JP4267226B2 - ポリ1−ブテン樹脂組成物およびその用途 - Google Patents
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Description
【発明の技術分野】
本発明は、ポリ1-ブテン樹脂組成物およびその用途、たとえば給水・給湯用のパイプ等の流体輸送用のパイプおよびそのパイプ用継手に関する。
【0002】
【発明の技術的背景】
ポリ1-ブテン樹脂は、高温でのクリープ特性および耐ストレスクラッキング性に優れ、しかも、柔軟性があり、施工性が非常によいので、温水パイプたとえば給水給湯用パイプなどの流体輸送用パイプ、およびそのパイプ用継手に使用されている。このようなパイプの長期クリープ特性を満足させるためには、分子量がある程度高いポリ1-ブテン樹脂を使用する必要がある。ポリ1-ブテン樹脂の分子量が高くなるとメルトフローレートは低くなり、すなわち流動性が低下し、低速での押出成形では問題無いが、線速度が1m/分を超えるような成形速度では、表面にメルトフラクチャーが発生し、パイプの表面全体の平滑性が低下したり、部分的に表面状態の悪いパイプが得られる。特に内面の表面状態が不良の場合は、流動抵抗が大きくなり、流体の輸送に過大なエネルギーを要することになる。また、メルトフローレートの高いポリ1-ブテン樹脂を線速度が速い状態で押出すと、成形時にダイの出口に目ヤニが発生し、頻繁にダイスを掃除する必要があり、また、目ヤニがパイプに付着するという問題がある。
【0003】
さらに、ポリ1-ブテン樹脂からなるパイプは、耐傷付き性が必ずしも十分でなく、また、その表面にざらつきがあったりしてパイプを束ね難いという問題がある。
したがって、押出成形時の目ヤニ発生を抑制することができ、しかも、耐傷付き性に優れるとともに、束ね易いパイプを調製することができるポリ1-ブテン樹脂組成物、およびそのパイプならびに耐傷付き性に優れるパイプ用継手の出現が望まれている。
【0004】
【発明の目的】
本発明は、上記のような従来技術に伴う問題を解決しようとするものであって、押出成形時の目ヤニ発生を抑制することができ、しかも、耐傷付き性に優れるとともに、束ね易いパイプを調製することができるポリ1-ブテン樹脂組成物、およびそのパイプならびに耐傷付き性に優れるパイプ用継手を提供することを目的としている。
【0005】
【発明の概要】
本発明に係るポリ1-ブテン樹脂組成物は、
静摩擦係数が4.3以下および/または動摩擦係数が2.3以下であることを特徴としている。
具体的には、本発明に係るポリ1-ブテン樹脂組成物は、
1-ブテン80〜100モル%および炭素原子数2〜10の1-ブテン以外のα- オレフィン0〜20モル%を(共)重合して得られ、メルトフローレート(MFR;ASTM D 1238,190℃、2.16kg荷重)が0.01〜50g/10分であるポリ1-ブテン樹脂(A)97〜99.999重量%と、
フッ素系エラストマー(B)0.001〜3重量%および/またはフッ素系樹脂(C)0.001〜3重量%とを含有してなることを特徴としている。
【0006】
前記ポリ1-ブテン樹脂(A)のメルトフローレート(MFR;ASTM D 1238,190℃、2.16kg荷重)は、0.05〜30g/10分であり、NMRにより測定されるアイソタクチック指数(mmmm%)が90以上であることが好ましい。このポリ1-ブテン樹脂(A)は、1種類のポリ1-ブテン樹脂からなる場合と、2種類以上のポリ1-ブテン樹脂の混合物たとえば1-ブテン・プロピレン共重合体と1-ブテン単独重合体との混合物からなる場合とがある。
【0007】
前記ポリ1-ブテン樹脂(A)としては、
メルトフローレート(MFR;ASTM D 1238,190℃、2.16kg荷重)が0.01〜5g/10分であり、GPC法により求められる分子量分布(Mw/Mn)が6以下であり、かつ、NMRにより測定されるアイソタクチック指数(mmmm%)が90以上であるポリ1-ブテン樹脂(a1)60〜95重量%、および
メルトフローレート(MFR;ASTM D 1238,190℃、2.16kg荷重)が該ポリ1-ブテン樹脂(a1)のMFR値の20倍以上であり、GPC法により求められる分子量分布(Mw/Mn)が6以下であり、かつ、NMRにより測定されるアイソタクチック指数(mmmm%)が90以上であるポリ1-ブテン樹脂(a2)5〜40重量%からなるポリ1-ブテン樹脂(a)、または
1-ブテン80〜100モル%および炭素原子数2〜10の1-ブテン以外のα- オレフィン0〜20モル%を(共)重合して得られ、NMRにより測定されるアイソタクチック指数(mmmm%)が90以上であり、GPC法により求められる分子量分布(Mw/Mn)が3以上であり、かつ、チタン金属によって表わされる触媒残存量が50ppm以下であるポリ1-ブテン樹脂(b)が好ましい。
【0008】
上記の、本発明に係るポリ1-ブテン樹脂組成物は、パイプおよびパイプ用継手の用途に好適である。
本発明に係るパイプおよびパイプ用継手は、上記の、本発明に係るポリ1-ブテン樹脂組成物からなることを特徴としている。
