JP2018065757A - シート状整髪用化粧品及びそれを用いた整髪方法 - Google Patents

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【課題】元々もつ毛髪形状と違う形に整髪した後に整髪剤を適用した際に、毛髪形状を崩すことなく毛束内部の毛髪まで整髪剤を均一に適用でき、セットした毛髪の形状を長時間維持でき、またセットした毛髪の手触りが自然なシート状整髪用化粧品及びそれを用いた整髪方法を提供すること。【解決手段】以下の成分(A)及び(B)を含有した液状化粧料組成物を、被含浸部材に含浸させたシート状整髪用化粧品。(A)被膜形成樹脂0.01質量%以上20質量%以下。(B)沸点が50℃以上260℃以下である有機溶剤を70質量%以上。【選択図】図1

Description

本発明は、シート状整髪用化粧品及びそれを用いた整髪方法に関する。
ヘアスタイルのセット保持力は整髪剤中に含まれるポリマーの粘着性やポリマー皮膜の弾性によって髪型を固定するのが一般的である。
ここで、一般的に、ポリマーの粘着性によって髪型を固定する場合には毛髪の形状を整えながら整髪剤を塗布する事ができる一方で、髪型を保持するにはセット保持力が弱い。一方、強固なポリマー皮膜の弾性により固定する場合は一旦形成された被膜が破損すると髪型を維持できなくなる事が多いため、髪を所望の形状にした後、その形状を維持するため整髪剤を髪に適用することが一般的である。この整髪剤には、剤型として例えば特許文献1に記載されているようなスプレータイプのものがあり、髪に直接スプレーを吹き付けて、毛髪に整髪剤を適用するものが知られている。
また、本出願人は、整髪性能を有するシート状毛髪化粧品として、特許文献2に記載されているように(A)被膜形成樹脂及び(B)水を含有した液状化粧料組成物を含浸させたシート状整髪用化粧品を提案している。
特開2014−108933号公報 特開2015−193621号公報
しかし、例えば、直毛をカール状に整髪したり、まとめ髪等のアレンジを施す等といった元々もつ毛髪形状と違う形に整髪した後に特許文献1に代表されるスプレータイプの整髪剤を毛髪に適用すると、毛束の表面には整髪剤を適用できるものの、セットした毛束内部の毛髪にまで整髪剤を適用することが困難であり、適用後の毛髪がごわつく等の不自然な感触を与えたり、またその形状が高湿度下で長時間維持することができず形状維持効果の点で不十分であった。更にまた、元々もつ毛髪形状と違う形に整髪した後に、毛髪化粧料を保持したシートを用いると、整髪した形状がくずれてしまうという問題があった。特許文献2に記載のシート状毛髪化粧品についても、整髪後の形状の維持性の観点から改善の余地があった。
本発明の課題は、従来技術が有する解決課題を解決し得るシート状整髪用化粧品及びそれを用いた整髪方法を提供することにある。
従来、髪の形状を変形した後で、こする、引っ張る、拭くなどの大きな物理的負荷を外部から加えると、その毛髪形状は崩れてしまうと考えられてきたところ、本発明者らは被膜形成樹脂を含む液状化粧料組成物を含浸したシート状整髪用化粧料を毛髪に適用した場合には、予想に反し、大きな物理的負荷を加えても髪型が崩れず、更にその髪型がしっかりと持続する事を見出し、これを完成した。
本発明は、以下の成分(A)及び(B)を含有した液状化粧料組成物を、被含浸部材に含浸させたシート状整髪用化粧品を提供するものである。
(A)被膜形成樹脂0.01質量%以上20質量%以下。
(B)沸点が50℃以上260℃以下である有機溶剤を70質量%以上。
また本発明は、前記シート状整髪用化粧品を用いた整髪方法であって、
i)毛髪を所望の形状に形付ける工程、及び
ii)前記液状化粧料組成物を含浸させた前記被含浸部材を毛髪にあてがい前記毛髪に前記液状化粧料組成物を塗布する工程、を有する整髪方法を提供するものである。
本発明によれば、元々もつ毛髪形状と違う形に整髪した後に整髪剤を適用した際に、毛髪形状を崩すことなく毛束内部の毛髪まで整髪剤を均一に適用でき、セットした毛髪の形状を長時間維持することができ、またセットした毛髪の手触りが自然である、シート状整髪用化粧品及びそれを用いた整髪方法が提供される。
図1は、本発明のシート状整髪用化粧品の一実施形態を示す斜視図であり、複数枚のシート状整髪用化粧品が包装体内に収容されている状態が示されている。 図2は、本発明のシート状整髪用化粧品の別の実施形態を示す平面図である。 図3は、本発明のシート状整髪用化粧品の更に別の実施形態を示す図であり、図3(a)は、開封して展開した状態の平面図、(b)開封前の斜視図である。 図4は、図3に示すシート状整髪用化粧品を開封する様子を示す模式図である。 図5は、本発明に係る被含浸部材の一実施形態を示す断面図である。 図6(a)〜(e)は、本発明に係る被含浸部材における凹凸のパターンを示す模式図である。 図7は、図1に示すシート状整髪用化粧品を用いて、頭髪に整髪処理を行う状態を示す図である。 図8は、図1に示すシート状整髪用化粧品を用いて、頭髪に整髪処理を行う別の状態を示す図である。 図9は、図1に示すシート状整髪用化粧品を用いて、頭髪に整髪処理を行う更に別の状態を示す図である。 図10は、図1〜図3に示すシート状整髪用化粧品を用いて、頭髪に整髪処理を行う状態を示す図である。
以下本発明を、その好ましい実施形態に基づき図面を参照しながら説明する。本発明のシート状整髪用化粧品は、(A)被膜形成樹脂を0.01質量%以上20質量%以下、及び(B)沸点が50℃以上260℃以下である有機溶剤を70質量%以上含有する液状化粧料組成物を、被含浸部材に含浸させている点に特徴の一つを有する。
従来、特定の形状に整髪した毛髪に対し、被膜形成樹脂を含有する液状化粧料をスプレー等の形態で毛髪に噴霧することが一般的であった。しかし、スプレー等を用いた方法では、整髪した後の毛束の表面近傍に被膜形成樹脂を施すことはできたが、毛束の内部の毛髪にまで被膜形成樹脂を施すことは困難であった。また、スプレー等を用いた噴霧では、微細な液滴を毛髪上にのせるため、被膜形成樹脂がドット状に存在し、毛髪を固定する面積は小さい。一方、本発明によれば、特定の形状に整髪した毛髪に対しても、毛束の表面だけでなく毛束の内部にまでも被膜形成樹脂を施すことが可能であり、また、毛髪上に面で被膜形成樹脂を載せることができるため、適用後の毛髪の耐湿性を飛躍的に向上させることができる。毛髪の耐湿性とは、高湿度下においても毛髪の形状が崩れず維持されることを指す。
また、整髪後の毛髪に、液状化粧料を適用しながら毛束を伸ばす等の物理的負荷を与えると、その毛髪の形状を崩してしまうことが考えられた。しかし、驚くべきことに本発明のシート状整髪用化粧品を用いると、たとえ毛髪にスタイリング剤等を何もつけずに毛髪に形状を付与した場合であっても、その毛髪に被含浸部材をあてがって物理的負荷を与えても、セットした毛髪の形状は維持されたままであった。本発明の効果は、後述する実施例においても示されている。
本発明のシート状整髪用化粧品又は整髪方法における「整髪」には、所望の方法により所望の形状に形付けた毛髪に対して、液状化粧料組成物を塗布することにより、その形状の保持性や耐湿性を向上させることや、液状化粧料組成物を毛髪に塗布しつつ毛髪を所望の形状に変形させ、保持性や耐湿性に優れた形状の毛髪や髪型を得ること等を含む。
以上のとおりの特徴を有する本発明のシート状整髪用化粧品に関し、図1〜3に示す複数の実施形態のシート状整髪用化粧品1a〜1cを用いて更に具体的に説明する。以下において、シート状整髪用化粧品1a〜1cを纏めてシート状整髪用化粧品1ともいう。
図1には、本発明の一実施形態であるシート状整髪用化粧品1aが示されている。図1には、複数枚のシート状整髪用化粧品1aが包装体2内に収容されている状態が示されている。包装体2は、液状化粧料組成物を含浸させた被含浸部材を収容可能なものを特に制限なく用いることができるが、液状化粧料組成物を含浸させた被含浸部材を密封可能なものが好ましい。
図1に示すシート状整髪用化粧品1aは、液状化粧料組成物を含浸させた被含浸部材5から形成されている。シート状整髪用化粧品1aは、図1に示すように、被含浸部材5が包装体2に密封されていることが好ましい。被含浸部材5に含浸させた液状化粧料組成物の漏出を防止することができるからである。また、液状化粧料組成物は、後述する有機溶剤を含むため、液状化粧料組成物が滲出したり揮発したりすることを効果的に防止することができる。
包装体2は、被含浸部材5を密封することができる任意の包装形態にすることができる。例えば、図1に示す包装体2は、シート21を筒状にして、筒状となった該シートにおける2つの開口部をそれぞれヒートシール部11a等によって封止することで形成したものである。このような包装体2は、その内部に被含浸部材5を収納することができる。図1に示す包装体2は、上面11b及びこれに対向する下面(図示せず)、並びに第1側面11c及びこれに対向する第2側面(図示せず)を有した略直方体状に形成されており、略直方体状に集積された複数の被含浸部材5を収容している。また、包装体2はその上面11bに内容物取出口11dを有している。
