JP2015193621A - シート状整髪用化粧品及びそれを用いた整髪方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】使用時に手がべたつかず、使用後に化粧料が手に残ることに起因する不快感が生じにくい、整髪用化粧品を提供すること。
【解決手段】本発明の整髪用化粧品は、以下の(A)及び(B)を含有した液状化粧料組成物を、シートに1枚あたり前記液状化粧料組成物の総量が1g以上50g以下含浸させたものである。(A)被膜形成樹脂0.01質量%以上20質量%以下。(B)水。前記液状化粧料に更に(D)界面活性剤又は(E)炭素数が1以上6以下の一価又は多価アルコールを含有させることが好適である。更に(F)アミノ変性シリコーンを含有させることも好適である。
【選択図】図7

Description

本発明は、シート状整髪用化粧品及びそれを用いた整髪方法に関する。
毛髪を整髪してから長時間経過後の外出先や、スポーツをした後、風や雨、湿気でヘアスタイルが乱れたなどの場面において、跳ね毛、浮き毛などを抑え、乱れたヘアスタイルを整え整髪したいという要求がある。
整髪をする際には、整髪剤を髪に適用し、次いで必要に応じて毛髪に適用した整髪剤を塗り広げ、その後自然乾燥させるか、あるいはドライヤー等の加熱具を用いることが一般である。このときに使う整髪剤はミストやローション、スプレー等の剤型であるため、髪に直接吹き付けたり、整髪剤を手に取って毛髪に適用している。
一方、外出先において使用できる毛髪用化粧品として、ドライシャンプーシートが知られている。例えば特許文献1では水、エタノール、界面活性剤、l−メントール、シリコーンを含浸するドライシャンプーシートが知られている。また、特許文献2ではエタノール、保湿剤、界面活性剤、水を含浸するドライシャンプーシートが知られている。上記ドライシャンプーシートは水を必要とせず、またシート状であるため頭髪全体を均一に清拭することができる。
特開2001−55319号公報 特開2004−168698号公報
上述のように従来の整髪剤は毛髪に適用し、次いで適用した整髪剤を塗り広げるため、適用した際には整髪剤が多く毛髪に付着している部分と、あまり付着していない部分が発生する。また、適用後に整髪剤を塗り広げて整髪剤を均一に塗布しようとしても、整髪剤の適用時と適用した整髪剤を塗り広げるときの間に必ずタイムラグが発生してしまうため、整髪剤中の水分やアルコール分が毛髪内部に浸透したり、揮散したりしてしまい、頭髪の前後左右、毛束の根本から毛先まで、毛束の外側から内側までという、部位や位置によらず均一に塗布することが難しく、特別なヘアアレンジをせず毛髪にまとまりを与えるような、自然な形に毛髪を整えたい場合、頭髪全体の形を十分に整えられないという課題があった。
また、前記のような水や整髪剤を使うことに制約がある場面においては、乱れたヘアスタイルを整えたいという要求や、美しくまとまったスタイルをつくりたいという要求に応えることは容易ではなかった。
また、特許文献1又は2に記載のドライシャンプーシートでは、毛髪に付着した皮脂や汗、匂い汚れなどを清拭、すなわち除去することを目的としており、毛髪表面に有効成分を積極的に残す観点がなかった。このため、汚れの除去を効果的に行う点では優れたものであったが、汚れの除去が効果的であるほど、整髪成分、感触成分等を毛髪に十分な量残存させることができず、乱れた髪を整え、まとまり、良好な感触を付与するという観点では不十分であった。また、整髪性等を付与するために周知のミストやローション、スプレー等の液状化粧料を単に特許文献1又は2に記載の技術に対して適用するのみでは、手に整髪剤由来のベタツキが残ってしまい、水を使うことに制約がある場面で使用したいという要求に十分にこたえることができない。
したがって本発明の課題は、毛髪の汚れを除去しつつ、整髪性能を有し、更に使用時あるいは使用後でも手に化粧料が不必要に残らずベタツキ等を感じさせないシート状整髪用化粧品を提供することにある。
前記の課題を解決すべく本発明者は鋭意検討した結果、特定の硬度の被膜形成樹脂を一定量含有する液状化粧料組成物を、一定量シートに含浸させることにより、毛髪上にある汚れを拭き取ること、液状化粧料組成物を毛髪に適用すること、及び適用した液状化粧料組成物を毛髪に塗り広げることを同時に行うことができるので、整髪成分を毛髪の部位や位置によらず薄く均一に塗布でき、自然なまとまり感が与えられることを知見した。また、シートから液状化粧料組成物が毛髪へ十分に移行でき、かつ使用時あるいは使用後でも手に液状化粧料組成物が不必要に残らずベタツキ等を感じさせないで整髪できることを知見し、シート状整髪用化粧品を完成した。
本発明は前記知見に基づきなされたものであり、以下の(A)及び(B)を含有した液状化粧料組成物を、シートに1枚あたり前記液状化粧料組成物の総量が1g以上50g以下含浸させたシート状整髪用化粧品を提供するものである。
(A)被膜形成樹脂0.01質量%以上20質量%以下。
(B)水
また本発明は、前記のシート状整髪用化粧品を用いた整髪方法であって、
ii)前記液状化粧料組成物が含浸された前記シート状整髪用化粧品を指にかかるように手の内側に広げて載せる工程、及び
iii)前記シート状整髪用化粧品を載せた状態の手を、毛髪の根元から毛先に向けて移動させて整髪する工程、を有する整髪方法を提供するものである。
本発明によれば、毛髪から汚れを取り除きつつ、液状化粧料組成物を毛髪に乗せながら塗り広げることが可能となる。これにより、被膜形成樹脂を毛髪上に薄く均一に塗布でき、自然なまとまり感のある毛髪を与え、かつ使用時あるいは使用後でも手に液状化粧料組成物が不必要に残らずベタツキ等を感じさせないシート状整髪用化粧品が提供される。
図1は、本発明の整髪用化粧品の一実施形態を、一部破断して示す斜視図である。 図2は、本発明で好適に用いられるシートの一例を示す平面図である。 図3は、図2におけるI−I線断面図である。 図4(a)は、図2におけるII−II線断面図であり、図4(b)は、図2におけるIII−III線断面図である。 図5は、図1に示す形態の整髪用化粧品から、湿潤した状態のシート状整髪用化粧品を取り出す状態を示す斜視図である。 図6は、取り出された湿潤した状態のシート状整髪用化粧品を手のひらに載せた状態を示す斜視図である。 図7は、湿潤した状態のシート状整髪用化粧品によって毛髪を処理し始める状態を示す斜視図である。 図8は、毛髪を処理中の状態を示す斜視図である。 図9(a)及び(b)は、湿潤した状態のシート状整髪用化粧品によって毛髪を処理する別の状態を示す斜視図である。 図10(a)及び(b)は、湿潤した状態のシート状整髪用化粧品によって毛髪を処理する更に別の状態を示す斜視図である。 図11(a)ないし(c)は、実施例1A及び比較例1Aにおける毛髪化粧料の均一塗布性の評価結果を示す蛍光写真である。
以下本発明を、その好ましい実施形態に基づき図面を参照しながら説明する。本発明のシート状毛髪化粧品は、液状化粧料組成物をシートに含浸させ、該液状化粧料組成物中に被膜形成性樹脂を含有させておくことで、該被膜形成性樹脂をこれまでになく均一に毛髪に付与し得る点に特徴の一つを有する。これまでは、被膜形成性樹脂を含有する液状化粧料組成物は、手に液状化粧料をとって毛髪に塗布することや、ミストやスプレー等の形態で毛髪に噴霧することが多かったが、この付与方法では被膜形成性樹脂を毛髪に均一に施すことに限りがあった。このことは、以下に述べる実施例1Aと比較例1Aとの対比から明らかである。これに対して本発明によれば、被膜形成性樹脂が本来有するポテンシャルをそのまま引き出すことが可能となり、整髪性が飛躍的に向上する。そして、被膜形成性樹脂の均一塗布性が向上したことに起因して、毛髪の表面に被膜形成性樹脂が存在していても、毛髪の感触が驚くほど自然になるという付随的な効果も発現する。
以上のとおりの特徴を有する本発明のシート状毛髪化粧品に関し、先ずシート及びシート状毛髪化粧品を収容する外装容器について説明する。シート及び外装容器については本発明においては特に限定されず、任意のものを用いることができる。シート状毛髪化粧品を介し髪を手櫛で梳きやすくし、後述する液状化粧料組成物の毛髪への移行性が良く、液状化粧料組成物を毛髪に薄く均一に塗布し、跳ね毛や浮き毛を抑えて毛髪にまとまりを与える観点、及び携行性に優れる観点から以下に説明するシート及び外装容器が好ましい。図1には、本発明の一実施形態のシート状整髪用化粧品を外装容器内に収容した整髪用化粧品の一実施形態を、一部破断した斜視図が示されている。同図に示す、整髪用化粧品10は外装容器11を有している。外装容器11は、例えば1枚のシート材を加工することで形成されている。具体的には、1枚のシート材における対向する一対の辺どうしが重なるように接合して(図示せず)、該シート材を筒状に形成し、筒状となった該シート材における2つの開口部をそれぞれヒートシール部11a等によって封止することで形成されている。なお、以下の説明において、本実施形態のシート状整髪用化粧品を外装容器に収容した整髪用化粧品10のことを、単に「本実施形態の整髪用化粧品10」とも言う。
外装容器11を構成するシート材としては、例えば通常使用する範囲で非透水性のものを用いることができる。非透水性であることに加えて、該シート材はシート状毛髪化粧品から揮散した水蒸気やエタノールが非透過性であることが好ましい。このような性質を有するシート材を用いることで、外装容器11内に収容されている湿潤状態のシート12から、液状化粧料組成物が滲出したり揮発したりすることを効果的に防止することができる。このような性質を有するシート材としては、例えばアルミニウムを蒸着した熱可塑性樹脂フィルム、熱可塑性樹脂フィルムの間にアルミニウムを挟んだフィルム等が挙げられる。
外装容器11は、上面11b及びこれに対向する下面(図示せず)を有している。また外装容器11は、第1側面11c及びこれに対向する第2側面(図示せず)も有している。上面11bのほぼ中央の位置には、内容物取出口11dが形成されている。内容物取出口11dは、例えば上面11bの長手方向と同方向に延びる長孔形状とすることができるが、この形状に制限されない。外装容器11内に収容されている湿潤状態のシート状整髪用化粧品13は、この内容物取出口11dを通じて外部へ取り出される。内容物取出口11dの形状は特に限定されないが、内容物取出口11dを通じてシート12を取り出したときに、該シート12が拡開しやすくなる観点からは、内容物取出口11dは例えば長方形、長楕円形、正方形ないし概正方形、又は円形ないし概円形のような形状をしていることが好ましい。
外装容器11から取り出された湿潤状態のシート状整髪用化粧品13は、後述するように液状化粧料組成物が大量に含浸されているため、シート状整髪用化粧品13どうしが貼り付き広げにくくなる傾向にあるところ、シート状整髪用化粧品13を広げやすくする観点から、内容物取出口11dはその開口面積が過度に大きくないことが好ましい。具体的には、内容物取出口11dはその面積を4000mm2以下、好ましくは3000mm2以下、更に好ましくは2500mm2以下に設定することが有利である。一方、シート状整髪用化粧品13に含浸した液状化粧料組成物を十分に含浸させたまま外装容器11から取り出す観点からは、内容物取出口11dはその開口面積が過度に小さくないことが好ましい。具体的には、内容物取出口11dはその面積を25mm2以上、好ましくは100mm2以上、更に好ましくは200mm2以上に設定することが有利である。例えば内容物取出口11dはその面積が25mm2以上4000mm2以下であることが好ましく、100mm2以上3000mm2以下であることが更に好ましく、200mm2以上2500mm2以下であることが一層好ましい。
内容物取出口11dの位置は、外装容器11から取り出された湿潤状態のシート状整髪用化粧品13を広げやすくする観点から、折り畳まれて収納されているシート状整髪用化粧品13における折曲線が、内容物取出口11dから見える位置に配置されるように、該シート状整髪用化粧品13が折り畳まれ、外装容器11内に収容されていることが好ましい。同様の観点から、シート状整髪用化粧品13が折り畳まれているか否かを問わず、シート状整髪用化粧品13の端部が、内容物取出口11dから見える位置に配置されるように、該シート状整髪用化粧品13が外装容器11内に収容されていることが好ましい。
外装容器11の上面11bには、内容物取出口11dの全域を覆うように開閉蓋11eが配置されている。開閉蓋はシート状毛髪化粧品から揮散した水蒸気やエタノール等の内容物を密閉できるものであればどのようなものでもよく、例えばヒンジを有する開閉蓋やシート状、弁状のものが挙げられる。本実施形態においては、開閉蓋11eはシート状のものであり、上面11bとの対向面に接着剤(図示せず)が塗布されており、該接着剤によって、外装容器11の上面11bと開閉蓋11eとが剥離可能になっており、かつ剥離された剥離部分が内容物取出口11dを被覆するように再接着可能になっている。再接着可能な接着剤としては、当該技術分野において従来用いられているもの、例えばポリエステル系、アクリル系、ゴム系等の感圧接着剤を用いることができる。本実施形態の整髪用化粧品10の保存中においては、開閉蓋11eは内容物取出口11dの全域を被覆しており、使用に際して開閉蓋11eの一部又は全部を外装容器11の上面から剥離して内容物取出口11を露出させる。そして内容物取出口11を通じて、外装容器11内に収容されている湿潤状態のシート状整髪用化粧品13を指で摘んで外部へ取り出す。
外装容器11内には、液状化粧料組成物が含浸された湿潤状態のシート状整髪用化粧品13が収容されている。シート状整髪用化粧品13は、所定の形状に折り畳まれているか、又は折り畳まれていない状態で、複数枚が積層されて収容されている。整髪用化粧品10の携帯性を高める観点からは、シート状整髪用化粧品13は折り畳まれて収容されていることが有利である。以下の説明において単に「シート」というときは、文脈に応じ、液状化粧料組成物が含浸された湿潤状態のものを指すか、又は液状化粧料組成物が含浸されていない乾燥状態のものを指す。液状化粧料組成物が含浸されたシート状整髪用化粧品13が外装容器11内に収容されていることで、本実施形態の整髪用化粧品10の携帯性が格段に高まり、外出先等の様々な場面での利便性が良好になる。
