JPH108738A - 既存建物の免震化工法および免震装置の支承部構造 - Google Patents

既存建物の免震化工法および免震装置の支承部構造

Info

Publication number
JPH108738A
JPH108738A JP18564796A JP18564796A JPH108738A JP H108738 A JPH108738 A JP H108738A JP 18564796 A JP18564796 A JP 18564796A JP 18564796 A JP18564796 A JP 18564796A JP H108738 A JPH108738 A JP H108738A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
seismic isolation
isolation device
axial force
support
bearing
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP18564796A
Other languages
English (en)
Inventor
Junichi Fukushima
順一 福島
Keiji Ogura
桂治 小倉
Osamu Tsujita
修 辻田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Taisei Corp
Original Assignee
Taisei Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Taisei Corp filed Critical Taisei Corp
Priority to JP18564796A priority Critical patent/JPH108738A/ja
Publication of JPH108738A publication Critical patent/JPH108738A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】 特に柱等の軸力材が鉄骨材である既存の建築
物に対して免震化を行なう場合に際して、建物内におけ
る平常業務の妨げとなることなく、簡易な作業で容易か
つ短期間に当該建物の免震化を図ることが可能となる既
存建物の免震化工法および当該免震化工法に用いて好適
な免震装置の支承部構造を得る。 【解決手段】 既存建物の鉄骨材からなる軸力材1の免
震装置2を介装すべき範囲の上下部外周に、それぞれ免
震装置2を支持するための支承部3を固定し、次いで支
承部3間に支持部材7を仮設して軸力材1に作用する少
なくとも軸力を支持した後に、免震装置2を挿入すべき
範囲の軸力材1を切断し、次いで軸力材1の切断部位に
免震装置2を挿入して支承部3に取付けるとともに、支
持部材7を撤去する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、既存の建物の鉄骨
材からなる軸力材に免震装置を介装して免震建物にする
際に適用される既存建物の免震化工法、および特に当該
免震化工法に用いて好適な免震装置の支承部構造に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】近年、耐震性に対する意識の高まりか
ら、鉄骨造の各種の既に存在する建物においても、免震
装置を特定の階に増設することにより、建物全体あるい
はその一部を免震建物にしたいといった要請が増加しつ
つある。このような既存建物の免震化は、一般に建物の
基礎部分(軸力材)や特定の階層の柱(軸力材)の柱
頭、中間あるいは柱脚に、免震装置を新たに挿入するこ
とによってなされるために、上記鉄骨柱等を一旦切断す
る必要がある。ところが、上記既存建物の内部において
は、常時一般業務や作業が行なわれているために、当該
建物を免震化させるに際しては、極力上記平常業務を妨
げないようにしてその施工を行なうことが強く要望され
ている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】そこで、このような既
存建物の免震化工法として、免震化施工を行なうべき特
定の階層間、例えば上下階の梁や床スラブ間に、仮設の
軸力支持部材を多数本配設して、当該軸力支持部材によ
って上記階層における軸力を一旦支持させた後に、上記
階層の鉄骨柱を免震装置を介装すべき位置で切断し、次
いで上記鉄骨柱の切断部位に免震装置を挿入して据え付
けた後に、上記軸力支持部材を撤去する工法が提案され
ている。しかしながら、上記従来の既存建物の免震化工
