JP7304677B2 - 毛髪処理方法及び毛髪処理具 - Google Patents
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Description
これらの染毛剤、特に永久染毛剤は、頭髪の全部を一様に染毛する、いわゆる全体染めの染毛作業を行うには比較的容易である。しかし、頭髪の一部を選択して染毛する部分染めは作業が煩雑であり、美容師ではない一般消費者が個人で施術する事は困難である。このため、部分染めを個人が簡便に行うための専用の器具が様々に提案されている。
特許文献3は、塗布時の押圧でマイクロカプセルを破壊する必要があり、カプセルが十分に壊れない場合などには転写できる染料の量が不足し、十分な発色が得られない場合や毛髪に色が均一に乗らない場合もあった。
特許文献4は、粘度の高い染毛剤を塗布するため、毛髪に好ましくない感触を与える場合があり、処理後にシャンプー等で染毛剤を洗い流す必要があるなど、簡便さの点で不十分であった。
特許文献5に記載の塗布具は、内容物を収容している容器部分から吐出させた内容物を毛髪に塗布する際、毛髪に内容物を均一に塗布することが困難であり、色むらが生じる虞があった。
以上のように、特許文献1~5では、毛髪の感触を損なうことなく、根元から毛先まで色むらなく、短時間かつ簡単なカラーリングを行う点で十分に満足できるものでは無かった。
さらに、特許文献1~4は、比較的扱いやすい染料を毛髪に適用しているため、毛髪内にその染料が浸透すると、シャンプーを数回しても染毛効果が維持される。従って、特許文献1~4に記載の毛染め具等は、一日だけカラーリングを楽しみ、その後シャンプーで元の髪色に戻す場合には不適当であった。
一方、一日だけのカラーリングを楽しむために、染料ではなく顔料を使用する一時染毛料もある。しかし、現在までに開発されている一時染毛剤は、顔料分散のために、粘度などの液性の調整や、容器の選択などにおいて制限があり、一般消費者が使用するには到底簡単に塗布できるようなものはなかった。
前記繊維構造体は、顔料と被膜形成樹脂とを含有する毛髪化粧料を保持しており、
前記繊維構造体が包装体に密封されている、毛髪処理具を用いて毛髪を処理する方法であって、以下のステップ1及び2を備える、毛髪処理方法を提供するものである。
ステップ1:前記毛髪処理具の前記繊維構造体の表面を露出させる。
ステップ2:ステップ1で表面が露出された前記繊維構造体を、毛髪に接触させた状態で、前記繊維構造体を前記毛髪の配向方向に移動させる。
前記繊維構造体は、顔料と被膜形成樹脂とを含有する毛髪化粧料を保持しており、
前記繊維構造体が包装体に密封されている、毛髪処理具を提供するものである。
図1及び図2には、本発明の毛髪処理方法に用いる毛髪処理具の一実施形態である毛髪処理具(以下、毛髪処理具1ともいう)が示されている。
毛髪処理具1は、毛髪化粧料を保持した繊維構造体5と該繊維構造体5を固定している液不透過性シート3(以下、シート3ともいう)とを有している。繊維構造体5は包装体2に密封されている。
また、繊維構造体5を固定している液不透過性シート3を取り出す際に手を汚さず、かつゴミを低減する点から、包装体2の全体又は一部が、繊維構造体5を固定している液不透過性シート3から形成されていてもよい。具体的には、図1及び2に示す包装体2は、上面2aを形成するシート21と下面2bを形成するシート3とを有し、下面2bを形成しているシート3は、繊維構造体5が積層され、該繊維構造体5と部分的に結合された液
不透過性シート3となっている。図3に示す包装体2は、液不透過性シート3を2つ折りにし、所定箇所を接合することによって形成されている。
また、毛髪化粧料が液体である場合には、液不透過性であるシートが選択される。液不透過性のシートとしては、ある程度柔軟であり液不透過性のものであればその種類に特に制限はなく、例えば熱可塑性樹脂のフィルム、該フィルムにアルミニウムなどの金属薄膜をラミネートしたもの等を用いることができる。
また、毛髪化粧料が揮発性物質を含む場合、該揮発性物質を透過させないシート材を用いることができる。具体的にはシート材が液不透過性であることが好ましく、更には液不透過性に加えて、毛髪化粧料から揮散した水蒸気やエタノールが非透過性であることが好ましい。このような性質を有するシート材を用いることで、毛髪化粧料が液状やクリーム状である場合、包装体2内の繊維構造体5から毛髪化粧料が滲出したり揮発したりすることを効果的に防止することができる。このような性質を有するシート材としては、例えばアルミニウムを蒸着した熱可塑性樹脂フィルム、熱可塑性樹脂フィルムの間にアルミニウムを挟んだフィルム等が挙げられる。
また、包装体2が、図1に示すように複数のシートから構成されている場合は、これら複数のシートにそれぞれ異なるシート材を用いても良い。さらに、包装体2が、図3に示すように第1面2a及び第2面2bから構成されている場合、これら各部のシートにそれぞれ異なるシート材を用いても良い。
また、包装体2の全部又は一部が、液不透過性シート3から形成されている場合、該液不透過性シート3は、ノッチ91等の引き裂き開始点となる開封手段を備えていることが好ましい。図3に示す毛髪処理具1の包装体2は、液不透過性シート3から形成されており、図3(b)に示すように、開封手段として、摘み部9及び摘み部9の両端部に引き裂き方向(図3(b)では横方向X)に切れ込んだノッチ91,91を備えている。図3に示す毛髪処理具1の包装体2は、前記ノッチ91を有する摘み部9を、引き裂き方向に引っ張ることにより、液不透過性シートが引き裂かれて、密封した繊維構造体5を露出させることができる。この開封方法については、後述する。
また、液不透過性シート3は、引き裂き性を有することが好ましく、引き裂き直進性を有することが更に好ましい。引き裂き直進性とは、特定の方向に直線状に引き裂かれ易い性質や構造を有することを意味する。引き裂き直進性を有するシートとしては、例えば、上記の引き裂きを開始する部分にノッチ91を設けたものや、ハーフカット等の厚み方向に貫通しない切断線を特定の方向に沿って直線状に設けたもの、延伸により特定方向に避けやすいように高分子を配向させたフィルム材等が挙げられる。
これらの繊維は1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。繊維構造体5は、毛髪化粧料の性状に応じて適切なものを選択することが好ましく、前述した不織布等の繊維シートは、毛髪化粧料が液状、クリーム状、粉状の場合等において好ましく用いられる。
また、繊維構造体5は、毛髪に接触させる観点から、図1や図3(a)に示すように、展開時の平面視形状が、矩形であることが好ましいが、矩形以外の形状であっても良く、例えば、円形、楕円形や、三角形、正方形及び五角形等の多角形、ハート形等の任意の形状とすることができる。また、本実施形態の繊維構造体5は、平面視の横方向Xにおいて長辺を持つ長方形であったが、横方向Xに短辺を持つ長方形であっても良い。さらに、本実施形態の包装体2は角を丸めた矩形であったが、角を丸めていなくても良い。
また、繊維構造体5は、一枚の繊維シートからなるものであっても良いが、複数枚のシートを積層したマルチプライのシートであることが好ましい。
の観点から、繊維材料からなる繊維構造体5の厚さは、好ましくは0.4mm以上、より好ましくは1.0mm以上、更に好ましくは1.5mm以上であり、また好ましくは15mm以下、より好ましくは10mm以下であり、更に好ましくは5mm以下である。ここでいう、繊維構造体の厚さは、0.8cN/cm2の荷重下における厚さであり、デジタルインジケータで測定したものをいう。また、複数枚のシートを積層している場合には、積層したシートの厚さを指す。
セルロース系繊維としては、例えば天然繊維や再生繊維等の親水性繊維を用いることができる。天然セルロース系繊維としては、例えばパルプ繊維やコットン繊維等が挙げられる。再生セルロース系繊維としては、例えばレーヨン、キュプラ、リヨセル、テンセル等が挙げられる。これらのセルロース系繊維は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
少なくとも表面側が5質量%以上含む態様としては、繊維構造体5の構成繊維が厚み方向に一様であり、その全体が、セルロース系繊維を5質量%以上含む場合や、繊維構造体が複数の層が積層された積層構造を有しており、毛髪に接触する面を構成する最上層(以下、表面層ともいう)の構成繊維が、セルロース系繊維を5質量%以上含む場合等が挙げられる。
繊維構造体5は、少なくとも表面側が、使用感及び塗布性を向上させる観点から、セルロース系繊維を5質量%以上含むことが好ましく、より好ましくは10質量%以上含む。また、毛髪化粧料の均一塗布性の観点から、繊維構造体5は、少なくとも表面側が、セルロース系繊維を好ましくは60質量%以下含むことが好ましく、より好ましくは50質量%以下含む。毛髪化粧料の保持性及び均一塗布性の効果を両立させる点から、少なくとも表面側が、セルロース系繊維を、好ましくは5質量%以上60質量%以下、より好ましくは10質量%以上50質量%以下含んでいる。特に毛髪化粧料中に有機溶剤が比較的多量に含まれている時には毛髪化粧料の吸液性及び徐放性のバランスが良く、毛髪化粧料を薄く均一に毛髪上に乗せやすいことから、セルロース系繊維、すなわち親水性繊維を上述の範囲で含有し、熱可塑性樹脂繊維、熱硬化性繊維等の疎水性繊維を好ましくは40質量%以上、より好ましくは50質量%以上含有し、かつ好ましくは95質量%以下、より好ましくは90質量%以下含有することが好ましい。