外装容器11の内容物取出口の開口面積との関係で、外装容器11内に収容された状態のシート状整髪用化粧品13の平面視での面積は、該シート状整髪用化粧品13が折り畳まれているか否かを問わず、10cm2以上であることが好ましく、400cm2以下であることが好ましく、300cm2以下であることが更に好ましく、200cm2以下であることが一層好ましい。例えば、外装容器11内に収容された状態のシート状整髪用化粧品13の平面視での面積は、10cm2以上400cm2以下であることが好ましく、10cm2以上300cm2以下であることが更に好ましく、10cm2以上200cm2以下であることが一層好ましい。
シート12は、単層のシートであってもよく、あるいは2層以上の多層構造を有するシートであってもよい。また、複数枚の不織布を積層したマルチプライのシートであってもよい。更に、シートの一方の面に、液状化粧料組成物が浸透しないフィルム(いわゆるバックシート)が付されていてもよい。シート12は、一般に矩形のものであるが、毛髪や頭皮の清拭操作を一層円滑に行う観点から、矩形以外の形状を採用してもよい。
シート12は、ドレープ性が高い柔軟なものであることが好ましい。柔軟であることによって、外装容器11内からシート状整髪用化粧品13を取り出して手のひらに載せたときに、シート状整髪用化粧品13が手指に馴染み操作性が良好になり、含浸された液状化粧料組成物を毛髪に薄く均一に塗布しやすくなる。手に液状化粧料をとって毛髪に塗布する、あるいはミストやスプレー等の形態で毛髪に噴霧するといったこれまでの方法では、塗布むらが生じやすい。また、シート12は、その広げやすさの観点から、適度な剛性が必要である。これらの観点から、液状化粧料組成物の含浸前のシート12の柔軟性を、JIS L1096:2010に準拠してA法(45°カンチレバー法)によって測定された剛軟度で表したときに、この値が10mm以上であることが必要である。また、30mm以上であることが好ましい。また、70mm以下、更に65mm以下、更に60mm以下、更には50mm以下であることが有利である。具体的には剛軟度が10mm以上70mm以下であることが好ましく、10mm以上65mm以下であることが更に好ましく、10mm以上60mm以下であることが一層好ましい。剛軟度が前記の範囲であることは、シート状整髪用化粧品13を外装容器11内から取り出しやすくかつ広げやすくする観点からも有利である。シート12の剛軟度の値は、流れ方向(MD)と幅方向(CD)の剛軟度の相加平均値で算出する。
シート12としては、例えば不織布シート等の繊維材料を構成材料とする繊維シートを用いることができる。液状化粧料組成物の含浸前のシート12が、上述した範囲の剛軟度を達成するためには、例えばシート12を構成する繊維の種類やシート12の製造方法、シートの形状等を適切に選択すればよい。繊維の種類に関しては、シート12は、セルロース系繊維を含有することが有利である。この繊維を構成繊維とすることで、シート12は、液状化粧料組成物の含浸保持性が良好になる。更にシートの剛軟度やドレープ性を適切にし、手ぐしで毛髪を梳きやすくする観点、及び液状化粧料組成物が含浸されたシート状整髪用化粧品13で毛髪を処理(清拭と整髪とを指す。以下同じ)するときに、シート12に毛羽立ちや破れ等が生じにくくなる観点から、シート12はセルロース系繊維及び熱可塑性樹脂繊維を含有することが好ましい。
シート12の構成繊維として用いられるセルロース系繊維は、主として、シート12に液状化粧料組成物の含浸保持性を付与するために用いられる。セルロース系繊維としては、例えば天然繊維や再生繊維等の親水性繊維を用いることができる。天然セルロース系繊維としては、例えばコットンやパルプ等が挙げられる。再生セルロース系繊維としては、例えばレーヨン、キュプラ、リヨセル、テンセル等が挙げられる。これらのセルロース系繊維は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
シート12の構成繊維として用いられる熱可塑性樹脂繊維は、主として、シート12に適度な耐摩耗性を付与するために用いられる。熱可塑性樹脂繊維を構成する熱可塑性樹脂としては、例えばポリエチレンやポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル系繊維、アクリル樹脂、ポリアミド樹脂等が挙げられる。これらの樹脂は1種を単独で又は2種以上組み合わせて用いることができる。これらの熱可塑性樹脂からなる繊維は、1種の樹脂のみからなる単一組成のものでもよく、あるいは2種以上の樹脂のブレンド物からなるものでもよい。また、2種以上の樹脂から構成される芯鞘型複合繊維や、サイド・バイ・サイド型複合繊維でもよい。なかでも、熱可塑性樹脂繊維としては、シート12の剛軟度や機械的強度の点から、ポリエチレンやポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル系繊維を用いることが好ましい。
シート12がセルロース系繊維と熱可塑性樹脂繊維とを含有する場合、シート12におけるセルロース系繊維と熱可塑性樹脂繊維との比率は、シート12の剛軟度や機械的強度、及びシート12が液状化粧料組成物を含浸保持する程度を考慮して決定することができる。例えば液状化粧料組成物の含浸前のシート12の質量に基づき、セルロース系繊維の占める含有量は30質量%以上であることが好ましく、35質量%以上であることが更に好ましく、40質量%以上、更には50質量%以上であることが一層好ましい。また、セルロース系繊維の占める含有量は99質量%以下であることが好ましく、97質量%以下であることが更に好ましく、95質量%以下であることが一層好ましい。一方、液状化粧料組成物の含浸前のシート12の質量に基づき、熱可塑性樹脂繊維の占める含有量は1質量%以上であることが好ましく、3質量%以上であることが更に好ましく、5質量%以上であることが更に好ましく、25質量%以上であることが更に好ましい。また、熱可塑性樹脂繊維の占める含有量は70質量%以下であることが好ましく、65質量%以下であることが更に好ましく、60質量%以下であることが更に好ましく、50質量%以下が一層好ましい。具体的には、液状化粧料組成物の含浸前のシート12の質量に基づき、セルロース系繊維の占める割合は30質量%以上99質量%以下であることが好ましく、35質量%以上97質量%以下であることが更に好ましく、40質量%以上95質量%以下であることが更に好ましく、50質量%以上95質量%以下が一層好ましい。一方、熱可塑性樹脂繊維に関しては、1質量%以上70質量%以下であることが好ましく、3質量%以上65質量%以下であることが更に好ましく、5質量%以上60質量%以下であることが更に好ましく、25質量%以上50質量%以下が一層好ましい。
シート12の製造方法の観点からシート12の剛軟度をコントロールするためには、シート12の製造方法として、構成繊維の交点が結合しない方式の製造方法を採用することが有利である。そのような方式の製造方法としては、例えばスパンレース法やニードルパンチ法等の不織布製造方法を採用することができる。更に、剛軟度が低くドレープ性が高いシート12が得られることから、不織布製造方法としてスパンレース法を採用することが好ましい。スパンレース法によってシート12を製造すると、該シート12は、その構成繊維の交絡のみで不織布形態が保たれることになる。なお、場合によっては、構成繊維の交絡のみで不織布形態を保つことに代えて、構成繊維の交絡に加え、構成繊維の交点の一部を、熱融着や接着剤による接着で結合させてもよい。
スパンレース法でシート12を製造する場合には、シート12の構成繊維からなるウエブを形成し、該ウエブに対して流体を吹き付ければよい。流体としては、液体を用いることが好ましいが、場合によっては気体を用いてもよい。流体としては、取り扱い性が容易である点から水を用いることが有利である。スパンレース法においては、流体をウエブに吹き付けるときの圧力等を調整することで、繊維の交絡の程度を調整することができ、それによってシート12の剛軟度を調整することができる。
毛髪の処理を十分に行い得る量の液状化粧料組成物を含浸させる観点や、毛髪の処理操作を円滑に行う観点から、シート12はその見かけ面積が50cm2以上、更に100cm2以上、更に200cm2以上であることが好ましい。同様の観点から、シート12はその見かけ面積が1600cm2以下、更に900cm2以下、更に700cm2以下であることが好ましい。具体的には、シート12はその見かけ面積が50cm2以上1600cm2以下であることが好ましく、100cm2以上900cm2以下であることが更に好ましく、200cm2以上700cm2以下であることが一層好ましい。見かけ面積とは、シート12を平坦に広げ、平面視した状態でその輪郭によって画定される領域の面積のことである。したがって、シート12が凹凸や開孔を有していても、それらは見かけ面積に影響を及ぼすものではない。
液状化粧料組成物の含浸前のシート12の質量も、液状化粧料組成物の含浸量や、毛髪の処理操作に影響を及ぼす。この観点から、液状化粧料組成物の含浸前のシート12は、その質量が0.5g以上、更に1.0g以上、更に1.5g以上であることが好ましい。また8.0g以下、更に6.0g以下、更に4.0g以下であることが好ましい。具体的には、液状化粧料組成物の含浸前のシート12は、その質量が0.5g以上8.0g以下であることが好ましく、1.0g以上6.0g以下であることが好ましく、1.5g以上4.0g以下であることが更に好ましい。
シート12の質量に関連して、液状化粧料組成物の含浸前のシート12は、シート12にドレープ性を与えて手櫛による毛髪処理の操作性を向上するのに適した剛軟度を与え、液状化粧料組成物を十分に含浸保持性させる観点から、その坪量が、10g/m2以上、更に15g/m2以上、更に20g/m2以上、更に25g/m2以上であることが好ましい。同様の観点から、200g/m2以下、更に150g/m2以下、更に100g/m2以下更に80g/m2以下であることが好ましい。具体的には、液状化粧料組成物の含浸前のシート12は、その坪量が、10g/m2以上200g/m2以下であることが好ましく、15g/m2以上150g/m2以下であることが更に好ましく、20g/m2以上100g/m2以下であることが一層好ましい。
液状化粧料組成物の含浸前のシート12の厚みに関しては、携帯性の点からは薄いことが好ましく、液状化粧料組成物の含浸保持性の点からは厚いことが好ましい。また、耐摩耗性の観点からも厚いことが好ましい。これらのバランスを考慮すると、液状化粧料組成物の含浸前のシート12は、その厚みが、0.3mm超であることが好ましく、0.4mm以上であることが更に好ましく、0.5mm以上であることが一層好ましく、0.7mm以上であることが更に一層好ましく、0.8mm以上であることが更に一層好ましい。同様の観点から、5mm以下であることが好ましく、4mm以下であることが更に好ましく、3mm以下であることが一層好ましく、1.3mm以下であることが更に一層好ましい。具体的には、液状化粧料組成物の含浸前のシート12は、その厚みが、0.3mmを超え5mm以下であることが好ましく、0.4mm以上4mm以下であることが更に好ましく、0.5mm以上3mm以下であることが更に好ましく、0.7mm以上3mm以下が一層好ましい。シート12の厚みは、JIS L 1096:2010に記載の「生地及び繊維製品の厚さ測定」に準拠して測定し、例えば、厚さ測定器FS−60DS(大栄科学精器製作所社)を用いて、0.3kPa荷重下で測定される。
シート12の剛軟度や液状化粧料組成物の含浸保持性をコントロールする観点から、シート12の一方の面又は両面に凹凸構造を形成してもよい。あるいは、シート12に開孔を設けてもよい。
シート12の表面に凹凸構造が形成されていると、凹凸構造に起因するクッション性によって、毛髪を処理するときに、毛髪あるいは頭皮への物理的な刺激が低減するという利点もある。また、本発明では含浸保持された液状化粧料組成物の毛髪への移行性をコントロールする上で凹凸構造が有効に作用し、より一層毛髪に対し薄く均一に整髪成分を乗せることができる凹凸構造に起因してシート12が屈曲しやすくなり、指にかかるように手の上にシート12を載せたときに手に一層馴染みやすくなるという利点もある。更に本発明の場合、後述する液状化粧料組成物に被膜形成樹脂を含有するため、手に液状化粧料組成物由来のベタツキ等を感じやすい傾向にある。これを更に軽減する観点から、毛髪に適用する面のみではなく、手に触れる面にも凹凸構造を有していた方が良い。つまりシートの両面に凹凸構造を有することが好ましい。シート12の表面に凹凸構造を形成する場合、凸部及び凹部は散点状に分散配置されていてもよく、あるいは、シート12の面内に沿って特定の一方向に延びるように多列に形成されていてもよい。均一に液状化粧料組成物を毛髪に適用し、髪のまとまりをより一層良くする観点から、凹凸構造はシート12の面内に沿って一方向に延びており、これが多列に形成されていることが好ましい。この理由はシート状整髪用化粧品13を用いて手櫛で髪を処理又は清拭する際、一方向に伸びた凹部に毛髪がはまることで、毛髪とシート状整髪用化粧品13との接触面積が増加して、より一層均一に液状化粧料組成物が適用されるためと予想される。また、シート12の両面に凹凸構造が形成されている場合、一方の面において凸部が形成されている位置に対応する他方の面は凹部になっていてもよく、あるいは凸部になっていてもよい。同様に、一方の面において凹部が形成されている位置に対応する他方の面は凸部になっていてもよく、あるいは凹部になっていてもよい。
また、シート12の両面に凹凸構造が形成されている場合、液状化粧料組成物の放出性をコントロールし、毛髪に対して薄く均一に液状化粧料組成物を塗布する観点から、シート12を平面視したときに、一方の面において凸部が形成された位置と他方の面に凸部が形成された位置とが略一致していることが好ましい。このような凹凸構造のシート12を用いることで、液状化粧料組成物が毛髪に対し薄く均一に塗布された場合に、毛髪に自然なまとまり感を与えることができ、またはね毛や浮き毛も整えやすくなる。
更に、シート12の両面に凹凸構造が形成されている場合、液状化粧料組成物の放出性をコントロールし、毛髪に対して薄く均一に液状化粧料組成物を塗布する観点から、シートの厚さは均一ではない方が好ましい。具体的には、例えば図3に示すとおり、シート12の両面について凸部頂部から凹部底部までの高低差D、Dを測定し、高低差が大きい方の面を第1の面としたときに、第1の面の凸部のシート厚さが、第1の面の凹部のシート厚さよりも大きくなっていることが好ましい。凸部のシート厚さ及び凹部のシート厚さとは、実際に繊維が存在している部位での厚さのことである。ここでシートの厚さの大小を測定する場合には、シートを剃刀で切断し、断面をマイクロスコープで観察することによって得られる。
