JP3581349B2 - 構造物の水平力緩衝装置の取付け構造および据え付け方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、橋桁等の上部構造物と橋脚または橋台等の下部構造物との間に配設され上部構造物の鉛直荷重を支持する荷重支持用弾性支承装置と共に使用され、常時は鉛直荷重を負担せずに、地震時に作用する水平力および上揚力等に対して、上部構造物を緩衝支承する水平力緩衝装置の取付け構造および据え付け方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、一般に、上部構造物と下部構造物との間に設けられる機能分離型の支承装置は、図15(a)に示すように、上部構造物(橋桁)21の鉛直荷重を支持する荷重支持用弾性支承装置(以下、荷重支持装置ともいう)23と、地震時の水平力分散用バネ材および上部構造物の上動に対して緩衝しながら支承する弾性支承材として使用され、常時は上部構造物21の下向き鉛直荷重を負担しない水平力緩衝用弾性支承装置(以下、水平力緩衝装置ともいう)22とからなり、それぞれが機能を分担する構成が採られている。
【0003】
前記水平力緩衝装置22は、平面的にセットされる場合は、図15(a)に示すように、上部構造物21のコンクリート打設時に水平力緩衝装置22の上部がコンクリート用型枠として使用され、その直上の上部構造物21用の打設コンクリート2aの荷重が、水平力緩衝装置22に載荷される状況が発生する。
【0004】
また、橋脚間または橋脚と橋台間の鉄筋コンクリート製上部構造物21に、その内部に配置されたケーブル28が緊張した状態で上部構造物2の端部に定着されることによりプレストレスが導入されると、上部構造物21の中間部を支持している仮設足場等の型枠支持用の仮支持部材29から上部構造物2が浮き上がるようになるので、支点側、すなわち荷重支持装置23および水平力緩衝装置22にコンクリート製上部構造物2の荷重がさらに付加される。これに伴い荷重支持装置23の弾性層の圧縮変形によりその上端レベルの沈下(低下)と共に、上部構造物21側に固定されている水平力緩衝装置22も沈下する。
【0005】
前記の沈下の内、水平力緩衝装置22に付加される上部構造物21の荷重を除去するために、上部構造物21のコンクリート打設時は型枠として打設コンクリートの荷重を支持し、上部構造物2のコンクリートに充分強度が発現した状態、またはこれにプレストレスが導入された後の状態で、無負荷になるような仮支持装置(仮支持手段)が必要になる。
【0006】
前記仮支持装置(手段)を使用して据え付けられる機能分離型支承装置として図15および図16に示すような支承装置が知られている。図15、図16は、従来の機能分離支承装置の一例を示す。図15(a)に示すように、水平力緩衝装置22はゴム層22aを主部材として平面四角形断面等を有し、その下部鋼板22bはアンカーボルト25およびナット26により仮固定されている。そして、橋桁21の桁巾方向中央部にて橋脚(または橋台)20との間に配設されている。
【0007】
橋桁21の築造にあたっては、前記の仮支持手段として熱軟化性合成樹脂製層24を介在させて、水平力緩衝装置22が上昇して仮支持された状態で、すなわち水平力緩衝装置22を若干浮き上げた状態で、アンカーボルト11を埋め込むように一体に橋桁21が築造され、その後、水平力緩衝装置22の下側に適宜スペーサ(図示を省略)を介在させて、前記熱軟化性合成樹脂製層24を熱軟化して取り除き、水平力緩衝装置22は橋桁21に固着される。そして、地震時の水平力および上揚力等に対して、ゴム層22aのせん断変形または弾性変形により、橋桁21を緩衝支承する。一方、荷重支持装置23は、橋桁21の桁巾方向両端部にて、橋桁21と橋脚20との間に配設され、それぞれ橋桁21の鉛直荷重を支持している。そして、図15(b)に示すように、水平力緩衝装置22および荷重支持装置23が橋脚20の上面に配置されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、地震時の水平力を受けて水平力緩衝装置22のゴム層22aが大きくせん断変形したときには、下部鋼板22b上に突出しているアンカーボルト25およびナット26にゴム層22aが干渉して、そのゴム層22aが破損する恐れがある。また、(1)前記熱軟化性合成樹脂層32を熱軟化して取り除くことが、非常に煩雑であると共に、(2)熱軟化した合成樹脂層を取り除くまで、スペーサ(図示を省略)によりスペース空間を確保し、その後、(3)前記スペーサを取り除き、水平力緩衝装置30をレベル低下した後に固定する、前記(1)〜(3)の3工程の作業であるので、作業が煩雑になるという問題がある。
【0009】
そこで、本発明は、水平力により弾性層に大きな変形を生じても、干渉により弾性層22aが破損する恐れのない水平力緩衝装置の取り付け構造および前記(1)〜(3)の煩雑な作業を簡素化できる水平力緩衝装置の据え付け方法を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するために、請求項1に記載の構造物の水平力緩衝装置の取付け構造においては、コンクリート製橋桁等の上部構造物と橋脚または橋台等の下部構造物とに連結するように配置され、上部構造物に固定される上部鋼材と、前記上部鋼材に一体に固着された弾性層と、下部構造物側に直接または間接的に係合して水平方向にずれ止めされると共に、前記下部構造物側と連結される下部鋼材とが一体化されてなり、前記下部構造物との連結部に上部構造物の鉛直荷重を負担しないようにするための隙間を有した状態で前記下部鋼材と下部構造物とを連結する連結手段を、前記弾性層がそのせん断変形時に、前記連結手段と干渉しないように構成したことを特徴とする。
