JP2015189872A - 樹脂組成物、成形体、パイプおよびコイル巻きパイプ - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、従来のプラスチック配管に比べて、軽量であり、応力緩和性および強度に非常に優れ、反力が小さい成形体、特にパイプ(配管)に好適な樹脂組成物と、該パイプおよびコイル巻きパイプの提供を目的とする。
【解決手段】本発明の樹脂組成物は、ポリ−1−ブテン樹脂(A)99〜35重量部と、特定の要件(a)〜(d)を満たす4−メチル−1−ペンテン・α−オレフィン共重合体(B)1〜65重量部(ただし、樹脂(A)と共重合体(B)の合計は100重量部である)を含むことを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、樹脂組成物、該樹脂組成物を含んでなる、成形体、パイプおよびコイル巻きパイプに関する。
詳しくは、給水・給湯用パイプに好適に用いられる樹脂組成物に関する。
プラスチック配管は、軽量であり、敷設がしやすく、地震災害時に断線しにくいことから、広く普及している。また、プラスチック配管は柔軟性に富んでいることから、コイル状に巻いて現場に送られ、コイルをほどいて必要量に合わせて敷設される。
プラスチック配管としては、ポリエチレンパイプやポリブテンパイプが知られている。中でもポリブテンパイプは、ポリエチレンパイプに比べると、耐圧強度や耐摩耗性に優れるため、好適であるが(たとえば、特許文献1〜4)、応力緩和性(戻り応力)に劣る。そのため、たとえば、ポリブテンパイプをコイル状に巻いた場合、大きな曲げ応力が負荷されるため、該パイプを、施設現場にて、これを直線状に戻してかつそれを直線上に保つには、曲げ応力を取り除くための大きな力が必要となる。そのため、ポリブテンパイプは施工時の曲げ半径によっては、敷設作業効率が悪くなることがある。さらに、従来のポリブテンパイプでは、該応力部分に起因したクラックを生じるおそれもある。そのため、応力緩和が大きく、施設作業が簡便に行える、クラックの抑制を図れるポリブテンパイプが強く求められていた。
一方、4−メチル−1−ペンテン・α−オレフィン共重合体は、軽量、耐薬品性、耐熱性などに優れた樹脂として、様々な分野で利用されている。また、特許文献5において、軽量であり、応力緩和性に優れる、該共重合体を含む共重合体組成物が提案されている。
しかしながら、該共重合体組成物からなる成形体、特にパイプでは、強度において改良の余地がある。
それゆえ、軽量であって、応力緩和性および強度に非常に優れる成形体、特にパイプに好適な樹脂組成物が強く望まれていた。
特開昭58−084839号公報 特開昭63−213542号公報 特開昭63−213543号公報 特開昭63−213544号公報 WO2011/055803号公報
本発明は、上記の点を解決することであって、従来のプラスチック配管に比べて、軽量であり、応力緩和性および強度に非常に優れ、反力が小さい成形体、特にパイプ(配管)に好適な樹脂組成物と、該パイプおよびコイル巻きパイプの提供を目的とする。
さらに詳しくは、特に、軽量であり、強度に優れ、かつ、応力緩和が大きく(戻り応力が小さく)、たとえば、施設現場にて、コイルを解いたときに、直ぐに所望の形状、たとえば、直線状に戻しやすいパイプの提供を目的とする。
本発明者らは鋭意検討とした結果、本発明を完成した。
本発明の樹脂組成物は、ポリ−1−ブテン樹脂(A)99〜35重量部と、下記要件(a)〜(d)を満たす4−メチル−1−ペンテン・α−オレフィン共重合体(B)1〜65重量部(ただし、樹脂(A)と共重合体(B)の合計は100重量部である)を含むことを特徴とする。
(a)4−メチル−1−ペンテンから導かれる構成単位(i)を50〜90モル%と、α−オレフィン(ただし、4−メチル−1−ペンテンを除く)から導かれる構成単位(ii)を50〜10モル%とからなる(ただし、構成単位(i)と構成単位(ii)との合計は100モル%である)、
(b)デカリン中135℃で測定した極限粘度[η]が0.1〜5.0dL/gの範囲にある、
(c)ゲルパーミエイションクロマトグラフィー(GPC)により測定される重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との割合(分子量分布;Mw/Mn)が1.0〜3.5の範囲にある、
(d)密度が、870〜830kg/m3の範囲にある。
本発明の成形体は、本発明の樹脂組成物を含んでなることを特徴とする。
本発明のパイプは、本発明の樹脂組成物を含んでなることを特徴とする。
本発明のコイル巻きパイプは、本発明の樹脂組成物を含んでなるパイプをコイル状に巻いたものであることを特徴とする。
本発明の樹脂組成物によれば、軽量であって、応力緩和性および強度に優れ、反力が小さい成形体、特にパイプを好適に得ることができる。
本発明の樹脂組成物を含んでなるパイプによれば、たとえ、コイル状に巻かれたパイプをコイル巻きの曲率半径とは反対方向に曲げる際に要する力が小さく、簡便に所望の形状、たとえば、直線状に戻すことでき、さらに軽量であるため、従来に比べ、施設作業を非常に効率的に行うことができる。また、該パイプによれば、該応力部分に起因したクラックの発生も抑制できる。
