JP7085322B2 - 塗布具 - Google Patents
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Description
図1~3に示す各実施形態の塗布具1A~1Cは、それぞれ、粒子を含む処理剤が含浸させてある繊維構造体5を備えており、繊維構造体5に含浸させてある処理剤を該塗布対象物に塗布して、塗布対象物を処理するために用いられる。以下、塗布具1A~1Cを纏めて塗布具1ともいう。
繊維構造体5は、単層構造、又は複数の層が積層された多層構造を有している〔図4(a)~(c)参照〕。単層構造の繊維構造体5は、図4(a)に示すように、繊維材料からなる単層の繊維シート50から構成されている。
多層構造の繊維構造体5は、図4(b)及び(c)に示すように、繊維材料からなる複数枚の繊維シート50が積層された構造を有している。
繊維シート50としては、例えば、不織布、編み物、紙等が挙げられる。
表面層51のメジアン細孔径Dは、水銀圧入法(JIS R 1655:2003)に準拠して、自動ポロシメータ(島津製作所(株)、Auto Pore IV 9500)を用いて測定することができる。
表面層51のメジアン細孔径Dを測定するに当たり、表面層51を形成する繊維シート50を測定対象のシートとする。測定対象のシートは、表面層51に用いる前の原料シートとしての繊維シート50を用いるか、処理剤を含有させる前の繊維構造体5から表面層51を形成している繊維シート50を取り出して用いる。繊維構造体5が処理剤を含有している場合は、繊維構造体5を水で洗浄して乾燥させてから、表面層51を形成している繊維シート50を取り出す。繊維構造体5が単層構造である場合、該繊維構造体5自体が表面層51を形成している繊維シート50となる。
測定対象のシートから質量0.02~0.05gの測定サンプルを切り出し、該測定サンプルを入れた測定セルを前記自動ポロシメータにセットし、該測定サンプルの細孔容量を測定する。次いで、下記の式(1)に従って換算した細孔径D0と、細孔容量との関係を描くことにより、細孔径D0を求める。即ち、水銀に加える圧力を徐々に変化させ、その時に孔内に押し込まれた水銀の体積、言い換えれば、細孔容量を測定して細孔径D0(μm)を求める。
細孔径D0=-4γcosθ/P・・・(1)
γ:水銀の表面張力
θ:接触角
P:圧力
上記の式(1)における測定条件として、水銀の表面張力は482.536dyn/cm、接触角は130°、水銀圧力は0~60000psia、そして、得られる細孔径D0の分布曲線(微分・積分曲線)に基づいて、0.0055~500μmに亘る細孔径のトータルを全容量とし、メジアン細孔径Dを求める。前記測定は22℃65%RH環境下にて行う。
粒子Pの平均粒子径dは、レーザー回折/散乱法により測定したメジアン径(積算粒子量が50体積%になる粒子径)であり、レーザー回折式粒子径分布測定装置(島津製作所製、SALD-2300)を用いて、測定することができる。本発明では、前記レーザー回折式粒子径分布測定装置により粒子Pの粒度分布を体積基準で作成し、得られたメジアン径を粒子Pの平均粒子径dとする。また、前記装置と併せて高濃度サンプル測定ユニット(SALD-HC23)を用いることにより、粒子Pを含む処理剤を測定サンプルとすることができる。処理剤が平均粒子径が異なる複数種類の粒子Pを含んでいる場合、粒子Pの平均粒子径dは、該処理剤において複数種類の粒子Pが混在した状態下の平均粒子径とする。