一方、毛髪化粧料の保持性の観点から、繊維構造体5は、少なくとも表面側が、セルロース系繊維を60質量%超含むことが好ましく、より好ましくは65質量%以上含む。また、毛髪化粧料の経時安定性を向上させる観点から、繊維構造体5は、少なくとも表面側が、セルロース系繊維を好ましくは90質量%以下含むことが好ましく、より好ましくは80質量%以下含む。毛髪化粧料の保持性及び経時安定性の効果を両立させる点から、繊維構造体5は、少なくとも表面側が、セルロース系繊維を好ましくは60質量%超90質量%以下、より好ましくは65質量%以上80質量%以下含んでいる。
積層構造とは、複数の繊維シートが積層している他、1枚の繊維シートが1回以上折り畳まれて多層となっている状態も含む。積層構造を有する場合、同じ繊維構成の層を複数積層してもよいし、それぞれ異なる繊維構成の層を複数積層してもよい。
また、繊維構造体5が積層構造を有する場合、層を形成するシートの数は制限されないが、好ましくは1枚以上、より好ましくは3枚以上、また好ましくは15枚以下、より好ましくは10枚以下である。
毛髪化粧料の含浸率は、例えば、各層の全構成繊維中のセルロース系繊維の含有割合で調整することができる。この場合、塗布層51の全構成繊維中のセルロース系繊維の含有割合と、下層52の全構成繊維中のセルロース系繊維の含有割合とは相互に異なる。
尚、本発明において、経時安定性とは、以下のことを意味する;毛髪化粧料が保持された繊維構造体を包装体に密封してから、開封して使用するまでに時間的な差があっても、例えば密封後1週間経過した後に開封し使用しても、使用時に毛髪化粧料が適度に繊維構造体から排出され、毛髪を均一に処理できることを意味する。
繊維の含有割合と同じ範囲であることが好ましい。
毛髪化粧料の含浸率は、各層を構成するセルロース系繊維の含有割合により調整することができる。
上記の効果をより確実に奏させる観点から、塗布層51の厚さd1に対する下層52の厚さd2の比(d2/d1)は、好ましくは0.7以上、より好ましくは0.9以上、より好ましくは1.0以上、さらに好ましくは1.3以上であり、また好ましくは15以下、より好ましくは10以下、さらに好ましくは7.5以下であり、また好ましくは0.7以上15以下、より好ましくは0.9以上15以下、より好ましくは1.0以上10以下、さらに好ましくは1.3以上7.5以下である。
このような構成を有する繊維構造体5としては、毛髪化粧料組成物の放出性をコントロールし、毛髪に対して薄く均一に毛髪化粧料組成物を塗布する観点から、平面視したときに、一方の面において凸部522が形成された位置と他方の面に凸部522が形成された位置とが略一致しているものが挙げられる〔図8参照〕。より具体的には、特開2014-210767号公報の図2~図4に示されたシートが挙げられる。
上記の凹部及び凸部は、例えばエンボス加工、又は特開2014-108306号公報の段落〔0035〕に記載の目開き(孔部)を有するメッシュの網や、凸部を有する回転ローラに繊維構造体を押し付けることにより形成することができる。
なお本実施形態の毛髪処理具1は、図1及び図3(a)に示すように、本実施形態の繊維構造体5を平面視した際に、長辺となる辺であって互いに平行な第1辺と、短辺となる辺であって互いに平行な第2辺との関係において、第1辺と平行である横方向Xと、該横方向Xと直交する縦方向Yとを有する。
また、毛髪に適用した時に繊維構造体5を液不透過性シート3にしっかりと固定する観点から、毛髪上でスライドさせる方向、即ち毛髪の配向方向に沿った線で固定されている部分が1ヶ所以上あることが好ましく、2ヶ所以上あることがより好ましい。具体的には、図3(a)に示すように、繊維構造体5の横方向Xの両側には、縦方向Yに長い固定部54が配されており、繊維構造体5を液不透過性シート3に線で固定している。図3(a)の繊維構造体5の縦方向Yは、毛髪の処理時に毛髪上でスライドさせる方向になる。
更に、二つ折りにして収容しやすくする観点及び、毛髪に適用しやすくする観点から、繊維構造体5の中央付近を直線状に離間して固定する事が好ましい。具体的には、図6に示すように、開封前の状態において包装体2及び繊維構造体5は横方向Xに二等分にする形で二つ折りにされており、この二つ折りにしている折曲げ部8上に固定部57が縦方向Yに複数配されている。
液不透過性シート3へ繊維構造体5を固定する各固定部54、55、57は、平面視において円形、楕円形、三角形、正方形、五角形、ハート形等の任意の形状とすることができる。また、図3(a)に示すように、固定部54、55、57の形状や大きさはそれぞれ同じであってもよいし、異なっていてもよい。
液不透過性シート3は、上述した包装体2と同じシート材を用いることができる。
ればよく、例えば、把持片30と本体部分40とが連続する1枚のシートから形成されておらずに、把持片30の一端に設けられた接合部を介して把持片30と本体部分40とが連結されていてもよい。毛髪処理具1の把持片30と本体部分40とが接合部を介して連結している場合、毛髪処理具1は接合部を境に把持片30と本体部分40とに分けられる。
本実施形態の毛髪処理具1は、開封前の包装体2を平面視した際に、互いに平行な短辺と、互いに平行な長辺とを有する(図3(b)参照)。開封前の包装体2において、前記短辺は横方向Xと平行であり、前記長辺は縦方向Yと平行である。本実施形態において横方向Xは、把持片30と本体部分40とが生じるように、毛髪処理具1を開封状態にするために第1面2a(液不透過性シート3)を引き裂く方向と平行である。
開封状態において繊維構造体5は、把持片30及び本体部分40のいずれか一方又は両方の内面31上に固定されていなくてもよい。より具体的には、粘性の高い毛髪化粧料を保持した繊維構造体5が、把持片30及び本体部分40それぞれの内面31に粘着することで、繊維構造体5が把持片30及び本体部分40の内面31上に位置してもよい。また、柔軟性の高い素材を用いた繊維構造体5が折り畳まれた状態で包装体2に収容されており、包装体の引き裂きに伴って把持片30及び本体部分40を生じる際、繊維構造体5が展開されて把持片30及び本体部分40の内面31上に位置してもよい。
また、把持片30の内面31及び本体部分40の内面31の両方に固定されていることがより好ましい。両方の内面31に固定されていることで、繊維構造体5同士で毛髪を挟むことができ、毛髪を挟んだ状態で繊維構造体5を移動しながら処理する場合には処理作業をより効率的に行うことができる。また、毛髪の表面に毛髪化粧料をより均一に塗布することができる。さらに、把持片30の内面31上と本体部分40の内面31上とのそれぞれに別体の繊維構造体5が存在している包装体を用いて毛髪を処理する際も、把持片30及び本体部分40において繊維構造体5を支持することがより容易となる。
5は、繊維構造体5の縦方向Yの両端側のそれぞれにおいて、横方向Xに相互に離間した4箇所に形成されている。また、第2固定部54は、繊維構造体5の横方向Xの両端側のそれぞれにおいて、縦方向Yに延びて形成されている。
繊維構造体5と把持片30の内面31との間は、箇所又は複数個所で部分的に接合されているのに代えて、把持片30の全域において接合されていても良く、また繊維構造体5と本体部分40の内面31との間は、1箇所又は複数個所で部分的に接合されているのに代えて、本体部分40の全域において接合されていても良い。
斯かる構成について詳述すると、繊維構造体5は、本体部分40上に位置する部分と把持片30上に位置する部分とが連続しており、これら両部分間に位置する折り曲げ部8が、把持片30と本体部分40との連結部側に位置するように折り畳まれた状態で包装体2に収容されていることが好ましい。より具体的には、図10に示すように、繊維構造体5は、開封状態において該繊維構造体5の本体部分40上に位置する部分と把持片30上に位置する部分とが連続した1枚のシートである。また、繊維構造体5は、図10に示すように、本体部分40上に位置する部分と把持片30上に位置する部分との両部分間に折り曲げ部8を有している。この繊維構造体5は、包装体2の開封前の状態において、折り曲げ部8が本体部分40と把持片30との連結部85(折り畳み線)側に位置するように、該繊維構造体5が折り畳まれた状態で包装体2に収容されている(図示しない)。包装体2の開封前の状態における繊維構造体5は、繊維構造体5が本体部分40と把持片30の連結部85を境にした2つ折りにされて畳まれていてもよく、3つ折り等複数回に折られて畳まれていてもよい。折り畳まれて収容された繊維構造体5は、開封状態において把持片30及び前記本体部分40におけるそれぞれの内面上に広がって配置されることが好ましい。
で、繊維構造体5に毛髪化粧料を保持することができる。
処理者が、繊維構造体5への毛髪の当接をより把握し易い観点から、縦方向Yに沿う液不透過性シート3の長さ(L1b)に対する、縦方向Yに沿う繊維構造体5の長さ(L1d)は、好ましくは30%以上であり、より好ましくは35%以上であり、一層好ましくは40%以上であり、また好ましくは95%以下であり、より好ましくは90%以下であり、一層好ましくは80%以下であり、また好ましくは30%以上95%以下であり、より好ましくは35%以上90%以下であり、一層好ましくは40%以上80%以下である。なお、縦方向Yに沿う液不透過性シート3の長さは、縦方向Yに沿う本体部分40の長さと同一である。
