JP2015190602A - 前後進切替装置の制御装置および制御方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】変速機と連結され、エンジン10の駆動力を車両が前進するように伝達するフォワードクラッチ56と、エンジン10の駆動力を車両が後進するように伝達するリバースブレーキ57とを備える前後進切替装置50の制御装置100は、車両の走行方向が前進方向に切り替えられ、フォワードクラッチ56が締結される際に、フォワードクラッチ56にて発生する第1トルクとリバースブレーキ57にて発生する第2トルクとによって出力軸53に伝達される伝達トルクが当該出力軸の捻り共振トルクを超えないように、第1トルクおよび第2トルクを演算する出力制御部160と、第1トルクを発生させるフォワードクラッチ圧を印加する前進用油圧制御回路170と、第2トルクを発生させるリバースブレーキ圧を印加する後進用油圧制御回路180と、を備える。
【選択図】図1
Description
まず、図1および図2を参照して、本発明の実施形態に係る車両の駆動装置の概略構成について説明する。図1は、本実施形態に係る車両の駆動装置の概略構成を示す説明図である。図2は、本実施形態に係る前後進切替装置50の構成を示す概略説明図である。なお、図1に示す車両の駆動装置は、変速機として無段変速機を備えている。
エンジン10は、制御装置からの駆動制御に従って駆動力として回転トルクを発生させる内燃機関である。エンジン10により発生された回転トルクは、クランク軸12およびトルクコンバータ20を介してバリエータ40のプライマリ軸43に伝達される。
変速機は、エンジン10により発生された回転トルクを変換するトルクコンバータ20と、変速比を連続的に変化させるバリエータ40を備える。
前後進切替装置50は、図1および図2に示すように、バリエータ40のセカンダリ軸47と同軸上で連結されている。前後進切替装置50は、セカンダリ軸47に固定されたクラッチドラム51と、クラッチドラム51内に設けられたプラネタリギヤを構成するインターナルギヤ52a、ピニオンギヤ52c、サンギヤ52bと、出力軸53と、を備える。出力軸53は、サンギヤ52bの回転中心に設けられ、サンギヤ52bとともに回転する。サンギヤ52bは、複数のピニオンギヤ52cを介してリングギヤ52aに連結されている。
[2−1.機能構成]
次に、図3に基づいて、本実施形態に係る前後進切替装置50の制御装置100の構成について説明する。図3は、本実施形態に係る前後進切替装置50の制御装置100の機能構成を示すブロック図である。この制御装置100により、クラッチ締結時におけるジャダーの発生を低減させる前後進切替装置50の制御が行われる。
本実施形態に係る前後進切替装置50は、上述の制御装置100の出力制御により、クラッチの締結中に出力軸53にかかるトルクが低減され、出力軸53に発生する捻り共振が低減される。以下、図4〜図6に基づいて、本実施形態に係る前後進切替装置50のクラッチ締結中の作動について説明する。なお、図4は、本実施形態に係る前後進切替装置50のクラッチ締結中の作動を示すフローチャートである。図5は、本実施形態に係る前後進切替装置50のクラッチ締結中に作用するトルクを説明するための説明図である。図6は、本実施形態に係る前後進切替装置50のクラッチ締結中に発生するトルクおよび回転数の推移の一例を示す説明図である。
本実施形態に係る制御装置100は、車両の走行方向が前進方向へ切り替えられたとき、クラッチの締結を開始する(S100)。制御装置100のセレクト制御開始判定部110は、シフト位置センサ101の検出結果からセレクトレバーの位置がNレンジからDレンジへ変更されたことを検知すると、出力制御部160へ車両の走行方向が前進方向へ切り替えられたことを通知する。
車両の走行方向が前進方向へ切り替えられ、クラッチの締結が開始されると、出力制御部160は、フォワードクラッチ56およびリバースブレーキ57への圧力の印加を開始する。本実施形態では、出力制御部160は、クラッチの締結時に、フォワードクラッチ56のフォワードクラッチ圧に加え、後進用ブレーキのリバースブレーキ圧を印加して、出力軸53の伝達トルクが捻り共振トルクを超えないように制御する。これにより、クラッチ締結時に発生する振動増幅現象であるジャダーを解消する。
