JP2015194077A - 免震装置の交換方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】地震に対する安全性の向上を図るとともに、作業効率の向上及びコストの低減を図る。
【解決手段】上部構造体と下部構造体との間に設けられた複数の免震装置を、旧免震装置から新免震装置に交換する免震装置の交換方法であって、上部構造体をジャッキアップするジャッキアップ工程と、上部構造体又は下部構造体の一方と、各々の旧免震装置との間に形成された隙間にそれぞれ隙間材を設置し、上部構造体の荷重を旧免震装置に伝達させる隙間材設置工程と、旧免震装置を、順次、新免震装置と交換する交換工程と、全ての交換が完了した後、隙間材を全て撤去し、上部構造体をジャッキダウンして、上部構造体の荷重を全ての新免震装置に伝達させるジャッキダウン工程と、を有する。
【選択図】図3

Description

本発明は、免震装置の交換方法に関する。
上部構造体と下部構造体の間に設けられる免震装置に経年劣化や損傷などの不具合が生じた場合、免震装置を交換することが必要になる。免震装置を交換する際には、ジャッキなどで上部構造体を上昇(ジャッキアップ)させて、上部構造体又は下部構造体の一方と、免震装置との間に隙間を設けておく必要があるが、このような隙間を設けると、地震が発生した際に、地震力を伝達することができなくなる。そこで、この対策として、例えば、上部構造体と下部構造体との間に、上部構造体を一時的に仮受けする仮設部材(例えば特許文献1参照)を設置しておき、免震装置を設置(交換)した後、仮設部材から免震装置に荷重を移行させている。
特開2002−155641号公報
しかしながら、上述の方法では、免震装置により地震力の影響を低減することを前提に設計されている躯体に過大な地震力が作用し、上部構造体を損傷する恐れがあった。また、仮設部材として大きな水平力(上部構造体の荷重の2〜3割)を負担できる大掛かりなものを設置する必要があるため、作業効率が悪化し、また、コストが増大するという問題があった。
本発明は、かかる課題に鑑みてなされたものであって、その主な目的は、地震に対する安全性の向上を図るとともに、作作業効率の向上及びコストの低減を図ることにある。
かかる目的を達成するために本発明の免震装置の交換方法は、前記上部構造体をジャッキアップするジャッキアップ工程と、前記上部構造体又は前記下部構造体の一方と、各々の前記旧免震装置との間に形成された隙間にそれぞれ隙間材を設置し、前記上部構造体の荷重を前記旧免震装置に伝達させる隙間材設置工程と、前記旧免震装置を、順次、前記新免震装置と交換する交換工程と、
全ての交換が完了した後、前記隙間材を全て撤去し、前記上部構造体をジャッキダウンして、前記上部構造体の荷重を全ての前記新免震装置に伝達させるジャッキダウン工程と、を有することを特徴とする。
このような免震装置の交換方法によれば、免震装置の交換作業中においても免震装置の免震機能を発揮させることができ、地震に対する安全性の向上を図ることができる。また、大掛かりな仮設部材を設けることなく、免震装置を容易に交換することができ、作業効率の向上及びコストの低減を図ることができる。
かかる免震装置の交換方法であって、前記隙間材設置工程では、前記隙間材を設置後に前記上部構造体をジャッキダウンすることによって、前記上部構造体の荷重を前記旧免震装置に負担させることが望ましい。
このような免震装置の交換方法によれば、旧免震装置に負担させる荷重を調整することができる。
かかる免震装置の交換方法であって、前記隙間材設置工程において、前記旧免震装置は、前記上部構造体の全部又は一部の荷重を負担し、前記上部構造体の荷重の鉛直成分をPv、想定される地震の水平震度をK、前記隙間材の摩擦係数をμ、としたとき、前記旧免震装置が負担する荷重の鉛直成分pは、p≧(K/μ)×Pvを満たすことが望ましい。
このような免震装置の交換方法によれば、隙間材と旧免震装置との間で水平方向の滑りが発生しないようにでき、隙間材の摩擦力で上部構造体の地震力を旧免震装置に伝達することができる。これにより新免震装置および旧免震装置の機能を発揮させることができる。
かかる免震装置の交換方法であって、前記隙間材は、パック材の内部にグラウトを注入したものであってもよい。また、前記隙間材は、ライナープレートであってもよい。
このような免震装置の交換方法によれば、設置、撤去が容易に行え、また、コストを低減できる。
かかる免震装置の交換方法であって、前記交換工程において、前記免震装置を交換する際に前記隙間材も交換することが望ましい。
