を容易に摘まむことができる。小径部50a及び大径部50bは、一体に形成されている。
小径部50aにおける本体部50基端側(軸方向の大径部50b側)の端部の外周面には、差し込み部材5の本体部材4への差し込み時に係合部70e,71eが係合可能な係合溝部51(係合凹部)が全周に亘って形成されている。この係合溝部51の底面は、その直径が本体部50の先端側から基端側まで一定になるように形成されている。小径部50aにおける係合溝部51よりも本体部50基端側の部分は、本体部50の先端側から基端側に行くに従って次第に直径が大きくなるテーパ状に形成されている。小径部50aにおける係合溝部51よりも本体部50先端側の部分は、本体部50の基端側から先端側に行くに従って次第に直径が小さくなるテーパ状に形成されている。このテーパ形状により、差し込み部材5をケース6の内部に確実に案内することができる。小径部50aの先端面は、曲面状に形成されている。この曲面形状により、使用者が負傷することを抑制することができる。
大径部50bにおける本体部50先端側(軸方向の小径部50a側)の端部は、小径部50aにおける本体部50基端側の端部と直径が同じである。大径部50bは、本体部50の先端側から基端側に行くに従って次第に直径が大きくなるように形成されている。大径部50bの基端部には、線状部材2の他端が連結される連結部52が形成されている。
大径部50bの内部には、軸方向に延びる収容空間部53が形成されている。大径部50bにおける径方向に互いに対向する部分の外周面には、軸方向に延びる矩形状の開口部54aがそれぞれ形成されている。これらの開口部54aは、収容空間部53と連通している。この収容空間部53には、一対のストッパ部材80と、ねじりばね81(付勢部材)とが収容されている。このストッパ部材80は、ブレスレットを腕に付けたり外したりするときに、装飾体1がブレスレットから外れるのを抑制するものである。一対のストッパ部材80は、開口部54aの対向方向(図4では、上下方向)に互いに対向するように配置されている。
各ストッパ部材80は、互いに同様の形状である。つまり、各ストッパ部材80は、大径部50bの対応する開口部54aから出没可能なストッパ部80aを有している。このストッパ部80aは、ストッパ部80aを大径部50b内に没入した没入状態(図4(b)を参照)とするためのボタンでもある。ストッパ部80aにおける本体部50基端側の端部以外の部分は、ストッパ部80aが大径部50bの開口部54aから突出した突出状態(図4(a)等を参照)では、その突出高さ(本体部50の軸心からの距離)が本体部50の先端側から基端側に行くに従って次第に大きくなるように、その突出側の面(外面)が曲面状(傾斜面状)に形成されている。一方、ストッパ部80aにおける本体部50基端側の端部は、突出状態では、その突出高さが本体部50の先端側から基端側まで一定になるように、その突出側の面が平面状に形成されている。ストッパ部80aおける本体部50先端側の端部は、突出状態では、その突出側の面が大径部50bの外周面と段差なく連続するように形成されている。ストッパ部80aにおける突出側とは反対側の面(内面)には、ねじりばね81の腕部81bが収容される収容凹部80bが形成されている。この収容凹部80bの底面には、腕部81bが接触支持されている。
ストッパ部80aにおける、大径部50bの径方向のうち開口部54aの対向方向と直交する方向(図4では、その紙面を貫く方向)の一方側の端部には、略三角形状の壁部80cが形成されている。この壁部80cにおける本体部50先端側の端部には、円状の挿通孔80dが形成されている。この挿通孔80dには、大径部50bの径方向のうち開口部54aの対向方向と直交する方向に延びる軸部材82が挿通されている。この軸部材82の両端部は、大径部50bにおけるこの両端部に対応する部分に形成された固定孔55にそれぞれ嵌合固定されている。軸部材82には、ねじりばね81のコイル部81aが外嵌されている。このコイル部81aは、各ストッパ部材80の壁部80cの間に配置されている。
上記ねじりばね81は、螺旋状のコイル部81aと、このコイル部81aの両端からそれぞれ接線方向に延びる一対の腕部81bとを有している。ねじりばね81は、ストッパ部材80を、ストッパ部80aが大径部50bの開口部54aから突出する方向に付勢している。この付勢力により、ストッパ部80aは、大径部50bの開口部54aから突出した突出状態となる。この突出状態では、装飾体1は、本体部50を通過不能になっている。
以下、差し込み部材5を本体部材4に取り付ける作業について説明する。
差し込み部材5を本体部材4に取り付けるときには、まず、差し込み部材5を差し込み孔60に差し込んでいく。すると、小径部50aが内壁部62の挿通孔62a並びに第1ブロック部材70及び第2ブロック部材71の第1貫通孔70b,71bの間の隙間を通過して、係合部70e,71eに当接する。差し込み部材5をさらに押し込むと、小径部50aにより、係合部70e,71eがコイルばね73の付勢力に抗して係合部70e,71eが互いに離間する方向に移動する。そして、差し込み部材5をさらに押し込んで、係合溝部51が係合部70e,71eに到達すると、係合部70e,71eがコイルばね73の付勢力により係合部70e,71eが互いに近付く方向に移動して、係合溝部51に引っ掛かり係合する。以上により、差し込み部材5の本体部材4への取り付けが完了する。
以下、差し込み部材5を本体部材4から取り外す作業について説明する。
差し込み部材5を本体部材4から取り外すときには、まず、第1ブロック部材70及び第2ブロック部材71の操作部70a,71aをコイルばね73の付勢力に抗して組み合わせ方向の内側に押圧する。すると、係合部70e,71eが互いに離間する方向に移動して、係合部70e,71eの係合溝部51への引っ掛かり係合が解除される。この状態で、差し込み部材5を差し込み孔60の外側に引っ張る。以上により、差し込み部材5の本体部材4からの取り外しが完了する。
