JP2007255550A - 無段変速装置の前後進切換制御装置 - Google Patents

無段変速装置の前後進切換制御装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 ガレージ制御の際に摩擦係合部材の急激な係合ショックを和らげながらも、迅速に駆動伝達を行なうことのできる無段変速装置の前後進切換制御装置を提供する。
【解決手段】 遊星歯車機構と前後進切換用の油圧式摩擦係合部材BL,CKを備えた前後進切換機構22に対して、走行レンジ40の切換時に前記油圧式摩擦係合部材による係合圧を制御することによりエンジン回転を正逆切り換えて無段変速機構24に入力する制御手段4を備え、前記制御手段4は、前進位置と後進位置との間での走行レンジの切換時に、前記遊星歯車機構の入力ギヤを駆動する入力軸20aの入力回転数及び前記遊星歯車機構の出力ギヤにより駆動される出力軸24aの出力回転数と所定の関係を有する中間ギヤの回転数に基づいて、前記油圧式摩擦係合部材による係合圧を制御する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、遊星歯車機構と前後進切換用の油圧式摩擦係合部材を備えた前後進切換機構に対して、走行レンジの切換時に前記油圧式摩擦係合部材による係合圧を制御することによりエンジン回転を正逆切り換えて無段変速機構に入力する制御手段を備えてなる無段変速装置の前後進切換制御装置に関する。
無段変速機構は、エンジン側に連結されるプライマリプーリと、車輪側に連結されるセカンダリプーリと、それらプーリに巻き掛けられたベルトとを備えて構成され、油路を通じてのオイル供給に基づく油圧駆動により、プライマリプーリを可動させてプーリの回転中心からベルトまでの距離が変更されるとともに、ベルトと各プーリとの間に滑りが生じないようセカンダリプーリのベルト挟圧力が調整されることで、無段階に変速比を選択することができる。
そして、運転者が希望する走行状態に応じて選択するレンジ毎に予め設定してある変速マップに基づいて、走行状態に応じた目標変速比を求め、この目標変速比となるよう無段階に変速を行うように構成されている。
上述の無段変速機構はそれ自身でエンジンの出力回転を逆にすることができないため、無段変速機構とエンジンとの間に遊星歯車機構と前後進切換用の前進クラッチや後進ブレーキでなる油圧式摩擦係合部材を備え、走行レンジの切り替え操作時に前記油圧式摩擦係合部材による係合圧を制御して前後進を切り換える制御手段を備えている。
これら前進クラッチ及び後進ブレーキは、油路を通じてのオイル供給に基づき油圧駆動されるピストンを備え、該ピストンの動作に基づき係合または解放されるものであり、両者を共に解放することによって無段変速機構への回転入力が遮断され、両者のうちの一方を係合することにより該無段変速機構の入力回転が正回転または逆回転となって車両が前進または後進する。
無段変速機構への回転入力が遮断されたニュートラル状態からDレンジに走行レンジが切り換えられると、油路を通じて前進クラッチにオイルが供給され、前進クラッチが係合してエンジンの回転が正回転として無段変速機構に入力されて車両が前進し、逆に前進クラッチが摩擦係合している状態からニュートラル状態に走行レンジが切り換えられると、前進クラッチへの油圧が低下して無段変速機構への回転入力が遮断される。
また、ニュートラル状態からRレンジに走行レンジが切り換えられると、油路を通じて後退ブレーキにオイルが供給され、後退ブレーキが係合してエンジンの回転が逆回転として無段変速機構に入力されて車両が後進し、逆に後進ブレーキが摩擦係合している状態からニュートラル状態に走行レンジが切り換えられると、後進ブレーキへの油圧が低下して無段変速機構への回転入力が遮断される。