このような免震装置の交換方法によれば、免震装置間で高さやひずみにばらつきがある場合でも対応することができる。
かかる免震装置の交換方法であって、前記ジャッキアップ及び前記ジャッキダウンに使用するジャッキは、水平方向に滑動可能に設置されていることが望ましい。
このような免震装置の交換方法によれば、地震が発生した時に、免震性能を大きく低下させることなく交換することができる。
本発明によれば、地震に対する安全性の向上を図るとともに、作作業効率の向上及びコストの低減を図ることができる。
図1A及び図1Bは、本実施形態に係る免震装置10の説明図である。図1Aは通常時、図1Bは交換時の状態を示している。 図2A〜2Eは、比較例における免震装置の交換方法の説明図である。 図3A〜3Eは、本実施形態における免震装置の交換方法の説明図である。
===実施形態===
<免震装置について>
図1A及び図1Bは、本実施形態に係る免震装置10の説明図である。図1Aは通常時、図1Bは交換時の状態を示している。
免震装置10は、免震対象物としての上部構造体1(例えば建物)と、その下方の下部構造体3(例えば基礎)との間に設けられている。上部構造体1と下部構造体3との間には、このような免震装置10が複数配置されており、複数の免震装置10は、各位置において、上部構造体1の重量(荷重)を分担支持している。
免震装置10は、積層ゴムタイプのものであり、積層体12(例えば、円形のゴム層12aと鋼板12bとを上下に交互に積層してなる円柱状の弾性体)を、上下一対のフランジ板(上フランジ板11、下フランジ板13)で挟んで構成されている。また、下フランジ板13は、不図示のボルトなどにより下部構造体3に固定され、上フランジ板11は、不図示のボルトなどにより上部構造体1に固定されている。そして、免震装置10は、上部構造体1と下部構造体3との相対変位による水平力に応じて積層体12が水平方向に剪断変形(上フランジ板11と下フランジ板13とが水平方向に相対変位)することにより、上部構造体1の水平振動を長周期化する。
ところで、このような免震装置10に、例えば、経年劣化や損傷などの不具合が発生すると、免震装置10を既存のものから新たなものに交換する必要が生じる。以下の説明では、既存の免震装置10のことを旧免震装置10Aともいい、新たな免震装置10のことを新免震装置10Bともいう。
免震装置10を交換する際には、図1Bに示すように、上部構造体1をジャッキ等により上昇(ジャッキアップ)させて、上部構造体1と免震装置10との間に交換のために必要な隙間Gを設けておく必要がある。しかしながら、免震装置10と上部構造体1との間に隙間Gを設けると、地震による上部構造体1の水平力を下部構造体3に伝達できなくなる。つまり、免震の機能が発揮されなくなり、地震が発生したときの安全性に問題がある。このため、免震装置10の交換作業中の地震対策が必要になる。
<免震装置の交換方法について>
(比較例)
本実施形態について説明する前に、まず比較例について説明する。
図2A〜2Eは、比較例における免震装置の交換方法の説明図である。
図2Aに示すように、上部構造体1と下部構造体3との間には複数(図では3つ)の旧免震装置10Aが配置されている。まず、これらの各旧免震装置10Aの横に、上部構造体1支持用の仮設ジャッキ20を設置する。
次に、図2Bに示すように、仮設ジャッキ20で上部構造体1をジャッキアップして、上部構造体1と、旧免震装置10Aの上部との間に免震装置交換のために必要な隙間を設ける(ジャッキアップ工程に相当)。このジャッキアップにより、上部構造体1の荷重の負担が旧免震装置10Aから仮設ジャッキ20に移行することになる。
そして、図2Cに示すように、免震装置交換作業中の地震対策として、上部構造体1の水平力を下部構造体3に伝達するための仮設部材100を設置する。この例では、仮設部材100として、図のように上部構造体1と下部構造体3とを斜めに連結する筋交い(ブレース)を設けている。
その後、図2Dに示すように、旧免震装置10Aを、順次、新免震装置10Bと交換する。図では右側から順に交換を行っている。すなわち、図2Dの右側は新免震装置10Bが配置された状態(交換済みの状態)を示しており、真ん中は、旧免震装置10Aを取り外した状態(交換中の状態)を示し、左側は旧免震装置10Aが配置された状態(交換前の状態)を示している。
全ての免震装置10の交換(旧免震装置10Aから新免震装置10Bへの交換)が終わると、図2Eに示すように、仮設部材100を撤去する。そして、仮設ジャッキ20により上部構造体1を下降(ジャッキダウン)させて、上部構造体1の荷重を仮設ジャッキ20から新免震装置10Bに移行する。最後に、仮設ジャッキ20を撤去する。
