JP2015196786A - ゴム組成物および半導電性発泡ゴムローラ - Google Patents

ゴム組成物および半導電性発泡ゴムローラ Download PDF

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Abstract

【課題】半導電性を有する架橋された発泡ゴム製品の廃棄品や廃棄物を有効に再利用でき、しかもこれらを再利用したことが特性等に影響を及ぼさない新たな発泡ゴム製品を製造しうるゴム組成物、および当該ゴム組成物を用いて製造される発泡ゴム製品としての半導電性発泡ゴムローラを提供する。
【解決手段】ゴム組成物は、未架橋のゴム分、当該ゴム分を発泡させるための発泡成分、および前記ゴム分を架橋させるための架橋成分に、上記廃棄品や廃棄物である半導電性を有する架橋された発泡ゴムを粉砕してなる#16メッシュ通過以下の粒径のゴム粉を配合した。半導電性発泡ゴムローラ1は、かかる本発明のゴム組成物からなる。
【選択図】図1

Description

本発明は、半導電性、発泡性、および架橋性を有するゴム組成物と、当該ゴム組成物を用いて製造される半導電性発泡ゴムローラに関するものである。
電子写真法を利用したレーザープリンタ、静電式複写機、普通紙ファクシミリ装置、あるいはこれらの複合機等の画像形成装置の現像ローラ、トナー供給ローラ、帯電ローラ、転写ローラ、クリーニングローラ等として、半導電性を有する架橋された発泡ゴムからなる半導電性発泡ゴムローラが広く用いられている。
近年の、資源の再利用による環境への負荷の低減を進める流れの中で、当該半導電性発泡ゴムローラについても、例えば製品としての使用終了後に回収した廃棄品や、製造時に工程上のロス分として発生したり不良品として出たりした廃棄物などを資源として再利用することが求められるようになってきている。
梱包材等として多用されている発泡スチロールなどでは、発泡剤を再含浸させて予備発泡粒子として再利用して、未使用の予備発泡粒子と混合して樹脂発泡体を製造する技術が開発されている(例えば特許文献1等参照)。
しかし半導電性発泡ゴムローラなどの発泡ゴム製品はすでに架橋されたゴムからなるため、加熱すれば何度でも熱溶着が可能な熱可塑性のポリスチレンからなる発泡スチロールのような訳には行かない。特許文献1に記載の技術を発泡ゴム製品に適用することはできない。
そこで、例えば非発泡のゴム製品の場合と同様に発泡ゴム製品を粉砕したものを、ゴムや樹脂に増量材として配合して非発泡の一般構造物の製造などに使用することが考えられるが、その場合には分散させた発泡ゴム製品の粉砕物の部分で一般構造物の強度が局所的かつ大幅に低下するという問題を生じる。
また近年、半導電性発泡ゴムローラ等の発泡ゴム製品に半導電性を付与するために、ゴムとしてイオン導電性を有するエピクロルヒドリンゴムが主として使用されているが、かかるエピクロルヒドリンゴムは分子中に塩素を含むため一般構造物には再利用しづらい上、廃棄処理する際には高温焼却などが必要で廃棄コストがかさむといった問題もある。
特開2001−40132号公報
本発明の目的は、半導電性を有する架橋された発泡ゴム製品の廃棄品や廃棄物を有効に再利用でき、しかもこれらを再利用したことが特性等に影響を及ぼさない新たな発泡ゴム製品を製造しうるゴム組成物、および当該ゴム組成物を用いて製造される発泡ゴム製品としての半導電性発泡ゴムローラを提供することにある。
本発明は、半導電性を有する架橋された発泡ゴムを粉砕してなる#16メッシュ通過以下の粒径のゴム粉、未架橋のゴム分、当該ゴム分を発泡させるための発泡成分、および前記ゴム分を架橋させるための架橋成分を含むゴム組成物である。
また本発明は、かかる本発明のゴム組成物からなる半導電性発泡ゴムローラである。
本発明によれば、半導電性発泡ゴムローラ等の発泡ゴム製品の廃棄品や廃棄物である半導電性を有する架橋された発泡ゴムを、#16メッシュ通過以下という微細な粒径に粉砕したゴム粉の状態で配合して発泡性、架橋性を有するゴム組成物を調製しているため、かかる微細なゴム粉がゴム組成物に対する分散性に優れていることや、当該ゴム組成物を用いて製造するのがゴム粉のもとになる発泡ゴムと同様の発泡ゴム製品であること等と相まって、製造する新たな発泡ゴム製品の強度や柔軟性、半導電性等の特性をゴム粉の影響でばらついたりしにくくできる。
そのため本発明のゴム組成物によれば、上記廃棄品や廃棄物を有効に再利用でき、しかもこれらを再利用したことが特性等に影響を及ぼさない、半導電性発泡ゴムローラ等の新たな発泡ゴム製品を製造することが可能となる。
なお本発明では、ゴム粉の粒径を規定するメッシュ#を、ASTM E11において規定された呼び番号でもって表すこととする。
本発明の半導電性発泡ゴムローラの、実施の形態の一例を示す斜視図である。 半導電性発泡ゴムローラのローラ抵抗値を測定する方法を説明する図である。
《ゴム組成物》
本発明のゴム組成物は、半導電性を有する架橋された発泡ゴムを粉砕してなる#16メッシュ通過以下の粒径のゴム粉、未架橋のゴム分、当該ゴム分を発泡させるための発泡成分、および前記ゴム分を架橋させるための架橋成分を含んでいる。
〈ゴム分〉