このように非走行状態から走行状態に走行レンジが切り換えられると、これを検出した制御手段は、オイルの油温や車速等に基づく所定のマップデータに従って前記油圧式摩擦係合部材に供給する油圧を次第に増加するように調整することにより円滑な駆動伝達制御を行なうものであった。
詳述すると、非走行状態から前進または後進の何れかの走行状態に走行レンジが切り換えられると、前記制御手段は、前記遊星歯車機構の入力ギヤを駆動する入力軸の入力回転数NTと前記遊星歯車機構の出力ギヤにより駆動される出力軸の出力回転数NINの差と、図8に示すように、前記油圧式摩擦係合部材に供給される油圧が係合開始からの経過時間t1、t2に応じて予め設定されたマップデータに基づいて変化するように制御し、前記入力回転数NTと出力回転数NINの差|NT−NIN|が所定値に達するとほぼ係合状態に達したと判断して、油圧を定常圧力となるように制御していた。
しかし、運転者が車庫入れ等で走行レンジの前後進位置を急激に切り換えるようなガレージ制御が行なわれると、例えば、無段変速機構が未だ前進回転伝動中なのにRレンジに切り換えられ、或いは、無段変速機構が未だ後退回転伝動中なのにDレンジに切り換えられると、前記出力軸の回転方法を検出せずに出力回転数NINのみを検出するような場合に、切り換え前の逆転状態の出力回転数NINが低下するときに前記入力回転数NTと出力回転数NINの差が所定値より小になったと誤検出されて、油圧が定常圧力となるように制御される結果、急激な係合ショックが生じ、運転者に不快感を与えるという問題があった。
そこで、特許文献1には、無段変速機構の回転方向とは矛盾する走行レンジに切り換えられた時は、当該走行レンジに対応した伝動状態への切り換えを禁止する技術が提案されているが、運転者が希望するような伝動状態の急な切り換えによる走行形態が不能となり、運転者に違和感を与えて不満をもたらすという問題があるため、特許文献2には、前記無段変速機構の回転方向が、選択されている走行レンジに対応した回転方向とは逆向きの回転である間、該走行レンジに対応した前記前後進切り換え機構における前進用クラッチまたは後退用ブレーキをスリップ状態で締結させることにより該走行レンジに対応した伝動状態を実現するよう構成することが提案されている。
特開平11−201279号公報 特開2003−65427号公報
しかし、上述の特許文献2に記載された技術によれば、ガレージ制御の際に運転者による走行レンジの切り換え操作に対して、より迅速に前後進を切り換えることができず、スリップ状態にある間に一定のロス時間が生じるという問題があった。
本発明の目的は、上述した従来問題に鑑み、ガレージ制御の際に摩擦係合部材の急激な係合ショックを和らげながらも、迅速に駆動伝達を行なうことのできる無段変速装置の前後進切換制御装置を提供する点にある。
上述の目的を達成するため、本発明による無段変速装置の前後進切換制御装置の第一の特徴構成は、遊星歯車機構と前後進切換用の油圧式摩擦係合部材を備えてなる前後進切換機構を制御することによりエンジン回転を正逆切り換えて無段変速機構に入力し、走行レンジの切換時に前記油圧式摩擦係合部材による係合圧を制御する制御手段を備えてなる無段変速装置の前後進切換制御装置であって、前進位置と後進位置との間での走行レンジの切換時に、前記遊星歯車機構の入力ギヤを駆動する入力軸の入力回転数及び前記遊星歯車機構の出力ギヤにより駆動される出力軸の出力回転数と所定の関係を有する中間ギヤの回転数に基づいて、前記油圧式摩擦係合部材による係合圧を制御する制御手段を備えている点にある。
一般に、遊星歯車機構の中間ギヤの回転数は入力回転数及び出力回転数に基づいて一意に定まる特性を有し、走行レンジが前進位置にあれば中間ギヤの回転数は入力回転数と等しく、走行レンジが後進位置にあれば中間ギヤの回転数はゼロになる。上述の構成によれば、一方向にのみ回転する中間ギヤの回転数に基づいて油圧式摩擦係合部材による係合圧が制御されるので、回転方向が反転する出力軸の出力回転数に基づいて係合圧を複雑に制御する場合に比較して、係合ショックを生じさせること無くシンプルに制御できるようになる。