【0011】
また、請求項2の発明においては、請求項1に記載の構造物の水平力緩衝装置の取付け構造において、前記連結手段が、下部鋼材の占める平面領域内に配置されると共に、下部鋼材と下部構造物とを隙間を有した状態で連結することを特徴とする。
【0012】
さらに、請求項3の発明においては、請求項1または2に記載の構造物の水平力緩衝装置の取付け構造において、前記連結手段が、下部構造物に固定されたベースプレート側から前記下部鋼材へねじ込まれたボルトであることを特徴とする。
【0013】
さらにまた、請求項4の発明においては、請求項1〜3のいずれかに記載の構造物の水平力緩衝装置の取付け構造において、前記連結手段が、一体化された上部鋼材と弾性層と下部鋼材を、下部構造物に固定されるベースプレートに連結することを特徴とする。
【0014】
なおまた、請求項5の水平力緩衝装置の据え付け方法においては、上部構造物と下部構造物とに連結するように水平力緩衝装置を据え付ける水平力緩衝装置の据え付け方法において、着脱自在な仮支持部材を介在させて、前記水平力緩衝装置を所定の高レベル位置に保持した状態で、前記水平力緩衝装置の上部に、上部構造物を築造した後、前記仮支持部材を取外すことで隙間を設けると共に、前記水平力緩衝装置を上部構造物の鉛直荷重から解放した後、コンクリート製上部構造物にプレストレスを導入し、前記上部構造物へのプレストレス導入に伴う水平力緩衝装置の降下を、前記隙間寸法内に収めるようにしたことを特徴とする。
【0015】
また、請求項6の発明においては、請求項5に記載の水平力緩衝支承装置の据え付け方法において、下部構造物と水平力緩衝装置の間に、着脱自在な仮支持部材を介在させて、前記水平力緩衝装置を所定の高レベル位置に保持した状態で、前記水平力緩衝装置の上部と荷重支承用弾性支承装置の上部に渡って、コンクリート製上部構造物を築造した後、前記仮支持部材を取外して、下部構造物と水平力緩衝装置の間に隙間を設けて、前記水平力緩衝支承装置を上部構造物の鉛直荷重から解放した後、前記コンクリート製上部構造物にプレストレスを導入することを特徴とする。
【0016】
さらに、請求項7の発明においては、請求項5または6に記載の水平力緩衝支承装置の据え付け方法において、前記水平力緩衝装置は、上部構造物に固定される上部鋼材と、前記上部鋼材に一体に固着された弾性層と、下部構造物側に直接または間接的に係合して水平方向にずれ止めされると共に、前記下部構造物側と連結される下部鋼材とが一体化されてなり、前記下部構造物との連結部に隙間を有した状態で前記下部鋼材と下部構造物とを連結する連結手段を、前記下部鋼材よりも下方に備えることにより、前記弾性層がそのせん断変形時に、前記連結手段と干渉しないように構成したことを特徴とする。
【0017】
さらにまた、請求項8の発明においては、請求項7に記載の構造物の水平力緩衝装置の据え付け方法において、前記連結手段が、下部構造物に固定されたベースプレート側から前記下部鋼材へねじ込まれたボルトであることを特徴とする。
【0018】
本発明によると、地震時に、上部構造物または下部構造物の相対的な横移動により、水平力緩衝装置の中央部弾性層が水平方向等の横方向に大きくせん断変形しても、連結手段が弾性層と干渉しない位置とされているので、干渉により弾性層が損傷または破損するのを防止することができる。
【0019】
また、請求項2〜4の発明によると、連結手段が下部鋼材の占める平面領域内に配置されているので取付けスペースが小型化されると共に、下部鋼材を固定前のベースプレートに予め連結するので、取付け作業が簡単になり、経済的であり、特に、ベースプレート側から下部鋼材へねじ込まれたボルトであると、経済的に容易に取り付け作業が簡単になる。
【0020】
さらに、請求項5〜6の本発明によると、据え付け工程を少なくして、上部構造物の鉛直荷重を負担しない状態で、水平力緩衝装置を簡単に据え付けることができ、プレストレス導入後においても、上部構造物の鉛直荷重を負担しない状態で、水平力緩衝装置を据え付けることができる。
【0021】
また、請求項7〜8の発明によると、地震時に、上部構造物または下部構造物の相対的な横移動により、水平力緩衝装置の中央部弾性層が水平方向等の横方向に大きくせん断変形しても、弾性層の周囲には、干渉するような部材がないので、干渉により弾性層が損傷または破損するのを防止することができる。
【0022】
【発明の実施の形態】
本発明における水平力緩衝装置の取付け構造および据え付け方法の第一実施形態について、図1〜図8を参照してその作用と共に説明する。
【0023】
図1は本実施形態の水平力緩衝支承用弾性支承装置(以下、水平力緩衝装置という)を、橋脚と橋桁との間に適用した例を示す図である。図2は一部断面を含む本実施形態の全体図であり、図3は部分拡大断面図である。図4、図5はそれぞれ図2のA−A断面図、B−B断面図である。図6は仮支持部材を挿入した状態を示す断面図であり、図7は水平力緩衝装置取り付け時に用いる仮支持部材(隙間形成用スペーサ)の説明図である。また、図8は下部構造物2に水平力弾性支承装置および荷重支承用弾性支承装置を据え付けた状態を示す図である。