ゴム分としては、発泡成分の作用によって発泡が可能で、かつ架橋成分の作用によって架橋が可能な種々の未架橋のゴムが挙げられる。
特にゴム分としては、半導電性発泡ゴムローラ等のゴム製品に良好な半導電性を付与することを考慮すると、イオン導電性を有するエピクロルヒドリンゴムが好ましい。
(エピクロルヒドリンゴム)
エピクロルヒドリンゴムとしては、エピクロルヒドリン単独重合体、エピクロルヒドリン−エチレンオキサイド二元共重合体(ECO)、エピクロルヒドリン−プロピレンオキサイド二元共重合体、エピクロルヒドリン−アリルグリシジルエーテル二元共重合体、エピクロルヒドリン−エチレンオキサイド−アリルグリシジルエーテル三元共重合体(GECO)、エピクロルヒドリン−プロピレンオキサイド−アリルグリシジルエーテル三元共重合体、およびエピクロルヒドリン−エチレンオキサイド−プロピレンオキサイド−アリルグリシジルエーテル四元共重合体等の1種または2種以上が挙げられる。
エピクロルヒドリンゴムとしては、これらの中でもエチレンオキサイドを含む共重合体、特にECO、および/またはGECOが好ましい。
かかる両共重合体においてエチレンオキサイド含量は、いずれも30モル%以上、特に50モル%以上であるのが好ましく、80モル%以下であるのが好ましい。
エチレンオキサイドは発泡ゴム製品の半導電性を向上して、例えば半導電性発泡ゴムローラのローラ抵抗値等を下げる働きをする。しかしエチレンオキサイド含量がこの範囲未満ではかかる働きが十分に得られないため、半導電性発泡ゴムローラのローラ抵抗値等を十分に低下できないおそれがある。
一方、エチレンオキサイド含量が上記の範囲を超える場合には、エチレンオキサイドの結晶化が起こり分子鎖のセグメント運動が妨げられるため、逆に発泡ゴム製品の半導電性が低下して、半導電性発泡ゴムローラのローラ抵抗値等が上昇したりする傾向がある。また架橋後の発泡ゴム製品の硬度が上昇したり、架橋前のゴム組成物の、加熱溶融時の粘度が上昇したりするおそれもある。
ECOにおいて、エピクロルヒドリン含量はエチレンオキサイド含量の残量である。すなわちエピクロルヒドリン含量は20モル%以上であるのが好ましく、70モル%以下、特に50モル%以下であるのが好ましい。
またGECOにおいて、アリルグリシジルエーテル含量は0.5モル%以上、特に2モル%以上であるのが好ましく、10モル%以下、特に5モル%以下であるのが好ましい。
アリルグリシジルエーテルは、それ自体が側鎖として自由体積を確保するために機能することにより、エチレンオキサイドの結晶化を抑制して、発泡ゴム製品の半導電性を高め、半導電性発泡ゴムローラのローラ抵抗値等を低下させる働きをする。しかしアリルグリシジルエーテル含量が上記の範囲未満ではかかる働きが得られないため、半導電性発泡ゴムローラのローラ抵抗値等を十分に低下できないおそれがある。
一方、アリルグリシジルエーテルはGECOの架橋時に架橋点として機能するため、アリルグリシジルエーテル含量が上記の範囲を超える場合には、GECOの架橋密度が高くなり、分子鎖のセグメント運動が妨げられるため、却って発泡ゴム製品の半導電性が低下して、半導電性発泡ゴムローラのローラ抵抗値等が上昇する傾向がある。また発泡ゴム製品の引張強度や疲労特性、耐屈曲性等が低下するおそれもある。
GECOにおいて、エピクロルヒドリン含量はエチレンオキサイド含量、およびアリルグリシジルエーテル含量の残量である。すなわちエピクロルヒドリン含量は10モル%以上、特に19.5モル%以上であるのが好ましく、69.5モル%以下、特に60モル%以下であるのが好ましい。
GECOとしては、上で説明した3種の単量体を共重合させた狭義の意味での共重合体のほかに、エピクロルヒドリン−エチレンオキサイド共重合体(ECO)をアリルグリシジルエーテルで変性した変性物も知られており、本発明ではかかる変性物もGECOとして使用可能である。
(他のゴム)
ゴム分としては、エピクロルヒドリンゴムを単独(2種以上のエピクロルヒドリンゴムのみの併用系を含む)で用いるのが好ましいが、他のゴムと併用してもよい。
他のゴムとしては、例えばアクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)、クロロプレンゴム(CR)、天然ゴム、イソプレンゴム(IR)、ブタジエンゴム(BR)、ブチルゴム(IIR)、アクリルゴム(ACM)、エチレンプロピレンゴム(EPM)、エチレンプロピレンジエンゴム(EPDM)等の1種または2種以上が挙げられる。
当該他のゴムは、種類によって発泡ゴム製品のゴム弾性や強度、発泡性等を調整したり、高価なエピクロルヒドリンゴムの増量剤として機能したりする。
(配合割合)
ゴム分として、エピクロルヒドリンゴムと他のゴムとを併用する場合、当該他のゴムの配合割合は、ゴム分の総量100質量部中の5質量部以上であるのが好ましく、30質量部以下であるのが好ましい。
他のゴムの配合割合がこの範囲未満では、当該他のゴムを併用することによる先述した効果が十分に得られないおそれがある。
一方、他のゴムの配合割合が上記の範囲を超える場合には、特に発泡ゴム製品の半導電性が他のゴムの影響でばらつくおそれがあり、例えば半導電性発泡ゴムローラのローラ抵抗値等にばらつきを生じやすくなるおそれがある。