図1は、実施例および比較例に記載のサンプルによって得られた強度(YS)と応力緩和率との関係を表した図である。
以下、本発明について説明する。
本発明の樹脂組成物は、ポリ−1−ブテン樹脂(A)と、特定の4−メチル−1−ペンテン・α−オレフィン共重合体(B)を特定の割合で含有する。
なお、本明細書において、ポリ−1−ブテン樹脂(A)を「樹脂(A)」と、4−メチル−1−ペンテン・α−オレフィン共重合体(B)を「共重合体(B)」と、樹脂組成物を「組成物(X)」と呼ぶ場合がある。
〔ポリ−1−ブテン樹脂(A)〕
本発明で用いられるポリ−1−ブテン樹脂(A)は、通常、1−ブテンを80〜100モル%、好ましくは90〜100モル%、および1−ブテン以外のα−オレフィンを0〜20モル%、好ましくは0〜10モル%(但し、1−ブテンとα−オレフィンの合計量を100モル%とする。)を(共)重合して得られる、1−ブテンの単独重合体または1−ブテン・α−オレフィン共重合体である。
1−ブテン以外のα−オレフィンとしては、例えば炭素原子数2〜10のα−オレフィン、具体的には、エチレン、プロピレン、1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセンなどが挙げられる。これらのα−オレフィンは単独で用いても、複数を組み合わせて用いてもよい。
樹脂(A)のメルトフローレート(MFR;ASTM D 1238,190℃、2.16kg荷重)は、好ましくは0.01〜50g/10分、より好ましくは0.01〜30g/10分である。該範囲内のメルトフローレートを有するポリ−1−ブテン樹脂は、可撓性があり、しかも、耐クリープ性、耐衝撃性、耐摩耗性、耐薬品性および耐ストレスクラッキング性等に優れており好ましい。
樹脂(A)は、ゲルパーミエイションクロマトグラフィー(GPC)法により測定される重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との割合(分子量分布:Mw/Mn)が、本発明の効果を得る限り特に限定されないが、通常2.1以上、特に3〜30が好ましく、更に3〜10がより好ましい。
樹脂(A)は、NMR法によるアイソタクチックペンタッド分率(mmmm%)が、特に限定されないが、85%以上が好ましく、90%以上がより好ましい。
なお、アイソタクチックペンタッド分率は、13C−NMRを使用して測定される分子鎖中のペンタッド単位でのアイソタクチック連鎖の存在割合を示しており、1−ブテンモノマー単位が5個連続してメソ結合した連鎖の中心にあるブテンモノマー単位の分率である。なお、このアイソタクチックペンタッド分率(mmmm%)は、例えば特開2007−186664公報に記載の方法で求めることができる。
樹脂(A)は、示差走査熱量計(DSC)により測定した融点(Tm)が、本発明の効果を得る限り特に限定されないが、100℃以上であることが好ましく、より好ましくは110℃以上、さらに好ましくは120℃以上であることが好ましい。樹脂(A)の融点が上記範囲にある場合、耐熱クリープ特性に優れる。
樹脂(A)は、従来公知の製法、たとえばチーグラー−ナッタ触媒あるいはメタロセン系触媒の存在下に、1−ブテンのみを重合、または1−ブテンと1−ブテン以外のα−オレフィンとを共重合させることにより調製することができる。樹脂(A)の製造例は、例えばWO02/02659に記載されている。
また、三井化学株式会社製、ビューロン等の市販のポリ−1−ブテンを用いることもできる。
〔4−メチル−1−ペンテン・α−オレフィン共重合体(B)〕
本発明で用いられる4−メチル−1−ペンテン・α−オレフィン共重合体(B)は、以下の要件(a)〜(d)を満たす。
要件(a);
共重合体(B)は、4−メチル−1−ペンテンから導かれる構成単位(i)と、α−オレフィン(ただし、4−メチル−1−ペンテンを除く)から導かれる構成単位(ii)との合計を100モル%として、該構成単位(i)を50〜90モル%と、該構成単位(ii)を50〜10モル%とからなる。
該共重合体(B)は、より緩和率が高く、強度に優れるパイプを得ることができる点で、該構成単位(i)が、好ましくは55〜90モル%、より好ましくは68〜90モル%、さらに好ましくは80モル%を超えて90モル%以下、さらにより好ましくは82〜87モル%であり、該構成単位(ii)が、好ましくは10〜45モル%、より好ましくは10〜32モル%、さらに好ましくは10モル%以上20モル%未満、さらにより好ましくは13〜18モル%からなる共重合体である(ただし、構成単位(i)と構成単位(ii)との合計は100モル%である)。
前記構成単位(i)の割合が50モル%より少ないと、室温領域での耐熱性および応力緩和性が低い場合があり、90モル%よりも過大であると材料の柔軟性が損なわれることがある。
また、前記構成単位(i)の割合が55モル%を超えると、好ましくは68モル%以上であると、共重合体(B)と樹脂(A)との相溶性が良好となり、応力緩和率が上がるため、好ましい。
さらに、前記構成単位(i)の割合が80モル%を超えると、好ましくは82モル%以上であると、得られる共重合体(B)は結晶性となる。そのため、該共重合体(B)を含む組成物(X1)の結晶化度が上昇し、樹脂(A)と同程度の強度を維持しながら、応力緩和率が上がるため、好ましい。また、該組成物(X1)は、非晶性の共重合体(B)を含み、同程度の強度(YS)を有する組成物(X2)と比較した場合、分子のすり抜けが起きやすくなって、応力緩和率が上がるため、好ましい。