包装体2は、ある程度柔軟であり、液状化粧料組成物を透過させない任意の材料を用いて形成することができる。液状化粧料組成物は、後述するとおり有機溶剤を含むため、好ましくは該有機溶剤を透過させないシート材を用いる。具体的には、液状化粧料組成物中に含まれる有機溶剤が非透過性であるシート材が好ましく、さらに液状化粧料から揮散した有機溶剤が非透過性であるシート材が好ましい。このような性質を有するシート材を用いることで、包装体2内の被含浸部材5から液状化粧料組成物が滲出したり揮発性成分が揮発したりすることを効果的に防止することができる。このような性質を有するシート材としては、例えばアルミニウムを蒸着した熱可塑性樹脂フィルム、熱可塑性樹脂フィルムの間にアルミニウムを挟んだフィルム等が挙げられる。
包装体2は、その内部に密封されている被含浸部材5を露出させるため、開封手段を備えていることが好ましい。
例えば、図1に示すシート状整髪用化粧品の包装体2は、上面11bのほぼ中央の位置に、内容物取出口11dが形成されており、包装体2の上面11bには、内容物取出口11dの全域を覆うように開閉蓋11eが配置されている。使用に際して開閉蓋11eの一部又は全部を包装体2の上面から剥離して内容物取出口11dを露出させる。そして内容物取出口11dを通じて、包装体2内に収容されている被含浸部材5を指で摘んで外部へ取り出す。
包装体2から取り出された湿潤状態の被含浸部材5は、液状化粧料組成物が大量に含浸されている場合には、被含浸部材5どうしが貼り付き広げにくくなる傾向にあるところ、被含浸部材5を広げやすくする観点から、内容物取出口11dはその開口面積が上面11bに対して過度に大きすぎたり小さすぎないことが好ましい。具体的には、内容物取出口11dの開口面積と上面11bの面積の比が1:37〜1:1.3が好ましく、1:18〜10:1がより好ましい。
また、内容物取出口11dの面積は好ましくは25mm以上、より好ましくは100mm以上、更に好ましくは200mm以上である。さらに、内容物取出口11dはその面積が25mm以上4000mm以下であることが好ましく、100mm以上3000mm以下であることが更に好ましく、200mm以上2500mm以下であることが一層好ましい。
内容物取出口11dの形状は特に限定されず、長方形、長楕円形、正方形ないし概正方形、又は円形ないし概円形等、任意の形状にすることができる。
包装体2の上面11bには、内容物取出口11dの全域を覆うように開閉蓋11eが配置されている。開閉蓋はシート状毛髪化粧品から揮散した有機溶媒等の内容物を密閉できるものであればどのようなものでもよく、例えばヒンジを有する開閉蓋やシート状、弁状のものが挙げられる。開閉蓋11eの形状は特に限定されず、長方形、長楕円形、正方形ないし概正方形、又は円形ないし概円形等、任意の形状にすることができる。また、四角形や五角形、六角形等の多角形の角部を丸めた形状や、さらにそれらに摘み部となる突出部を設けた形状とすることもできる。包装体2の開閉蓋11eは、内容物取出口11dを繰り返し密閉可能であることが好ましい。例えば、図1に示す包装体2の場合、シート状の開閉蓋11eは、粘着剤等により包装体2を構成するシートに剥離可能に接合されていることが好ましい。その場合、シート状の開閉蓋11eは、全体が剥離可能であっても良いし、内容物取出口11dを覆う剥離可能な部分と、剥離不可能に固着された固着部分とを有していても良い。包装体2としては、図1に示すように、シート材からなるもののほか、開閉可能な蓋付きの合成樹脂製容器を用いることもできる。
また、別の形態の包装体として、2つの開口部を有する筒状の包装体2であって、筒内に被含浸部材5を収容した上でその開口部を接合するが、内容物取出口11d及び開閉蓋11eを有していない包装体が挙げられる。このような包装体においては、その一部を引き裂いたりハサミで切断したりして、被含浸部材5を取り出すことができる。引き裂きを容易とする観点から、特定の方向に沿って直線状に設けたハーフカット等の厚み方向に貫通しない切断線を有していることが好ましい。
被含浸部材5は、図1〜図3に示すように、シート状であることが好ましい。後述する毛髪の処理の際に、毛髪と被含浸部材5との接触効率を高める他、処理作業を容易することができるためである。
被含浸部材5は、液状化粧料組成物を保持することができる任意の材料を用いることができる。例えば、不織布、ガーゼ、コットン、紙等の繊維素材、スポンジ等の柔軟性多孔質体、又はこれらの複合材若しくはこれらとフィルム等との複合材等の材料を用いることができる。本実施形態の被含浸部材5には、繊維素材が好ましく用いられ、不織布であることがより好ましい。不織布は、任意の方法で製造されたものを用いることができ、例えば、湿式抄造紙、スパンレース不織布、メルトブローン不織布等の各種製法による不織布が挙げられる。
また、被含浸部材5は、毛髪に接触させる観点から、図1や図3(a)に示すように、展開時の平面視形状が、矩形であることが好ましいが、矩形以外の形状であっても良く、例えば、円形、楕円形、三角形、正方形、五角形、ハート形等の任意の形状とすることができる。
また、被含浸部材5は、一枚の繊維シートからなるものであっても良く、複数枚のシートを積層したマルチプライのシートであっても良い。
被含浸部材5は、保持した毛髪化粧料を毛髪に薄く、ムラなく、均一により塗布しやすくする点から、ドレープ性の高い柔軟なものである事が好ましい。具体的には、液状化粧料組成物の含浸前の被含浸部材5の柔軟性を、JIS L1096:2010に準拠してA法(45°カンチレバー法)によって測定された剛軟度で表したときに、この値が10mm以上であることが好ましく、30mm以上であることが好ましい。また、70mm以下、更に65mm以下、更に60mm以下、更には50mm以下であることが有利である。被含浸部材5の剛軟度の値は、流れ方向(MD)と幅方向(CD)の剛軟度の相加平均値で算出する。
このような被含浸部材5としては、スパンレース不織布が好ましい。被含浸部材5の剛軟度を調整することができ、かつ被含浸部材に含浸した被膜形成樹脂が毛髪に均一に塗り広げやすいためである。スパンレース法によって被含浸部材5を製造すると、該被含浸部材5は、その構成繊維の交絡のみで不織布形態が保たれることになる。なお、場合によっては、構成繊維の交絡のみで不織布形態を保つことに代えて、構成繊維の交絡に加え、構成繊維の交点の一部を、熱融着や接着剤による接着で結合させてもよい。後述するように、構成繊維に疎水性繊維が含まれる場合には、被含浸部材5が十分に柔軟なものとする点から交絡のみで不織布形態が保たれるものである事が好ましい。
スパンレース法で被含浸部材5を製造する場合には、被含浸部材5の構成繊維からなるウエブを形成し、該ウエブに対して流体を吹き付ければよい。流体としては、液体を用いることが好ましいが、場合によっては気体を用いてもよい。流体としては、取り扱い性が容易である点から水を用いることが有利である。スパンレース法においては、流体をウエブに吹き付けるときの圧力等を調整することで、繊維の交絡の程度を調整することができ、それによって被含浸部材5を好ましい剛軟度に調整することができる。
被含浸部材5として、不織布シート等の繊維材料を構成材料とする繊維シートを用いることが好ましい。また、被膜形成樹脂及び有機溶剤を含む液状化粧料組成物を十分量保持し、毛髪へ不織布シート中の繊維付着を効果的に抑制する観点から、被含浸部材5は疎水性繊維を含有することが好ましい。疎水性繊維として、例えばポリエチレンやポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル系繊維、アクリル樹脂、ポリアミド樹脂等の熱可塑性樹脂が挙げられる。これらの樹脂は1種を単独で又は2種以上組み合わせて用いることができる。これらの熱可塑性樹脂からなる繊維は、1種の樹脂のみからなる単一組成のものでもよく、あるいは2種以上の樹脂のブレンド物からなるものでもよい。また、2種以上の樹脂から構成される芯鞘型複合繊維や、サイド・バイ・サイド型複合繊維でもよい。なかでも、熱可塑性樹脂繊維としては、被含浸部材5の剛軟度や機械的強度の点から、ポリエチレンやポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル系繊維を用いることが好ましい。
被含浸部材5が疎水性繊維を含有する場合、液状化粧料組成物の含浸前の被含浸部材5の質量に基づく、被含浸部材に占める疎水性繊維の含有量は、被含浸部材の強度をより高める点、また、使用時に液状化粧料組成物を効率よく排液する点を重視すると、好ましくは30質量%以上、より好ましくは40質量%以上、さらに好ましくは50質量%以上であり、また好ましくは100質量%以下、より好ましくは95質量%以下、さらに好ましくは90質量%以下である。
また、この場合に、液状化粧料組成物の含浸前の被含浸部材5の質量に基づく、被含浸部材5に占めるセルロース系繊維の含有量は、好ましくは0質量%以上70質量%以下、より好ましくは5質量%以上60%質量%以下、更に好ましくは10質量%以上50質量%以下である。
被含浸部材5は、構成繊維としてセルロース系繊維を含有することができる。セルロース系繊維としては、例えば天然繊維や再生繊維等の親水性繊維を用いることができる。天然セルロース系繊維としては、例えばコットンやパルプ等が挙げられる。再生セルロース系繊維としては、例えばレーヨン、キュプラ、リヨセル、テンセル等が挙げられる。これらのセルロース系繊維は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
