JP6069894B2 - 既存建物の免震化工法 - Google Patents
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Description
既存建物の柱に免震装置を設置する既存建物の免震化工法であって、
前記免震装置を設置する前記柱の上側である柱上部の外周にコンクリートを打ち増して当該柱上部を補強する柱上部補強部を形成する柱上部補強工程と、
前記柱上部の下側となる柱下部の外周にコンクリートを打ち増して当該柱下部を補強する柱下部補強部を前記柱と一体とした下補強柱体を形成する柱下部補強工程と、
前記柱上部補強部を下方から支持する荷重支持部材を、前記柱より上側の上部構造体の荷重を前記柱より下側の下部構造体側に伝達すべく前記下補強柱体に支持させるとともに、前記柱上部補強部と前記荷重支持部材との間に水平方向荷重に対抗可能な摩擦接合部を設ける荷重支持部材設置工程と、
前記荷重支持部材が前記下補強柱体に支持された後に、前記柱上部と前記柱下部との間を切除する柱切除工程と、
切除された前記柱上部と前記柱下部との間に前記免震装置を備える免震装置設置工程とを有し、
前記免震装置設置工程後に前記荷重支持部材を撤去することを特徴とする既存建物の免震化工法である。
また、このような既存建物の免震化工法によれば、荷重支持部材により支持された状態で柱上部と柱下部との間を切除するので、建物の構造強度を確保しつつ柱上部と柱下部との間の柱を切除し、容易に免震装置を設置することが可能である。
このような既存建物の免震化工法によれば、建物の荷重を支持する荷重支持部材は、柱上部補強部と柱下部補強部とが上下方向において互いに対向する部位の間に介在されるので、柱より上側の上部構造体の荷重を柱より下側の下部構造体側に確実に伝達することが可能である。
このような既存建物の免震化工法によれば、柱上部補強部と柱下部補強部との間に荷重支持部材を介在したときに空隙が生じたとしても空隙にグラウトを充填するので、荷重支持部材を介して、上部構造体の荷重を下部構造体側に確実に伝達することが可能である。
このような既存建物の免震化工法によれば、柱上部補強部及び柱下部補強部の外周側から、柱上部補強部と荷重支持部材との間及び柱下部補強部と荷重支持部材との間に跨って、荷重支持部材の水平方向におけるズレを防止するズレ防止部材を固定するので、上部構造体と下部構造体とが水平方向に相対移動することをより確実に防止することが可能である。
このような既存建物の免震化工法によれば、荷重支持部材の上面が柱上部補強部の下面に当接された状態にて、荷重支持部材が横方向に貫通されて引張力が導入されたPC鋼棒により下補強柱体に圧着されるので、荷重支持部材の下方には柱下部補強部が存在していなくともよい。このため、柱下部の周囲が狭い場合であっても、上部構造体の荷重を支持しつつ、柱上部側と柱下部側との間の柱に、免震装置を設置するために切断等の加工を施して免震装置を設置することが可能である。
このような既存建物の免震化工法によれば、柱の切除された部位に免震装置とともに設置した超薄型ジャッキにグラウトを充填するので、切除した柱上部と柱下部との間にて荷重を支持することが可能である。このため、柱を切除する際に支持していた荷重支持部材から免震装置へ荷重を移行させることが可能である。ここで、超薄型ジャッキとは、狭い空間であっても設置することが可能で、大きな力を安定した状態で作用させることが可能なジャッキであり、袋状の本体に、オイルやグラウトなどを充填することによりジャッキアップすることが可能である。このような超薄型ジャッキとしては、たとえば、極東鋼弦コンクリート振興株式会社製FKKフラットジャッキ(登録商標)が挙げられる。
このような既存建物の免震化工法によれば、荷重支持部材を撤去した後に、超薄型ジャッキが介在されている上下の部位間にグラウトを充填して超薄型ジャッキを埋設するので、超薄型ジャッキが設けられた部位を、容易に他の部位と同様強度とすることが可能である。