同第二の特徴構成は、上述の第一特徴構成に加えて、前記中間ギヤの回転数が、検出された前記入力回転数及び前記出力回転数に基づく速度線図から求められる点にある。
上述の構成によれば、中間ギヤの回転数を検出するための専用のセンサを設けなくとも、既存のセンサにより入力回転数及び出力回転数を検出することにより、速度線図から容易に中間ギヤの回転数を求めることができるようになる。
同第三の特徴構成は、上述の第一または第二特徴構成に加えて、前記制御手段は、前記走行レンジの前進位置から後進位置への切換時には、前記中間ギヤの回転数がゼロとなるように前記油圧式摩擦係合部材のブレーキ圧をフィードバック制御し、前記走行レンジの後進位置から前進位置への切換時には、前記中間ギヤの回転数が前記入力回転数となるように前記油圧式摩擦係合部材のクラッチ圧をフィードバック制御する点にある。
同第四の特徴構成は、上述した第三特徴構成に加えて、前記制御手段は、前記中間ギヤまたは前記出力回転数が予め設定された複数領域の何れの領域にあるかに基づいて定められたフィードバック係数に基づいて前記油圧式摩擦係合部材による係合圧をフィードバック制御する点にある。
上述の構成によれば、クラッチやブレーキの係合状態に応じて細かく制御でき、滑らかなガレージ制御が可能になる。
同第五の特徴構成は、上述した第三または第四特徴構成に加えて、前記制御手段は、前記中間ギヤの目標回転数と検出回転数との偏差の傾きが所定の目標値となるように前記油圧式摩擦係合部材による係合圧をフィードバック制御する点にある。
上述の構成によれば、クラッチやブレーキの係合状態をより細かく制御できるので、一層滑らかなガレージ制御が可能になる。
同第六の特徴構成は、上述した第一から第五の何れかの特徴構成に加えて、前記制御手段は、少なくとも前記走行レンジの前進位置と後進位置との切換時間が所定時間より短いときに作動する点にある。
上述の構成によれば、前後進の切換操作が行なわれたか否かを適切に検出でき、適切にガレージ制御ができるようになる。
同第七の特徴構成は、上述した第六特徴構成に加えて、前記制御手段は、前記出力軸の出力回転数が所定回転数より低いとき、車両速度が所定速度より低いときの何れかを満たすときに作動する点にある。
上述の構成によれば、前後進の切換操作が行なわれたか否かをより正確に検出でき、適切にガレージ制御ができるようになる。
以上説明した通り、本発明によれば、ガレージ制御の際に摩擦係合部材の急激な係合ショックを和らげながらも、迅速に駆動伝達を行なうことのできる無段変速装置の前後進切換制御装置を提供することができるようになった。
以下に本発明による無段変速装置の前後進切換制御装置の実施の形態を説明する。図1に示すように、エンジン6と、前記エンジン6を電子制御するエンジン制御装置(「ENG−ECU」とも記す。)5と、前記エンジン6の動力を駆動輪8に伝達する無段変速部2と前記無段変速部2を駆動する油圧制御回路3とからなる無段変速装置1と、前記油圧制御回路3を介して前記無段変速部2を電子制御する前後進切換制御装置として位置付けられる変速制御装置4等が車両に搭載されている。
前記エンジン制御装置5は、所定の制御プログラムが格納されたROMと、ROMに格納されたプログラムを実行するCPUと、CPUによる演算処理等に必要なワーキングエリアやデータ格納エリアとして使用されるRAMと、入出力回路を備えて構成され、アクセル開度センサ50、車速センサ51、エンジン回転センサ52、油温センサ53等のエンジン動作状態を検出する各種のセンサからの入力レベルに基づいて、吸気通路64に設けられたスロットルバルブ65の開度や燃料噴射量等を制御することにより前記エンジン6の出力を制御する。