被含浸部材5がセルロース系繊維を含有する場合、液状化粧料組成物の含浸前の被含浸部材5の質量に基づく、被含浸部材に占めるセルロース系繊維の含有量は、被含浸部材の柔軟性や使用時の手への馴染みやすさ、また、含浸した液状化粧料組成物の徐放性及び均一塗布性を重視すると、好ましくは30質量%以上、より好ましくは40質量%以上、さらに好ましくは50質量%以上であり、また好ましくは100質量%以下、より好ましくは95質量%以下、さらに好ましくは90質量%以下である。また、この場合に、液状化粧料組成物の含浸前の被含浸部材5の質量に基づく、被含浸部材に占める疎水性繊維の含有量は、好ましくは0質量%以上70質量%以下、より好ましくは5質量%以上60%質量%以下、更に好ましくは10質量%以上50質量%以下である。
液状化粧料組成物の保持量を確保し毛髪処理の操作性を向上する観点や、携帯性の向上の観点から、繊維材料からなる被含浸部材5の厚さは、その厚みが、0.1mm超であることが好ましく、0.2mm以上であることがより好ましく、0.4mm以上であることがより好ましく、0.5mm以上であることがよりに好ましく、0.7mm以上であることが更に好ましく、0.8mm以上であることが更に一層好ましい。同様の観点から、5mm以下であることが好ましく、4mm以下であることがより好ましく、3mm以下であることが一層好ましく、1.3mm以下であることが更に一層好ましい。被含浸部材5の厚みは、JIS L 1096:2010に記載の「生地及び繊維製品の厚さ測定」に準拠して測定し、例えば、厚さ測定器FS−60DS(大栄科学精器製作所社)を用いて、0.3kPa荷重下で測定される。
同様の観点から、繊維材料からなる被含浸部材5の坪量は、被含浸部材5にドレープ性を与えて手櫛による毛髪処理の操作性を向上するのに適した剛軟度を与え、液状化粧料組成物を十分に保持させる観点から、その坪量が、10g/m以上、更に15g/m以上、更に20g/m以上、更に25g/m以上であることが好ましい。同様の観点から、200g/m以下、更に150g/m以下、更に100g/m以下であることが好ましい。
被含浸部材5の大きさは、毛髪を処理するのに十分な大きさであれば、どのような大きさであっても構わないが、毛髪の半分以上にしっかりと液状化粧料を塗布する場合には、毛髪に十分に行き渡たる量の化粧料を含浸させる観点や、毛髪への塗布操作を円滑に行う観点から、被含浸部材5はその見かけ面積が25cm以上、更に50cm以上、更に100cm以上、更に200cm以上であることが好ましい。同様の観点から、被含浸部材5はその見かけ面積が1600cm以下、更に900cm以下、更に700cm以下であることが好ましい。見かけ面積とは、被含浸部材5を平坦に広げ、平面視した状態でその輪郭によって画定される領域の面積のことである。したがって、被含浸部材5が凹凸や開孔を有していても、それらは見かけ面積に影響を及ぼすものではない。
液状化粧料の徐放性をコントロールし、液状化粧料を毛束全体により均一に適用する観点から、被含浸部材5の片面又は両面には、その表面に凹凸を有しても良く、毛髪に接触する面に凹凸を有することが好ましい。また、毛髪に接触する面には、凹凸が一方向に並んだ凹凸列を複数有することがより好ましい。このような凹凸は、例えばエンボス加工、又は特開2014−108306号公報の段落〔0035〕に記載の目開き(孔部)を有するメッシュの網や、凸部を有する回転ローラーに繊維構造体を押し付けることにより施すことができる。このような凹凸を有する被含浸部材5としては、図5のように、一方の面において凸部が形成された位置と、他方の面に凸部が形成された位置とが略一致しているものが更に好ましい。
被含浸部材5の表面に凹凸構造を形成する場合、凸部又は凹部は散点状に分散配置されていてもよく、あるいは、被含浸部材5の面内に沿って特定の一方向に延びるように多列に形成されていてもよい。均一に液状化粧料組成物を毛髪に適用し、髪のまとまりをより一層良くする観点から、凹凸構造は被含浸部材5の面内に沿って一方向に延びており、これが多列に形成されていることが好ましい。この理由はシート状整髪用化粧品1を用いて手櫛で髪を処理又は清拭する際、一方向に伸びた凹部に毛髪がはまることで、毛髪とシート状整髪用化粧品1との接触面積が増加して、より一層均一に液状化粧料組成物が適用されるためと予想される。このような凹凸パターンとして、例えば平面視において複数の凸部522又は凹部523が横方向及び縦方向に並んだものや〔図6(a)及び(c)〕、複数の凸部522が千鳥状に並んだもの〔図6(b)〕、一方向に連続した凸部(畝)が複数並んでいるもの〔図6(d)〕、一方向に複数の凹部が並んだ凹部列と同じく一方向に複数の凸部が並んだ凸部列が交互に並んだもの〔図6(e)〕が挙げられる。
本発明のシート状整髪用化粧品は、毛髪処理中に手にベタツキや違和感を感じる事を防止する観点から、被含浸部材5の毛髪に適用する面とは反対側の面に液不透過性シート3を有していてもよい。
このような液不透過性シートとしては、被含浸部材5に含浸させた有機溶剤を透過させないシート材であれば良く、例えば熱可塑性樹脂、アルミニウムを蒸着した熱可塑性樹脂フィルム、熱可塑性樹脂フィルムの間にアルミニウムを挟んだフィルム等が挙げられる。
液不透過性シート3を有している実施形態として、図1に示すシート状整髪用化粧品における被含浸部材5の一方の面に液透過性フィルムを単に接合した実施形態の他、例えば図2に示す実施形態、図3に示す実施形態が挙げられる。図2に示すシート状整髪用化粧品1bは、包装体2が2枚の別体のシート21,3の四方を接合することで形成されており、これらシート21,3間で被含浸部材5を密封している。この包装体2は、その四隅の内少なくともの1つに、上面2aを形成するシート21と下面2b(図示しない)を形成する液不透過性シート3との間が接合されていない摘み部9を備えており、上面2aを形成するシート21を、摘み部9を始点にして、包装体2の対角線方向に引っ張ることで、該シート21の全体をシート3から剥がすことができる。これにより、包装体2に密封されていた被含浸部材5が露出される。
他方、さらに別の実施形態である図3に示すシート状整髪用化粧品1cの包装体2は、1枚の2つ折りにした液不透過性シート3の間に被含浸部材5を挟み、2つ折りにしたシートの三方をシール部6,7において接合することで袋状に形成されており、液不透過性シート3間で被含浸部材5を密封している。この包装体2を開封するには、まず摘み部9の部分で2枚重ねとなっている液不透過性シート3を両開きにする(図4(a)参照)。そして、ノッチ91を有する方の液不透過性シート3を引っ張ることにより(図4(b)参照)、液不透過性シート3が引き裂かれて、密封した被含浸部材5を露出させることができる(図4(c)参照)。図2及び図3に示すように、包装体2の全部又は一部が、液不透過性シート3から形成されていてもよい。また、包装体2又は液不透過性シート3は、摘み部9やノッチ91等の開封手段を備えていることが好ましい。
被含浸部材5と液不透過性シート3とは、接着剤、熱融着等の公知の接合方法により結合することができる。本実施形態におけるシート状整髪用化粧品1には、被含浸部材5と液不透過性シート3とを、ヒートシール、超音波シール、高周波シール等の、接着剤以外の方法で結合することが、製品形態の安定性の点から、好ましい。ただし、必要に応じて接着剤を単独で使用することでき、接着剤と接着剤以外の方法(熱融着等)とを併用することもできる。
例えば図2及び図3で示す実施形態において、被含浸部材5は液不透過性シート3と結合している。このように被含浸部材5は、該被含浸部材5の一部又は全てが液不透過性シート3と結合していることが好ましい。また、被含浸部材5において毛髪と接触する面とは反対の面の1箇所又は複数個所で、液不透過性シート3と部分的に結合していることがより好ましい。より具体的には、図2及び図3(a)に示すように、被含浸部材5と液不透過性シート3との主面どうしが、横方向X及びその縦方向Yに相互に離間した複数の固定部54、55で結合されている。
なお本実施形態のシート状整髪用化粧品1cは、図3(a)に示すように、本実施形態の被含浸部材5を平面視した際に、長辺となる辺であって互いに平行な第1辺と、短辺となる辺であって互いに平行な第2辺との関係において、第1辺と平行である横方向Xと、該横方向Xと直交する縦方向Yとを有する。
また、廃棄物低減の観点から、液不透過性シート3は、包装体2の一部又は全部を形成していることが好ましい。例えば、図3(b)に示すように、包装体2は、液不透過性シート3を二つ折にして形成されている。また、図2に示す実施形態において、液不透過性シート3は、包装体2の下面2b(図示しない)を形成している。
液状化粧料組成物を含浸させた被含浸部材5は、包装体2内に密封されていることが好ましいが、包装体2内において被含浸部材5は、折り畳まれていないか(図2参照)、所定の形状に折り畳まれている状態(図1及び図3では図示せず。)で密封されている。被含浸部材5の主面の面積が、包装体2の主面の面積よりも大きい場合やシート状整髪用化粧品1の携帯性を高める観点からは、被含浸部材5は、折り畳まれている状態で包装体2内に密封されていることが好ましい。
次に、被含浸部材5に含浸される液状化粧料組成物について説明する。液状化粧料組成物は以下の成分(A)及び(B)を含有した液状化粧料組成物である。
(A)被膜形成樹脂0.01質量%以上20質量%以下。
(B)沸点が50℃以上260℃以下である有機溶剤70質量%以上。
