JP6454131B2 - ポリプロピレン組成物を含むフィルムまたはシートの製造方法 - Google Patents
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Description
[1](I)成分(1)として0〜3重量%のエチレンまたは1種類以上のC4〜C10−α−オレフィンを含むプロピレン(共)重合体を75〜86重量%;
成分(2)としてプロピレン含量が65〜85重量%であるエチレン−プロピレン共重合体を14〜25重量%;および
成分(3)として核剤を含み、
メルトフローレート(230℃、荷重21.18N)が1.5g/10分以上5.5g/10分未満、
XSIV(キシレン可溶分の固有粘度)が1.0〜2.2dl/gであるマスターバッチ組成物を準備する工程、
(II)前記マスターバッチ組成物と成分(4)として0〜3重量%のエチレンまたは1種類以上のC4〜C10−α−オレフィンを含むプロピレン(共)重合体を含む組成物とを混合して、前記マスターバッチ組成物を10〜40重量%、および成分(4)を60〜90重量%含むポリプロピレン組成物を準備する工程、
(III)前記ポリプロピレン組成物を二軸延伸する工程を含む、
シートまたはフィルムの製造方法。
[2]前記二軸延伸後の成形体の表面状態を維持したまま冷却する工程をさらに含む、[1]記載の製造方法。
[3]前記成分(1)と(2)の合計100重量部に対して、前記核剤を0.05〜1.0重量部含む、[1]または[2]に記載の製造方法。
[4]前記工程(I)が、成分(1)の原料であるプロピレンとエチレンまたはC4〜C10−α−オレフィン、および成分(2)の原料であるエチレンとプロピレンとを、
(A)マグネシウム、チタン、ハロゲン、および電子供与体化合物としてのスクシネート系化合物を含有する固体触媒、
(B)有機アルミニウム化合物、ならびに
(C)外部電子供与体化合物
を含む触媒を用いて重合する工程を含む、[1]〜[3]のいずれかに記載の製造方法。
[5]前記重合工程を2つ以上の反応器を用いて実施する、[4]に記載の製造方法。
[6]前記[1]〜[5]のいずれかに記載の製造方法によって製造されたフィルムまたはシートからなる層を有する成形体。
[7]前記[6]に記載の成形体を成形してなる二次成形体。
本工程ではマスターバッチ組成物を準備する。マスターバッチ組成物は成分(1)として0〜3重量%のエチレンまたは1種類以上のC4〜C10−α−オレフィンを含むプロピレン(共)重合体を75〜86重量%、成分(2)としてプロピレン含量が65〜85重量%であるエチレン−プロピレン共重合体を14〜25重量%、および成分(3)として核剤を含む。
プロピレン(共)重合体とは、プロピレン単独重合体、あるいは0重量%を超え3重量%以下のエチレンまたはC4〜C10−α−オレフィン(以下「コモノマー」ともいう)とプロピレンの共重合体である。1.0重量%のエチレンを含むプロピレンの共重合体とは、エチレン由来のユニットとプロピレン由来のユニットとの重量比が1.0:99.0である共重合体である。他の共重合体についても同様である。コモノマー含有量の上限値は3重量%以下であるが、2.8重量%以下が好ましく、2.5重量%以下がより好ましい。コモノマー含有量が上限値を超えると、剛性と延伸加工時のシートのカッティング性が低下する。また、コモノマー含有量が3.5重量%以上では、本発明のマスターバッチ組成物に用いる重合体の製造が困難となる。コモノマーを用いる場合の下限値は限定されないが、0.5重量%以上が好ましく、1.0重量%以上がより好ましい。コモノマーとしては、入手容易性等からエチレンまたはC4〜C6−α−オレフィンが好ましく、エチレンがより好ましい。
本発明で用いるプロピレン−エチレン共重合体はプロピレン含有量が65〜85重量%である。プロピレン含有量が上限値を超えると耐衝撃性が低下し、下限値未満であると透明性が低下する。この観点からプロピレン含有量の上限値は80重量%以下が好ましく、77重量%以下がより好ましい。プロピレン含有量の下限値は67重量%以上が好ましく、70重量%以上がより好ましい。