法にあっては、仮設する軸力支持部材として一階層間分
の長さ寸法を有する長尺のものを使用する必要があるた
めに、座屈を防止するためには外径寸法も大きなものと
せざるを得ず、この結果各々の軸力支持部材が大型とな
ってその搬入および仮設等の作業が大掛かりとなり、施
工に多大の手間を要するという問題点があった。
【0004】また、鉄骨柱の切断工事を考慮すると、軸
力支持部材を上記鉄骨柱から充分に離間した位置に仮設
する必要があり、よってこれらの軸力支持部材が上述し
た建物内における平常業務の妨げになるとともに、上記
軸力支持部材の柱頭部と柱脚部におけるパンチングシャ
ーを防止するために、当該部分に別途周辺補強を行なわ
なければならず、この結果上記軸力支持部材を仮設する
ための補強工事にも、多くの手間を必要とするといった
問題点があった。さらに、鉄骨柱の切断部位に免震装置
を挿入した後には、上記軸力支持部材の取り外しおよび
搬出作業といった大掛かりな撤去作業を行なう必要があ
り、さらには上記周辺補強の撤去に伴う駄目工事も発生
するという問題点があった。
【0005】本発明は、上記従来の既存建物の免震化工
法が有する課題を有効に解決すべくなされたもので、免
震化が必要とされる既存建物のうち、特に柱等の軸力材
が鉄骨材である既存の建築物に対して免震化を行なう場
合に際して、建物内における平常業務の妨げとなること
なく、簡易な作業で容易かつ短期間に当該建物の免震化
を図ることが可能となる既存建物の免震化工法、および
当該免震化工法に用いて好適な免震装置の支承部構造を
提供することをその目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の本発明
に係る既存建物の免震化工法は、既存建物の鉄骨材から
なる軸力材の上記免震装置を介装すべき範囲の上下部外
周に、それぞれ当該免震装置を支持するための支承部を
固定し、次いで上記支承部間に支持部材を仮設して軸力
材に作用する少なくとも軸力を支持した後に、上記免震
装置を挿入すべき範囲の軸力材を切断し、次いで上記軸
力材の切断部位に上記免震装置を挿入して上記支承部に
取付けるとともに、上記支持部材を撤去することを特徴
とするものである。ここで、請求項2に記載の発明は、
請求項1に記載の発明において上記支持部材を支承部間
に仮設するに際して、上記支持部材の両端部を支承部に
剛接合することを特徴とするものである。
【0007】また、請求項3に記載の本発明に係る免震
装置の支承部構造は、鉄骨材からなる軸力材の所望部位
に介装される免震装置を支持する免震装置の支承部構造
であって、上記支承部が、上記軸力材の免震装置の介装
位置の上下部にそれぞれ接合されて外周部が免震装置の
フランジよりも外方に延出するとともに、上記免震装置
のフランジが取付けられる水平部材と、この水平部材と
上記軸力材とに接合されたリブとを有してなることを特
徴とするものである。さらに、請求項4に記載の発明
は、上記請求項3に記載の水平部材が、3つの頂角部分
を上記免震装置のフランジよりも外方に突出させるとと
もに、各辺部の長さがほぼ等しい三角形状に形成されて
いることを特徴とするものである。
【0008】請求項1または2に記載の発明にあって
は、軸力材の免震装置を介装すべき範囲の上下部外周に
固定した支承部とこれら支承部間に仮設した支持部材と
を介して、上記軸力材に作用する軸力を仮支持させるこ
とにより、軸力材の免震装置を介装すべき範囲を切断し
て、この切断部位に上記免震装置を挿入することができ
る。そして、上記免震装置の挿入後に、当該免震装置を
支承部に固定して、支持部材を撤去することにより、鉄
骨材からなる軸力材の所望箇所に免震装置が介装された
耐震建物になる。
【0009】したがって、上記請求項1または2に記載
の発明によれば、上記支持部材としては、上記免震装置
の高さ寸法よりも若干長いものを用いれば充分であるた
め、短尺のボルト、パイプ、H型鋼、C型鋼、L型鋼等
の仮設サポートや油圧ジャッキといった簡便で搬送が容
易なものを用いることができ、よってその取付けおよび
撤去作業が極めて容易である。また、免震装置を介装す
べき軸力材の周囲で上記作業を行なうことができるた
め、従来工法のように上記軸力材から充分に離間した位
置に軸力支持部材を仮設する必要が全く無く、よって建
物内における平常業務の妨げとなることがないうえに、
上記支持部材の取り外しおよび搬出作業といった大掛か
りな撤去作業も不要となる。この結果、免震装置を介装
する作業が極めて容易であり、しかも短期間にこれを行
なうことが可能になるとともに、さらに追加の補強作業
や、当該周辺補強の撤去に伴う駄目工事も必要無くなる