【0024】
先ず、図8に示すように、上部構造物2を築造する前に、下部構造物3の上部に、橋軸直角方向に間隔をおいて、荷重支持用弾性支承装置4を配置すると共に、前記荷重支持用弾性支承装置4の下部を、下部構造物3に埋め込み固定されたアンカーボルト43により固定する(詳細は後記する)。また、その荷重支承用弾性支承装置4の橋軸直角方向の間または、荷重支承用弾性支承装置4の橋軸直角方向の側部において、水平力緩衝支承用弾性支承装置1を配置し、前記水平力緩衝支承用弾性支承装置1における鋼製ベースプレート15に固定のアンカーボルト等のアンカー材13の下部を下部構造物3に埋め込み固定する。
【0025】
鋼製ベースプレート15を下部構造物3に固定する場合、この実施形態では、下部構造物3が鉄筋コンクリート製下部構造物3とした場合で、図6に示すように、下部構造物3の上面に、縦孔からなるアンカーボルト収納用凹部3aを前後方向または左右方向に間隔をおいて設け、この各アンカーボルト収納用凹部3a内に、それぞれ、ベースプレート15の下面に、前後および左右方向に間隔を置いて溶接により一体に固定のアンカーボルトからなるアンカー材13の下部を挿入するように配置する。この時、ベースプレート15を所定のレベルに設置するために、下部構造物3の上面に、間隔を置いて、複数のレベル調整用埋め込みスペーサ30を配置して、その上面に水平力緩衝支承用弾性支承装置1におけるベースプレート15の下面を載置する。
【0026】
前記ベースプレート15の周縁部の透孔15cには、予め連結手段としてのボルト16を下方から挿入して、水平力緩衝支承用弾性支承装置1の下部鋼板7に連結しておくと共に、前記下部鋼板7とベースプレート15の上面との間に、前後方向および左右方向に間隔をおいて、複数の鋼製スペーサからなる仮支持部材17および必要に応じ調整用スペーサを介在させて水平力緩衝装置1を、高レベル位置に仮保持した状態で、前記ボルト16を若干緊締して、前記仮支持部材17が外れないようにされている。
【0027】
次いで、前記アンカーボルト収納用凹部3a内に、固定手段としての無収縮モルタル14を充填すると共に、前記ベースプレート15の下面レベルまで十分充填されるように無収縮モルタル14を打設し、硬化させて、水平力緩衝装置1の下部を下部構造物3に固定すると共に、支持させる。
【0028】
水平力緩衝装置1(詳細な構造説明は後記する)における前記ベースプレート15の上面には、例えば、中央部に凹部15aが備えられていると共に、ベースプレート15の周縁部には、そのベースプレート15の板厚内において、上部が側方に張り出すように突出する張り出しフランジ15bが設けられていると共に、そのフランジ15b下面とこれに接続する内側の周側面24とからなる段部33が形成されて、ベースプレート15の下面に、ボルト16の頭部とこれを回動する空間34が形成されている。
【0029】
なお、前記荷重支承用弾性支承装置4の下部も、前記水平力緩衝装置1と同様に、下部構造物3の上面に、縦孔からなるアンカーボルト収納用凹部47およびレベル調整用埋め込みスペーサ(前記の符号30に相当するもの)が設けられてレベル調整した状態で、前記アンカーボルト収納用凹部47に充填されると共に下部支持部材37の下面まで打設されて硬化された無収縮モルタルにより所定のレベルに下部構造物3に据え付けられる。
この実施形態の荷重支承用弾性支承装置4の構成について、ここで簡単に説明すると、上部に橋軸方向に間隔をおいて対向するように一対の平面円弧状のせん断変形拘束壁35を一体に有すると共に、下部に下部構造物3に埋め込み固定されるアンカーボルト36を有する下部支持部材37と、上部に上部構造物2に埋め込み固定されるアンカーボルト38を有する上部支持部材39と、前記下部支持部材37と上部支持部材39の間に配置され、ゴムのような弾性層40の上下両面に円形鋼板41,42を一体に有する弾性支承体43とを備えており、前記せん断拘束壁35により鋼板41の横移動が拘束されて、前記弾性層40のせん断変形を拘束され、鉛直方向の圧縮変形を許容すると共に、鋼板41の上面に四フッ化エチレン層等の滑り支承面44を備えており、上部構造部2を滑り支承するように構成されている弾性支承装置である。
【0030】
そして、図8に示すように、水平力緩衝装置1の周囲と荷重支承用弾性支承装置4の周囲に型枠45を配設し、橋脚間または橋台と橋脚間に設置された仮設足場等の仮支持部材29の上部に型枠45を配設すると共に、前記各型枠45内に鉄筋を配筋し、かつ図15に示す前記従来の場合と同様にケーブルシースおよびPCケーブル28を橋軸方向に配設した後、コンクリート2aを打設し、硬化させて橋桁21(上部構造物2)を築造する。前記コンクリート2aが硬化した後、橋桁21(上部構造物2)に対して円弧状に埋め込み配置されている前記PCケーブル28を緊張して、PCケーブル28の端部を上部構造物2(橋桁21)の橋軸方向の端部に定着させる。
【0031】