以下、装飾体1をブレスレットから取り外す作業について説明する。この作業時には、差し込み部材5は、本体部材4から取り外されている。
装飾体1をブレスレットから取り外すときには、まず、突出状態におけるストッパ部80a(ストッパ部材80)をねじりばね81の付勢力に抗して本体部50側(径方向内側)に向かって押圧する。すると、ストッパ部材80が軸部材82周りに回動して、ストッパ部80aが大径部50b内に没入した没入状態となる。この状態で、装飾体1を本体部50の先端側に移動させて、没入状態におけるストッパ部80aを通過させ、本体部50から取り外す。以上により、装飾体1のブレスレットからの取り外しが完了する。
以下、装飾体1をブレスレットに取り付ける作業について説明する。この作業時には、差し込み部材5は、本体部材4から取り外されている。
装飾体1をブレスレットに取り付けるときには、まず、装飾体1を本体部50の先端側から突出状態におけるストッパ部80aまで移動させる。すると、装飾体1の孔1a内周面により、突出状態におけるストッパ部80a(ストッパ部材80)がねじりばね81の付勢力に抗して本体部50側に向かって押圧され、ストッパ部材80が軸部材82周りに回動して、ストッパ部80aが没入状態となる。そして、装飾体1を本体部50の基端側にさらに移動させて、没入状態におけるストッパ部80aを通過させると、ストッパ部80aがねじりばね81の付勢力により自動的に突出状態となる。以上により、装飾体1のブレスレットへの取り付けが完了する。
−効果−
以上により、本実施形態によれば、差し込み部材5が、本体部50と、ストッパ部材80と、ねじりばね81とを備えている。ストッパ部材80が、本体部50の内部に設けられているとともに、本体部50の外周面から出没可能なストッパ部80aを有している。そして、ねじりばね81が、本体部50の内部に設けられ、ストッパ部材80を、ストッパ部80aが本体部50の外周面から突出する方向に付勢することによりストッパ部80aを本体部50の外周面から突出した突出状態とする。このため、ブレスレットを腕に付けたり外したりするときに、突出状態におけるストッパ部80aにより、装飾体1がブレスレットから外れるのを抑制することができる。
一方、装飾体1を取り替えたり、その数を増減させたりするときに、突出状態におけるストッパ部80a(ストッパ部材80)をねじりばね81の付勢力に抗して本体部50側に向かって押圧すると、ストッパ部80aが本体部50内に没入した没入状態となる。つまり、突出状態におけるストッパ部80aを押圧するという簡単な作業で、ストッパ部80aが没入状態となる。この状態で、装飾体1を没入状態におけるストッパ部80aを通過させると、装飾体1の取り替え等を行うことができる。
以上により、部材点数を低減しながら、専用の装飾体を必要とすることなく、装飾体1の取り替え等を容易に行うことができる。
また、ストッパ部80aが、突出状態では、その突出高さが本体部50の先端側から基端側に行くに従って徐々に大きくなるように形成されているので、装飾体1を取り付けるときに、装飾体1を本体部50の先端側から突出状態におけるストッパ部80aまで移動させると、装飾体1の孔1a内周面により、突出状態におけるストッパ部80a(ストッパ部材80)がねじりばね81の付勢力に抗して本体部50側に向かって押圧され、ストッパ部80aが没入状態となる。つまり、装飾体1の移動という簡単な作業で、ストッパ部80aが没入状態となる。そして、装飾体1を本体部50の基端側にさらに移動させて、没入状態におけるストッパ部80aを通過させると、ストッパ部80aがねじりばね81の付勢力により自動的に突出状態となる。以上により、装飾体1の取り替え等をより一層容易に行うことができる。
また、差し込み部材5の本体部材4への差し込み時に係合溝部51に係合可能な係合部70e,71eと、係合部70e,71eの係合溝部51への係合を解除可能な操作部材7とが、本体部材4に設けられている。つまり、係合部70e,71eの係合溝部51への係合及びその解除のための機構が、本体部材4に集中的に設けられている。このため、係合部70e,71eの係合溝部51への係合及びその解除を容易に行うことができる。
なお、本実施形態では、本体部材4を上述の如く構成したが、その構成は、係合部及び操作部材を有する限り、如何なるものであってもよい。
(実施形態2)
本実施形態は、ストッパ部材が本体部の外周面から出没可能に形成された係合部(出没部)をさらに有している点等が実施形態1と異なっているが、その他の点については、実施形態1と同様の構成である。そこで、以下の説明では、実施形態1の構成要素と同様の構成要素については、同一の符号を用いて説明を行う。
図5は、実施形態2に係る、差し込み部材を本体部材から取り外した状態における連結具を示す斜視図である。図6は、実施形態2に係る連結具を示す分解斜視図である。図7は、実施形態2に係る連結具の差し込み部材を示す断面図であり、(a)は突出状態におけるストッパ部及び係合部を示す図、(b)は没入状態におけるストッパ部及び係合部を示す図である。
図5〜図7に示すように、本体部材4は、円柱状に形成されている。本体部材4における差し込み部材5側の面には、この差し込み部材5が差し込まれる円状の差し込み孔40が形成されている。この差し込み孔40の内周面は、相対的に小径の第1小径部40aと、相対的に大径の大径部40bと、相対的に小径の第2小径部40cとを有している。これらの第1小径部40a、大径部40b及び第2小径部40cは、この順で差し込み孔40の開口部側からその反対側に配置されている。
第1小径部40a、大径部40b及び第2小径部40cは、差し込み孔40の開口部側からその反対側まで内径が一定になるように形成されている。第1小径部40aと大径部40bとの間の段差部は、差し込み部材5の本体部材4への差し込み時に差し込み部材5の係合部80が係合可能な被係合部41を構成している。本体部材4における差し込み孔40とは反対側の端部には、線状部材2の一端が連結される連結部42が形成されている。