シート12に凸部及び凹部を形成する場合、凸部と凹部とでは坪量が相違することが、液状化粧料組成物の含浸保持性や、液状化粧料組成物の放出性の観点から好ましい。具体的には、凸部と凹部の坪量を比較した場合、凸部の坪量の方が、凹部の坪量よりも高くなっていることが、大量の化粧量を保持し、拭いたときの押し圧によって放出しやすくなる点で好ましい。坪量に関しては、凸部の坪量の方が、凹部の坪量よりも高くなっていることが、同様の観点から好ましい。
なお、凸部と凹部の坪量を算出する際には、シートから凸部と凹部を切り出し、凸部及び凹部それぞれの質量及び面積を測定し、質量を面積で除すことで算出する。凸部及び凹部の坪量は後述する画像解析システムを使用して面積を計測した上で算出しても良いし、以下に記載した方法を用いて算出しても良い。ここで凹部に開孔が設けられている場合、凹部の坪量は、開孔の面積を除いた凹部の面積を用いて算出する。一方、シート12全体の坪量を算出する場合には、開孔の面積を含めたシート全体の面積(すなわち見かけの面積)から算出する。
〔凸部及び凹部の坪量の算出方法〕
(1)シートを10cm×10cmの大きさに切り出す。
(2)切り出したシートを、凸部と凹部に各々切り分け、凸部の総質量(g)及び凹部の総質量(g)をそれぞれ0.1mgまで精秤する。
(3)10cm×10cmの大きさの正方形の台紙を用意し、これを面積標準紙とする。凸部として切り出した全シート片(全凸部片)、及び面積標準紙をそれぞれ複写機でコピーする。面積標準紙のコピーした紙から、面積標準紙の部分を切り取る。同様に、全凸部片をコピーした紙から、全凸部片の部分を切り取る。次いで、切り取られた紙を0.1mgまで精秤する。そして、以下の式から全凸部片の面積を算出する。
[全凸部片の面積(m)]=[全凸部片を切り取った紙の質量(g)]/[面積標準部紙を切り取った紙の質量(g)]/100
(4)凸部の坪量を、以下の式から算出する。
[凸部の坪量(g/m)]=[凸部総質量(g)]/[全凸部片の面積(m)]
(5)全凹部片の面積(m)、及び凹部の坪量(g/m)も、同様にして算出する。ただし、凹部に開孔が形成されている場合には、上述のとおり、該開孔の面積は除外する。
シート12の凹部に開孔が設けられていると、凹部の相対面積が減り、シート12に含浸保持されている液状化粧料組成物が凸部に偏在しやすくなり、拭いたときの押し圧で毛髪に移行しやすくなるので有利である。シート12に開孔を設ける場合、開孔は凸部及び凹部は散点状に分散配置されていてもよく、あるいは、シート12の面内の特定の位置に偏在して配置されていてもよい。開孔の形状は、円形や正多角形等の等方性のある形状とすることもでき、あるいは楕円形等の異方性のある形状とすることもできる。開孔は、シート12の厚み方向の全域を貫通するように設けられていてもよく、あるいは、開孔が完全に貫通しておらず、シート12の構成繊維の一部が開孔内に存在して薄膜部ないし低坪量部を形成していてもよい。
本発明のシート状整髪用化粧品13は、毛髪に十分な量の液状化粧料組成物を浸透させて、いわゆるウォーターセットの効果によって跳ね毛や浮き毛を抑えて毛髪にまとまりを与えるため、多量の液状化粧料組成物を保持できることが好ましい。例えばシート12の最大保水率が700質量%以上、好ましくは800質量%以上、更に900質量%以上、更には1000質量%以上が好ましい。上限は特に規定されないが、例えば2000質量%以下、更には1500質量%以下、更には1300質量%以下が好ましい。
図2には、本実施形態のシート状整髪用化粧品に好適に用いられるシート12の一例が示されている。このシート12は、上述した凸部及び凹部並びに開孔を有するものである。シート12は、第1の面21aと、該第1の面21aと反対側に位置する第2の面21bとを有する。シート12には、両面21a,21bそれぞれの互いに対応する位置に凸部としての畝22及び凹部としての溝23が交互に形成されている。ここで、「互いに対応する位置」に形成されているとは、第1の面21aの畝22及び溝23が配された位置と、第2の面21bの畝22及び溝23が配された位置とがそれぞれ一致していることを意味している。両面21a,21bの畝22及び溝23は、互いに平行に延びており、かつシート12の平行に延びる一対の両辺21c,21dそれぞれと交差する方向に延びている。シート12は矩形であり、4辺それぞれが直線となっており、一対の平行に延びる左右側辺21c,21dと一対の平行に延びる上下端辺21e,21fとからなっている。側辺21c,21dと端辺21e,21fとは、互いに直交している。以下、左右側辺21c,21dが延びる方向をY方向、Y方向に直交する方向(上下端辺21e,21fの延びる方向)をX方向として説明する。
第1の面21aの畝22及び溝23は、第1の面21aの全面にわたって交互に配列され、互いに平行に延びている。畝22及び溝23それぞれと平行に延びる一対の両辺21c,21dそれぞれとは角αで交差しており、角αは、髪の汗、脂、汚れ等の拭き取り性の観点から、好ましくは30°以上、更に好ましくは45°以上であり、好ましくは80°以下であり、例えば、30°以上80°以下であることが好ましく、45°以上80°以下であることが更に好ましい。
シート12の縦断面を示す図3から明らかなとおり、第1の面21aの側の各畝22は、上に凸の曲線を描く輪郭となっており、同形同大の各畝22が、横方向に略等間隔を空けて配されている。第1の面21aの側の各畝22は、図4(a)に示すように、延びる方向において、畝22の厚みがいずれの位置においても略同じとなっている。第1の面21aの側の各溝23は、図3に示すように、横方向に隣り合う畝22どうしの間毎に形成されている。ここで畝22と溝23との明確な境界は存在しないが、境界を明確に定める場合には、例えば第1の面21a側を例に挙げると、畝22の頂部における高低差Da(畝22の頂部と溝の底部(ただし、後述する溝23の開孔24が形成された部分を除く)との間の距離)の1/2の位置Da1/2を畝22と溝23との境界とする(図3参照)。また、図3に示すように断面視して、第2の面21bの側の各畝22は、第1の面21aの側の畝22よりも低いが、下に凸の曲線を描く輪郭となっており、同形同大の各畝22が、横方向に略等間隔を空けて配されている。第2の面21bの側の各畝22は、第1の面21aの側の各畝22と同様に、図4(a)に示すように、延びる方向において、畝22の厚みがいずれの位置においても略同じとなっている。第2の面21bの側の各溝23も、第1の面21aの側の畝22と同様に、横方向に隣り合う畝22どうしの間毎に形成されている。したがって、シート12は、図3に示すように断面視して、横方向に厚みが周期的に変化した形状となっている。なお、第1の面21a及び第2の面21bそれぞれの側の畝22の厚み(高さ)は、例えば第1の面21a側を例に挙げると、上述した「畝22の頂部における高低差Daの1/2の位置Da1/2」から畝22の頂部までの距離を意味する。
シート12の各畝22の横方向の幅W1(図3参照)は、使用時における操作性の観点から、好ましくは0.5mm以上、更に好ましくは0.8mm以上であり、好ましくは3.0mm以下であり、例えば、0.5mm以上3.0mm以下であることが好ましく、0.8mm以上3.0mm以下であることが更に好ましい。また、シート12の各溝23の横方向の幅W2(図3参照)は、取り除いた汚れの保持性の観点から、好ましくは2.0mm以上、更に好ましくは2.2mm以上であり、好ましくは6.0mm以下、更に好ましくは5.5mm以下であり、例えば、2.0mm以上6.0mm以下であることが好ましく、2.2mm以上5.5mm以下であることが更に好ましい。
第1の面21a側の畝22の頂部における高低差Da(図3参照)は、毛髪・頭皮の清拭の操作性の観点から、好ましくは0.2mm以上であり、好ましくは1.2mm以下、更に好ましくは1.0mm以下であり、例えば、0.2mm以上1.2mm以下であることが好ましく、0.2mm以上1.0mm以下であることが更に好ましい。また、第2の面21b側の畝22の頂部における高低差Db(図3参照)は、同様の観点から、好ましくは0.1mm以上であり、好ましくは1.2mm以下、更に好ましくは1.0mm以下であり、例えば、0.1mm以上1.2mm以下であることが好ましく、0.1mm以上1.0mm以下であることが更に好ましい。高低差Da,Dbは、マイクロスコープVH−8000(キーエンス社)を用い、シート12の断面を50倍〜200倍に拡大観察して測定する。断面は、フェザー剃刀(FAS−10(フェザー安全剃刀社製)を用い、シート12をX方向にわたって切断して得る。
シート12においては、図2及び図3に示すように、両面21a,21bの溝23を貫通する開孔24が形成されている。各溝23は、図2に示すように、平面視して開孔24を有する開孔部23hと開孔24を有さない非開孔部23nとを交互に備えている。具体的には、図2に示すように、溝23それぞれが、溝23の延びる方向に開孔部23hと非開孔部23nとを交互に備えており、開孔部23hは1〜7個の開孔24を有している。1本の溝23が有する複数個の開孔部23hのうち、特に複数個(2個以上)の開孔24を有する開孔部23hにおいては、開孔24が溝23の延びる方向に等間隔を空けて配されている。
各開孔24は、シート12の構成繊維が寄り分けられ再配置されることにより形成されていることが好ましい。開孔24は、平面視において種々の形状をとり得る。開孔24の平面視形状としては、特にこだわらないが、例えば円形、長円形、楕円形、三角形、四角形、六角形等の形状、又はこれらの組み合わせの形状が挙げられる。
溝23の延びる方向に隣り合う開孔24どうしの間隔L1(図2参照)は、機械的強度を維持しつつ、液状化粧料組成物を凸部に局在化させて毛髪への移行性を向上させ、更に適切な剛軟度にする観点から、好ましくは4.0mm以上であり、好ましくは15.0mm以下、更に好ましくは8.0mm以下であり、例えば、4.0mm以上15.0mm以下であることが好ましく、4.0mm以上8.0mm以下であることが更に好ましい。各開孔24の直径L2(最も狭い位置での間隔)(図2参照)は、液状化粧料組成物の放出性の観点から、好ましくは0.7mm以上、更に好ましくは0.75mm以上であり、好ましくは3.0mm以下、更に好ましくは2.70mm以下であり、例えば、0.7mm以上3.0mm以下であることが好ましく、0.75mm以上2.70mm以下であることが更に好ましい。溝23の幅W2(図3参照)における開孔24の直径L2(図2参照)の割合(L2×100/W2)は、機械的強度や剛軟度の観点から、好ましくは20%以上、更に好ましくは30%以上であり、好ましくは90%以下であり、20%以上90%以下であることが好ましく、30%以上90%以下であることが更に好ましい。
各開孔24の大きさは、シート12の平面視における投影面積で表した場合、液状化粧料組成物の放出性の観点から、好ましくは0.5mm2以上、更に好ましくは1mm2以上であり、好ましくは20mm2以下であり、更に好ましくは10mm2以下である。また、例えば、0.5mm2以上20mm2以下であることが好ましく、1mm2以上10mm2以下であることが更に好ましい。開孔24の大きさは、画像解析システムを使用して計測することができる。具体的には、光源〔サンライト SL−230K2;LPL(株)社製〕、スタンド〔コピースタンドCS−5;LPL(株)社製〕、レンズ〔24mm/F2.8Dニッコールレンズ〕、 CCDカメラ〔(HV−37;日立電子(株)社製)Fマウントによるレンズとの接続〕及びビデオボード〔スペクトラ3200;カノープス(株)社製〕を用いて、シート12の画像を取り込み、取り込まれた画像をNEXUS社製の画像解析ソフトNEW QUBE(ver.4.20)によって開孔24の部分を二値化処理する。二値化処理された画像から得られる個々の面積の平均値を開孔24の大きさとする。
非開孔部23nは、溝23の延びる方向における長さが、開孔部23hにおける溝23の延びる方向に隣り合う開孔24の最近接端部どうしの距離よりも長いことが好ましい。すなわち、非開孔部23nの両側に配置された開孔部23hの開孔24の間隔は、開孔部23hにおける隣り合う開孔24の間隔よりも長くなっていることが好ましい。
シート12においては、溝23の備える開孔部23h及び非開孔部23nの配置パターンと、該溝23に隣り合う溝23の備える開孔部23h及び非開孔部23nの配置パターンとが異なっている。例えば、図2に示す、ある1本の溝23aを基準に考えると、溝23aは、X方向の右側辺21d側から左側辺21c側に向かって、6個の開孔24の開孔部23h、非開孔部23n、5個の開孔24の開孔部23h、非開孔部23n、2個の開孔24の開孔部23h、非開孔部23nの順に配された配置パターンを有している。また、溝23aとY方向上側に隣り合う溝23bは、図2に示すように、X方向の右側辺21d側から左側辺21c側に向かって、非開孔部23n、5個の開孔24の開孔部23h、非開孔部23n、2個の開孔24の開孔部23h、非開孔部23n、5個の開孔24の開孔部23hの順に配された配置パターンを有している。更にまた、溝23aとY方向下側に隣り合う溝23cは、図2に示すように、X方向の右側辺21d側から左側辺21c側に向かって、7個の開孔24の開孔部23h、非開孔部23n、5個の開孔24の開孔部23h、非開孔部23n、6個の開孔24の開孔部23hの順に配された配置パターンを有している。このように、溝23aの備える開孔部23h及び非開孔部23nの配置パターンと、溝23aのY方向上下それぞれに隣り合う溝23b,23cの備える開孔部23h及び非開孔部23nの配置パターンとが異なっている。