3の縦方向Yの中心線CLxに対し、繊維構造体5は均等に跨るように配置するのが好ましいが、縦方向Yに沿って偏倚して配置させてもよい。液不透過性シート3の縦方向Yの中心線CLxからの繊維構造体5の縦方向Yに沿う一方の長さ(L5e)は、他方の長さ(L5f)に対して、好ましくは70%以上であり、より好ましくは75%以上であり、一層好ましくは80%以上であり、また好ましくは140%以下であり、より好ましくは130%以下であり、一層好ましくは120%以下であり、また好ましくは70%以上140%以下であり、より好ましくは75%以上130%以下であり、一層好ましくは80%以上120%以下である。ここで、液不透過性シート3の縦方向Yの中心線CLxからの繊維構造体5の縦方向Yに沿う一方の長さ(L5e)とは、図10に示すように、開封状態において、把持片30が右に、本体部分40が左になるように毛髪処理具1を置いた際に、縦方向Yにおける中心線CLxに対して上側の繊維構造体5の長さであり、繊維構造体5の縦方向Yに沿う他方の長さ(L5f)とは、縦方向Yにおける中心線CLxに対して下側の繊維構造体5の長さである。
同様の観点から、液不透過性シート3の縦方向Yの中心線CLxからの把持片30の縦方向Yに沿う他方の長さ(L5d)に対する、該把持片30と同中心線CLxに対して同じ側に位置する繊維構造体5の縦方向Yに沿う長さ(L5f)は、好ましくは25%以上であり、より好ましくは30%以上であり、一層好ましくは40%以上であり、また好ましくは99%以下であり、より好ましくは90%以下であり、一層好ましくは85%であり、また好ましくは25%以上99%以下であり、より好ましくは30%以上90%以下であり、一層好ましくは40%以上85%以下である。
X)に引き裂き直進性を有することが好ましい。引き裂き方向に引裂き直進性を有することで、毛髪処理具1の引き裂き(開封)がより容易となる他、開封時に液不透過性シート3と共に繊維構造体5を引き裂くことを防止することができる。引き裂き直進性とは、特定の方向に直線状に引き裂かれ易い性質や構造を有することを意味する。引き裂き直進性を有するシートとしては、例えば、ハーフカット等の厚み方向に貫通しない切断線を特定の方向に沿って直線状に設けたものや、延伸により特定方向に避けやすいように高分子を配向させたフィルム材等が挙げられる。
より具体的には、図3(b)に示すように、液不透過性シート3は、液不透過性シート3の引き裂きを開始する開封開始部に、摘み部9の両端に引き裂き方向に切れ込んだノッチ91,91を有している。また、開封開始部の位置を明確に示し、処理者が引き裂きを円滑に行えるよう、包装体2に開封開始部を始点とする引き裂き方向に沿った直線を印刷してもよい。その他、把持片30の位置に応じて、液不透過性シート3に上記の複数の切断線を直線状やジグザグ状、曲線状に設けても良い。このように、開封開始部において引き裂きをより開始し易くする観点から、包装体2は、開封開始部においてノッチ、切れ目、印刷等、又はそれらの組み合わせを有していることが好ましい。なお、開封開始部は、本実施形態の包装体2における第1面2aの摘み部9である(図3(b)参照)。また、包装体2における開封開始部側の端部が、液不透過性シート3の引き裂きの基端であり、これに対して包装体2における引き裂きの基端と反対側の端部が、液不透過性シート3の引き裂きの終端である。
シール部6が形成された液不透過性シート3に、引き裂き方向の基端側に開封シール部7が形成され〔図12(B)〕、毛髪処理具1が得られる。なお、毛髪化粧料の保持体への保持は、開封シール部7の形成前に行われる。
液不透過性シート3へ繊維構造体5を固定する方法、並びに液不透過性シート3における固定シール部6及び開封シール部7の形成方法は、接着剤を塗布する方法やヒートシール、超音波シール、高周波シール等で融着固定する方法等、公知の手段を用いることができる。
また、包装体2の引き裂き作業をより容易にする観点から、固定シール部6は開封シー
ル部7よりもシール強度が強いことが好ましい。
図12において、固定シール部6,6の次に開封シール部7が形成されているが、開封シール部7が先に形成されてもよい。固定シール部6及び開封シール部7の形成には、超音波シール、ヒートシール、高周波シール、接着剤等の公知の接合手段が用いられる。
次に、包装体2の第1面2aを形成する液不透過性シート3を、摘み部9から引き裂きを開始し、引き裂き方向(横方向X)に引き裂いていく〔図5(B)〕。この引き裂きに伴い、開封シール部7が剥離される。
そして、第1面2aの液不透過性シート3を完全に引き裂くことで、繊維構造体5の毛髪(毛髪)と当接する側の内面31と繊維構造体5とが露出する〔図5(C)〕。
顔料を均一に毛髪に載せ、均一かつ良好な発色を実現するのは従来の毛染め具等では実現するのが難しかったが、本願発明の毛髪処理具であれば、毛髪化粧料中に顔料を含んでいる場合であっても、均一かつ良好な発色により毛髪を染毛することができる。
光輝性粉体としては、ポリエチレンテレフタレート・アルミニウム・エポキシ積層体、ポリエチレンテレフタレート・ポリオレフィン積層フィルム体等が挙げられる。
沸点が50℃以上260℃以下である有機溶剤としては、エタノール、プロパノール、プロパノール、イソプロパノール、tert-ブチルアルコール、1,3-ブチレンアルコール、ジプロピレングリコール、イソドデカン、水添ポリイソブテンが好ましく、エタノール、イソプロパノールが好ましく、エタノールが更に好ましい。
有機溶剤の沸点は、常圧条件(101.3kPa)で測定される。
る。
被膜形成樹脂は、毛髪の表面に付与されることで、毛髪の表面に被膜を形成し得るものである。形成される被膜の引っかき硬度(鉛筆法)好ましくは3Hより軟らかく、より好ましくは2Hより軟らかく、更に好ましくはHより軟らかい。具体的には、引っかき硬度(鉛筆法)が好ましくは6B~3H、より好ましくは6B~H以下、更に好ましくは6B~Hである。引っかき硬度(鉛筆法)がこの範囲となる被膜を形成し得る樹脂を用いることで、毛髪を所望のスタイルに容易に整髪することができる。引っかき硬度(鉛筆法)を測定するための被膜は、被膜形成樹脂の10質量%エタノール溶液をPETフィルム上に3cm×4cmの範囲に2g塗布して、25℃、相対湿度50%の条件で、24時間以上乾燥させることにより調製する。
本発明で用いることのできる陽イオン性樹脂としては、例えばビニルピロリドン・メタクリル酸ジメチルアミノエチル共重合体ジエチル硫酸塩(H・CポリマーIS(M)、H・Cポリマー2等(大阪有機化学工業社))、ビニルピロリドン・ジメチルアミノプロピルメタクリルアミド・ラウリルジメチルアミノプロピルメタクリルアミド共重合体(スタイラーゼW-20(ISP社))、ポリ塩化ジメチルメチレンペピリジニウム(マーコート100(ナルコ社))、塩化ジメチルジアリルアンモニウム・アクリルアミド共重合体(マーコート550(ナルコ社))、ビニルピロリドン・N,N-ジメチルアミノエチルメタクリル酸共重合体ジエチル硫酸塩(ガフカット734(ISP社))、ビニルピロリドン・ジメチルアミノエチルメタクリレート共重合体(ガフカット440(ISP社))、N,N-ジメチルアミノエチルメタクリル酸ジエチル硫酸塩・N,N-ジメチルアクリルアミド・ジメタクリル酸ポリエチレングリコール共重合体(ソフケア KG-101W-E、ソフケア KG-301P等(花王社))、アンモニウム変性ヒドロキシエチルセルロース(ソフトキャット SL-30 ポリマー(花王社))、N-プロピオニルポリエチレンイミン・メチルポリシロキサン共重合体(エラストマーOS(花王社))、(ビニルアミン/ビニルアルコール)コポリマー(ダイヤフィックスC-601(三菱化学社))、ポリクオタニウム-28(ガフカット HS-100(Ashland社))、ポリクオタニウム-55(スタイリーゼW-20(Ashland社))、(ビニルピロリドン/アクリル酸DMAPA)コポリマー(スタイリーゼCC-10(Ashland社))等が挙げられる。これらのうち、使用時に手や指のべたつきを更に低減し、使用後の毛髪へしっとり感及び柔らかさ、滑らかさを更に向上させる観点から、塩化ジメチルジアリルアンモニウム・アクリルアミド共重合体、ビニルピロリドン・N,N-ジメチルアミノエチルメタクリル酸共重合体ジエチル硫酸塩、N,N-ジメチルアミノエチルメタクリル酸ジエチル硫酸塩・N,N-ジメチルアクリルアミド・ジメタクリル酸ポリエチレングリコール共重合体、及びアンモニウム変性ヒドロキシエチルセルロースからなる群から選ばれる少なくとも1種を用いることが好ましく、N-プロピオニルポリエチレンイミン・メチルポリシロキサン共重合体を用いることがより好ましい。
79(アクゾノーベル社))、酢酸ビニル・クロトン酸・ネオデカン酸ビニル共重合体(RESYN 28-2930(アクゾノーベル社))、アクリル酸・アクリル酸アミド・アクリル酸エチル共重合体(ウルトラホールド8、ウルトラホールドStrong(BASF社))、アクリル酸アルキル共重合体(アニセットNF-1000、アニセットH
S-300等(大阪有機化学工業社))、ポリエチレングリコール・ポリプロピレングリコール-25・ジメチコン・アクリレーツ共重合体(ルビフレックスSILK(BASF社))、イソホロンジイソシアネート・ジメチロールプロピオン酸・(ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレン)4,4’-イソプロピリデンジフェノール共重合体(DynamX(アクゾノーベル社))、ポリアクリレート22(ルビセットシェイプ(BASF社))、ビニルメチルエーテル・マレイン酸アルキル共重合体(ガントレッツA-425、ガントレッツES-225L、ガントレッツES-425L等(ISP社))、(クロトン酸/ビニル(8-12)イソアルキルエステルズ/VA/ビスビニルジメチコン)クロスポリマー(BELSIL P1101(旭化成ワッカー))、(アクリル酸アルキル)ジメチコンコポリマー(KP545(信越化学社))等が挙げられる。着色後の毛髪の感触と塗布時の使用感を向上させる観点から、また高い整髪性を付与する観点から、アクリル酸アルキル・ジアセトンアクリルアミド共重合体、酢酸ビニル・クロトン酸・ネオデカン酸ビニル共重合体、イソホロンジイソシアネート・ジメチロールプロピオン酸・(ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレン)4,4’-イソプロピリデンジフェノール共重合体、ビニルメチルエーテル・マレイン酸アルキル共重合体、(クロトン酸/ビニル(8-12)イソアルキルエステルズ/VA/ビスビニルジメチコン)クロスポリマー、及び(アクリル酸アルキル)ジメチコンコポリマーからなる群から選ばれる少なくとも1種が好ましい。
