JP2014129434A - ポリプロピレン樹脂組成物およびその製造方法ならびにポリプロピレンシートおよび二軸延伸ポリプロピレンフィルム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】(A)マグネシウム、チタン、ハロゲンおよびスクシネート系化合物から選択される電子供与体化合物を必須成分として含有する固体触媒;(B)有機アルミニウム化合物;および(C)ケイ素化合物から選択される外部電子供与体化合物を含む触媒を用いて得たポリプロピレン樹脂組成物であって:キシレン可溶分が5質量%以下、極限粘度が6〜20dl/g、示査熱分析の融解ピーク温度が160℃以上、かつ単独では流動性を示さない、高分子量ポリプロピレン重合体(a)0.1−10質量%とを含有しポリプロピレン樹脂組成物。
【選択図】なし
Description
1. (A)マグネシウム、チタン、ハロゲンおよびスクシネート系化合物から選択される電子供与体化合物を必須成分として含有する固体触媒;
(B)有機アルミニウム化合物;および
(C)ケイ素化合物から選択される外部電子供与体化合物
を含む触媒を用いて得たポリプロピレン樹脂組成物であって:
キシレン可溶分が5質量%以下、極限粘度が6〜20dl/g、示査熱分析の融解ピーク温度が160℃以上、かつ単独では流動性を示さない、高分子量ポリプロピレン重合体(a)0.1−10質量%と、
(a)よりも極限粘度が小さく、さらに極限粘度が0.5〜4dl/g、キシレン可溶分が25質量%以下のポリプロピレン重合体(b)90.0−99.9質量%と
を含有し、下記(i)〜(iii):
(i)ポリプロピレン樹脂組成物のゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)による重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比(Mw/Mn)が10以上;
(ii)ポリプロピレン樹脂組成物のGPC法によって定められた分子量200万以上の成分の割合が2.5%以上;そして
(iii)ポリプロピレン樹脂組成物のメルトフローレート(MFR)が1.0〜50g/10分
の条件を満たすことを特徴とする、前記ポリプロピレン樹脂組成物。
2. ポリプロピレン重合体(a)及びポリプロピレン重合体(b)を、2段階以上の重合工程を逐次または連続的に実施する重合法により得ることを特徴とする上記1のいずれかに記載のポリプロピレン樹脂組成物。
3. 前期重合工程が予重合工程を含むこと特徴とする上記1または2に記載のポリプロピレン樹脂組成物。
4. 上記1〜3のいずれかに記載のポリプロピレン樹脂組成物からなる層を有することを特徴とする二軸延伸ポリプロピレンフィルム。
5. 上記1〜3のいずれかに記載のポリプロピレン樹脂組成物からなる層を有することを特徴とするポリプロピレンシート。
6. β晶分率が5%以上で、シートの厚みが500μmにおける拡散透過光値が30以下であることを特徴とする上記5記載のポリプロピレンシート。
(B)有機アルミニウム化合物;および
(C)ケイ素化合物から選択される外部電子供与体化合物
を含む触媒を用いて得たポリプロピレン樹脂組成物であって:
キシレン可溶分が5質量%以下、極限粘度が6〜20dl/g、示査熱分析の融解ピーク温度が160℃以上、かつ単独では流動性を示さない、高分子量ポリプロピレン重合体(a)0.1−10質量%と、
(a)よりも極限粘度が小さく、さらに極限粘度が0.5〜4dl/g、キシレン可溶分が25質量%以下のポリプロピレン重合体(b)90.0−99.9質量%と
を含有し、下記(i)〜(iii):
(i)ポリプロピレン樹脂組成物のゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)による重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比(Mw/Mn)が10以上;
(ii)ポリプロピレン樹脂組成物のGPC法によって定められた分子量200万以上の成分の割合が2.5%以上;そして
(iii)ポリプロピレン樹脂組成物のメルトフローレート(MFR)が1.0〜50g/10分