【0009】
【発明の具体的説明】
以下、本発明に係るポリ1-ブテン樹脂組成物およびその組成物からなるパイプ、パイプ用継手について具体的に説明する。
本発明に係るポリ1-ブテン樹脂組成物は、ポリ1-ブテン樹脂(A)と、フッ素系エラストマー(B)および/またはフッ素系樹脂(C)とを含有している。まず、これらの成分について説明する。
【0010】
ポリ 1- ブテン樹脂(A)
本発明で用いられるポリ1-ブテン樹脂(A)は、1-ブテン80〜100モル%と炭素原子数2〜10の1-ブテン以外のα- オレフィンとを(共)重合して得られる、1-ブテンの単独重合体または1-ブテン・α- オレフィン共重合体である。
炭素原子数2〜10の1-ブテン以外のα- オレフィンとしては、具体的には、エチレン、プロピレン、1-ペンテン、4-メチル-1- ペンテン、1-ヘキセン、1-ヘプテン、1-オクテン、1-ノネン、1-デセンなどが挙げられる。これらのα- オレフィンは、1種単独で、あるいは2種以上組み合わせて用いられる。
【0011】
1-ブテン・α- オレフィン共重合体における1-ブテン以外のα- オレフィンから導かれる構成単位の含有量は、20モル%以下、好ましくは10モル%以下であり、1-ブテンから導かれる構成単位の含有量は、80モル%以上、好ましくは90モル%以上である。
1-ブテン・α- オレフィン共重合体の上記組成は、通常10mmφの試料管中で約200mgの1-ブテン・α- オレフィン共重合体を1mlのヘキサクロロブタジエンに均一に溶解させた試料の13C−NMRスペクトルを、測定温度120℃、測定周波数25.05MHz、スペクトル幅1500Hz、パルス繰返し時間4.2sec.、パルス幅6μsec.の条件下で測定して決定される。
【0012】
本発明で用いられるポリ1-ブテン樹脂(A)のメルトフローレート(MFR;ASTM D 1238,190℃、2.16kg荷重)は、0.01〜50g/10分、好ましくは0.05〜30g/10分、さらに好ましくは0.1〜30g/10分、特に好ましくは0.2〜10g/10分である。上記範囲内のメルトフローレートを有するポリ1-ブテン樹脂(A)は、可撓性があり、しかも、耐クリープ性、耐衝撃性、耐摩耗性、耐薬品性および耐ストレスクラッキング性等に優れている。
【0013】
上記のようなポリ1-ブテン樹脂(A)は、従来公知の製法、たとえばチーグラー−ナッタ触媒あるいはメタロセン系触媒の存在下に、1-ブテンのみを重合、または1-ブテンとエチレン、プロピレン等の1-ブテン以外のα- オレフィンとを共重合させることにより調製することができる。
また、本発明においては、ポリ1-ブテン樹脂(A)の製造に、チタン触媒たとえば下記の固体チタン触媒成分(a)、さらには有機アルミニウム化合物触媒成分(b)、有機ケイ素化合物触媒成分(c)を含んでなるチタン触媒を使用することができる。
【0014】
本発明において、固体チタン触媒成分(a)は、マグネシウム化合物(もしくは金属マグネシウム)およびチタン化合物、そして好ましくは電子供与体を接触させることにより製造することができる。固体チタン触媒成分(a)を製造するには、マグネシウム化合物、チタン化合物、電子供与体から高活性チタン触媒成分を調製する公知の方法を採用することができる。なお上記の成分は、たとえばケイ素、リン、アルミニウムなどの他の反応試剤の存在下に接触させてもよい。
【0015】
これらの固体チタン触媒成分(a)の製造方法を数例挙げて以下に簡単に述べる。
(1)マグネシウム化合物、あるいはマグネシウム化合物および電子供与体からなる錯化合物とチタン化合物とを液相によって反応させる方法。
この反応は、粉砕助剤などの存在下に行なってもよい。また、上記のように反応させる際に、固体状の化合物については、粉砕してもよい。
(2)還元性を有しない液状のマグネシウム化合物と、液状チタン化合物とを、電子供与体の存在下で反応させて固体状のチタン複合剤を析出させる方法。
【0016】
この方法は、たとえば特開昭58−83006号公報に記載されている。
(3)(2)で得られた反応生成物に、チタン化合物をさらに反応させる方法。
(4)(1)あるいは(2)で得られる反応生成物に、電子供与体およびチタン化合物をさらに反応させる方法。
(5)マグネシウム化合物あるいはマグネシウム化合物と電子供与体とからなる錯化合物を、チタン化合物の存在下に粉砕して得られた固体状物を、ハロゲン、ハロゲン化合物および芳香族炭化水素のいずれかで処理する方法。
【0017】
なお、この方法においては、マグネシウム化合物あるいはマグネシウム化合物と電子供与体とからなる錯化合物を、粉砕助剤などの存在下に粉砕してもよい。また、マグネシウム化合物あるいはマグネシウム化合物と電子供与体とからなる錯化合物を、チタン化合物の存在下に粉砕した後に、反応助剤で予備処理し、次いで、ハロゲンなどで処理してもよい。なお、反応助剤としては、有機アルミニウム化合物あるいはハロゲン含有ケイ素化合物などが挙げられる。
(6)前記(1)〜(4)で得られる化合物を、ハロゲンまたはハロゲン化合物または芳香族炭化水素で処理する方法。