〈ゴム粉〉
ゴム粉としては、先に説明したように半導電性発泡ゴムローラ等の発泡ゴム製品の廃棄品や廃棄物である、半導電性を有する架橋された発泡ゴムを粉砕したゴム粉を用いる。
特に、ゴム分としてエピクロルヒドリンゴムを含むことで半導電性が付与された発泡ゴムのゴム粉を用いることにより、当該エピクロルヒドリンゴムの持つイオン導電性によって、新たに製造する発泡ゴム製品にも半導電性を付与したり、あるいはゴム分としてエピクロルヒドリンゴムを用いて半導電性を付与した発泡ゴム製品の抵抗値の低下やばらつきを防止したりできるなど、エピクロルヒドリンゴムを有効に再利用することが可能となる。またそのため、エピクロルヒドリンゴムを含む発泡ゴム製品の廃棄処理の問題なども解消できる。
ゴム粉の粒径は#16メッシュ通過以下である必要がある。
この範囲より粒径の大きいゴム粉を使用した場合には、ゴム組成物を用いて製造する新たな発泡ゴム製品中でのゴム粉の分散性や一体性が低下して、当該発泡ゴム製品の強度や柔軟性、半導電性等の特性がばらついたりする。また、例えば本発明のゴム組成物を、発泡ゴム製品としての半導電性発泡ゴムローラ等の製造のために押出機を用いて押出成形する際に、当該押出機のメッシュで目詰まり等を生じたりするおそれもある。
これに対しゴム粉の粒径を上記の範囲とすることでゴム組成物中への分散性を向上できるとともに、目詰まり等を生じることなしに生産性良く発泡ゴム製品を製造でき、しかも発泡ゴム製品の強度や柔軟性、半導電性等の特性をできるだけ均一化できる。またそのため、ゴム粉を含まないゴム組成物からなる発泡ゴム製品との性能差を小さくできる上、それに伴ってゴム粉の配合割合を増加させて再利用の効率を向上できる。
なおゴム粉の粒径は、かかる効果をさらに向上することを考慮すると、上記の範囲でも小さいほど好ましく、#60メッシュ通過以下、特に#100メッシュ通過以下であるのが好ましい。
ただし粒径が小さすぎるゴム粉は粉砕に手間がかかる上、分級の際にロスが大きくなるおそれがある。そのためゴム粉の粒径は#1000メッシュ通過以上、特に#400メッシュ通過以上であるのが好ましい。
ゴム粉の配合割合は、未架橋のゴム分100質量部あたり5質量部以上であるのが好ましく、40質量部以下であるのが好ましい。
ゴム粉の配合割合がこの範囲未満では、当該ゴム粉のもとになる発泡ゴム製品の廃棄品や廃棄物を資源として再利用する効果が十分に得られないおそれがある。
またゴム粉の配合割合が上記の範囲を超える場合には、相対的にゴム分の割合が少なくなるため、各成分を混錬してゴム組成物を調製する際や、調製したゴム組成物を所定の発泡ゴム製品の形状に成形する際等の加工性が低下したり、製造した発泡ゴム製品の強度や柔軟性等が低下したりするおそれがある。またそのため、ゴム粉を含まないゴム組成物からなる発泡ゴム製品との性能差が大きくなるおそれもある。
〈発泡成分〉
発泡成分としては、加熱により分解してガスを発生する発泡剤を用いる。かかる発泡剤としては、例えばアゾジカルボンアミド(ADCA)、4,4′−オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド)(OBSH)、N,N−ジニトロソペンタメチレンテトラミン(DPT)等の1種または2種以上が挙げられる。
発泡剤の配合割合は、製造する発泡ゴム製品の発泡倍率やセル径、あるいは発泡ゴム製品が半導電性発泡ゴムローラである場合はその径等に応じて任意に設定できるが、未架橋のゴム分100質量部あたり1質量部以上、中でも2質量部以上、特に4質量部以上であるのが好ましく、12質量部以下、中でも10質量部以下、特に8質量部以下であるのが好ましい。
また発泡剤がADCAである場合には、当該ADCAの分解温度を引き下げて分解を促進する働きをする尿素系の発泡助剤を組み合わせて使用してもよい。
発泡助剤の配合割合は、組み合わせる発泡剤の種類等に応じて任意に設定できるが、未架橋のゴム分100質量部あたり1質量部以上、特に2質量部以上であるのが好ましく、12質量部以下、特に10質量部以下であるのが好ましい。
〈架橋成分〉
ゴム分を架橋させるための架橋成分としては、架橋剤、促進剤等が挙げられる。
このうち架橋剤としては、例えば硫黄系架橋剤、チオウレア系架橋剤、トリアジン誘導体系架橋剤、過酸化物系架橋剤、各種モノマー等の1種または2種以上が挙げられる。中でも硫黄系架橋剤が好ましい。
また硫黄系架橋剤としては、粉末硫黄や有機含硫黄化合物等が挙げられる。このうち有機含硫黄化合物等としては、テトラメチルチウラムジスルフィド、N,N−ジチオビスモルホリン等が挙げられる。特に粉末硫黄等の硫黄が好ましい。
硫黄の配合割合は、ゴム分の総量100質量部あたり0.2質量部以上、特に1質量部以上であるのが好ましく、5質量部以下、特に3質量部以下であるのが好ましい。
配合割合がこの範囲未満では、ゴム組成物の全体での架橋速度が遅くなり、架橋に要する時間が長くなって発泡ゴム製品の生産性が低下するおそれがある。また範囲を超える場合には、架橋後の発泡ゴム製品の圧縮永久ひずみが大きくなったり、過剰の硫黄が発泡ゴム製品の表面にブルームしたりするおそれがある。