この比較例の場合、上部構造体1の荷重の2〜3割の大きな水平力を負担できる大掛かりな仮設部材100を設置することが必要となり、作業効率が悪化し、また、コストが増大するばかりでなく、躯体強度を上回る地震力が作用するおそれがある。
そこで、以下に示す本実施形態では、地震に対する安全性の向上を図るとともに、より簡易に免震装置10を交換できるようにし、作業効率の向上及びコストの低減を図っている。
(本実施形態)
図3A〜3Eは、本実施形態における免震装置の交換方法の説明図である。
図3A、図3Bは、それぞれ図2A、図2Bと同じであるので説明を省略する。すなわち、仮設ジャッキ20で上部構造体1をジャッキアップした状態(上部構造体1と、旧免震装置10Aの上部との間に隙間が形成された状態)から説明を行う。なお、図示していないが、仮設ジャッキ20と下部構造体3との間には、摩擦係数の小さい(例えばステンレス製の)薄板が配置されており、仮設ジャッキ20は、水平力を負担しない(水平方向に滑動可能な状態である)。
本実施形態では、ジャッキアップ後、図3Cに示すように、上部構造体1と、各々の旧免震装置10Aの上部との間に形成された隙間に、それぞれ、グラウトパック30(隙間材、及び、パック材に相当)を設置する(隙間材設置工程に相当)。なお、後述するように、本実施形態では免震装置10の交換に伴い、グラウトパック30も交換する。以下の説明では、最初に設けるグラウトパック30(旧免震装置10Aの上部に設置するグラウトパック30)のことを第1グラウトパック30Aともいい、次に設けるグラウトパック30(新免震装置10Bの上部に設置するグラウトパック30)のことを第2グラウトパック30Bともいう。図3Cでは、上部構造体1と旧免震装置10Aとの間に第1グラウトパック30Aが設置されている。
グラウトパック30(第1グラウトパック30A及び第2グラウトパック30B)は、ビニール製の袋状(パック状)の部材であり、空の状態で設置した後、不図示の注入口から内部にグラウトを注入(充填)する。これによりパックが膨らんで隙間を塞ぐ。なお、グラウトとは、空洞、空隙、隙間などを埋めるために注入する流動性を有する材料のことである。本実施形態ではグラウトとして、セメントペースト(セメントと水の混合物)を用いている。比較例で設置していた仮設部材100に対して、グラウトパック30は、設置、撤去が容易に行えるため作業効率を向上できる。また、コストが安価でありコストを低減できる。
第1グラウトパック30Aに注入したグラウトが固まると、仮設ジャッキ20により上部構造体1をジャッキダウンして、上部構造体1の荷重の全部又は一部を仮設ジャッキ20から旧免震装置10Aに移行させる。つまり、第1グラウトパック30Aを介して、上部構造体1の荷重(全部又は一部)を旧免震装置10に負担させる。なお、仮設ジャッキ20から旧免震装置10Aに移行する荷重は、ジャッキダウンの量によって決まる。
ここで、柱軸力(上部構造体1の荷重)の鉛直成分をPv、想定される地震の水平震度をK、グラウトパック30の摩擦係数をμ、仮設ジャッキ20から免震装置10(ここでは旧免震装置10A)に移行する荷重の鉛直成分をpとすると、少なくとも、摩擦力(μ×p)が水平力(K×Pv)以上であれば地震発生時に水平方向の滑りが発生しないので、
p≧(K/μ)×Pv ・・・・(1)
を満たせばよい。これにより、第1グラウトパック30Aの摩擦力で旧免震装置10Aに地震力を伝達することができ、旧免震装置10Aの免震機能を発揮させるようにすることができる。このとき仮設ジャッキ20が負担する軸力をqとすると、
q=Pv−p ・・・・(2)
となる。
例えば、Pv=3000(kN)、K=0.1、μ=0.3の場合、式(1)より、p≧(0.1/0.3)×3000=1000(kN)であればよい。ここで、例えばp=2000kNとしたとき、仮設ジャッキ20が負担する軸力qは式(2)よりq=3000−2000=1000(kN)となる。
なお、製造誤差などにより、複数の免震装置10(旧免震装置10A、新免震装置10Bを含む)間において、高さやひずみ量(荷重を負担したときの変形量)にばらつきがあることがある。このため、上部構造体1の荷重を移行させる際には、免震装置10設置部分の高さ(具体的には上部構造体1と下部構造体3間の距離)を測定し、周囲の高さと比較して、仮設ジャッキ20によって高さを調整しつつ行うことが望ましい。ここで、仮に上部構造体1の全ての荷重Pvを、免震装置10に負担させるように(すなわち仮設ジャッキ20の軸力qをゼロに)すると、仮設ジャッキ20による高さの調整が行えなくなるおそれがある。よって、荷重Pvを全て移行させるよりも、荷重Pvの一部(式(1)を満たす荷重p)を移行させる方が望ましい。これにより、高さの調整がしやすくなる。
