JP2014234064A - 制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】ダウンシフト制御における加速応答を改善する制御装置を提供する。
【解決手段】エンジンと、電動機と、前記エンジンにより発生させられた駆動力および前記電動機により発生させられた駆動力に基づいて回転駆動する駆動輪と、前記エンジンと前記駆動輪との間の動力伝達経路に設けられた無段変速機と、を有する車両を制御する制御装置に、前記動力伝達経路に設けられたクラッチの状態に関する状態情報を取得する状態取得部と、前記状態取得部により取得された前記状態情報に応じて、加速時のダウンシフト制御における前記無段変速機の変速比の変化速度を制御する変速比制御部と、を設ける。
【選択図】図5

Description

本発明は、車両における変速シフトを制御する制御装置に関する。
近日、エンジンおよび電動機の双方を駆動源として有するハイブリッド車両の普及が進んでいる。ハイブリッド車両は、駆動源に専らエンジンを用いるエンジン走行モード、駆動源にエンジンおよび電動機の双方を用いるハイブリッド走行モード、または駆動源に専ら電動機を用いるモータ走行モードで走行することが可能である。
このようなハイブリッド車両においても、ドライバーがアクセルペダルを踏込みこんだ場合、変速比の増加により車両の加速度を高めるためのキックダウンと呼ばれるダウンシフト制御が行われる。なお、下記特許文献1には、ガソリン車両のキックダウンにおける変速制御ついて記載されている。
特開2004−112188号公報
上述したように、ハイブリッド車両は、エンジン走行モードまたはハイブリッド走行モードにおいてはエンジンの駆動力を用いて走行するが、モータ走行モードにおいてはエンジンが停止している。このため、ハイブリッド車両では、モータ走行モードでドライバーがアクセルペダルを踏込みこんだ場合に行われるダウンシフト制御が、駆動力の確保のためにエンジンの再始動を伴う場合がある。
しかし、エンジンの再始動を伴うダウンシフト制御では、エンジンの再始動のために相応の時間が費やされるので、エンジンの再始動を伴わないダウンシフト制御と比較して加速応答が悪くなってしまう。
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、ダウンシフト制御における加速応答を改善することが可能な、新規かつ改良された制御装置を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、エンジンと、電動機と、前記エンジンから発生した駆動力および前記電動機から発生した駆動力に基づいて回転駆動する駆動輪と、前記エンジンと前記駆動輪との間の動力伝達経路に設けられた無段変速機と、を有する車両を制御する制御装置が提供される。この制御装置は、前記動力伝達経路に設けられたクラッチの状態に関する状態情報を取得する状態取得部と、前記状態取得部により取得された前記状態情報に応じて、加速時のダウンシフト制御における前記無段変速機の変速比の変化速度を制御する変速比制御部と、を備えることを特徴とする。ここで、無段変速機の回転数が変化する際に加速度に影響を与える慣性トルクの大きさは、動力伝達経路に設けられたクラッチの状態に応じて異なる。また、変速比の変化に伴って無段変速機の回転数が変化する。このため、動力伝達経路に設けられたクラッチの状態に応じて変速比の変化速度を適応的に制御することにより、ダウンシフト制御における加速応答を改善することが可能である。
前記変速比制御部は、前記状態情報が前記クラッチの解放状態を示すか否かに応じて前記ダウンシフト制御における変速比の変化速度を異ならせてもよい。
より具体的には、前記状態情報に関する所定の条件が満たされる場合、前記状態情報が前記クラッチの締結状態を示す場合よりも、前記ダウンシフト制御における変速比の増加速度を速くしてもよい。ここで、前記所定の条件は、前記状態情報が前記クラッチの解放状態を示すことを含んでもよい。また、前記所定の条件は、前記エンジンが停止状態であることを含んでもよい。
また、前記制御装置は、前記ダウンシフト制御を開始するか否かを判断するダウンシフト開始判断部をさらに備え、前記変速比制御部は、前記ダウンシフト開始判断部により前記ダウンシフト制御を開始すると判断された時の前記状態情報に応じて前記変速比の変化速度を制御してもよい。
ここで、前記クラッチは、前記無段変速機の入力側回転体と前記エンジンと間に設けられるロックアップクラッチであり、前記制御装置は、前記ロックアップクラッチを制御するクラッチ制御部、および、前記エンジンを制御するエンジン制御部、をさらに備え、前記ロックアップクラッチが解放されている状態で前記ダウンシフト制御が開始された場合、前記エンジン制御部が前記エンジンの回転数を上昇させ、前記クラッチ制御部は、前記エンジンの回転数が前記入力側回転体の回転数を上回った後に、前記ロックアップクラッチを締結状態に切替えてもよい。
さらに、前記動力伝達経路には、前記エンジンから発生した駆動力の伝達と遮断を切り替える入力クラッチが前記ロックアップクラッチとは別に設けられ、前記入力クラッチは、前記入力クラッチが解放された状態で前記ダウンシフト制御が開始された場合、前記ロックアップクラッチの締結状態への切替前に、締結状態に切替えられてもよい。
前記無段変速機の入力側に前記エンジンおよび前記電動機が設けられ、前記クラッチは、前記無段変速機の入力側回転体と前記エンジンとの間の動力伝達経路に設けられてもよい。
前記クラッチは、前記エンジンから発生した駆動力の伝達と遮断を切り替える入力クラッチであってもよい。
以上説明したように本発明によれば、ダウンシフト制御における加速応答を改善することが可能である。