ために、作業の大幅な省力化も達成することができる。
加えて、上記支承部をそのまま上記免震装置の取付部材
として使用することができ、また免震装置の取付後にお
いては、上記支承部を軸力材の切断部上下の小口面にお
ける補強部材として機能させることができるといった利
点がある。
【0010】ここで、特に請求項2に記載の発明にあっ
ては、上記支持部材の両端部を支承部に剛接合している
ので、軸力材を切断して免震装置を取付ける作業中に、
万一地震等が発生して上記軸力材に水平方向の力が作用
した場合においても、剛接合された支持部材および支承
部によって当該水平力に抗することができ、よって別途
ブレース等を設置することなく、作業の安全性を確保す
ることができる。
【0011】次いで、請求項3に記載の本発明に係る免
震装置の支承部構造は、上述した既存建物を免震化する
場合のみならず、一般的に鉄骨材からなる軸力材の免震
装置を取付ける箇所においても適用可能な免震装置の支
承部構造であり、その水平部材を上記免震装置の取付部
材として使用することができるとともに、免震装置の取
付後においては、上記リブおよび水平部材によって、上
記軸力材の切断部上下の小口面における補強部材として
機能させることができる。また、請求項4に記載の発明
にあっては、水平部材をほぼ正三角形状に形成している
ので、上記補強部材としての最小形態にすることがで
き、この結果周囲に配設される壁材等との干渉を最小限
に抑えることができる。
【0012】したがって、請求項3または4に記載の発
明は、特にこれを上記請求項1または2に記載の既存建
物の免震化工法に適用した場合において、上記作用効果
に加え、さらに水平部材を免震装置のフランジよりも外
方に延出させているので、この延出部間に上記支持部材
を仮設することができ、よって免震装置を支持部材と干
渉させることなく、容易に上記免震装置を軸力材の切断
部位に挿入して取付けることができるという利点があ
り、この際に請求項4に記載の発明によれば、上記水平
部材の3辺のいずれの方向からも上記免震装置を挿入す
ることができ、よって作業の自由度が増加するという顕
著な作用効果を奏する。
【0013】
【発明の実施の形態】図1〜図3は、本発明に係る既存
建物の免震化工法に適用した免震装置の支承部構造の一
実施形態を示すもので、図中符号1は、免震装置2が介
装される角形鋼管からなる鉄骨柱(軸力材)である。こ
の鉄骨柱1の上記免震装置2を介装すべき範囲は切断さ
れており、この切断部位の上下部外周に、それぞれ上記
支承部3が接合されている。各支承部3は、所定の間隔
をおいて対向配置された2枚の水平部材4、4と、これ
ら水平部材4、4間において上記鉄骨柱1を中心として
放射状に配設され、上下端部が当該水平部材4、4に接
合された複数のリブ5…とから一体に構成されたもので
ある。ここで、上記水平部材4は、各々図2および図3
に示すように、各辺部の長さがほぼ等しく、かつ内接円
の半径が上記免震装置2のフランジ2aの外径よりも僅
かに大きいほぼ正三角形状に形成されている。これによ
り、各先端部が切断された3つの頂角部分6…を上記フ
ランジ2aから外方に突出させている。そして、上記フ
ランジ2aよりも外方にある各頂角部分6の中心部に
は、仮支持用ボルト(支持部材)7の挿通孔8が穿設さ
れており、当該挿通孔8の位置は、図3に示すように、
各挿通孔8、8間の長さLが等しくなるように設定され
ている。以上の構成からなる支承部3は、その水平部材
4およびリブ5の内縁部が鉄骨柱1の外周面に溶接によ
って接合されることにより、上記鉄骨柱1と一体化され
ている。
【0014】そして、上記支承部3、3の対向する水平
部材4、4間に、上記免震装置2が介装されている。こ
の免震装置2は、例えば積層ゴムからなる免震部材2b
の上下端部に取付用のフランジ2aが一体化されたもの
で、上記フランジ2aと水平部材4との間に、薄肉鋼板
や硬質ゴム等からなるフィラープレート4aが介装され
た状態で、上記フランジ2aと水平部材4の孔部とに挿
通されたボルト9がナットによって締め付けられること
により両支承部3、3間に据え付けられている。なお、
図中符号10a、10bは、後述する既存建物の鉄骨柱
1に上記免震装置2を介装する際に用いられる仮設用ボ
ルト7用のナットである。
【0015】また、図4〜図6は、それぞれ本発明に係
る免震装置の支承部構造の第二〜第四の実施形態を示す
もので、図1〜図3に示したものと同一構成部分につい
ては同一符号を付してその説明を省略する。図4に示す
支承部構造は、支承部11の水平部材12を長方形に形
成したものであり、上記免震装置2のフランジ2aから