前記構成単位(ii)を導くα−オレフィンとしては、たとえばエチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、1−ウンデセン、1−ドデセン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセン、1−オクタデセン、1−エイコセン等の炭素原子数2〜20、好ましくは炭素原子数2〜15、より好ましくは炭素原子数2〜10の直鎖状のα−オレフィン、3−メチル−1−ブテン、3−メチル−1−ペンテン、3−エチル−1−ペンテン、4,4−ジメチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ヘキセン、4,4−ジメチル−1−ヘキセン、4−エチル−1−ヘキセン、3−エチル−1−ヘキセンなどの炭素原子数5〜20、好ましくは炭素原子数5〜15の分岐状のα−オレフィンが挙げられる。これらの中でもエチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテンが好ましく、エチレン、プロピレンが特に好ましく、より緩和率が高く、強度に優れるパイプを得ることができる点で、プロピレンが最も好ましい。
ここで、本発明の一態様において4−メチル−1−ペンテン・α−オレフィン共重合体(B)は、構成単位(i)と第1の構成単位(ii)のみからなるものである。ただ、4−メチル−1−ペンテン・α−オレフィン共重合体(B)は、本発明の目的を損なわない程度の少量(たとえば、10モル%以下)であれば、構成単位(i)および第1の構成単位(ii)のほかに、第2の構成単位(ii)として、4−メチル−1−ペンテンおよび第1の構成単位(ii)を導くα-オレフィンのいずれでもない他のモノマーから導かれる構成単位をさらに含んでいてもよい。このような他の好ましい具体例としては、前記4−メチル−1−ペンテン・α−オレフィン共重合体(B)が4−メチル−1−ペンテン・プロピレン共重合体の場合であれば、エチレン、1−ブテン、1−ヘキセン、1−オクテン、5−ビニル−2−ノルボルネン、5−エチリデン−2−ノルボルネンなどが挙げられる。
要件(b);
共重合体(B)の、デカリン中135℃で測定した極限粘度[η]は、0.1〜5.0(dL/g)の範囲にある。なお、測定条件等の詳細は、後述する実施例の欄に記載のとおりである。
極限粘度[η]は、好ましくは0.5〜4.0(dL/g)、より好ましくは0.5〜3.5(dL/g)である。
後述するように重合中に水素を併用すると分子量を制御でき、低分子量体から高分子量体まで自在に得て極限粘度[η]を調整することが出来る。
極限粘度[η]が0.1dL/gよりも過小、または5.0dL/gよりも過大であると、成形性およびパイプにした際の強度が損なわれる場合がある。
要件(c);
共重合体(B)のGPC法により測定される重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との割合(分子量分布;Mw/Mn)は、通常、1.0〜3.5の範囲にある。なお、測定条件等の詳細は、後述する実施例の欄に記載のとおりである。
Mw/Mnは、好ましくは1.2〜3.0、さらに好ましくは1.5〜2.8である。Mw/Mnが3.5よりも過大であると、組成分布に由来する低分子量、低立体規則性ポリマーの影響が懸念されて、得られるパイプにべたつきが発生する場合がある。
ここで、本発明においては、後述する触媒を用いれば、上記要件(b)で示される極限粘度[η]の範囲内において、要件(c)を満たす前記共重合体(B)を得ることができる。なお、前記Mw/Mnおよび以下のMwの値は、後述する実施例において採用された方法で測定した場合の値である。
共重合体(B)のGPC法により測定される重量平均分子量(Mw)は、ポリスチレン換算で、好ましくは500〜10,000,000、より好ましくは1,000〜5,000,000、さらに好ましくは1,000〜2,500,000である。
要件(d);
共重合体(B)の密度(ASTM D 1505、水中置換法にて測定)は、870〜830kg/m3、好ましくは865〜830kg/m3、さらに好ましくは855〜830kg/m3である。なお、測定条件等の詳細は、後述する実施例の欄に記載のとおりである。
密度は、共重合体(B)のコモノマー組成比によって適宜変えることができる。密度が上記範囲内にある共重合体(B)は、軽量性の点で有利である。
共重合体(B)のメルトフローレート(MFR;ASTMD1238、230℃、2.16kg荷重)は、本発明の効果を得る限り特に限定されないが、通常0.1〜100g/10分、好ましくは1〜50g/10分、さらに好ましくは3〜20g/10分の範囲内にある。
共重合体(B)は、示差走査熱量計(DSC)により測定した融点(Tm)が、本発明の効果を得る限り特に限定されないが、180℃以下または認められないことが好ましく、より好ましくは140℃以下または認められない、さらに好ましくは140℃以下である。共重合体(B)の融点は、コモノマー種およびコモノマー組成によって任意に変えることができ、融点が上記範囲内にある場合は、柔軟性に優れる。