本発明の実施形態によるハイブリッド車両の基本構成を示すブロック図である。 本発明の実施形態による駆動装置の概略構成を示した説明図である。 ハイブリッド車両が行うキックダウン制御の一例を示した説明図である。 ハイブリッド車両が行うキックダウン制御の他の例を示した説明図である。 制御装置の一例であるハイブリッドコントローラおよびTCUの構成を示した機能ブロック図である。 変速シフトマップの概念図である。 ロックアップクラッチの状態と変速比の増加速度との関係を示す変速速度マップの一例である。 ハイブリッドコントローラにより行われる制御を示したフローチャートである。 ロックアップクラッチが締結状態である場合のキックダウン制御を示したタイミングチャートである。 ロックアップクラッチが解放状態である場合のキックダウン制御を示したタイミングチャートである。
以下に添付図面を参照しながら、本発明の実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
また、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する複数の構成要素を、同一の符号の後に異なるアルファベットを付して区別する場合もある。ただし、実質的に同一の機能構成を有する複数の構成要素の各々を特に区別する必要がない場合、同一符号のみを付する。
<1.ハイブリッド車両の概略構成>
本発明の実施形態によるハイブリッド車両は、エンジンおよび電動機の双方を駆動源として有し、駆動源に専らエンジンを用いるエンジン走行モード、駆動源にエンジンおよび電動機の双方を用いるハイブリッド走行モード、または駆動源に専ら電動機を用いるモータ走行モードで走行することが可能である。以下では、まず、このような本発明の実施形態によるハイブリッド車両の基本構成について図1を参照して説明する。
[1−1.基本構成]
図1は、本発明の実施形態によるハイブリッド車両1の基本構成を示すブロック図である。図1に示すように、本発明の実施形態によるハイブリッド車両1は、各種センサ、各種センサからの入力に基づいた制御を行う制御装置、制御装置からの駆動制御に従って駆動力として回転トルクを発生させる駆動装置、および駆動装置により発生させられた回転トルクに基づいて回転駆動する駆動輪48を備える。図1においては、各種センサの一例としてアクセル開度センサ12、速度センサ14および加速度センサ16を示し、制御装置の一例としてハイブリッドコントローラ(HEV CU)10、トランスミッション制御ユニット(以下、TCU:Transmission Control Unit、とも称する。)20、エンジン制御ユニット(以下、ECU:Engine Control Unit、とも称する)30、およびモータ制御ユニット(以下、MCU:Motor Control Unit、とも称する。)40を示し、駆動装置の一例としてエンジン32、電動機42および変速機50を示している。
(各種センサ)
アクセル開度センサ12は、ドライバーによるアクセルペダルの操作量を検出するセンサである。速度センサ14は、駆動輪48の回転速度に応じた車速パルス信号を出力する。この車速パルス信号に基づいて例えばECU30によりハイブリッド車両1の速度が演算される。加速度センサ16は、車体に作用する加速度を検出するセンサである。例えば、加速度センサ16は、車体の前後方向の加速度や、車体の横方向の加速度を検出する。
(ハイブリッドコントローラ10)
ハイブリッドコントローラ10は、各種センサからの入力に基づき、TCU20、ECU30およびMCU40を制御する。例えば、本発明の実施形態によるハイブリッドコントローラ10は、アクセル開度センサ12により検出されたアクセル開度および速度センサ14からの出力に基づいて演算されたハイブリッド車両1の速度の関係に基づき、加速のためのダウンシフト制御、すなわち変速比の増加を伴うキックダウン制御を行うか否かを判断する。そして、ハイブリッドコントローラ10は、キックダウン制御を行う場合、TCU20、ECU30およびMCU40の各々にキックダウン制御を行うための制御信号を出力する。
なお、ハイブリッドコントローラ10は、入力信号が入力される入力回路と、入力信号に基づいて制御演算処理を実行する1または2以上のマイクロコンピュータ(またはコア)と、マイクロコンピュータによる演算結果である出力信号を出力する出力回路と、を備える。さらに、ハイブリッドコントローラ10は、マイクロコンピュータにより実行される演算処理に用いられる各種情報を記憶する記憶部を備えてもよい。後述するTCU20、ECU30およびMCU40も同様に、上記入力回路、1または2以上のマイクロコンピュータ、出力回路、および記憶部を備え得る。
(TCU20)
TCU20は、ハイブリッドコントローラ10から入力される制御信号に基づいて変速機50を制御する。例えば、TCU20は、ハイブリッドコントローラ10から入力される目標変速比を示す制御信号に基づき、変速機50に設けられたバリエータ(図2の符号60)による変速比を制御する。また、TCU20は、変速機50に設けられた各クラッチの状態を制御する機能も担う。
(ECU30)
ECU30は、ハイブリッドコントローラ10から入力される制御信号に基づいてエンジン32を制御する。例えば、ECU30は、ハイブリッドコントローラ10からエンジントルク要求値の入力を受けると、エンジン32の実出力トルクがエンジントルク要求値に近づくように、スロットル開度、燃料噴射量、吸排気バルブタイミング、および点火時期などを制御する。
(MCU40)
MCU40は、ハイブリッドコントローラ10から入力される制御信号に基づいて電動機42を制御する。例えば、MCU40は、ハイブリッドコントローラ10からモータトルク要求値の入力を受けると、電動機42の実出力トルクがモータトルク要求値を満たすように電動機42の駆動を制御する。
(駆動装置)