前記無段変速部2は、前記エンジン6のクランク軸6aからの動力の伝達を断続するクラッチ機構としてのフレックスロックアップ機構201を備えたトルクコンバータ20と、前後進切換機構22と、直径の変化する二つのプーリ240,241間に金属ベルト242を巻き掛けたベルト式の無段変速機構24を備えて構成され、前記エンジン1の回転が前記トルクコンバータ20、前後進切換機構22、及び、ベルト式の無段変速機構24等を介して前記駆動輪8に伝達されるように構成されている。
前記トルクコンバータ20は、前記クランク軸6aに連結されたポンプ翼車202と、前記前後進切換機構22にタービンシャフト20aを介して連結されたタービン翼車203とを備えて構成され、流体を介して前記ポンプ翼車202と前記タービン翼車203との間で回転力を伝達するように構成されている。
前記エンジン6の出力で駆動されるオイルポンプ7が設けられ、前記オイルポンプから吐出されるオイルの吐出圧が前記油圧制御回路3により制御されることにより、前記無段変速機構24が油圧駆動され、或いは前後進切換機構22が油圧駆動される。
つまり、前記油圧制御回路3により制御される油圧PLUによりフレックスロックアップ機構201によるクラッチ係合圧が制御され、油圧PC1により前後進が切換えられ、油圧PINにより変速比が無段階に切換えられ、油圧PDにより金属ベルト242の滑りを防止するための挟圧力が調整される。
前記前後進切換機構22は、前記タービンシャフト20aと一体回転可能に連結されるサンギヤ220と、前記サンギヤ220と同軸心で回転可能に支持されるリングギヤ222と、前記無段変速機構24の入力軸24aと連結されるキャリア226によって互いに繋がれるとともに、前記サンギヤ220及び前記リングギヤ222に噛合してその間で回転する複数のプラネタリギヤ224とからなるダブルピニオン式の遊星歯車機構と、前記タービンシャフト20aとキャリア226(入力軸24a)との間を断接すべく係合または解放される前進クラッチCLと、リングギヤ224の回転を許容または禁止すべく係合または解放される後進ブレーキBKとからなる油圧式摩擦係合部材を備えて構成されている。
前記前進クラッチCL及び前記後進ブレーキBKは、運転者による走行レンジ、つまりシフトレバー40の操作を検出した前記変速制御装置4により、前記油圧制御回路3を介して係合または解放制御される。
前記シフトレバー40が駐車用の「P」ポジションまたは前記エンジン6側から前記車輪7側への駆動力の伝達を遮断する「N」ポジションに操作されると、前記前進クラッチCL及び前記後進ブレーキBKが共に解放され、前記無段変速機構24の入力軸24aへのエンジン6の回転力の伝達が遮断される。
前記シフトレバー40が前進走行用の前進レンジのシフトポジションに操作されると、前記前進クラッチCLが係合されて前記タービンシャフト20aと前記キャリア226とが直結されるとともに、前記後進ブレーキBKが解放されて前記リングギヤ224の回転が許容され、前記キャリア226が前記サンギヤ220と同方向に回転して、前記無段変速機構24の入力軸24aが正回転する。
前記シフトレバー40が後進走行用の「R」ポジションに操作されると、前記前進クラッチCLが解放されて前記タービンシャフト20aとキャリア226との直結が解除されるとともに、前記後進ブレーキBKが係合されて前記リングギヤ224の回転が停止され、前記サンギヤ220の回転に伴い前記キャリア226が前記サンギヤ220とは逆方向に回転して、前記無段変速機構24の入力軸24aが逆回転する。
前記無段変速機構24は、前記入力軸24aに設けられたプライマリプーリ240と、出力軸24bに設けられたセカンダリプーリ242と、それらプーリ240,242に巻き掛けられたベルト244とを備えて構成され、前記プライマリプーリ240の回転中心から前記ベルト244までの距離が軸方向に変更されることにより変速比が無段階に調整され、前記両プーリ240,242に対するベルト244の滑りが生じないよう前記セカンダリプーリ242によるベルトの挟圧力が調整される。