本発明に用いる核剤とは、樹脂中の結晶成分のサイズを小さく制御して透明性を高めるために用いられる添加剤である。核剤は特に限定されず、当該分野で通常使用されるものを使用してよいが、ノニトール系核剤、ソルビトール系核剤、リン酸エステル系核剤、トリアミノベンゼン誘導体核剤、カルボン酸金属塩核剤、およびキシリトール系核剤から選択されることが好ましい。ノニトール系核剤として、例えば、1,2,3―トリデオキシ−4,6:5,7−ビス−[(4−プロピルフェニル)メチレン]−ノニトールが挙げられる。
成分(1)と(2)の比率は(1):(2)=75〜86重量%:14〜25重量%である。成分(2)の量が、この上限を超えると得られるシート等の剛性が低下し、30重量%以上では製造が困難となる。また、下限未満であると得られるシート等の耐寒衝撃性が低下する。この観点から、前記比率は好ましくは、80〜86重量%:14〜20重量%である。
さらにマスターバッチ組成物には、成分(1)、(2)以外のオレフィン系共重合体、酸化防止剤、塩酸吸収剤、耐熱安定剤、光安定剤、紫外線吸収剤、内部滑剤、外部滑剤、帯電防止剤、難燃剤、分散剤、銅害防止剤、中和剤、可塑剤、気泡防止剤、架橋剤、過酸化物、油展および他の有機および無機顔料などのオレフィン重合体に通常用いられる慣用の添加剤を添加してもよい。各添加剤の添加量は公知の量としてよい。
1)メルトフローレート
マスターバッチ組成物の230℃、荷重21.18Nにおけるメルトフローレート(以下「MFR」ともいう)は1.5g/10分以上5.5g/10分未満である。メルトフローレートの値が、この上限値を超えると加工時の耐ドローダウン性が低下し、下限値未満であると加工時のトルクが上昇し、いずれの場合もシート成形が困難になることがある。この観点から、メルトフローレートは好ましくは2〜5g/10分である。
XSIVはポリプロピレン組成物のキシレン可溶分の固有粘度であり、当該組成物における結晶性を持たない成分の分子量の指標でもある。XSIVは25℃のキシレンに可溶な成分を得て、当該成分の固有粘度を定法にて測定することで求められる。本発明においてXSIVは1.0〜2.2dl/gである。XSIVが上限値を超えると得られるシート等の透明性が低下する。XSIVが下限値未満であると製造が困難となる。
マスターバッチ組成物は任意の方法で製造してよいが、成分(1)の原料モノマーおよび成分(2)の原料モノマーを、(A)マグネシウム、チタン、ハロゲン、および電子供与体化合物としてのスクシネート系化合物を含有する固体触媒、(B)有機アルミニウム化合物、ならびに(C)外部電子供与体化合物を含む触媒を用いて重合する工程を含む方法で得ることが好ましい。
成分(A)は、公知の方法、例えばマグネシウム化合物とチタン化合物と電子供与体化合物を相互接触させることにより調製できる。
成分(B)の有機アルミニウム化合物としては以下が挙げられる。
トリエチルアルミニウム、トリブチルアルミニウムなどのトリアルキルアルミニウム;
トリイソプレニルアルミニウムのようなトリアルケニルアルミニウム:
ジエチルアルミニウムエトキシド、ジブチルアルミニウムブトキシドなどのジアルキルアルミニウムアルコキシド;
エチルアルミニウムセスキエトキシド、ブチルアルミニウムセスキブトキシドなどのアルキルアルミニウムセスキアルコキシド;
ジエチルアルミニウムヒドリド、ジブチルアルミニウムヒドリドなどのジアルキルアルミニウムヒドリド;
エチルアルミニウムジヒドリド、プロピルアルミニウムジヒドリドなどのアルキルアルミニウムジヒドリドなどの部分的に水素化されたアルキルアルミニウム;
エチルアルミニウムエトキシクロリド、ブチルアルミニウムブトキシクロリド、エチルアルミニウムエトキシブロミドなどの部分的にアルコキシ化およびハロゲン化されたアルキルアルミニウム。
成分(C)の電子供与体化合物は、一般に「外部電子供与体」と称される。このような電子供与体化合物としては有機ケイ素化合物が好ましい。好ましい有機ケイ素化合物として以下が挙げられる。