差し込み部材5は、略円筒状の本体部50を有している。小径部50a及び大径部50bは、パッキン83を介して互いに螺合連結されている。このパッキン83は、小径部50a及び大径部50bの螺合が緩むのを防止するためのものである。
小径部50aは、本体部50の基端側から先端側に行くに従って次第に直径が小さくなるテーパ状に形成されている。小径部50aの先端面は、曲面状に形成されている。大径部50bは、本体部50の先端側から基端側まで直径が一定になるように形成されている。
本体部50の内部空間は、収容空間部53を構成している。大径部50bにおける本体部50基端側の端部の外周面には、径方向に互いに対向する部分に軸方向に延びる矩形状の開口部54aがそれぞれ形成されている。大径部50bにおける本体部50先端側の端部の外周面には、開口部54aの対向方向(図7では、上下方向)に互いに対向する部分に軸方向に延びる矩形状の第2開口部54bがそれぞれ形成されている。これらの開口部54a,54bは、収容空間部53と連通している。この収容空間部53には、一対のストッパ部材80と、コイルばね84(付勢部材)とが収容されている。この一対のストッパ部材80は、X字状に配置されている。
各ストッパ部材80は、互いに同様の形状である。つまり、各ストッパ部材80は、板棒状の本体部80eを有している。この本体部80eは、その中央部に大径部50bの径方向のうち開口部54aの対向方向と直交する方向(図7では、その紙面を貫く方向)に延びるように設けられた回動軸85の周りに回動可能になっている。本体部80eにおける本体部50基端側の端部には、大径部50bの対応する開口部54aから出没可能なストッパ部80aが形成されている。これらのストッパ部80aは、開口部54aの対向方向に互いに対向するように配置されている。本体部80eにおける本体部50先端側の端部には、大径部50bの対応する第2開口部54bから出没可能な係合部80fが形成されている。これらの係合部80fは、開口部54aの対向方向に互いに対向するように配置されている。ストッパ部80a及び係合部80fは、ストッパ部80a及び係合部80fを大径部50b内に没入した没入状態(図7(b)を参照)とするためのボタンでもある。ストッパ部80a及び係合部80fは、大径部50bの開口部54a,54bから突出した突出状態(図7(a)等を参照)では、その突出高さが本体部50の先端側から基端側に行くに従って次第に大きくなるように、その突出側の面(外面)が傾斜面状に形成されている。
係合部80fにおける突出側とは反対側の面(内面)には、開口部54aの対向方向の内側に突出する円状の突出部80gが形成されている。この突出部80gには、コイルばね84の軸方向一端部が外嵌される。このコイルばね84は、ストッパ部材80を、ストッパ部80a及び係合部80fが大径部50bの開口部54a,54bから突出する方向に付勢している。この付勢力により、ストッパ部80a及び係合部80fは、大径部50bの開口部54a,54bから突出した突出状態となる。この突出状態では、装飾体1は、本体部50を通過不能になっている。
以下、差し込み部材5を本体部材4に取り付ける作業について説明する。
差し込み部材5を本体部材4に取り付けるときには、まず、差し込み部材5を差し込み孔40に差し込んでいく。すると、第1小径部40aの内周面により、突出状態における係合部80f(ストッパ部材80)がコイルばね84の付勢力に抗して本体部50側(径方向内側)に向かって押圧され、ストッパ部材80が回動軸85周りに回動して、ストッパ部80a及び係合部80fが連動して大径部50b内に没入した没入状態となる。そして、差し込み部材5をさらに押し込んで、没入状態における係合部80fが第1小径部40aを通過すると、ストッパ部80a及び係合部80fがコイルばね84の付勢力により自動的に突出状態となり、突出状態における係合部80fが被係合部41に引っ掛かり係合する。以上により、差し込み部材5の本体部材4への取り付けが完了する。
以下、差し込み部材5を本体部材4から取り外す作業について説明する。
差し込み部材5を本体部材4から取り外すときには、まず、突出状態におけるストッパ部80a(ストッパ部材80)をコイルばね84の付勢力に抗して本体部50側に向かって押圧する。すると、ストッパ部材80が回動軸85周りに回動して、ストッパ部80a及び係合部80fが連動して没入状態となり、係合部80fの被係合部41への引っ掛かり係合が解除される。この状態で、差し込み部材5を差し込み孔40の外側に引っ張って、没入状態における係合部80fを第1小径部40aを通過させる。以上により、差し込み部材5の本体部材4からの取り外しが完了する。
以下、装飾体1をブレスレットから取り外す作業について説明する。
装飾体1をブレスレットから取り外すときには、まず、突出状態におけるストッパ部80a又は係合部80f(ストッパ部材80)をコイルばね84の付勢力に抗して本体部50側に向かって押圧する。すると、ストッパ部材80が回動軸85周りに回動して、ストッパ部80a及び係合部80fが連動して没入状態となる。この状態で、装飾体1を本体部50の先端側に移動させて、没入状態におけるストッパ部80a及び係合部80fを通過させ、本体部50から取り外す。以上により、装飾体1のブレスレットからの取り外しが完了する。
以下、装飾体1をブレスレットに取り付ける作業について説明する。
装飾体1をブレスレットに取り付けるときには、まず、装飾体1を本体部50の先端側から突出状態における係合部80fまで移動させる。すると、装飾体1の孔1a内周面により、突出状態における係合部80f(ストッパ部材80)がコイルばね84の付勢力に抗して本体部50側に向かって押圧され、ストッパ部材80が回動軸85周りに回動して、ストッパ部80a及び係合部80fが連動して没入状態となる。そして、装飾体1を本体部50の基端側にさらに移動させて、没入状態におけるストッパ部80aを通過させると、ストッパ部80a及び係合部80fがコイルばね84の付勢力により自動的に突出状態となる。