駆動装置は、上述したようにエンジン32、変速機50および電動機42を含む。エンジン32はECU30からの制御に従って回転トルクを発生させ、電動機42はMCU40からの制御に従って回転トルクを発生させる。そして、変速機50は、エンジン32および電動機42により発生させられた回転トルクを駆動輪48へ伝達する。以下、このような駆動装置の構成について図2を参照してより詳細に説明する。
[1−2.駆動装置の構成]
図2は、本発明の実施形態による駆動装置の概略構成を示した説明図である。本発明の実施形態による駆動装置は、図2に示すように、エンジン32および電動機42と共に、バリエータ60(無段変速機)、トルクコンバータ70、油圧制御装置80、ロックアップクラッチ82、入力クラッチ86およびオイルポンプ88を有する変速機50を備える。
(エンジン32)
エンジン32は、ECU30からの制御に従って駆動力として回転トルクを発生させる内燃機関である。エンジン32により発生させられた回転トルクは、クランク軸34およびトルクコンバータ70を介してバリエータ60のプライマリ軸63に伝達される。
(トルクコンバータ70、ロックアップクラッチ82)
トルクコンバータ70は、バリエータ60のプライマリプーリ62およびエンジン32の間に設けられ、エンジン32により発生させられた回転トルクをバリエータ60のプライマリ軸63に伝達する。より詳細に説明すると、トルクコンバータ70は、図2に示したように、フロントカバー72、クランク軸34にフロントカバー72を介して連結されるポンプインペラ73、フロントカバー72とポンプインペラ73の間でポンプインペラ73に対向して配置されたタービンランナ74、およびタービンランナ74に連結されたタービン軸75を備える。
また、フロントカバー72とタービンランナ74の間には、クランク軸34とタービン軸75との連結関係を切り替えるロックアップクラッチ82が組み込まれている。より詳細に説明すると、ロックアップクラッチ82は、タービンランナ74に連結されるクラッチプレート83を有する。このクラッチプレート83により、フロントカバー72とタービンランナ74の間は、クラッチプレート83のタービンランナ74側のアプライ室76およびクラッチプレート83のフロントカバー72側のリリース室78に区画される。
油圧制御装置80がこのアプライ室76に作動油を供給してリリース室78から作動油を排出すると、クラッチプレート83がフロントカバー72に押圧され、ロックアップクラッチ82がクランク軸34とタービン軸75を直結させる締結状態となる。このロックアップクラッチ82の締結状態においては、フロントカバー72とタービンランナ74が一体的に回転するので、クランク軸34の回転トルクがタービン軸75に直接伝達される。
一方、油圧制御装置80がリリース室78に作動油を供給してアプライ室76から作動油を排出すると、クラッチプレート83がフロントカバー72から引き離され、ロックアップクラッチ82がクランク軸34とタービン軸75を切り離す解放状態となる。このロックアップクラッチ82の解放状態においては、クランク軸34の回転トルクがフロントカバー72を介してポンプインペラ73に伝達されると、トルクコンバータ70を満たしている作動油が、ポンプインペラ73の回転によりポンプインペラ73からタービンランナ74へと循環する。これにより、ポンプインペラ73の回転トルクが流体である作動油を介してタービンランナ74に伝達され、タービンランナ74に連結されたタービン軸75が回転する。
(入力クラッチ86)
入力クラッチ86は、油圧制御装置80からの制御に従い、エンジンにより発生させられた回転トルクの伝達と遮断と切り替える。すなわち、入力クラッチ86は、締結状態においてはタービン軸75とプライマリ軸63を直結させ、解放状態においてはタービン軸75とプライマリ軸63とを切り離す。なお、エンジン走行モードまたはハイブリッド走行モードにおいてはエンジン32からの回転トルクを用いるために入力クラッチ86は締結状態に設定され、モータ走行モードにおいては入力クラッチ86は解放状態に設定される。
(電動機42)
電動機42は、ステータ44およびロータ46からなるモータを有する。ステータ44は、MCU40からの制御信号に従って例えば磁界を発生させるコイルを含む。ロータ46は、ステータ44により発生させられる磁界に基づいて回転する。なお、ロータ46とバリエータ60とはプライマリ軸63により直結されている。このため、バリエータ60のプライマリプーリ62は、ロータ46と等しい回転数で回転する。
(バリエータ60)
バリエータ60は、図2に示すように、駆動チェーン61、プライマリプーリ62、プライマリプーリ62の回転軸であるプライマリ軸63、プライマリ油室64、セカンダリプーリ66、セカンダリプーリ66の回転軸であるセカンダリ軸67、およびセカンダリ油室68を有する。
駆動チェーン61は、プライマリプーリ62およびセカンダリプーリ66の間に動力伝達要素として掛け渡されている。このため、プライマリプーリ62の回転トルクは、駆動チェーン61を介してセカンダリプーリ66に伝達され、セカンダリ軸67から出力される。
ここで、プライマリプーリ62への駆動チェーン61の巻き掛け径をRp、セカンダリプーリ66への駆動チェーン61の巻き掛け径をRsとすると、プライマリプーリ62からセカンダリプーリ66に対する変速比は、Rs/Rpと表現される。また、プライマリプーリ62の溝幅は、油圧制御装置80がプライマリ油室64に供給する油圧を制御することにより変化し、プライマリプーリ62の巻き掛け径Rpは、このプライマリプーリ62の溝幅の変化を通じて調整される。同様に、セカンダリプーリ66の溝幅は、油圧制御装置80がセカンダリ油室68に供給する油圧を制御することにより変化し、セカンダリプーリ66の巻き掛け径Rsは、このセカンダリプーリ66の溝幅の変化を通じて調整される。従って、バリエータ60は、油圧制御装置80による制御に基づいてプライマリプーリ62およびセカンダリプーリ66の溝幅を変化させることにより、Rs/Rpで表現される変速比を無段階に調整することが可能である。