ルアミノエチル共重合体からなる群から選ばれる少なくとも1種を用いることが好ましい。
上記被膜形成樹脂として、陽イオン性樹脂、陰イオン性樹脂、及び非イオン性樹脂からなる群から選ばれる少なくとも1種を含むことが好ましく、陽イオン性樹脂、及び陰イオン性樹脂からなる群から選ばれる少なくとも1種を含むことがより好ましく、各樹脂における好ましいものは、前記記載の通りである。これら被膜形成樹脂として、先に例示した各樹脂を単独で又は2種以上組み合わせて用いることができる。
毛髪化粧料の粘度は、溶液を均一に塗り広げやすい観点より、好ましくは2500mPa・s以下、より好ましくは2000mPa・s以下、さらに好ましくは1500mPa・s以下である。また、保持体からの毛髪化粧料の滴りにくさの観点より、好ましくは5mPa・s以上、より好ましくは10mPa・s以上、より好ましくは15mPa・s以上、さらに好ましくは20mPa・s以上である。
次に、取り分けた毛束100を、開封した毛髪処理具1の繊維構造体5で挟む。具体的には、包装体2を引き裂くことで生じる把持片30と本体部分40との間に、毛髪を挟み、該毛髪に把持片30及び本体部分40に支持された繊維構造体5を当接させる。毛髪処
理具1において、繊維構造体5は、その表面が内側を向くように二つ折りされており、この二つ折りにした繊維構造体5間に毛束100を挟む。そして、繊維構造体5で毛束100を挟んだまま、毛髪処理具1を、毛束100の長さ方向に移動させる〔図9(b)参照〕。毛束100は、毛髪の一部であり、毛束100の長さ方向は、毛束100を構成する毛髪の配向方向と同じである。このような操作方法は、繊維構造体5の位置を処理者が直感的に把握できるため、毛髪化粧料の毛髪への塗布作業がし易い。
毛髪処理具1で挟む毛髪の位置は、毛束の中間、すなわち毛束100の根元と毛先の間を毛髪処理具1で挟む他、毛束100の根元部分を毛髪処理具1で挟むことも、毛束100の毛先部分を毛髪処理具1で挟むこともできる。いずれの場合も、毛束を挟んだ毛髪処理具1を毛先に向かってスライドさせることが好ましい。毛束に対してより均一に毛髪化粧料を塗布することができるからである。
毛髪処理具1で毛髪を挟んだまま毛髪処理具1をスライドさせる操作は、毛髪化粧料の排液性をバランスよく制御する観点から、繊維構造体5を指による加圧により押し付けながら行うことが好ましい。
また、毛髪処理具1を最初に挟んだ箇所から毛先側にスライドさせる操作は、処理したい各箇所について1回のみ行っても良く、多くの場合、1回でも均一な塗布が可能であるが、所望により、複数回行っても良い。
以上の操作を、頭髪の全体のうち、毛髪化粧料による処理を行いたい箇所に繰り返し行うこともできる。図9(d)には、毛髪化粧料として一時染毛料を用い、サイドの髪について処理を行った後、前髪の一部について同様の処理を行った後の着色状態を示してある。
(a)毛髪化粧料を保持した繊維構造体5は液不透過性シート3に固定されており、液不透過性シート3を介して間接的に繊維構造体5を保持して、毛髪処理を行うことができるため、手指や掌等に毛髪化粧料が付着することを防止でき、毛髪化粧料が肌に付着することによる不都合、例えば、毛髪化粧料が毛髪の一時染毛料である場合、手指が一時染毛料で着色されること等を防止することができる。
(c)また繊維構造体に保持させた毛髪化粧料を毛髪に押し付けつつ処理することにより、毛髪化粧料を徐々に供給できるため、毛髪化粧料をスプレーして毛髪を処理した場合や刷毛、ブラシ、スポンジ等で毛髪化粧料を毛髪に処理した場合等に比して、毛髪化粧料を、毛髪の長さ方向の広い範囲に均一に塗布することができ、また、分けとった毛束の表側のみならず裏側にも万遍なく毛髪化粧料を塗布することも容易である。また、これにより、毛髪化粧料として一時染毛料をマスカラブラシを用いて処理した場合に比して、着色ムラも生じ難くなる。
(d)塗布作業を行っている間、手指の感触により、処理を行っている部位を知覚し易い。そのため、処理したい部位に毛髪化粧料を容易に塗布できる一方、処理したくない部位に毛髪化粧料が付着することを防止することができる。
<1>
繊維構造体と該繊維構造体を固定している液不透過性シートとを有し、
前記繊維構造体は、顔料と被膜形成樹脂とを含有する毛髪化粧料を保持しており、
前記繊維構造体が包装体に密封されている、毛髪処理具を用いて毛髪を処理する方法であって、以下のステップ1及び2を備える、毛髪処理方法。
ステップ1:前記毛髪処理具の前記繊維構造体の表面を露出させる。
ステップ2:ステップ1で表面が露出された前記繊維構造体を、毛髪に接触させた状態で、前記繊維構造体を前記毛髪の配向方向に移動させる。
前記繊維構造体は前記液不透過性シートに超音波シール、ヒートシールで固定されている、前記<1>に記載の毛髪処理方法。
<3>
前記繊維構造体は、前記液不透過性シートの前記繊維構造体を固定している面と、前記繊維構造体の毛髪と接触する面とは反対側の面とが向かい合うように、液不透過性シートの面上に配置されている、前記<1>又は<2>に記載の毛髪処理方法。
<4>
前記繊維構造体は、該繊維構造体の毛髪に接触する面どうしが向かい合うように、前記液不透過性シートを二つ折りにする折り曲げ部に跨った状態で配置されている、前記<1>~<3>の何れか1に記載の毛髪処理方法。
<5>
前記繊維構造体は、横方向又は縦方向に離間した複数の箇所で前記液不透過性シートに固定されている、前記<1>~<4>の何れか1に記載の毛髪処理方法。
<6>
前記繊維構造体の表面側には、凹凸が面内に沿って一方向に延びるように多列に形成されている、前記<1>~<5>の何れか1に記載の毛髪処理方法。
<7>
前記毛髪処理具は、前記包装体の一面を形成しているシートを、把持片と、該把持片の一端が連結している本体部分とを生じるように引き裂き可能であり、
前記包装体が引き裂かれた開封状態において、前記繊維構造体が、前記把持片及び前記
本体部分のそれぞれにおける前記包装体の内側に向けられていた内面上に位置する、前記<1>~<6>の何れか1に記載の毛髪処理方法。
<8>
前記繊維構造体は、前記把持片の前記内面に固定されている、前記<7>に記載の毛髪処理方法。
<9>
前記繊維構造体は、前記本体部分の前記内面に固定されている、前記<7>又は<8>に記載の毛髪処理方法。
<10>
前記シートは、引き裂き方向に引き裂き直進性を有している、前記<7>~<9>の何れか1に記載の毛髪処理方法。
前記繊維構造体は、前記本体部分上に位置する部分と前記把持片上に位置する部分とが連続しており、これら両部分間に位置する折り曲げ部が、前記把持片と前記本体部分との連結部側に位置するように折り畳まれた状態で前記包装体に収容されている、前記<7>~<10>の何れか1に記載の毛髪処理方法。
<12>
前記開封状態において、前記繊維構造体は、前記本体部分上に位置する部分と前記把持片上に位置する部分とが同等の面積である、前記<7>~<11>の何れか1に記載の毛髪処理方法。
<13>
前記本体部分は、前記シートの引き裂き方向と交差する方向の片側又は両側にポケット部を有する、前記<7>~<12>の何れか1に記載の毛髪処理方法。
<14>
前記包装体は、前記シートの引き裂き方向と交差する方向の片側又は両側に、前記シートと該シートと対向する対向シートとが接合された固定シール部を有し、前記シートの引き裂き位置が、前記引き裂き方向と交差する方向において、前記固定シール部より中央側に位置している、前記<7>~<13>の何れか1に記載の毛髪処理方法。
<15>
前記包装体は、前記シートの引き裂き方向における中央位置より基端側に、前記シートと該シートと対向する対向シートとが接合された開封シール部を有し、前記シートを引き裂く際に、該開封シール部におけるシート間が剥離する、前記<7>~<14>の何れか1に記載の毛髪処理方法。
<16>
前記ステップ2においては、前記繊維構造体を、その表面が内側を向くように二つ折りし、二つ折りした繊維構造体間に毛束を挟んだ状態で、該繊維構造体を毛髪の配向方向に移動させる、前記<1>~<15>の何れか1に記載の毛髪処理方法。
<17>
前記毛髪処理具の前記把持片と前記本体部分との間に前記毛髪を挟んだまま、前記毛髪処理具をスライドさせて、前記毛髪に前記毛髪化粧料を塗布する、前記<7>~<16>の何れか1に記載の毛髪処理方法。
<18>
前記毛髪化粧料が、沸点が50℃以上260℃以下である有機溶剤を好ましくは70質量%以上、より好ましくは75質量%以上、更に好ましくは80質量%以上含み、且つ水の含有割合が好ましくは10質量%以下である、前記<1>~<17>の何れか1に記載の毛髪処理方法。
<19>
前記毛髪化粧料が一時染毛料である、前記<1>~<18>の何れかに1に記載の毛髪処理方法。
<20>