次に、装飾体1を突出状態におけるストッパ部80aまでさらに移動させると、装飾体1の孔1a内周面により、突出状態におけるストッパ部80a(ストッパ部材80)がコイルばね84の付勢力に抗して本体部50側に向かって押圧され、ストッパ部材80が回動軸85周りに回動して、ストッパ部80a及び係合部80fが連動して没入状態となる。そして、装飾体1を本体部50の基端側にさらに移動させて、没入状態におけるストッパ部80aを通過させると、ストッパ部80a及び係合部80fがコイルばね84の付勢力により自動的に突出状態となる。以上により、装飾体1のブレスレットへの取り付けが完了する。
ここで、装飾体1をブレスレットに脱着する場合であって、ストッパ部80a及び係合部80fの一方が装飾体1の孔1a内周面の段差に引っ掛かったときには、まず、突出状態におけるストッパ部80a及び係合部80fの他方(ストッパ部材80)をコイルばね84の付勢力に抗して本体部50側に向かって押圧する。すると、ストッパ部材80が回動軸85周りに回動して、ストッパ部80a及び係合部80fが連動して没入状態となる。この状態で、装飾体1を本体部50の先端側又は基端側に移動させて、没入状態におけるストッパ部80a及び係合部80fの一方を通過させると、ストッパ部80a及び係合部80fの一方の、装飾体1の孔1a内周面の段差への引っ掛かりが解除される。
−効果−
以上により、本実施形態によれば、ストッパ部80aが、ストッパ部材80における本体部50基端側の端部に、本体部50の外周面から出没可能な係合部80fが、ストッパ部材80における本体部50先端側の端部に形成されている。そして、コイルばね84が、ストッパ部材80を、ストッパ部80a及び係合部80fが本体部50の外周面から突出する方向に付勢することによりストッパ部80a及び係合部80fを本体部50の外周面から突出した突出状態とする。このため、装飾体1を取り替えたり、その数を増減させたりする場合であって、ストッパ部80a及び係合部80fの一方が装飾体1の孔1a内周面の段差に引っ掛かったときに、突出状態におけるストッパ部80a及び係合部80fの他方(ストッパ部材80)をコイルばね84の付勢力に抗して本体部50側に向かって押圧すると、ストッパ部80a及び係合部80fが連動して本体部50内に没入した没入状態となる。つまり、突出状態におけるストッパ部80a又は係合部80fを押圧するという簡単な作業で、ストッパ部80a及び係合部80fが没入状態となる。この状態で、装飾体1を移動させて、没入状態におけるストッパ部80a及び係合部80fの一方を通過させると、ストッパ部80a及び係合部80fの一方の、装飾体1の孔1a内周面の段差への引っ掛かりが解除される。したがって、ストッパ部80a及び係合部80fの一方が装飾体1の孔1a内周面の段差に引っ掛かったときに、その引っ掛かりを容易に解除することができる。
また、差し込み部材5の本体部材4への差し込み時に係合部80fが係合可能な被係合部41が、本体部材4に設けられている。このため、係合部80fの被係合部41への係合時に、突出状態におけるストッパ部80a(ストッパ部材80)をコイルばね84の付勢力に抗して本体部50側に向かって押圧すると、ストッパ部80a及び係合部80fが連動して没入状態となり、係合部80fの被係合部41への係合が解除される。つまり、突出状態におけるストッパ部80aを押圧するという簡単な作業で、係合部80fの被係合部41への係合が解除される。したがって、差し込み部材5を本体部材4から容易に取り外すことができる。
さらに、係合部80fの被係合部41への係合及びその解除のための機構が、差し込み部材5に集中的に設けられているので、本体部材4を簡単な構成にすることができる。
−変形例−
本変形例は、連結具が、本体部材と2つの差し込み部材とを備えている点等が実施形態2と異なっているが、その他の点については、実施形態2と同様の構成である。そこで、以下の説明では、実施形態2の構成要素と同様の構成要素については、同一の符号を用いて説明を行う。
図8は、実施形態2の変形例に係る、差し込み部材を本体部材に取り付けた状態における連結具を示す断面図である。
図8に示すように、本体部材4には、各差し込み部材5が差し込まれる円状の差し込み孔40が貫通形成されている。この差し込み孔40の内周面には、各差し込み部材5の本体部材4への差し込み時に各差し込み部材5の係合部80fが係合可能な係合孔40d(被係合部)が形成されている。
各差し込み部材5は、円筒状の本体部50を有している。この本体部50における本体部材4とは反対側の端部には、線状部材2の一端が連結される連結部52が形成されている。本体部50の内部空間は、収容空間部53を構成している。この収容空間部53には、一対のストッパ部材80と、2つのコイルばね84とが収容されている。本体部50における基端側の端部の外周面には、径方向に互いに対向する部分に軸方向に延びる矩形状の開口部54aがそれぞれ形成されている。本体部50における先端側の端部の外周面には、開口部54aの対向方向(図8では、上下方向)に互いに対向する部分に軸方向に延びる矩形状の第2開口部54bがそれぞれ形成されている。
ストッパ部80a及び係合部80fにおける突出側とは反対側の面(内面)には、開口部54aの対向方向の内側に突出する円状の突出部80gがそれぞれ形成されている。この突出部80gには、コイルばね84の軸方向一端部が外嵌される。このコイルばね84は、ストッパ部材80を、ストッパ部80a及び係合部80fが本体部50の開口部54a,54bから突出する方向に付勢している。この付勢力により、ストッパ部80a及び係合部80fは、本体部50の開口部54a,54bから突出した突出状態となる。
なお、差し込み部材5を本体部材4に脱着する作業及び装飾体1をブレスレットに脱着する作業は、実施形態2と同様の作業である。
以上により、本実施形態の変形例によれば、コイルばね84が本体部50の内部に2つ設けられているので、コイルばねを1つ設けた場合と比較して、ばね圧を増加させることができ、ストッパ部80a及び係合部80fを突出状態に安定的に維持することができる。