の条件を満たすことを特徴とする、前記ポリプロピレン樹脂組成物に関する。
のコハク酸エステル(スクシネート)構造を有する化合物から選択される。
式Iの化合物のうち、基R3〜R6がヘテロ原子を含む場合、ヘテロ原子は窒素およびリン原子を含む第15族原子あるいは酸素およびイオウ原子を含む第16族原子であることが好ましい。基R3〜R6が第15族原子を含む化合物としては、特許文献9に開示される化合物が挙げられる。一方、基R3〜R6が第16族原子を含む化合物としては、特許文献10に開示される化合物が挙げられる。
(i)ポリプロピレン樹脂組成物のゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)による重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比(Mw/Mn)が10以上;
(ii)ポリプロピレン樹脂組成物のGPC法によって定められた分子量200万以上の成分の割合が2.5%以上;そして
(iii)ポリプロピレン樹脂組成物のメルトフローレート(MFR)が1.0〜50g/10分。
本発明のポリプロピレン樹脂組成物の原料となる高分子量ポリプロピレン重合体(a)は、既存のスラリープロセス(液体モノマー中の重合)や気相重合等で得られる。また、本発明のポリプロピレン樹脂組成物の原料となるポリプロピレン重合体(b)は、前段階で形成された高分子量ポリプロピレン重合体の存在下、重合器にプロピレンモノマー、水素、触媒を供給し、必要に応じてプロピレン以外のモノマー(コモノマー)を重合させて得られる。(a)と(b)は、各後続の重合が直前の重合反応中に形成された重合性物質の存在下で行われる少なくとも2段の逐次重合ステージを具備する逐次重合方法を用いることが好ましい。さらに(a)は少量でよいので、予重合段階で重合してもよい。
重合ステージは、立体特異的チーグラー・ナッタ(Ziegler−Natta)型触媒の存在下で行われる。好ましい実施形態によれば、全重合ステージは、(A)マグネシウム、チタン、ハロゲンおよびスクシネート系化合物から選択される電子供与体化合物を必須成分として含有する固体触媒;(B)有機アルミニウム化合物;および(C)ケイ素化合物から選択される外部電子供与体化合物を含む触媒成分の存在下で行われる。上記特徴を有する触媒は、特許文献により周知である。重合ステージは、液相中、気相中又は液−気相中で生じてもよい。ポリプロピレン重合体の調製用の重合ステージにおける反応温度は同一でも異なっていてもよく、好ましくは40〜100℃;より好ましくは50〜90℃の範囲である。ポリプロピレン重合体を調製するための重合ステージの圧力は、液体モノマー中で行われる場合には、用いられる運転温度での液体プロピレンの蒸気圧と競合する圧力であり、触媒混合物を供給するために用いられる少量の不活性希釈剤の蒸気圧によって、任意のモノマーの過圧によって及び分子量調節剤として用いられる水素によって調節されてもよい。
[MFR]
JIS K 7210に準じ、温度230℃、荷重21.18Nの条件下で測定した。
ポリプロピレン樹脂組成物2.5gを、o−キシレン(溶媒)を250mL入れたフラスコに入れ、ホットプレートおよび還流装置を用いて、135℃で、窒素パージを行いながら、30分間、攪拌し、樹脂組成物を完全溶解させた後、25℃で1時間、冷却を行った。得られた溶液を、濾紙を用いて濾過した。濾過後の濾液を100mL採取し、アルミカップ等に移し、窒素パージを行いながら、140℃で蒸発乾固を行い、室温で30分間静置し、キシレン可溶分を得た。また、濾紙上に残った残留物(キシレン不溶成分と溶媒の混合物)にアセトンを加えて濾過した後、濾過されなかった成分を、80℃設定の真空乾燥オーブンにて、蒸発乾固させ、キシレン不溶分を得た。
なお、重合により製造した(b)成分のXSは、以下の式により、(a)成分と重合体混合物のXSから計算により算出した。
(b)のXS=(重合体混合物(c)のXS−(a)のXS×(a)の分率)/(b)の分率
ウベローデ型粘度計を用いて135℃テトラヒドロナフタレン中で極限粘度の測定を行った。なお、重合により製造した(b)成分のIVは、以下の式により、(a)成分と重合体混合物のIVから計算により算出した。