前記毛髪化粧料の粘度が、30℃で好ましくは2500mPa・s以下、より好ましくは2000mPa・s以下、更に好ましくは1500mPa・s以下であり、また好ましくは5mPa・以上、より好ましくは10mPa・s以上、より好ましくは15mPa・s以上、更に好ましくは20mPa・s以上である、前記<1>~<19>の何れか1に記載の毛髪処理方法。
前記繊維構造体が複数の層が積層された構造を有している、前記<1>~<20>の何れか1に記載の毛髪処理方法。
<22>
前記繊維構造体が、毛髪に接触する面を構成する表面層を含む塗布層と、該塗布層よりも前記液不透過性シート側に配置された下層とを含む、前記<21>に記載の毛髪処理方法。
<23>
前記塗布層の全構成繊維中のセルロース系繊維の含有割合と、前記下層の全構成繊維中のセルロース系繊維の含有割合とは相互に異なる、前記<22>に記載の毛髪処理方法。<24>
前記下層は、前記塗布層に比して、含浸前の質量に対する、含浸後の質量の割合である含浸率が高い不織布から構成されている、前記<22>又は<23>に記載の毛髪処理方法。
<25>
前記塗布層の全構成繊維中のセルロース系繊維の含有割合が、前記下層の全構成繊維中のセルロース系繊維の含有割合より低い、前記<24>に記載の毛髪処理方法。
<26>
前記下層におけるセルロース系繊維の含有割合が、該下層の全構成繊維の質量に対して、好ましくは60質量%以上、また好ましくは95質量%以下、より好ましくは90質量%以下であり、また好ましくは60質量%以上95質量%以下、より好ましくは60質量%以上90質量%以下である、前記<24>又は<25>に記載の毛髪処理方法。
<27>
前記塗布層は、前記下層に比して、含浸前の質量に対する、含浸後の質量の割合である含浸率が高い不織布から構成されている、前記<24>又は<23>に記載の毛髪処理方法。
<28>
前記塗布層の全構成繊維中のセルロース系繊維の含有割合が、前記下層の全構成繊維中のセルロース系繊維の含有割合より高い、前記<27>に記載の毛髪処理方法。
<29>
前記塗布層におけるセルロース系繊維の含有割合は、該塗布層の全構成繊維の質量に対して、好ましくは60質量%以上、より好ましくは60質量%超であり、また好ましくは95質量%以下、より好ましくは90質量%以下であり、また好ましくは60質量%以上95質量%以下、より好ましくは60質量%超95質量%以下、さらに好ましくは60質量%以上90質量%以下である、前記<27>又は<28>に記載の毛髪処理方法。
前記塗布層の厚さd1に対すると前記下層の厚さd2との比d2/d1が、好ましくは0.7以上、より好ましくは0.9以上、より好ましくは1.0以上、さらに好ましくは1.3以上であり、また好ましくは15以下、より好ましくは10以下、さらに好ましくは7.5以下であり、また好ましくは0.7以上15以下、より好ましくは0.9以上15以下、より好ましくは1.0以上10以下、さらに好ましくは1.3以上7.5以下である、前記<23>~<29>の何れか1に記載の毛髪処理方法。
<31>
前記繊維構造体の少なくとも表面側が、セルロース系繊維を、好ましくは5質量%以上、より好ましくは10質量%以上であり、また好ましくは60質量%以下、より好ましくは50質量%以下であり、また好ましくは5質量%以上60質量%以下、より好ましくは10質量%以上50質量%以下含んでいる、前記<1>~<20>の何れか1に記載の毛髪処理方法。
<32>
前記包装体の全体又は一部が、前記液不透過性シートから形成されている、前記<1>~<31>の何れか1に記載の毛髪処理方法。
<33>
前記繊維構造体は前記包装体に折りたたまれた状態で収容されている、前記<1>~<32>の何れか1に記載の毛髪処理方法。
<34>
前記被膜形成樹脂が、陽イオン性樹脂、陰イオン性樹脂及び非イオン性樹脂からなる群から選ばれる少なくとも1種の被膜形成樹脂を含む、前記<1>~<33>の何れか1に記載の毛髪処理方法。
<35>
前記非イオン性樹脂が、ポリビニルピロリドン、ビニルピロリドン・酢酸ビニル共重合体、ビニルメチルエーテル・マレイン酸アルキル共重合体、ポリシリコーン-28、アクリレーツ/メトキシPEG-23メタクリレートコポリマー、ポリシリコーン13、及びPEG-12ジメチコンからなる群から選ばれる少なくとも1種である、前記<34>の何れか1に記載の毛髪処理方法。
<36>
前記被膜形成樹脂が、陽イオン性樹脂、及び陰イオン性樹脂からなる群から選ばれる少なくとも1種の被膜形成樹脂を含む、前記<1>~<35>の何れか1に記載の毛髪処理方法。
<37>
前記陽イオン性樹脂が、塩化ジメチルジアリルアンモニウム・アクリルアミド共重合体、ビニルピロリドン・N,N-ジメチルアミノエチルメタクリル酸共重合体ジエチル硫酸塩、N,N-ジメチルアミノエチルメタクリル酸ジエチル硫酸塩・N,N-ジメチルアクリルアミド・ジメタクリル酸ポリエチレングリコール共重合体、及びアンモニウム変性ヒドロキシエチルセルロースからなる群から選ばれる少なくとも1種である、前記<34>~<36>の何れか1に記載の毛髪処理方法。
<38>
前記陰イオン性樹脂が、アクリル酸アルキル・ジアセトンアクリルアミド共重合体、酢酸ビニル・クロトン酸・ネオデカン酸ビニル共重合体、イソホロンジイソシアネート・ジメチロールプロピオン酸・(ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレン)4,4’-イソプロピリデンジフェノール共重合体、ビニルメチルエーテル・マレイン酸アルキル共重合体、(クロトン酸/ビニル(8-12)イソアルキルエステルズ/VA/ビスビニルジメチコン)クロスポリマー及び(アクリル酸アルキル)ジメチコンコポリマーからなる群から選ばれる少なくとも1種である、前記<34>~<37>の何れか1に記載の毛髪処理方法。
<39>
前記毛髪化粧料中の顔料の含有量が好ましくは0.5質量%以上、より好ましくは1質量%以上、更に好ましくは1.5質量%以上であり、また好ましくは20質量%以下、より好ましくは10質量%以下、更に好ましくは7質量%以下である、前記<1>~<38>の何れか1に記載の毛髪処理方法。
<40>
前記毛髪化粧料中の被膜形成樹脂の含有量が、好ましくは5質量%以上、より好ましくは7質量%以上、さらに好ましくは9質量%以上であり、また好ましくは25質量%以下
、より好ましくは20質量%以下であり、さらに好ましくは18質量%以下である、前記<1>~<39>の何れか1に記載の毛髪処理方法。
前記毛髪化粧料中における顔料に対する被膜形成樹脂の質量比(〔被膜形成樹脂の質量〕/〔顔料の質量〕)は、好ましくは0.5以上、より好ましくは2以上、更に好ましくは3以上であり、また好ましくは20以下、より好ましくは10以下、更に好ましくは6以下である、前記<1>~<40>の何れか1に記載の毛髪処理方法。
<42>
繊維構造体と該繊維構造体を固定している液不透過性シートとを有し、
前記繊維構造体は、顔料と被膜形成樹脂とを含有する毛髪化粧料を保持しており、
前記繊維構造体が包装体に密封されている、毛髪処理具を用いて毛髪を処理する方法であって、
前記毛髪化粧料が一時染毛料であり、
前記毛髪化粧料が、沸点が50℃以上260℃以下である有機溶剤を好ましくは70質量%以上含み、且つ水の含有割合が好ましくは10質量%以下であり、
前記毛髪化粧料の粘度が、30℃で好ましくは2500mPa・s以下であり、
前記毛髪化粧料中の顔料の含有量は、1.0質量%以上10質量%以下であり、
前記毛髪化粧料中の被膜形成樹脂の含有量が、7質量%以上20質量%以下であり、
前記被膜形成樹脂が、陽イオン性樹脂、及び陰イオン性樹脂からなる群から選ばれる少なくとも1種の被膜形成樹脂を含み、
前記陽イオン性樹脂が、塩化ジメチルジアリルアンモニウム・アクリルアミド共重合体、ビニルピロリドン・N,N-ジメチルアミノエチルメタクリル酸共重合体ジエチル硫酸塩、N,N-ジメチルアミノエチルメタクリル酸ジエチル硫酸塩・N,N-ジメチルアクリルアミド・ジメタクリル酸ポリエチレングリコール共重合体、及びアンモニウム変性ヒドロキシエチルセルロースからなる群から選ばれる少なくとも1種であり、
前記陰イオン性樹脂が、アクリル酸アルキル・ジアセトンアクリルアミド共重合体、酢酸ビニル・クロトン酸・ネオデカン酸ビニル共重合体、イソホロンジイソシアネート・ジメチロールプロピオン酸・(ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレン)4,4’-イソプロピリデンジフェノール共重合体、ビニルメチルエーテル・マレイン酸アルキル共重合体、(クロトン酸/ビニル(8-12)イソアルキルエステルズ/VA/ビスビニルジメチコン)クロスポリマー及び(アクリル酸アルキル)ジメチコンコポリマーからなる群から選ばれる少なくとも1種であり、
前記繊維構造体は、前記毛髪に接触する面を構成する表面層を含む塗布層及び、該塗布層よりも前記液不透過性シート側に配置された下層とを有しており、
前記塗布層及び前記下層は、それぞれ、単層又は前記毛髪化粧料の含浸率が同一の複数のシートが積層した積層構造からなり、
前記塗布層のセルロース系繊維の含有割合が、該塗布層の全構成繊維の質量に対して、60質量%以上95質量%以下であり、
前記毛髪処理方法は、以下のステップ1及び2を備えている、毛髪処理方法。
ステップ1:前記毛髪処理具の前記繊維構造体の表面を露出させる。
ステップ2:ステップ1で表面が露出された前記繊維構造体を、その表面が内側を向くように二つ折りし、二つ折りした前記繊維構造体間に毛束を挟んで、毛髪に接触させた状態で、前記繊維構造体を前記毛髪の配向方向に移動させる。
<43>
繊維構造体と該繊維構造体を固定している液不透過性シートとを有し、
前記繊維構造体は、顔料と被膜形成樹脂とを含有する毛髪化粧料を保持しており、