また、連結具3が、本体部材4と、この本体部材4に差し込み連結可能な2つの差し込み部材5とを備えている。そして、各差し込み部材5が、本体部50と、ストッパ部材80と、コイルばね84とを有している。このため、装飾体1の取り替え等を2つの差し込み部材5のいずれにおいても行うことができる。これは特に、装飾体1をブレスレットに多数取り付けている場合であって、そのうち1個又は数個の装飾体1を取り外すときに有用である。つまり、装飾体1の取り替え等を1つの差し込み部材5でしか行えないと、例えば、10個の装飾体1のうち、最初に取り付けた装飾体1だけを取り外したいときは、10個すべての装飾体1を取り外した後に、最初に取り付けた装飾体1以外の9個の装飾体1を再度取り付ける必要がある。しかしながら、本変形例のように、装飾体1の取り替え等を2つの差し込み部材5のいずれにおいても行えると、最初に取り付けた装飾体1を、この装飾体1に近い側の差し込み部材5から取り外すことができ、装飾体1の取り外しを容易に行うことができる。
なお、本変形例では、係合部80f及び係合孔40dを同数としたが、係合部80fの数よりも多い多数の係合孔40dを形成してもよい。この場合、差し込み部材5の差し込み角度により係合部80f及び係合孔40dの係合が行うことができないのを抑制することができる。
また、本変形例では、被係合部を係合孔80としたが、係合部80fが係合可能な限り、これに限定されず、例えば、係合溝としてもよい。
(実施形態3)
本実施形態は、差し込み部材が本体部の外周面から突出する案内部をさらに有している点等が実施形態1と異なっているが、その他の点については、実施形態1と同様の構成である。そこで、以下の説明では、実施形態1の構成要素と同様の構成要素については、同一の符号を用いて説明を行う。
図9は、実施形態3に係る連結具の差し込み部材を示す斜視図である。図10は、実施形態3に係る連結具の差し込み部材を示す分解斜視図である。図11は、実施形態3に係る連結具の差し込み部材を示す断面図である。なお、図9〜図11では、本体部材の図示を省略している。
図9〜図11に示すように、差し込み部材5の大径部50bにおける径方向に互いに対向する部分の外周面には、軸方向に延びるスリット部54cが2つずつそれぞれ形成されている。このスリット部54cは、収容空間部53と連通している。この収容空間部53には、一対のストッパ部材80と、ゴム弾性部材86(付勢部材)とが収容されている。各ストッパ部材80の収容凹部80bには、ゴム弾性部材86が収容支持されている。軸部材82は、ゴム弾性部材86における本体部50先端側の端部に形成された挿通孔86aに挿通されている。ゴム弾性部材86は、各ストッパ部材80の壁部80cの間に配置されている。
ゴム弾性部材86は、シリコンゴム等で形成されている。ゴム弾性部材86は、ストッパ部材80を、ストッパ部80aが大径部50bの開口部54aから突出する方向に付勢している。この付勢力により、ストッパ部80aは、大径部50bの開口部54aから突出した突出状態となる。ゴム弾性部材86における大径部50bの径方向に互いに対向する部分には、突条状の案内部86bが2つずつそれぞれ一体に形成されている。この案内部86bは、ブレスレットを腕に付けたり外したりするときに、装飾体1がブレスレットから外れるのを補助的に抑制するものである。各案内部86bは、放射状に配置されている。各案内部86bは、大径部50bの対応するスリット部54cから突出した突出状態となっている。各案内部86bにおける突出側の面(外面)は、湾曲面状に形成されている。この突出状態では、装飾体1は、案内部86bに案内されながら、この案内部86bを通過可能になっている。
以下、装飾体1をブレスレットから取り外す作業について説明する。
装飾体1をブレスレットから取り外すときには、まず、突出状態におけるストッパ部80a(ストッパ部材80)をゴム弾性部材86の付勢力(弾性力)に抗して本体部50側(径方向内側)に向かって押圧する。すると、ストッパ部材80が軸部材82周りに回動して、ストッパ部80aが大径部50b内に没入した没入状態となる。この状態で、装飾体1を本体部50の先端側に移動させて、突出状態における案内部86bを案内通過させるとともに、没入状態におけるストッパ部80aを通過させ、本体部50から取り外す。以上により、装飾体1のブレスレットからの取り外しが完了する。
以下、装飾体1をブレスレットに取り付ける作業について説明する。
装飾体1をブレスレットに取り付けるときには、まず、装飾体1を本体部50の先端側から突出状態におけるストッパ部80aまで移動させる。すると、装飾体1の孔1a内周面により、突出状態におけるストッパ部80a(ストッパ部材80)がゴム弾性部材86の付勢力に抗して本体部50側に向かって押圧され、ストッパ部材80が軸部材82周りに回動して、ストッパ部80aが没入状態となる。そして、装飾体1を本体部50の基端側にさらに移動させて、没入状態におけるストッパ部80aを通過させるとともに、突出状態における案内部86bを案内通過させると、ストッパ部80aがゴム弾性部材86の付勢力により自動的に突出状態となる。以上により、装飾体1のブレスレットへの取り付けが完了する。
なお、差し込み部材5を本体部材4に脱着する作業は、実施形態1と同様の作業である。
−効果−
以上により、本実施形態によれば、実施形態1と同様の効果が得られる。
また、本体部50の外周面から突出する案内部86bが、差し込み部材5に設けられているので、ブレスレットを腕に付けたり外したりするときに、案内部86bにより、装飾体1がブレスレットから外れるのをより一層抑制することができる。
一方、装飾体1を取り替えたり、その数を増減させたりするときは、装飾体1を、案内部86bを案内通過させることができる。このため、装飾体1の取り替え等の容易性を維持することができる。
(実施形態4)
本実施形態は、ストッパ部材及び付勢部材が一体に形成されている点等が実施形態1と異なっているが、その他の点については、実施形態1と同様の構成である。そこで、以下の説明では、実施形態1の構成要素と同様の構成要素については、同一の符号を用いて説明を行う。