(A)及び(B)を含有した液状化粧料組成物を被含浸部材5に含浸させることで、毛髪上に(A)の被膜を薄くかつ均一に作ることができ、元々の形状と異なる形に整髪した後に適用しても毛髪形状を維持することができる。また成分(A)由来のごわつきも低減する事ができる。
本発明において成分(A)の被膜形成樹脂とは、JIS K5600−5−4に準拠した引っかき硬度(鉛筆法)が6B以上4H以下であるものを指す。この引っかき硬度(鉛筆法)とはJIS5600−5−4:1999を準用して得る膜の硬度を示す値であって、被膜形成樹脂の塗布膜を調製した後、水平の塗布面に対し、固定角度(45°)、荷重750gで鉛筆を押し付けることによって測定することができる。したがって、引っかき硬度(鉛筆法)は6B〜6Hで表され、引っかき硬度(鉛筆法)6Bである膜が最も軟らかく、6Hである膜が最も硬い。
成分(A)の被膜形成樹脂は、毛髪の表面に付与されることで、毛髪の表面に被膜を形成し得るものである。形成される被膜の引っかき硬度(鉛筆法)は、好ましくは4H以下、より好ましくは3H以下であり、また好ましくは6B以上4H以下、より好ましくは3B以上3H以下、より好ましくはB以上3H以下、更に好ましくはH以上3H以下である。引っかき硬度(鉛筆法)がこの範囲となる被膜を形成し得る樹脂を用いることで、所望のスタイルに整髪した毛髪をより長時間維持することができる。
引っかき硬度(鉛筆法)を測定するための被膜は、被膜形成樹脂の10質量%エタノール溶液をPETフィルム上に3cm×4cmの範囲に2g塗布して、25℃、相対湿度50%RHの条件で、24時間以上乾燥させることにより調製する。
前記の被膜形成樹脂としては、整髪剤として当該技術分野でこれまで用いられてきたものと同様のものを用いることができる。被膜形成樹脂には、その化学的な構造によって、陽イオン性樹脂、陰イオン性樹脂、非イオン性樹脂及び両性樹脂に分類される。
本発明で用いることのできる陽イオン性樹脂としては、例えばビニルピロリドン・メタクリル酸ジメチルアミノエチル共重合体ジエチル硫酸塩(H・CポリマーIS(M)、H・Cポリマー2等(大阪有機化学工業社))、ビニルピロリドン・ジメチルアミノプロピルメタクリルアミド・ラウリルジメチルアミノプロピルメタクリルアミド共重合体(スタイラーゼW−20(アシュランド社))、ポリ塩化ジメチルメチレンピペリジニウム(マーコート100(ルブリゾル社))、塩化ジメチルジアリルアンモニウム・アクリルアミド共重合体(マーコート550(ルブリゾル社))、ビニルピロリドン・N,N−ジメチルアミノエチルメタクリル酸共重合体ジエチル硫酸塩(ガフカット734(アシュランド社))、ビニルピロリドン・ジメチルアミノエチルメタクリレート共重合体(ガフカット440(アシュランド社))、N,N−ジメチルアミノエチルメタクリル酸ジエチル硫酸塩・N,N−ジメチルアクリルアミド・ジメタクリル酸ポリエチレングリコール共重合体(ソフケア KG−101W−E、ソフケア KG−301P等(花王社))、アンモニウム変性ヒドロキシエチルセルロース(ソフトキャット SL−30 ポリマー(ダウケミカル社製))、N−プロピオニルポリエチレンイミン・メチルポリシロキサン共重合体(ポリシリコーン−9)、アクリルアミド/アクリル酸DMAPA/メタクリル酸メトキシPEGコポリマー、等が挙げられる。これらのうち、耐湿性と適用後の毛髪の自然な感触の観点から、アクリルアミド/アクリル酸DMAPA/メタクリル酸メトキシPEGコポリマー、塩化ジメチルジアリルアンモニウム・アクリルアミド共重合体、ビニルピロリドン・N,N−ジメチルアミノエチルメタクリル酸共重合体ジエチル硫酸塩、N,N−ジメチルアミノエチルメタクリル酸ジエチル硫酸塩・N,N−ジメチルアクリルアミド・ジメタクリル酸ポリエチレングリコール共重合体、アンモニウム変性ヒドロキシエチルセルロース、N−プロピオニルポリエチレンイミン・メチルポリシロキサン共重合体(ポリシリコーン−9)を用いることが好ましい。
陰イオン性樹脂としては、例えばアクリル酸アルキル・ジアセトンアクリルアミド共重合体(プラスサイズL−9540B、プラスサイズL−53P、プラスサイズL−9909B等(互応化学工業社))、アクリル酸アルキル・オクチルアクリルアミド共重合体(Dermacryl 79(アクゾノーベル社))、酢酸ビニル・クロトン酸・ネオデカン酸ビニル共重合体(RESYN 28−2930(アクゾノーベル社))、アクリル酸・アクリル酸アミド・アクリル酸エチル共重合体(ウルトラホールド8、ウルトラホールドStrong(BASF社))、アクリル酸アルキル共重合体(アニセットNF−1000、アニセットHS−300等(大阪有機化学工業社))、ポリエチレングリコール・ポリプロピレングリコール−25・ジメチコン・アクリレーツ共重合体(ルビフレックスSILK(BASF社))、イソホロンジイソシアネート・ジメチロールプロピオン酸・(ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレン)4,4’−イソプロピリデンジフェノール共重合体(DynamX(アクゾノーベル社))等が挙げられる。耐湿性と適用後の毛髪の自然な感触の観点から、アクリル酸アルキル・ジアセトンアクリルアミド共重合体、酢酸ビニル・クロトン酸・ネオデカン酸ビニル共重合体、イソホロンジイソシアネート・ジメチロールプロピオン酸・(ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレン)4,4’−イソプロピリデンジフェノール共重合体が好ましい。
非イオン性樹脂としては、例えばポリビニルピロリドン(ルビスコールK17、ルビスコールK30、ルビスコールK90(BASF社))、ビニルピロリドン・酢酸ビニル共重合体(ルビスコールVA73E、ルビスコール37E(BASF社))、ビニルメチルエーテル・マレイン酸アルキル共重合体(ガントレッツA−425、ガントレッツES−225等(アシュランド社)、ビニルピロリドン・メタクリルアミド・ビニルイミダゾール共重合体(ルビセットクリア(BASF社)、ポリビニルカプロラクタム(ルビスコールプラス(BASF社))ポリシリコーン―28等が挙げられる。これらのうち、耐湿性と適用後の毛髪の自然な感触の観点から、ポリビニルピロリドン、ビニルピロリドン・酢酸ビニル共重合体、ビニルメチルエーテル・マレイン酸アルキル共重合体、ポリシリコーン−28が好ましい。
両性樹脂としては、例えばアクリレーツ・アクリル酸ラウリル・アクリル酸ステアリル・メタクリル酸エチルアミンオキシド共重合体(ダイヤフォーマーZ651(三菱化学社))、メタクリロイルオキシエチルカルボキシベタイン・メタクリル酸アルキル共重合体(ユカフォーマーM75、ユカフォーマーR205 等(三菱化学社))、オクチルアクリルアミド・アクリル酸ヒドロキシプロピル・メタクリル酸ブチルアミノエチル共重合体(アンフォーマー28−4910(アクゾノーベル社))、アクリル酸オクチルアミド・アクリル酸ヒドロキシプロピル・メタクリル酸ブチルアミノエチル共重合体(アンフォーマーSH30(アクゾノーベル社))等が挙げられる。これらのうち耐湿性と適用後の毛髪の自然な感触の観点から、アクリレーツ・アクリル酸ラウリル・アクリル酸ステアリル・メタクリル酸エチルアミンオキシド共重合体、メタクリロイルオキシエチルカルボキシベタイン・メタクリル酸アルキル共重合体、オクチルアクリルアミド・アクリル酸ヒドロキシプロピル・メタクリル酸ブチルアミノエチル共重合体が好ましい。
以上の各種の被膜形成樹脂は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。液状化粧料組成物に占める被膜形成樹脂の含有量は、耐湿性を向上させる観点から、以下に述べる上限値を超えないことを条件として、0.01質量%以上、好ましくは0.1質量%以上、より好ましくは1.0質量%以上、より好ましくは2.0質量%以上、より一層好ましくは2.5質量%以上、更に一層好ましくは3.0質量%以上である。また、耐湿性と適用後の毛髪の自然な感触を両立させ、更に塗布時に手指のべたつきを低減し、更に塗布後、手指が乾燥した後に感じる手指への液状化粧料組成物の残留感を軽減する観点から、上述した下限値を下回らないことを条件として、液状化粧料組成物に占める被膜形成樹脂の含有量は、20質量%以下、好ましくは15質量%以下、より好ましくは12質量%以下、より好ましくは10質量%以下、より好ましくは8質量%以下、更に好ましくは6質量%以下である。液状化粧料組成物に占める被膜形成樹脂の濃度をこの範囲内に設定することで、所望の形状に整髪した後に適用した毛髪の感触が自然であり、かつ耐湿性を両立することができる。また、必要十分な量の液状化粧料組成物を被含浸部材5に含浸させ得る粘度を液状化粧料組成物に付与することができる。更に、被膜形成樹脂を被含浸部材5に含浸させれば、液状化粧料組成物の垂れを防止し得る程度の粘度を液状化粧料組成物に付与することができる。
特に、耐湿性の観点からは、液状化粧料組成物に占める被膜形成樹脂の含有量が3質量%以上12.0質量%以下である場合に、被膜形成性樹脂が本来有する被膜物性が一層引き出されやすくなり、その結果高湿度下で毛髪形状を保持することができながらも、毛束がごわつくことを防止することができる。スプレー等の形態で液状化粧料組成物を付与するといったこれまでの方法では、このような効果は不十分であったところ、本発明に従いシート状整髪用化粧品を用いて被膜形成樹脂を毛髪に付与すれば、該被膜形成樹脂を均一に塗布することが容易に可能となる。