かかるブルームやあるいはその他の成分のブリードなどは、特に発泡ゴム製品が電子写真法を利用した画像形成装置に組み込んで使用する半導電性発泡ゴムローラ等である場合、極力避けなければならない。
画像形成装置内で感光体等と接触する半導電性発泡ゴムローラの外周面にブルームやブリードが発生すると、かかるブルームしたリブリードしたりした成分によって最終的に感光体が汚染されて形成画像に画像不良を生じてしまうためである。
促進剤としては、例えば消石灰、マグネシア(MgO)、リサージ(PbO)等の無機促進剤や、あるいは有機促進剤等の1種または2種以上が挙げられる。
また有機促進剤としては、例えばジ−o−トリルグアニジン、1,3−ジフェニルグアニジン、1−o−トリルビグアニド、ジカテコールボレートのジ−o−トリルグアニジン塩等のグアニジン系促進剤;2−メルカプトベンゾチアゾール、ジ−2−ベンゾチアジルジスルフィド等のチアゾール系促進剤;N−シクロへキシル−2−ベンゾチアジルスルフェンアミド等のスルフェンアミド系促進剤;テトラメテルチウラムモノスルフィド、テトラメチルチウラムジスルフィド、テトラエチルチウラムジスルフィド、ジペンタメチレンチウラムテトラスルフィド等のチウラム系促進剤;チオウレア系促進剤等の1種または2種以上が挙げられる。
促進剤としては、これら種々の促進剤の中から、組み合わせる架橋剤の種類に応じて、最適な促進剤の1種または2種以上を選択して使用すればよい。
また促進剤は、種類によって架橋促進のメカニズムが異なるため、2種以上を併用するのが好ましい。併用する個々の促進剤の配合割合は任意に設定できるが、ゴム分の総量100質量部あたり0.1質量部以上、特に0.5質量部以上であるのが好ましく、5質量部以下、特に2質量部以下であるのが好ましい。
架橋成分としては、さらに促進助剤を配合してもよい。
促進助剤としては、例えば酸化亜鉛等の金属化合物;ステアリン酸、オレイン酸、綿実脂肪酸等の脂肪酸、その他従来公知の促進助剤の1種または2種以上が挙げられる。
促進助剤の配合割合は、ゴム分の種類および組み合わせや、架橋剤、促進剤の種類および組み合わせ等に応じて適宜設定できる。
〈その他〉
ゴム組成物には、さらに必要に応じて各種の添加剤を配合してもよい。添加剤としては、例えば受酸剤、可塑剤、加工助剤、劣化防止剤、充填剤、スコーチ防止剤、紫外線吸収剤、滑剤、顔料、帯電防止剤、難燃剤、中和剤、造核剤、共架橋剤等が挙げられる。
このうち受酸剤は、ゴム分の架橋時にエピクロルヒドリンゴムから発生する塩素系ガスの、発泡ゴム製品内への残留とそれによる架橋阻害や、例えば発泡ゴム製品が画像形成装置に組み込んで使用する半導電性発泡ゴムローラである場合に、感光体の汚染等を防止するために機能する。
受酸剤としては、酸受容体として作用する種々の物質を用いることができるが、中でも分散性に優れたハイドロタルサイト類またはマグサラットが好ましく、特にハイドロタルサイト類が好ましい。
また、ハイドロタルサイト類等を酸化マグネシウムや酸化カリウムと併用すると、より高い受酸効果を得ることができ、感光体の汚染をより一層確実に防止できる。
受酸剤の配合割合は、ゴム分の総量100質量部あたり0.2質量部以上、特に0.5質量部以上であるのが好ましく、10質量部以下、特に5質量部以下であるのが好ましい。
配合割合がこの範囲未満では、受酸剤を配合することによる効果が十分に得られないおそれがある。また範囲を超える場合には、架橋後の発泡ゴム製品の硬さが上昇するおそれがある。
可塑剤としては、例えばジブチルフタレート(DBP)、ジオクチルフタレート(DOP)、トリクレジルホスフェート等の各種可塑剤や、極性ワックス等の各種ワックス等が挙げられる。また加工助剤としてはステアリン酸等の脂肪酸などが挙げられる。
例えば発泡ゴム製品が半導電性発泡ゴムローラ等である場合、上記可塑剤および/または加工助剤のブリードによる感光体の汚染が生じるのを防止することを考慮すると、これらの成分の配合割合は、ゴム分の総量100質量部あたり5質量部以下であるのが好ましい。
またかかる目的に鑑みると、可塑剤および/または加工助剤としては、特に可塑剤のうち極性ワックスを使用するのが好ましい。
劣化防止剤としては、各種の老化防止剤や酸化防止剤等が挙げられる。
このうち酸化防止剤は、発泡ゴム製品の半導電性、特に半導電性発泡ゴムローラのローラ抵抗値等の環境依存性を低減するとともに、連続通電時のローラ抵抗値等の上昇を抑制する働きをする。酸化防止剤としては、例えばジエチルジチオカルバミン酸ニッケル〔大内新興化学工業(株)製のノクラック(登録商標)NEC−P〕、ジブチルジチオカルバミン酸ニッケル〔大内新興化学工業(株)製のノクラックNBC〕等が挙げられる。
充填剤としては、例えば酸化亜鉛、シリカ、カーボン、先に説明した導電性カーボンブラック以外の他のカーボンブラック、クレー、タルク、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、水酸化アルミニウム等の1種または2種以上が挙げられる。
充填剤を配合することにより、発泡ゴム製品の機械的強度等を向上できる。
また充填剤として導電性カーボンブラックを用いることで、ゴム組成物の全体としてのマイクロ波の吸収効率を向上したり、トナー供給ローラに電子導電性を付与したりできる。