(7)金属酸化合物、ジヒドロカルビルマグネシウムおよびハロゲン含有アルコールとの接触反応物を、電子供与体およびチタン化合物と接触させる方法。
(8)有機酸のマグネシウム塩、アルコキシマグネシウム、アリーロキシマグネシウムなどのマグネシウム化合物を、電子供与体、チタン化合物および/またはハロゲン含有炭化水素と反応させる方法。
(9)シロキサン0.1〜40重量%を含む有機液体媒体および/または界面活性剤を含む有機液体媒体中に、ハロゲン化マグネシウムと活性水素化合物との錯体粒子を溶融状態で含有する懸濁液から、錯体粒子を固化させることにより得られる固体担体に、チタン化合物を担持させる方法。
【0018】
この担体は、たとえば特公昭60−37804号公報および特公昭60−37805号公報に記載されている。
上記(1)〜(9)の方法により得られた固体チタン触媒成分(a)では、通常、(b)有機アルミニウム化合物触媒成分が同時に使用される。また、必要に応じ、(c)SiR1R2 m(OR3)3-m [式中、mは0≦m<3でああり、R1はシクロペンチル基、シクロペンテニル基、シクロペンタジエニル基またはこれらの誘導基であり、R2とR3はそれぞれ炭化水素基である]で示される有機ケイ素化合物触媒成分を同時に使用してもよい。
【0019】
本発明で好ましく用いられるポリ1-ブテン樹脂(A)としては、メルトフローレート(MFR;ASTM D 1238,190℃、2.16kg荷重)が0.01〜5g/10分であり、分子量分布(Mw/Mn)が6以下であり、かつ、NMR法により測定されるアイソタクチック指数(mmmm%)が90以上であるポリ1-ブテン樹脂(a1)60〜95重量%、およびメルトフローレート(MFR;ASTM D 1238,190℃、2.16kg荷重)が該ポリ1-ブテン樹脂(a1)のMFR値の20倍以上であり、分子量分布(Mw/Mn)が6以下であり、かつ、アイソタクチック指数(mmmm%)が90以上であるポリ1-ブテン樹脂(a2)5〜40重量%からなるポリ1-ブテン樹脂(a)が挙げられる。
【0020】
上記ポリ1-ブテン樹脂(a1)は、1-ブテンから導かれる構成単位含有量が80〜100モル%である、1-ブテン単独重合体または1-ブテンと炭素原子数2〜10の1-ブテン以外のα- オレフィンとの1-ブテン・α- オレフィン共重合体であって、そのメルトフローレート(MFR;ASTM D 1238,190℃、2.16kg荷重)は、得られるポリ1-ブテン樹脂(a)組成物の押出成形性が良好である点で、0.01〜5g/10分、好ましくは0.1〜2g/10分 である。
【0021】
また、このポリ1-ブテン樹脂(a1)は、分子量分布を表わす重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)が6以下であり、得られるポリ1-ブテン樹脂(a)組成物の耐衝撃性に優れる点で、5以下であることが好ましい。このMwとMnとの比(Mw/Mn)は、下記の方法によって測定される。
【0022】
(i)分子量既知の標準ポリスチレン(単分散ポリスチレン、東ソー(株)製)を用い、異なる分子量のポリスチレンを下記の測定条件で、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)分析に供し、分子量MとEV値(Elution Volume:溶出体積)の較正曲線を作成する。
<測定条件>
装 置:Water社製、ALC/GPC150−C型
カラム:東ソー(株)製、
TSKgelGMHHR-H(S)HT×2+TSKgelGMH6-HTL×1(それぞれ7.8mmφ×300mm、7.5mmφ×600mm)
温 度:140℃
流 速:1ml/分
(ii)試料の調製
分子量を測定するポリマー試料と溶媒o−ジクロロベンゼンとをフラスコに入れ、ポリマー30mgに対して溶媒20mlの割合の溶液を調製する。
【0023】
得られたポリマー溶液に、安定剤として2,6-ジ-t- ブチルクレゾールを0.1重量%の濃度になるように加える。この溶液を145℃で1時間撹拌して、ポリマーおよび安定剤を完全に溶解させる。次に、145℃の温度で0.45μmのフィルターで溶液を濾過する。得られた濾過液を、上記の(i)と同じ測定条件でGPC分析に供し、得られたEV値から、前記(i)で作成しておいた較正曲線により、数平均分子量(Mn=ΣMi2 Ni/ΣNi)および重量平均分子量(Mw=ΣMi2 Ni/ΣMiNi)を求め、Mw/Mnを計算する。
【0024】
また、ポリ1-ブテン樹脂(a1)のNMR法により測定されるアイソタクチック指数(mmmm%)は90以上であり、好ましくは得られるポリ1-ブテン樹脂(a)組成物の剛性、耐熱性および耐クリープ性が優れる点で、93以上、特に93〜98であることが望ましい。
上記ポリ1-ブテン樹脂(a2)は、ポリ1-ブテン樹脂(a1)と同様に、1-ブテン単独重合体または1-ブテンと炭素原子数2〜10の1-ブテン以外のα- オレフィンとの1-ブテン・α- オレフィン共重合体である。
【0025】