本発明の液状化粧料組成物は、上記成分(B)の沸点が50℃以上260℃以下である有機溶剤を70質量%以上含有する。シート状整髪用化粧品で塗布された毛髪中の水素結合が切断されることを防ぐためである。成分(B)の有機溶剤の沸点は50℃以上であるが、好ましくは60℃以上、より好ましくは70℃以上であり、または260℃以下であるが、好ましくは180℃以下、より好ましくは100℃以下であり、または50℃以上260℃以下であるが、好ましくは60℃以上180℃以下、より好ましくは70℃以上100℃以下である。液状化粧料組成物を塗布後、毛髪の表面に有機溶剤が残らないよう、より多くの有機溶剤を揮発させるためである。
沸点が50℃以上260℃以下である有機溶剤〔成分(B)〕としては、炭素数1〜4の1価のアルコール、下記一般式(1)で表される炭素数9〜21の液状油、及び数平均分子量10以上1500以下のシリコーンからなる群から選ばれる1種以上の成分であることが好ましい。シート状整髪用化粧品で塗布された毛髪の形状(スタイル)をより長時間維持するためである。
Figure 2018065757
(式中、R〜Rはそれぞれ独立して水素原子又はメチル基を示す。Xは−CH−、−COO−又は−CHCOO−を示す。nは1〜7、mは0〜2、lは0〜2を示し、n+m+lは1〜7である。ただし、m及びlが共に1以上であるときは、RからRのいずれか1つはメチル基である。)
炭素数1〜4の1価のアルコールとしては、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、tert−ブチルアルコール、1,3−ブチレンアルコールが好ましく、より好ましくはエタノール、プロパノール、イソプロパノールであり、更に好ましくはエタノールである。
一般式(1)で表される液状油のうち好ましい液状油としては、Xが−CH−、mが0、lが0であり、nが1〜3であるイソドデカン及び水添ポリイソブテンが挙げられる。このようなイソドデカンとして、一般式(1)においてR、R及びRがメチル基、Rが水素原子、n=1であるイソドデカン(マルカゾールR、丸善石油化学株式会社)が挙げられる。また、水添ポリイソブテンの場合、一般式(1)中のnは、カッコ内のイソブテンの平均重合度を示し、1〜2がより好ましく、1が更に好ましい。このような化合物として、一般式(1)においてR、R及びRがメチル基、Rが水素原子であり、n=1である水添ポリイソブテン(パールリーム3、日油株式会社)、R、R及びRがメチル基、Rが水素原子であり、n=2である水添ポリイソブテン(パールリーム4、日油株式会社)が挙げられる。
液状化粧料組成物に占める成分(B)の含有量は、好ましくは70質量%以上、より好ましくは75質量%以上、より好ましくは80質量%以上、より好ましくは85質量%以上、より好ましくは90質量%以上、更に好ましくは95質量%以上である。また、好ましくは99.9質量%以下、より好ましくは99.0質量%以下、より好ましくは98.0質量%以下、更に好ましくは97.0質量%以下である。
また、成分(B)は1種又は2種以上併用してもよい。成分(B)を1種のみ使用する場合には、炭素数1〜4の1価のアルコールが好ましく、エタノールを使用するのがより好ましい。また、2種以上併用する場合は、炭素数1〜4の1価のアルコールとそれ以外の成分(B)を併用することが好ましく、エタノールとそれ以外の成分(B)を併用する事がより好ましい。
また、数平均分子量10以上1500以下のシリコーンは、適用時の毛束とシートの間のすべり性の観点から、数平均分子量が好ましくは150以上、より好ましくは200以上であり、また乾燥後の毛束感のなさ、軽さの観点から、好ましくは1000以下、より好ましくは700以下、更に好ましくは500以下である。
数平均分子量10以上1500以下のシリコーンの具体例として、例えばオクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン、メチルシクロポリシロキサン等の環状シリコーン;オクタメチルトリシロキサン、テトラデカメチルヘキサシロキサン、メチルトリメチコン、25℃における動粘度が例えば0.5mm/s以上10mm/s以下のメチルポリシロキサン等の鎖状シリコーン等が挙げられる。その中でも、デカメチルシクロペンタシロキサン、メチルトリメチコン、25℃における動粘度が0.5mm/s以上6mm/s未満のメチルポリシロキサン等の鎖状シリコーンが好ましく、デカメチルシクロペンタシロキサン、メチルトリメチコンがより好ましい。
液状化粧料組成物の水の含有量は0質量%以上5質量%以下であることが好ましい。斯かる構成により、所望の形状に整髪した後に、本発明のシート状整髪用化粧品を適用しても、毛髪形状が崩れるのをより防止することができる。この効果をより確実に奏させるため、液状化粧料組成物の水の含有量は、好ましくは2質量%以下、より好ましくは1質量%以下、更に好ましくは、0.1質量%以下であり、さらに好ましくは水を実質的に含有しないことである。
また液状化粧料組成物には、本発明のシート状整髪用化粧品を適用した後、髪がごわつかず良好な感触にする観点から、可塑剤を入れても良い。このような可塑剤としてはポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキレン硬化ヒマシ油、調査アルキルグリセリルエーテル等のノニオン界面活性剤、ジプロピレングリコール、グリセリン等の多価アルコールが挙げられる。
また、液状化粧料組成物には清涼感を与えるためのメントール等の清涼剤、温感剤、毛髪にさらさら感を付与するための粉体、消臭剤、防腐剤、香料、キレート剤等を配合してもよい。
また、顔料及び染料を液状化粧料組成物中に含むこともできるが、毛髪への着色を希望しない場合には顔料及び染料の含有量は1%未満が好ましく、0.5%未満がより好ましく、0.1%未満が更に好ましい。ここで染料とは直接染料の他、酸化染料の前駆体となるカプラーやプレカーサーを含んだ総称をいう。
ところで、頭髪全体に液状化粧料組成物を移行させるために十分な液量をシートに浸み込ませると、液が垂れてしまい、顔や衣服に飛び散るなど、使用勝手が悪いという問題がある。また、液垂れを防ぎつつ耐湿性を付与するために、被膜形成樹脂を高濃度に液状化粧料組成物に含有させると、塗布する際に毛髪のみでなく、手にも移行し、手に剤が載った不快感や、手がべたつくという問題が顕著になってしまう。そこで本発明においては、特に上述のように頭髪の半分以上にしっかりと液状化粧料組成物をいきわたらせるように被含浸部材5の大きさを規定した場合には、液状化粧料組成物の総量を、1枚の被含浸部材5当たり1g以上にすることが好ましい。特に頭髪全体に液状化粧料組成物を十分にいきわたらせる場合には、好ましくは6g以上、より好ましくは7g以上、更に好ましくは8g以上にするのが好ましい。また、毛髪が濡れすぎることなく、顔や衣服に液状化粧料組成物が飛び散らないという観点から、液状化粧料組成物の総量は、1枚の被含浸部材5当たり50g以下、好ましくは30g以下、より好ましくは25g以下、より好ましくは20g以下、更に好ましくは15g以下である。例えば液状化粧料組成物の総量は、1枚の被含浸部材5当たり1g以上50g以下であることが好ましく、7g以上20g以下であることがより好ましい。特に、上述した厚さや坪量や大きさを有するシート1枚当たりに、この範囲の総量の液状化粧料組成物を保持させることが好ましい。この範囲の量の液状化粧料組成物を含浸させることにより、十分な量の液状化粧料組成物を毛髪に移行させることができる。また、シート状整髪用化粧品1からの液状化粧料組成物の垂れが起こりにくくなり、整髪用化粧品の使い勝手が良好になる。この範囲の液状化粧料組成物の量は、従来の皮膚用のシート状化粧品よりも多量である。この理由は、本実施形態の整髪用化粧品は、毛髪へ十分な量の液状化粧料組成物を付与して毛髪形状の保持性、持続性及び耐湿性を高めることを目的としているからである。また、毛髪に十分な量の液状化粧料組成物を浸透させて、跳ね毛や浮き毛を抑え、毛髪にまとまりを与えるためである。
また、シート状整髪用化粧品1における液状化粧料組成物の耐湿性を高くし、かつ毛髪への液状化粧料組成物の転移量も高くする観点から、被含浸部材5が保持する液状化粧料組成物の質量は、被含浸部材5の質量に対し、好ましくは100質量%以上、より好ましくは200質量%以上、更に好ましくは250質量%以上であり、また好ましくは800質量%以下、より好ましくは700質量%以下、更に好ましくは600質量%以下であり、または好ましくは200質量%以上800質量%以下、より好ましくは200質量%以上700質量%以下、更に好ましくは250質量%以上600質量%以下である。
被含浸部材5のエタノールの最大保液率は、好ましくは200質量%以上、より好ましくは300質量%以上、更に好ましくは400質量%以上であり、また好ましくは2000質量%以下、より好ましくは1500質量%以下、より好ましくは1000質量%以下、更に好ましくは900質量%以下である。
被含浸部材5のエタノールの最大保液率は、以下の方法により測定される。
1)100mm×100mmの試験片を3枚採取し、その質量(m1)を1mgまで測定する。
2)2Lのビーカーにエタノールを約1L入れ、試験片を15分間浸漬し、ピンセットで試験片の一つの角をつまんでエタノール中から取り出し、試験片を器壁に接触させずにエタノールが滴らないまで放置してエタノールを滴り落とした後、その質量(m2)を1mgまで測定する。