シート12においては、その全体を平面視して、複数の溝23の開孔部23hにより形成される開孔領域41と、複数の溝23の非開孔部23nにより形成される非開孔領域42とを有し、開孔領域41及び非開孔領域42それぞれは、所定のパターンで配されている。例えば、開孔領域41は、開孔領域41の延びる方向(X方向)において、菱形あるいはV字状等の特定の形状が周期的に繰り返されるパターンで配されている。また、非開孔領域42は、非開孔領域42の延びる方向(X方向)において、V字状等の特定の形状が周期的に繰り返されるパターンで配されている。具体的には、開孔領域41は、図2に示すように、シート12の全体を平面視して、複数の溝23の開孔部23hにより形成された菱形状の開孔域30aがX方向に一定の間隔を空けて配されてなる第1開孔領域41aと、複数の溝23の開孔部23hにより形成されたV字状の開孔域30bがX方向に繰り返し配されてなる第2開孔領域41bとからなり、シート12は、第1開孔領域41aと第2開孔領域41bとがY方向に一定の間隔を空けて交互に配されたパターンを有している。更に詳述すると、シート12は、第2開孔領域41bと、該第2開孔領域41bのY方向に隣り合う第2開孔領域41bとが、X方向に半ピッチずれており、第2開孔領域41bのV字状の開孔域30bと、該第2開孔領域41bに対して半ピッチずれたY方向に隣り合う第2開孔領域41bの逆V字状の開孔域30bとの間毎に、第1開孔領域41aの菱形状の開孔域30aが配されたパターンを有している。このように、開孔領域41は、開孔領域41の延びる方向(X方向)と直交する方向(Y方向)において、非開孔領域42を挟んで繰り返し配されており、菱形あるいはV字状等の特定の形状を有するY方向に隣り合う開孔領域41は、その特定の形状の周期が半ピッチずれている。非開孔領域42は、非開孔領域42の延びる方向(X方向)とは直交する方向(Y方向)において、開孔領域41を挟んで繰り返し配されており、V字状等の特定の形状を有する非開孔領域42は、Y方向に隣り合う他の非開孔領域42のうち少なくともどちらか一方と、その特定の形状の周期が半ピッチずれている。
第1開孔領域41aを形成する菱形状の開孔域30aは、Y方向の長さL3(図2参照)が、機械的強度及び剛軟度の観点から、好ましくは20mm以上、更に好ましくは25mm以上であり、好ましくは110mm以下、更に好ましくは100mm以下であり、例えば、20mm以上110mm以下であることが好ましく、25mm以上100mm以下であることが更に好ましく、X方向の長さL4(図2参照)は、好ましくは20mm以上、更に好ましくは25mm以上であり、好ましくは60mm以下、更に好ましくは50mm以下であり、例えば、20mm以上60mm以下であることが好ましく、25mm以上50mm以下であることが更に好ましい。
第2開孔領域41bを形成するV字状の開孔域30bは、一定の幅で形成されており、開孔域30bの幅W3(図2参照)は、機械的強度及び剛軟度の観点から、好ましくは8mm以上であり、好ましくは20mm以下、更に好ましくは15mm以下であり、例えば、8mm以上20mm以下であることが好ましく、8mm以上15mm以下であることが更に好ましい。V字状の開孔域30bを形成する一辺は、該一辺とX方向に延びる直線とのなす角β(図2参照)となるように延在している。角βは10°以上40°以下であることが好ましい。V字状の開孔域30bを形成する他辺は、前記一辺を、Y方向に延びる線を基準に対称に反転させて形成されている。第2開孔領域41bは、このように形成されたV字状の開孔域30bがX方向に繰り返し配され、X方向に延びるノコギリ歯のようなギザギザ状に形成されている。
上述したように、シート12は、第1開孔領域41aと第2開孔領域41bとがY方向に一定の間隔を空けて交互に配されたパターンを有しており、該一定の間隔が、複数の溝23の非開孔部23nにより形成される非開孔領域42となっている。このように、非開孔領域42は、図2に示すように、複数の菱形状の開孔域30aがX方向に配されてなる第1開孔領域41aと、V字状の開孔域30aがX方向に繰り返し配されてなる第2開孔領域41bとの間毎に配されている。シート12の非開孔領域42は、第1開孔領域41aの菱形状の各開孔域30aを囲うように、複数の溝23の非開孔部23nにより形成されたV字状の非開孔域31aがX方向に繰り返し配されてなる第1非開孔領域42aと、複数の溝23の非開孔部23nにより形成された逆V字状の非開孔域31bがX方向に繰り返し配されてなる第2非開孔領域42bとからなる。第2非開孔領域42bは、第1非開孔領域42aを、菱形状の開孔域30aのX方向に延びる二等分線を基準に対称に反転させた形状となっている。言い換えれば、第1非開孔領域42aと第2非開孔領域42bとは、X方向に半ピッチずれている。第1非開孔領域42aを形成するV字状の非開孔域31aの一辺は、V字状の開孔域30bを形成する一辺と同様に、該一辺とX方向に延びる直線とのなす角β(図2参照)となるように延在している。V字状の非開孔域31aを形成する他辺は、前記一辺を、Y方向に延びる線を基準に対称に反転させて形成されている。第1非開孔領域42aは、このように形成されたV字状の非開孔域31aがX方向に繰り返し配され、第2開孔領域41bと同様に、X方向に延びるノコギリ歯のようなギザギザ状に形成されている。第2非開孔領域42bも、第1非開孔領域42aと同様に、逆V字状の非開孔域31bがX方向に繰り返し配されており、X方向に延びるノコギリ歯のようなギザギザ状に形成されている。
第1非開孔領域42aと第2非開孔領域42bとは、その幅W4が同じ幅に形成されている。このように、第1非開孔領域42a及び第2非開孔領域42bそれぞれは、一定の幅W4で形成されている。この幅W4は、溝23の延びる方向に隣り合う開孔24どうしの間隔L1(図2参照)よりも広く形成されている。幅W4(図2参照)は、機械的強度や剛軟度の観点から、好ましくは5mm以上、更に好ましくは10mm以上であり、好ましくは20mm以下であり、例えば、5mm以上20mm以下であることが好ましく、10mm以上20mm以下であることが更に好ましい。
シート12においては、開孔領域41(41a,41b)及び非開孔領域42(42a,42b)それぞれは、開孔領域41(41a,41b)の延びる方向及び非開孔領域42(42a,42b)の延びる方向それぞれが、畝22及び溝23それぞれが延びる方向と交差するパターンで配されている。具体的には、第1開孔領域41a及び第2開孔領域41bからなる開孔領域41はX方向に延びており、第1非開孔領域42a及び第2非開孔領域42bからなる非開孔領域42もX方向に延びており、開孔領域41及び非開孔領域42それぞれは、畝22及び溝23それぞれが延びる方向と交差している。
1本の畝22について着目すると、図4(a)に示すように、畝22と開孔領域41(41a,41b)とが交差する領域と、畝22と非開孔領域42(42a,42b)とが交差する領域とは、坪量が異なっており、畝22と開孔領域41(41a,41b)とが交差する領域の方が、畝22と非開孔領域42(42a,42b)とが交差する領域に比べて坪量が高くなっている。畝22と開孔領域41(41a,41b)とが交差する領域は、その坪量が、指のグリップ感維持等の観点の観点から、好ましくは60g/m以上、更に好ましくは65g/m以上であり、好ましくは500g/m以下、更に好ましくは200g/m以下であり、例えば、60g/m以上500g/m以下であることが好ましく、65g/m以上200g/m以下であることが更に好ましい。一方、畝22と非開孔領域42(42a,42b)とが交差する領域は、その坪量が、機械的強度や液状化粧料組成物の含浸保持性の観点から、好ましくは40g/m以上であり、好ましくは440g/m以下、更に好ましくは150g/m以下であり、例えば、40g/m以上440g/m以下であることが好ましく、40g/m以上150g/m以下であることが更に好ましい。
また、1本の溝23について着目すると、図4(b)に示すように、溝23と開孔領域41(41a,41b)とが交差する領域と、溝23と非開孔領域42(42a,42b)とが交差する領域とは、坪量が異なっており、溝23と開孔領域41(41a,41b)とが交差する領域の方が、溝23と非開孔領域42(42a,42b)とが交差する領域に比べて坪量が高くなっている。溝23と開孔領域41(41a,41b)とが交差する領域は、その坪量が、シート12の強度維持の観点から、好ましくは40g/m以上であり、好ましくは210g/m以下、更に好ましくは110g/m以下であり、例えば、40g/m以上210g/m以下であることが好ましく、40g/m以上110g/m以下であることが更に好ましい。一方、溝23と非開孔領域42(42a,42b)とが交差する領域は、その坪量が、不織布の強度や液体の吸収性の観点から、好ましくは20g/m以上、更に好ましくは25g/m以上であり、好ましくは180g/m以下、更に好ましくは90g/m以下であり、例えば、20g/m以上180g/m以下であることが好ましく、25g/m以上90g/m以下であることが更に好ましい。
以上、説明してきたシート12は、例えば、上述した開孔領域41(41a,41b)に対応するように設けられ、かつ開孔24の形状と大きさに対応するように孔部が形成されたステンレス製やプラスチック製のメッシュ上にウエブを配置して、スパンレース法を用いて形成することができる。
次に、シート12に含浸保持される液状化粧料組成物について説明する。液状化粧料組成物は以下の(A)及び(B)を含有した液状化粧料組成物である。
(A)被膜形成樹脂。
(B)水。
なお、本発明で被膜形成樹脂とは、JIS K5600−5−4に準拠した引っかき硬度(鉛筆法)が6B以上3H以下であるものを指す。この引っかき硬度(鉛筆法)とはJIS5600−5−4:1999を準用して得る膜の硬度を示す値であって、被膜形成樹脂の塗布膜を調製した後、水平の塗布面に対し、固定角度(45°)、荷重750gで鉛筆を押し付けることによって測定することができる。したがって、引っかき硬度(鉛筆法)は6B〜6Hで表され、引っかき硬度(鉛筆法)6Bである膜が最も軟らかく、6Hである膜が最も硬い。
(A)を含有する液状化粧料組成物をシートに含浸させることで、毛髪上に(A)の皮膜を薄くかつ均一に作ることができ、特別なアレンジをしない状態で自然なまとまりのあるスタイルに容易に整髪することができる。また、液状化粧料組成物が(B)を含有することで、(A)を毛髪に容易に付与することができる。また、(B)によって毛髪中の水素結合が切断され、その状態下に(A)が毛髪に付与されることで、整髪された状態が長時間維持されやすくなる。つまり、(B)は(A)の溶媒として用いられ、かつ毛髪中の水素結合を切断して整髪を行いやすくするためにも用いられる。
(A)の被膜形成樹脂は、毛髪の表面に付与されることで、毛髪の表面に被膜を形成し得るものである。形成される被膜の引っかき硬度(鉛筆法)好ましくは3Hより軟らかく、より好ましくは2Hより軟らかく、更に好ましくはHより軟らかい。具体的には、引っかき硬度(鉛筆法)が好ましくは6B〜3H、より好ましくは6B〜H以下、更に好ましくは6B〜Hである。引っかき硬度(鉛筆法)がこの範囲となる被膜を形成し得る樹脂を用いることで、毛髪を所望のスタイルに容易に整髪することができる。引っかき硬度(鉛筆法)を測定するための被膜は、被膜形成樹脂の10質量%エタノール溶液をPETフィルム上に3cm×4cmの範囲に2g塗布して、25℃、相対湿度50%の条件で、24時間以上乾燥させることにより調製する。
前記の被膜形成樹脂としては、整髪剤として当該技術分野でこれまで用いられてきたものと同様のものを用いることができる。被膜形成樹脂には、その化学的な構造によって、陽イオン性樹脂、陰イオン性樹脂、非イオン性樹脂及び両性樹脂に分類される。
これらの樹脂のうち、使用時に手や指がべたつかない観点から、陽イオン性樹脂が好ましい。使用後の毛髪へしっとり感及び柔らかさ、滑らかさを付与する観点から、陽イオン性樹脂が好ましい。使用後に毛髪に束感を付与し、また特に高い整髪性を付与する観点から、陰イオン性樹脂が好ましい。使用時に毛髪とシート状整髪用化粧品13との摩擦を低減させ、良好な滑り性を付与する観点から、非イオン性樹脂が好ましい。使用時に、毛髪に洗浄感を付与する観点から両性樹脂が好ましい。乾燥後の毛髪にハリやコシを付与する観点から非イオン性樹脂、両性樹脂及びそれらの併用が好ましい。
本発明で用いることのできる陽イオン性樹脂としては、例えばビニルピロリドン・メタクリル酸ジメチルアミノエチル共重合体ジエチル硫酸塩(H・CポリマーIS(M)、H・Cポリマー2等(大阪有機化学工業社))、ビニルピロリドン・ジメチルアミノプロピルメタクリルアミド・ラウリルジメチルアミノプロピルメタクリルアミド共重合体(スタイラーゼW−20(ISP社))、ポリ塩化ジメチルメチレンペピリジニウム(マーコート100(ナルコ社))、塩化ジメチルジアリルアンモニウム・アクリルアミド共重合体(マーコート550(ナルコ社))、ビニルピロリドン・N,N−ジメチルアミノエチルメタクリル酸共重合体ジエチル硫酸塩(ガフカット734(ISP社))、ビニルピロリドン・ジメチルアミノエチルメタクリレート共重合体(ガフカット440(ISP社))、N,N−ジメチルアミノエチルメタクリル酸ジエチル硫酸塩・N,N−ジメチルアクリルアミド・ジメタクリル酸ポリエチレングリコール共重合体(ソフケア KG−101W−E、ソフケア KG−301P等(花王社))、アンモニウム変性ヒドロキシエチルセルロース(ソフトキャット SL−30 ポリマー(花王社))、N−プロピオニルポリエチレンイミン・メチルポリシロキサン共重合体(エラストマーOS(花王社))等が挙げられる。これらのうち、使用時に手や指のべたつきを更に低減し、使用後の毛髪へしっとり感及び柔らかさ、滑らかさを更に向上する観点から、塩化ジメチルジアリルアンモニウム・アクリルアミド共重合体、ビニルピロリドン・N,N−ジメチルアミノエチルメタクリル酸共重合体ジエチル硫酸塩、N,N−ジメチルアミノエチルメタクリル酸ジエチル硫酸塩・N,N−ジメチルアクリルアミド・ジメタクリル酸ポリエチレングリコール共重合体、アンモニウム変性ヒドロキシエチルセルロース、N−プロピオニルポリエチレンイミン・メチルポリシロキサン共重合体を用いることが好ましい。
陰イオン性樹脂としては、例えばアクリル酸アルキル・ジアセトンアクリルアミド共重合体(プラスサイズL−9540B、プラスサイズL−53P、プラスサイズL−9909B等(互応化学工業社))、アクリル酸アルキル・オクチルアクリルアミド共重合体(Dermacryl 79(アクゾノーベル社))、酢酸ビニル・クロトン酸・ネオデカン酸ビニル共重合体(RESYN 28−2930(アクゾノーベル社))、アクリル酸・アクリル酸アミド・アクリル酸エチル共重合体(ウルトラホールド8、ウルトラホールドStrong(BASF社))、アクリル酸アルキル共重合体(アニセットNF−1000、アニセットHS−300等(大阪有機化学工業社))、ポリエチレングリコール・ポリプロピレングリコール−25・ジメチコン・アクリレーツ共重合体(ルビフレックスSILK(BASF社))、イソホロンジイソシアネート・ジメチロールプロピオン酸・(ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレン)4,4'−イソプロピリデンジフェノール共重合体(DynamX(アクゾノーベル社))等が挙げられる。使用後に毛髪に束感をより一層付与し、また特に高い整髪性を付与する観点から、アクリル酸アルキル・ジアセトンアクリルアミド共重合体、酢酸ビニル・クロトン酸・ネオデカン酸ビニル共重合体、イソホロンジイソシアネート・ジメチロールプロピオン酸・(ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレン)4,4'−イソプロピリデンジフェノール共重合体が好ましい。