共重合体(B)は、13C−NMRにより測定した共重合モノマーの連鎖分布のランダム性を示すパラメータB値が、本発明の効果を得る限り特に限定されないが、0.9〜1.5であることが好ましく、より好ましくは0.9〜1.3、さらに好ましくは0.9〜1.2である。パラメータB値が上記範囲内であると、重合体中のモノマーの連鎖分布のランダム性が良好であり、重合体中の組成分布がなくなり、例えば、応力緩和性および強度に優れる。
(共重合体(B)の製造方法)
共重合体(B)は、公知の方法により、オレフィン重合用触媒の存在下、4−メチル−1−ペンテンと上述した特定のα−オレフィン、さらに必要に応じて前記重合性化合物を重合することにより得ることができる。
上述オレフィン重合用触媒のうち、4−メチル−1−ペンテン共重合体(B)を製造するに当たり、好ましい触媒の態様として、メタロセン触媒を挙げることができる。
好ましいメタロセン触媒としては、国際公開第01/53369号パンフレット、国際公開第01/27124号パンフレット、特開平3−193796号公報、特開平02−41303号公報中あるいは国際公開第06/025540号パンフレット中に記載のメタロセン触媒が挙げられる。
〔樹脂組成物〕
本発明の樹脂組成物は、前記ポリ−1−ブテン樹脂(A)を99〜1重量部、好ましくは99〜35重量部、より好ましくは99〜40重量部、さらに好ましくは90〜40重量部、さらにより好ましくは90重量部以下50重量部を超える、最も好ましくは90〜60重量部と、前記4−メチル−1−ペンテン・α−オレフィン共重合体(B)を1〜99重量部、好ましくは1〜65重量部、より好ましくは1〜60重量部、さらに好ましくは10〜60重量部、さらにより好ましくは10以上50重量部未満、最も好ましくは10〜40重量部(但し、(A)と(B)の合計を100重量部とする)を含有する。この範囲にあると、軽量であって、高強度、応力緩和性、柔軟性、耐傷付き性、耐摩耗性に優れる成形体を好適に得られる樹脂組成物が得られる。
組成物(X)は、以下の要件(Xa)を満たすことが好ましく、要件(Xa)〜(Xc)のいずれかを満たすことがより好ましく、要件(Xa)および(Xb)を満たすことがさらに好ましく、要件(Xa)〜(Xc)の全てを満たすことが最も好ましい。
・要件(Xa)
組成物(X)を用いて得られた試験片の応力緩和率が、通常0.3以上、好ましくは0.4以上である。なお、該試験片の調製方法および応力緩和率の算出方法は、実施例の項に記載の通りである。また、応力緩和率の最大値は1である。
・要件(Xb)
組成物(X)を用いて得られた試験片の強度が、10MPa以上、好ましくは10〜30MPa、より好ましくは12〜20MPaである。なお、該試験片の調製方法および強度の測定方法は、実施例の項に記載の通りである。
・要件(Xc)
組成物(X)を用いて得られた試験片(パイプ)の反力が、100N以下、好ましくは90N以下、より好ましくは80N以下である。なお、該試験片の調製方法および反力の測定方法は、実施例の項に記載の通りである。
(添加剤)
本発明の樹脂組成物には、本発明の目的を損なわない範囲で、耐候性安定剤、耐熱安定剤、帯電防止剤、スリップ防止剤、アンチブロッキング剤、防曇剤、核剤、滑剤、顔料、染料、可塑剤、老化防止剤、塩酸吸収剤、酸化防止剤、二次抗酸化剤等の添加剤が必要に応じて配合されていてもよい。配合量は特に限定されないが、通常、組成物(X)100重量部に対して、それぞれ0.1〜1重量部程度であることが好ましい。さらに必要に応じて、発泡剤、発泡助剤、加硫剤、加硫促進剤、加硫助剤、補強剤、充填剤、軟化剤、老化防止剤(安定剤)、加工助剤、活性剤、吸湿剤、架橋剤、共架橋剤、架橋助剤、粘着剤、難燃剤等などのその他の成分を配合することができる。
(樹脂組成物(X)の製造方法)
樹脂組成物(X)は、樹脂(A)、共重合体(B)、および必要により、上記各種添加物を、上記のような範囲で配合し、種々公知の方法、たとえば、多段重合法、プラストミル、ヘンシェルミキサー、V−ブレンダー、リボンブレンダー、タンブラブレンダー、ニーダールーダー等で混合する方法、あるいは混合後、一軸押出機、二軸押出機、ニーダー、バンバリーミキサー等で溶融混練後、造粒あるいは粉砕する方法を採用して製造することができる。
〔成形体〕
本発明の樹脂組成物は、従来公知のポリオレフィン用途に広く用いることができ、他の種々形状の成形体にして利用することができる。
成形体は、たとえば、押出成形、射出成形、インフレーション成形、ブロー成形、押出ブロー成形、射出ブロー成形、プレス成形、真空成形、カレンダー成形、発泡成形、パウダースラッシュ成形などの公知の熱成形方法により得られる。
樹脂組成物(X)は、軽量であって、応力緩和性および強度に優れた成形体を好適に得ることができる。
また、本発明の樹脂組成物を含んでなるパイプは、軽量であって、応力緩和性および強度に優れる。そのため、該パイプは、特に、給水・給湯用パイプに適している。
樹脂組成物(X)を含んでなるパイプ、特に給水・給湯用パイプは、その形状には特に制限はなく、断面形状が円形、多角形、その他いかなる形状であってもよい。また、このパイプは通常、内径が3〜1400mmであり、外径が5〜1600mmであり、肉厚が1〜100mmである。該パイプは、従来公知の押出成形法により得ることができる。