3)次の式によってエタノール最大保液率を算出し、更にその平均値を求め、四捨五入によって小数点1桁の値を算出する。
m=(m2−m1)/m1 ×100
m:エタノールの最大保液率(質量%)
m1:試験片の標準状態での質量(mg)
m2:試験片をエタノールに含浸させ、エタノールを滴り落とした後の質量(mg)
4)エタノールの最大保液率に被含浸部材5の質量を掛け合わせ、エタノールの最大保液量を算出する。
以上の構成を有する本実施形態のシート状整髪用化粧品1は、例えばカールセットのように毛髪の形状を立体的にセットした際の毛髪に好ましく用いることができる。また、例えば外出先においてしたスポーツ、通勤通学時の整髪に用いることができる。また、梅雨時の毛髪の広がり・うねり、浮き毛対策にも用いることができる。
本発明のシート状整髪用化粧品1を用いた整髪方法は、
i)毛髪を所望の形状に形付ける工程、及び
ii)前記液状化粧料組成物を含浸させた前記被含浸部材を毛髪にあてがい前記毛髪に前記液状化粧料組成物を塗布する工程、を有する。
前記i)の工程の前に、毛髪を所望の形状に形付けしやすくする観点から、本発明のシート状整髪用化粧品又はヘアスプレー以外の毛髪化粧料をあらかじめ毛髪に適用しても良い。このような毛髪化粧料としてはジェル、ヘアローション、ヘアミルク、ヘアフォーム、ヘアミスト等の水系毛髪化粧料、ヘアオイル、ヘアワックス等が挙げられる。
前記i)の毛髪を所望の形状に形付ける工程における、毛髪の形状とは所望のものであれば特に制限されず、例えば、カールスタイル、ストレートヘアスタイル、ヘアピン、ヘアゴム等の結束具で毛髪を束ねたまとめ髪スタイル等が挙げられる。
前記i)の工程において、毛髪は乾いていても良く、水又は前述の水系毛髪化粧料で湿っていても良いが、湿っている方が好ましい。
また、前記i)の工程において、毛髪を形付ける際に、毛髪を加熱しても良いし、加熱せずに形付を行っても良いが、加熱器具を用いて形付けを行うのが好ましい。
ここで加熱器具とは、ドライヤー、ホットカーラー、ヒーター、ヘアアイロン等が挙げられる。毛髪を所望の形状に形付ける工程として、従来公知の方法を用いることができる。
なお、前記i)の工程における毛髪の形付けとは、永久的な毛髪変形でも半永久的な毛髪変形でもなく、素髪、すなわち髪を洗髪し乾かした状態の毛髪を所望の形状に形付けることを言う。このため、前記i)の工程で形付けした毛髪は、シャンプー等による洗髪によって、素髪の形状に戻すことができる。
前記ii)の工程について、自分の頭髪を、そのヒト自身が、シート状整髪用化粧品1を用いて処理する場合を例にして説明する。処理者は、処理したい形付けされた毛髪へシート状整髪用化粧品1を手に持ち、シート状整髪用化粧品1を毛髪へ接触させて毛髪に液状化粧料組成物を塗布する。シート状整髪用化粧品1は処理する毛髪の部位、量によって、手の上に広げて持ってもよく、或いは折りたたんで持ってもよい。
シート状整髪用化粧品1で毛髪を処理する方法としては、手に広げられたあるいは折り畳まれた状態のシート状整髪用化粧品1で、形付けされた毛髪を包んで接触させる方法が挙げられる。この方法では形付された毛髪はシート(シート状整髪用化粧品1)に接触し、さらにそのシートを持った手によって毛束を握る操作で、液状化粧料組成物を毛髪に適用することもできる。具体的な方法を、図7〜9を用いて説明する。
図7(a)及び(b)に示す整髪方法は、図1に示すシート状整髪用化粧品1aを指にかかるように手の内側の上に広げて載せ、その状態を維持して手指を毛髪の根元にあてがい、毛髪に液状化粧料組成物を塗布する。まず、図7(a)に示すとおり、頭頂部付近の毛髪の根元に指先を配置して、シート状整髪用化粧品1を毛髪に当接させる。そして、シート状整髪用化粧品1aを毛髪に当接させた状態を維持しつつ、図7(b)に示すとおり、手を毛髪の根元から毛先へ向けて移動させ、整髪操作を行う。この操作を毛髪全体に対して行うこともでき、あるいは毛髪のうちの一部に対して行うこともできる。この処理操作は繰り返し行うことが好ましい。液状化粧料組成物の毛髪への塗布量を十分確保する観点から、指にかかるように手の内側の上に載せたシート状整髪用化粧品1aの位置を変更しながら、各回の処理操作をすることが好ましい。
図7(a)及び(b)に示す操作を行う場合には、シート状整髪用化粧品1aを載せた状態の手の指と指の間に毛束が存在するように、毛髪の根元に指先をあてがい、その状態下に各指によって毛髪を梳きながら整髪することもできる。例えば、シート状整髪用化粧品1aを載せた手の指を若干立てた状態で毛髪の根元に指を挿入し、指先を頭皮に間接的に接触させた状態で、指で毛髪を梳くことができる。このような操作を行うことで、いわゆる「手ぐし」感覚で整髪することができ、整髪操作を一層容易に行うことができる。
本整髪操作は毛髪の中間、すなわち毛髪の根元と毛先の間に指先をあてがい、上述の操作をすることもできる。
図7(b)では毛髪の外側面(最表面)に液状化粧料組成物を塗布しているが、更に毛髪の内側面(すなわち頭皮寄りの側)に手のひらを配置し、シート状整髪用化粧品1を載せた状態の手の指と指の間に毛束が存在するように、毛髪の根元又は毛髪の中間に指先をあてがい、その状態下に各指によって毛髪を梳きながら毛髪に液状化粧料組成物を塗布することもできる。
図8(a)及び(b)には、図1に示すシート状整髪用化粧品1aを用いた別の整髪方法が示されている。この方法においては、シート状整髪用化粧品1aを手の内側の上に広げて載せる。そして整髪したい毛髪の一部(図8における毛束100)を、シート状整髪用化粧品1aを載せた状態の手で握る。毛束100を握る位置は、毛束100の根元に近い位置である他、根元と毛先の中間や毛先に近い位置であってもよい。そして図8(b)に示すとおり、毛束100を握ったまま、毛束100の毛先に向けて、シート状整髪用化粧品1aを持った手を移動させる。このように、シート状整髪用化粧品1aを毛束100の根元から毛先に向けて滑らせやすいように移動させることで、シート状整髪用化粧品1aに含浸されている液状化粧料組成物が効果的に毛束内に浸透する。この操作を毛髪全体に対して行うこともでき、あるいは毛髪のうちの一部に対して行うこともできる。この整髪方法は、ストレートスタイルを維持する際に特に有効である。図8の整髪方法は本願発明のシート状整髪用化粧品1であれば実現でき、例えば図2、図3に示すシート状整髪用化粧品1b,1cでも同様の処理ができる。
図9(a)及び(b)には、図1に示すシート状整髪用化粧品1aを用いた更に別の整髪方法が示されている。この方法においては、上述したように、シート状整髪用化粧品1aを手の内側の上に広げて載せる。図9(a)に示すとおり、他方の手で頭髪の一部を取り分ける。次いで、図9(b)に示すように、取り分けた毛髪の先端及びその近傍の部位を、シート状整髪用化粧品1aを載せた手で包んだまま、その手の握り・開きを繰り返し、毛束の先端及びその近傍の部位の毛髪を揉む。この操作を、毛髪の取り分ける位置をずらしながら複数回にわたって行うことが好ましい。この操作を毛髪全体に対して行うこともでき、あるいは毛髪のうちの一部に対して行うこともできる。また、取り分けた毛髪の根元又は中間部分から先端部分にかけて揉んでもよい。この使用方法は、ウエーブスタイルを維持する際に特に有効である。図9の整髪方法は本願発明のシート状整髪用化粧品1であれば実現でき、例えば図2、図3に示すシート状整髪用化粧品1b,1cでも同様の処理ができる。
次に、シート状整髪用化粧品1を用いた更に別の整髪方法として、シート状整髪用化粧品1で、形付けされた毛髪を挟んで接触させる方法を説明する。図10(a)〜(c)に、本発明のシート状整髪用化粧品1によって毛髪を処理する方法を示す。図10に示す整髪方法には、図1〜図3に示す各実施形態のシート状整髪用化粧品1a〜1cを用いることができる。図10に示す整髪方法は、上記と同様、形付けを行った毛髪へシート状整髪用化粧品1を接触させて行う。図10(a)は本整髪方法を行う前の毛髪の状態であり、毛髪の先端側が大きくカールしたスタイルに形作られている。処理する毛髪は直接、シート状整髪用化粧品1で掴み取っても良いが、毛髪の一部をきれいに処理(塗布)したい場合には、該液状化粧料組成物で塗布したい形付け後の頭髪の一部を毛束100としてあらかじめ取り分けておくことが好ましい。
図3に示すシート状整髪用化粧品1cの場合は、上述のように包装体2(液不透過性シート3)を横方向Xに引き裂くことで被含浸部材5が露出した開封状態となる。開封後、処理者は、被含浸部材5が位置する側とは反対側の面即ち液不透過性シート3側の面側から、指と指とで挟むようにして持つ。即ち、シート状整髪用化粧品1cは、指と指との間に挟んだ際に、被含浸部材5が内側、液不透過性シート3が外側になるように折り畳んで持つことができる。
次いで、処理者は、毛束100をシート状整髪化粧品1で挟み、毛先方向(毛髪の配向方向)にスライドさせる〔図10(b)参照〕。このように、図10(a)〜(c)に示す整髪方法においては、本発明のシート状整髪用化粧品1を、親指と他の指との間に挟んで持ち、折り畳んで互いに対向させた被含浸部材5どうし間に毛髪を挟んだ状態として使用することが好ましい。
本態様の整髪方法は、形付けられた状態の毛束へそのまま適用してもよいし、形付けられた状態の毛束を更に小さな毛束に小分けにして適用してもよい。いずれの場合も、毛髪を挟んだシート状整髪用化粧品1を毛先に向かってスライドさせることが好ましい。毛髪に対してより均一に液状化粧料を塗布することができるからである。