以上、本実施形態に係る前後進切替装置50のクラッチ締結時の作動について説明した。本実施形態によれば、フォワードクラッチ56を締結する際に、リバースブレーキ57も締結されるように各クラッチの油圧を制御し、入力軸にて吸収しなければならないトルクを達成しつつ、出力軸53に伝達する伝達トルクT3を捻り共振トルクTtr以下とする。これにより、出力軸53の伝達トルクT3が捻り共振トルクTtrを超えてしまうことによるジャダーの発生を低減することができる。このように、リバースブレーキ57のリバースブレーキ圧によるトルクを利用して出力軸53の伝達トルクT3を低減することで、エンジン10のアイドリング回転数の低減やトルクコンバータ20の容量係数低減、クラッチフェーシング材の新設等を行う必要がなく、他の機能へ影響を及ぼすことなくジャダーの発生を低減できる。
12 クランク軸
20 トルクコンバータ
40 バリエータ
50 前後進切替装置
53 出力軸
56 フォワードクラッチ
57 リバースブレーキ
70 駆動輪
100 制御装置
110 セレクト制御開始判定部
120 クラッチ入力トルク演算部
130 クラッチ出力トルク演算部
140 クラッチ差回転数演算部
150 クラッチ締結完了判定部
160 出力制御部
170 前進用目標油圧演算部
172 前進用油圧制御回路
180 後進用目標油圧演算部
182 後進用油圧制御回路
Claims (8)
- 変速機と連結され、エンジンの駆動力を車両が前進するように伝達するフォワードクラッチと、エンジンの駆動力を車両が後進するように伝達するリバースブレーキとを備える前後進切替装置の制御装置であって、
車両の走行方向が前進方向に切り替えられ、前記フォワードクラッチが締結される際に、前記フォワードクラッチにて発生する第1トルクと前記リバースブレーキにて発生する第2トルクとによって出力軸に伝達される伝達トルクが当該出力軸の捻り共振トルクを超えないように、前記第1トルクおよび前記第2トルクを演算する出力制御部と、
前記第1トルクを発生させるフォワードクラッチ圧を印加する前進用油圧制御回路と、
前記第2トルクを発生させるリバースブレーキ圧を印加する後進用油圧制御回路と、
を備える、前後進切替装置の制御装置。 - 前記後進用油圧制御回路は、セレクトレバーが車両の走行方向を前進方向とするレンジに設定されたとき、前記リバースブレーキ圧を印加する、請求項1に記載の前後進切替装置の制御装置。
- 前記後進用油圧制御回路は、セレクトレバーが車両の走行方向を前進方向とするレンジに設定された後、前記第1トルクが前記捻り共振トルクを超える前までに前記リバースブレーキ圧を印加する、請求項1に記載の前後進切替装置の制御装置。
- 前記変速機と連結される入力軸の回転数と前記出力軸の回転数との差回転数を演算する差回転数演算部と、
前記差回転数がゼロとなったか否かを判定する判定部と、
を備え、
前記判定部により前記差回転数がゼロとなったと判定されたとき、前記後進用油圧制御回路は、前記リバースブレーキ圧の印加を停止する、請求項1〜3のいずれか1項に記載の前後進切替装置の制御装置。 - 変速機と連結され、エンジンの駆動力を車両が前進するように伝達するフォワードクラッチと、エンジンの駆動力を車両が後進するように伝達するリバースブレーキとを備える前後進切替装置の制御方法であって、
車両の走行方向が前進方向に切り替えられ、前記フォワードクラッチが締結される際に、前記フォワードクラッチにて発生する第1トルクと前記リバースブレーキにて発生する第2トルクとによって出力軸に伝達される伝達トルクが当該出力軸の捻り共振トルクを超えないように、前記第1トルクおよび前記第2トルクを演算するステップと、
前記第1トルクを発生させるフォワードクラッチ圧とともに前記第2トルクを発生させるリバースブレーキ圧を印加するステップと、
を含む、前後進切替装置の制御方法。 - セレクトレバーが車両の走行方向を前進方向とするレンジに設定されたとき、前記リバースブレーキ圧を印加する、請求項5に記載の前後進切替装置の制御方法。
- セレクトレバーが車両の走行方向を前進方向とするレンジに設定された後、前記第1トルクが前記捻り共振トルクを超える前までに前記リバースブレーキ圧を印加する、請求項5に記載の前後進切替装置の制御方法。
- 前記変速機と連結される入力軸の回転数と前記出力軸の回転数との差回転数を演算するステップと、
前記差回転数がゼロとなったか否かを判定するステップと、
前記差回転数がゼロとなったと判定されたとき、前記リバースブレーキ圧の印加を停止するステップと、
を含む、請求項5〜7のいずれか1項に記載の前後進切替装置の制御方法。
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