前記変速制御装置4は、前記エンジン制御装置5と同様に、所定の制御プログラムが格納されたROMと、ROMに格納されたプログラムを実行するCPUと、CPUによる演算処理等に必要なワーキングエリアやデータ格納エリアとして使用されるRAMと、入出力回路を備えて構成され、前記エンジン制御装置5からの制御データ、前記入出力回路を介して入力された前記シフトレバー40の操作位置データ、前記タービンシャフト20aに設けられた回転数センサによる検出回転数、及び、前記無段変速機構24の入力軸24aに設けられた回転数センサによる検出回転数等に基づいて前記油圧制御回路3を制御して、前記無段変速機構24による変速比を調整し或いは前記前後進切換機構22を駆動制御する。
前記油圧制御回路3は、図2に示すように、前記オイルポンプ7からのオイル吐出圧を前記無段変速部2へのライン圧に調圧して油路3aに出力するプライマリレギュレータバルブ30と、調圧されたライン圧をベースに前記セカンダリプーリ242に作用する油圧PDを調圧するプーリコントロールバルブ31と、前記前進クラッチCL及び前記後進ブレーキBKに対して駆動または摩擦係合保持するための油圧であるモジュレータ圧に調圧するモジュレータバルブ33と、調圧されたモジュレータ圧をベースに前記前進クラッチCL及び前記後進ブレーキBKに作用する油圧を調整するガレージシフトコントロールバルブ34等を備えて構成されている。
さらに、前記変速制御装置4により駆動制御され、前記プライマリレギュレータバルブ30と前記プーリコントロールバルブ31と前記ガレージシフトコントロールバルブ34を制御するリニアソレノイドバルブ32を備えている。
前記モジュレータバルブ33から前記前進クラッチCL及び前記後進ブレーキBKに到る油路として、前記ガレージシフトコントロールバルブ34を介して前記前進クラッチ16及び前記後進ブレーキ17に作用する油圧を制御する第一油路3bと、前記前進クラッチCL及び前記後進ブレーキBKに対し摩擦係合状態を保持するとともに、前記フレックスロックアップ機構201をロックアップ状態に維持する油圧が作用する第二油路3cが設けられ、前記第一油路3a及び前記第二油路3cの合流部分には何れかの油路を選択切換するガレージシフトバルブ35が設けられている。
前記ガレージシフトバルブ35は、前記変速制御装置4によって制御されるスイッチソレノイド36及びデューティソレノイド37により切換制御される。前記シフトレバー40がニュートラル状態から発進する際に前記前進クラッチCLまたは前記後進ブレーキBKを係合させるときには前記第一油路3bが選択され、前記前進クラッチCLまたは前記後進ブレーキBKが滑らかに係合するよう油圧が制御され、前記前進クラッチCLまたは前記後進ブレーキBLが係合すると前記第二油路3cが選択され、前記前進クラッチCLまたは前記後進ブレーキBKに対して係合状態を保持するための油圧が作用するとともに、前記フレックスロックアップ機構201がロックアップ状態に維持される。
つまり、前記変速制御装置4は、発進時に前記前進クラッチCLまたは前記後進ブレーキBKが係合する過程で、摩擦係合が滑らかに行なわれるように前記リニアソレノイドバルブ32を駆動制御することにより、前記ガレージシフトコントロールバルブ34を制御する。
前記ガレージシフトバルブ35と前記前進クラッチCL及び前記後進ブレーキBKの間には、前記シフトレバー40と連結され、前記前進クラッチCL及び前記後進ブレーキBKへのオイルの供給状態を切り換えるためのマニュアルバルブ38が設けられている。
前記シフトレバー40が「P」ポジションまたは「N」ポジションに操作されると、前記マニュアルバルブ38の切換によって前記前進クラッチCL及び前記後進ブレーキBKからオイルが排出され、これにより、前記前進クラッチCL及び前記後進ブレーキBKがともに解放されて前記エンジン6から前記無段変速機構24の入力軸24aへの動力伝達が遮断される。