非イオン性樹脂としては、例えばポリビニルピロリドン(ルビスコールK17、ルビスコールK30、ルビスコールK90(BASF社))、ビニルピロリドン・酢酸ビニル共重合体(ルビスコールVA73E、ルビスコール37E(BASF社))、ビニルメチルエーテル・マレイン酸アルキル共重合体(ガントレッツA−425、ガントレッツES−225等(ISP社)、ビニルピロリドン・メタクリルアミド・ビニルイミダゾール共重合体(ルビセットクリア(BASF社)、ポリビニルカプロラクタム(ルビスコールプラス(BASF社))等が挙げられる。これらのうち、使用時に毛髪とシートの間の高い滑り性を付与し、乾燥後の毛髪にハリやコシを付与する観点から、ポリビニルピロリドン、ビニルピロリドン・酢酸ビニル共重合体、ビニルメチルエーテル・マレイン酸アルキル共重合体が好ましい。
両性樹脂としては、例えばアクリレーツ・アクリル酸ラウリル・アクリル酸ステアリル・メタクリル酸エチルアミンオキシド共重合体(ダイヤフォーマーZ651(三菱化学社))、メタクリロイルオキシエチルカルボキシベタイン・メタクリル酸アルキル共重合体(ユカフォーマーM75、ユカフォーマーR205 等(三菱化学社))、オクチルアクリルアミド・アクリル酸ヒドロキシプロピル・メタクリル酸ブチルアミノエチル共重合体(アンフォーマー28−4910(アクゾノーベル社))、アクリル酸オクチルアミド・アクリル酸ヒドロキシプロピル・メタクリル酸ブチルアミノエチル共重合体(アンフォーマーSH30(アクゾノーベル社))等が挙げられる。これらのうち、毛髪の洗浄感を更に高め、乾燥後の毛髪にハリやコシを付与する観点から、アクリレーツ・アクリル酸ラウリル・アクリル酸ステアリル・メタクリル酸エチルアミンオキシド共重合体、メタクリロイルオキシエチルカルボキシベタイン・メタクリル酸アルキル共重合体、オクチルアクリルアミド・アクリル酸ヒドロキシプロピル・メタクリル酸ブチルアミノエチル共重合体が好ましい。
以上の各種の被膜形成樹脂は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。液状化粧料組成物に占める被膜形成樹脂の含有量は、整髪性を向上させる観点から、以下に述べる上限値を超えないことを条件として、0.01質量%以上、好ましくは0.05質量%以上、より好ましくは0.1質量%以上、より一層好ましくは1.0質量%以上、更に一層好ましくは2.0質量%以上、更に一層好ましくは4.0質量%以上である。また、整髪性と塗布時に手指のべたつきのなさを両立させ、更に塗布後、手指が乾燥した後に感じる手指への液状化粧料組成物の残留感を軽減する観点から、上述した下限値を下回らないことを条件として、20質量%以下、好ましくは15質量%以下、より好ましくは12質量%以下、一層好ましくは10質量%以下、より好ましくは5質量%以下、更に好ましくは3質量%以下、更に好ましくは1質量%以下である。液状化粧料組成物に占める被膜形成樹脂の濃度をこの範囲内に設定することで、毛髪を所望のスタイルに容易に整髪することができる。また、必要十分な量の液状化粧料組成物をシートに含浸させ得る粘度を液状化粧料組成物に付与することができる。更に、被膜形成樹脂をシートに含浸させれば、液状化粧料組成物の垂れを防止し得る程度の粘度を液状化粧料組成物に付与することができる。一方、水は液状化粧料組成物の残部を占める。
特に、整髪性の観点からは、液状化粧料組成物に占める被膜形成樹脂の含有量が4.0質量%以上12.0質量%以下である場合に、被膜形成性樹脂が本来有する皮膜物性が一層引き出されやすくなり、その結果、髪が毛先までしっかりとまとまる、髪形を直せるなど、整髪性が飛躍的に向上する。また、被膜形成性樹脂の均一塗布性が向上したことに起因して、毛髪の表面に被膜形成性樹脂が存在していても、毛髪の感触が驚くほど自然になる。ミストやスプレー等の形態で液状化粧料組成物を付与するといったこれまでの方法では、このような効果は不十分であったところ、本発明に従いシート状整髪用化粧品を用いて被膜形成樹脂を毛髪に付与すれば、該被膜形成樹脂を均一に塗布することが容易に可能となるので、これまで付与方法で問題となっていた課題が解消される。
本発明で用いる液状化粧料組成物は、上述した被膜形成樹脂及び水に加えて、界面活性剤及びアルコールのうちの少なくとも一方を含有していてもよい。これらの成分は、液状化粧料組成物の粘度を調整するために用いられる。また、液状化粧料組成物に含有させ得る成分の可溶化剤として用いられる。更に、整髪用化粧品で毛髪を処理したときの感触を向上させるために用いられる。
界面活性剤としては、毛髪化粧料組成物にこれまで用いられてきたものと同様のものを用いることができる。そのような界面活性剤としては、例えば陽イオン界面活性剤、陰イオン界面活性剤、両性界面活性剤、非イオン界面活性剤等が挙げられる。これらの界面活性剤のうち、液状化粧料組成物を含浸したシート状整髪用化粧品13と髪の滑りを良くして髪を梳きやすくし、液状化粧料組成物を毛髪に適用しやすくする観点から、陽イオン界面活性剤を用いることが好ましい。また、毛髪のセット性を向上させる観点からは両性界面活性剤又は非イオン界面活性剤を用いることが好ましい。更にシート12に含浸した液状化粧料組成物を毛髪に適用しやすくし、かつセット性を向上させる観点から、陽イオン界面活性剤と両性又は非イオン性界面活性剤を併用することが好ましい。
このような陽イオン界面活性剤の例としては、アルキルトリメチルアンモニウム塩、アルコキシアルキルトリメチルアンモニウム塩、ジアルキルジメチルアンモニウム塩、アルキルジメチルアミン及びその塩、アルコキシアルキルジメチルアミン及びその塩、アルキルアミドアルキルジメチルアミン及びその塩等が挙げられる。
陰イオン界面活性剤の例としては、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキル又はアルケニルエーテル硫酸塩、アルキル又はアルケニル硫酸塩、オレフィンスルホン酸塩、アルカンスルホン酸塩、飽和又は不飽和脂肪酸塩、アルキル又はアルケニルエーテルカルボン酸塩、α−スルホン脂肪酸塩、N−アシルアミノ酸型界面活性剤、リン酸モノ又はジエステル型界面活性剤、スルホコハク酸エステル等が挙げられる。
両性界面活性剤の例としては、イミダゾリン系界面活性剤、カルボベタイン系界面活性剤、アミドベタイン系界面活性剤、スルホベタイン系界面活性剤、ヒドロキシスルホベタイン系界面活性剤、アミドスルホベタイン系界面活性剤、アミンオキシド系界面活性剤等が挙げられる。
非イオン界面活性剤の例としては、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキレンアルケニルエーテル、高級脂肪酸ショ糖エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、高級脂肪酸モノ又はジエタノールアミド、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステル、アルキルサッカライド系界面活性剤等が挙げられる。以上の各種の界面活性剤は1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
液状化粧料組成物に占める界面活性剤の含有量は、0.1質量%以上、更に0.2質量%以上、更に0.3質量%以上であることが好ましい。また、5質量%以下、更に4質量%以下、更に3質量%以下、更には2質量%以下であることが好ましい。例えば液状化粧料組成物に占める界面活性剤の含有量は、0.1質量%以上5質量%以下であることが好ましく、0.2質量%以上4質量%以下であることが更に好ましく、0.3質量%以上3質量%以下であることが一層好ましい。
アルコールとしては、一価又は多価アルコールを用いることができる。一価アルコールとしては、例えば炭素数が好ましくは1以上6以下、更に好ましくは2以上5以下である飽和又は不飽和の脂肪族アルコールを用いることができる。多価アルコールとしては、例えば炭素数が好ましくは2以上6以下、更に好ましくは2以上5以下である飽和又は不飽和の脂肪族アルコールを用いることができる。これら一価アルコール及び多価アルコールは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。アルコールとしては、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、1,3−ブチレングリコール、ジプロピレングリコール、グリセリンを用いることが好ましい。これらのうち、液状化粧料組成物の溶解安定性ないし分散安定性確保の観点から、水、エタノールを用いることが好ましい。また、整髪性を損なわない形でべたつきを低減する観点から、ジプロピレングリコール、グリセリンを用いることが好ましい。
液状化粧料組成物に占めるアルコールの含有量は、1質量%以上、更に5質量%以上、更に10質量%以上であることが好ましい。また、45質量%以下、更に35質量%以下、更に30質量%以下であることが好ましい。例えば液状化粧料組成物に占めるアルコールの含有量は、1質量%以上45質量%以下であることが好ましく、5質量%以上35質量%以下であることが更に好ましく、10質量%以上30質量%以下であることが一層好ましい。
液状化粧料組成物は、上述したアルコール、界面活性剤及び水に加えて、被膜形成樹脂由来のべたつきや被膜形成樹脂が整髪用化粧品に配合されることで生じる該整髪用商品の使用時のひっかかりを軽減し、さらさら感を付与するために特にアミノ変性シリコーンを含有することが好ましい。被膜形成樹脂の含有量に対するアミノ変性シリコーンの含有量の割合、すなわち(アミノ変性シリコーンの含有量(g))/(被膜形成樹脂の含有量(g))は、0.01以上、更に0.02以上、更に0.045以上であることが好ましい。また、14以下、5以下、3以下、特に1.5以下であることが好ましい。アミノ変性シリコーンの具体例としては、XF42−B8922、XF42−C0330(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・シャパン社)、SF8451C、SF8452C 、SF8457C 、SM8704C(東レ・ダウコーニング社)、KF−867(信越化学工業社)等のアミノ変性シリコーン;KF−1046(信越化学工業社)等のポリシロキサンとアミノ変性シリコーンとの混合物が挙げられる。
液状化粧料組成物は、上述したアルコール、界面活性剤及び水に加えて、整髪用化粧品の各種の性能を高め得る成分を含有していてもよい。そのような成分としては、例えば、毛髪の櫛どおりを良くし、優れた使用感を付与するために、アミノ変性シリコーン以外のシリコーンを含有させることができる。このようなシリコーンとしては、例えばポリシロキサン、変性シリコーン(例えば、フッ素変性シリコーン、アルコール変性シリコーン、ポリエーテル変性シリコーン、エポキシ変性シリコーン、アルキル変性シリコーン等)、環状ポリシロキサン等が挙げられる。これらのシリコーンは、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。なかでも、ポリシロキサン、ポリエーテル変性シリコーンのうちの1種又は2種以上を用いることが好ましい。シリコーンとしては市販品を用いることもできる。市販品の具体例としては、SH200−1,000,000cs、BY11−026、FZ−2231(東レ・ダウコーニング社)、TSF451−100MA(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・シャパン社)等のポリシロキサン;TSF4440(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・シャパン社)、KF−6005、KF−6012(信越化学工業社)、SS−2910(東レ・ダウコーニング社)等のポリエーテル変性シリコーンが挙げられる。
液状化粧料組成物は、上述のアミノ変性シリコーン以外のシリコーンを0.1質量%以上、更に0.2質量%以上、更に0.3質量%以上含有することが好ましい。また液状化粧料組成物は、シリコーンを5質量%以下、更に4質量%以下、更に3質量%以下含有することが好ましい。例えば液状化粧料組成物は、シリコーンを0.1質量%以上5質量%以下含有することが好ましく、0.2質量%以上4質量%以下含有することが更に好ましく、0.3質量%以上3質量%以下含有することが一層好ましい。
また液状化粧料組成物に、清涼感を与えるためのメントール等の清涼剤、温感剤、毛髪にさらさら感を付与するための粉体、消臭剤、防腐剤、香料、キレート剤等を配合してもよい。
ところで、毛髪に液状化粧料組成物を移行させるために十分な液量をシートに浸み込ませると、液が垂れてしまい、顔や衣服に飛び散るなど、使用勝手が悪いという問題がある。また、液垂れを防ぎつつ整髪性を付与するために、粘着性や強固な被膜を形成するセット用のポリマーを高濃度に液状化粧料組成物に含有させると、塗布する際に毛髪のみでなく、手にも移行し、手に剤が載った不快感や、手がべたつくという問題が顕著になってしまう。そこで本発明においては、液状化粧料組成物の総量を、1枚のシート12当たり1g以上にすることが好ましい。特に頭部の毛髪全体に液状化粧料組成物を十分にいきわたらせる場合には、好ましくは6g以上、より好ましくは7g以上、更に好ましくは8g以上にするのが好ましい。また、毛髪が濡れすぎることなく、顔や衣服に液状化粧料組成物が飛び散らないという観点から、液状化粧料組成物の総量は、1枚のシート12当たり50g以下、好ましくは30g以下、より好ましくは25g以下、より好ましくは20g以下、更に好ましくは15g以下である。例えば液状化粧料組成物の総量は、1枚のシート12当たり1g以上50g以下であることが好ましく、7g以上20g以下であることがより好ましく、8g以上15g以下であることが更に好ましい。特に、上述した厚さや坪量や大きさを有するシート1枚当たりに、この範囲の総量の液状化粧料組成物を保持させることが好ましい。この範囲の量の液状化粧料組成物を含浸させることが、十分な量の液状化粧料組成物が毛髪に移行する。また、シート状整髪用化粧品13からの液状化粧料組成物の垂れが起こりにくくなり、整髪用化粧品の使い勝手が良好になる。この範囲の液状化粧料組成物の量は、従来の皮膚用のシート状化粧品よりも多量である。この理由は、本実施形態の整髪用化粧品は、毛髪へ十分な量の液状化粧料組成物を付与して毛髪のセット性を高めることを目的としているからである。また、毛髪に十分な量の液状化粧料組成物を浸透させて、跳ね毛や浮き毛を抑え、毛髪にまとまりを与えるためである。