前記繊維構造体が包装体に密封されている、毛髪処理具を用いて毛髪を処理する方法であって、
前記毛髪化粧料が一時染毛料であり、
前記毛髪化粧料が、沸点が50℃以上260℃以下である有機溶剤を好ましくは70質量%以上含み、且つ水の含有割合が好ましくは10質量%以下であり、
前記毛髪化粧料の粘度が、30℃で好ましくは2500mPa・s以下であり、
前記毛髪化粧料中の顔料の含有量は、1.0質量%以上10質量%以下であり、
前記毛髪化粧料中の被膜形成樹脂の含有量が、7質量%以上20質量%以下であり、
前記被膜形成樹脂が、陽イオン性樹脂、及び陰イオン性樹脂からなる群から選ばれる少なくとも1種の被膜形成樹脂を含み、
前記陽イオン性樹脂が、塩化ジメチルジアリルアンモニウム・アクリルアミド共重合体、ビニルピロリドン・N,N-ジメチルアミノエチルメタクリル酸共重合体ジエチル硫酸塩、N,N-ジメチルアミノエチルメタクリル酸ジエチル硫酸塩・N,N-ジメチルアクリルアミド・ジメタクリル酸ポリエチレングリコール共重合体、及びアンモニウム変性ヒドロキシエチルセルロースからなる群から選ばれる少なくとも1種であり、
前記陰イオン性樹脂が、アクリル酸アルキル・ジアセトンアクリルアミド共重合体、酢酸ビニル・クロトン酸・ネオデカン酸ビニル共重合体、イソホロンジイソシアネート・ジメチロールプロピオン酸・(ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレン)4,4’-イソプロピリデンジフェノール共重合体、ビニルメチルエーテル・マレイン酸アルキル共重合体、(クロトン酸/ビニル(8-12)イソアルキルエステルズ/VA/ビスビニルジメチコン)クロスポリマー及び(アクリル酸アルキル)ジメチコンコポリマーからなる群から選ばれる少なくとも1種であり、
前記繊維構造体は、前記毛髪に接触する面を構成する表面層を含む塗布層及び、該塗布層よりも前記液不透過性シート側に配置された下層とを有しており、
前記塗布層及び前記下層は、それぞれ、単層又は前記毛髪化粧料の含浸率が同一の複数のシートが積層した積層構造からなり、
前記下層のセルロース系繊維の含有割合が、該下層の全構成繊維の質量に対して、60質量%以上95質量%以下であり、
前記毛髪処理方法は、以下のステップ1及び2を備えている、毛髪処理方法。
ステップ1:前記毛髪処理具の前記繊維構造体の表面を露出させる。
ステップ2:ステップ1で表面が露出された前記繊維構造体を、その表面が内側を向くように二つ折りし、二つ折りした前記繊維構造体間に毛束を挟んで、毛髪に接触させた状態で、前記繊維構造体を前記毛髪の配向方向に移動させる。
<44>
繊維構造体と該繊維構造体を固定している液不透過性シートとを有し、
前記繊維構造体は、顔料と被膜形成樹脂とを含有する毛髪化粧料を保持しており、
前記繊維構造体が包装体に密封されている、毛髪処理具。
<45>
前記繊維構造体は前記液不透過性シートに超音波シール、ヒートシールで固定されている、前記<44>に記載の毛髪処理具。
<46>
前記繊維構造体は、前記液不透過性シートの前記繊維構造体を固定している面と、前記繊維構造体の毛髪と接触する面とは反対側の面とが向かい合うように、液不透過性シートの面上に配置されている、前記<44>又は<45>に記載の毛髪処理具。
<47>
前記繊維構造体は、該繊維構造体の毛髪に接触する面どうしが向かい合うように、前記液不透過性シートを二つ折りにする折り曲げ部に跨った状態で配置されている、前記<44>~<46>の何れか1に記載の毛髪処理具。
<48>
前記繊維構造体は、横方向又は縦方向に離間した複数の箇所で前記液不透過性シートに固定されている、前記<44>~<47>の何れか1に記載の毛髪処理具。
<49>
前記繊維構造体の表面側には、凹凸が面内に沿って一方向に延びるように多列に形成さ
れている、前記<44>~<48>の何れか1に記載の毛髪処理具。
<50>
前記毛髪処理具は、前記包装体の一面を形成しているシートを、把持片と、該把持片の一端が連結している本体部分とを生じるように引き裂き可能であり、
前記包装体が引き裂かれた開封状態において、前記繊維構造体が、前記把持片及び前記本体部分のそれぞれにおける前記包装体の内側に向けられていた内面上に位置する、前記<44>~<49>の何れか1に記載の毛髪処理具。
<51>
前記繊維構造体は、前記把持片の前記内面に固定されている、前記<50>に記載の毛髪処理具。
前記繊維構造体は、前記本体部分の前記内面に固定されている、前記<50>又は<51>に記載の毛髪処理具。
<53>
前記シートは、引き裂き方向に引き裂き直進性を有している、前記<50>~<52>何れか1に記載の毛髪処理具。
<54>
前記繊維構造体は、前記本体部分上に位置する部分と前記把持片上に位置する部分とが連続しており、これら両部分間に位置する折り曲げ部が、前記把持片と前記本体部分との連結部側に位置するように折り畳まれた状態で前記包装体に収容されている、前記<48>~<51>の何れか1に記載の毛髪処理具。
<55>
前記開封状態において、前記繊維構造体は、前記本体部分上に位置する部分と前記把持片上に位置する部分とが同等の面積である、前記<50>~<54>の何れか1に記載の毛髪処理具。
<56>
前記包装体は、前記シートの引き裂き方向と交差する方向の片側又は両側に、前記シートと該シートと対向する対向シートとが接合された固定シール部を有し、前記シートの引き裂き位置が、前記引き裂き方向と交差する方向において、前記固定シール部より中央側に位置している、前記<50>~<55>の何れか1に記載の毛髪処理具。
<57>
前記包装体は、前記シートの引き裂き方向における中央位置より基端側に、前記シートと該シートと対向する対向シートとが接合された開封シール部を有し、前記シートを引き裂く際に、該開封シール部におけるシート間が剥離する、前記<50>~<56>の何れか1に記載の毛髪処理具。
<58>
前記ステップ2においては、前記繊維構造体を、その表面が内側を向くように二つ折りし、二つ折りした繊維構造体間に毛束を挟んだ状態で、該繊維構造体を毛髪の配向方向に移動させる、前記<44>~<57>の何れか1に記載の毛髪処理具。
<59>
前記毛髪処理具の前記把持片と前記本体部分との間に前記毛髪を挟んだまま、前記毛髪処理具をスライドさせて、前記毛髪に前記毛髪化粧料を塗布する、前記<50>~<58>の何れか1に記載の毛髪処理具。
<60>
前記毛髪化粧料が、沸点が50℃以上260℃以下である有機溶剤を好ましくは70質量%以上、より好ましくは75質量%以上、更に好ましくは80質量%以上含み、且つ水の含有割合が好ましくは10質量%以下である、前記<44>~<59>の何れか1に記載の毛髪処理具。
<61>
前記毛髪化粧料が一時染毛料である、前記<44>~<60>の何れかに1に記載の毛髪処理具。
前記毛髪化粧料の粘度が、30℃で好ましくは2500mPa・s以下、より好ましくは2000mPa・s以下、更に好ましくは1500mPa・s以下であり、また好ましくは5mPa・以上、より好ましくは10mPa・s以上、より好ましくは15mPa・s以上、更に好ましくは20mPa・s以上である、前記<44>~<61>の何れか1に記載の毛髪処理具。
<63>
前記繊維構造体が複数の層が積層された構造を有している、前記<44>~<62>の何れか1に記載の毛髪処理具。
<64>
前記繊維構造体が、毛髪に接触する面を構成する表面層を含む塗布層と、該塗布層よりも前記液不透過性シート側に配置された下層とを含む、前記<63>に記載の毛髪処理具。
<65>
前記塗布層の全構成繊維中のセルロース系繊維の含有割合と、前記下層の全構成繊維中のセルロース系繊維の含有割合とは相互に異なる、前記<64>に記載の毛髪処理具。
<66>
前記下層は、前記塗布層に比して、含浸前の質量に対する、含浸後の質量の割合である含浸率が高い不織布から構成されている、前記<64>又は<65>に記載の毛髪処理具。
<67>
前記塗布層の全構成繊維中のセルロース系繊維の含有割合が、前記下層の全構成繊維中のセルロース系繊維の含有割合より低い、前記<66>に記載の毛髪処理具。
<68>
前記下層におけるセルロース系繊維の含有割合が、該下層の全構成繊維の質量に対して、好ましくは60質量%以上、また好ましくは95質量%以下、より好ましくは90質量%以下であり、また好ましくは60質量%以上95質量%以下、より好ましくは60質量%以上90質量%以下である、前記<66>又は<67>の何れか1に記載の毛髪処理具。
<69>
前記塗布層は、前記下層に比して、含浸前の質量に対する、含浸後の質量の割合である含浸率が高い不織布から構成されている、前記<64>又は<65>に記載の毛髪処理具。
<70>
前記塗布層の全構成繊維中のセルロース系繊維の含有割合が、前記下層の全構成繊維中のセルロース系繊維の含有割合より高い、前記<69>に記載の毛髪処理具。
前記塗布層におけるセルロース系繊維の含有割合は、該塗布層の全構成繊維の質量に対して、好ましくは60質量%以上、より好ましくは60質量%超であり、また好ましくは95質量%以下、より好ましくは90質量%以下であり、また好ましくは60質量%以上95質量%以下、より好ましくは60質量%超95質量%以下、さらに好ましくは60質量%以上90質量%以下である、前記<69>又は<70>に記載の毛髪処理具。
<72>
前記塗布層の厚さd1に対すると前記下層の厚さd2との比d2/d1が、好ましくは0.7以上、より好ましくは0.9以上、より好ましくは1.0以上、さらに好ましくは1.3以上であり、また好ましくは15以下、より好ましくは10以下、さらに好ましく