導電性カーボンブラックとしては、HAFが好ましい。HAFは、マイクロ波の吸収効率に特に優れる上、ゴム組成物中に均一に分散できるため、トナー供給ローラにできるだけ均一な電子導電性を付与できる。
導電性カーボンブラックの配合割合は、ゴム分の総量100質量部あたり5質量部以上であるのが好ましく、25質量部以下、特に20質量部以下であるのが好ましい。
スコーチ防止剤としては、例えばN−シクロへキシルチオフタルイミド、無水フタル酸、N−ニトロソジフエニルアミン、2,4−ジフエニル−4−メチル−1−ペンテン等の1種または2種以上が挙げられる。特にN−シクロへキシルチオフタルイミドが好ましい。
スコーチ防止剤の配合割合は、ゴム分の総量100質量部あたり0.1質量部以上であるのが好ましく、5質量部以下、特に1質量部以下であるのが好ましい。
共架橋剤とは、それ自体が架橋するとともにゴム分とも架橋反応して全体を高分子化する働きを有する成分を指す。
共架橋剤としては、例えばメタクリル酸エステルや、あるいはメタクリル酸またはアクリル酸の金属塩等に代表されるエチレン性不飽和単量体、1,2−ポリブタジエンの官能基を利用した多官能ポリマ類、あるいはジオキシム等の1種または2種以上が挙げられる。
このうちエチレン性不飽和単量体としては、例えば
(a) アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸などのモノカルボン酸類、
(b) マレイン酸、フマル酸、イタコン酸などのジカルボン酸類、
(c) (a)(b)の不飽和カルボン酸類のエステルまたは無水物、
(d) (a)〜(c)の金属塩、
(e) 1,3−ブタジエン、イソプレン、2−クロル−1,3−ブタジエンなどの脂肪族共役ジエン、
(f) スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、エチルビニルベンゼン、ジビニルベンゼンなどの芳香族ビニル化合物、
(g) トリアリルイソシアヌレート、トリアリルシアヌレート、ビニルピリジンなどの、複素環を有するビニル化合物、
(h) その他、(メタ)アクリロニトリルもしくはα−クロルアクリロニトリルなどのシアン化ビニル化合物、アクロレイン、ホルミルステロール、ビニルメチルケトン、ビニルエチルケトン、ビニルブチルケトン
等の1種または2種以上が挙げられる。
また(c)の不飽和カルボン酸類のエステルとしては、モノカルボン酸類のエステルが好ましい。
モノカルボン酸類のエステルとしては、例えば
メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、i−プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、i−ブチル(メタ)アクリレート、n−ぺンチル(メタ)アクリレート、i−ぺンチル(メタ)アクリレート、n−へキシル(メタ)アクリレート、シクロへキシル(メタ)アクリレート、2−エチルへキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、i−ノニル(メタ)アクリレート、tert−ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、ヒドロキシメチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートなどの、(メタ)アクリル酸のアルキルエステル;
アミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ブチルアミノエチル(メタ)アクリレートなどの、(メタ)アクリル酸のアミノアルキルエステル;
べンジル(メタ)アクリレート、ベンゾイル(メタ)アクリレート、アリル(メタ)アクリレートなどの、芳香族環を有する(メタ)アクリレート;
グリシジル(メタ)アクリレート、メタグリシジル(メタ)アクリレート、エポキシシクロヘキシル(メタ)アクリレートなどの、エポキシ基を有する(メタ)アクリレート;
N−メチロール(メタ)アクリルアミド、γ−(メタ)アクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、テトラハイドロフルフリルメタクリレートなどの、各種官能基を有する(メタ)アクリレート;
エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エチレンジメタクリレート(EDMA)、ポリエチレングリコールジメタクリレート、イソブチレンエチレンジメタクリレートなどの多官能(メタ)アクリレート;
等の1種または2種以上が挙げられる。
以上で説明した各成分を含むゴム組成物は、従来同様に調製できる。まずゴム分とゴム粉を所定の割合で配合して素練りし、次いで発泡成分、架橋成分以外の各種添加剤を加えて混練した後、最後に発泡成分、架橋成分を加えて混練することでゴム組成物が得られる。混練には、例えばニーダ、バンバリミキサ、押出機等を用いることができる。
(ゴム組成物の組成)
上記各成分を含む本発明のゴム組成物は、ゴム粉を除く組成を、当該ゴム粉のもとになるゴム組成物と全く同じにするのが好ましい。