また、シート状整髪用化粧品1を最初に挟んだ箇所から毛先側にスライドさせる操作は、処理したい各箇所について1回のみ行っても良く、多くの場合、1回でも均一な塗布が可能であるが、所望により、2回,3回と複数回行っても良い。
カールした形状の毛束100をシート状整髪用化粧品1で挟んでスライドさせている最中は毛束100のカールが一旦まっすぐに伸ばされるが〔図10(b)参照〕、シート状整髪用化粧品1から毛束100を抜くと毛束100はカールした形状に戻る〔図10(c)参照〕。
そして、塗布した液状化粧料組成物を乾かす。塗布した液状化粧料組成物を乾かす方法としては、毛髪を放置して自然乾燥させる方法、ドライヤーを用いて温風で乾燥する方法等が挙げられるが、適用後の毛髪形状が崩れてしまうことを抑制するため、自然乾燥させる方法が好ましい。
以上の操作を、頭髪の全体のうち、液状化粧料組成物による処理を行いたい箇所に繰り返し行うこともできる。
このように処理された頭髪は、所望の形状に形付された状態が長時間維持される。
本発明の範囲は、上述した実施形態に制限されない。また本発明は更に以下のシート状整髪用化粧品を開示する。
<1>
以下の成分(A)及び(B)を含有した液状化粧料組成物を、被含浸部材に含浸させたシート状整髪用化粧品。
(A)被膜形成樹脂0.01質量%以上20質量%以下。
(B)沸点が50℃以上260℃以下である有機溶剤70質量%以上。
<2>
前記液状化粧料組成物の水の含有量が、好ましくは5質量%以下、より好ましくは2質量%以下、更に好ましくは1質量%以下、更に好ましくは0.1質量%以下であり、更に好ましくは前記液状化粧料組成物が水を実質的に含有しない、前記<1>に記載のシート状整髪用化粧品。
<3>
前記成分(B)の有機溶剤が、好ましくは炭素数1〜4の1価のアルコール、一般式(1)で表される炭素数9〜21の液状油、及び数平均分子量10以上1500以下のシリコーンからなる群から選ばれる1種以上である、前記<1>又は<2>記載のシート状整髪用化粧品。
Figure 2018065757
(式中、R〜Rはそれぞれ独立して水素原子又はメチル基を示す。Xは−CH−、−COO−又は−CHCOO−を示す。nは1〜7、mは0〜2、lは0〜2を示し、n+m+lは1〜7である。ただし、m及びlが共に1以上であるときは、RからRのいずれか1つはメチル基である。)
<4>
前記成分(B)が、好ましくはエタノール、プロパノール、イソプロパノールエタノール、イソドデカン、及び水添ポリイソブテンからなる群から選ばれる1種又は2種以上であり、より好ましくはエタノール、プロパノール、イソプロパノールからなる群から選ばれる1種又は2種以上であり、更に好ましくはエタノールである、前記<1>〜<3>の何れか1に記載のシート状整髪用化粧品。
<5>
前記被含浸部材が保持する前記液状化粧料組成物の質量が、前記被含浸部材の質量に対し、好ましくは100質量%以上、より好ましくは200質量%以上、更に好ましくは250質量%以上であり、また好ましくは800質量%以下、より好ましくは700質量%以下、更に好ましくは600質量%以下である、前記<1>〜<4>の何れか1に記載のシート状整髪用化粧品。
<6>
前記液状化粧料組成物の顔料及び染料の含有量が、好ましくは1%未満、より好ましくは0.5%未満、更に好ましくは0.1%未満である、前記<1>〜<5>の何れか1に記載のシート状整髪用化粧品。
<7>
前記成分(A)の濃度が、好ましくは0.1質量%以上、より好ましくは1.0質量%以上、より好ましくは2.0質量%以上、より好ましくは2.5質量%以上、更に好ましくは3.0質量%以上であり、また好ましくは15質量%以下、より好ましくは12質量%以下、より好ましくは10質量%以下、より好ましくは8質量%以下、更に好ましくは6質量%以下である、前記<1>〜<6>の何れか1に記載のシート状整髪用化粧品。
<8>
前記被含浸部材が不織布である、前記<1>〜<7>の何れか1に記載のシート状整髪用化粧品。
<9>
前記被含浸部材のエタノールの最大保液率が、好ましくは200質量%以上、より好ましくは300質量%以上、更に好ましくは400質量%以上であり、また好ましくは2000質量%以下、より好ましくは1500質量%以下、より好ましくは1000質量%以下、更に好ましくは900質量%以下である、前記<1>〜<8>の何れか1に記載のシート状整髪用化粧品。
<10>
前記被含浸部材が疎水性繊維を含有する、前記<1>〜<9>の何れか1に記載のシート状整髪用化粧品。
<11>
前記被含浸部材が、好ましくは疎水性繊維とセルロース系繊維とを含有する、前記<1>〜<10>の何れか1に記載のシート状整髪用化粧品
<12>
前記液状化粧料組成物の含浸前の前記被含浸部材の質量に基づく、前記被含浸部材に占める前記疎水性繊維の含有量が、好ましくは30質量%以上、より好ましくは40質量%以上、さらに好ましくは50質量%以上であり、また好ましくは100質量%以下、より好ましくは95質量%以下、さらに好ましくは90質量%以下であり、前記被含浸部材に占める前記セルロース系繊維の含有量が、好ましくは0質量%以上70質量%以下、より好ましくは5質量%以上60%質量%以下、更に好ましくは10質量%以上50質量%以下である、前記<11>に記載のシート状整髪用化粧品。
<13>
前記液状化粧料組成物の含浸前の前記被含浸部材の質量に基づく、前記被含浸部材に占める前記セルロース系繊維の含有量が、30質量%以上、より好ましくは40質量%以上、さらに好ましくは50質量%以上であり、また好ましくは100質量%以下、より好ましくは95質量%以下、さらに好ましくは90質量%以下であり、前記被含浸部材に占める前記疎水性繊維の含有量が、好ましくは0質量%以上70質量%以下、より好ましくは5質量%以上60%質量%以下、更に好ましくは10質量%以上50質量%以下である、前記<11>に記載のシート状整髪用化粧品。
<14>
前記<1>〜<13>の何れか1に記載のシート状整髪用化粧品を用いて毛髪を整髪する、整髪方法。
<15>
前記<1>〜<13>の何れか1に記載のシート状整髪用化粧品を用いた整髪方法であって、以下の工程を含む整髪方法。
i)毛髪を所望の形状に形付ける工程、及び
ii)前記液状化粧料組成物を含浸させた前記被含浸部材を毛髪にあてがい前記毛髪に前記液状化粧料組成物を塗布する工程。
<16>
前記i)の工程で形付けた形状が、素髪とは異なる形状である、前記<15>に記載の整髪方法。
<17>
前記i)の工程において、加熱器具を用いて前記毛髪の形付けを行う前記<15>又は<16>に記載の整髪方法。
<18>
前記ii)の工程で、前記<1>〜<13>の何れか1に記載のシート状整髪用化粧品で毛束を挟み、該毛束の毛先に向かって前記シート状整髪用化粧品をスライドさせることで、前記液状化粧料組成物を前記毛束に塗布する、前記<15>〜<17>の何れか1に記載の整髪方法。
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明する。しかしながら本発明の範囲は、かかる実施例によって何ら制限されない。特に断らない限り、「%」は「質量%」を意味する。
液状化粧料組成物の塗布方法の違いによる、毛髪の形状に対する保持性及び持続性、毛髪のごわつき、並びに浮き毛・はね毛の有無について評価を行う目的で、以下の実施例1〜3、並びに比較例1及び2を行った。
(1)被含浸部材(シート)の準備
本発明の被含浸部材として、下記表1に示す繊維組成のシートA〜Cを製造した。得られた各シートの全体の寸法は20cm×20cm(面積400cm)であった。面積400cm当たりの各シートの秤量、厚み、シートの縦横の引張強度、並びにエタノールの最大保液量及び最大保液率を表1に示す。また、厚み、シートの縦横の引張強度、並びにエタノールの最大保液量及び最大保液率の各測定方法を以下に示す。
〔厚みの測定〕
JIS L 1096:2010に記載の「生地及び繊維製品の厚さ測定」に準拠し、化粧料を含浸する前のシートの厚さを測定した。測定には厚さ測定器FS−60DS(大栄科学精器製作所社)を用い、直径50.5mmのプレッサフットで0.3kPa荷重下で10秒放置後の値を測定した。試験片は面積が20cmのものを5枚準備し、各試験片の平均値を算出した。
〔引張強度の測定〕
引張試験機を用い、チャック間距離150mm、引張速度300mm/minの条件で測定した。
〔エタノールの最大保液率及び最大保液量の測定〕
被含浸部材5のエタノールの最大保液率は、以下の方法により測定される。
1)被含浸部材から100mm×100mmの試験片を3枚採取し、その質量(m1)を1mgまで測定する。
2)2Lのビーカーにエタノールを約1L入れ、試験片を15分間浸漬し、ピンセットで試験片の一つの角をつまんでエタノール中から取り出し、試験片を器壁に接触させずにエタノールが滴らないまで放置してエタノールを滴り落とした後、その質量(m2)を1mgまで測定する。
3)次の式によってエタノールの最大保液率を算出し、更にその平均値を求め、四捨五入によって小数点1桁の値を算出する。
m=(m2−m1)/m1 ×100
m:エタノールの最大保液率(質量%)
m1:試験片の標準状態での質量(mg)
m2:試験片をエタノールに含浸させ、エタノールを滴り落とした後の質量(mg)