また、繊維構造体5の何れかの一方のみの面において、前記メジアン細孔径Dが、処理剤に含まれる粒子Pの平均粒子径dよりも大きい場合、繊維構造体5は、該一方の面を当接面51aとし、他方の面を非当接面51bと識別され得る外観を有していることが好ましい。このような外観を有する繊維構造体5として、例えば、当接面51aに特定の印や模様が施されたものが挙げられる。
ここで含浸率とは、含有前の繊維構造体5の質量に対する、含有後の繊維構造体5の質量の割合(百分率、%)である。
適切なメジアン細孔径を有する繊維シートを得る観点から、表面層51を形成する繊維シート50は、熱可塑性樹脂繊維、熱硬化性繊維等の合成繊維の含有割合は、好ましくは10質量%以上、より好ましくは50質量%以上であり、また好ましくは100質量%以下、より好ましくは90質量%以下である。また、同様の観点から、合成繊維は、例えば、繊度が0.01dtex以上500dtex以下、特に1.0dtex以上350dtex以下であることが好ましい。
セルロース系繊維の含有割合が、好ましくは90質量%以下、より好ましくは80質量%以下であり、また好ましくは0質量%以上、より好ましくは10質量%以上である。
また、多層構造の繊維構造体5は、図4(c)に示すように、それぞれ異なる繊維構成の層を複数積層して形成されていてもよいが、その場合、均一塗布性及び徐放性を両立させる観点から、多層構造の各層を構成する繊維シートのメジアン細孔径Dは、前記粒子Pの平均粒子径d以上であることが好ましく、該平均粒子径dよりも大きいことがより好ましい。
このような構成を有する繊維構造体5としては、例えば、平面視したときに、一方の面において凸部622が形成された位置と他方の面に凸部622が形成された位置とが略一致しているものが挙げられる。より具体的には、特開2014-210767号公報の図2~図4に示されたシートが挙げられる。
上記の凹部623及び凸部622は、例えばエンボス加工、又は特開2014-108306号公報の段落〔0035〕に記載の目開き(孔部)を有するメッシュの網や、凸部を有する回転ローラに繊維構造体を押し付けることにより形成することができる。
顔料は、塗布具1を用いて毛髪を着色する場合に着色剤として使用することができ、その形状(球状、針状、板状等)や粒子構造(多孔質、無孔質等)を問わず、いずれのものも使用することができる。顔料としては、例えば無機顔料、有機顔料、パール顔料、金属粉末顔料、光輝性粉体等が挙げられる。
光輝性粉体としては、ポリエチレンテレフタレート・アルミニウム・エポキシ積層体、ポリエチレンテレフタレート・ポリオレフィン積層フィルム体等が挙げられる。
沸点が50℃以上260℃以下である有機溶剤としては、エタノール、プロパノール、プロパノール、イソプロパノール、tert-ブチルアルコール、1,3-ブチレンアルコール、ジプロピレングリコール、イソドデカン、水添ポリイソブテンが好ましく、エタノール、イソプロパノールが好ましく、エタノールが更に好ましい。
有機溶剤の沸点は、常圧条件(101.3kPa)で測定される。
被膜形成樹脂は、塗布対象物の表面に付与されることで、塗布対象物の表面に被膜を形成し得るものである。形成される被膜の引っかき硬度(鉛筆法)好ましくは3Hより軟らかく、より好ましくは2Hより軟らかく、更に好ましくはHより軟らかい。具体的には、引っかき硬度(鉛筆法)が好ましくは6B~3H、より好ましくは6B~H以下、更に好ましくは6B~Hである。引っかき硬度(鉛筆法)がこの範囲となる被膜を形成し得る樹脂を用いると、塗布対象物として毛髪を処理する場合、該毛髪を所望のスタイルに容易に整髪することができる。引っかき硬度(鉛筆法)を測定するための被膜は、被膜形成樹脂の10質量%エタノール溶液をPETフィルム上に3cm×4cmの範囲に2g塗布して、25℃、相対湿度50%の条件で、24時間以上乾燥させることにより調製する。