前記シフトレバー40が「D」ポジションまたは「L」ポジションに操作されると、前記マニュアルバルブ38の切換によって前記前進クラッチCLにオイルが供給されるとともに前記後進ブレーキBKからオイルが排出され、これにより、前記前進クラッチCLが係合されるとともに前記後進ブレーキBKが解放されて前記エンジン6から前記無段変速機構24の入力軸24aに正方向への動力が伝達される。
前記シフトレバー40が「R」ポジションに操作されると、前記マニュアルバルブ38の切り換えにより、前記前進クラッチCLからオイルが排出されるとともに前記後進ブレーキBKにオイルが供給され、これにより、前記前進クラッチCLが解放されるとともに前記後進ブレーキBKが係合され、前記エンジン6から前記無段変速機構24の入力軸24aに逆方向への動力が伝達される。
前記前進クラッチCL及び前記後進ブレーキBKにはピストンが設けられ、それらが上述の供給オイルにより油圧駆動されることにより摩擦係合し、その際に前記ピストンに作用する油圧を制御することにより摩擦係合過程でのピストンの動作速度が調節され、前記前進クラッチCLまたは前記後進ブレーキBKの係合が滑らかに行なわれる。
以下に、前記シフトレバー40の操作に基づき前記変速制御装置4により実行される前後進切換時の前記前進クラッチCL及び前記後進ブレーキBKの係合または係合離脱制御について、図1から図8を参照しながら説明する。
前記変速制御装置4には、前記シフトレバー40の前進位置「D」と後進位置「R」との間での走行レンジの切換時に、前記遊星歯車機構の入力ギヤであるサンギヤ220を駆動する入力軸の入力回転数つまり前記タービンシャフト20aに設けた回転数センサにより検出される回転数NT、及び、前記遊星歯車機構の出力ギヤであるプラネタリギヤ224により駆動される出力軸の出力回転数つまり前記無段変速機構24の入力軸24aに設けた回転数センサにより検出される回転数NINと所定の関係を有する中間ギヤであるリングギヤ222(キャリア226)の回転数NRに基づいて、前記油圧式摩擦係合部材による係合圧を制御するべく前記リニアソレノイドバルブ32を制御する制御手段を備えている。
前記制御手段は、通常、前記シフトレバー40がニュートラル状態から前進位置「D」または後進位置「R」に切り替えられると、図8に示すように、前記油圧式摩擦係合部材に供給される油圧が係合開始からの経過時間t1、t2に応じて予め設定されたマップデータに基づいて変化するように制御し、前記入力回転数NTと出力回転数NINの差|NT−NIN|が所定値に達するとほぼ係合状態に達したと判断して、油圧を定常圧力となるように係合制御する。
前記マップデータは前記油圧式摩擦係合部材による係合が開始された後の経過時間、前記入力回転数NTと出力回転数NINの差|NT−NIN|、オイル温度に基づいて予め分割された領域毎に目標油圧量が設定されたもので、この目標油圧量に基づいて前記リニアソレノイドバルブ32が制御される。
しかし、少なくとも前記シフトレバー40の前進位置「D」と後進位置「R」との切換時間が予め設定される所定時間より短いときであって、図7に示すように、前進位置「D」と後進位置「R」との切換時に前記出力軸の出力回転数NINが所定回転数より低く、前進位置「D」と後進位置「R」との切換時に車両速度が所定速度より低いときには、本発明による前後進切換制御を実行するように構成されている(S1)。
図7に関して詳述すると、前記制御手段は、出力回転数NINが閾値となる所定回転数より高いときにオンし、所定の閾値より低いときにオフする前後進切換フラグを設けて、前後進切換フラグがオンされている間を、前記出力軸の出力回転数NINが所定回転数より低い区間と判断する。