は7.5以下であり、また好ましくは0.7以上15以下、より好ましくは0.9以上15以下、より好ましくは1.0以上10以下、さらに好ましくは1.3以上7.5以下である、前記<65>~<71>の何れか1に記載の毛髪処理具。
<73>
前記繊維構造体の少なくとも表面側が、セルロース系繊維を、好ましくは5質量%以上、より好ましくは10質量%以上であり、また好ましくは60質量%以下、より好ましくは50質量%以下であり、また好ましくは5質量%以上60質量%以下、より好ましくは10質量%以上50質量%以下含んでいる、前記<44>~<62>の何れか1に記載の毛髪処理具。
<74>
前記包装体の全体又は一部が、前記液不透過性シートから形成されている、前記<44>~<73>の何れか1に記載の毛髪処理具。
<75>
前記繊維構造体は前記包装体に折りたたまれた状態で収容されている、前記<44>~<74>の何れか1に記載の毛髪処理具。
<76>
前記被膜形成樹脂が、陽イオン性樹脂、陰イオン性樹脂及び非イオン性樹脂からなる群から選ばれる少なくとも1種の被膜形成樹脂を含む、前記<44>~<75>の何れか1に記載の毛髪処理具。
<77>
前記非イオン性樹脂が、ポリビニルピロリドン、ビニルピロリドン・酢酸ビニル共重合体、ビニルメチルエーテル・マレイン酸アルキル共重合体、ポリシリコーン-28、アクリレーツ/メトキシPEG-23メタクリレートコポリマー、ポリシリコーン13、及びPEG-12ジメチコンからなる群から選ばれる少なくとも1種である、前記<76>に記載の毛髪処理具。
<78>
前記被膜形成樹脂が、陽イオン性樹脂、及び陰イオン性樹脂からなる群から選ばれる少なくとも1種の被膜形成樹脂を含む、前記<44>~<75>の何れか1に記載の毛髪処理具。
<79>
前記陽イオン性樹脂が、塩化ジメチルジアリルアンモニウム・アクリルアミド共重合体、ビニルピロリドン・N,N-ジメチルアミノエチルメタクリル酸共重合体ジエチル硫酸塩、N,N-ジメチルアミノエチルメタクリル酸ジエチル硫酸塩・N,N-ジメチルアクリルアミド・ジメタクリル酸ポリエチレングリコール共重合体、及びアンモニウム変性ヒドロキシエチルセルロースからなる群から選ばれる少なくとも1種である、前記<76>~<78>の何れか1に記載の毛髪処理具。
<80>
前記陰イオン性樹脂が、アクリル酸アルキル・ジアセトンアクリルアミド共重合体、酢酸ビニル・クロトン酸・ネオデカン酸ビニル共重合体、イソホロンジイソシアネート・ジメチロールプロピオン酸・(ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレン)4,4’-イソプロピリデンジフェノール共重合体、ビニルメチルエーテル・マレイン酸アルキル共重合体、(クロトン酸/ビニル(8-12)イソアルキルエステルズ/VA/ビスビニルジメチコン)クロスポリマー及び(アクリル酸アルキル)ジメチコンコポリマーからなる群から選ばれる少なくとも1種である、前記<76>~<79>の何れか1に記載の毛髪処理具。
<81>
前記毛髪化粧料中の顔料の含有量が好ましくは0.5質量%以上、より好ましくは1質量%以上、更に好ましくは1.5質量%以上であり、また好ましくは20質量%以下、より好ましくは10質量%以下、更に好ましくは7質量%以下である、前記<44>~<80>の何れか1に記載の毛髪処理具。
前記毛髪化粧料中の被膜形成樹脂の含有量が、好ましくは5質量%以上、より好ましくは7質量%以上、さらに好ましくは9質量%以上であり、また好ましくは25質量%以下、より好ましくは20質量%以下であり、さらに好ましくは18質量%以下である、前記<44>~<81>の何れか1に記載の毛髪処理具。
<83>
前記毛髪化粧料中における顔料に対する被膜形成樹脂の質量比(〔被膜形成樹脂の質量〕/〔顔料の質量〕)は、好ましくは0.5以上、より好ましくは2以上、更に好ましくは3以上であり、また好ましくは20以下、より好ましくは10以下、更に好ましくは6以下である、前記<44>~<82>の何れか1に記載の毛髪処理具。
レーヨン繊維(繊度1.7dtex、繊維径12μm、繊維長5mm)22%、PET繊維(繊度1.7dtex、繊維径12.5μm、繊維長10mm)18%、PP/PE繊維(鞘型複合繊維、繊度2.2dtex、繊維径17.5μm、繊維長10mm)50%及びPVA繊維(繊度1.1dtex、繊維径10μm、繊維長3mm)10%を原料繊維として、湿式抄造法により、坪量45g/m2の湿式抄造紙A(不織布A)を得た。
レーヨン繊維(繊度1.7dtex、繊維径12μm、繊維長40mm)70%、及びPP/PE繊維(芯鞘型複合繊維、繊度2.2dtex、繊維径17.5μm、繊維長51mm)30%を原料繊維としてカード機に掛けてカードウエブを製造し、これにジェット水流を加えて、坪量60g/m2のスパンレース不織布Cを得た。
得られた湿式抄造紙A及びスパンレース不織布Cを用いて、2層の湿式抄造紙Aからなる塗布層と3層のスパンレース不織布Cからなる下層とを備えた平面矩形状の合計5層の積層体(繊維構造体)を得た。この5層の積層体を、別に用意したアルミニウムを蒸着した熱可塑性樹脂フィルムからなる液不透過性シート上に重ね、合計6層のシート間を、図1に示すような縦方向及び横方向の相互に離間した複数の箇所で熱融着により接合して実施例1の毛髪処理具を得た。
実施例1の毛髪処理具の合計5層の積層体からなる繊維構造体は、その平面視形状が、3×4cmの矩形状で、坪量が270g/m2であった。また、繊維構造体の表面即ち毛髪と接触する面には、図7(c)に示すパターンで複数の凹部を設けた。この繊維構造体を、6×8cmの矩形状の液不透過性シートの中央部に配置し、熱融着により部分的に液不透過性シートに固定した。
表1に示す不織布A~Eを、表4に示す塗布層、下層の順序、及び表4に示す枚数で重ね合わせて得られた積層体からなる、3×4cmの矩形状の繊維構造体を得た。表1に、不織布A~Eの繊維構成、および坪量を示す。また、繊維構造体の表面即ち毛髪と接触する面には、図7(c)に示すパターンで複数の凹部を設けた。次に、アルミニウムを蒸着した熱可塑性樹脂フィルムからなる、6×8cmの矩形状の液不透過性シートを用意した。この液不透過性シートの中央部に、上記の繊維構造体を配置し、図1に示すような相互に離間した複数の箇所で、熱融着により部分的に繊維構造体と液不透過性シートとを接合して、毛髪処理具を得た。
尚、表1に示す不織布Bは、前記不織布Aと同様に、湿式抄造法により製造した。表1に示す不織布D及びEは、それぞれ、前記不織布Cと同様に、スパンレース製法により製造した。
また、各実施例の繊維構造体について、含浸後の繊維構造体の最大質量に対する、表4に示す前記含浸率で含浸させた繊維構造体の質量の割合(%)を、含浸容量率として求めた。含浸後の繊維構造体の最大質量とは、繊維構造体が含浸して保持し得る最大量で一時染毛料を含浸させた繊維構造体の質量を指す。各実施例の含浸容量率を表4に示す。
化学的処理履歴の無い日本人黒髪直毛で長さ25cm、重さ1.0gの毛束(トレス)を作製した。この毛束を、表3に処方を示すモデルシャンプーで洗浄した。次いでタオルドライを行い、ドライヤー(ソリス社製、ソリスドライヤー315)で1分間乾かした後の毛束(以下、評価用毛束ともいう)を評価に用いた。
評価用毛束(トレス)における結束された側の一端から0.5cmの位置を、トレスが繊維構造体に当接するよう、二つ折にした実施例1~4の毛髪処理具でトレスを挟んだ。そして、トレスを毛髪処理具で挟んだ状態のまま、トレスの他端に向かって毛髪処理具を移動させ、該トレスに毛髪化粧料(一時染毛料)を塗布した。この塗布時の毛髪処理具の移動速度は1.5cm/秒であった。トレスに毛髪化粧料を塗布後、毛髪処理具の重量を測定し、毛束(トレス)への毛髪化粧料の塗布量を測定した。測定結果を毛束への塗布量として表4に示す。
次いで、室温(25℃)で30秒放置し、トレスを半乾きにした後、くし(貝印社製、HK0103B’s セットコームL)をトレスに1秒間に1回、合計10回通した。そして、塗布時の使用感、およびこのようにして得られた着色後の毛束について、顔料の均一塗布性、顔料の転写効率、着色後の毛髪の感触、及び経時安定性を、それぞれ以下の方法及び評価基準で評価した。その評価結果を表4に示す。
毛髪処理具で毛束を挟み、塗布する際の使用感を、パネラー5名による下記の4段階評価で行った。評価の合計点を表4に示す。
4点:塗布時に液が十分排液されて、塗布できている感覚がある
3点:塗布時に液がやや排液されて、塗布できている感覚がややある
2点:塗布時に液がやや排液されにくく、塗布できている感覚がややない
1点:塗布時に液が十分排液されず、塗布できている感覚がない
顔料の均一塗布性を、評価用毛束における結束された側の一端(上部)から毛先(下部)における着色強度を、目視で観察することにより評価した。評価はパネラー5名による下記の4段階視覚評価で行った。評価の合計点を表4に示す。
4点:上部から下部にかけて、均一に着色している
3点:上部から下部にかけて、やや均一に着色している
2点:上部から下部にかけて、着色がやや不均一である
1点:上部から下部にかけて、着色が不均一である
着色後のトレスについて、顔料の毛髪への転写効率を、元の黒髪が隠蔽されてかつ十分に着色しているかを目視で観察することにより評価した。評価はパネラー5名による下記の4段階視覚評価で行った。評価の合計点を表4に示す。
4点:黒髪が完全に隠蔽され、元髪の色とは異なり明瞭に着色している
3点:黒髪がほとんど隠蔽され、元髪の色とは異なり着色している
2点:黒髪がやや隠蔽され、元髪の色とは異なりやや着色している
1点:黒髪が隠蔽されず、着色していない
着色後の毛髪(毛束)の感触を、官能評価により評価した。評価はパネラー5名による下記の4段階評価で行った。評価の合計点を表4に示す。