図12は、実施形態4に係る連結具の差し込み部材を示す斜視図である。図13は、実施形態4に係る連結具の差し込み部材を示す分解斜視図である。図14は、実施形態4に係る連結具の差し込み部材を示す断面図である。なお、図12〜図14では、本体部材の図示を省略している。
図12〜図14に示すように、差し込み部材5の小径部50a及び大径部50bは、パッキン83を介して互いに螺合連結されている。大径部50bは、本体部50の先端側から基端側まで直径が一定になるように形成されている。大径部50bにおける本体部50基端側の端部の外周面には、径方向に互いに対向する部分に軸方向に延びる第1スリット部54dがそれぞれ形成されている。大径部50bにおける第1スリット部54dよりも本体部50基端側の部分の外周面には、径方向のうち第1スリット部54dの対向方向(図14では、その紙面を貫く方向)と直交する方向に互いに対向する部分に軸方向に延びる第2スリット部54eがそれぞれ形成されている。これらのスリット部54d,54eは、収容空間部53と連通している。この収容空間部53には、ばね部材87(ストッパ部材)(付勢部材)が収容されている。このばね部材87は、ブレスレットを腕に付けたり外したりするときに、装飾体1がブレスレットから外れるのを抑制するものである。
ばね部材87は、X字状の金属板におけるその中央部から放射状に延びる4つの放射状部87aを金属板の中央部でそれぞれ90度折り曲げた後に、各放射状部87aの先端部をつまんで90度ねじってなるものである。第1スリット部54dに対応する一対の放射状部87aの先端部には、大径部50bの対応する第1スリット部54dから出没可能な板状のストッパ部87bがそれぞれ形成されている。ばね部材87は、ストッパ部87bが大径部50bの第1スリット部54dから突出する方向に付勢している。この付勢力により、ストッパ部87bは、大径部50bの第1スリット部54dから突出した突出状態となる。ストッパ部87bは、突出状態では、その突出高さが本体部50の先端側から基端側に行くに従って次第に大きくなるように、その突出側の面(外面)が傾斜面状に形成されている。
第2スリット部54eに対応する一対の放射状部87aの先端部には、板状の案内部87cがそれぞれ形成されている。この案内部87cは、ブレスレットを腕に付けたり外したりするときに、装飾体1がブレスレットから外れるのを補助的に抑制するものである。各案内部87cは、大径部50bの対応する第2スリット部54eから突出した突出状態となっている。この突出状態では、各案内部87cにおける突出側の面(外面)は、湾曲面状に形成されている。
以下、装飾体1をブレスレットから取り外す作業について説明する。
装飾体1をブレスレットから取り外すときには、まず、突出状態におけるストッパ部87bをばね部材87の付勢力に抗して本体部50側(径方向内側)に向かって押圧する。すると、ストッパ部87bが大径部50b内に没入した没入状態となる。この状態で、装飾体1を本体部50の先端側に移動させると、装飾体1の孔1a内周面により、突出状態における案内部87cがばね部材87の付勢力に抗して本体部50側に向かって押圧され、案内部87cが第2スリット部54e内に没入した没入状態となる。そして、装飾体1を本体部50の先端側にさらに移動させて、没入状態におけるストッパ部87b及び案内部87cを通過させ、本体部50から取り外す。以上により、装飾体1のブレスレットからの取り外しが完了する。
以下、装飾体1をブレスレットに取り付ける作業について説明する。
装飾体1をブレスレットに取り付けるときには、まず、装飾体1を本体部50の先端側から突出状態におけるストッパ部87b及び案内部87cまで移動させる。すると、装飾体1の孔1a内周面により、突出状態におけるストッパ部87b及び案内部87cがばね部材87の付勢力に抗して本体部50側に向かって押圧され、ストッパ部87b及び案内部87cが没入状態となる。そして、装飾体1を本体部50の基端側にさらに移動させて、没入状態におけるストッパ部87b及び案内部87cを通過させると、ストッパ部87b及び案内部87cがばね部材87の付勢力により自動的に突出状態となる。以上により、装飾体1のブレスレットへの取り付けが完了する。
なお、差し込み部材5を本体部材4に脱着する作業は、実施形態1と同様の作業である。
−効果−
以上により、本実施形態によれば、実施形態1と同様の効果が得られる。
また、ストッパ部材及び付勢部材が一体に形成されているので、ストッパ部材及び付勢部材を別々に形成した場合と比較して、部材点数を低減することができるとともに、差し込み部材5の組立を容易に行うことができる。
(実施形態5)
本実施形態は、ストッパ部材及び付勢部材が一体に形成されている点等が実施形態1と異なっているが、その他の点については、実施形態1と同様の構成である。そこで、以下の説明では、実施形態1の構成要素と同様の構成要素については、同一の符号を用いて説明を行う。
図15は、実施形態5に係る連結具の差し込み部材を示す斜視図である。図16は、実施形態5に係る連結具の差し込み部材を示す分解斜視図である。図17は、実施形態5に係る連結具の差し込み部材を示す断面図であり、(a)は突出状態におけるストッパ部を示す図、(b)は没入状態におけるストッパ部を示す図である。なお、図15〜図17では、本体部材の図示を省略している。
図15〜図17に示すように、差し込み部材5の大径部50bは、本体部50の先端側から基端側まで直径が一定になるように形成されている。大径部50bにおける本体部50基端側の部分の外周面には、軸方向に延びるスリット部54fが周方向に90度間隔で形成されている。大径部50bにおける本体部50先端側の部分の外周面には、矩形状の固定孔54gが周方向に90度間隔で形成されている。これらのスリット部54f及び固定孔54gは、互いに大径部50bの軸方向に並ぶように配置されている。スリット部54f及び固定孔54gは、収容空間部53と連通している。この収容空間部53には、一対のばね部材88(ストッパ部材)(付勢部材)が収容されている。このばね部材88は、ブレスレットを腕に付けたり外したりするときに、装飾体1がブレスレットから外れるのを抑制するものである。一対のばね部材88は、本体部50の軸方向から見たときにX字状に配置されている。