さらに、アクセル開度が所定値よりも低いという条件を付加することも可能である。また、少なくとも前記シフトレバー40の前進位置「D」と後進位置「R」との切換時間が予め設定される所定時間より短いとき、前進位置「D」と後進位置「R」との切換時に前記出力軸の出力回転数NINが所定回転数より低いとき、前進位置「D」と後進位置「R」との切換時に車両速度が所定速度より低いときの何れかの条件がみたされるときに前後進切換制御を実行するように構成してもよい。
前記制御手段は、前記シフトレバー40の前進位置「D」から後進位置「R」への切換時には(S2,N)、前記中間ギヤの回転数NRが目標回転数であるゼロとなるように(S4)、前記油圧式摩擦係合部材のブレーキ圧をフィードバック制御し、前記シフトレバー40の後進位置「R」から前進位置「D」への切換時には(S2,Y)、前記中間ギヤの回転数NRが目標回転数である前記入力回転数NTとなるように(S3)、前記油圧式摩擦係合部材のクラッチ圧をフィードバック制御する(S5)。
ここに、三つの回転部分のうちの二つの回転速度が求まると最後の一つの回転速度が一意的に決まるという遊星歯車機構の特性に基づいて、図3に示すように、前記中間ギヤであるリングギヤ222の回転数NRは、検出された前記入力回転数NT及び前記出力回転数NINに基づく速度線図から求められるものである。
前記出力回転数NINの検出は回転方向を加味する必要があるため、回転数センサと回転方向を検出するセンサを備えるのが好ましいが、回転数センサのみ設けるときには検出回転数の微分値を演算することにより回転方向を判断するように構成してもよい。また、中間ギヤの回転数を求める回転数センサを設けて回転数NRを直接検出するように構成するものであってもよい。
前記制御手段は、図4に示すように、出力回転数NINが所定回転数より低い切換領域で、前記中間ギヤであるリングギヤ222の回転数NRが予め設定された複数領域(図では領域1から領域4)の何れの領域にあるかに基づいて定められたフィードバック係数に基づいて、前記目標回転数となるように前記リニアソレノイドバルブ32をPID制御する(S5)。
上述の複数領域には図3に示す切換領域が含まれ、このような領域毎の制御により、前記前進クラッチCLまたは前記後進ブレーキBKの係合作動時の滑り状態を適切に調整して係合ショックの無い円滑な係合制御を行なうことができるようになる。
ここに、kpは比例要素のフィードバック係数、kiは積分要素のフィードバック係数、kdは微分要素のフィードバック係数を示し、各フィードバック係数が設定される領域数及び領域範囲は制御対象に応じて適宜設定されるものであり、例えば、前進から後進への切換時前記中間ギヤの回転数NRがゼロに近づき、或いは、後進から前進への切換時に前記中間ギヤの回転数NRがサンギヤの回転数NTに近づく領域では、kpを小さくしフィードバック量を安定させることができる。
ここに、フィードバック係数の値は対象車両に対する試験やシミュレーション基づいて設定される値であり、これによる制御特性の一例を図5に示す。
また、リングギヤ222の回転数NRが前記入力回転数NT及び前記出力回転数NINに基づく速度線図から求められる場合には、フィードバック係数を設定する領域は前記リングギヤ222の回転数NRに基づき設定される領域に代えて、それと相関を持つ前記出力軸の出力回転数NINに基づき設定される領域であってもよい。
さらに、前記領域毎に設定されたフィードバック係数が、前記中間ギヤの目標回転数と検出回転数との偏差の傾きが所定の目標値となるような値に設定することにより、より好ましい係合圧でガレージ制御することができる。
このようにして、摩擦係合部材の係合圧がフィードバック制御され、上述した前後進切換フラグがオフされるとフィードバック制御を終了し(S6)、前記ガレージシフトバルブ35により前記第二油路3cから第一油路3bに切り換えて油圧を定常圧力となるように制御する(S7)。
尚、前後進切換制御の終了判断は、前記入力回転数NTと出力回転数NINの差|NT−NIN|が予め設定された所定値に達したとき、制御開始からの経過時間が経過したとき、摩擦係合部材の係合圧が所定圧となったとき等の他の条件に基づいて判断するものであってもよい。