また、シート状整髪用化粧品13における液状化粧料組成物の保持力が高く、かつ毛髪への液状化粧料組成物の転移量も高くする観点から、液状化粧料組成物の含有割合はシート12の最大含水量に対して5質量%以上が好ましく、より好ましくは10質量%以上、更に好ましくは20質量%以上である。また90質量%以下が好ましく、より好ましくは85質量%以下、更に好ましくは80質量%以下、更に好ましくは60質量%以下である。シート12の最大含水量は、最大保水率から算出される。最大保水率は、JIS L1913:2010「一般不織布試験方法の6.9.2 保水率の測定法」に準拠して測定される。このようにして測定された最大保水率に、シート12のシート質量を掛け合わせ最大含水量を算出する。
以上の構成を有する本実施形態の整髪用化粧品10は、例えば外出先においてしたスポーツ、通勤通学時の整髪に用いることができる。また、冬場の毛髪のパサつき対策や、梅雨時の毛髪の広がり・うねり対策に用いることができる。また、跳ね毛、浮き毛を抑え、毛髪にまとまりを与えたりするために用いることができる。
次に、本実施形態の整髪用化粧品10の使用方法の一例について説明する。図1に示す整髪用化粧品10を用いる場合には、先ず外装容器11の上面11bに取り付けられている開閉蓋11eを該上面11bから剥離して内容物取出口11dを露出させる。次に、図5に示すとおり、露出した内容物取出口11dを通じて、外装容器11内に収容されているシート状整髪用化粧品13を指で摘んで取り出す。この取り出操作によって、シート状整髪用化粧品13は内容物取出口11dの端部においてしごかれて、容易に拡開する。
外装容器11から取り出されたシート状整髪用化粧品13は、上述したとおり剛軟度が低いドレープ性が高いものなので、これを指にかかるように手の内側(手のひら側)の上に広げて載せると、図6に示すとおり手に馴染み、毛髪や頭皮の拭き取り操作が行いやすくなる。特に、外装容器11から取り出されたシート状整髪用化粧品13には液状化粧料組成物が含浸保持されているので、自重によって垂れ下がりやすくなり、手指に一層馴染みやすくなる。
図6に示すようにシート状整髪用化粧品13を指にかかるように手の内側の上に広げて載せたら、その状態を維持して手指を毛髪の根元にあてがう。例えば図7に示すとおり、頭頂部付近の毛髪の根元に指先を配置して、シート状整髪用化粧品13を毛髪に当接させる。そして、シート状整髪用化粧品13を毛髪に当接させた状態を維持しつつ、図8に示すとおり、手を毛髪の根元から毛先へ向けて移動させ、整髪操作を行う。この操作を毛髪全体に対して行うこともでき、あるいは毛髪のうちの一部に対して行うこともできる。この処理操作は繰り返し行い、全ての頭髪に対して行うことが好ましい。常に清浄な面で処理操作が行えるようにするために、指にかかるように手の内側の上に載せたシート状整髪用化粧品13の位置を変更しながら、各回の処理操作をすることが好ましい。
図7及び図8に示す操作を行う場合には、シート状整髪用化粧品13を載せた状態の手の指と指の間に毛束が存在するように、毛髪の根元に指先をあてがい、その状態下に各指によって毛髪を梳きながら整髪することが好ましい。例えば、シート状整髪用化粧品13を載せた手の指を若干立てた状態で毛髪の根元に指を挿入し、指先を頭皮に間接的に接触させた状態で、指で毛髪を梳くことが好ましい。このような操作を行うことで、いわゆる「手ぐし」感覚で整髪することができ、整髪操作を一層容易に行うことができる。
本整髪操作は毛髪の中間、すなわち毛髪の根元と毛先の間に指先をあてがい、上述の操作をすることもできる。毛髪全体に均一に塗布する観点から毛束の根元から整髪操作を行うことが好ましい。
図8では毛髪の外側面(最表面)を清拭しているが、更に毛髪の内側面(すなわち頭皮寄りの側)に手のひらを配置し、シート状整髪用化粧品13を載せた状態の手の指と指の間に毛束が存在するように、毛髪の根元又は毛髪の中間に指先をあてがい、その状態下に各指によって毛髪を梳きながら毛髪を清拭することもできる。このような方法で毛髪にシート状整髪用化粧品13を適用することで、通常は液状化粧料組成物を適用しにくい、表面に出てこない毛髪に対しても、満遍なく均一に液状化粧料組成物を塗布できるので好ましい。
図9(a)及び(b)には、整髪用化粧品10を用いた別の整髪方法が示されている。この方法においては、上述した図6に示すように、シート状整髪用化粧品13を指にかかるように手の内側の上に広げて載せる。この動作の前後又はこの動作と同時に、図9(a)に示すとおり、他方の手で、毛髪の一部を取り分けて毛束を作っておく。そして、取り分けた毛束を、シート状整髪用化粧品13を載せた状態の手で握る。毛束を握る位置は、毛束の根元に近い位置であることが好ましい。そして図9(b)に示すとおり、毛束を握ったまま、毛束の毛先に向けて手を移動させる。このように、シート状整髪用化粧品13を毛束の根元から毛先に向けて滑りやすいように移動させることで、シート状整髪用化粧品13に含浸されている液状化粧料組成物が効果的に毛束内に浸透する。この操作を毛髪全体に対して行うこともでき、あるいは毛髪のうちの一部に対して行うこともできる。この整髪方法は、ストレートスタイルに対して特に有効である。
図10(a)及び(b)には、整髪用化粧品10を用いた更に別の整髪方法が示されている。この方法においては、上述した図6に示すように、シート状整髪用化粧品13を指にかかるように手の内側の上に広げて載せる。この動作の前後又はこの動作と同時に、図10(a)に示すとおり、他方の手で、毛髪の一部を取り分けて毛束を作っておく。毛束を握る手の位置は、毛束の長さの概ね中央ないし先端寄りとすることが好ましい。そして、取り分けた毛束のうち、先端及びその近傍の部位を、シート状整髪用化粧品13を載せた状態の手で包む。そして図10(b)に示すとおり、毛束を包んだまま、手の握り・開きを繰り返し、毛束の先端及びその近傍の部位の毛髪を揉む。これによって、揉まれた毛髪にウエーブがかかる。この操作を、取り分ける毛束の位置をずらしながら複数回にわたって行うことが好ましい。この操作を毛髪全体に対して行うこともでき、あるいは毛髪のうちの一部に対して行うこともできる。また、取り分けた毛束の根元又は中間部分から先端部分にかけて揉んでもよい。この使用方法は、くせ毛や化学処理で作ったウエーブ(カール)ヘアをウエーブ(カール)スタイルにする際に特に有効である。
以上の操作によって整髪が完了したら、その後、必要に応じてブラシや手で毛髪全体のスタイルを整えてもよい。
また、これらの操作によって毛髪や頭皮の清拭をした後、好ましくは3時間、より好ましくは5時間、更に好ましくは8時間以上はシート状整髪用化粧品13によって毛髪や頭皮に移行させた液状化粧料組成物を洗い流さないことが好ましい。
以上、本発明をその好ましい実施形態に基づき説明したが、本発明は前記実施形態に制限されない。例えば図2ないし図4には、本発明で用いられる好適なシート12の一例が記載されているが、本発明で使用可能なシート12はこれらの図に記載されているものに限定されない。
また外装容器11の形態は、上述した、いわゆるピロー形態のものに限られず、他の形態の外装容器を用いてもよい。例えば、開閉部をヒンジによって接合された蓋にした容器であってもよい。
<1>
以下の(A)及び(B)を含有した液状化粧料組成物を、シートに1枚あたり前記液状化粧料組成物の総量が1g以上50g以下含浸させたシート状整髪用化粧品。
(A)被膜形成樹脂0.01質量%以上20質量%以下。
(B)水
<2>
好ましくは成分(A)の被膜形成樹脂が陽イオン性樹脂である<1>に記載のシート状整髪用化粧品。
<3>
好ましくは成分(A)の被膜形成樹脂がビニルピロリドン・メタクリル酸ジメチルアミノエチル共重合体ジエチル硫酸塩、ビニルピロリドン・ジメチルアミノプロピルメタクリルアミド・ラウリルジメチルアミノプロピルメタクリルアミド共重合体、ポリ塩化ジメチルメチレンペピリジニウム、塩化ジメチルジアリルアンモニウム・アクリルアミド共重合体、ビニルピロリドン・N,N−ジメチルアミノエチルメタクリル酸共重合体ジエチル硫酸塩、ビニルピロリドン・ジメチルアミノエチルメタクリレート共重合体、N,N−ジメチルアミノエチルメタクリル酸ジエチル硫酸塩・N,N−ジメチルアクリルアミド・ジメタクリル酸ポリエチレングリコール共重合体、アンモニウム変性ヒドロキシエチルセルロース、N−プロピオニルポリエチレンイミン・メチルポリシロキサン共重合体から選ばれる少なくとも1又は2以上の陽イオン性樹脂である<2>に記載のシート状整髪用化粧品。
<4>
好ましくは成分(A)の被膜形成樹脂が陰イオン性樹脂である<1>に記載のシート状整髪用化粧品。
<5>
好ましくは成分(A)の被膜形成樹脂がアクリル酸アルキル・ジアセトンアクリルアミド共重合体、アクリル酸アルキル・オクチルアクリルアミド共重合体、酢酸ビニル・クロトン酸・ネオデカン酸ビニル共重合体、アクリル酸・アクリル酸アミド・アクリル酸エチル共重合体、アクリル酸アルキル共重合体、ポリエチレングリコール・ポリプロピレングリコール−25・ジメチコン・アクリレーツ共重合体、イソホロンジイソシアネート・ジメチロールプロピオン酸・(ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレン)4,4'−イソプロピリデンジフェノール共重合体から選ばれる少なくとも1又は2以上の陰イオン性樹脂である<4>に記載のシート状整髪用化粧品。
<6>
好ましくは成分(A)の被膜形成樹脂が非イオン性樹脂である<1>に記載のシート状整髪用化粧品。
<7>
好ましくは成分(A)の被膜形成樹脂がポリビニルピロリドン、ビニルピロリドン・酢酸ビニル共重合体、ビニルメチルエーテル・マレイン酸アルキル共重合体、ビニルピロリドン・メタクリルアミド・ビニルイミダゾール共重合体、ポリビニルカプロラクタムから選ばれる少なくとも1又は2以上の非イオン性樹脂である<6>に記載のシート状整髪用化粧品。
<8>
好ましくは成分(A)の被膜形成樹脂が両性樹脂である<1>に記載のシート状整髪用化粧品。
<9>
好ましくは成分(A)の被膜形成樹脂がアクリレーツ・アクリル酸ラウリル・アクリル酸ステアリル・メタクリル酸エチルアミンオキシド共重合体、メタクリロイルオキシエチルカルボキシベタイン・メタクリル酸アルキル共重合体、オクチルアクリルアミド・アクリル酸ヒドロキシプロピル・メタクリル酸ブチルアミノエチル共重合体、アクリル酸オクチルアミド・アクリル酸ヒドロキシプロピル・メタクリル酸ブチルアミノエチル共重合体から選ばれる少なくとも1又は2以上の両性樹脂である<8>に記載のシート状整髪用化粧品。
<10>
好ましくは成分(A)の被膜形成樹脂が、前記液状化粧料組成物に占める含有量が0.05質量%以上、0.1質量%以上であり、10質量%以下、5質量%以下、3質量%以下、1%以下である<1>ないし<9>のいずれか1に記載のシート状整髪用化粧品。
<11>
好ましくは更に前記液状化粧料組成物中に界面活性剤を含有する<1>ないし<10>のいずれか1に記載のシート状整髪用化粧品。
<12>
好ましくは界面活性剤として陽イオン性界面活性剤を含有する<11>に記載のシート状整髪用化粧品。
<13>
好ましくは界面活性剤として陰イオン性界面活性剤又は両性界面活性剤を含有する<11>に記載のシート状整髪用化粧品。
<14>
好ましくは前記液状化粧料組成物中に占める界面活性剤の含有量が0.1質量%以上、0.2質量%以上、更に0.3質量%以上であり、5質量%以下、4質量%以下、3質量%以下である<11>ないし<13>のいずれか1に記載のシート状整髪用化粧品。
<15>
好ましくは更に前記液状化粧料組成物中に1価又は多価アルコールを含有する<1>ないし<14>のいずれか1に記載のシート状整髪用化粧品。
<16>
好ましくは1価又は多価アルコールがエタノール、プロパノール、イソプロパノール、1,3−ブチレングリコール、ジプロピレングリコール、グリセリンから選ばれる少なくとも1種又は2種以上である<15>に記載のシート状整髪用化粧品。
<17>
好ましくは前記液状化粧料組成物中に占める1価又は多価アルコールの含有量が1質量%以上、5質量%以上、10質量%以上であり、45質量%以下、35質量%以下、30質量%以下である<15>又は<16>に記載のシート状整髪用化粧品。
<18>
好ましくは更に前記液状化粧料組成物中にアミノ変性シリコーンを含有する<1>ないし<17>のいずれか1に記載のシート状整髪用化粧品。
<19>
好ましくは被膜形成樹脂に対するアミノ変性シリコーンの割合(アミノ変性シリコーンの含有量(g))/被膜形成樹脂の含有量(g))が0.01以上、更には0.02以上、更には0.045以上、更には0.1以上であり、14以下、更には5以下、更には3以下、更には1.5以下である<18>に記載のシート状整髪用化粧品。
<20>
好ましくはシート1枚当たりの前記液状化粧料組成物の含浸液量が6g以上、7g以上、8g以上であり、30g以下、20g以下、15g以下である<1>ないし<19>のいずれか1に記載のシート状整髪用化粧品。
<21>
好ましくは前記シートは、その表面に凹凸構造が形成されている<1>ないし<20>のいずれか1に記載のシート状整髪用化粧品。
<22>
好ましくは前記シートが第1の面及びそれと反対側に位置する第2の面を有し、
第1の面及び第2の面はともに凹凸構造を有する<1>ないし<21>のいずれか1に記載のシート状整髪用化粧品。
<23>
好ましくは、前記シートは、凸部頂部から凹部底部までの高低差が大きい方から見たときに、凸部となる部分のシート厚さが、凹部のシート厚さよりも大きいものである<21>又は<22>に記載のシート状整髪用化粧品。
<24>
好ましくは平面視において、第1の面の凸部の位置と、第2の面の凸部の位置とが略一致している、<21>ないし<23>のいずれか1に記載のシート状整髪用化粧品。
<25>
好ましくは前記シートにおいて、凸部の坪量が凹部の坪量よりも高くなっている<21>ないし<24>のいずれか1に記載のシート状整髪用化粧品。