該パイプは、可撓性を有し、曲げ部を有することができる。パイプが曲げ部を有する場合、曲げ半径(最小屈曲半径)がパイプ外径に対して50倍以下の曲げ部を有していてもよい。パイプにおける曲げ部は、パイプを製造、保管、配管する際のいかなる公知の方法によって形成されてもよく、常温での生曲げでも、加熱による曲げ加工でもよい。パイプは、従来公知の配管工法で配管することができ、特に鞘管工法には高い適性がある。
パイプは、保護管または鞘管内に挿通されて二重配管構造を構成していてもよい。保護管または鞘管の材料には特に制限はなく、従来公知の保護管または鞘管を用いることができる。本発明に係る二重配管構造を形成するための配管工法には特に制限はなく、予め二重配管構造を形成してから配管してもよいし、鞘管工法によって現場で二重配管構造を形成してもよい。
本発明では、パイプをコイル状に巻いたコイル巻きパイプ(本発明において、パイプコイルとも称す)を好適に得ることができる。該パイプによれば、たとえ、コイル状に巻かれていても、応力が負荷されても、簡便に、施設に要求される形状、たとえば、直線状に戻すことできる。そのため、従来に比べ、施設作業を非常に効率的に行うことができる。また、該応力部分に起因するクラックを生じることもない。
以下、本発明を実施例により説明するが、本発明は、これら実施例により何ら限定されるものではない。
[測定条件等]
実施例における物性の測定条件等は、以下のとおりである。
(MFR)
樹脂(A)のMFRは、ASTM D 1238に準拠して、190℃で2.16kgの荷重にて測定した。
共重合体(B)のMFRは、ASTM D 1238に準拠して、230℃で2.16kgの荷重にて測定した。
(組成)
樹脂(A)および共重合体(B)中の4−メチル−1−ペンテンおよびα−オレフィン含量は、13C−NMRにより以下の装置および条件により測定した。日本電子(株)製ECP500型核磁気共鳴装置を用い、溶媒としてオルトジクロロベンゼン/重ベンゼン(80/20容量%)混合溶媒,試料濃度55mg/0.6mL、測定温度120℃、観測核は13C(125MHz)、シーケンスはシングルパルスプロトンデカップリング、パルス幅は4.7μ秒(45°パルス)、繰り返し時間は5.5秒、積算回数は1万回以上、27.50ppmをケミカルシフトの基準値として測定した。
(極限粘度)
極限粘度[η]は、デカリン溶媒を用いて135℃で測定した。
(分子量(Mw、Mn)、分子量分布(Mw/Mn))
樹脂(A)および共重合体(B)の分子量は、液体クロマトグラフ:Waters製ALC/GPC 150−C plus型(示唆屈折計検出器一体型)を用い、カラムとして東ソー株式会社製GMH6−HT×2本およびGMH6−HTL×2本を直列接続し、移動相媒体としてo−ジクロロベンゼンを用い、流速1.0ml/分、140℃で測定した。
得られたクロマトグラムを、公知の方法によって、標準ポリスチレンサンプルを使用した検量線を用いて解析することで、Mw/Mn値を算出した。1サンプル当たりの測定時間は60分であった。
(密度)
共重合体(B)の密度は、ASTM D 1505(水中置換法)に従って、ALFA MIRAGE社電子比重計MD−300Sを用い、水中と空気中で測定された各試料の重量から算出した。
(アイソタクティックペンダット分率(mmmm分率:〔%〕))
核磁気共鳴装置(NMR;日本電子(株)製GSX−400型)の試料管に、試料(ポリブテン系樹脂)50mgを入れ、溶媒ヘキサクロロブタジエン0.5mlを加え、30分間超音波処理し、110℃の加熱炉に入れ、試料を溶解させた。試料のほぼ全量が溶解した時点で、重水素化ベンゼン0.2mlを加え、さらに試料を均一に加熱溶解させた。均一溶解した時点で、試料管を溶封し、測定試料とした。該試料を、NMRを用い、下記の条件で測定した。
測定核:13C
観測周波数:100.4MHz
パルス間隔:4.5秒
パルス幅:45°
測定温度:115℃
アイソタクチック指数(II)は次の方法で計算した。1−ブテンの単独重合体の場合のII(ペンタッド)は、メチレン炭素の26.1〜28.2ppmの全面積(S1)に対する27.36〜28.2ppmの面積(S2)およびS2にmmmmピークの低磁場側の面積(S3)を加えた面積の大きさで表した。すなわち、1−ブテンの単独重合体のII(mmmm%)=(S2+S3)/S1×100%で算出される。1−ブテン/プロピレン共重合体の場合は、II(mmmm%)=S2/S1×100%で算出される。
(融点(Tm))
ポリマーの融点(Tm)は,セイコーインスツルメンツ社製DSC220C装置で示差走査熱量計(DSC)により測定した。重合から得られた試料7〜12mgをアルミニウムパン中に密封し、室温から10℃/分で200℃まで加熱した。その試料を、完全融解させるために200℃で5分間保持し、次いで10℃/分で−50℃まで冷却した。−50℃で5分間置いた後、その試料を10℃/分で200℃まで再度加熱した。この再度の(2度目の)加熱でのピーク温度を、融点(Tm)として採用した。
(ショアー硬度測定)