成分(1)の原料モノマーおよび成分(2)の原料モノマーを、2つ以上の反応器を用いて重合することが好ましい。重合は、液相中、気相中または液−気相中で実施してよい。重合圧力は、液相中で行われる場合には好ましくは33〜45barの範囲であり、気相中で行われる場合には5〜30barの範囲である。連鎖移動剤(たとえば、水素又はZnEt2)などの当該分野で公知の慣用の分子量調節剤を用いてもよい。
本工程では、前記マスターバッチ組成物と成分(4)である0〜3重量%のエチレンまたは1種類以上のC4〜C10−α−オレフィンを含むプロピレン(共)重合体を含む組成物とを混合して、両者の比率が10〜40重量%:60〜90重量%であるポリプロピレン組成物を準備する。
混合する方法は限定されないが、押出機等の混練機を用いる方法が好ましい。混練条件は特に限定されないが、シリンダー温度を180〜250℃とすることが好ましい。このようにして得られるポリプロピレン組成物はペレット形状であってもよいが、押出機の先端にTダイ等を設置してシート状に成形して予備シートとして得てもよい。混合比は、得られるポリプロピレン組成物中のマスターバッチ組成物と成分(4)の比率が10〜40重量%:60〜90重量%となるように選択される。マスターバッチ組成物の量が上限値を超えると最終的なフィルムまたはシートの剛性が低下し、下限値未満であると得られるフィルムまたはシートの耐寒衝撃性が低下する。この観点から、上記比率は20〜40重量%:60〜80重量%がより好ましい。
本工程で用いる成分(4)は0〜3重量%のエチレンまたは1種類以上のC4〜C10−α−オレフィンを含むプロピレン(共)重合体を含む組成物である。プロピレン(共)重合体の組成および特性は成分(1)と同一であってもよいし異なっていてもよい。しかしながら、成分(4)のコモノマー組成は1〜3重量%のエチレンであることが好ましい。さらに、成分(4)のメルトフローレート(230℃、荷重21.18N)は1.0〜10g/10分が好ましい。成分(4)におけるプロピレン(共)重合体以外の成分としては、核剤、酸化防止剤等の公知の添加物が挙げられる。核剤としてはすでに述べたものを使用でき、その量は、成分(4)中0.05〜1.0重量%が好ましい。酸化防止剤等としては公知のものを使用でき、その量は公知の範囲としてよい。成分(4)は、前記触媒を用いて原料モノマーを重合し、得られた(共)重合体を核剤と酸化防止剤とともに溶融混練することによって製造することが好ましい。
(1)二軸延伸
本工程においては前記ポリプロピレン組成物を二軸延伸する。前述のとおり、前記ポリプロピレン組成物から予備シートを作製し、当該予備シートの幅方向および流れ方向に延伸することが好ましい。幅方向および流れ方向への延伸は、同時であってもよく、後述するように時間差を付けて行ってもよい。通常は、まず、ポリプロピレン組成物を押出機で溶融した後、Tダイよりシート状に押出成形して予備シートを調製し、これを冷却ロールで冷却固化する。次いで、得られたシートを多数の加熱ロールに通して縦方向に延伸する(縦延伸)。続いて、予熱部、延伸部および熱処理部から構成された加熱炉に通して横方向に延伸する(横延伸)。二次成形の手法としても用いられるコンプレッション成形や真空成形等では、予め得られた予備シートを二軸延伸することにより、目的の厚みや形状に賦形する。また、上記ポリプロピレン組成物の層とこれ以外の層が積層された予備シートを調製し、これを上記のように二軸延伸してもよい。さらに、カレンダー成形やインフレーション成形のように、ポリプロピレン組成物を押出機で溶融した後、ダイより押出された溶融樹脂が固化する段階で二軸延伸してもよい。ポリプロピレン組成物以外の層は特に限定されないが、プロピレンの単独重合体、ランダム共重合体、ブロック共重合体、または、これらのいずれかの重合体を主成分としポリプロピレン以外の樹脂を含有する組成物からなる層であってよい。