一対のばね部材88は、互いに同様の形状である。つまり、各ばね部材88は、U字状の本体部88aを有している。この本体部88aの両端部には、大径部50bの対応するスリット部54fから出没可能な板状のストッパ部88bがそれぞれ一体に形成されている。このストッパ部88bは、ばね部材88からU字外側に突出している。各ばね部材88は、ストッパ部88bが大径部50bのスリット部54fから突出する方向に付勢している。この付勢力により、ストッパ部88bは、大径部50bのスリット部54fから突出した突出状態となる。ストッパ部88bは、突出状態では、その突出高さが本体部50の先端側から基端側に行くに従って次第に大きくなるように、その突出側の面(外面)が傾斜面状に形成されている。本体部88aにおける両端部とU字底部との間の中間部には、U字外側に突出する突出部88cがそれぞれ一体に形成されている。この突出部88cは、大径部50bの対応する固定孔54gに嵌合固定される。この嵌合固定により、ばね部材88は、本体部50の内部に位置決めされる。
大径部50b及び連結部52は、パッキン83を介して互いに螺合連結されている。このパッキン83は、大径部50b及び連結部52の螺合が緩むのを防止するためのものである。
なお、差し込み部材5を本体部材4に脱着する作業及び装飾体1をブレスレットに脱着する作業は、実施形態1と同様の作業である。
以上により、本実施形態によれば、実施形態4と同様の効果が得られる。
なお、本実施形態では、一対のばね部材88を互いに同様の形状としたが、互いに異なる形状としてもよい。例えば、一方のばね部材88のストッパ部88bを実施形態3の案内部としてもよい。
(実施形態6)
本実施形態は、本体部材が本体部とストッパ部材と付勢部材とを有する点等が実施形態1と異なっているが、その他の点については、実施形態1と同様の構成である。そこで、以下の説明では、実施形態1の構成要素と同様の構成要素については、同一の符号を用いて説明を行う。
図18は、実施形態6に係る、差し込み部材を本体部材から取り外した状態における連結具を示す斜視図である。図19は、実施形態6に係る連結具を示す分解斜視図である。図20は、実施形態6に係る、差し込み部材を本体部材に取り付けた状態における連結具を示す断面図である。
図18〜図20に示すように、本体部材4は、円柱状の本体部43を有している。この本体部43は、装飾体1が通過可能な大きさに形成されている。本体部43における差し込み部材5側の面には、この差し込み部材5が差し込まれる円状の差し込み孔44が形成されている。この差し込み孔44の底面には、円状の固定孔45が形成されている。この固定孔45は、差し込み孔44よりも内径が小さくなるように形成されている。固定孔45には、円柱状の磁石46が接着剤により内嵌固定されている。
本体部43における基端側(差し込み部材5とは反対側)の部分は、本体部43の先端側から基端側に行くに従って次第に直径が大きくなるように形成されている。本体部43における基端側の部分の内部には、軸方向に延びる収容空間部47が形成されている。本体部43の基端側の部分における径方向(図20では、上下方向)に互いに対向する部分の外周面には、軸方向に延びる矩形状の開口部48がそれぞれ形成されている。これらの開口部48は、収容空間部47と連通している。この収容空間部47には、一対のストッパ部材80と、ねじりばね81とが収容されている。軸部材82の両端部は、本体部43におけるこの両端部に対応する部分に形成された固定孔49にそれぞれ嵌合固定されている。
差し込み部材5は、円筒状の部材である。差し込み部材5における本体部材4とは反対側の端部には、線状部材2の他端が連結される連結部52が形成されている。この連結部52は、装飾体1が通過不能な大きさに形成されている。連結部52における本体部材4側の端部の内周面には、径方向内側に突出する突出部52aが形成されている。差し込み部材5の内部空間には、円柱状の磁石56が差し込み部材5の先端部によりかしめ固定されている。この磁石56は、突出部52aに接触支持されている。
以下、差し込み部材5を本体部材4に取り付ける作業について説明する。
差し込み部材5を本体部材4に取り付けるときには、差し込み部材5を差し込み孔44に差し込む。すると、差し込み部材5が、この差し込み部材5の磁石56と本体部材4の磁石46との間の磁力により差し込み孔44に嵌合係合する。以上により、差し込み部材5の本体部材4への取り付けが完了する。
また、差し込み部材5を本体部材4から取り外すときには、差し込み部材5を、この差し込み部材5の磁石56と本体部材4の磁石46との間の磁力に抗して差し込み孔44の外側に引っ張る。これにより、差し込み部材5の本体部材4からの取り外しが完了する。
以下、装飾体1をブレスレットから取り外す作業について説明する。
装飾体1をブレスレットから取り外すときには、まず、突出状態におけるストッパ部80a(ストッパ部材80)をねじりばね81の付勢力に抗して本体部43側(径方向内側)に向かって押圧する。すると、ストッパ部材80が軸部材82周りに回動して、ストッパ部80aが本体部43内に没入した没入状態となる。この状態で、装飾体1を本体部43の先端側に移動させて、没入状態におけるストッパ部80aを通過させ、本体部43から取り外す。以上により、装飾体1のブレスレットからの取り外しが完了する。
以下、装飾体1をブレスレットに取り付ける作業について説明する。