これにより本発明のゴム組成物の加工性等を変動させることなしに、当該ゴム組成物からなる半導電性発泡ゴムローラ等の発泡ゴム製品を、その製品特性、製品品質等を全く変動させることなく安定させた状態で製造し続けることができる。
そのため、例えば最初はゴム粉を配合せずに調製したゴム組成物を用いて発泡ゴム製品の製造を開始し、製造途中で廃棄品や廃棄物が発生した際に、これらを#16メッシュ通過以下の粒径となるように粉砕してゴム粉を製造し、このゴム粉を所定の割合で配合しながら、ゴム粉を配合しないものと同等の製品品質を有する発泡ゴム製品を、同じ製造条件で製造し続けるといったことが可能となる。
《半導電性発泡ゴムローラ》
図1は、本発明の半導電性発泡ゴムローラの、実施の形態の一例を示す斜視図である。
図1を参照して、この例の半導電性発泡ゴムローラ1は、先に説明した各成分を含む本発明のゴム組成物によって円筒状に形成され、中心の通孔2にシャフト3が挿通されて固定されたものである。
シャフト3は、例えばアルミニウム、アルミニウム合金、ステンレス鋼等の金属によって一体に形成される。
シャフト3は、例えば導電性を有する接着剤を介して半導電性発泡ゴムローラ1と電気的に接合されるとともに機械的に固定されるか、あるいは通孔2の内径よりも外径の大きいものを通孔2に圧入することで、半導電性発泡ゴムローラ1と電気的に接合されるとともに機械的に固定されて、一体に回転される。
半導電性発泡ゴムローラ1を製造するには、まず本発明のゴム組成物を、押出成形機を用いて筒状に押出成形し、次いで所定の長さにカットして、加硫缶内で加圧水蒸気によって加圧、加熱して発泡、および架橋させる。
次いで発泡、架橋させた筒状体を、オーブン等を用いて加熱して二次架橋させ、冷却したのち所定の外径となるように研磨する。
シャフト3は、筒状体のカット後から研磨後までの任意の時点で、通孔2に挿通して固定できる。
ただしカット後、まず通孔2にシャフト3を挿通した状態で二次架橋、および研磨をするのが好ましい。これにより、二次架橋時の膨張収縮による筒状体→半導電性発泡ゴムローラ1の反りや変形を防止できる。また、シャフト3を中心として回転させながら研磨することで当該研磨の作業性を向上し、なおかつ外周面4のフレを抑制できる。
シャフト3は、先に説明したように通孔2の内径よりも外径の大きいものを通孔2に圧入するか、あるいは導電性を有する熱硬化性接着剤を介して、二次架橋前の筒状体の通孔2に挿通すればよい。
後者の場合は、オーブン中での加熱によって筒状体が二次架橋されるのと同時に熱硬化性接着剤が硬化して、当該シャフト3が、筒状体→半導電性発泡ゴムローラ1に電気的に接合されるとともに機械的に固定される。
また前者の場合は、圧入と同時に電気的な接合と機械的な固定が完了する。
《ローラ抵抗値の測定、およびそのばらつきの評価》
図2は、半導電性発泡ゴムローラ1のローラ抵抗値を測定する方法を説明する図である。
図1、図2を参照して、本発明ではローラ抵抗値を、下記の方法で測定した値でもって表すこととする。
すなわち一定の回転速度で回転させることができるアルミニウムドラム5を用意し、かかるアルミニウムドラム5の外周面6に、その上方から、ローラ抵抗値を測定する半導電性発泡ゴムローラ1の外周面4を接触させる。
また半導電性発泡ゴムローラ1のシャフト3と、アルミニウムドラム5との間に直流電源7、および抵抗8を直列に接続して計測回路9を構成する。直流電源7は、(−)側をシャフト3、(+)側を抵抗8と接続する。抵抗8の抵抗値rは100Ωとする。
次いでシャフト3の両端部にそれぞれ500gの荷重Fをかけて半導電性発泡ゴムローラ1をアルミニウムドラム5に圧接させた状態で、アルミニウムドラム5を回転(回転数:30rpm)させながら、両者間に、直流電源7から直流200Vの印加電圧Eを印加した際に、抵抗8にかかる検出電圧Vを計測する。
検出電圧Vと印加電圧E(=200V)とから、半導電性発泡ゴムローラ1のローラ抵抗値Rは、基本的に式(1′):
R=r×E/(V−r) (1′)
によって求められる。ただし式(1′)中の分母中の−rの項は微小とみなすことができるため、本発明では式(1):
R=r×E/V (1)
によって求めた値でもって半導電性発泡ゴムローラ1のローラ抵抗値とすることとする。
また上記ローラ抵抗値の測定結果から周方向の最大値Rmaxと最小値Rminとを求め、両者の比Rmax/Rminによってローラ抵抗値のばらつきを評価する。
すなわち比Rmax/Rminが1に近いほどローラ抵抗値のばらつきが小さく、比Rmax/Rminが1よりも大きくなるほどローラ抵抗値のばらつきが大きいと評価できる。
ローラ抵抗値、およびそのばらつきの測定の条件は温度23℃、相対湿度55%である。
また半導電性発泡ゴムローラ1は、その用途等に応じて任意の硬さ、圧縮永久ひずみを有するように調整できる。かかる硬さ、圧縮永久ひずみ、並びにローラ抵抗値等を調整するためには、例えばゴム分、ゴム粉、架橋成分、発泡成分の種類や量などを適宜調整すればよい。
本発明の半導電性発泡ゴムローラは、現像ローラ、トナー供給ローラ、帯電ローラ、転写ローラ、クリーニングローラ等としてレーザープリンタ、静電式複写機、普通紙ファクシミリ装置、あるいはこれらの複合機等の、電子写真法を利用した画像形成装置に組み込んで使用できる。