(油圧制御装置80)
油圧制御装置80は、TCU20からの制御信号に従い、バリエータ60、ロックアップクラッチ82、および入力クラッチ86などに油圧を供給する。例えば、油圧制御装置80は、TCU20からの制御信号に従って複数の電磁弁を作動させることにより、ロックアップクラッチ82などへの油圧の供給を制御する。なお、油圧制御装置80には、エンジン32によって駆動されるオイルポンプ88および図示しない電動オイルポンプなどから油圧が供給され得る。
[1−3.本発明の実施形態に至る経緯]
以上、本発明の実施形態によるハイブリッド車両1の概略構成を説明した。続いて、本発明の実施形態によるハイブリッド車両1の創作に至った背景を説明する。
エンジンのみを駆動源とするガソリン車両と同様に、一般的なハイブリッド車両においても、アクセルペダルの踏込みに基づいてバリエータの変速比を増加させるキックダウン制御が行われる。以下、ハイブリッド車両がエンジン走行モードで走行している際に行われるキックダウン制御について、図3および図4を参照して説明する。
図3は、ハイブリッド車両が行うキックダウン制御の一例を示した説明図である。より詳細には、図3は、ハイブリッド車両がエンジン走行モードで走行しており、かつ、ロックアップクラッチが締結状態である場合に行われるキックダウン制御例を示している。図3に示すように、ハイブリッド車両がキックダウン制御を開始すると、バリエータの変速比の増加に伴い、プライマリ軸の回転数が増加する。ここで、ロックアップクラッチが締結状態であるので、エンジンの回転数もプライマリ軸の回転数と等しく増加する。
しかし、ロックアップクラッチの締結状態においては、ロックアップクラッチよりエンジン側に位置する部材(例えば、フロントカバー、ポンプインペラ、および、エンジンの部材として挙げられるクランク軸、ピストン、およびピストンコネクティングロッドなど)の慣性トルクがバリエータのプライマリ軸に直接伝わる。このため、ロックアップクラッチの締結状態において変速比と共にプライマリ軸回転数が急速に増加すると、図3に示したように、プライマリ軸に直接伝わる慣性トルクに起因して車両前後方向の加速度が一時的に低下する。この加速度の一時的な低下は、ドライバビリティの観点から好ましくない。
図4は、ハイブリッド車両が行うキックダウン制御の他の例を示した説明図である。より詳細には、図4は、ハイブリッド車両がエンジン走行モードで走行しており、かつ、ロックアップクラッチが締結状態である場合に行われるキックダウン制御の他の例を示している。図4に示した例によるキックダウン制御は、図3に示した例と比較して、バリエータの変速比を緩やかに増加させる。このため、図4に示したように、プライマリ軸回転数およびエンジン回転数の増加も比較的緩やかになるので、プライマリ軸に伝わるロックアップクラッチよりエンジン側に位置する回転部材の慣性トルクの影響も減少する。結果、図4に示したキックダウン制御によれば、加速度の一時的な低下を生じさせることなく加速度を増加させることが可能である。
ところで、ハイブリッド車両は、エンジン走行モードまたはハイブリッド走行モードにおいてはエンジンにより発生させられた回転トルクを用いて走行するが、モータ走行モードにおいてはエンジンが停止している。このため、ハイブリッド車両では、モータ走行モードでドライバーがアクセルペダルを踏込みこんだ場合に行われるキックダウン制御が、回転トルクの確保のためにエンジンの再始動を伴う場合がある。
しかし、エンジンの再始動を伴うキックダウン制御では、エンジンの再始動のために相応の時間が費やされる。このため、エンジンの再始動を伴うキックダウン制御において、図4に示したエンジンの再始動を伴わないキックダウン制御と同じ速度で変速比を緩やかに増加させた場合、加速応答が悪くなってしまう。
そこで、本件発明者は、上記事情を一着眼点にして本発明の実施形態を創作するに至った。本発明の実施形態によるハイブリッド車両1は、適応的にキックダウン制御を行うことによりキックダウン制御における加速応答を改善することが可能である。以下、本発明の実施形態によるハイブリッド車両1において上記のような効果を実現するための制御装置の構成および動作について順次詳細に説明する。
<2.制御装置の構成>
図5は、制御装置の一例であるハイブリッドコントローラ10およびTCU20の構成を示した機能ブロック図である。図5に示したように、ハイブリッドコントローラ10は、キックダウン開始判断部110、エンジン状態取得部120、クラッチ状態取得部130、およびキックダウン制御部140を有する。また、TCU20は、回転数情報取得部210、ロックアップクラッチ制御部220、入力クラッチ制御部230、およびバリエータ制御部240を有する。
(キックダウン開始判断部110)
キックダウン開始判断部110は、キックダウン制御の開始条件が満たされるか否かの判断として、ドライバーにより急加速を意図したアクセルペダルの踏み込みが行われたか否かを判断する。そして、キックダウン開始判断部110は、急加速を意図したアクセルペダルの踏み込みが行われたと判断される場合、キックダウン制御部140に対するキックダウン制御の開始指示を出力する。以下、キックダウン開始判断部110による上記の判断の手法についてより具体的に説明する。
キックダウン開始判断部110は、アクセル開度センサ12により検出されたアクセル開度、および速度センサ14からの出力に基づいて演算されたハイブリッド車両1の速度(車速)の入力を受ける。そして、キックダウン開始判断部110は、車速、アクセル開度、および図6に示す変速シフトマップに基づいて、急加速を意図したアクセルペダルの踏み込みが行われたか否かを判断する。