外方に延出する上記水平部材12の四隅に、それぞれ上
記仮設用ボルト7が挿通される挿通孔13が穿設されて
いる。ここで、上記水平部材4の長辺側における挿通孔
13、13の間隔は、上記免震装置2のフランジ2aの
外径よりも大きくなるように設定されている。
【0016】また、図5に示す支承部構造は、支承部1
4の各水平部材15を、互いに直交する4本の溝形鋼1
6、17によって構成したものである。すなわち、上記
鉄骨柱1の一対の側面に、長尺の溝形鋼16がそのウエ
ブ16aを鉄骨柱1の側面に当接させるとともに、これ
ら溝形鋼16、16間に、短尺の溝形鋼17、17が同
様にしてウエブ17aを上記鉄骨柱1の側面に当接させ
て配設されている。そして、上記溝形鋼16のフランジ
16bの両端部に、図4に示したものと同様の挿通孔1
8が穿設されている。以上の構成からなる支承部14
は、その溝形鋼17の両端部が溝形鋼16に接合され、
かつウエブ16a、17aが鉄骨柱1の側面に接合され
ることにより、鉄骨柱1に一体的に接合されている。さ
らに、図6に示す支承部構造は、円形鋼管からなる鋼管
柱(軸力材)20に図2に示したものと同外形の支承部
3を接合して一体化させたものである。
【0017】次いで、図7〜図11に基づいて、図3に
示した構造の支承部3を用いた本発明に係る既存建物の
免震化工法の一実施形態について説明する。図7〜図1
1は、既存建物の鉄骨柱1の中間部に上記免震装置2を
介装する場合に適用した工程図であり、この免震化工法
においては、先ず図7に示すように、既存建物の鉄骨柱
(軸力材)1の上記免震装置2を介装すべき範囲Sの上
下部外周に、それぞれ図1および図2に示した免震装置
2を支持するための支承部3を溶接によって接合して一
体化する。次いで、図8に示すように、上記支承部3の
水平部材4に穿設された挿通孔8に、仮支持用ボルト
(支持部材)7を挿通して、各支承部3の上下部に螺合
されたナット10a、10b(図1参照)を締め付け
る。この際に、先ず両支承部3、3の対向面側に螺合し
たナット10b、10bを、互いに離間する方向に充分
締め付けることにより、上記仮支持用ボルト7の位置決
めを行なうとともに、鉄骨柱1の上記範囲Sを切断した
際の支承部3、3間の寸法を確保する。
【0018】このようにして、上記仮支持用ボルト7お
よび支承部3によって鉄骨柱1に作用する軸力を仮支持
した後に、図9に示すように、上記鉄骨柱1の免震装置
を挿入すべき範囲Sを切断し、次いで図10に示すよう
に、上記仮支持用ボルト7、7間から鉄骨柱1の切断部
位に上記免震装置2を挿入する。この際に、上記免震装
置1のフランジ2aと支承部3の水平部材4との間に、
薄肉鋼板や硬質ゴム等からなるフィラープレート4aを
介装する(図1参照)。次いで、上記ボルト9…によっ
て免震装置2のフランジ2aを対向する各水平部材4に
据え付ける。そして、上記免震装置2を挿入すべき階層
の全ての鉄骨柱1に対して、上記免震装置2を挿入して
定位置に据え付けた後に、上記ナット10a、10bを
緩めて、図11に示すように、全ての仮支持用ボルト7
を撤去する。そしてさらに、上記鉄骨柱1の周囲に、図
示されない外壁等を施工することにより、上記既存建物
に対する免震化工事が完了する。
【0019】したがって、上記支承部3を用いた既存建
物の免震化工法にあっては、仮支持用ボルト7の長さ寸
法としては、上記免震装置2の高さ寸法よりも若干長い
ものを用いれば充分であるため、その搬送、取付けおよ
び撤去作業が極めて容易である。また、全ての作業を、
免震装置2を介装すべき鉄骨柱1の周囲で行なうことが
できるため、建物内における平常業務の妨げとなること
がないうえに、大掛かりな仮支持部材の取り外しおよび
搬出作業といった撤去作業も不要となる。この結果、免
震装置2を介装する作業が極めて容易であり、しかも短
期間にこれを行なうことが可能になるとともに、さらに
追加の補強作業や、当該周辺補強の撤去に伴う駄目工事
も必要無くなるために、作業の大幅な省力化も達成する
ことができる。
【0020】しかも、仮支持用ボルト7を水平部材4の
挿通孔8に挿通したうえで、ナット10a、10bによ
って固定することにより、上記仮支持用ボルト7の両端
部が水平部材4に半剛接合となっているので、鉄骨柱1
を切断して免震装置2を取付ける作業中に、万一地震等
が発生して上記鉄骨柱1に水平方向の力が作用した場合
においても、上記挿通孔8に挿通されてナット10a、
10bによって締め付けられた仮支持用ボルト7および
支承部3を介してこの水平力に抗することができととも
に、さらに全ての鉄骨柱1に対して免震装置2を挿入し
た後に、上記仮支持用ボルト7の撤去を行なっているの