(b)のIV=(重合体混合物(c)のIV−(a)のIV×(a)の分率)/(b)の分率
なお、IVは分子量の指標である。
1、2、4−トリクロロベンゼン/重水素化ベンゼンの混合溶媒に溶解した試料について、日本電子社製JNM LA−400(13C共鳴周波数100MHz)を用い、13C−NMR法で測定した値をもとに以下の式により算出した。なお、重合により製造した(b)成分のC2は、以下の式により、(a)成分と重合体混合物のC2から計算により算出した。
(b)のC2=(重合体混合物(c)のC2−(a)のC2×(a)の分率)/(b)の分率
装置としてポリマーラボラトリーズ社製PL GPC220を使用し、酸化防止剤を含む1,2,4−トリクロロベンゼンを移動相とし、カラムとして昭和電工社製UT−G(1本)、UT−807(1本)、UT−806M(2本)を直列に接続したものを使用し、検出器として示差屈折率計を使用した。また、ポリプロピレン樹脂組成物の試料溶液の溶媒としては移動相と同じものを使用し、1mg/mLの試料濃度で、150℃の温度で振とうさせながら2時間溶解して測定試料を調整した。これにより得た試料溶液500μLをカラムに注入し、流速1.0mL/分、温度145℃、データ取り込み間隔1秒で測定した。カラムの較正には、分子量580〜745万のポリスチレン標準試料(Shodex STANDARD、昭和電工株式会社製)を使用し、三次式近似で行った。Mark−Houkinsの係数は、ポリスチレン標準試料に関しては、K=1.21×10−4、α=0.707、ポリプロピレン樹脂組成物に関しては、K=1.37×10−4、α=0.75を使用した。
パーキンエルマー社製のダイヤモンドDSCを用い、ポリプロピレン成形体を30℃で5分間保持した後、昇温速度20℃/分で230℃まで加熱した際に得られる融解曲線のピーク位置により、ポリプロピレン成形体の融解ピーク温度とした。
上記のGPC測定で得られた分子量分布曲線(分子量をMとした場合logMと規格化された溶出量の関係)において、分子量200万以上の領域の面積の全領域の面積に対する割合から求めた。
東洋精機製作所製のRCT−50KRAFを用い、シリンダー温度230℃、オリフィスL/D=8.0/2.095mm、ピストン下降速度20mm/分、引取速度6.28m/分の条件で、ポリプロピレン組成物の溶融物を吐出させた際の荷重(gf)を測定した。
二軸延伸フィルムは次の様にして得た。Tダイ成形機(吉井鉄工社製多層Tダイ成形機、スクリュー径25mm)を使用し、ロール温度30℃(エアーナイフ使用)の条件にて、10cm×10cm、厚み500μmの未延伸シートを得た後、2軸延伸装置(岩本製作所社製小型2軸延伸装置)により、延伸倍率:6倍×6倍、成形温度:155℃、延伸速度:50mm/秒の速度で同時に二方向へ延伸させて、二軸延伸フィルムを得た。
ヤング率は、万能試験機オートコム型試験機AC−5kN−Cを用い、JIS K7127に準拠し、サンプル形状は1号形試験片に準拠したもの(試験片長さ200mm、幅10mm、チャック間距離100mm)とし、引っ張り速度5mm/分の条件にてMD方向(フィルムの長手方向)について23℃にて測定した。ヤング率が高い程、剛性が高いことを意味する。
シートは次の様にして得た。Tダイ成形機(吉井鉄工社製多層Tダイ成形機、スクリュー径25mm)を使用し、ロール温度30℃(エアーナイフ使用)の条件にて、10cm×10cm、厚み500μmの未延伸シートを得た。
JIS K 7136に従い、ヘイズ測定を行った。
[クラリティー]
ASTM D 1746に準拠し、クラリティー測定を行った。
上記成形性の評価に使用した厚み500μmの未延伸シートを縦2.75インチ、横1.5インチに打ち抜いて試験片を5個作製した。
E=9.83×Tsu/t3
(E:シートのテーバースティフネス[MPa]、Tsuはスティフネスの平均値[gf・cm]、tは試験片の厚み[mm])
テーバースティフネスの値が大きい程、剛性が高いことを意味する。
東洋精機製作所製視覚透明度試験機を用いて、拡散透過光値(LSI:LightScattering Index)を測定した。このLSIが小さい程、透明性が高い。ヘーズが角度4°以上の散乱光の比率であるのに対し、LSIは角度0.4〜1.2°の散乱光の強度に相当しており、クラリティーと同様に透けた感の指標となる。