この時、前記の従来技術でも説明したように、上部構造物2(橋桁21)の中間部の荷重が、上部構造物2を支持している橋脚または橋台上の荷重支承装置4側に付加されるので、その荷重支承装置4における弾性層4aが、例えば3mm程度、圧縮弾性変形して沈むことになるが、この圧縮弾性変形寸法よりも大きな寸法の隙間を前記仮支持部材17におけるプレート部18の板厚およびこれに適宜調整用プレートを重合して確保するようにすると共に、水平力緩衝装置1の上部のレベル低下によっても、前記隙間内に収まるように、ベースプレート15の凹部15a上面と下部鋼板7の下部突部7a下面との間の間隙(ギャップ)L1は、大きく設定されている。
【0032】
そして、図1に示すように、図示の場合は、水平力緩衝装置1は、上部構造物2としての鉄筋コンクリート製橋桁21の桁巾方向中央部にて、下部構造物としての橋脚3との間に配設されている。同様に橋桁21の桁巾方向両端部に、上部にすべり支承面を有する荷重支持用弾性支承装置4(以下、荷重支持装置4ともいう)が配設されている。荷重支持装置4は橋桁21の鉛直荷重を弾性支承し、横方向にせん断変形しないように拘束された状態で支承できるスライド式の弾性支承装置である。水平力緩衝装置1と荷重支持用弾性支承装置は橋軸直角方向に配置されていればよく、その配置形態は交互に配置されていてもよく、荷重支持用弾性支承装置4を橋軸直角方向の両端側に、水平力緩衝装置1をその間に複数配置してもよい。
【0033】
前記水平力緩衝装置1の構造について、さらに詳細に説明すると、図2〜図5に示すように、水平力緩衝装置1は、鋼材等の上部鋼板5と、中央部の複数枚の補強鋼板入り弾性層6と、鋼材等の下部鋼板7が加硫一体成形により一体化されてなり、全体として角柱状(図示の場合)または円柱状等の柱状を呈している。そして上部鋼板5と上部構造物2を一体化するソールプレート9および下部鋼板7と下部構造物3を一体化するベースプレート15等により水平力緩衝装置1が構成され、上下の構造物1,3が鋼製の場合は、アンカーボルト11,14に代えて上部構造物2側から挿通されるボルトあるいは下部構造物3側から挿通されるボルトに置換え可能である。
【0034】
上部鋼板5の上面中央部に設けられた上向きの短円柱状凸部5aの先端部外周には、雄ねじ部8が設けられ、前記凸部5aのせん断キーとなる中間軸部5bに鋼製ソールプレート9の中央部透孔9aが嵌合された状態で、前記上部鋼板5の上面に前記ソールプレート9が載置され、前記雄ねじ部8に螺合された鋼製リングナット10によりねじ接合されて、前記ソールプレート9は上部鋼板5に固定されている。ソールプレート9には、アンカー材11(図4に示す8本)が立設され、そのアンカー材11の基端部が溶接または螺合連結された状態で固着されている。そして、後述するように、前記上部鋼板5は、コンクリート2aの打設により築造される橋桁21に一体化される。前記ソールプレート9の周囲の上部構造物2の下面レベルは前記ソールプレート9の上面と同レベルで上部構造部2のコンクリート打設面とされ、そのコンクリート打設面と同レベルの打設面から弾性層6のせん断変形可能領域を十分はなれた位置に、荷重支持用弾性支承装置4の上部を取り付けるための上部構造物2側のコンクリート打設面が、さらに低レベル位置に下向きに突出するように形成されている。
【0035】
水平力緩衝装置1の中央部には、ゴムのような弾性層6が一体に固着されて配置されていると共に、前記弾性層6の内部には、上下方向に間隔をおいて平行に複数枚の鋼板12が埋め込み配置されて耐圧補強されている。また、水平力緩衝装置1の下端部には、前記弾性層6の下面に一体に下部鋼板7が配置され、その下面中央部には、せん断キーとなる下向きの短円柱状の凸部7aが一体に形成されている。
【0036】
一方、橋脚3上面の凹部3a内には、アンカー材13の下部が配置され、無収縮モルタル14が打設されて一体化されている。そして、アンカー材13の上端部は四角形状のベースプレート15に溶接により固定されている(図3、図5)。こうして、ベースプレート15は橋脚3に一体化され、従来のように、アンカー材13がベースプレート15の上面から突出する構成ではない。ベースプレート15の上面中央部には、短円柱状等の凹部15aが形成されている。
【0037】
そして、水平力緩衝装置1の下部鋼板7における凸部7aが、ベースプレート15における上面側中央部の円柱状の上向き開口凹部15aに嵌合される。この嵌合により、水平力緩衝装置1(橋桁21側)の下部鋼板7が橋脚3に対して、水平力に対して、ずれ止め(一体化)される。下部鋼板7の下向き凸部7aとベースプレート15の上向き開口凹部15aとの間には、上下方向の隙間Lが設けられている(図3)。
【0038】
また、図3、図5に示すように、ベースプレート15における凹部15aの周囲の上面と、これに対向する水平力緩衝装置1における下部鋼板7の下面との間に隙間Sを保持した状態で、ベースプレート15の側部フランジ15bの各透孔15cに下側からそれぞれ予め挿通された連結手段としてのボルト16(図5に示す10本)がベースプレート15側から上向きに下部鋼板7にねじ込まれ、下部鋼板7(水平力緩衝装置1、橋桁21側)がベースプレート15(橋脚3側)に連結されている。なお、前記ボルト16は前記ベースプレート15の設置時において装着されている。こうして、連結部が構成される。隙間Sが保持されるのは、つぎの理由による。
【0039】