で、仮に免震化の作業中に地震が発生したような場合に
おいても、別途ブレース等を設置することなく、作業の
安全性を確保することができる。加えて、上記水平部材
4をほぼ正三角形状に形成しているので、水平部材4の
3辺のいずれの方向からも上記免震装置2を鉄骨柱1の
切断部位に挿入することができる。
【0021】さらに、免震化工事が完了した後は、仮支
持用ボルト7を介装するための上記支承部3をそのまま
免震装置2の取付部材として使用することができ、かつ
当該支承部3を鉄骨柱1の切断部上下の小口面における
補強部材として機能させることができる。また、水平部
材4を、先端部を切断したほぼ正三角形状に形成してい
るので、上記補強部材としての最小形態にすることがで
き、この結果鉄骨柱1の周囲に配設される壁材等との干
渉を最小限に抑えることができる。
【0022】なお、上記実施の形態においては、支持部
材として仮支持用ボルト7を用いた場合についてのみ説
明したが、これに限定されるものではなく、上記仮支持
用ボルト7に代えて、パイプ、H型鋼、C型鋼、L型鋼
等の仮設サポートや油圧ジャッキと使用することが可能
である。この際に、各種仮設サポートの両端部は、上述
したように水平部材に溶接等によって剛接合するか、あ
るいは半剛接合することが好ましい。また、油圧ジャッ
キを用いた場合には、搬送や取付および取り外しが極め
て容易であるという効果が得られる。ちなみに、上記水
平部材に仮設サポートをピン接合した場合や、油圧ジャ
ッキを用いた場合においては、上述した作業の安全性確
保の観点から、水平力が作用した際のために作業階層に
別途ブレース等を設置することが好ましい。
【0023】
【発明の効果】以上説明したように、上記請求項1また
は2に記載の発明によれば、軸力材の切断時に軸力を仮
に支持する支持部材が小型かつ簡便であり、よってその
搬送、取付けおよび撤去作業が極めて容易であるととも
に、全ての作業を免震装置を介装すべき軸力材の周囲で
行なうことができるため、従来の工法と比較して、免震
装置を介装する作業が極めて容易であり、しかも短期間
にこれを行なうことが可能になるとともに、さらに追加
の補強作業や、当該周辺補強の撤去に伴う駄目工事も必
要無くなるために、作業の大幅な省力化も達成すること
ができる。加えて、上記支承部をそのまま上記免震装置
の取付部材として使用することができ、また免震装置の
取付後においては、上記支承部を軸力材の切断部上下の
小口面における補強部材として機能させることができる
といった効果も奏する。特に、請求項2に記載の発明に
よれば、軸力材を切断して免震装置を取付ける作業中
に、万一軸力材に水平方向の力が作用した場合において
も、剛接合した上記支持部材によって作業の安全性を確
保することができる。
【0024】また、請求項3または4に記載の本発明に
係る免震装置の支承部構造によれば、その水平部材を上
記免震装置の取付部材として使用することができるとと
もに、免震装置の取付後においては、上記リブおよび水
平部材によって、上記軸力材の切断部上下の小口面にお
ける補強部材として機能させることができ、さらに請求
項4に記載の発明にあっては、水平部材を最小形態にす
ることができ、この結果周囲に配設される壁材等との干
渉を最小限に抑えることができるとともに、上記水平部
材の3辺のいずれの方向からも上記免震装置を挿入する
ことができ、よって作業の自由度が増加するという顕著
な作用効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の免震装置の支承部構造の一実施形態を
示す側面図。
【図2】図1のA−A線視断面図である。
【図3】図2の水平部材の幾何学的形状を示す平面図で
ある。
【図4】本発明の第二実施形態を示す図1のA−A線視
に相当する断面図。
【図5】本発明の第三実施形態を示す図1のA−A線視
に相当する断面図。
【図6】本発明の第四実施形態を示す図1のA−A線視
に相当する断面図。
【図7】本発明に係る既存建物の免震化工法の一実施形
態を説明するための工程図であって、鉄骨柱に支承部を
接合した状態を示す側面図である。
【図8】図7の支承部間に仮支持用ボルトを取付けた状
態を示す側面図である。
【図9】図8の鉄骨柱の所定位置を切断した状態を示す
側面図である。
【図10】図9の切断部位に免震装置を取付けた状態を
示す側面図である。
【図11】図10の仮支持用ボルトを撤去した状態を示
す側面図である。
【符号の説明】
1 鉄骨柱(軸力材) 2 免震装置 2a フランジ 3、11、14 支承部 4、12、15 水平部材 5 リブ 7 仮支持用ボルト(支持部材) 10a、10b ナット 20 鋼管柱(軸力材)