装飾体1をブレスレットに取り付けるときには、まず、装飾体1を本体部43の先端側から突出状態におけるストッパ部80aまで移動させる。すると、装飾体1の孔1a内周面により、突出状態におけるストッパ部80a(ストッパ部材80)がねじりばね81の付勢力に抗して本体部43側に向かって押圧され、ストッパ部材80が軸部材82周りに回動して、ストッパ部80aが没入状態となる。そして、装飾体1を本体部43の基端側にさらに移動させて、没入状態におけるストッパ部80aを通過させると、ストッパ部80aがねじりばね81の付勢力により自動的に突出状態となる。以上により、装飾体1のブレスレットへの取り付けが完了する。
以上により、本実施形態によれば、実施形態1と同様の効果が得られる。
(実施形態7)
本実施形態は、連結具が一対の連結部材を備える点等が実施形態1と異なっているが、その他の点については、実施形態1と同様の構成である。そこで、以下の説明では、実施形態1の構成要素と同様の構成要素については、同一の符号を用いて説明を行う。
図21は、実施形態7に係る、連結部材同士の連結を解除した状態における連結具を示す斜視図である。図22は、実施形態7に係る連結具を示す分解斜視図である。図23は、実施形態7に係る、連結部材同士を連結した状態における連結具を示す断面図である。
図21〜図23に示すように、各連結部材9は、互いに同様の形状である。つまり、各連結部材9は、円柱状の本体部90を有している。この本体部90は、装飾体1が通過可能な大きさに形成されている。本体部90における他の連結部材9とは反対側の端部には、線状部材2の一端が連結される連結部91が形成されている。本体部90における他の連結部材9側の面には、円状の固定孔92が形成されている。この固定孔92には、円柱状の磁石93が連結部材9の先端部によりかしめ固定されている。
本体部90における基端側(他の連結部材9とは反対側)の部分は、本体部90の先端側から基端側に行くに従って次第に直径が大きくなるように形成されている。本体部90における基端側の部分の内部には、軸方向に延びる収容空間部94が形成されている。本体部90の基端側の部分における径方向(図23では、上下方向)に互いに対向する部分の外周面には、軸方向に延びる矩形状の開口部95がそれぞれ形成されている。これらの開口部95は、収容空間部94と連通している。この収容空間部94には、一対のストッパ部材80と、ねじりばね81とが収容されている。軸部材82の両端部は、本体部90におけるこの両端部に対応する部分に形成された固定孔96にそれぞれ嵌合固定されている。
連結部材9を互いに連結するときには、連結部材9の先端部同士をくっ付ける。すると、連結部材9同士が、各連結部材9の磁石93の間の磁力により互いに結合する。以上により、連結部材9同士の連結が完了する。
また、連結部材9同士の連結を解除するときには、連結部材9同士を、各連結部材9の磁石93の間の磁力に抗して互いに引き離す。これにより、連結部材9同士の連結の解除が完了する。
以下、装飾体1をブレスレットから取り外す作業について説明する。
装飾体1をブレスレットから取り外すときには、まず、突出状態におけるストッパ部80a(ストッパ部材80)をねじりばね81の付勢力に抗して本体部90側(径方向内側)に向かって押圧する。すると、ストッパ部材80が軸部材82周りに回動して、ストッパ部80aが本体部90内に没入した没入状態となる。この状態で、装飾体1を本体部90の先端側に移動させて、没入状態におけるストッパ部80aを通過させ、本体部90から取り外す。以上により、装飾体1のブレスレットからの取り外しが完了する。
以下、装飾体1をブレスレットに取り付ける作業について説明する。
装飾体1をブレスレットに取り付けるときには、まず、装飾体1を本体部90の先端側から突出状態におけるストッパ部80aまで移動させる。すると、装飾体1の孔1a内周面により、突出状態におけるストッパ部80a(ストッパ部材80)がねじりばね81の付勢力に抗して本体部90側に向かって押圧され、ストッパ部材80が軸部材82周りに回動して、ストッパ部80aが没入状態となる。そして、装飾体1を本体部90の基端側にさらに移動させて、没入状態におけるストッパ部80aを通過させると、ストッパ部80aがねじりばね81の付勢力により自動的に突出状態となる。以上により、装飾体1のブレスレットへの取り付けが完了する。
以上により、本実施形態によれば、実施形態1と同様の効果が得られる。
また、各連結部材9が、本体部90と、ストッパ部材80と、ねじりばね81とを有している。このため、装飾体1の取り替え等を2つの連結部材9のいずれにおいても行うことができる。これは特に、装飾体1をブレスレットに多数取り付けている場合であって、そのうち1個又は数個の装飾体1を取り外すときに有用である。つまり、装飾体1の取り替え等を1つの連結部材9でしか行えないと、例えば、10個の装飾体1のうち、最初に取り付けた装飾体1だけを取り外したいときは、10個すべての装飾体1を取り外した後に、最初に取り付けた装飾体1以外の9個の装飾体1を再度取り付ける必要がある。しかしながら、本実施形態のように、装飾体1の取り替え等を2つの連結部材9のいずれにおいても行えると、最初に取り付けた装飾体1を、この装飾体1に近い側の連結部材9から取り外すことができ、装飾体1の取り外しを容易に行うことができる。
(その他の実施形態)
上記各実施形態では、連結具3をブレスレットに採用したが、これに限らず、他の装身具、例えば、ネックレス等に採用してもよい。
また、上記各実施形態(実施形態4及び5を除く)では、ストッパ部材80を連結部材に2つ設けたが、これに限らず、例えば、1つだけ設けてもよい。ここで、装飾体1がブレスレットから外れるのを抑制する観点からは、ストッパ部材80の数は多い方が望ましい。一方、ストッパ部80a(ストッパ部材80)の押圧操作の容易性の観点からは、ストッパ部材80の数は2つ以内であることが望ましい。
また、上記各実施形態では、線状部材2及び連結具3を連結部を介して連結したが、これに限らず、例えば、連結環を介して連結してもよい。
また、上記実施形態2、4及び5では、差し込み部材5の部品同士を螺合連結したが、これに限らず、例えば、かしめや締結、はんだ付け、ろう付け、接着剤による接着等で連結してもよい。
また、本発明の趣旨を逸脱しない限り、上記各実施形態の構成要素を任意に組み合わせてもよい。