前記の温度範囲で二軸延伸して得られた成形体は、成分(2)が成分(1)と(4)に微分散した状態で延伸された結果、表面が平滑で高い透明性を有する。本工程ではこの平滑な表面状態を維持したまま冷却し、シート等の透明性を維持することが好ましい。サイズの大きな結晶は表面荒れの要因となるので、平滑性を維持するため、二軸延伸後の冷却時に生じる結晶が成長しない温度に冷却することが好ましい。その具体的な値は限定されないが、冷却温度は80℃以下が好ましく、50℃以下がより好ましい。冷却の方法は特に限定されず、例えば、二軸延伸して得られた成形体を水冷または空冷することができる。
本発明で得られるシートまたはフィルムは種々の用途に使用できる。例えば、真空成形等によりシート等を容器へ成形でき、打抜加工によりシート等を所望の形状に成形できる。特に本発明のシート等は透明性および耐寒衝撃性に優れ、かつ打抜加工時に糸引きが少なくカッティング性にも優れているので、氷や氷菓用の容器、冷却飲料等の食品容器や包装材料として有用である。
(1)MFR
JIS K 7210に準じ、温度230℃、荷重21.18Nの条件下で測定した。
(2)XSIV
サンプル2.5gを、o−キシレン(溶媒)を250ml入れたフラスコに入れ、ホットプレートおよび還流装置を用いて、135℃で、窒素パージを行いながら、30分間、撹拌し、サンプルを完全溶解した。その後、溶液を25℃で1時間冷却した。濾紙を用いて得られた溶液を濾過し、濾液を100ml採取し、アルミカップ等に移し、窒素パージを行いながら、150℃で蒸発乾固を行い、室温で30分間静置してキシレン可溶分を得た。ウベローデ型粘度計を用いて、当該キシレン可溶分の135℃テトラヒドロナフタレン中で固有粘度を測定し、XSIV(dl/g)を得た。
延伸時に破断等の問題が生じない場合を良、問題が生じる場合を不良と評価した。
(4)透明性
ISO 14782に準拠して、株式会社村上色彩技術研究所製、HM−150を使用し、後述するようにして得たシートのヘーズ測定を行い、透明性を評価した。表1には得られたヘーズの値を示した。
−20℃におけるダート衝撃強度で評価した。ダート衝撃強度はJIS K7124−1で規定する直径50mmの半球状の頭部をもつダートを用い、高さ1.50mから落下させ、破壊の有無を目視で判断し、統計的に試験片の50%が破壊するときの弾頭質量として破壊エネルギーを求めた。
1,2,4−トリクロロベンゼン/重水素化ベンゼンの混合溶媒に溶解した試料について、日本電子株式会社製JNM LA−400(13C共鳴周波数100MHz)を用い、13C−NMR法で測定した値から算出した。
パーキンエルマー社製ダイヤモンドDSCを用いて、前記のとおり定義したセカンドスキャンを行い測定した。
JIS K7203に準拠して測定した。12.7mm(幅)×4.0mm(厚み)×127mm(長さ)の試験片を使用した。試験条件は、温度23℃、スパン間60mm、速度2.0mm/分で行った。
マスターバッチ組成物の実機プラントによる連続生産を想定して判断した。具体的には重合パウダーのベタツキや互着が原因でストレージタンクや配管の閉塞が起こるかどうかとの観点から、以下のように評価した。
良:上記不具合が生じず長い時間連続生産が可能な場合
可:上記不具合が生じずある程度の時間連続生産が可能な場合
不可:上記不具合により連続生産が困難である場合
シートまたはフィルム原反を連続工程で二軸延伸しながら切断する生産工程を想定して判断した。具体的には140℃で二軸延伸したシートまたはフィルムを二軸延伸装置から取り出した直後に、シートまたはフィルムの表面温度が120℃になった時にハサミでカットし、良好にカットできるかどうかを以下のように評価した。
良:良好にカットでき長い時間連続生産が可能な場合
可:良好にカットできある程度の時間連続生産が可能な場合
不可:良好なカットができず連続生産が困難である場合
1.組成物の調製
(1)固体触媒
重合に用いる固体触媒を、最初に昇温する温度を100℃から110℃に変更した以外は、特開2011−500907号(国際公開2009/050045)の実施例に記載に従い調製した。具体的には以下のように調製した。
上記固体触媒と、有機アルミニウム化合物としてトリエチルアルミニウム(TEAL)と、外部電子供与体化合物としてジシクロペンチルジメトキシシラン(DCPMS)を用い、固体触媒に対するTEALの重量比が11、TEAL/DCPMSの重量比が10となるような量で、12℃において24分間接触させた。得られた触媒系を、液体プロピレン中において懸濁状態で20℃において5分間保持することによって予備重合を行った。