ショアー硬度(JIS K6253に準拠)の測定では、厚さ3mmのプレスシートを測定試料として用い、ショアーA硬度計またはショアーD硬度計の押針接触開始直後と押針接触開始から15秒後の目盛りを読み取った。
さらに下式で定義されるショアー硬度の値の変化ΔHSを求めた。
ΔHS=(押針接触開始直後のショアー硬度値 − 押針接触開始から15秒後のショアー硬度値)
ここで、ショアー硬度の測定は、原則としてショアーA硬度計を用いて行ったが、ショアーA硬度の測定が困難な測定試料に対しては、代わりにショアーD硬度計を用いて行った。
〔各種測定用プレスシートの作製法〕
実施例および比較例の樹脂組成物、樹脂(A)または共重合体(B)を、190℃に設定した油圧式熱プレス機を用い、10MPaの圧力でシート成形した。2mm厚のシート(スペーサー形状;200×200×2mm厚)の場合、余熱を5分し、10MPaで5分間加圧した後、20℃に設定した別の熱プレス機を用い、10MPaで圧縮し、5分冷却して測定用試料を作成した。上記方法により作製したサンプルを各種物性評価試料に供した。
(応力緩和率)
上記条件で作製したプレスシートからASTM IV号ダンベル試験片を打ち抜き、これをインストロン型万能試験機に装着した。次いで温度23℃で引張速度50mm/minでチャック間歪みが10%となるまでダンベルを引張り、歪みが10%となったところで変形させるのを止めてそのときの応力(Y0)を記録する。そのまま1時間静置し、1時間後の応力(Y1)を求める。応力緩和率は(Y0−Y1)/Y0により算出した。
(強度(YS):MPa)
上記条件で作製したプレスシートからASTM IV号ダンベル試験片を打ち抜き、これをインストロン型万能試験機に装着し、温度23℃で引張速度50mm/minで引張試験を行い、そのときの降伏点応力を求めた。
〔反力(N)の測定〕
実施例および比較例の樹脂組成物を用いて、押出機温度190℃、成形速度10m/min、冷却水温15℃の条件で外径17mm、肉厚2.1mmの直管パイプを作製し、長さ40cmのサンプルを用意した。次いでこの直管の一端を固定し、他端に荷重を測定することができる装置(例えばバネばかり)を取り付けた状態で、直線形状から半径102mmの円弧を形成するように1秒でパイプを曲げた。そのままの状態で60秒静置し、60秒後の荷重を記録し、これを反力とした。
〔合成例1〕
(共重合体(B1)の合成)
充分窒素置換した容量1.5リットルの攪拌翼付SUS製オートクレーブに、23℃でノルマルヘキサン300ml(乾燥窒素雰囲気、活性アルミナ上で乾燥したもの)、4−メチル−1−ペンテンを450ml装入した。このオートクレーブに、トリイソブチルアルミニウム(TIBAL)の1.0mmol/mlトルエン溶液を0.75ml装入し攪拌機を回した。
次に、オートクレーブを内温60℃まで加熱し、全圧が0.40MPa(ゲージ圧)となるようにプロピレンで加圧した。続いて、予め調製しておいた、メチルアルミノキサンをAl換算で1mmol、ジフェニルメチレン(1−エチル−3−t−ブチル−シクロペンタジエニル)(2,7−ジ−t−ブチル−フルオレニル)ジルコニウムジクロリドを0.01mmolを含むトルエン溶液0.34mlを窒素でオートクレーブに圧入し、重合を開始した。重合反応中、オートクレーブ内温が60℃になるように温度調整した。重合開始60分後、オートクレーブにメタノール5mlを窒素で圧入し重合を停止し、オートクレーブを大気圧まで脱圧した。反応溶液にアセトンを攪拌しながら注いだ。
得られた溶媒を含むパウダー状の重合体を100℃、減圧下で12時間乾燥した。得られたポリマーは36.9gで、ポリマー中の4−メチル−1−ペンテン含量は72mol%、プロピレン含量は28mol%であった。各種物性について測定した結果を表1に示す。
〔合成例2〕
(共重合体(B2)の合成)
充分窒素置換した容量1.5リットルの攪拌翼付SUS製オートクレーブに、23℃でノルマルヘキサン300ml(乾燥窒素雰囲気、活性アルミナ上で乾燥したもの)、4−メチル−1−ペンテンを450ml装入した。このオートクレーブに、トリイソブチルアルミニウム(TIBAL)の1.0mmol/mlトルエン溶液を0.75ml装入し攪拌機を回した。
次に、オートクレーブを内温60℃まで加熱し、全圧が0.19MPa(ゲージ圧)となるようにプロピレンで加圧した。続いて、予め調製しておいた、メチルアルミノキサンをAl換算で1mmol、ジフェニルメチレン(1−エチル−3−t−ブチル−シクロペンタジエニル)(2,7−ジ−t−ブチル−フルオレニル)ジルコニウムジクロリドを0.01mmolを含むトルエン溶液0.34mlを窒素でオートクレーブに圧入し、重合を開始した。重合反応中、オートクレーブ内温が60℃になるように温度調整した。重合開始60分後、オートクレーブにメタノール5mlを窒素で圧入し重合を停止し、オートクレーブを大気圧まで脱圧した。反応溶液にアセトンを攪拌しながら注いだ。
得られた溶媒を含むパウダー状の重合体を100℃、減圧下で12時間乾燥した。得られたポリマーは44.0gで、ポリマー中の4−メチル−1−ペンテン含量は85mol%、プロピレン含量は15mol%であった。各種物性について測定した結果を表1に示す。
〔合成例3〕
(固体チタン触媒成分の調製)