橋桁21のコンクリート打設時には、上記ソールプレート9がコンクリート用型枠として使用されるので、リングナット10によりソールプレート9に接合された水平力緩衝装置1は橋桁21と一体化され、水平力緩衝支承装置1には、その直上の打設されたコンクリートの荷重が負荷される。そして、橋桁21のコンクリートが硬化した後に、橋桁21に橋軸方向のプレストレスが導入されると、橋桁の橋軸方向中間部が浮き上がるようになり、橋桁21を支承する支点側にさらに荷重が付加される。これに伴い荷重支持装置4はその弾性層の圧縮変形により3〜5mm沈み、それと共に橋桁21側に固定されている水平力緩衝装置1も沈む。
【0040】
そこで、橋桁21にプレストレスが導入された状態において、水平力緩衝装置1に鉛直荷重が負荷されないように、上記沈み量より大きな隙間S1を設けて橋桁21のコンクリートの打設およびプレストレスの導入を行う。すなわち、一旦、図6に示すように、上記沈み量より大きな隙間量S1に相当する前記(詳細は後記する)の仮支持部材17におけるプレート部18および必要に応じ調整用プレートを隙間部に挿入した状態でボルト16を締め付ける。またほぼ前記間隙量S1と同様か若干大きな寸法の間隙L1を、下部鋼板の凸部7a下面とベースプレートの凹部15aとの間に形成できるように、ベースプレート15に凹部15aが形成されている。
【0041】
そして、橋桁21側のコンクリート打設硬化後で、橋桁21にプレストレスが導入される前に前記仮支持部材17を取り外すと、その部分に隙間が生じる。そして、前記のように、橋桁21にプレストレスが導入されると、さらに荷重が付加される。これに伴い荷重支持装置4はその弾性層の圧縮変形により3〜5mm沈み、それと共に橋桁21側に固定されている水平力緩衝装置1も沈む。この沈んだ状態でも間隙S(5〜10mm程度)が残るように、前記の大きな隙間S1を形成するようにしておく。
【0042】
またこの時、前記ボルト16の頭部側は、ベースプレート15の側方張り出しフランジ15b下面15dと下部構造物上面間の空間部34においてフリーになっており、下降移動可能であるので、下降移動してベースプレート15の側方フランジ15b下面15dとの間にギャップができるため、このギャップをなくすように、再度前記ボルト16を締め込んで、側方張り出しフランジ部下面15dに係合させて、前記ベースプレート15と前記下部鋼板7を、これらを離反させる方向の上揚力等の力に抵抗できるようにする。なお、前記のプレストレスが導入した後に、仮支持部材17を取外すことも考えられるが、橋桁21の荷重が負荷されて引き抜き力が非常に大きくなり困難であり、プレストレス導入前に取外すようにすると、引き抜きジャッキの容量が小さくてよい。鋼製仮支持部材17をジャッキにより引き抜く場合は、伸縮式液圧ジャッキ(図示を省略した)を下部鋼板7と前記仮支持部材17の縦板部19とに係合するように介在させた状態で、伸縮式液圧ジャッキを伸長動作させて、前記仮支持部材17を引き抜く。
【0043】
こうして、水平力緩衝装置1の上部は、橋桁21からぶら下がる状態になり、隙間Sにより、橋桁21の鉛直荷重を分担しない。そして、地震時に作用する水平力および上揚力等に対して、橋桁21を緩衝支承する。
【0044】
なお、橋桁21に上揚力が作用した場合は、弾性層6および下部鋼板7から伝達される力をボルト16を介して下部構造物3に緩衝しながら伝達され、また下部構造物3が下方に移動したときは、荷重支持用ベースプレート15からボルト16により下部鋼板7に伝達して弾性層6および上部鋼板5から上部構造物2に緩衝しながら伝達される。下部構造物2が上方に移動する時は、ベースプレート15が下部鋼板7に当接する方向に移動するが、荷重支持用弾性支承装置4により上部構造物2を支持していて、ベースプレート15が下部鋼板7に当接することはない。そして、ボルト16は水平力緩衝装置1の下部鋼板7が占める平面領域内(四角m形内)に配置され、上部側の弾性層6と干渉していないので、地震時の水平力により水平力緩衝装置1の中央部弾性層6が大きく変形しても、弾性層6の周囲には干渉するような部材がないので、干渉により弾性層6が破損する恐れは全くない。
【0045】
図7は、上記仮支持部材17の詳細を示す。図6(a)は平面図、(b)は側面図、(c)は(b)のC矢視図である。水平力緩衝装置1をベースプレート15に取り付ける際に、水平力緩衝装置1の下部鋼板7とベースプレート15との間に、仮支持部材17のプレート部18および必要に応じ適宜調整用プレート(図示を省略した)を挿入した状態でボルト16を締め付ける。そして、橋桁21のコンクリートが硬化した後に、下部鋼板7の外周部と仮支持部材17の縦板部19との間にジャッキ(図示を省略する)を挿入して伸長作動させて、仮支持部材17を取り外す。こうして、上記隙間Sが保持される。なお、ボルト16の下面と下部構造物3との間に適宜の仮支持部材17を介在させるようにしてもよい。
【0046】
次に本発明における水平力緩衝装置取付け構造の他の実施形態の構成について、前記実施形態と一部重複するが、図9〜図14および図7を参照してその作用と共に説明する。この実施形態では、弾性層の大変形時にも、周辺部材との干渉および破損の恐れがなく、かつ取付けスペースが小型化されて経済的な水平力緩衝装置とした形態である。
【0047】
図9は本実施形態の水平力緩衝支承用弾性支承装置(以下、水平力緩衝装置ともいう)を、橋脚と橋桁との間に適用した例を示す図である。図10は一部断面を含む本実施形態の全体図であり、図11は部分拡大断面図である。図12、図13はそれぞれ図10のC−C断面図、D−D断面図である。図14は仮支持部材を挿入した状態を示す断面図であり、図7は、前記のように水平力緩衝装置の取り付け時に用いる仮支持部材の説明図である。