上記テーバースティフネスの測定の際に得た未延伸シートについて、広角X線散乱(リガク社製、RAD−3Rシステム、X線源:Niフィルターで単色化したCuKα線)を測定した。β型結晶を有する場合には、得られたX線回折のプロファイルにおいて、2θ=16°付近にβ型結晶に特有な(300)反射に基づく散乱ピークが見られる。β晶分率の算出は、A.Turner Jones et al.;Macromol.Chem.75,134(1964)に記載された方法に従って行った。
特開2011−500907号の実施例に記載の調製法に従い、固体触媒成分を調製した。具体的には以下の通りである:
窒素でパージした500mLの4つ口丸底フラスコ中に、250mLのTiCl4を0℃において導入した。撹拌しながら、10.0gの微細球状MgCl2・1.8C2H5OH(USP−4,399,054の実施例2に記載の方法にしたがって、しかしながら10000rpmに代えて3000rpmで運転して製造した)、及び9.1ミリモルのジエチル−2,3−(ジイソプロピル)スクシネートを加えた。温度を100℃に上昇させ、120分間保持した。次に、撹拌を停止し、固体生成物を沈降させ、上澄み液を吸い出した。次に、以下の操作を2回繰り返した:250mLの新しいTiCl4を加え、混合物を120℃において60分間反応させ、上澄み液を吸い出した。固体を、60℃において無水ヘキサン(6×100mL)で6回洗浄した。
本発明のポリプロピレン樹脂組成物は、以下の方法で製造した:
実施例1
上記固体触媒と、トリエチルアルミニウム(TEAL)及びジシクロペンチルジメトキシシラン(DCPMS)を、固体触媒に対するTEALの質量比が18であり、TEAL/DCPMSの質量比が10となるような量で、室温において5分間接触させた。得られた触媒系を、液体プロピレン中において懸濁状態で20℃において5分間保持することによって予備重合を行った。
2段目の水素濃度を、実施例2では0.624mol%、実施例3では0.355mol%とし、それぞれ表1の(b6)と(b7)のプロピレン単独重合体を、1段目と2段目の滞留時間を制御することにより、(a1)と(b6)、(a1)と(b7)が表2の量比になる様にするとともに、重合圧力を調整することによって、重合体混合物(c)を得た。それ以外は実施例1と同様にしてプロピレン樹脂組成物を得た。
2段目の水素濃度を0.451mol%とし、表1の(b9)のプロピレン共重合体のマトリックスである単独重合体を重合した後、さらに3段目で共重合体(エチレン・プロピレン共重合体)を重合させた。1段目と2〜3段目の滞留時間を制御することにより、(b9)が表2の量比になる様にするとともに、重合温度、重合圧力を調整することによって、重合体混合物(c)を得た。その際、3段目の重合反応器中のエチレン濃度(C2/(C2+C3))と水素濃度((b9)のXSのIV調整の目的で使用)を、それぞれ0.246mol/mol、2.22mol%にするとともに、プロピレン共重合体(b9)中のエチレン・プロピレン共重合体の割合が18.5wt%になる様に、2段目と3段目の滞留時間分布を調整した。それ以外は実施例1と同様にしてプロピレン樹脂組成物を得た。
本発明の範囲に入らないポリマー組成物を製造した。比較例1〜2は、フタレート系の固体触媒を用いてプロピレンを重合させた例である。比較例1〜2で使用した固体触媒は、欧州特許第674991号に記載された方法により得られるものである。具体的には以下の通り製造した:
重合に用いる固体触媒を、欧州特許第674991号公報の実施例1に記載された方法により調製した。該固体触媒は、MgCl2上にTiと内部ドナーとしてのジイソブチルフタレートを上記の特許公報に記載された方法で担持させたものである。
(a)成分の融点および極限粘度と(b)成分が本発明の範囲に入らないポリマー組成物を製造した。LyondellBasell社製のRS1684(ポリプロピレン(a2)5.0質量%と比較例2で得られたポリプロピレン樹脂組成物95質量%とを混合し、得られた混合物を、押出機(ナカタニ社製、スクリュー径50mm)を用い、250℃で溶融混練して、ポリプロピレン組成物を得た。