図6は、変速シフトマップの概念図である。図6に示すように、変速シフトマップにおいては、キックダウンを行うか否かの境界線Thを規定するように車速ごとにアクセル開度が設定されている。キックダウン開始判断部110は、この変速シフトマップの境界線Thをハイブリッド車両1のアクセル開度と速度の関係が超えた場合、急加速を意図したアクセルペダルの踏み込みが行われた、すなわち、キックダウン制御の開始条件が満たされたと判断する。例えば、図6に示したように、車速Vにおいてアクセル開度がA1から境界線Thを上回るA2に増加した場合、キックダウン開始判断部110は、キックダウン制御の開始条件が満たされたと判断する。
なお、本明細書においては、加速時のダウンシフト制御の一例として、アクセルペダルの踏込みに基づくキックダウン制御を主に説明するが、本発明の実施形態が適用される場面はアクセルペダルの踏込みに基づくキックダウン制御に限られない。すなわち、上述したキックダウン開始判断部110はダウンシフト開始判断部の一例であり、加速を意図した他の操作に基づくダウンシフト制御にも本発明の実施形態を適用可能である。加速を意図した他の操作としては、運転モードの切替操作(ノーマルモードから、ノーマルモードよりダウンシフトの境界線が低いスポーツモードへの切替操作)や、目標変速比や目標速度などを指定する手動の操作などが挙げられる。
(エンジン状態取得部120)
エンジン状態取得部120は、ECU30からエンジン32の各種状態を示すエンジン状態情報を取得する。エンジン状態情報は、例えば、エンジン32が停止状態であるか否かを示す情報、エンジン32の回転数を示す情報、冷却水温を示す情報などを含む。
(クラッチ状態取得部130)
クラッチ状態取得部130は、エンジン32と駆動輪48との間の動力伝達経路に設けられたロックアップクラッチ82および入力クラッチ86の状態を示す情報を取得する。具体的に説明すると、クラッチ状態取得部130は、ロックアップクラッチ82が解放状態または締結状態のいずれの状態であるかを示すロックアップクラッチ状態情報をTCU20のロックアップクラッチ制御部220から取得する。また、クラッチ状態取得部130は、入力クラッチ86が解放状態または締結状態のいずれの状態であるかを示す入力クラッチ状態情報をTCU20の入力クラッチ制御部230から取得する。
(キックダウン制御部140)
キックダウン制御部140は、キックダウン開始判断部110からのキックダウン制御の開始指示に基づき、キックダウン制御を実行する。このキックダウン制御部140の機能は、図5に示したように、クラッチ切替指示部142、エンジントルク指示部144、モータトルク指示部146および変速比制御部148の機能に細分化される。クラッチ切替指示部142は、入力クラッチ86の状態の切替を指示する機能であり、エンジントルク指示部144(エンジン制御部)は、ECU30にエンジントルク要求値を指示する機能であり、モータトルク指示部146はMCU40にモータトルク要求値を指示する機能であり、変速比制御部148はTCU20に目標変速比を指示する機能である。
ところで、「1−3.本発明の実施形態に至る経緯」において説明したように、エンジン32の再始動を伴うキックダウン制御では、エンジン32の再始動のために相応の時間が費やされる。このため、エンジン32の再始動を伴うキックダウン制御において、エンジン32の再始動を伴わないキックダウン制御と同じ速度で変速比を緩やかに増加させた場合、加速応答が悪くなってしまう。
この点に関し、キックダウン制御がエンジン32の再始動を伴う場合、すなわちエンジン32が停止状態である場合には、ロックアップクラッチ82が解放状態にある。ロックアップクラッチ82が解放状態である場合には、ロックアップクラッチ82よりエンジン32側に位置する回転部材の慣性トルク(慣性モーメント)がトルクコンバータ70内の作動油を介してバリエータ60に伝わる。このため、ロックアップクラッチ82が解放状態である場合にバリエータ60に伝わる上記慣性トルクの影響は、上記慣性トルクがバリエータ60に直接伝わる締結状態における影響と比較して小さい。すなわち、ロックアップクラッチ82が解放状態である場合には、ロックアップクラッチ82が締結状態である場合よりもプライマリ軸回転数の増加に伴う車両前後方向の加速度の低下が起きにくい。
上記に鑑みてなされた本発明の実施形態によるキックダウン制御部140は、クラッチ状態取得部130により取得されたロックアップクラッチ82の状態が解放状態であるか否かに応じて、キックダウン制御の方法を変化させる。特に、変速比制御部148は、ロックアップクラッチ82の状態が解放状態であるか否かに応じて、キックダウン制御における変速比の変化速度を異ならせる。以下、この点について図7を参照して具体的に説明する。
図7は、ロックアップクラッチ82の状態と変速比の増加速度との関係を示す変速速度マップの一例である。変速比制御部148は、図7に一例として示した変速速度マップに従い、ロックアップクラッチ82が解放状態である場合には、ロックアップクラッチ82が締結状態である場合よりも、変速比の増加速度を速くする。ここで、ロックアップクラッチ82の解放状態においては、上述したように、バリエータ60に伝わる慣性トルクの影響が緩和される。このため、ロックアップクラッチ82が解放状態である場合には、上記のように変速比の増加速度を速くしても、図3に示したような加速度の一時的な低下の発生を防止することが可能であり、結果、キックダウン制御の加速応答を改善することができる。当該加速応答の改善は、エンジン32が停止状態である場合に行われるエンジン32の再始動を伴うキックダウン制御において特に顕著に現れる。