成分(1):プロピレンの単独重合体 82重量%
成分(2):75重量%のプロピレンを含むエチレン−プロピレンの共重合体 18重量%
重合に用いる固体触媒を、欧州特許第674991号公報の実施例1に記載された方法により調製した。当該固体触媒は、MgCl2上にTiと内部ドナーとしてのジイソブチルフタレートを上記の特許公報に記載された方法で担持させたものである。当該固体触媒と、トリエチルアルミニウム(TEAL)およびジイソプロピルジメトキシシラン(DIPMS)を、固体触媒に対するTEALの重量比が11、TEAL/DIPMSの重量比が3.2となるような量で、−5℃で5分間接触させた。得られた触媒系を、液体プロピレン中において懸濁状態で20℃において5分間保持することによって予備重合を行った。
25重量部の前記マスターバッチ組成物と75重量部の成分(4)を、ナカタニ機械株式会社製NVCφ50mm単軸押出機を用いてシリンダー温度230℃で押出し、ストランドを水中で冷却した後、ペレタイザーでカットしペレット状のポリプロピレン組成物を得た。前記方法によって測定したポリプロピレン組成物のTmは165℃であった。
ポリプロピレン組成物をプレス成形(230℃で5分間予熱、0〜60MPa間で加圧減圧を繰り返す脱気操作を30秒間実施後に60MPaの条件下で3分間保持した後、30℃の冷却プレスで3分間保持)して1.5mm厚の板を得た。この板を10.5cm×10.5cmの大きさに切削し、Bruckner社製フィルム延伸装置(KARO)を用いて、140℃で120秒加熱し、延伸速度350mm/秒の速度で同時に二方向へ延伸させて、2.3倍×2.3倍の二軸延伸を行った。延伸後、100℃以上で保持せずそのまま冷却してシートを得た。延伸温度Tsは140℃であった。当該シートの特性と組成を表1に示す。
実施例1において、組成物の成分(2)の量が15重量%となるように一段目と二段目の滞留時間分布を調整し、以下の組成物を得た。
成分(1):プロピレンの単独重合体 85重量%
成分(2):75重量%のプロピレンを含むエチレン−プロピレンの共重合体 15重量%
ポリスチレン−水添ポリブタジエン−ポリスチレン(SEBS)の代わりにポリプロピレン系エラストマー(エクソンモービル社製、Vistamaxx3020)を使用した以外は、実施例2と同様にしてシートを製造し評価した。
二段目の反応器のH2/C2を変更して、XSIVが1.5dl/gであるマスターバッチ組成物を調製した以外は実施例1と同様にしてシートを製造し評価した。
二段目の反応器のH2/C2を変更して、XSIVが1.8dl/gであるマスターバッチ組成物を調製した以外は実施例1と同様にしてシートを製造し評価した。
成分(1)中のエチレン含有量が2.5重量%となるように一段目の反応器の原料モノマーのエチレン濃度を調整し、マスターバッチ組成物のMFRが変化しないように一段目の反応器の水素濃度を調整した以外は、実施例1と同様にしてシートを製造し評価した。
核剤としてMillad NX8000Jの代わりにアデカスタブNA21(リン酸エステル系核剤NA−21、株式会社ADEKA製)を用いた以外は、実施例1と同様にしてシートを製造し評価した。
二段目の反応器のH2/C2を変更して、それぞれXSIVが2.3dl/g、0.9dl/gであるマスターバッチ組成物を調製するとともに、マスターバッチ組成物のMFRが変化しないように一段目の反応器の水素濃度を調整した以外は実施例1と同様にしてシートを製造し評価した。
マスターバッチ組成物中の成分(1):成分(2)の割合が、それぞれ70重量%:30重量%、87重量%:13重量%となるように一段目と二段目の滞留時間分布を調整するとともに、マスターバッチ組成物のMFRが変化しないように一段目の反応器の水素濃度を調整した以外は、実施例1と同様にしてシートを製造し評価した。