本発明で用いることのできる陽イオン性樹脂としては、例えばビニルピロリドン・メタクリル酸ジメチルアミノエチル共重合体ジエチル硫酸塩(H・CポリマーIS(M)、H・Cポリマー2等(大阪有機化学工業社))、ビニルピロリドン・ジメチルアミノプロピルメタクリルアミド・ラウリルジメチルアミノプロピルメタクリルアミド共重合体(スタイラーゼW-20(ISP社))、ポリ塩化ジメチルメチレンペピリジニウム(マーコート100(ナルコ社))、塩化ジメチルジアリルアンモニウム・アクリルアミド共重合体(マーコート550(ナルコ社))、ビニルピロリドン・N,N-ジメチルアミノエチルメタクリル酸共重合体ジエチル硫酸塩(ガフカット734(ISP社))、ビニルピロリドン・ジメチルアミノエチルメタクリレート共重合体(ガフカット440(ISP社))、N,N-ジメチルアミノエチルメタクリル酸ジエチル硫酸塩・N,N-ジメチルアクリルアミド・ジメタクリル酸ポリエチレングリコール共重合体(ソフケア KG-101W-E、ソフケア KG-301P等(花王社))、アンモニウム変性ヒドロキシエチルセルロース(ソフトキャット SL-30 ポリマー(花王社))、N-プロピオニルポリエチレンイミン・メチルポリシロキサン共重合体(エラストマーOS(花王社))等が挙げられる。これらのうち、使用時に手や指のべたつきを更に低減する観点、及び塗布対象物が毛髪である場合、使用後の毛髪へしっとり感及び柔らかさ、滑らかさを更に付与する観点から、塩化ジメチルジアリルアンモニウム・アクリルアミド共重合体、ビニルピロリドン・N,N-ジメチルアミノエチルメタクリル酸共重合体ジエチル硫酸塩、N,N-ジメチルアミノエチルメタクリル酸ジエチル硫酸塩・N,N-ジメチルアクリルアミド・ジメタクリル酸ポリエチレングリコール共重合体、アンモニウム変性ヒドロキシエチルセルロース、N-プロピオニルポリエチレンイミン・メチルポリシロキサン共重合体を用いることが好ましい。
また、処理剤は、顔料の含有割合が、塗布前の塗布対象物の色味に関らず、例えば、塗布対象物が毛髪であれば、黒髪や金髪のような元の髪色(色味)に関らず、元の色味を隠蔽し、かつ元の色味とは全く異なる鮮やかな色を発色させる観点から、好ましくは0.5質量%以上、より好ましくは1.0質量%以上、さらに好ましくは1.5質量%以上であり、また20質量%以下、より好ましくは10質量%以下、さらに好ましくは7質量%以下である。
処理剤の粘度は、該処理剤を塗布対象物に均一に塗り広げることを容易にする観点から、好ましくは2.5Pa・s以下、より好ましくは2.0Pa・s以下、さらに好ましくは1.5Pa・s以下である。また、処理剤を繊維構造体5から滴り難くする観点から、好ましくは5mPa・s以上、より好ましくは10mPa・s以上、より好ましくは15mPa・s以上、さらに好ましくは20mPa・s以上である。尚、本発明の塗布具1は、処理剤の粘度が2.5Pa・s以下であっても、処理剤を均一に塗布することができ、また液だれも生じにくい。
処理剤が液体である場合には、液不透過性である液不透過性シートが選択される。液不透過性シートとしては、ある程度柔軟であり液不透過性のものであればその種類に特に制限はなく、例えば熱可塑性樹脂のフィルム、該フィルムにアルミニウムなどの金属薄膜をラミネートしたもの等を用いることができる。
また、図2に示す包装体2は、該包装体2の四隅の内の少なくとも1つに、上面2aを形成するシート21と下面2bを形成するシート3との間が接合されていない摘み部9を備えており、上面2aを形成するシート21を、摘み部9を始点にして、包装体2の対角線方向に引っ張ることで、該シート21の全体をシート3から剥がすことができる。これにより、包装体2に密封されていた繊維構造体5が露出される。