次に、図3Dに示すように、旧免震装置10Aを、順次、新免震装置10Bと交換する(交換工程に相当)。同時に、第1グラウトパック30Aを第2グラウトパック30Bに交換する。ここでも、比較例と同様に右側から順に交換を行っている。すなわち、図3Dの右側は新免震装置10Bと第2グラウトパック30Bが配置された状態(交換済みの状態)を示しており、真ん中は、旧免震装置10Aと第1グラウトパック30Aを取り外した状態(交換中の状態)を示しており、左側は旧免震装置10Aと第1グラウトパック30Aが配置された状態(交換前の状態)を示している。
免震装置10の交換手順としては、まず、交換する旧免震装置10Aの横の仮設ジャッキ20で上部構造体1を少しジャッキアップして、第1グラウトパック30Aに荷重がかからない状態にし、第1グラウトパック30Aを引き抜き、その後、旧免震装置10Aを取り外す。次に、新免震装置10Bを設置し、さらに、上部構造体1と新免震装置10Bの上部との隙間に、第2グラウトパック30Bを配置して、第2グラウトパック30Bの内部にグラウトを注入する。そして、上部構造体1を元の位置になるようにジャッキダウンする。このように、本実施形態では、新免震装置10Bと交換した後も、順次、グラウトパック30(第2グラウトパック30B)を配置し、新免震装置10Bに上部構造体1の荷重を負担させるようにしている。これにより、地震時に必要な免震性能を確保することができる。また、本実施形態では、免震装置10を交換する際にグラウトパック30も交換している。これにより、旧免震装置10Aと新免震装置10Bの高さが異なる場合や、新免震装置10Bの高さにばらつきがある場合などにおいても対応することができる。ただし、これには限られず、取り外したグラウトパック30(第1グラウトパック30A)がそのまま使えれば、再度使用するようにしてもよい。
全ての免震装置10の交換が終了すると、図3Eに示すように、各々の新免震装置10Bの上部に設置したグラウトパック30(第2グラウトパック30B)を全て撤去する。これにより、図3Bのときと同様に、仮設ジャッキ20が上部構造体1の荷重を負担するようになる。
そして、仮設ジャッキ20により上部構造体1をジャッキダウンして、仮設ジャッキ20から新免震装置10Bに上部構造体1の荷重を移行する(ジャッキダウン工程に相当)。こうして、上部構造体1の荷重を全ての新免震装置10Bに負担させる。最後に仮設ジャッキ20を撤去する。
以上説明したように、本実施形態では、ジャッキアップによって、上部構造体1と、各々の旧免震装置10Aの上部との間に形成された隙間にそれぞれグラウトパック30(第1グラウトパック30A)を設置し、上部構造体1の荷重を旧免震装置10Aに伝達させている。そして、旧免震装置10Aを、順次、新免震装置10Bと交換し、全ての交換が完了した後、各々の新免震装置10Bの上部に設置したグラウトパック30(第2グラウトパック30B)を全て撤去し、上部構造体1をジャッキダウンして、上部構造体1の荷重を全ての新免震装置10Bに伝達させている。このように、本実施形態では、比較例のような大掛かりな仮設部材100を設ける必要が無く、また、グラウトパック30の設置、撤去は容易に行えるため、比較例よりも作業効率を向上できる。また、仮設部材100のコストに対して、グラウトパック30やグラウドのコストは安価であるので、比較例よりもコストを低減できる。よって、本実施形態では、比較例よりも作業効率の向上及びコストの低減を図ることができる。
また、比較例では、交換作業が終了するまで上部構造体1と免震装置10(旧免震装置10A、新免震装置10B)との間に隙間があり、免震装置10の免震機能を発揮させることができない。免震建物は免震機能を考慮して設計されているため、図2C、図2Dのように上部構造体1と下部構造体3を完全に固定してしまうと、上部構造体1の強度を上回る地震力が作用するおそれがある。また、仮設ジャッキ20と下部構造体3との間に、摩擦係数の小さい薄板を配置することにより長周期化はできるが、復元力および減衰力が得られないので、例えば、免震基礎の場合、建物が擁壁などに衝突するおそれがある。この場合、例えば、減衰装置(ダンパーなど)や復元装置(バネなど)を別途設置するなどの対策が必要になり、さらに工程やコストが増大する。