なお、図7に示したように、解放状態において適用される変速速度と、締結状態において適用される変速速度との差分は、車速が速いほど小さくなる。また、図7においてはエンジン32および電動機42に対する特定の要求出力における変速比の増加速度のみを抜粋して示しているが、解放状態において適用される変速速度と、締結状態において適用される変速速度との差分は、要求出力が低いほど小さくなる。要求出力が低い場合または車速が速い場合には、急激に変速比を変化させると回転数の変化の大きさがドライバーに違和感を与えかねないので、上記構成により、ドライバーへの違和感を軽減し、ドライバビリティを向上することが可能である。
以上、キックダウン制御部140の変速比制御部148に着目した説明を行った。キックダウン制御部140のクラッチ切替指示部142、エンジントルク指示部144、およびモータトルク指示部146も、変速比制御部148と同様に、ロックアップクラッチ82が解放状態であるか否かに応じて異なるキックダウン制御を行う。これらクラッチ切替指示部142、エンジントルク指示部144、およびモータトルク指示部146によるキックダウン制御については、図8〜図10を参照して後述する。
(回転数情報取得部210)
図5に示したTCU20の回転数情報取得部210は、変速機50から各軸の回転数を示す情報を取得する。例えば、回転数情報取得部210は、バリエータ60のプライマリ軸63の回転数(プライマリ軸回転数)を示す情報や、セカンダリ軸67の回転数(セカンダリ軸回転数)を示す情報などを取得する。
(ロックアップクラッチ制御部220)
ロックアップクラッチ制御部220は、ロックアップクラッチ82の状態切替を制御する。具体的には、ロックアップクラッチ制御部220は、ロックアップクラッチ82の状態を変化させる油圧供給を指示する制御信号を油圧制御装置80に出力する。当該制御信号に従って油圧制御装置80がアプライ室76またはリリース室78に油圧を供給することにより、ロックアップクラッチ82の状態が解放状態、締結状態およびスリップ状態の間で切り替えられる。
(入力クラッチ制御部230)
入力クラッチ制御部230は、ハイブリッドコントローラ10のクラッチ切替指示部142から出力される制御信号に従い、入力クラッチ86の状態切替を制御する。具体的には、入力クラッチ制御部230は、入力クラッチ86の状態を変化させる油圧供給を指示する制御信号を油圧制御装置80に出力する。当該制御信号に従って油圧制御装置80が入力クラッチ86へ油圧を供給することにより、入力クラッチ86の状態が解放状態、締結状態およびスリップ状態の間で切り替えられる。
(バリエータ制御部240)
バリエータ制御部240は、ハイブリッドコントローラ10の変速比制御部148から出力される目標変速比に従い、バリエータ60のプライマリプーリ62およびセカンダリプーリ66の溝幅を制御する。具体的には、バリエータ制御部240は、プライマリプーリ62およびセカンダリプーリ66の溝幅を変化させる油圧供給を指示する制御信号を油圧制御装置80に出力する。当該制御信号に従って油圧制御装置80がプライマリ油室64およびセカンダリ油室68に油圧を供給することにより、プライマリプーリ62およびセカンダリプーリ66の溝幅および駆動チェーン61の巻き掛け径が調整され、結果、無段階の変速比制御が実現される。
<3.制御フロー>
以上、本発明の実施形態によるハイブリッドコントローラ10およびTCU20の構成を説明した。続いて、図8を参照し、ハイブリッドコントローラ10により行われる制御の流れを説明する。図8は、ハイブリッドコントローラ10により行われる制御を示したフローチャートである。
(キックダウン制御開始判断:S310)
まず、図8に示したように、キックダウン開始判断部110が、アクセルペダルの踏み込みに基づくキックダウン制御の開始条件が満たされるか否かを判断する。当該判断は、例えば、車速、アクセル開度、および所定の変速シフトマップに基づいて行われる。キックダウン制御の開始条件が満たされない間はS310の判断が繰り返され、キックダウン制御の開始条件が満たされると判断された場合にはS320の判断が行われる。なお、アクセルペダルの踏込みは加速を意図した操作の一例に過ぎず、当該S310の判断は、加速を意図した他の操作に基づくダウンシフト制御の開始条件が満たされるか否かの判断にも置換可能である。
(ロックアップクラッチの状態判断:S320)
S310においてキックダウン制御の開始条件が満たされると判断された場合、キックダウン制御部140は、クラッチ状態取得部130により取得されたロックアップクラッチ状態情報が解放状態を示すか締結状態を示すかを判断する。
なお、エンジン32の停止状態においては、バリエータ60に影響を与える慣性トルクを小さくするために、入力クラッチ86は解放状態に制御される。入力クラッチ86の解放状態においては、通常、ロックアップクラッチ82も解放状態に制御される。このため、エンジン32が停止状態である場合、および入力クラッチ86が解放状態である場合の各々においては、ロックアップクラッチ82が解放状態である。すなわち、エンジン状態情報、および入力クラッチ状態情報は、ロックアップクラッチ82の状態に関する状態情報とも言える。
従って、上記ではロックアップクラッチ状態情報が解放状態を示すという所定の条件が満たされるか否かを判断する例を説明したが、当該所定の条件は、エンジン状態情報が停止状態を示すという条件、または、入力クラッチ状態情報が解放状態を示すという条件に置換可能である。さらに、所定の条件は、ロックアップクラッチ状態情報が解放状態を示すこと、エンジン状態情報が停止状態を示すこと、および入力クラッチ状態情報が解放状態を示すこと、のうちの複数の条件の組み合わせに置換することも可能である。
(キックダウン制御:S330、S340)