上述の実施形態では、本発明をダブルピニオン式の遊星歯車機構に適用した例を示したが、本発明は、前進クラッチによりサンギヤとリングギヤを結合し、後進ブレーキによりキャリアと固定端を結合するシングルピニオン式の遊星歯車機構を備えた前後進切換機構に対しても適用可能である。
上述した実施形態は本発明の一具体例であり、各制御ブロックの具体的構成等は本発明による作用効果を奏する範囲において適宜変更設計することが可能であることはいうまでもない。
無段変速装置及び周辺装置のブロック構成図 油圧制御回路のブロック構成図 遊星歯車機構の速度線図 領域毎に設定されたフィードバック定数の説明図 フィードバック制御特性の説明図 前後進切換制御のフローチャート 前後進切換時の遊星歯車機構の入力回転数NTと出力回転数NINの関係説明図 シフトレバーのニュートラル状態から前進位置への切換時の制御特性図
符号の説明
1:無段変速装置
2:無段変速部
3:油圧制御回路
4:前後進切換制御装置(制御手段)
5:エンジン制御装置
6:エンジン
20:トルクコンバータ
22:前後進切換機構
24:無段変速機構

Claims (7)

  1. 遊星歯車機構と前後進切換用の油圧式摩擦係合部材を備えた前後進切換機構に対して、走行レンジの切換時に前記油圧式摩擦係合部材による係合圧を制御することによりエンジン回転を正逆切り換えて無段変速機構に入力する制御手段を備えてなる無段変速装置の前後進切換制御装置であって、
    前進位置と後進位置との間での走行レンジの切換時に、前記遊星歯車機構の入力ギヤを駆動する入力軸の入力回転数及び前記遊星歯車機構の出力ギヤにより駆動される出力軸の出力回転数と所定の関係を有する中間ギヤの回転数に基づいて、前記油圧式摩擦係合部材による係合圧を制御する制御手段を備えている無段変速装置の前後進切換制御装置。
  2. 前記中間ギヤの回転数が、検出された前記入力回転数及び前記出力回転数に基づく速度線図から求められる請求項1記載の無段変速装置の前後進切換制御装置。
  3. 前記制御手段は、前記走行レンジの前進位置から後進位置への切換時には、前記中間ギヤの回転数がゼロとなるように前記油圧式摩擦係合部材のブレーキ圧をフィードバック制御し、前記走行レンジの後進位置から前進位置への切換時には、前記中間ギヤの回転数が前記入力回転数となるように前記油圧式摩擦係合部材のクラッチ圧をフィードバック制御する請求項1または2記載の無段変速装置の前後進切換制御装置。
  4. 前記制御手段は、前記中間ギヤまたは前記出力回転数が予め設定された複数領域の何れの領域にあるかに基づいて定められたフィードバック係数に基づいて前記油圧式摩擦係合部材による係合圧をフィードバック制御する請求項3記載の無段変速装置の前後進切換制御装置。
  5. 前記制御手段は、前記中間ギヤの目標回転数と検出回転数との偏差の傾きが所定の目標値となるように前記油圧式摩擦係合部材による係合圧をフィードバック制御する請求項3または4記載の無段変速装置の前後進切換制御装置。
  6. 前記制御手段は、少なくとも前記走行レンジの前進位置と後進位置との切換時間が所定時間より短いときに作動する請求項1から5の何れかに記載の無段変速装置の前後進切換制御装置。
  7. 前記制御手段は、前記出力軸の出力回転数が所定回転数より低いとき、車両速度が所定速度より低いときの何れかを満たすときに作動する請求項6記載の無段変速装置の前後進切換制御装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2015190602A (ja) * 2014-03-28 2015-11-02 富士重工業株式会社 前後進切替装置の制御装置および制御方法

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