さらに、図3(a)及び(b)に示す包装体2は、2つ折りのシート3から形成されており、図8に示すように、摘み部9の部分で2枚重ねとなっているシート3を両開きにして〔図8(a)参照〕、摘み部9側のシート3を引っ張ることにより〔図8(b)参照〕、シート3が引き裂かれて、密封した繊維構造体5を露出させることができる〔図8(c)参照〕。図3に示す包装体2は、繊維構造体5を露出させるためのシート3の引き裂きを容易にする観点から、摘み部9の長手方向の両端部に引き裂き方向〔図3(b)では横方向X〕に切れ込んだノッチ91,91が設けられている。
このように、包装体2は、その内部に収容されている繊維構造体5を露出させる作業性の観点から、開閉蓋11e、摘み部9等の開封手段を備えていることが好ましい。
このように、繊維構造体5は、その当接面51aとは反対の面(非当接面51b)の一部又は全面が液不透過性シート3に固定されていることが好ましい。尚、図1に示すように繊維構造体5(塗布具1A)は、包装体2を形成するシート20に固定されていなくてもよい。
また、図2及び図3に示す塗布具1B,1Cは、多層構造の繊維構造体5を包装体2形成するシート3に接合させているが、単層構造の繊維構造体5を該シート3に接合させても良い。
頭髪等の毛髪の処理剤としては、シャンプー剤、リンス剤、ヘアトリートメント剤、プレヘアトリートメント剤、ヘアカラーリング剤、脱色剤、パーマネント液、永久染毛剤、半永久染毛料、一時染毛料、整髪剤、ヘアトニック剤、育毛・養毛剤等を用いることができる。毛髪は、頭髪以外の毛髪でも良く、例えば、眉毛、まつ毛等であっても良い。
爪は、手指の爪であってもよく、足指の爪であっても良い。爪の処理剤としては、マニキュア、ペディキュア等から選択される。
毛髪及び爪は、ヒト以外の哺乳類の毛髪及び爪であっても良く、例えば、犬や猫、ウサギ等のペットや家畜の体毛であっても良い。
また、塗布対象物は、毛髪や爪以外のものであってもよく、例えば、口唇、顔や身体の肌等であっても良い。口唇の処理剤としては、口紅、リップクリーム、リップグロス等を用いることができる。顔や身体に塗布する肌の処理剤としては、保湿クリーム、皮膚処理剤、抗にきび剤、抗しわ剤、抗皮膚萎縮剤、抗炎症剤、局所麻酔剤、人工日焼け剤及び促進剤、日焼け止めクリーム、ファンデーション、アイシャドウ、虫除け剤、消毒剤、除菌剤、皮膚剥離剤等を用いることができる。
硬質表面としては、例えば浴室の壁、浴室の床、浴槽、水栓、湯桶、シャワーホース、洗面台、鏡、キッチンシンクなどの水回りでの硬質表面が代表的なものとして挙げられ、硬質表面の処理剤としては、塗料、研磨剤、消毒剤、除菌剤、洗浄剤等が挙げられる。また、繊維材料としては、例えば、被服、靴、カーテン、ソファー等の家具類、マット等が挙げられ、繊維材料の処理剤としては、抗細菌剤、抗カビ剤、脱臭剤縮み防止剤、洗濯じわ防止剤、形状保持剤、ドレープ性保持剤、アイロン性向上剤、酸素漂白防止剤、増白剤、白化剤、布地柔軟化クレイ、ポリビニルピロリドンなどの移染防止剤、高分子分散剤、汚れ剥離剤、スカム分散剤等が挙げられる。
塗布具1で毛髪を処理する方法としては、手に広げられたあるいは折り畳まれた状態の塗布具1で、毛髪を包んで接触させる方法が挙げられる。また、毛髪を塗布具1の繊維構造体5に接触させながら、さらにその塗布具1を持った手によって、毛束を握る、又は挟んだ状態で、処理剤を毛髪に適用することもできる。具体的な方法を、図9及び10を用いて説明する。