【0048】
図9に示すように、水平力緩衝装置1は、上部構造物としての鉄筋コンクリート製橋桁21の桁巾方向中央部にて、橋桁21と下部構造物としての橋脚3との間に配設されている。同様に橋桁21の桁巾方向両端部には、上部にすべり支承面4aを有する荷重支持用弾性支承装置4(以下、荷重支持装置4ともいう)が配設されている。荷重支持装置4は橋桁21の鉛直荷重を弾性支承する。
【0049】
図10〜図13に示すように、水平力緩衝装置1は、上部鋼板5と、中央部の複数枚の補強鋼板12入り弾性層6と、下部鋼板7が加硫一体成形により一体化されてなり、全体として角柱状(図示の場合)または円柱状等の柱状を呈している。
【0050】
上部鋼板5の上面中央部に設けられた短円柱状凸部5aの先端部外周には、雄ねじ部8が設けられ、前記凸部5aのせん断キーとなる中間軸部に鋼製ソールプレート9の中央部透孔9aが嵌合された状態で、上部鋼板5の上面に前記ソールプレート9が載置され、前記雄ねじ部8に螺合された鋼製リングナット10により接合されて、前記ソールプレート9は上部鋼板5に固定されている。
【0051】
ソールプレート9には、アンカー材11(図12に示す8本)が立設され、そのアンカー材11の基端部が溶接または螺合連結された状態で固着されている。そして、後述するように、前記上部鋼板5は、コンクリート2aの打設により築造される橋桁21に一体化される。前記ソールプレート9の上面より若干低いレベルで、水平力緩衝装置1の弾性層6のせん断変形可能領域から十分はなれた位置に荷重支持装置4を取り付けるためのコンクリート打設面が、下向きに突出するように形成されている(図9参照)。
【0052】
水平力緩衝装置1の中央部には、ゴムのような弾性層6が一体に固着されて配置されていると共に、前記弾性層6の内部には、上下方向に間隔をおいて平行に複数枚の鋼板12が埋め込み配置されて耐圧補強されている。また、水平力緩衝装置1の下端部には、弾性層6の下面に一体に下部鋼板7が配置され、その下面中央部には、せん断キーとなる短円柱状の凸部7aが一体に形成されている。また、後述のベースプレート15との連結用のねじ孔7bが設けられている(図13の10個所)。
【0053】
そして、図11に示すように、水平力緩衝装置1の下部鋼板7の凸部7aが、ベースプレート15の中央部の凹部15aに嵌合される。この嵌合により、橋桁21側の水平力緩衝装置1の下部鋼板7が、橋脚3に一体化されるベースプレート15により、水平方向にずれ止めされる。下部鋼板7の凸部7aとベースプレート15の凹部15aとの間には、上下方向の隙間Lが設けられている。またベースプレート15の中央部の凹部15aから橋軸方向に離れた両側の位置において、橋軸直角方向に間隔を置いて多数の連結用凹部15bが、ベースプレート15の下面に設けられ、その凹部15bと同心状にボルト挿通用の透孔15cが設けられている。
【0054】
また、ベースプレート15の上面と、これに対向する下部鋼板7の下面との間に隙間S+αを保持した状態で、ベースプレート15の下面から上記連結用凹部46とボルト挿通用の透孔15cにボルト16(図13に示す10本)が挿入され、下部鋼板7のねじ孔7bに締め付けされて、下部鋼板7(水平力緩衝装置1、橋桁21側)がベースプレート15(橋脚3側)に連結される。上記隙間S+αは、その後減少し、最終的に隙間Sとなる(図11では最終隙間Sを示す)。こうして、連結部が構成される(後述)。なお、この連結(隙間を保持した締め付け)は、ベースプレート15が橋脚3に一体化される前に行われる。また、もちろん橋桁21のコンクリート打設より以前の状態で行われる。
【0055】
上記締め付け時に隙間S+αを保持するのは、前記したように、後工程での橋桁21のコンクリート打設時には、上記ソールプレート9がコンクリート用型枠として使用されるので、リングナット10によりソールプレート9に接合された水平力緩衝装置1は橋桁21と一体化され、打設された直上のコンクリートの荷重が負荷される。そして、橋桁21にプレストレスが導入されると、前述のように、さらに荷重が付加される。これに伴い荷重支持装置4はその弾性層の圧縮変形により3〜5mm沈み、それと共に橋桁21側に固定されている水平力緩衝装置1も沈む。
【0056】
そこで、橋桁21にプレストレスが導入された状態において、水平力緩衝装置1に鉛直荷重が負荷されないように、上記沈み量より大きな隙間S+αを設けて橋桁21のコンクリート2aの打設およびプレストレスの導入を行う。すなわち、一旦、図14に示すように、上記沈み量より大きな隙間量S+αに相当する厚さの仮支持部材17のプレート部18および必要に応じ調整用プレートを隙間部に挿入した状態でボルト16を締め付けする。また、ほぼ前記間隙量S+αと同等か若干大きな間隙L1を、下部鋼板7の凸部7aとベースプレート15の凹部15aとの間に形成できるように、ベースプレート15に凹部15aが形成されている。
【0057】