これに対し、本実施形態では、グラウトパック30の摩擦力で免震装置10に地震力を伝達することができ、免震装置10の交換作業中においても、免震装置10の免震機能を発揮させることができる。よって比較例よりも安全性を高めることができる。
===その他の実施形態について===
上記実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれることはいうまでもない。特に、以下に述べる実施形態であっても、本発明に含まれるものである。
前述の実施形態では、上部構造体1と免震装置10(旧免震装置10A、新免震装置10B)との間の隙間にグラウトパック30を設置することにより上部構造体1の荷重を免震装置10に負担させるようにしていたが、これには限らない。例えば、上部構造体1と免震装置10との間の隙間に、レベル調整用のライナープレート(鋼板)や薄型ジャッキなどを挿入してもよい。こうして、上部構造体1の荷重の負担を仮設ジャッキ20から免震装置10に移行させてもよい。この場合も、摩擦力によって上部構造体1の水平力を免震装置10に伝達させることができ、免震装置10の免震機能を発揮させることができる。
また、前述の実施形態では、ジャッキアップによって上部構造体1と免震装置20との間に隙間を設けていたが、免震装置20と下部構造体3との間に隙間を設けてもよい。そして、その隙間にグラウトパック30を設置することにより、上部構造体1の荷重を免震装置20に伝達させてもよい。この場合の免震装置20の交換方法も前述の実施形態と同様であるので、説明は省略する。
1 上部構造体
3 下部構造体
10 免震装置
10A 旧免震装置
10B 新免震装置
11 上フランジ板
12 積層体
12a ゴム層
12b 鋼板
13 下フランジ板
20 仮設ジャッキ
30 グラウトパック
30A 第1グラウトパック
30B 第2グラウトパック
100 仮設部材

Claims (7)

  1. 上部構造体と下部構造体との間に設けられた複数の免震装置を、旧免震装置から新免震装置に交換する免震装置の交換方法であって、
    前記上部構造体をジャッキアップするジャッキアップ工程と、
    前記上部構造体又は前記下部構造体の一方と、各々の前記旧免震装置との間に形成された隙間にそれぞれ隙間材を設置し、前記上部構造体の荷重を前記旧免震装置に伝達させる隙間材設置工程と、
    前記旧免震装置を、順次、前記新免震装置と交換する交換工程と、
    全ての交換が完了した後、前記隙間材を全て撤去し、前記上部構造体をジャッキダウンして、前記上部構造体の荷重を全ての前記新免震装置に伝達させるジャッキダウン工程と、
    を有することを特徴とする免震装置の交換方法。
  2. 請求項1に記載の免震装置の交換方法であって、
    前記隙間材設置工程では、前記隙間材を設置後に前記上部構造体をジャッキダウンすることによって、前記上部構造体の荷重を前記旧免震装置に負担させる
    ことを特徴とする免震装置の交換方法。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の免震装置の交換方法であって、
    前記隙間材設置工程において、前記旧免震装置は、前記上部構造体の全部又は一部の荷重を負担し、
    前記上部構造体の荷重の鉛直成分をPv、想定される地震の水平震度をK、前記隙間材の摩擦係数をμ、としたとき、前記旧免震装置が負担する荷重の鉛直成分pは、
    p≧(K/μ)×Pv
    を満たすことを特徴とする免震装置の交換方法。
  4. 請求項1乃至請求項3の何れかに記載の免震装置の交換方法であって、
    前記隙間材は、パック材の内部にグラウトを注入したものである、
    ことを特徴とする免震装置の交換方法。
  5. 請求項1乃至請求項3の何れかに記載の免震装置の交換方法であって、
    前記隙間材は、ライナープレートである、
    ことを特徴とする免震装置の交換方法。
  6. 請求項1乃至請求項5の何れかに記載の免震装置の交換方法であって、
    前記交換工程において、前記免震装置を交換する際に前記隙間材も交換する、
    ことを特徴とする免震装置の交換方法。
  7. 請求項1乃請求項6の何れかに記載の免震装置の交換方法であって、
    前記ジャッキアップ及び前記ジャッキダウンに使用するジャッキは、水平方向に滑動可能に設置されている、
    ことを特徴とする免震装置の交換方法。
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