本処理操作は毛髪の中間、すなわち毛髪の根元と毛先の間に指先をあてがい、前述の操作をすることもできる。
図9に示す毛髪の処理方法は、本願発明の塗布具1であれば実施することができ、例えば図2及び図3に示す各塗布具1B,1Cでも同様の処理ができる。
図3に示す塗布具1Cは、上述のように包装体2(液不透過性シート3)を横方向Xに引き裂くことで繊維構造体5が露出した開封状態となる。開封後、処理者は、繊維構造体5が位置する側とは反対側の面、即ち液不透過性シート3側の面側を指と指とで挟むようにして持つ。即ち、塗布具1Cは、指と指との間に挟んだ際に、塗布具1を、繊維構造体5側を内側、液不透過性シート3側を外側になるように折り畳んで持つことができる。
次いで、処理者は、毛束100を塗布具1Cで挟み、毛先方向(毛髪の配向方向)にスライドさせる〔図10(b)参照〕。このように、図10(a)~(d)に示す毛髪の処理方法においては、塗布具1Cを、親指と他の指との間に挟んで持ち、折り畳んで互いに対向させた塗布具1(繊維構造体5)どうし間に毛髪を挟んだ状態で使用することが好ましい。
(a)適量の処理剤を予め繊維構造体5に含有させておくことができるため、一般消費者等が処理を行う場合であっても、処理剤の液だれ等により処理剤が望まない部位に付着することを防止でき、また過剰塗布により毛髪がごわごわになったりすることも防止できる。また、頭髪の一部のみに着色処理等の毛髪処理を行うような場合であっても、その所望の部位のみを適切に処理することができる。
(b)毛髪に処理剤を徐々に供給できるため、処理剤をスプレーして毛髪を処理した場合等に比して、処理剤を均一に塗布することができる。これにより、処理剤をマスカラブラシを用いて塗布する場合に比して、塗りムラも生じ難くなる。特に塗布具1を用いて毛髪を染色する場合、顔料等の粒子Pを毛髪上に均一に塗布することで、均一な色味を得ることができ、色むらが生じ難くなる。
表1に示す不織布A~Kを、単独又は二以上用いて、実施例又は比較例の繊維構造体を製造した。不織布A~Kの繊維構成、坪量(g/m2)及びメジアン細孔径(μm)を表1に示す。尚、メジアン細孔径は前述した方法により測定した。
パルプ(NBKP)繊維85%、PET/coPET繊維15%を原料繊維として、湿式抄造法により製造された、坪量28g/m2の不織布。
(不織布B)
パルプ(NBKP)繊維35%、パルプ(LBKP)繊維40%、PP/PE繊維25%を原料繊維として、湿式抄造法により製造された、坪量33g/m2の不織布。
(不織布C)
レーヨン繊維22%、PET繊維18%、PP/PE繊維50%及びPVA繊維10%を原料繊維として、湿式抄造法により製造された、坪量45g/m2の不織布。
(不織布D)
PET/coPET繊維100%を原料繊維として、スチームジェット法で繊維を捲縮且つ不織布化することにより製造した。得られた不織布の坪量は、90g/m2であった。
(不織布E)
PET/PET繊維100%を原料繊維として、エアレイド法により製造された、坪量110g/m2の不織布。
コットン繊維50%、PET/PE繊維50%の原料繊維をカード機に掛けて作製されたカードウエブを用意し、これにジェット水流を加えて製造した、坪量60g/m2のスパンレース不織布。
(不織布G)
レーヨン繊維70%、及びPP/PE繊維30%の原料繊維をカード機に掛けて作製されたカードウエブを用意し、これにジェット水流を加えて製造した、坪量60g/m2のスパンレース不織布。
(不織布H)
レーヨン繊維70%、PET繊維30%の原料繊維をカード機に掛けて作製されたカードウエブを用意し、これにジェット水流を加えて製造した、坪量60g/m2のスパンレース不織布。