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 既存建物の鉄骨材からなる軸力材の所望
    の部位に、免震装置を介装するための工法であって、上
    記軸力材の上記免震装置を介装すべき範囲の上下部外周
    に、それぞれ当該免震装置を支持するための支承部を固
    定し、次いで上記支承部間に支持部材を仮設して上記軸
    力材に作用する少なくとも軸力を支持した後に、上記免
    震装置を挿入すべき範囲の上記軸力材を切断し、次いで
    上記軸力材の切断部位に上記免震装置を挿入して上記支
    承部に取付けるとともに、当該支承部から上記支持部材
    を撤去することを特徴とする既存建物の免震化工法。
  2. 【請求項2】 上記支持部材を上記支承部間に仮設する
    に際して、上記支持部材の両端部を上記支承部に剛接合
    することを特徴とする請求項1に記載の既存建物の免震
    化工法。
  3. 【請求項3】 鉄骨材からなる軸力材に介装される免震
    装置を支持するための免震装置の支承部構造であって、
    上記支承部は、上記軸力材の上記免震装置の介装位置の
    上下部にそれぞれ接合されて外周部が上記免震装置のフ
    ランジよりも外方に延出するとともに、上記免震装置の
    フランジが取付けられる水平部材と、この水平部材と上
    記軸力材とに接合されたリブとを有してなることを特徴
    とする免震装置の支承部構造。
  4. 【請求項4】 上記水平部材は、3つの頂角部分を上記
    免震装置のフランジよりも外方に突出させるとともに、
    各辺部の長さがほぼ等しい三角形状に形成されているこ
    とを特徴とする請求項3に記載の免震装置の支承部構
    造。
JP18564796A 1996-06-26 1996-06-26 既存建物の免震化工法および免震装置の支承部構造 Pending JPH108738A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP18564796A JPH108738A (ja) 1996-06-26 1996-06-26 既存建物の免震化工法および免震装置の支承部構造