S320においてロックアップクラッチ82の状態が締結状態であると判断された場合、キックダウン制御部140は、締結状態用の変速パラメータを用いてキックダウン制御を行う(S330)。一方、S320においてロックアップクラッチ82の状態が解放状態であると判断された場合、キックダウン制御部140は、解放状態用の変速パラメータを用いてキックダウン制御を行う(S340)。以下、図9および図10を参照して、S330で行われるキックダウン制御、およびS340で行われるキックダウン制御についてより詳細に説明する。
<4.キックダウン制御>
(ロックアップクラッチが締結状態である場合のキックダウン制御)
図9は、第1のキックダウン制御例を示したタイミングチャートである。図9に示した例では、キックダウン制御を開始するタイミングt11においてロックアップクラッチ82の状態が締結状態であるので、締結状態用の変速パラメータを用いたキックダウン制御が行われる。具体的には、まず、モータトルク指示部146がMCU40に電動機42のモータトルクを増加させる。かかる構成により、加速度が上昇を開始する。
そして、タイミングt12において、変速比制御部148がバリエータ制御部240に変速比の増加制御を開始させる。変速比の増加制御により、セカンダリ軸回転数の増加量を上回ってエンジン回転数およびプライマリ軸回転数が増加し、バリエータ60から出力されるトルクも増加するので、加速度が上昇を続ける。
ここで、変速比制御部148は、図7を参照して説明したように、ロックアップクラッチ82の解放状態時よりも変速比の増加速度が緩やかになるようにバリエータ制御部240を制御する。かかる構成により、変速比を急激に増加させた場合に慣性トルクに起因して生じる加速度の一時的な低下が抑制されるので、キックダウン制御におけるドライバビリティを向上することが可能である。
(ロックアップクラッチが解放状態である場合のキックダウン制御)
図10は、第2のキックダウン制御例を示したタイミングチャートである。図10に示した例では、キックダウン制御を開始するタイミングt21においてロックアップクラッチ82の状態が解放状態であるので、解放状態用の変速パラメータを用いたキックダウン制御が行われる。
具体的には、タイミングt21においては、モータトルク指示部146がMCU40に電動機42のモータトルクを増加させる。これにより、加速度が上昇を開始する。また、エンジントルク指示部144が、ECU30にエンジン32の再始動指示を出力し、この再始動指示に従い、ECU30がエンジン32を再始動させ、エンジン32の回転数を増加させる。さらに、入力クラッチ制御部230が、クラッチ切替指示部142からの指示に従い、入力クラッチ86の状態を締結状態に切替える。
そして、タイミングt22において、変速比制御部148がバリエータ制御部240に変速比の増加制御を開始させる。変速比の増加制御により、セカンダリ軸回転数の増加量を上回ってプライマリ軸回転数が増加するので、バリエータ60から出力される回転トルクおよび加速度が増加する。さらに、入力クラッチ86が締結状態に切替えられた後は、エンジン回転数がプライマリ軸回転数を上回った量に応じたエンジン32由来の回転トルクが、トルクコンバータ70を介してバリエータ60に加えられるので、加速度の増加に寄与する。一方、MCU40はモータトルク指示部146からの制御に従って電動機42のモータトルクを徐々に減少させる。
その後、プライマリ軸回転数がエンジン回転数に概ね到達すると(例えば、双方の回転数の差分が所定値以下となった場合)、ロックアップクラッチ制御部220がロックアップクラッチ82を締結状態に切替える。ロックアップクラッチ82が締結状態に切替えられたタイミングt23以降は、エンジン回転数とプライマリ軸回転数が一致する。
ここで、変速比制御部148は、図7を参照して説明したように、ロックアップクラッチ82の締結状態時よりも変速比の増加速度が速くなるようにバリエータ制御部240を制御する。ロックアップクラッチ82の解放状態においては、上述したように、ロックアップクラッチ82よりエンジン32側に位置する回転部材の慣性トルクがトルクコンバータ70内の作動油を介してバリエータ60に伝わるので、バリエータ60に伝わる慣性トルクが緩和される。さらに、ロックアップクラッチ82が解放状態である間はエンジン32の回転数を図10に示したようにプライマリ軸回転数より高く保つことができる。このため、ロックアップクラッチ82が解放状態である場合には、上記のように変速比の増加速度を速くすることにより、図3に示したような加速度の一時的な低下の発生を防止しつつ、キックダウン制御の加速応答を改善することが可能である。
<5.むすび>
以上説明したように、本発明の実施形態によるハイブリッドコントローラ10は、ロックアップクラッチ82の状態が解放状態であるか否かに応じて、キックダウン制御の方法を変化させる。特に、ハイブリッドコントローラ10は、ロックアップクラッチ82が解放状態である場合、ロックアップクラッチ82が締結状態である場合よりも、キックダウン制御における変速比の増加速度を速くする。かかる構成によれば、ロックアップクラッチ82の状態が締結状態および解放状態のいずれである場合にも、回転数の増加に伴って慣性トルクに起因して生じる加速度の一時的な低下を抑制しつつ、キックダウン制御の加速応答を改善することが可能となる。当該加速応答の改善は、ロックアップクラッチ82が解放状態でありエンジン32が停止状態である場合に行われるエンジン32の再始動を伴うキックダウン制御において特に効果的である。
なお、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
例えば、本明細書のハイブリッドコントローラ10の処理における各ステップは、必ずしもフローチャートとして記載された順序に沿って時系列に処理する必要はない。変形例として、図8に示したS310の判断とS320の判断の順序は逆であってもよいし、S310の判断とS320の判断は並列的に処理されてもよい。