既存建物の柱に免震装置を設置する既存建物の免震化工法であって、
前記免震装置を設置する前記柱の上側である柱上部の外周にコンクリートを打ち増して当該柱上部を補強する柱上部補強部を形成する柱上部補強工程と、
前記柱上部の下側となる柱下部の外周にコンクリートを打ち増して当該柱下部を補強する柱下部補強部を前記柱と一体とした下補強柱体を形成する柱下部補強工程と、
前記柱上部補強部を下方から支持する荷重支持部材を、前記柱より上側の上部構造体の荷重を前記柱より下側の下部構造体側に伝達すべく前記下補強柱体に支持させるとともに、前記柱上部補強部と前記荷重支持部材との間に水平方向荷重に対抗可能な摩擦接合部を設ける荷重支持部材設置工程と、
を有し、
前記荷重支持部材は、当該荷重支持部材の上面が前記柱上部補強部の下面に当接された状態にて、当該荷重支持部材及び前記下補強柱体を貫通されて引張力が導入されたPC鋼棒により前記下補強柱体に圧着され、
前記PC鋼棒は前記荷重支持部材に設けられたルーズホールに貫通され、
前記荷重支持部材を撤去する際には、前記PC鋼棒に導入されている引張力を低減することにより、前記荷重支持部材が支持する前記上部構造体の荷重を前記免震装置側に移行した後に前記荷重支持部材を撤去することを特徴とする。
荷重支持部材を引張力により下補強柱体に圧着しているPC鋼棒の引張力を低減すると、荷重支持部材が支持している力により、荷重支持部材を下補強柱体に対して相対移動させて、上部構造体の荷重を免震装置が介在された柱側に容易に移行させることが可能である。
P=μ×N ・・・(式1)
Pf=(Ph/4)×(H/W) ・・・(式2)
Pv/4 > Pf ・・・(式3)
たとえば、Pv=1000t,Ph=250t,H=1200mmの場合には、
1200/W < 1000/250
W = 300mm
となり、安全を考慮して、例えば400mmとする。
2 上部構造体、3 下部構造体、10 既存柱、11 柱上部、
11a 柱上部補強部、11b 非対面部、11c 外周面、
12 柱下部、12a 柱下部補強部、13 下補強柱体、
13a 上面、15 仮受PCブロック、15a 上面、
15b 下面、15c 外周面、16 PC鋼棒、
20 積層ゴム支承、20a フランジ、21 取付下地、
22 ベースプレート、22a アンカー、22c ナット、
23 コンクリート、24 ボルト、25 超薄型ジャッキ、
26 ボルト、27 無収縮グラウト、28 ズレ防止部材、
30 滑り摩擦支承
Claims (8)
- 既存建物の柱に免震装置を設置する既存建物の免震化工法であって、
前記免震装置を設置する前記柱の上側である柱上部の外周にコンクリートを打ち増して当該柱上部を補強する柱上部補強部を形成する柱上部補強工程と、
前記柱上部の下側となる柱下部の外周にコンクリートを打ち増して当該柱下部を補強する柱下部補強部を前記柱と一体とした下補強柱体を形成する柱下部補強工程と、
前記柱上部補強部を下方から支持する荷重支持部材を、前記柱より上側の上部構造体の荷重を前記柱より下側の下部構造体側に伝達すべく前記下補強柱体に支持させるとともに、前記柱上部補強部と前記荷重支持部材との間に水平方向荷重に対抗可能な摩擦接合部を設ける荷重支持部材設置工程と、
前記荷重支持部材が前記下補強柱体に支持された後に、前記柱上部と前記柱下部との間を切除する柱切除工程と、
切除された前記柱上部と前記柱下部との間に前記免震装置を備える免震装置設置工程とを有し、
前記免震装置設置工程後に前記荷重支持部材を撤去することを特徴とする既存建物の免震化工法。 - 請求項1に記載の既存建物の免震化工法であって、
前記柱上部補強部と前記柱下部補強部とが上下方向において互いに対向する部位の間に、前記荷重支持部材を介在させることにより、前記上部構造体の荷重が前記下部構造体側に伝達可能となることを特徴とする既存建物の免震化工法。 - 請求項1または請求項2に記載の既存建物の免震化工法であって、