<26>
好ましくは平面視において、凹部と凸部はシートの面内に沿って一定方向に伸びており、好ましくは凹部が溝状に、凸部が畝状に形成されており、更には溝状の凹部と畝状の凸部が交互に配置されており、更には溝状の凹部と畝状の凸部がシート全面にわたって形成されている<21>ないし<25>のいずれか1に記載のシート状整髪用化粧品。
<27>
好ましくは同形同大の畝状の凸部が等間隔を空けて配されており、その横方向の幅W1が好ましくは0.5mm以上、更に好ましくは0.8mm以上であり、好ましくは3.0mm以下である<21>ないし<26>のいずれか1に記載の整髪用化粧品。
<28>
好ましくは凸部としての畝及び凹部としての溝が形成されており、第1の面の畝頂部における高低差が好ましくは0.2mm以上1.2mm以下、更に好ましくは0.2mm以上1.0mm以下であり、第2の面の畝頂部における高低差は、好ましくは0.1mm以上1.2mm以下、更に好ましくは0.1mm以上1.0mm以下である<21>ないし<27>のいずれか1に記載のシート状整髪用化粧品。
<29>
好ましくは凹部に開孔が設けられている<21>ないし<28>のいずれか1に記載のシート状整髪用化粧品。
<30>
凹部に設けられた開孔どうしの間隔L1が好ましくは4.0mm以上であり、好ましくは15.0mm以下、更に好ましくは8.0mm以下である<29>に記載のシート状整髪用化粧品。
<31>
溝状の凹部の幅W2における開孔の直径L2の割合(L2×100/W2)が好ましくは20%以上、更に好ましくは30%以上であり、好ましくは90%以下である<29>又は<30>に記載のシート状整髪用化粧品。
<32>
前記シートは、その剛軟度が好ましくは10mm以上であり、好ましくは70mm以下であり、更に好ましくは65mm以下であり、一層好ましくは60mm以下である<1>ないし<31>のいずれか1に記載のシート状整髪用化粧品。
<33>
前記シートは、L 1096:2010に準拠して0.3kPa荷重下で測定された厚みが好ましくは0.3mm超であり、更に好ましくは0.4mm以上であり、一層好ましくは0.5mm以上であり、更に一層好ましくは0.7mm以上であり、好ましくは5mm以下であり、更に好ましくは4mm以下であり、更に好ましくは3mm以下、更に好ましくは1.3mm以下である<1>ないし<32>のいずれか1に記載のシート状整髪用化粧品。
<34>
前記シートはその見かけ面積が好ましくは50cm以上、更に好ましくは100cm以上、一層好ましくは200cm以上であり、好ましくは1600cm以下、更に好ましくは900cm以下、一層好ましくは700cm以下である<1>ないし<33>のいずれか1に記載のシート状整髪用化粧品。
<35>
好ましくは前記シートが不織布シートからなり、該不織布シートはその構成繊維の交絡のみで不織布形態を保っており、好ましくは該不織布シートはスパンレース法で作られたシートである<1>ないし<34>のいずれか1に記載のシート状整髪用化粧品。
<36>
前記シートが、好ましくはセルロース系繊維及び熱可塑性樹脂繊維を含有する<1>ないし<35>のいずれか1に記載のシート状整髪用化粧品。
<37>
前記液状化粧料組成物の含浸前の前記シートの質量に基づき、セルロース系繊維の占める含有量が好ましくは30質量%以上であり、更に好ましくは35質量%以上であり、一層好ましくは40質量%以上であり、好ましくは99質量%以下であり、更に好ましくは97質量%以下であり、一層好ましくは95質量%以下であり、
前記液状化粧料組成物の含浸前の前記不織布シートの質量に基づき、熱可塑性樹脂繊維の占める含有量が好ましくは1質量%以上であり、更に好ましくは3質量%以上であり、一層好ましくは5質量%以上であり、更に一層好ましくは10質量%以上であり、好ましくは70質量%以下であり、更に好ましくは65質量%以下であり、一層好ましくは60質量%以下である<36>に記載のシート状整髪用化粧品。
<38>
好ましくは前記シートがセルロース系繊維のみからなる<1>ないし<35>に記載のシート状整髪用化粧品。
<39>
前記液状化粧料組成物の量が1枚の前記シート当たり好ましくは7g以上であり、更に好ましくは8g以上であり、好ましくは20g以下であり、更に好ましくは15g以下である<1>ないし<38>のいずれか1に記載のシート状整髪用化粧品。
<40>
前記液状化粧料組成物の含有割合が、前記シートの最大保水量に対して好ましくは5質量%以上であり、更に好ましくは10質量%以上であり、一層好ましくは20質量%以上であり、好ましくは90質量%以下であり、更に好ましくは85質量%以下であり、一層好ましくは80質量%以下であり、更に一層好ましくは60質量%以下である<1>ないし<39>のいずれか1に記載のシート状整髪用化粧品。
<41>
前記シートの最大保水率が好ましくは700質量%以上、好ましくは800質量%以上、更に900質量%以上、更には1000質量%以上であり、好ましくは2000質量%以下、更には1500質量%以下、更には1300質量%以下である<1>ないし<40>のいずれか1に記載のシート状整髪用化粧品。
<42>
好ましくは<1>ないし<41>のいずれか1に記載のシート状整髪用化粧品が以下の
(C)内に収容されている整髪用化粧品。
(C)内容物取出口を被覆し、内容物を密閉する開閉蓋を有し、該内容物取出口の面積が好ましくは25mm以上、更に好ましくは100mm以上、一層好ましくは200mm以上であり、好ましくは4000mm以下、更に好ましくは3000mm以下、一層好ましくは2500mm以下である外装容器。
<43>
<1>ないし<41>のいずれか1に記載のシート状整髪用化粧品を用いた整髪方法であって、
ii)前記液状化粧料組成物が含浸された前記シート状整髪用化粧品を指にかかるように手の内側に広げて載せる工程、及び
iii)前記シート状整髪用化粧品を載せた状態の手を、毛髪の根元から毛先に向けて移動させて整髪する工程、を有する整髪方法。
<44>
好ましくはiii)の工程において、前記シート状整髪用化粧品を載せた状態の手の指と指の間に毛束が存在するように、その毛束の根元又は概中間ないし毛先に指先をあてがい、その状態下に各指によって毛髪を梳きながら整髪する<43>に記載の整髪方法。
<45>
<1>ないし<41>のいずれか1に記載のシート状整髪用化粧品を用いた整髪方法であって、
ii)前記液状化粧料組成物が含浸された前記シート状整髪用化粧品を指にかかるように手の内側に広げて載せる工程、
iii)毛髪の一部を取り分けた毛束を、前記シート状整髪用化粧品を載せた状態の手で握る工程、及び
iv)毛束を握ったまま、毛束の毛先に向けて手を移動させる工程、を有する整髪方法。
<46>
<1>ないし<42>のいずれか1に記載のシート状整髪用化粧品を用いた整髪方法であって、
ii)前記液状化粧料組成物が含浸された前記シート状整髪用化粧品を指にかかるように手の内側に広げて載せる工程、
iii)毛髪の一部を取り分けた毛束のうち、先端及びその近傍の部位を、前記シート状整髪用化粧品を載せた状態の手で包む工程、及び
iv)毛束を包んだまま、手の握り・開きを繰り返し、該毛髪を揉む工程、を有する整髪方法。
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明する。しかしながら本発明の範囲は、かかる実施例に制限されない。特に断らない限り、「%」は「質量%」を意味する。また、表に記載されている液状化粧料組成物の含有量は原料の有姿によらずアクティブ量を示す。
なお、表2、表4、表5にて用いられるN−プロピオニルポリエチレンイミン・メチルポリシロキサン共重合体は以下の合成例にて得られたポリマーを使用した。
〔合成例〕
硫酸ジエチル0.8g(0.005モル)と2−エチル−2−オキサゾリン12.8g(0.14モル)を脱水した酢酸エチル29gに溶解し、窒素雰囲気下8時間加熱還流し、末端反応性ポリ(N−プロピオニルエチレンイミン)を合成した。数平均分子量をGPCにより測定したところ、2700であった。ここに、側鎖一級アミノプロピル変性ポリジメチルシロキサン(重量平均分子量100000、アミン当量20000)100gの33%酢酸エチル溶液を一括して加え、10時間加熱還流した。反応混合物を減圧濃縮し、N−プロピオニルエチレンイミン−ジメチルシロキサン共重合体を、淡黄色ゴム状固体(111g、収率98%)として得た。最終生成物のオルガノポリシロキサンセグメントの含有率は88質量%、重量平均分子量は114000であった。溶媒としてメタノールを使用した塩酸による中和滴定の結果によると、アミノ基は残存していなかった。
毛髪化粧料の塗布方法の違いによる、塗布均一性およびまとまり性を評価する目的で、以下の実施例1A及び比較例1Bを行った。
〔実施例1A〕
(1)使用するシートの準備
スパンレース法によって図2ないし図4に示す形態の不織布シート12を製造した。不織布シート12は、表1に示すとおり、レーヨン(2.2dtex繊維長38mm;70%)及びポリエステル繊維(2.2dtex繊維長38mm;30%)を原料として製造された坪量60g/m2のものであった。不織布シート12の畝及び溝の延びる方向と不織布シート12の両辺とのなす角αは60°であり、各畝の幅W1は2.0mmであり、各溝の幅W2は3.2mmであり、厚みTは1.2mmであった。第1の面21a側の畝の頂部における高低差Daは0.7mmであり、第2の面21b側の畝の頂部における高低差Dbは0.2mmであった。開孔24どうしの間隔L1は6.3mmであり、開孔24の直径L2は3mmであり、開孔24の大きさは7mm2であった。また、第1開孔領域41aを形成する菱形状の開孔域30aは、Y方向の長さL3が28mmであり、X方向の長さL4が53mmであった。第2開孔領域41bを形成するV字状の開孔域30bは、幅W3が9mmであり、一辺とX方向に延びる直線とのなす角βが30°となるように形成されていた。第1非開孔領域42aを形成するV字状の非開孔域31aの一辺も、なす角が30°となるように形成されていた。第1非開孔領域42a及び第2非開孔領域42bの幅W4は8mmであった。不織布シート12は、全体の寸法が200mm×200mmであり、全体の質量が2.4gであり、全体の坪量が60g/m2であり、畝の坪量が84g/m2であり、溝の坪量が59g/m2であった。
(2)化粧料の調製及び不織布シートへの含浸
表2に示す毛髪化粧料を常法に従って調製した。なお同表には示していないが、この毛髪化粧料100質量部に対し、蛍光成分である4,4'-ビス(2-スルフォスチル)-ビフェニルナトリウム塩を1質量部添加した。この毛髪化粧料を(1)で製造したシートへ含浸させた。毛髪化粧料の液量はシート1枚あたり10gとした。
(3)外装容器への収容
外装容器として、アルミニウム層が内装されたPET製のフィルムからなるピロー形態の袋を用いた。この外装容器は図1に示す形態のものであった。この外装容器内における内容物取出口は、概長方形の形状をしており、その面積は1200mm2(40mm×30mm)であった。この外装容器内に、(2)で調製したシート状整髪用化粧品をZ折りで折り畳み、折り畳んだ状態で5枚積み重ねて収容した。シート状整髪用化粧品は、折り畳みによって形成された折曲線が、外装容器の内容物取出口から見える位置に配置されるように、該外装容器内に収容した。また、折り畳まれた状態のシート状整髪用化粧品は、平面視での面積が70cm2であった。このようにして、目的とする整髪用化粧品を製造した。
〔比較例1A〕
実施例1で用いた毛髪化粧料を、同実施例で用いたシートに含浸させることに代えて、プラスチック容器に充填し、スプレイヤーは、吉野工業所製、M3−Sトリガーを用いた。
〔評価〕
実施例1A及び比較例1Aについて、毛髪化粧料の塗布均一性及び化粧料の乾燥後の整髪性を以下の方法で評価した。その結果を以下の表3及び図11に示す。
〔毛髪化粧料の塗布均一性〕
セミロングヘアのウィッグを使用し、ハーフヘッド評価を行った。実施例1Aのシート状化粧料については、シートを外装容器から取り出し、指にかかるように手の内側に載せて大きく一枚に広げた。シートを載せた状態の手の指と指の間に毛束が存在するように、頭頂部根元に指先をあてがい、各指によって毛髪を梳きながら毛先まで毛髪を処理した。この動作を、頭髪の外側、内側から繰り返し、塗布量が2.5gになるまで塗布した。塗布量は、天秤でシートの減量を測定しながら使用することで確認した。比較例1Aのミスト状化粧料は、頭髪から15cm離れたところから、表面も毛髪、内側の毛髪へ万遍なく噴射した。塗布量が2.5gになるまで塗布した後、手で化粧料をなじませた。前述の毛髪処理後、暗室でブラックライト(ブラックライトブルー蛍光ランプ FL20SBLB、三共電気(株)社製)を照射し、蛍光が発した部分を目視で観察した。毛髪はウィッグの最表面、最表面と最内面の中間(以降「中段」と記載する)、最内側の3段に分割し、各部分の蛍光度合で評価した。評価は以下の基準で判断した。
○:ウィッグの観察部分が根本から毛先まで全体的に光っている
△:ウィッグの観察部分が根本から毛先まで部分的に光っている
×:ウィッグの観察部分が根本から毛先までほとんど光っていない
〔化粧料の乾燥後の整髪性〕
前述のハーフヘッド評価を10名のパネラーで実施し、5分間自然乾燥した後評価した。評価は以下の基準で採点し、合計点を算出した。
5:処理した部分がまとまり、かつはね毛が抑えられている
4:処理した部分がややまとまり、かつはね毛が抑えられている
3:処理した部分がややまとまるが、はね毛がやや抑えられていない
2:処理した部分がややまとまらず、はね毛も抑えられていない
1:処理した部分がまとまらず、はね毛も抑えられていない
*1:合成例により得られたN−プロピオニルエチレンイミン−ジメチルシロキサン共重合体
*2:コータミン60W(花王社製)
*3:ソフタノール90(花王社製)
*4:エマノーンCH−60(花王社製)
*5:ニッコールBC−40TX(日光ケミカルズ社製)
表3及び図11に示す結果から明らかなとおり、実施例1Aで得られたシート状化粧料では、毛髪化粧料が頭髪全体に均一に塗布されていたのに対し、比較例1Aで得られたミスト状化粧料では、頭髪の内側ほど化粧料が部分的にしか塗布できていなかった。更に、化粧料の乾燥後の整髪性の評価の対比から明らかなとおり、実施例1Aで得られたシート状化粧料は、化粧料の塗布均一性が高いことに起因して、毛髪のまとまり性が向上していた。
〔実施例1B〕
実施例1Aにおいて、毛髪化粧料に蛍光増白剤を添加しない以外は実施例1Aと同様にして整髪用化粧品を製造した。