一方、橋脚3上面の凹部3a内には、アンカー材13の下部が配置され、無収縮モルタル14が打設されて一体化されている。そして、アンカー材13の上端部は四角形状のベースプレート15を溶接により固定している(図11、図14)。こうして、ベースプレート15は橋脚3に一体化され、アンカー材13がベースプレート15の上面から突出する構成ではない。ベースプレート15の上面中央部には、短円柱状等の凹部15aが形成されている。また、ベースプレート15の下面には、下部鋼板7との連結用の凹部46およびこれと同軸にボルト挿通用の透孔15cが設けられている(図13の10箇所)。
【0058】
そして、橋桁21側のコンクリート打設、硬化後で、橋桁21にプレストレスが導入される前に前記仮支持部材17を取り外すと、その部分に隙間が生じる。そして、前記のように、橋桁21にプレストレスが導入されると、さらに荷重が付加される。これに伴い荷重支持装置4はその弾性層の圧縮変形により3〜5mm沈み、それと共に橋桁21側に固定されている水平力緩衝装置1も沈む。この沈んだ状態でも間隙S(5〜10mm程度)が残るように、前記の大きな隙間S+αを形成するようにしておく。
【0059】
また、上記の下部鋼板7(水平力緩衝装置1)が沈んだ時、前記ボルト16は下部鋼板7と共に沈むことが許容され、この沈んだとき、ボルト16の頭部と橋脚3の上面との間に若干の隙間が残るように関連寸法が設定されている。一方、この沈下時には、ボルト16の座面部にも沈下量分の隙間が生じる。こうして、ボルト16は上記沈下を許容すると共に、橋桁21に地震等により上揚力が作用した場合に、ボルト16の座面がベースプレート15の凹部15bに当接し、上揚動を抑止する作用(後記)を果たす。
【0060】
すなわち、橋桁21に上揚力が作用した場合は、その上揚力は、弾性層6および下部鋼板7からボルト16を介して橋脚3に緩衝しながら伝達される。一方、橋脚3が上方に移動したときは、ベースプレート15が下部鋼鈑7に当接する前に荷重支承装置4から橋桁21に緩衝しながら伝達される。そして、ボルト16は水平力緩衝装置1の下部鋼板7が占める平面領域内(四角形内)に配置され、上部側の弾性層6と干渉していないので、地震時の水平力により水平力緩衝装置1の中央部弾性層6が大きく変形しても、弾性層6の周囲には干渉する部材が配置されていないので、干渉により弾性層6が破損する恐れは全くない(図13、図14参照)。
【0061】
なお、下部鋼板7とベースプレート15との間の上記隙間Sの存在は、地震時に橋桁21に上揚力が作用した場合に、ボルト16の座面に衝撃力が入力される原因になるので、衝撃力を緩和するためにボルト16の上記締め付け前または後に、上記ベースプレート15の凹部15a内の空間に予めあるいは適当な時期に、遅硬化性樹脂を充填し、上記沈下時にボルト16の座面部に生じる隙間に樹脂が入り込むようにしてもよい。
【0062】
こうして、前記実施形態と同様に、水平力緩衝装置1は、橋桁21からぶら下がる状態になり、隙間Sにより、橋桁21の鉛直荷重を分担しない。そして、地震時に作用する水平力および上揚力等に対して、橋桁21を緩衝支承する。
【0063】
本発明を実施する場合、水平力緩衝装置1に予め桁収縮方向とは逆方向に予備せん断変形を与えるようにして、据え付けるようにしてもよい。また、前記各実施形態の場合は、下部鋼材と下部構造物との連結部に隙間を有した状態で、前記下部鋼材と下部構造物とを連結する連結手段を、前記弾性層のせん断変形時に、弾性層と干渉しない位置に設けるようにしたが、本発明を実施する場合、水平力緩衝装置を上下反転配置しても同様であるので、上部鋼材と上部構造物との連結部に隙間を有した状態で、前記上部鋼材と上部構造物とを連結する連結手段を、前記弾性層のせん断変形時に、弾性層と干渉しない位置に設けるようにして、連結手段と弾性層とが干渉しないように構成しもよい。
【0064】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明によれば、前記従来例と異なり、上部構造物または下部構造物の相対的な横移動により、地震時に、水平力緩衝装置の中央部弾性層が大きく変形しても、連結手段が弾性層と干渉しない位置に設けられているので、干渉により弾性層が損傷または破損する恐れは全くない。
【0065】
また、連結手段が下部鋼板の占める平面領域内に配置されているので、水平力緩衝装置の取付けスペースが小型化されると共に、下部鋼板(水平力緩衝装置)を固定前のベースプレートに予め連結するので、取付け作業が簡単になり、経済的である。
【0066】
また、水平力緩衝装置と下部構造物とを連結するボルトにより上部構造物の上揚動を規制することが可能である。
【0067】
また本発明の据え付け方法によると、据え付け工程を少なくして、上部構造物の鉛直荷重を負担しない状態で、水平力緩衝装置を簡単に、簡単に据え付けることができ、また、プレストレス導入後においても、上部構造物の鉛直荷重を負担しない状態で、水平力緩衝装置を据え付けることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を橋脚と橋桁との間に適用した例を示す図である。
【図2】一実施形態の一部断面を含む全体図である。
【図3】一実施形態の部分拡大断面図である。
【図4】図2のA−A断面図である。
【図5】図2のB−B断面図である。
【図6】仮支持部材を挿入した状態の部分拡大断面図である。
【図7】一実施形態の仮支持部材の説明図である。
【図8】下部構造物に水平力弾性支承装置および荷重支承用弾性支承装置を据え付けた状態を示す図である。
【図9】本発明の他の実施形態を橋脚と橋桁との間に適用した例を示す図である。