(不織布I)
パルプ(NBKP)繊維及びパルプ(LBKP)繊維を80%、PP/PE繊維20%を原料繊維として、エアレイド法により製造された、坪量40g/m2の不織布。
(不織布K)
パルプ(NBKP)繊維及びパルプ(LBKP)繊維を70%、PP/PE繊維30%を原料繊維として、エアレイド法により製造された、坪量68g/m2の不織布。
表面層を不織布Cとして、不織布Cを2層と、スパンレース不織布Gを3層とを積層させてなる合計5層の積層構造を有する繊維構造体を得た。繊維構造体は、当接面から順に2層の不織布C、3層の不織布Gの順番で積層した。また、繊維構造体の表面層(毛髪と当接させる面)には、図7(c)に示すパターンで複数の凹部を設けた。繊維構造体の各層を構成する不織布の坪量の合計を繊維構造体の坪量として表4に示す。
この5層の繊維構造体を、別に用意したアルミニウムを蒸着した熱可塑性樹脂フィルムからなる液不透過性シート(6×8cmの矩形)上に重ね、合計6層のシート間を、図3(a)に示すような縦方向及び横方向の相互に離間した複数の箇所で熱融着により接合し、これを本体とした。
実施例1の5層の積層体からなる繊維構造体は、その平面視形状が、3×4cmの矩形状で、繊維構造体の坪量が270g/m2であった。また、繊維構造体の表面層(毛髪と当接させる面)には、図7(c)に示すパターンで複数の凹部を設けた。
そして、前記本体の繊維構造体に処理剤を含浸させたものを塗布具とした。
表1に示す不織布A~Kを、表4に示す積層構造で積層させた各繊維構造体(3×4cmの矩形)を用いたこと以外は、実施例1と同様の方法により塗布具を得た。実施例2、3、8~11並びに比較例1及び2の繊維構造体を構成する不織布は2種であり、表面層を構成する不織布を表4に示す数で積層し、他の不織布をそれよりも非当接面側に積層させた。また、実施例4、8、9並びに比較例1及び2の繊維構造体の表面層(毛髪と当接させる面)には、実施例1と同様に、図7(c)に示すパターンで複数の凹部を設けた。これら以外の実施例の表面層には、凹凸等を賦形する加工は施さなかった。
化学的処理履歴の無い日本人黒髪直毛で長さ25cm、重さ1.0gの毛束(トレス)を作製した。この毛束を、表3に処方を示すモデルシャンプーで洗浄した。次いでタオルドライを行い、ドライヤー(ソリス社製、ソリスドライヤー315)で1分間乾かした後の毛束(以下、評価用毛束ともいう)を評価に用いた。
評価用毛束(トレス)における結束された側の一端から0.5cmの位置で、トレスを、二つ折にした各実施例及び比較例の塗布具で挟み、該トレスを繊維構造体に当接させた。そして、トレスを塗布具で挟んだ状態のまま、トレスの他端に向かって塗布具を移動させ、該トレスに処理剤(一時染毛料)を塗布した。この塗布時の塗布具の移動速度は1.5cm/秒であった。また、1つの塗布具で前記塗布操作を2本のトレスに対して行った。トレスに処理剤を塗布する前後における塗布具の質量を測定し、1本目及び2本目の各トレスへの処理剤の塗布量を測定した。測定結果を表4に示す。
次いで、室温(25℃)で30秒放置し、トレスを半乾きにした後、くし(貝印社製、HK0103B’s セットコームL)をトレスに1秒間に1回、合計20回通した。このようにして得られた着色後のトレスについて、処理剤の均一塗布性、及び処理剤の均一徐放性を以下の方法及び評価基準でそれぞれ評価した。評価結果を表4に示す。
処理剤の均一塗布性について、評価用毛束(トレス)における結束された側の一端(上部)から毛先(下部)における着色強度、及び1本目のトレスと2本目のトレスとの着色強度の差を目視で観察することにより評価した。評価は下記の4段階視覚評価で行った。評価結果を表4に示す。