前記柱上部補強部と前記柱下部補強部との間に、前記荷重支持部材が介在されたときに前記柱上部補強部との間に空隙が生じた場合には、前記空隙にグラウトを充填することを特徴とする既存建物の免震化工法。 - 請求項2または請求項3に記載の既存建物の免震化工法であって、
前記柱上部補強部及び前記柱下部補強部の外周側には、前記柱上部補強部と前記荷重支持部材との間及び前記柱下部補強部と前記荷重支持部材との間に跨って、前記荷重支持部材の水平方向におけるズレを防止するズレ防止部材を固定することを特徴とする既存建物の免震化工法。 - 請求項1に記載の既存建物の免震化工法であって、
前記荷重支持部材は、当該荷重支持部材の上面が前記柱上部補強部の下面に当接された状態にて、当該荷重支持部材及び前記下補強柱体を貫通されて引張力が導入されたPC鋼棒により前記下補強柱体に圧着されることを特徴とする既存建物の免震化工法。 - 請求項1乃至請求項5に記載の既存建物の免震化工法であって、
前記免震装置設置工程では、前記免震装置とともに超薄型ジャッキを設置し、
前記超薄型ジャッキにグラウトを充填して前記柱上部側に当接させることを特徴とする既存建物の免震化工法。 - 請求項6に記載の既存建物の免震化工法であって、
前記荷重支持部材を撤去した後に、前記超薄型ジャッキが介在されている上下の部位間にグラウトを充填して前記超薄型ジャッキを埋設することを特徴とする既存建物の免震化工法。 - 既存建物の柱に免震装置を設置する既存建物の免震化工法であって、
前記免震装置を設置する前記柱の上側である柱上部の外周にコンクリートを打ち増して当該柱上部を補強する柱上部補強部を形成する柱上部補強工程と、
前記柱上部の下側となる柱下部の外周にコンクリートを打ち増して当該柱下部を補強する柱下部補強部を前記柱と一体とした下補強柱体を形成する柱下部補強工程と、
前記柱上部補強部を下方から支持する荷重支持部材を、前記柱より上側の上部構造体の荷重を前記柱より下側の下部構造体側に伝達すべく前記下補強柱体に支持させるとともに、前記柱上部補強部と前記荷重支持部材との間に水平方向荷重に対抗可能な摩擦接合部を設ける荷重支持部材設置工程と、
を有し、
前記荷重支持部材は、当該荷重支持部材の上面が前記柱上部補強部の下面に当接された状態にて、当該荷重支持部材及び前記下補強柱体を貫通されて引張力が導入されたPC鋼棒により前記下補強柱体に圧着され、
前記PC鋼棒は前記荷重支持部材に設けられたルーズホールに貫通され、
前記荷重支持部材を撤去する際には、前記PC鋼棒に導入されている引張力を低減することにより、前記荷重支持部材が支持する前記上部構造体の荷重を前記免震装置側に移行した後に前記荷重支持部材を撤去することを特徴とする既存建物の免震化工法。
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JP2012127372A JP6069894B2 (ja) | 2012-06-04 | 2012-06-04 | 既存建物の免震化工法 |
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JP2012127372A JP6069894B2 (ja) | 2012-06-04 | 2012-06-04 | 既存建物の免震化工法 |
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JP2012127372A Active JP6069894B2 (ja) | 2012-06-04 | 2012-06-04 | 既存建物の免震化工法 |
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