このポリ1-ブテン樹脂(a2)のメルトフローレート(MFR;ASTM D 1238,190℃、2.16kg荷重)は、得られるポリ1-ブテン樹脂(a)組成物の押出成形性が良好である点で、前記ポリ1-ブテン樹脂(a1)のメルトフローレート値の20倍以上、好ましくは50〜1,000倍である。
また、このポリ1-ブテン樹脂(a2)は、GPC法により求められる分子量分布(Mw/Mn)が6以下、得られるポリ1-ブテン樹脂(a)組成物の耐衝撃性に優れる点で、5以下であることが好ましい。
【0026】
さらに、ポリ1-ブテン樹脂(a2)のNMR法により測定されるアイソタクチック指数(mmmm%)値は、90以上であり、得られるポリ1-ブテン樹脂(a)組成物の剛性、耐熱性および耐クリープ性に優れる点で、93以上、特に93〜98であることが好ましい。
このようなポリ1-ブテン樹脂(a1)およびポリ1-ブテン樹脂(a2)からなるポリ1-ブテン樹脂(A)を含有するポリ1-ブテン樹脂組成物において、得られるポリ1-ブテン樹脂(a)組成物の溶融パリソンのメルトテンションが高くなるため成形加工性が良好となり、高速でパイプに成形することが可能となる。また、良好な耐衝撃性に優れる成形品が得られる点で、ポリ1-ブテン樹脂(a1)とポリ1-ブテン樹脂(a2)との配合割合は、重量比[(a1)/(a2)]で60/40〜95/5、好ましくは90/10〜70/30である。
【0027】
このポリ1-ブテン樹脂(a1)およびポリ1-ブテン樹脂(a2)からなるポリ1-ブテン樹脂(a)の製造例は、特開平5−9352号公報に記載されている。また、本発明で好ましく用いられる他のポリ1-ブテン樹脂(A)として、1-ブテン80〜100モル%および炭素原子数2〜10の1-ブテン以外のα- オレフィン0〜20モル%を(共)重合して得られ、NMR法により測定されるアイソタクチック指数(mmmm%)が90以上であり、GPC法により求められる分子量分布(Mw/Mn)が3以上であり、かつ、チタン金属によって表わされる触媒残存量が50ppm以下であるポリ1-ブテン樹脂(b)が挙げられる。
【0028】
このようなポリ1-ブテン樹脂(b)およびその製造方法については、WO99/45043号公報に記載されている。
ポリ1-ブテン樹脂(A)は、ポリ1-ブテン樹脂(A)およびフッ素系エラストマー(B)の合計量100重量%に対して、97〜99.999重量%、好ましくは98〜99.999重量%、さらに好ましくは99〜99.999重量%の割合で用いられる。
【0029】
フッ素系エラストマー(B)
本発明で用いられるフッ素系エラストマー(B)は、分子中にフッ素原子を含み、−18℃から66℃までのいずれかの温度において、少なくともその長さの2倍まで伸長した後、速やかに原長まで弾性回復することのできる合成エラストマーである。
【0030】
本発明で用いられるフッ素系エラストマー(B)は、たとえばフッ素系モノマーの共重合体、またはビニリデンフロライドとヘキサフルオロプロピレンとの二元共重合体、さらにはこの二元共重合体にポリエチレングリコールを配合したものでもよい。なお、この場合のポリエチレングリコールの配合割合は、この二元共重合体に対して70重量%以下の量で配合するのがよい。さらに、この二元共重合体と4フッ化エチレンとの三元共重合体、テトラフルオロエチレンとプロピレンとの共重合体、3フッ化塩化エチレンとフッ化ビニリデンとの共重合体、フッ化ビニリデンと6フッ化プロピレンとの共重合体などもフッ素系エラストマー(B)として用いることができる。中でも、ビニリデンフロライドとヘキサフルオロプロピレンとの二元共重合体が好ましい。
【0031】
フッ素系エラストマー(B)は、ポリ1-ブテン樹脂(A)およびフッ素系エラストマー(B)の合計量100重量%に対して、0.001〜3重量%、好ましくは0.001〜2重量%、さらに好ましくは0.001〜1重量%の割合で用いられる。本発明において、フッ素系エラストマー(B)を上記割合で用いると、得られるポリ1-ブテン樹脂組成物は、平滑性と耐傷付き性の改良効果および押出成形時の目ヤニ発生の抑制効果が十分であり、また、経済的に有利である。しかも、この組成物から得られるパイプは、束ね易い。
【0032】
本発明においては、フッ素系エラストマー(B)は、フッ素系樹脂(C)と併用することができる。
フッ素系樹脂(C)
本発明で用いられるフッ素系樹脂(C)としては、たとえば4フッ化エチレン樹脂、3フッ化塩化エチレン樹脂、4フッ化エチレン・6フッ化プロピレン樹脂(フッ化エチレン・プロピレン)、フッ化ビニリデン樹脂などが挙げられる。
【0033】
フッ素系樹脂(C)は、ポリ1-ブテン樹脂(A)およびフッ素系樹脂(C)の合計量100重量%に対して、0.001〜3重量%、好ましくは0.001〜2重量%、さらに好ましくは0.001〜1重量%の割合で用いられる。本発明において、フッ素系エラストマー(B)を上記割合で用いると、得られるポリ1-ブテン樹脂組成物は、平滑性と耐傷付き性の改良効果および押出成形時の目ヤニ発生の抑制効果が十分であり、また、経済的に有利である。しかも、この組成物から得られるパイプは、束ね易い。