【図10】他の実施形態の一部断面を含む全体図である。
【図11】他の実施形態の部分拡大断面図である。
【図12】図10のC−C断面図である。
【図13】図10のD−D断面図である。
【図14】仮支持部材を挿入した状態の部分拡大断面図である。
【図15】(a)は従来例の橋脚と橋桁との断面図、(b)は同側面図である。
【図16】従来例の橋脚の上面に配置した部材を示す平面図である。
【符号の説明】
1 水平力緩衝装置(水平力緩衝支承用弾性支承装置)
2 上部構造物(橋桁)
2a コンクリート
3 橋脚(下部構造物)
3a 橋脚の凹部
4 荷重支持装置(荷重支持用弾性支承装置)
4a すべり支承面
5 上部鋼板(上部鋼材)
5a 上部鋼板の凸部
6 弾性層
7 下部鋼板(下部鋼材)
7b ねじ孔
7a 下部鋼板の凸部
8 ねじ部
9 ソールプレート
9a 中央部透孔
10 リングナット
11 アンカー材
12 鋼板
13 アンカー材
14 無収縮モルタル
15 ベースプレート
15a ベースプレートの凹部
15b 側部フランジ
15c ボルト挿通用の透孔
15d 側方張り出しフランジ部下面
16 ボルト(連結手段)
17 仮支持部材
18 仮支持部材のプレート部
19 仮支持部材の縦板部
20 橋脚(または橋台)
21 上部構造物(橋桁)
22 水平力緩衝用弾性支承装置
22a ゴム層
22b 下部鋼板
23 荷重支持用弾性支承装置
24 熱軟化性合成樹脂製層
25 アンカーボルト
26 ナット
28 ケーブル
29 仮支持部材(型枠支持用)
30 レベル調整用埋め込みスペーサ
31 張り出しフランジ
32 周側面
33 段部
34 空間
35 せん断変形拘束壁
36 アンカーボルト
37 下部支持部材
38 アンカーボルト
39 上部支持部材
40 弾性層
41 鋼板(上部)
42 鋼板(下部)
43 弾性支承体
44 滑り支承面
45 型枠
46 連結用凹部
Claims (8)
- コンクリート製橋桁等の上部構造物と橋脚または橋台等の下部構造物とに連結するように配置され、上部構造物に固定される上部鋼材と、前記上部鋼材に一体に固着された弾性層と、下部構造物側に直接または間接的に係合して水平方向にずれ止めされると共に、前記下部構造物側と連結される下部鋼材とが一体化されてなり、前記下部構造物との連結部に上部構造物の鉛直荷重を負担しないようにするための隙間を有した状態で前記下部鋼材と下部構造物とを連結する連結手段を、前記弾性層がそのせん断変形時に、前記連結手段と干渉しないように構成したことを特徴とする構造物の水平力緩衝装置の取付け構造。
- 前記連結手段が、下部鋼材の占める平面領域内に配置されると共に、下部鋼材と下部構造物とを隙間を有した状態で連結することを特徴とする請求項1に記載の構造物の水平力緩衝装置の取付け構造。
- 前記連結手段が、下部構造物に固定されたベースプレート側から前記下部鋼材へねじ込まれたボルトであることを特徴とする請求項1または2に記載の構造物の水平力緩衝装置の取付け構造。
- 前記連結手段が、一体化された上部鋼材と弾性層と下部鋼材を、下部構造物に固定されるベースプレートに連結することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の構造物の水平力緩衝装置の取付け構造。
- 上部構造物と下部構造物とに連結するように水平力緩衝装置を据え付ける水平力緩衝装置の据え付け方法において、着脱自在な仮支持部材を介在させて、前記水平力緩衝装置を所定の高レベル位置に保持した状態で、前記水平力緩衝装置の上部に、上部構造物を築造した後、前記仮支持部材を取外すことで隙間を設けると共に、前記水平力緩衝装置を上部構造物の鉛直荷重から解放した後、コンクリート製上部構造物にプレストレスを導入し、前記上部構造物へのプレストレス導入に伴う水平力緩衝装置の降下を、前記隙間寸法内に収めるようにしたことを特徴とする水平力緩衝装置の据え付け方法。
- 下部構造物と水平力緩衝装置の間に、着脱自在な仮支持部材を介在させて、前記水平力緩衝装置を所定の高レベル位置に保持した状態で、前記水平力緩衝装置の上部と荷重支承用弾性支承装置の上部に渡って、コンクリート製上部構造物を築造した後、前記仮支持部材を取外して、下部構造物と水平力緩衝装置の間に隙間を設けて、前記水平力緩衝支承装置を上部構造物の鉛直荷重から解放した後、前記コンクリート製上部構造物にプレストレスを導入することを特徴とする請求項5に記載の水平力緩衝支承装置の据え付け方法。
- 前記水平力緩衝装置は、上部構造物に固定される上部鋼材と、前記上部鋼材に一体に固着された弾性層と、下部構造物側に直接または間接的に係合して水平方向にずれ止めされると共に、前記下部構造物側と連結される下部鋼材とが一体化されてなり、前記下部構造物との連結部に隙間を有した状態で前記下部鋼材と下部構造物とを連結する連結手段を、前記下部鋼材よりも下方に備えることにより、前記弾性層がそのせん断変形時に、前記連結手段と干渉しないように構成したことを特徴とする請求項5または6に記載の水平力緩衝支承装置の据え付け方法。
- 前記連結手段が、下部構造物に固定されたベースプレート側から前記下部鋼材へねじ込まれたボルトであることを特徴とする請求項7に記載の構造物の水平力緩衝装置の据え付け方法。
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