◎:トレス1本の上部から下部にかけて均一に着色しており、トレス2本共に同じ色味をしている
○:トレス1本の上部から下部にかけて均一に着色しているが、トレス2本の色味がやや異なる
△:トレス1本の上部から下部にかけて着色がやや不均一であり、トレス2本の色味も異なる
×:トレス1本の上部から下部にかけて着色が不均一であり、トレス2本の色味も異なる
処理剤の均一徐放性について、以下に示す方法により評価を行った。各実施例及び比較例の塗布具を用いて評価用毛束(トレス)に処理剤を塗布した。但し、各トレスにつき塗布操作を2回すること以外は前記〔塗布具を用いた毛髪の処理方法〕と同様の方法でトレスに処理剤を塗布した。1本目及び2本目の各トレスへの処理剤の塗布量の差を、トレス当たりの徐放量の差とし、これを下記の4段階評価基準で評価して均一徐放性の評価を行った。トレス当たりの徐放量の差と評価結果とを表4に示す。
◎:トレス当たりの徐放量差が0.09以下
〇:トレス当たりの徐放量差が0.10以上、0.15以下
△:トレス当たりの徐放量差が0.16以上、0.20以下
×:トレス当たりの徐放量差が0.21以上
2 包装体
22 ポケット部
23 開封縁
3 液不透過性シート
5 繊維構造体
51 表面層
51a 当接面
51b 非当接面
64,65,67 固定部
622 凸部
623 凹部
9 摘み部
91 ノッチ
100 毛束
P 粒子
X 横方向
Y 縦方向
Claims (6)
- 繊維構造体に、粒子を含む処理剤が含有させてあり、毛髪を挟んだ状態で該処理剤を毛髪に適用する毛髪用塗布具であって、
前記繊維構造体は、使用時に塗布対象物に当接させる表面層の構成繊維間の間隙について水銀圧入法により測定したときのメジアン細孔径Dが、前記粒子の平均粒子径d以上であり、
前記表面層の前記メジアン細孔径Dが250μm以下であり、
前記処理剤の粘度が2.5Pa・S以下である、毛髪用塗布具。 - 前記繊維構造体は、複数の層が積層された積層構造を有しており、該繊維構造体の坪量が220g/m2以上600g/m2以下である、請求項1に記載の毛髪用塗布具。
- 前記粒子の平均粒子径dが0.1μm以上250μm以下である、請求項1又は2に記載の毛髪用塗布具。
- 前記表面層のメジアン細孔径Dと、前記粒子の平均粒子径dとの比(D/d)が1以上2500以下である、請求項1~3の何れか1項に記載の毛髪用塗布具。
- 前記毛髪用塗布具は、液不透過性シートを二つ折りにして形成された包装体を備えており、
前記包装体は、内部に前記繊維構造体を収容し、該包装体を引き裂くことによって、該包装体から該繊維構造体が露出した開封状態となり、
前記開封状態において、前記繊維構造体は、前記液不透過性シートの折り曲げ部を跨いで配置されている、請求項1~4の何れか1項に記載の毛髪用塗布具。 - 前記包装体は、二つ折りにして対向する液不透過性シートどうしを接合したシール部を有し、該シール部が該包装体の引裂き方向に沿っており、
前記包装体を引き裂いて開封状態としたとき、引き裂きにより該包装体に形成された開封端と前記シール部との間にポケット部が形成される、請求項5に記載の毛髪用塗布具。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2017138515A JP7085322B2 (ja) | 2017-07-14 | 2017-07-14 | 塗布具 |
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