【0034】
本発明においては、フッ素系樹脂(C)は、上述したフッ素系エラストマー(B)を併用することができる。
ポリ 1- ブテン樹脂組成物の調製
本発明に係るポリ1-ブテン樹脂組成物は、たとえば、ポリ1-ブテン樹脂(A)とフッ素系エラストマー(B)および/またはフッ素系樹脂(C)を上記の特定の割合で溶融混練することにより調製することができる。
【0035】
上記混練は、たとえば一軸押出機、二軸押出機、二軸混練機、バンバリーミキサーなどの混練装置を用いて行なうことができる。
また、ポリ1-ブテン樹脂(A)とフッ素系エラストマー(B)および/またはフッ素系樹脂(C)とからなるマスターバッチと、ポリ1-ブテン樹脂(A)とを溶融混練することにより、本発明に係るポリ1-ブテン樹脂組成物を調製することもできる。本発明では、このようなマスターバッチを用いて本発明に係るポリ1-ブテン樹脂組成物を調製する方法の方が、合理化によるコストダウンの観点から好ましい。
【0036】
本発明においては、ポリ1-ブテン樹脂組成物中に、任意に核剤、耐熱安定剤、耐候安定剤、帯電防止剤、防かび剤、発錆防止剤、滑剤、充填剤、顔料などの添加剤を、本発明の目的を損なわない範囲で配合することができる。
上記核剤としては、たとえばポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ナイロン(ポリアミド)、ポリカプロラクトン、タルク、酸化チタン、1,8-ナフタルイミド、フタルイミド、アリザリン、キニザリン、1,5-ジヒドロキシ-9,10-アントラキノン、キナリザリン、2-アントラキノンスルホン酸ナトリウム、2-メチル-9,10-アントロキノン、アントロン、9-メチルアントラセン、アントラセン、9,10- ジヒドロアントラセン、1,4-ナフトキノン、1,1-ジナフチル、ステアリン酸、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸カリウム、酸化亜鉛、ハイドロキノン、アントラニル酸、エチレンビスステアリルアミド、ソルビトール誘導体、さらには特開平8−48838号公報に記載のポリカルボン酸系アミド化合物、ポリアミン系アミド化合物およびポリアミノ酸系アミド化合物、特公平5−58019号公報に記載のビニルシクロアルカン重合体などが挙げられる。
【0037】
これらの核剤は、ポリ1-ブテン樹脂(A)とフッ素系エラストマー(B)および/またはフッ素系樹脂(C)との合計量100重量部に対して、通常、0.001〜5重量部、好ましくは0.01〜3重量部の割合で用いられる。本発明において、核剤を上記のような割合で用いると、パイプ成形時に押し出された溶融樹脂の固化速度が速くなるため、より安定した高速成形性が得られ、しかも、この溶融樹脂が固化した後もポリ1-ブテン樹脂に特有の結晶転移の速度を促進し、さらに剛性が向上する。
【0038】
パイプ
本発明に係るパイプは、上述した、本発明に係るポリ1-ブテン樹脂組成物からなり、その形状には特に制限はなく、断面形状が円形、多角形その他いかなる形状であってもよい。
また、パイプのサイズは用途により異なるが、たとえば水道配水管として用いられるパイプは通常、内径が3〜1400mmであり、外径が5〜1600mmであり、肉厚が1〜100mmである。
【0039】
本発明に係るパイプは、従来公知の押出成形法により調製することができる。
パイプ用継手
本発明に係るパイプ用継手は、上述した、本発明に係るポリ1-ブテン樹脂組成物からなり、その形状には特に制限はない。
このパイプ用継手は、上記のような、本発明に係るパイプ同士を繋ぐために用いられる。
【0040】
本発明に係るパイプ用継手は、従来公知の射出成形法により調製することができる。
【0041】
【発明の効果】
本発明によれば、押出成形時の目ヤニ発生を抑制することができ、しかも、耐傷付き性に優れるとともに、束ね易いパイプを調製することができるポリ1-ブテン樹脂組成物、およびそのパイプ、ならびに耐傷付き性に優れ、束ね易いパイプ用継手を提供することができる。
【0042】
本発明に係るパイプは、給水・給湯パイプなどの流体輸送パイプに好適であり、本発明に係るパイプ用継手は、これらの流体輸送パイプの継手として好適である。
【0043】
【実施例】
以下、本発明を実施例により説明するが、本発明は、これら実施例により何ら限定されるものではない。
【0044】
【製造例1】
[固体チタン触媒成分(1)の調製]
無水塩化マグネシウム6.0kg(63モル)、デカン26.6リットルおよび2-エチルヘキシルアルコール29.2リットル(189モル)を、140℃で4時間加熱反応させ、均一溶液とした。その後、この溶液に2-エチルイソプロピル-2- イソブチル-1,3- ジメトキシプロパン1.59kg(7.88モル)を添加し、110℃でさらに1時間撹拌混合し、均一溶液とした。
【0045】