〈従来例1〉
GECO〔日本ゼオン(株)製のHYDRIN(登録商標)T3106〕100質量部に、下記表1に示す各成分を配合し、バンバリミキサを用いて混錬してゴム組成物を調製した。
Figure 2015196786
表1中の各成分は下記のとおり。なお表1中の質量部は、GECO100質量部あたりの質量部である。
導電性カーボンブラック:HAF〔東海カーボン(株)製の商品名シースト3〕
発泡剤:OBSH〔永和化成工業(株)製のネオセルボン(登録商標)#1000SW〕
受酸剤:ハイドロタルサイト類〔協和化学工業(株)製のDHT−4A−2〕
充填剤:重質炭酸カルシウム〔白石カルシウム(株)製のBF−300〕
架橋剤:粉末硫黄〔鶴見化学工業(株)製〕
促進剤DM:ジ−2−ベンゾチアジルジスルフィド〔Shandong Shanxian Chemical Co. Ltd.製の商品名SUNSINE MBTS〕
促進剤TS:テトラメチルチウラムジスルフィド〔三新化学工業(株)製のサンセラー(登録商標)TS〕
調製したゴム組成物を押出成形機に供給して外径φ10mm、内径φ3.0mmの円筒状に押出成形した後、所定の長さにカットして外径φ2.2mmの架橋用の仮のシャフトに装着した。
そして加硫缶内で、加圧水蒸気によって120℃×10分間、次いで160℃×20分間の加圧、加熱をして、筒状体を発泡剤の分解によって発生したガスによって発泡させるとともにゴム分を架橋させた。発泡後の筒状体の外径はφ16〜20mmであった。
次いでこの筒状体を、外周面に導電性の熱硬化性接着剤を塗布した外径φ6mmのシャフトに装着しなおして、オーブン中で160℃×60分間加熱して二次架橋させるとともに熱硬化性接着剤を硬化させてシャフトと電気的に接合し、機械的に固定した。
そして筒状体の両端をカットしたのち、その外周面を、円筒研削盤を用いてトラバース研削することで外径をφ15.2mm(公差±0.1mm)に仕上げて半導電性発泡ゴムローラを製造した。
〈ゴム粉の作製〉
上記従来例1で製造した半導電性発泡ゴムローラからシャフトを除去し、冷却処理しながら粉砕してゴム粉を作製し、このゴム粉を#14メッシュ、#60メッシュ、#100メッシュ、#400メッシュ、および#1000メッシュのふるいにかけて下記の5種に分級した。
#14メッシュ品:#14メッシュ通過、#60メッシュ不通過。回収率約100質量%。
#60メッシュ品:#60メッシュ通過、#100メッシュ不通過。回収率約100質量%。
#100メッシュ品:#100メッシュ通過、#400メッシュ不通過。回収率約95質量%。
#400メッシュ品:#400メッシュ通過、#1000メッシュ不通過。回収率約90質量%。
#1000メッシュ品:#1000メッシュ通過。回収率約50質量%。
〈実施例1〉
従来例1で使用したのと同じGECO100質量部に、上記で作製し、分級した#60メッシュ品のゴム粉10質量部と、先の表1に示した各成分同量とを配合し、バンバリミキサを用いて混錬してゴム組成物を調製した。
そして、かかるゴム組成物を用いたこと以外は従来例1と同様にして半導電性発泡ゴムローラを製造した。
〈実施例2〉
上記で作製し、分級した#100メッシュ品のゴム粉を同量配合したこと以外は実施例1と同様にしてゴム組成物を調製し、半導電性発泡ゴムローラを製造した。
〈実施例3〉
上記で作製し、分級した#400メッシュ品のゴム粉を同量配合したこと以外は実施例1と同様にしてゴム組成物を調製し、半導電性発泡ゴムローラを製造した。
〈実施例4〉
上記で作製し、分級した#1000メッシュ品のゴム粉を同量配合したこと以外は実施例1と同様にしてゴム組成物を調製し、半導電性発泡ゴムローラを製造した。
〈実施例5〉
#100メッシュ品のゴム粉の量を、GECO100質量部あたり5質量部としたこと以外は実施例2と同様にしてゴム組成物を調製し、半導電性発泡ゴムローラを製造した。
〈実施例6〉
#400メッシュ品のゴム粉の量を、GECO100質量部あたり40質量部としたこと以外は実施例3と同様にしてゴム組成物を調製し、半導電性発泡ゴムローラを製造した。
〈実施例7〉
ゴム分としてGECO80質量部とNBR〔日本ゼオン(株)製のNipol(登録商標)DN4011LL、低ニトリルNBR、結合アクリロニトリル量中心値:18.0%〕20質量部、計100質量部を用いたこと以外は実施例2と同様にしてゴム組成物を調製し、半導電性発泡ゴムローラを製造した。
〈比較例1〉
上記で作製し、分級した#14メッシュ品のゴム粉を同量配合したこと以外は実施例1と同様にしてゴム組成物を調製し、半導電性発泡ゴムローラを製造した。
〈コスト評価〉
(分級ロス)
上記各実施例、比較例のうち分級時の回収率が約90質量%以上である#400メッシュ品〜#14メッシュ品のゴム粉を用いた実施例1〜3、5〜7、比較例1は、いずれも分級ロスなし良好(○)と評価し、回収率が約50質量%である#1000メッシュ品のゴム粉を用いた実施例4は分級ロスあるも通常レベル(△)と評価した。
(リユース率)
上記各実施例、比較例のうち、ゴム粉をゴム分100質量部あたり40質量部配合した実施例6はリユース率極めて良好(◎)、10質量部配合した実施例1〜4、7、比較例1はリユース率良好(○)、5質量部配合した実施例5はリユース率通常レベル(△)と評価した。