無水塩化マグネシウム6.0kg(63モル)、デカン26.6Lおよび2−エチルヘキシルアルコール29.2L(189モル)を140℃で4時間加熱反応させ、均一溶液とした。その後、溶液に2−イソプロピル−1,3−ジメトキシプロパン1.59kg(7.88モル)を添加し、110℃でさらに1時間攪拌混合した。
得られた均一溶液を室温まで冷却した後、−24℃に保持された四塩化チタン120L(1080モル)に、2.5時間にわたって前記の方法で得た溶液37.0kgを滴下した。その後、得られた溶液の温度を6時間かけて昇温し、110℃に到達した時に2−イソプロピル−2−イソブチル−1,3−ジメトキシプロパン0.68kg(3.37モル)を添加した。熱濾過にて固体を採取し、固体を132Lの四塩化チタンに入れ、再スラリー化した後、再びスラリーを110℃で2時間加熱し、反応させた。
その後再び反応混合物から熱濾過にて固体部を採取し、90℃のデカン及びヘキサンを用いて洗浄した。洗浄液中にチタン化合物が検出されなくなったら洗浄を止め、固体チタン触媒成分を得た。
固体チタン触媒成分のヘキサンスラリーの一部を採取して乾燥させ、乾燥物を分析した。固体チタン触媒成分の質量組成は、チタン3.0%、塩素57%、マグネシウム17%及び2−イソプロピル−2−イソブチル−1,3−ジメトキシプロパン18.0%であった。
(樹脂(A2)の合成)
内容積200Lの連続式重合器にヘキサンを毎時73L、1−ブテンを毎時16kg、プロピレンを毎時0.05kg、水素を毎時10NL、前記固体チタン触媒成分をチタン原子に換算して毎時0.38ミリモル、トリエチルアルミニウムを毎時38ミリモル及びシクロヘキシルメチルジメトキシシランを毎時1.3ミリモル供給しながら、1−ブテンとプロピレンの共重合を行い、4.8kgの共重合体を得た。共重合温度は60℃、平均滞留時間は0.8時間、全圧3×10-1MPa・Gであった。
得られた重合体に密度0.965g/cm3(ASTM D1505)、MFR13g/10min(ASTM D1238、2.16kg、190℃)の高密度ポリエチレンを1.0重量部加え、スクリュー径40mmの一軸押出機を用いてペレットを造粒した。得られた樹脂の物性を表1に示す。
〔合成例4〕
(樹脂(A3)の合成)
上記の1−ブテン/プロピレン共重合体の製造において、プロピレンを毎時0.15kgとした以外は上記と同じ条件で重合を繰り返し、共重合体を製造した。
得られた重合体に密度0.965g/cm3(ASTM D1505)、MFR13g/10min(ASTM D1238、2.16kg、190℃)の高密度ポリエチレンを1.0重量部加え、スクリュー径40mmの一軸押出機を用いてペレットを造粒した。得られた樹脂の物性を表1に示す。
〔合成例5〕
(樹脂(A4)の合成)
上記の1−ブテン/プロピレン共重合体の製造において、プロピレンを毎時0.26kgとした以外は上記と同じ条件で重合を繰り返し、共重合体を製造した。
得られた重合体に密度0.965g/cm3(ASTM D1505)、MFR13g/10min(ASTM D1238、2.16kg、190℃)の高密度ポリエチレンを1.0重量部加え、スクリュー径40mmの一軸押出機を用いてペレットを造粒した。得られた樹脂の物性を表1に示す。
〔合成例6〕
(樹脂(A1)の合成)
上記の1−ブテン/プロピレン共重合体の製造において、共重合成分としてプロピレンを用いずに、上記と同じ条件で重合を繰り返し、ポリ−1−ブテン重合体を製造した。
得られた重合体に密度0.965g/cm3(ASTM D1505)、MFR13g/10min(ASTM D1238、2.16kg、190℃)の高密度ポリエチレンを1.0重量部加え、スクリュー径40mmの一軸押出機を用いてペレットを造粒した。得られた樹脂の物性を表1に示す。
Figure 2015189872
〔実施例1〜3〕
200℃に設定した40mm一軸押出機を用いて、樹脂(A1)と共重合体(B1)をそれぞれ表2に示す割合で溶融混合してペレットを調製した。上記方法に従って、該ペレットから各種サンプルを調製して、降伏点応力、応力緩和率および反力を測定した。得られた結果を表2に示す。
〔実施例4〜7〕
200℃に設定した40mm一軸押出機を用いて、樹脂(A1)と共重合体(B2)をそれぞれ表2に示す割合で溶融混合してペレットを調製した。上記方法に従って、該ペレットから各種サンプルを調製して、降伏点応力、応力緩和率および反力を測定した。得られた結果を表2に示す。
〔実施例8〜9〕
200℃に設定した40mm一軸押出機を用いて、樹脂(A2)と共重合体(B1)をそれぞれ表2に示す割合で溶融混合してペレットを調製した。上記方法に従って、該ペレットから各種サンプルを調製して、降伏点応力、応力緩和率および反力を測定した。得られた結果を表2に示す。
〔実施例10〜11〕
200℃に設定した40mm一軸押出機を用いて、樹脂(A2)と共重合体(B2)をそれぞれ表2に示す割合で溶融混合してペレットを調製した。上記方法に従って、該ペレットから各種サンプルを調製して、降伏点応力、応力緩和率および反力を測定した。得られた結果を表2に示す。
〔実施例12〜13〕
200℃に設定した40mm一軸押出機を用いて、樹脂(A3)と共重合体(B1)をそれぞれ表2に示す割合で溶融混合してペレットを調製した。上記方法に従って、該ペレットから各種サンプルを調製して、降伏点応力、応力緩和率および反力を測定した。得られた結果を表2に示す。