得られた均一溶液を室温まで冷却した後、その均一溶液37.0kgを、−24℃に保持された四塩化チタン120リットル(1080モル)に2.5時間にわたって滴下した。その後、得られた溶液の温度を6時間かけて昇温し、110℃に達した時に2-イソプロピル-2- イソブチル-1,3- ジメトキシプロパン0.68kg(3.37モル)添加した。
【0046】
さらに溶液を110℃で2時間撹拌し、反応させた。その後、反応混合物から熱濾過にて固体を採取し、固体を132リットルの四塩化チタンを入れ、再スラリー化した後、再びスラリーを110℃で2時間、加熱し、反応させた。
その後、再び反応混合物から熱濾過にて固体部を採取し、90℃のデカンおよびヘキサンを用いて洗浄した。洗浄液中にチタン化合物が検出されなくなったら、洗浄を止め、固体チタン触媒成分(1)を得た。
【0047】
この固体チタン触媒成分(1)のヘキサンスラリーの一部を採取して乾燥させ、乾燥物を分析した。固体チタン触媒成分(1)の質量組成は、チタン3.0%、塩素57%、マグネシウム17%および2-イソプロピル-2- イソブチル-1,3- ジメトキシプロパン18.0%であった。
[ポリ1-ブテン樹脂(b−1)の調製]
内容積200リットルの連続式重合器に、ヘキサンを毎時73リットル、1-ブテンを毎時16kg、プロピレンを毎時0.07kg、水素を毎時10Nリットル、前記固体チタン触媒成分(1)をチタン原子に換算して毎時0.38ミリモル、トリエチルアルミニウム(TEA)を毎時19ミリモルおよびシクロヘキシルメチルジメトキシシランを毎時0.95ミリモル供給しながら、1-ブテンとプロピレンとの共重合を行ない、毎時4.8kgのポリ1-ブテン樹脂(b−1)を得た。共重合温度は60℃、滞留時間は1時間、全圧3.5kg/cm2であった。
【0048】
得られたポリ1-ブテン樹脂(b−1)の物性を第1表に示す。なお、極限粘度[η]は、135℃デカリン中で測定した。
【0049】
【製造例2】
[固体チタン触媒成分(2)の調製]
無水塩化マグネシウム4.28kg(45モル)、デカン26.6リットルおよび2-エチルヘキシルアルコール21.1リットル(135モル)を140℃で5時間加熱反応させ、均一溶液とした。この溶液に、無水フタル酸1kg(6.78モル)を添加し、さらに130℃で1時間撹拌混合し、無水フタル酸を溶解させて均一溶液とした。
【0050】
このようにして得られた均一溶液を室温まで冷却した後、−20℃に保持された四塩化チタン120リットル(1080モル)中に2時間にわたって滴下した。得られた溶液の温度を4時間かけて昇温し、110℃に達したときに、ジイソブチルフタレート3.02リットル(11.3モル)を添加した。
さらに、この溶液を110℃で2時間撹拌し、反応させた。その後、反応混合物から熱濾過により固体を採取し、固体を165リットルの四塩化チタンに入れた。このようにして得られたスラリーを110℃で2時間、加熱反応させた。その後、再び反応混合物から熱濾過により固体を採取し、110℃のデカンおよびヘキサンを用いて洗浄した。洗浄液中にチタンが検出されなくなった時点で洗浄を止め、固体チタン触媒成分(2)を得た。
【0051】
固体チタン触媒成分(2)のヘキサンスラリーの一部を採取して乾燥させ、乾燥物を分析した。固体チタン触媒成分(2)の組成は、チタン2.5重量%、塩素58重量%、マグネシウム18重量%およびジイソブチルフタレート13.8重量%であった。
[ポリ1-ブテン樹脂(b−2)の調製]
有機ケイ素化合物触媒成分としてシクロヘキシルメチルジメトキシシランの代わりにジシクロペンチルジメトキシシランを使用して、第1表に示す重合条件で製造例1の共重合を繰り返し、1-ブテン・プロピレン共重合体(ポリ1-ブテン樹脂(b−2))を調製した。
【0052】
得られたポリ1-ブテン樹脂(b−2)の物性を第1表に示す。
【0053】
【製造例3】
[ポリ1-ブテン樹脂(b−3)の調製]
製造例2のポリ1-ブテン樹脂(b−2)の調製において、共重合成分としてプロピレンを用いずに、有機金属化合物触媒成分として、トリエチルアルミニウム(TEA)の代わりにトリイソブチルアルミニウム(TIBA)を用い、ジシクロペンチルジメトキシシランの代わりにシクロヘキシルメチルジメトキシシランを使用して、第1表に示す重合条件で製造例2の重合を繰り返し、ポリ1-ブテン樹脂(b−3)を調製した。
【0054】
得られたポリ1-ブテン樹脂(b−3)の物性を第1表に示す。
【0055】
【製造例4】
[ポリ1-ブテン樹脂(b−4)の調製]
製造例3のポリ1-ブテン樹脂(b−3)の調製において、水素の供給量を反応器の気相部における水素/1-ブテンのモル比が0.5となるように調整し、第1表に示す重合条件で製造例3の重合を繰り返し、ポリ1-ブテン樹脂(b−4)を調製した。
【0056】
得られたポリ1-ブテン樹脂(b−4)の物性を第1表に示す。
【0057】
【表1】
【0058】
【実施例1】
製造例1で得られたポリ1-ブテン樹脂(b−1)79.8重量部、製造例4で得られたポリ1-ブテン樹脂(b−4)19.9重量部、フッ素系樹脂としてダイニオン社製のダイナマーFX−5911X(商品名)0.3重量部、および核剤として高密度ポリエチレン[HDPE;密度(ASTM D 1505)=0.965g/cm3、MFR(ASTM D 1238,荷重2.16kg、190℃)=13g/10分]0.2重量部を40mmφ一軸押出機によりメルトブレンドし、ペレット状のポリ1-ブテン樹脂組成物を得た。