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP18564796A JPH108738A (ja) 1996-06-26 1996-06-26 既存建物の免震化工法および免震装置の支承部構造

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH108738A true JPH108738A (ja) 1998-01-13

Family

ID=16174437

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP18564796A Pending JPH108738A (ja) 1996-06-26 1996-06-26 既存建物の免震化工法および免震装置の支承部構造

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH108738A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013249708A (ja) * 2012-06-04 2013-12-12 Ohbayashi Corp 既存建物の免震化工法
JP2016524665A (ja) * 2013-05-02 2016-08-18 モメンタ エス エイMomenta S.A. プレハブ施工システムにおける部材仮固定システムおよび据付方法
US10309643B2 (en) 2015-03-27 2019-06-04 Mitsubishi Hitachi Power Systems, Ltd. Structure for seismic isolation, steel support structure, and method for seismic isolation of existing steel support structures
JP2020070655A (ja) * 2018-11-01 2020-05-07 戸田建設株式会社 免震装置の拘束方法

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013249708A (ja) * 2012-06-04 2013-12-12 Ohbayashi Corp 既存建物の免震化工法
JP2016524665A (ja) * 2013-05-02 2016-08-18 モメンタ エス エイMomenta S.A. プレハブ施工システムにおける部材仮固定システムおよび据付方法
US10309643B2 (en) 2015-03-27 2019-06-04 Mitsubishi Hitachi Power Systems, Ltd. Structure for seismic isolation, steel support structure, and method for seismic isolation of existing steel support structures
JP2020070655A (ja) * 2018-11-01 2020-05-07 戸田建設株式会社 免震装置の拘束方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR20110018581A (ko) 가설 흙막이 공법용 사각강관 버팀보의 연결 및 접합 시공구조 및 그 시공구조를 위한 연결보강부재와 접합보강부재
JPH108738A (ja) 既存建物の免震化工法および免震装置の支承部構造
JP2008031716A (ja) 基礎台構築方法およびタービン発電機基礎台
JP2008303686A (ja) せん断パネル型ダンパーと構造物へのせん断パネル型ダンパー取付け構造
JP3579811B2 (ja) 既設構造物への免震装置の設置方法およびそれに用いる免震装置
JP3091145B2 (ja) 鋼管鉄塔の主柱材取替え工法
JP2001132268A (ja) 基礎免震構造物の構築方法
JP4558138B2 (ja) 既存建物の免震化工法
JP2008202316A (ja) 免震構造建築物
JP2009197398A (ja) 制震構造物
CN113668701A (zh) 一种装配式圆形钢管柱节点连接装置及装配方法
JPH1088823A (ja) 既存建物の免震化工法
JP2000073495A (ja) 建築物の制震装置及び建築物の制震装置に用いるプレキャスト部材
JP2001049873A (ja) 既存建物の免震化工法
CN111287533A (zh) 一种便于安装和更换的摩擦摆支座及更换方法
JP4195406B2 (ja) 既存建物の免震化工法および該工法により免震化された免震建物
JPH0323003Y2 (ja)
JP2000045542A (ja) 既存構造物の基礎免震化工法
JP2002115401A (ja) 免震化工法
JP3357882B2 (ja) プレキャストパネルと鋼製トラスとの合成構造体
CN219175335U (zh) 锚桩静载试验装置
JP4775895B2 (ja) 免震装置の拘束具
JP3049585B2 (ja) 駆動階先行上昇式建築工法における駆動階の柱梁仕口部及び駆動階の最終接合方法
JP6618089B1 (ja) 仮締切構造体の床版の施工方法および床版ユニット
JP3981948B2 (ja) 既存外壁構造体の支持構造

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20050722

A131 Notification of reasons for refusal

Effective date: 20050802

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20060207