〔実施例14〜15〕
200℃に設定した40mm一軸押出機を用いて、樹脂(A3)と共重合体(B2)をそれぞれ表2に示す割合で溶融混合してペレットを調製した。上記方法に従って、該ペレットから各種サンプルを調製して、降伏点応力、応力緩和率および反力を測定した。得られた結果を表2に示す。
〔実施例16〜17〕
200℃に設定した40mm一軸押出機を用いて、樹脂(A4)と共重合体(B1)をそれぞれ表2に示す割合で溶融混合してペレットを調製した。上記方法に従って、該ペレットから各種サンプルを調製して、降伏点応力、応力緩和率および反力を測定した。得られた結果を表2に示す。
〔実施例18〜19〕
200℃に設定した40mm一軸押出機を用いて、樹脂(A4)と共重合体(B2)をそれぞれ表2に示す割合で溶融混合してペレットを調製した。上記方法に従って、該ペレットから各種サンプルを調製して、降伏点応力、応力緩和率および反力を測定した。得られた結果を表2に示す。
〔比較例1〕
200℃に設定した40mm一軸押出機を用いて、樹脂(A1)を溶融混合してペレットを調製した。上記方法に従って、該ペレットから各種サンプルを調製して、降伏点応力、応力緩和率および反力を測定した。得られた結果を表2に示す。
〔比較例2〜4〕
樹脂(A1)を樹脂(A2)〜(A4)のいずれかに変更した以外は、比較例1と同様にして、ペレットを調製した。上記方法に従って、該ペレットから各種サンプルを調製して、降伏点応力、応力緩和率および反力を測定した。得られた結果を表2に示す。
〔比較例5〜6〕
樹脂(A1)を共重合体(B1)または(B2)に変更した以外は、比較例1と同様にして、ペレットを調製した。上記方法に従って、該ペレットから各種サンプルを調製して、降伏点応力および応力緩和率を測定した。得られた結果を表2に示す。
なお、比較例5および6では、弾性率が小さすぎるなどの理由からパイプを成形できず、反力は測定でなかった。
〔実施例20〕
200℃に設定した40mm一軸押出機を用いて、樹脂(A1)20重量部と共重合体(B2)80重量部を溶融混合してペレットを調製した。上記方法に従って、該ペレットから各種サンプルを調製して、降伏点応力、応力緩和率および反力を測定した。得られた結果を表2に示す。
Figure 2015189872
実施例および比較例に示す通り、本発明に係る樹脂(A)に共重合体(B)を特定量混合することで、得られる成形体の応力緩和率は大きくなることが分かる。
また、実施例および比較例から、本発明の樹脂組成物を含んでなる成形体は、好適な強度を有し、応力緩和性が大きく、反力が小さいことが分かる。
なお、上記比較例から明らかなように共重合体(B1)と(B2)とでは応力緩和率の差は0.03とほとんど差が無いが、これを樹脂(A)に同量添加したものの応力緩和率を比較してみると、応力緩和率の差は大きくなっている。これは、本発明の特徴の1つである。
本発明の樹脂組成物を含んでなるパイプは、軽量であって、応力緩和性および強度に優れる。該パイプによれば、たとえ、コイル状に巻かれて、応力が負荷されても、簡便に、施設に要求される形状、たとえば、直線状に戻すことできる。そのため、従来に比べ、施設作業を非常に効率的に行うことができる。また、該応力部分に起因するクラックを生じることもないため、該パイプは、工業的に有用である。

Claims (5)

  1. ポリ−1−ブテン樹脂(A)99〜1重量部と、
    下記要件(a)〜(d)を満たす4−メチル−1−ペンテン・α−オレフィン共重合体(B)1〜99重量部(ただし、樹脂(A)と共重合体(B)の合計は100重量部である)を含む、樹脂組成物。
    (a)4−メチル−1−ペンテンから導かれる構成単位(i)を50〜90モル%と、α−オレフィン(ただし、4−メチル−1−ペンテンを除く)から導かれる構成単位(ii)を50〜10モル%とからなる(ただし、構成単位(i)と構成単位(ii)との合計は100モル%である)、
    (b)デカリン中135℃で測定した極限粘度[η]が0.1〜5.0dL/gの範囲にある、
    (c)ゲルパーミエイションクロマトグラフィー(GPC)により測定される重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との割合(分子量分布;Mw/Mn)が1.0〜3.5の範囲にある、
    (d)密度が、870〜830kg/m3の範囲にある。
  2. 前記要件(a)において、
    該4−メチル−1−ペンテンから導かれる構成単位(i)が80モル%を超えて90モル%以下であり、該α−オレフィン(ただし、4−メチル−1−ペンテンを除く)から導かれる構成単位(ii)が10モル%以上20モル%未満である(ただし、構成単位(i)と構成単位(ii)との合計は100モル%である)
    ことを特徴とする請求項1に記載の樹脂組成物。
  3. 請求項1または2に記載の樹脂組成物を含んでなる、成形体。
  4. 請求項1または2に記載の樹脂組成物を含んでなる、パイプ。
  5. 請求項1または2に記載の樹脂組成物を含んでなるパイプをコイル状に巻いた、コイル巻きパイプ。
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