【0059】
次いで、このポリ1-ブテン樹脂組成物から、パイプ成形機にて、設定温度180℃、冷却水温度11℃、成形速度10m/分の条件で、外径17mm、肉厚2mmのパイプを押出成形した。
このパイプを10mの長さに調整し、一端を保持したままコンクリート製床上をゆっくりとしたペース(80m/分)で歩きながら30秒間引き回した後、パイプ表面の傷付き状態(傷の数、深さ)を目視にて判定した。
【0060】
また、上記と同様にして作製したパイプを1mの長さに調整し、このパイプを20本束ねて人が結束するのに要する時間を5回測定し、その平均時間をパイプの束ね易さの目安とした。この平均時間が短いほど、パイプを束ね易い。
これらの結果を第2表に示す。
なお、ポリ1-ブテン樹脂(b−1)79.8重量部とポリ1-ブテン樹脂(b−4)19.9重量部との混合物のメルトフローレート(MFR;ASTM D 1238,190℃、2.16kg荷重)とアイソタクチック指数を第2表に示す。
【0061】
この混合物のアイソタクチック指数(II,mmmm%)、および前記第1表に記載したポリ1-ブテン樹脂(b−1)〜(b−4)のアイソタクチック指数(II,mmmm%)は、下記の方法により測定した。
核磁気共鳴装置(NMR;日本電子(株)製GSX−400型)の試料管に、試料ポリブテン系樹脂)50mgを入れ、溶媒ヘキサクロロブタジエン0.5mlを加え、30分間超音波処理し、110℃の加熱炉に入れ、試料を溶解させた。試料のほぼ全量が溶解した時点で、重水素化ベンゼン0.2mlを加え、さらに試料を均一に加熱溶解させた。均一溶解した時点で、試料管を溶封し、測定試料とした。この試料について、NMRを用い、下記の条件で測定した。
【0062】
測定核:13C
観測周波数:100.4MHz
パルス間隔:4.5秒
パルス幅:45°
測定温度:118℃
ケミカルシフト基準:ブテンユニット側鎖メチレン(mmmm)=27.50ppmアイソタクチック指数(II,mmmm%)は、下記の算出式より求めた。
【0063】
1- ブテン単独重合体のII
II(mmmm%)=〔(S2+S3)/S1〕×100%
1- ブテン・プロピレン共重合体のII
II(mmmm%)=(S2/S1)×100%
1- ブテン単独重合体と 1- ブテン・プロピレン共重合体との混合物のII
II(mmmm%)=(S2/S1)×100%
これらの算出式において、S1は、ブテンユニットの側鎖メチレン炭素の26.1〜28.2ppmの全面積であり、S2は、27.36〜28.2ppmの面積であり、S3は、mmmmピークの低磁場側のサテライトピーク面積である。
【0064】
また、上記のようにして得られたポリ1-ブテン樹脂組成物を、190℃、5分の条件でプレス成形して厚み2mmのシートを作製した。
次いで、このシートについて、静摩擦係数と動
摩擦係数を下記の測定方法に従って測定した。
<静および動摩擦係数の測定方法>
1.装置及び器具
・試験機:インテスコMODEL2005型万能材料試験機、インテスコ社製
・スリップ用治具
・荷重:100g(6.35cm×6.35cm、金属製)
2.試験方法
2−1 試験片
プレス成形により作製したシートから、下記の形状のサンプルを採取した。
【0065】
なお、試験片は5枚作製し、n=5にてテストを実施した。
荷重側試験片 :12cm×12cm×2mm
プレート側試験片:13cm×25cm×2mm
2−2 試験装置の概略
試験装置の概略を図1および図2に示す。図1は、試験装置の概略を示す正面図であり、図2は、その平面図である。
【0066】
2−3 試験方法
1)プレート側試験片1を、図1に示すようにプレート2上にセットする。
2)荷重側試験片3を、図1に示すようにプレート側試験片1上にセットする。
3)荷重側試験片3の一端を、図1に示すように、両面テープ(図示せず)で治具4と接着させ、治具4と糸5[三井化学(株)製、商品名 テクミロン]を、図1および図2に示すように、ロードセル6に連結させる。このとき、糸5は、図1に示すように、滑車7にかけ、水平にする。
【0067】
4)荷重8を、図1および図2に示すように、荷重側試験片3の中心に、かつ、荷重移動方向と平行に置く。
5)試験速度200±10mm/分で荷重側試験片3を移動させ、荷重8が滑った距離とロードセルで観測された力との関係を、図3に示すようなチャートで求める。
【0068】
6)次式により、静摩擦係数と動摩擦係数を求める。
静摩擦係数=静摩擦力(g)/荷重(g)
動摩擦係数=動摩擦力(g)/荷重(g)
【0069】
【比較例1】
実施例1において、フッ素系樹脂を用いなかった以外は、実施例1と同様にして、ペレット状のポリ1-ブテン樹脂組成物を得た。
以下、この組成物を用い、実施例1と同様に行なった。結果を第2表に示す。
【0070】
【実施例2】