4点:全くごわつかず、感触が良い
3点:ほとんどごわつかず、感触がやや良い
2点:ややごわつき、感触がやや悪い
1点:ごわつき、感触が悪い
実施例1~13の毛髪処理具を二つに折りたたみ、熱融着により液不透過性シートの周囲を密封した。次いで、下記条件に設定した恒温槽(エスペック社製 タバイ恒温高湿機)内に横置きし、6日間保存した。
恒温槽の設定条件:-15℃から60℃に昇温後(6.25℃/h)、60℃から-15℃(-6.25℃/h)に降温する温度サイクルを一日かけて行うサイクル
6日間の保存後、恒温槽から毛髪処理具を取り出し、室温で6時間静置して、調温した後、前記〔顔料の均一塗布性〕と同じ処理手順及び評価基準で評価を行った。評価の合計点を表4に示す。
の毛髪処理具を用いると、手を汚さずに一時染毛料を毛束に塗布することができた。
実施例1の毛髪処理具、及び一般的に一時染毛料や染毛剤を塗布する際に使用される他の化粧用具(比較例1~3)を用いて、表2に示す毛髪化粧料を評価用毛束に塗布した。評価用毛束は、上記の実施例で用いた評価用毛束を使用した。
表2に示す毛髪化粧料0.4gを、実施例1の毛髪処理具を用いて評価用毛束(トレス)に塗布した。トレスが繊維構造体に当接するよう、二つ折りにした実施例1の毛髪処理具でトレスを挟み、そのままトレスの他端に向かって毛髪処理具を移動させ、該トレスに毛髪化粧料を塗布した。毛髪化粧料を0.4g塗布するために要した回数を、塗布操作の回数としてカウントした。塗布操作の回数を表5に示す。
表2に示す毛髪化粧料0.4gをマスカラブラシ(花王社製ブローネ ポイントカバー付属品)で塗布した。毛髪化粧料を0.4g塗布するために要した回数を、塗布操作の回数としてカウントした。塗布操作の回数を表5に示す。
表2に示す毛髪化粧料0.4gを毛束の表面に載せ、刷毛(花王社製ブローネ 香りと艶カラークリーム付属品)で均一になるようにのばした。毛髪化粧料をのばすために要した回数を、塗布操作の回数としてカウントした。塗布操作の回数を表5に示す。
表2に示す毛髪化粧料0.4gを毛束の表面に載せ、スポンジ(花王社製 商品名 Sofina Primavista きれいな素肌質感パウダーファンデーション 付属のパフ )で均一になるようにのばした。毛髪化粧料を均一にのばすために要した回数を、塗布操作の回数としてカウントした。塗布操作の回数を表5に示す。
塗布操作の簡便性をパネラー5名による4段階評価で行った。評価の合計点を表5に示す。
4点:簡便で、個人でも均一に塗布できる
3点:やや簡便で、個人でもやや均一に塗布できる
2点:やや難しく、個人で均一に塗布することは難しい
1点:難しく、個人では均一に塗布できない
本発明の毛髪処理具の繊維構造体に、組成の異なる一時染毛料を含浸させて評価用毛束に塗布し、実施例1~12と同様、塗布時の使用感、顔料の均一塗布性、顔料の転写効率、着色後の毛髪の感触、及び経時安定性について、それぞれ前述した方法及び評価基準で評価した。
実施例10の毛髪処理具を用意した。毛髪処理具の繊維構造体には、下記表6に示す各一時染毛料を含浸させた。そして、実施例1~12と同様に、前記毛髪処理具を用いて評価用毛束に一時染毛料を塗布し、塗布時の使用感について前述した方法及び評価基準で評価した。また、得られた着色後の毛束について、顔料の均一塗布性、顔料の転写効率、着色後の毛髪の感触を、それぞれ前述した方法及び評価基準で評価した。これら評価結果を表6に示す。また、表6には、実施例10の評価結果も示す。なお、評価用毛束は、上記の実施例で用いた評価用毛束を使用した。
実施例20として、本発明の毛髪処理具を用いて、毛髪を染毛すると共に、該毛髪にカール形状を付与する試験を行った。試験方法は下記の通りである。
評価用毛束(トレス)における結束された側の一端から0.5cmの位置を、トレスが繊維構造体に当接するよう、二つ折にした実施例1の毛髪処理具でトレスを挟み、その状
態のまま、トレスの他端に向かって毛髪処理具を移動させ、該トレスに毛髪化粧料(一時染毛料)を塗布した。この毛髪処理具の繊維構造体に含浸されている一時染毛料は、表2に示すように、顔料と共に、N-プロピオニルポリエチレンイミン・メチルポリシロキサン共重合体A~Cの被膜形成樹脂を含む。また、塗布時の毛髪処理具の移動速度は1.5cm/秒であった。トレスに毛髪化粧料を塗布後、毛髪処理具の重量を測定し、トレスへの毛髪化粧料の塗布量を測定したところ、実施例1と同じ測定結果であった。
次いで、室温(25℃)で30秒放置し、トレスを半乾きにした後、くし(貝印社製、HK0103B’s セットコームL)をトレスに1秒間に1回、合計10回通した。この操作によりトレスは半乾きの状態から乾燥した状態になっていた。
その後設定温度180℃のヘアアイロン(メーカー名:TESCOM社 型番:PM81)にトレスを巻きつけた後、10秒保持し、その後ヘアアイロンから毛束を外した。その結果、毛束全体に均一に着色され、且つカール形状を付与することができた。
2 包装体
22 ポケット部
23 開封縁
3 液不透過性シート
30 把持片
40 本体部分
5 繊維構造体
51 塗布層
52 下層
54,55,57 固定部
522 凸部
523 凹部
9 摘み部
91 ノッチ
100 毛束
X 横方向
Y 縦方向
Claims (14)
- 繊維構造体と該繊維構造体を固定している液不透過性シートとを有し、
前記繊維構造体は、顔料と被膜形成樹脂とを含有する毛髪化粧料を保持しており、
前記毛髪化粧料は一時染毛料であり、
前記液不透過性シートを折り曲げて形成された偏平な包装体に、前記一時染毛料を含浸させた前記繊維構造体が該液不透過性シートの折り曲げ部に跨った状態で密封されている、毛髪処理具を用いて毛髪を処理する方法であって、以下のステップ1及び2を備える、毛髪処理方法。
ステップ1:前記包装体を開封し、前記毛髪処理具の前記繊維構造体の表面を露出させる。
ステップ2:ステップ1で表面が露出された前記繊維構造体を、毛髪に接触させた状態で、前記繊維構造体を前記毛髪の配向方向に移動させる。 - 前記ステップ2においては、前記繊維構造体を、その表面が内側を向くように二つ折りし、二つ折りした前記繊維構造体間に毛束を挟んだ状態で、該繊維構造体を毛髪の配向方向に移動させる、請求項1に記載の毛髪処理方法。
- 前記毛髪化粧料が、沸点が50℃以上260℃以下である有機溶剤を70質量%以上含み、且つ水の含有割合が10質量%以下である、請求項1又は2に記載の毛髪処理方法。
- 前記毛髪化粧料の粘度が、30℃で2500mPa・s以下である、請求項1~3の何れか1項に記載の毛髪処理方法。
- 前記繊維構造体が複数の層が積層された構造を有している、請求項1~4の何れか1項に記載の毛髪処理方法。
- 前記繊維構造体は、前記毛髪に接触する面を構成する表面層を含む塗布層及び、該塗布層よりも前記液不透過性シート側に配置された下層を有しており、
前記塗布層及び前記下層は、それぞれ、単層又は前記毛髪化粧料の含浸率が同一の複数のシートが積層した積層構造からなり、
前記下層のセルロース系繊維の含有割合が、該下層の全構成繊維の質量に対して、60質量%以上95質量%以下である、請求項1~5の何れか1項に記載の毛髪処理方法。 - 前記繊維構造体は、前記毛髪に接触する面を構成する表面層を含む塗布層及び、該塗布層よりも前記液不透過性シート側に配置された下層を有しており、
前記塗布層及び前記下層は、それぞれ、単層又は前記毛髪化粧料の含浸率が同一の複数のシートが積層した積層構造からなり、
前記塗布層のセルロース系繊維の含有割合が、該塗布層の全構成繊維の質量に対して、60質量%以上95質量%以下である、請求項1~5の何れか1項に記載の毛髪処理方法。 - 前記繊維構造体は、前記毛髪に接触する面を構成する表面層を含む塗布層及び、該塗布層よりも前記液不透過性シート側に配置された下層を有しており、
前記塗布層及び前記下層は、単層構造又はセルロース系繊維の含有割合が相互に同一の複数のシートが積層された積層構造を有しており、
前記塗布層の全構成繊維中のセルロース系繊維の含有割合と、前記下層の全構成繊維中のセルロース系繊維の含有割合とは相互に異なる、請求項1~7の何れか1項に記載の毛髪処理方法。 - 前記塗布層の全構成繊維中のセルロース系繊維の含有割合が、前記下層の全構成繊維中のセルロース系繊維の含有割合より低い、請求項8に記載の毛髪処理方法。
- 前記繊維構造体の少なくとも表面側がセルロース系繊維を5質量%以上60質量%以下含む、請求項1~4の何れか1項に記載の毛髪処理方法。
- 前記包装体の全体又は一部が、前記液不透過性シートから形成されている、請求項1~10の何れか1項に記載の毛髪処理方法。
- 前記繊維構造体は前記包装体に折りたたまれた状態で収容されている、請求項1~11の何れか1項に記載の毛髪処理方法。
- 前記被膜形成樹脂が、陽イオン性樹脂、及び陰イオン性樹脂からなる群から選ばれる少なくとも1種を含む、請求項1~12の何れか1項に記載の毛髪処理方法。
- 繊維構造体と該繊維構造体を固定している液不透過性シートとを有し、
前記繊維構造体は、顔料と被膜形成樹脂とを含有する毛髪化粧料を保持しており、
前記毛髪化粧料は一時染毛料であり、
前記液不透過性シートを折り曲げて形成された偏平な包装体に、前記一時染毛料を含浸させた前記繊維構造体が該液不透過性シートの折り曲げ部に跨った状態で密封されており、
露出させた前記繊維構造体を毛髪に接触させた状態で、前記繊維構造体を前記毛髪の配向方向に移動させて用いられる、毛髪処理具。
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