〔実施例2ないし4及び比較例1Bないし2〕
化粧料を、表4に示す量含浸させた。また、シートのサイズを表3に示す値とした。これら以外は実施例1Bと同様にして整髪用化粧品を製造した。
〔評価〕
実施例1Bないし4及び比較例1Bないし2で得られた整髪用化粧品について、シートの剛軟度、厚み、最大保水率、被膜形成樹脂の被膜の引っかき硬度(鉛筆法)、毛髪への化粧料の移行のしやすさ、シートからの液垂れのなさ、整髪用化粧品の使用時における手指のべたつきのなさ、整髪用化粧料の使用後の化粧料の残留に起因する不快感の有無、化粧用の乾燥後の整髪性の評価を行った。評価は以下に記載の方法で行った。結果を表4に示す。
〔評価方法〕
〔シートの剛軟度、厚み、最大保水率の測定〕
シートの剛軟度、厚み、最大含水量は、化粧料を含浸する前のシートをサンプルとして測定した。具体的な測定方法はそれぞれ以下に記載のとおりに行った。
●剛軟度の測定:
JIS L1096:2010「織物及び編物の生地試験方法」8.21剛軟度のA法(45°カンチレバー法)に準拠して、シートの剛軟度を測定した。
<測定手順>
1)試料から、20mm×約150mmの試験片を縦方向及び横方向にそれぞれ 5枚採取し、一端が45°の斜面をもつ表面の滑らかな水平台の上に試験片の短辺をスケール基線に合わせて置いた。
2)モーターによって一定速度で押し出しながら(0.3cm/秒)試験片を斜面の方向に緩やかに滑らせて、試験片の一端の中央点が斜面と接したとき他端の位置をスケールによって読む。剛軟度は、試験片が移動した長さ(mm)で示され、それぞれ5枚の表裏を測った。測定装置にはカンチレバーを用い、試験片は室温20℃、湿度65%RH環境下で24時間放置後に、室温20℃、湿度65%RHの環境下で測定した。
3)剛軟度(mm)の算出は、たて方向(流れ方向)及び横方向(幅方向)それぞれの相加平均値を算出し、小数点以下を四捨五入して算出した。なお、本方法での測定上限値は110mmであったので、測定できない硬さの試験片は剛軟度110mmとして平均値を算出することとした。
●厚みの測定:
JIS L 1096:2010に記載の「生地及び繊維製品の厚さ測定」に準拠し、化粧料を含浸する前のシートの厚さを測定した。測定には厚さ測定器FS−60DS(大栄科学精器製作所社)を用い、直径50.5mmのプレッサフットで0.3kPa荷重下で10秒放置後の値を測定した。試験片は面積が20cm2のものを5枚準備し、各試験片の平均値を算出した。
●最大保水率の測定:
JIS L1913:2010「一般不織布試験方法の6.9.2 保水率の測定法」に準拠して測定した。
<手順>
1)試料から100mm×100mmの試験片を3枚採取し、その質量を1mgまで測定した。
2)2Lのビーカーに精製水約1Lを入れ、試験片を15分間浸せきし、ピンセットで試験片の一つの角をつまんで水中から取り出して試験片を器壁に接触させずに5分間放置して水を滴り落とした後、その質量を1mgまで測定した。
3)次の式によって保水率を算出し、更にその平均値を求め、四捨五入法によって小数点以下1けたの値を算出した。
m=(m2−m1)/m1×100
m:保水率(%)
m1:試験片の標準状態での質量(mg)
m2:試験片を湿潤し、水を滴り落とした後の質量(mg)
〔被膜形成樹脂の被膜の引っかき硬度(鉛筆法)〕
JIS K5600−5−4:1999 「塗料一般試験方法 引っかき硬度(鉛筆法)」を準用して測定した。引っかき硬度(鉛筆法)を測定するための被膜は被膜形成樹脂の10質量%エタノール溶液をPETフィルム上に3cm×4cmの範囲に2g塗布して、25℃、相対湿度50%の条件で、24時間以上乾燥させることにより調製した。水平の塗膜面に鉛筆(固定角度45°、荷重750g)を押し付けることにより引っかき硬度(鉛筆法)を測定した。
〔毛髪への化粧料の移行のしやすさ〕
実施例及び比較例で得られた整髪用化粧品について、前記化粧料を含浸させたシートを外装容器から取り出し、指にかかるように手の内側に載せて大きく一枚に広げた。シートを載せた状態の手の指と指の間に毛束が存在するように、頭頂部の毛束根元に指先をあてがい、各指によって毛髪を梳きながら毛先まで一掴み分の毛束を処理した。この処理工程における、シートから毛髪への液移行性を、処理した一掴み分の毛束に対し、毛髪の根元から毛先まで十分に濡れるか否かをパネラー10名により評価した。評価は以下の基準で採点し、合計点を算出した。
5:毛髪が十分に濡れる
4:毛髪が全体的に濡れるが不十分
3:毛髪が部分的に濡れる
2:毛髪に湿り気を感じる程度
1:毛髪が濡れない
〔シートからの液垂れのなさ〕
前述の毛髪を梳いて処理する工程における、シートの液保持性をパネラー10名により評価した。評価は以下の基準で採点し、合計点を算出した。
5:使用中に液だれが観察されない
4:使用中に液だれが観察されないが、液滴が飛び散ることがある
3:使用中に液だれが観察されないが、液滴がしばしば飛び散る
2:使用中に液だれが観察される
1:使用前に液だれが観察される
〔整髪用化粧品の使用時における手指のべたつきのなさ〕
前述の毛髪を梳いて処理する工程中、工程後における、手指のべたつきをパネラー10名により評価した。評価は以下の基準で採点し、合計点を算出した。
5:工程中、工程後の両方とも手指がべたつかない
4:工程中、工程後の両方とも手指がややべたつかない
3:工程中にはややべたつくが、工程後にはややべたつかない
2:工程中、工程後の両方とも手指がややべたつく
1:工程中、工程後の両方とも手指がべたつく
〔整髪用化粧料の使用後の化粧料の残留に起因する不快感の有無〕
前述の毛髪を梳いて処理する工程後、手指が乾燥した際にシートから手指へ移行した化粧料の残留に起因する手指への不快感を、パネラー10名により評価した。評価は以下の基準で採点し、合計点を算出した。
5:使用後に手指への化粧料の残留感が全くなく、不快でない
4:使用後に手指への化粧料の残留感があまりなく、不快でない
3:使用後に手指への化粧料の残留感はややあるが、不快でない
2:使用後に手指への化粧料の残留感があり、不快である
1:使用後に手指への化粧料の残留感が強くあり、不快である
〔化粧用の乾燥後の整髪性〕
前述の毛髪を梳いて処理する工程後、5分間自然乾燥し、はねや浮き毛のある乱れた髪の整えやすさをパネラー10名により評価した。評価は以下の基準で採点し、合計点を算出した。
5:処理した部分がまとまり、かつはね毛が抑えられている
4:処理した部分がややまとまり、かつはね毛が抑えられている
3:処理した部分がややまとまるが、はね毛がやや抑えられていない
2:処理した部分がややまとまらず、はね毛も抑えられていない
1:処理した部分がまとまらず、はね毛も抑えられていない
表4に示す結果から明らかなとおり、各実施例で得られた整髪用化粧品は、使用時における手指のべたつきが少なく、また使用後に手指に化粧料が残留することに起因する不快感が生じづらいものであることが判る。また化粧料の乾燥後の整髪性に優れたものであることが判る。更に、実施例1Bないし4と実施例5及び6との対比から明らかなとおり、シートへの液の含浸量を特定の範囲に調整することで、シートから毛髪への化粧料の移行性が良好になり、かつシートからの化粧料の液垂れが起こりにくくなることが判る。
〔実施例5ないし22及び比較例3〕
実施例1Bで用いたシートと同様のものを用い、表4に記載の化粧料を、実施例1Bと同様の量で含浸させた。これら以外は実施例1と同様にして整髪用化粧料を得た。得られた整髪用化粧品について、実施例1Bと同様の評価を行った。その結果を表5に示す。
*6 :マーコート550(ナルコ社製)
*7 :ソフトキャット SL−30 ポリマー(花王社製)
*8 :ガフカット734(ISP社製)
*9 :ソフケア KG−101W−E(花王社製)
*10:ガントレッツES−225(ISP社製)
*11:ルビスコールVA73E(BASF社製)
*12:ルビスコールK90(BASF社製)
*13:ユカフォーマーM75(三菱化学社製)
*14:ダイヤフォーマーZ651(三菱化学社製)
*15:アンフォーマー28−4910(アクゾノーベル社製)
*16:プラスサイズL−9540B(互応化学工業社製)
*17:RESYN 28−2930(アクゾノーベル社製)
*18:DynamX(アクゾノーベル社製)
*19:カーボポール ETD2020(Lubrizol Advanced Materials社製)
〔実施例23ないし27〕
表1で評価した化粧料を含浸するシートから、代表的なものを選び、更に整髪用化粧品の使用時における毛髪とシートの滑り性、整髪用化粧品の使用時における毛髪の洗浄感、整髪用化粧品の使用後の毛髪のしっとり感・柔らかさ、整髪用化粧品の使用後に得られる毛髪のハリ・コシ感、整髪用化粧品の使用後に得られる毛髪の束感を評価した。評価は以下に記載の方法で行った。結果を表6に示す。
〔髪用化粧品の使用時における毛髪とシートの滑り性〕
毛髪を梳いて処理する工程における、毛髪とシート間の滑り性をパネラー10名により評価した。評価は実施例1で用いたシートと同様のものを用い、イオン交換水を実施例1Bと同様の量で含浸させたシートと比較して、以下の基準で採点し、合計点を算出した。
5:水含浸シートに比べ、シートを滑らせやすい。
4:水含浸シートに比べ、シートをやや滑らやすい。
3:水含浸シートと同等である。
2:水含浸シートに比べ、シートをやや滑らせにくい。
1:水含浸シートに比べ、シートを滑らせにくい。
〔整髪用化粧品の使用時における毛髪の洗浄感〕
毛髪を梳いて処理する工程における、毛髪への洗浄感をパネラー10名により評価した。評価は実施例1Bで用いたシートと同様のものを用い、イオン交換水を実施例1Bと同様の量で含浸させたシートと比較して、以下の基準で採点し、合計点を算出した。
5:水含浸シートに比べ、洗浄感がある。
4:水含浸シートに比べ、洗浄感がややある。
3:水含浸シートと同等である。
2:水含浸シートに比べ、洗浄感がややない。
1:水含浸シートに比べ、洗浄感がない。
〔整髪用化粧品の使用後、毛髪のしっとり感、柔らかさ〕
毛髪を梳いて処理する工程後、毛髪が乾燥した際における毛髪のしっとり感、柔らかさをパネラー10名により評価した。評価は実施例1で用いたシートと同様のものを用い、イオン交換水を実施例1Bと同様の量で含浸させたシートと比較して、以下の基準で採点し、合計点を算出した。
5:水含浸シートに比べ、毛髪がしっとりして柔らかである。
4:水含浸シートに比べ、毛髪がややしっとりして柔らかである。
3:水含浸シートと同等である。
2:水含浸シートに比べ、毛髪がややしっとりしておらず柔らかではない。
1:水含浸シートに比べ、毛髪がしっとりしておらず柔らかではない。
〔整髪用化粧品の使用後、毛髪のハリ・コシ感〕
毛髪を梳いて処理する工程後、毛髪が乾燥した際における毛髪のハリ・コシ感をパネラー10名により評価した。評価は実施例1Bで用いたシートと同様のものを用い、イオン交換水を実施例1Bと同様の量で含浸させたシートと比較して、以下の基準で採点し、合計点を算出した。
5:水含浸シートに比べ、毛髪にハリ・コシが出る。
4:水含浸シートに比べ、毛髪にややハリ・コシが出る。
3:水含浸シートと同等である。
2:水含浸シートに比べ、毛髪にややハリ・コシが出ない。
1:水含浸シートに比べ、毛髪にハリ・コシが出ない。
〔整髪用化粧品の使用後の毛髪の束感〕
毛髪を梳いて処理する工程後、毛髪が乾燥した際における毛髪の束感をパネラー10名により評価した。評価は実施例1Bで用いたシートと同様のものを用い、イオン交換水を実施例1Bと同様の量で含浸させたシートと比較して、以下の基準で採点し、合計点を算出した。
5:水含浸シートに比べ、毛髪に束感が出る。
4:水含浸シートに比べ、毛髪にやや束感が出る。
3:水含浸シートと同等である。
2:水含浸シートに比べ、毛髪にやや束感が出ない。
1:水含浸シートに比べ、毛髪に束感が出ない。
10 整髪用化粧品
11 外装容器
11a ヒートシール部
11b 上面
11c 第1側面
11d 内容物取出口
11e 開閉蓋
12 シート

Claims (11)

  1. 以下の(A)及び(B)を含有した液状化粧料組成物を、シートに1枚あたり前記液状化粧料組成物の総量が1g以上50g以下含浸させたシート状整髪用化粧品。
    (A)被膜形成樹脂0.01質量%以上20質量%以下。
    (B)水。
  2. 前記液状化粧料組成物に更に(D)界面活性剤を含有させた請求項1又は2に記載のシート状整髪用化粧品。
  3. 前記液状化粧料組成物に更に(E)炭素数が1以上6以下の一価又は多価アルコールを含有させた請求項1又は2に記載のシート状整髪用化粧品。
  4. 前記液状化粧料組成物に更に(F)アミノ変性シリコーンを含有し、被膜形成樹脂の含有量(g)に対するアミノ変性シリコーンの含有量(g)の割合が、0.01以上14以下である請求項1ないし3のいずれか一項に記載のシート状整髪用化粧品。
  5. 前記シートがセルロース系繊維を含有する請求項1ないし4のいずれか一項に記載のシート状整髪用化粧品。
  6. 前記シートが第1の面とこれに対向する第2の面を有し、第1の面と第2の面がともに凹凸構造を有する請求項1ないし5のいずれか1項に記載のシート状整髪用化粧品。
  7. 前記シートの第1の面の凸部と第2の面の凸部の位置が略一致する請求項6に記載のシート状整髪用化粧品。
  8. 前記シートの凸部の坪量が凹部の坪量より大きい請求項6又は7に記載のシート状整髪用化粧品。
  9. 前記シートが、JIS L1096:2010に準拠して45°カンチレバー法によって測定された剛軟度が10mm以上70mm以下であり、
    L 1096:2010に準拠して0.3kPa荷重下で測定された厚みが0.3mm超5mm以下である請求項1ないし8のいずれか一項に記載のシート状整髪用化粧品。
  10. 請求項1ないし9のいずれか一項に記載のシート状整髪用化粧品を用いた整髪方法であって、
    ii)前記液状化粧料組成物が含浸された前記シート状整髪用化粧品を指にかかるように手の内側に広げて載せる工程、及び
    iii)前記シート状整髪用化粧品を載せた状態の手を、毛髪の根元から毛先に向けて移動させて整髪する工程、を有する整髪方法。
  11. iii)の工程において、前記シート状整髪用化粧品を載せた状態の手の指と指の間に毛束が存在するように、その毛束の根元、又は概中間ないし毛先に指先をあてがい、その状態下に各指によって毛髪を梳きながら整髪する請求項10に記載の整髪方法。
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