実施例1において、ポリ1-ブテン樹脂(b−1)の代わりに、製造例2で得られたポリ1-ブテン樹脂(b−2)を用いた以外は、実施例1と同様にして、ペレット状のポリ1-ブテン樹脂組成物を得た。
以下、この組成物を用い、実施例1と同様に行なった。結果を第2表に示す。
【0071】
【比較例2】
実施例1において、ポリ1-ブテン樹脂(b−1)の代わりに、製造例2で得られたポリ1-ブテン樹脂(b−2)を用い、フッ素系樹脂を用いなかった以外は、実施例1と同様にして、ペレット状のポリ1-ブテン樹脂組成物を得た。
以下、この組成物を用い、実施例1と同様に行なった。結果を第2表に示す。
【0072】
【実施例3】
実施例1において、ポリ1-ブテン樹脂(b−1)の代わりに、製造例3で得られたポリ1-ブテン樹脂(b−3)を用いた以外は、実施例1と同様にして、ペレット状のポリ1-ブテン樹脂組成物を得た。
以下、この組成物を用い、実施例1と同様に行なった。結果を第2表に示す。
【0073】
【比較例3】
実施例1において、ポリ1-ブテン樹脂(b−1)の代わりに、製造例3で得られたポリ1-ブテン樹脂(b−3)を用い、フッ素系樹脂を用いなかった以外は、実施例1と同様にして、ペレット状のポリ1-ブテン樹脂組成物を得た。
以下、この組成物を用い、実施例1と同様に行なった。結果を第2表に示す。
【0074】
【実施例4】
実施例1において、ポリ1-ブテン樹脂(b−1)の代わりに、製造例3で得られたポリ1-ブテン樹脂(b−3)を用い、核剤として高密度ポリエチレン(HDPE)0.2重量部の代わりに、エチレンビスステアリルアミド(EBSA)0.05重量部用いた以外は、実施例1と同様にして、ペレット状のポリ1-ブテン樹脂組成物を得た。
【0075】
以下、この組成物を用い、実施例1と同様に行なった。結果を第2表に示す。
【0076】
【比較例4】
実施例1において、ポリ1-ブテン樹脂(b−1)の代わりに、製造例3で得られたポリ1-ブテン樹脂(b−3)を用い、核剤として高密度ポリエチレン(HDPE)0.2重量部の代わりに、エチレンビスステアリルアミド(EBSA)0.05重量部用い、かつ、フッ素系樹脂を用いなかった以外は、実施例1と同様にして、ペレット状のポリ1-ブテン樹脂組成物を得た。
【0077】
以下、この組成物を用い、実施例1と同様に行なった。結果を第2表に示す。
【0078】
【実施例5】
実施例1において、ポリ1-ブテン樹脂(b−1)の代わりに、製造例3で得られたポリ1-ブテン樹脂(b−3)を用い、フッ素系樹脂0.3重量部の代わりにフッ素系エラストマー[デュポン・ダウエラストマー社製、商品名 バイトンフリーフロー SC PW]0.3重量部用いた以外は、実施例1と同様にして、ペレット状のポリ1-ブテン樹脂組成物を得た。
【0079】
以下、この組成物を用い、実施例1と同様に行なった。結果を第2表に示す。
【0080】
【表2】
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、静および動摩擦係数の測定方法を説明するための試験装置の概略を示す正面図である。
【図2】図2は、静および動摩擦係数の測定方法を説明するための試験装置の概略を示す図1の部分的な平面図である。
【図3】図3は、静および動摩擦係数の測定方法を説明するためのチャートで、荷重が滑った距離とロードセルで観測された力との関係を示すチャートである。
【符号の説明】
1・・・ プレート側試験片
2・・・ プレート
3・・・ 荷重側試験片
4・・・ 治具
5・・・ 糸
6・・・ ロードセル
7・・・ 滑車
8・・・ 荷重
Claims (5)
フッ素系エラストマー(B)0.001〜3重量%および/またはフッ素系樹脂(C)0.001〜3重量%とを含有するポリ1-ブテン樹脂組成物であって、且つ、当該ポリ1-ブテン樹脂組成物をプレス成形してなるプレスシートから、12cm×12cm×2mmの荷重側試験片を採取し、荷重:100g及び試験速度:200±10mm/分の条件下で測定した静摩擦係数が4.3以下および/または動摩擦係数が2.3以下であることを特徴とするパイプ用又はパイプ継手用ポリ1-ブテン樹脂組成物。
メルトフローレート(MFR;ASTM D 1238,190℃、2.16kg荷重)が0.01〜5g/10分であり、GPC法により求められる分子量分布(Mw/Mn)が6以下であり、かつ、NMRにより測定されるアイソタクチック指数(mmmm%)が90以上であるポリ1-ブテン樹脂(a1)60〜95重量%、
およびメルトフローレート(MFR;ASTM D 1238,190℃、2.16kg荷重)が該ポリ1-ブテン樹脂(a1)のMFR値の20倍以上であり、GPC法により求められる分子量分布(Mw/Mn)が6以下であり、かつ、NMRにより測定されるアイソタクチック指数(mmmm%)が90以上であるポリ1-ブテン樹脂(a2)5〜40重量%からなるポリ1-ブテン樹脂(a)であることを特徴とする請求項1に記載のパイプ用又はパイプ継手用ポリ1-ブテン樹脂組成物。
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