一段目の反応器の水素濃度を変更して、それぞれMFRが1g/10分、6g/10分であるマスターバッチ組成物を得た以外は、実施例1と同様にしてシートを製造し評価した。
成分(1)中のエチレン含有量が3.5重量%にとなるように、一段目の反応器の原料モノマーのエチレン濃度を変更するとともに、マスターバッチ組成物のMFRが変化しないように一段目の反応器の水素濃度を調整した以外は、実施例1と同様にしてシートを製造し評価した。
成分(2)中のプロピレン含有量が63重量%となるように二段目の反応器の原料モノマーのC2/(C2+C3)を変更した以外は、実施例1と同様にしてシートを製造し評価した。
成分(2)中のプロピレン含有量が88重量%となるように二段目の反応器の原料モノマーのC2/(C2+C3)を変更した以外は、実施例1と同様にしてシートを製造し評価した。
MgCl2上にTiと内部ドナーとしてのジイソブチルフタレートを担持させた固体触媒を、欧州特許第728769号公報の実施例5に記載された方法により調製した。
上記固体触媒と、有機アルミニウム化合物としてトリエチルアルミニウム(TEAL)と、外部電子供与体化合物としてジシクロペンチルジメトキシシラン(DCPMS)を用い、固体触媒に対するTEALの重量比が20、TEAL/DCPMSの重量比が10となるような量で、12℃において24分間接触させた。得られた触媒系を、液体プロピレン中において懸濁状態で20℃において5分間保持することによって予備重合を行った。得られた予備重合物を、二段の重合反応器を直列に備える重合装置の一段目の重合反応器に導入してプロピレン単独重合体を製造し、二段目の重合反応器でエチレン−プロピレン共重合体を製造した。重合中は、温度と圧力を調整し、水素を分子量調整剤として用いた。
成分(1):プロピレン単独重合体 83重量%
成分(2):75重量%のプロピレンを含むエチレン−プロピレン共重合体 17重量%
50重量部のマスターバッチ組成物と50重量部の成分(4)を混合してポリプロピレン組成物を製造した以外は、実施例1と同様にしてシートを製造し評価した。
Claims (6)
- (I)成分(1)として0〜3重量%のエチレンまたは1種類以上のC4〜C10−α−オレフィンを含むプロピレン(共)重合体を75〜86重量%;
成分(2)としてプロピレン含量が65〜85重量%であるエチレン−プロピレン共重合体を14〜25重量%;および
成分(3)として核剤を含み、
メルトフローレート(230℃、荷重21.18N)が1.5g/10分以上5.5g/10分未満、
XSIV(キシレン可溶分の固有粘度)が1.0〜2.2dl/gであるマスターバッチ組成物を準備する工程、
(II)前記マスターバッチ組成物と成分(4)として0〜3重量%のエチレンまたは1種類以上のC4〜C10−α−オレフィンを含むプロピレン(共)重合体を含む組成物とを混合して、前記マスターバッチ組成物を10〜40重量%、および成分(4)を60〜90重量%含むポリプロピレン組成物を準備する工程、
(III)前記ポリプロピレン組成物を二軸延伸する工程を含み、
前記工程(I)が、成分(1)の原料であるプロピレンとエチレンまたはC4〜C10−α−オレフィン、および成分(2)の原料であるエチレンとプロピレンとを、
(A)マグネシウム、チタン、ハロゲン、および電子供与体化合物としてのスクシネート系化合物を含有する固体触媒、
(B)有機アルミニウム化合物、ならびに
(C)外部電子供与体化合物
を含む触媒を用いて重合する工程を含む、シートまたはフィルムの製造方法。 - 前記二軸延伸後の成形体の表面状態を維持したまま冷却する工程をさらに含む、請求項1記載の製造方法。
- 前記成分(1)と(2)の合計100重量部に対して、前記核剤を0.05〜1.0重量部含む、請求項1または2記載の製造方法。
- 前記重合工程を2つ以上の反応器を用いて実施する、請求項1〜3のいずれかに記載の製造方法。
- 請求項1〜4のいずれかに記載の製造方法によって製造されたフィルムまたはシートからなる層を有する成形体。
- 請求項5に記載の成形体を成形してなる二次成形体。
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