4)エタノールの最大保液率に被含浸部材5の質量を掛け合わせ、エタノールの最大保液量を算出する。
(2)液状化粧料組成物の調整及びシートへの含浸
本発明の液状化粧料組成物として、下記表2に示す化粧料組成物を常法に従って調製した。この液状化粧料組成物を上記(1)で製造した被含浸部材(シート)へ表1に示す含浸条件で含浸させた。
Figure 2018065757
(3)評価
〔実施例1〜3及び比較例2〕
被含浸部材及び液状化粧料組成物を下記表2に示す組み合わせで含むシート状整髪用化粧品をそれぞれ得た。得られたシート状整髪用化粧品を用いて、毛髪の形状の保持性及び持続性、毛髪のごわつき、並びに浮き毛及びはね毛の程度について評価を行った。液状化粧料組成物の塗布及び評価は以下に記載の方法で行った。結果を表2に示す。
また、表2に示す液状化粧料組成物の組成は、エタノールに含まれる水分量を水の含有量に含めており、エタノールと水とを区別してそれぞれの含有量を示している。
〔シート状整髪用化粧品を用いた液状化粧料組成物の毛髪への塗布〕
長さ25cm、重さ3.5gのストレート毛(中国人毛)の毛束(トレス)を、水に濡らした状態でロッドにらせん状に巻きつけ、乾燥機(ヤマト科学株式会社製 型番:PR−2KP)で60℃、1時間乾燥させた後、室温にて半日放置した。これにより、垂直方向に複数回カールした評価用毛束を得た。
次に、実施例1、実施例2、実施例3、及び比較例2のシート状整髪用化粧品における各被含浸部材(シートA〜C)を2つ折にした。2つ折にした被含浸部材の間に評価用毛束の根元付近を挟み、被含浸部材を2つ折りにした両面から指で押さえた状態で、シート状整髪用化粧品を毛先へ移動させることにより、評価用毛束に液状化粧料組成物を塗布した。この塗布操作を、評価用毛束と液状化粧料組成物の塗布量との浴比が約1:0.01になるまで繰り返した。この塗布時における被含浸部材について、手への馴染みやすさ及び排液のしやすさを評価した。また、塗布した後の評価用毛束について、毛髪の形状の保持性、毛髪のごわつき、並びに浮き毛及びはね毛の程度を評価した。さらに塗布した後の評価用毛束について、高湿度下における毛髪の形状の持続性を評価した。各評価方法を以下に示す。また、評価結果を表2に示す。
なお、比較例2の高湿度下における毛髪の形状の持続性の評価は、毛髪の形状の保持性の結果が悪かったため行わなかった。
〔塗布時の被含浸部材の手への馴染みやすさ〕
塗布時の被含浸部材の手への馴染みやすさを10名のパネラーで評価を行い、以下の基準で採点し、平均点を算出した。
5:非常に手に馴染みやすい
4:やや手に馴染みやすい
3:馴染みやすさについてどちらともいえない
2:やや手に馴染みにくい
1:非常に手に馴染みにくい
〔塗布時の被含浸部材の排液のしやすさ〕
10名のパネラーで毛髪へ塗布を行った際に被含浸部材の排液のしやすさを10名のパネラーで評価を行い、以下の基準で採点し、平均点を算出した。
5:非常に排液がしやすい
4:やや排液がしやすい
3:排液のしやすさについてどちらともいえない
2:やや排液しにくい
1:非常に排液しにくい
〔塗布後の毛髪の形状の保持性〕
塗布後の評価用毛束を10名のパネラーが目視で確認し、塗布前の形状と全く変わらなかった場合を100とし、カール形状をつける前の元髪の状態に戻った場合を0とすることを基準として、毛髪形状の崩れ度合いの程度をスコア化した。
〔塗布後の毛髪のごわつき〕
塗布後の評価用毛束について、10名のパネラーが評価用毛束の感触を評価した。評価は以下の基準で採点し、平均点を算出した。
5:ごわつきがない
4:ややごわつかない
3:どちらともいえない
2:ややごわつく
1:非常にごわつく
〔塗布後の浮き毛及びはね毛の程度〕
塗布後の評価用毛束について、10名のパネラーが評価用毛束を目視で評価した。評価は剤(液状化粧料組成物)塗布前の毛束を基準として、以下の基準で採点し、平均点を算出した。
5:剤塗布前の毛束より浮き毛はね毛が少ない
4:剤塗布前の毛束よりやや少ない
3:剤塗布前の毛束と同等
2:剤塗布前の毛束よりも浮き毛がやや多い
1:剤塗布前の毛束よりも浮き毛が多い
〔高湿度下における毛髪の形状持続性〕
塗布後に、高湿条件(温度25℃、湿度90%RH環境)下で30分間放置した評価用毛束を10名のパネラーが目視で確認し、塗布前の形状と全く変わらなかった場合を100とし、カール形状をつける前の元髪の状態に戻った場合を0とすることを基準として、毛髪形状の崩れ度合いの程度をスコア化した。
〔比較例1〕
表2に示す組成のエアゾールを以下の通りに調整した。液化石油ガス(LPG)以外の全成分を80℃で混合し、均一になるまで攪拌して原液を調製し、30℃まで冷却した。得られた原液をエアゾール缶に充填し、エアゾール用バルブによりエアゾール容器をクリンチした。そして、液化石油ガス(LPG)をステムからエアゾール容器内へ圧力充填(原液:液化石油ガス=1:1重量比)した。
評価用毛束と液状化粧料組成物の塗布量との浴比が約1:0.01になるまで、得られたエアゾールを評価用毛束にスプレーした。比較例1のエアゾールをスプレーした評価用毛束について、毛髪の形状の保持性、高湿度下における毛髪形状の持続性、毛髪のごわつき、並びに浮き毛及びはね毛の程度を上記の方法で評価した。結果を表2に示す。
Figure 2018065757
*1:特開平8−291206号公報に記載の方法に従って合成したN−tert−ブチルアクリルアミド/ジメチルアクリルアミド/ジメチルアミノプロピルアクリルアミド/メトキシポリエチレングリコール(PEG400)メタクリレート共重合体<52/25/2/21>(質量比)、重量平均分子量約12万
〔実施例4〜11〕
被含浸部材として上記のシートAに、下記表3に示す液状化粧料組成物を含浸させたシート状整髪用化粧品をそれぞれ得た。得られたシート状整髪用化粧品を用いて液状化粧料組成物を評価用毛束に塗布し、塗布後の毛髪の形状の保持性、毛髪のごわつき、高湿度下における毛髪形状の持続性、及び浮き毛はね毛の程度について評価を行った。シート状整髪用化粧品を用いた液状化粧料組成物の塗布方法及び評価方法は上記の実施例1と同様とした。また、液状化粧料組成物として含まれる被膜形成樹脂の被膜の引っかき硬度を以下の方法で測定した。評価結果及び測定結果を表3に示す。
〔被膜形成樹脂の被膜の引っかき硬度(鉛筆法)〕
JIS K5600−5−4:1999 「塗料一般試験方法 引っかき硬度(鉛筆法)」を準用して測定した。引っかき硬度(鉛筆法)を測定するための被膜は被膜形成樹脂の10質量%エタノール溶液をPETフィルム上に3cm×4cmの範囲に2g塗布して、25℃、相対湿度50%の条件で、24時間以上乾燥させることにより調製した。水平の塗膜面に鉛筆(固定角度45°、荷重750g)を押し付けることにより引っかき硬度(鉛筆法)を測定した。この引っかき硬度を、被膜形成樹脂の鉛筆硬度とした。
Figure 2018065757
*2:特開2016−056127号公報に記載の合成例1のオルガノポリシロキサンA
*3:ルビスコールVA73E BASF社製
*4:ユカフォーマーM75 三菱化学社製
*5:プラスサイズL−9540B 互応化学工業社製
1(1a,1b,1c) シート状整髪用化粧品
2 包装体
2a 上面
3 液不透過性シート
5 被含浸部材
54,55 固定部
522 凸部
523 凹部
6,7 シール部
9 摘み部
11a ヒートシール部
11b 上面
11c 第1側面
11d 内容物取出口
11e 開閉蓋
91 ノッチ
100 毛束
X 横方向
Y 縦方向

Claims (7)

  1. 以下の成分(A)及び(B)を含有した液状化粧料組成物を、被含浸部材に含浸させたシート状整髪用化粧品。
    (A)被膜形成樹脂0.01質量%以上20質量%以下。
    (B)沸点が50℃以上260℃以下である有機溶剤70質量%以上。
  2. 前記液状化粧料組成物の水の含有量が0質量%以上5質量%以下である、請求項1に記載のシート状整髪用化粧品。
  3. 前記成分(B)の有機溶剤が、炭素数1〜4の1価のアルコール、一般式(1)で表される炭素数9〜21の液状油、及び数平均分子量10以上1500以下のシリコーンからなる群から選ばれる1種以上である、請求項1又は2に記載のシート状整髪用化粧品。
    Figure 2018065757
    (式中、R〜Rはそれぞれ独立して水素原子又はメチル基を示す。Xは−CH−、−COO−又は−CHCOO−を示す。nは1〜7、mは0〜2、lは0〜2を示し、n+m+lは1〜7である。ただし、m及びlが共に1以上であるときは、RからRのいずれか1つはメチル基である。)
  4. 前記被含浸部材が保持する前記液状化粧料組成物の質量が、前記被含浸部材の質量に対し、100%以上700%以下である、請求項1〜3のいずれか1項に記載のシート状整髪用化粧品。
  5. 前記被含浸部材が不織布である、請求項1〜4のいずれか1項に記載のシート状整髪用化粧品。
  6. 前記被含浸部材が疎水性繊維を含有する、請求項1〜5のいずれか1項に記載のシート状整髪用化粧品。
  7. 請求項1に記載のシート状整髪用化粧品を用いた整髪方法であって、
    i)毛髪を所望の形状に形付ける工程、及び
    ii)前記液状化粧料組成物を含浸させた前記被含浸部材を毛髪にあてがい前記毛髪に前記液状化粧料組成物を塗布する工程、を有する整髪方法。
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