また、上記実施形態では、バリエータ60のプライマリ軸63の一側にエンジン32が配置され、他側に電動機42が配置される例を説明したが、本発明はかかる例に限定されない。例えば、エンジン32および電動機42がプライマリ軸63の同一側に配置される構成にも同様に本発明を適用可能である。この場合、電動機42がトルクコンバータ70とエンジン32に間に位置し、入力クラッチ86がロックアップクラッチ82よりもエンジン32側に位置してもよい。
さらに、電動機42が、バリエータ60のセカンダリプーリ66と駆動輪48との間に設けられる構成にも同様に本発明を適用可能である。この場合、入力クラッチ86は電動機42とセカンダリプーリ66の間に位置してもよい。かかる構成においては、入力クラッチ86の解放によりバリエータ60からエンジン32までの構成を駆動輪48から切り離すことができるので、入力クラッチ86の解放時に加速度に影響を与える慣性トルクを一層軽減することが可能である。
また、ハイブリッドコントローラ10などの制御装置に上述した各機能を発揮させるためのコンピュータプログラムも作成可能である。また、該コンピュータプログラムを記憶させた記憶媒体も提供される。
1 ハイブリッド車両
10 ハイブリッドコントローラ(HEV CU)
12 アクセル開度センサ
14 速度センサ
16 加速度センサ
20 トランスミッション制御ユニット(TCU)
30 エンジン制御ユニット(ECU)
32 エンジン
34 クランク軸
40 モータ制御ユニット(MCU)
42 電動機
48 駆動輪
50 変速機
60 バリエータ
61 駆動チェーン
62 プライマリプーリ
63 プライマリ軸
66 セカンダリプーリ
67 セカンダリ軸
70 トルクコンバータ
72 フロントカバー
73 ポンプインペラ
74 タービンランナ
75 タービン軸
80 油圧制御装置
82 ロックアップクラッチ
86 入力クラッチ
110 キックダウン開始判断部
120 エンジン状態取得部
130 クラッチ状態取得部
140 キックダウン制御部
142 クラッチ切替指示部
144 エンジントルク指示部
146 モータトルク指示部
148 変速比制御部
210 回転数情報取得部
220 ロックアップクラッチ制御部
230 入力クラッチ制御部
240 バリエータ制御部

Claims (10)

  1. エンジンと、電動機と、前記エンジンから発生した駆動力および前記電動機から発生した駆動力に基づいて回転駆動する駆動輪と、前記エンジンと前記駆動輪との間の動力伝達経路に設けられた無段変速機と、を有する車両を制御する制御装置であって、
    前記動力伝達経路に設けられたクラッチの状態に関する状態情報を取得する状態取得部と、
    前記状態取得部により取得された前記状態情報に応じて、加速時のダウンシフト制御における前記無段変速機の変速比の変化速度を制御する変速比制御部と、
    を備えることを特徴とする、制御装置。
  2. 前記変速比制御部は、前記状態情報が前記クラッチの解放状態を示すか否かに応じて前記ダウンシフト制御における変速比の変化速度を異ならせることを特徴とする、請求項1に記載の制御装置。
  3. 前記変速比制御部は、前記状態情報に関する所定の条件が満たされる場合、前記状態情報が前記クラッチの締結状態を示す場合よりも、前記ダウンシフト制御における変速比の増加速度を速くすることを特徴とする、請求項2に記載の制御装置。
  4. 前記所定の条件は、前記状態情報が前記クラッチの解放状態を示すことを含むことを特徴とする、請求項3に記載の制御装置。
  5. 前記所定の条件は、前記エンジンが停止状態であることを含むことを含むことを特徴とする、請求項4に記載の制御装置。
  6. 前記制御装置は、前記ダウンシフト制御を開始するか否かを判断するダウンシフト開始判断部をさらに備え、
    前記変速比制御部は、前記ダウンシフト開始判断部により前記ダウンシフト制御を開始すると判断された時の前記状態情報に応じて前記変速比の変化速度を制御することを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一項に記載の制御装置。
  7. 前記クラッチは、前記無段変速機の入力側回転体と前記エンジンと間に設けられるロックアップクラッチであり、
    前記制御装置は、
    前記ロックアップクラッチを制御するクラッチ制御部、および、
    前記エンジンを制御するエンジン制御部、
    をさらに備え、
    前記ロックアップクラッチが解放されている状態で前記ダウンシフト制御が開始された場合、前記エンジン制御部が前記エンジンの回転数を上昇させ、前記クラッチ制御部は、前記エンジンの回転数が前記入力側回転体の回転数を上回った後に、前記ロックアップクラッチを締結状態に切替えることを特徴とする、請求項1〜6のいずれか一項に記載の制御装置。
  8. 前記動力伝達経路には、前記エンジンから発生した駆動力の伝達と遮断を切り替える入力クラッチが前記ロックアップクラッチとは別に設けられ、
    前記入力クラッチは、前記入力クラッチが解放された状態で前記ダウンシフト制御が開始された場合、前記ロックアップクラッチの締結状態への切替前に、締結状態に切替えられることを特徴とする、請求項7に記載の制御装置。
  9. 前記無段変速機の入力側に前記エンジンおよび前記電動機が設けられ、
    前記クラッチは、前記無段変速機の入力側回転体と前記エンジンとの間の動力伝達経路に設けられることを特徴とする、請求項1〜8のいずれか一項に記載の制御装置。
  10. 前記クラッチは、前記エンジンから発生した駆動力の伝達と遮断を切り替える入力クラッチであることを特徴とする、請求項1〜6のいずれか一項に記載の制御装置。

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