〈押出成形性評価〉
上記各実施例、比較例で調製したゴム組成物10kgを筒状に押出成形する際に、押出機のメッシュで目詰まりを生じたか否かを、下記の基準で評価した。
○:目詰まりを生じることなくスムースに押出成形できた。押出成形性良好。
△:わずかに目詰まりを生じたが安定して押出成形できた。押出成形性通常レベル。
×:メッシュの全面で目詰まりを生じ、押出状態が不安定になった。押出成形性不良。
〈ローラ抵抗値の測定〉
実施例、比較例、従来例で製造した半導電性発泡ゴムローラのローラ抵抗値を、温度23℃、相対湿度55%の常温常湿環境下で、先に説明した測定方法によって測定した。なお表2、表3では、ローラ抵抗値をlogR値で表している。
また上記ローラ抵抗値の測定結果から周方向の最大値Rmaxと最小値Rminとを求め、両者の比Rmax/Rminによってローラ抵抗値のばらつきを評価した。
すなわち比Rmax/Rminが1.08未満のものをローラ抵抗値のばらつきなし(○)、1.08以上、1.2未満のものをローラ抵抗値のばらつき僅かにあるも通常レベル(△)、1.2以上のものをローラ抵抗値のばらつき大(×)と評価した。
〈硬さ測定〉
実施例、比較例、従来例で製造した半導電性ローラのタイプE硬さを、日本工業規格JIS K6253−3:2006「加硫ゴム及び熱可塑性ゴム−硬さの求め方−第3部:デュロメータ硬さ」所載の測定方法に則って荷重1kgで測定した。
〈実機試験〉
実施例、比較例で製造した半導電性ローラを、市販の転写ベルト方式のカラーレーザープリンタの、上記転写ベルトに接触させて配置される4本の一次転写ローラに代えて組み込んだ。
そしてモノクロモードで50%のハーフトーンの画像を出力して、下記の基準で画質を評価した。
○:純正の一次転写ローラを使用した場合と同等の画像を形成できた。良好。
△:わずかに画像ムラが見られたものの通常レベル。
×:顕著な画像ムラが見られた。不良。
以上の結果を表2、表3に示す。
Figure 2015196786
Figure 2015196786
表2、表3の実施例1〜7、比較例1の結果より、従来例1の半導電性発泡ゴムローラを粉砕してなる#16メッシュ通過以下の粒径のゴム粉を未架橋のゴム分、発泡成分、および架橋成分を含むゴム組成物に配合することにより、強度や柔軟性、半導電性等の特性にばらつきのない半導電性発泡ゴムローラを製造でき、ゴム粉のもとになる半導電性発泡ゴムローラの廃棄品や廃棄物を有効に再利用できることが判った。
またゴム粉を除くゴム組成物の組成を、当該ゴム粉のもとになるゴム組成物と同じにすることで、ゴム組成物の加工性等を変動させることなしに、当該ゴム組成物からなる半導電性発泡ゴムローラを、その製品特性、製品品質等を変動させることなく安定させた状態で製造し続けられることも判った。
また実施例1〜4の結果より、ゴム粉の粒径を小さくするほど従来例1との性能差を小さくできるため、当該ゴム粉の粒径は、上記の範囲でも#60メッシュ通過以下、特に#100メッシュ通過以下であるのが好ましいこと、ただし粒径が小さすぎる場合には分級のロスが増加するため、ゴム粉の粒径は#1000メッシュ通過以上、特に#400メッシュ通過以上であるのが好ましいことが判った。
実施例2、5、実施例3、7の結果より、ゴム粉のリユース率を向上するためには、当該ゴム粉の配合割合は、ゴム分100質量部あたり5質量部以上であるのが好ましく、かかる範囲内でもできるだけ多い方が好ましいものの、従来例1との性能差をできるだけ小さな範囲に維持するためには、ゴム分100質量部あたり40質量部以下であるのが好ましいことが判った。
さらに実施例2、7の結果より、半導電性発泡ゴムローラの場合はゴム分としてエピクロルヒドリンゴムを単独で使用するのが好ましく、NBR等の他のゴムを併用する場合、その配合割合は、ゴム分の総量中の5質量部以上であるのが好ましく、30質量部以下であるのが好ましいことが判った。
1 半導電性発泡ゴムローラ
2 通孔
3 シャフト
4 外周面
5 アルミニウムドラム
6 外周面
7 直流電源
8 抵抗
9 計測回路
F 荷重
V 検出電圧

Claims (5)

  1. 半導電性を有する架橋された発泡ゴムを粉砕してなる#16メッシュ通過以下の粒径のゴム粉、未架橋のゴム分、当該ゴム分を発泡させるための発泡成分、および前記ゴム分を架橋させるための架橋成分を含むゴム組成物。
  2. 前記ゴム粉は少なくともエピクロルヒドリンゴムを含んでいる請求項1に記載のゴム組成物。
  3. 前記ゴム粉を除いた組成は、当該ゴム粉のもとになるゴム組成物と同じである請求項1または2に記載のゴム組成物。
  4. 前記ゴム粉は、半導電性発泡ゴムローラの廃棄品、および当該半導電性発泡ゴムローラの製造時に生じる廃棄物からなる群より選ばれた少なくとも一方を粉砕してなる請求項1ないし3のいずれか1項に記載のゴム組成物。
  5. 前記請求項1ないし4のいずれか1項に記載のゴム組成物からなる半導電性発泡ゴムローラ。
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