本発明の範囲に入らないポリマー組成物を製造した。実施例1と同じ予備重合触媒物を重合反応器に導入し、水素0.284mol%とプロピレンをフィードし、重合温度80℃で、重合圧力を調整することによって、プロピレン単独重合体(表1のポリプロピレン(c比4))を得た。得られた重合体を実施例1と同様に溶融混練することにより、比較例4の組成物を得た。
本発明の範囲に入らないポリマー組成物を製造した。重合反応器中の水素濃度を0.517mol%に上昇させた以外は、比較例2と同様にしてプロピレン単独重合体(表1のポリプロピレン(c比5))を得た。得られた重合体を実施例1と同様に溶融混練することにより、比較例5の組成物を得た。
本発明の範囲に入らないポリマー組成物を製造した。比較例2で用いたフタレート系の固体触媒とTEAL/DCPMSから得られた予重合触媒を用いた以外は、実施例2と同様にして、1段目の重合反応器で高分子量のプロピレン単独重合体(表1のポリプロピレン(a4))を重合した後、2段目の重合反応器でプロピレン単独重合体(表1のポリプロピレン(b8))の重合を行い重合体混合物(c)を得た。その際、2段目の重合反応器での水素濃度を0.536mol%に変更した。得られた重合体混合物から実施例1と同様にして比較例6のプロピレン樹脂組成物を得た。
本発明の範囲に入らないポリマー組成物を製造した。比較例2で用いたフタレート系の固体触媒とTEAL/DCPMSから得られた予重合触媒を用いた以外は、実施例4と同様にして、1段目の重合反応器で高分子量のプロピレン単独重合体(表1のポリプロピレン(a4))を重合した後、2と3段目の重合反応器でプロピレン単独重合体とエチレン・プロピレン共重合体からなる重合体(表1のポリプロピレン(b10))の重合を行い、重合体混合物(c)を得た。その際、2段目の重合反応器での水素濃度を0.710mol%に変更するとともに、3段目の重合反応器での水素濃度とエチレン濃度(C2/(C2+C3))を、それぞれ5.52mol%と0.390mol/molに変更した。得られた重合体混合物から実施例1と同様にして比較例7のプロピレン樹脂組成物を得た。
(a)成分の極限粘度が本発明の範囲に入らないポリマー組成物を製造した。80℃において1段目の重合反応器に水素0.003mol%を導入して高分子量のプロピレン単独重合体(表1のポリプロピレン(a3))を重合した以外は、実施例2と同様にして重合体混合物(c)を得た。得られた重合体混合物から実施例1と同様にして比較例8のプロピレン樹脂組成物を得た。
(b)成分の極限粘度が本発明の範囲に入らないポリマー組成物を製造した。2段目の重合反応器の水素濃度を0.003mol%に変更してプロピレン単独重合体(表1のポリプロピレン(b11))を重合した以外は、実施例2と同様にして重合体混合物(c)を得た。得られた重合体混合物から実施例1と同様にして比較例9のプロピレン樹脂組成物を得た。
得られた各ポリプロピレン樹脂組成物のMFR、融解ピーク温度、Mw/Mn、分子量200万以上の成分の割合、ならびにメルトテンションを、表3に示した。また得られた各ポリプロピレン樹脂組成物から二軸延伸PPおよびシートを製造し、それぞれの特性を、上に説明したとおりに測定した。各二軸延伸PPおよびシートの特性を表3に示す。比較例5の組成物は、溶融張力の不足により、二軸延伸PPおよびシートの成形が出来なかった。比較例7の組成物は、溶融張力の不足により、二軸延伸PPの成形が出来なかった。比較例8および比較例9の組成物は、それぞれ、MFRが本発明の好ましい範囲を超え(比較例8)、本発明の範囲未満であり(比較例9)、二軸延伸PPおよびシートの成形に適さなかった。
Claims (6)
- (A)マグネシウム、チタン、ハロゲンおよびスクシネート系化合物から選択される電子供与体化合物を必須成分として含有する固体触媒;
(B)有機アルミニウム化合物;および
(C)ケイ素化合物から選択される外部電子供与体化合物
を含む触媒を用いて得たポリプロピレン樹脂組成物であって:
キシレン可溶分が5質量%以下、極限粘度が6〜20dl/g、示査熱分析の融解ピーク温度が160℃以上、かつ単独では流動性を示さない、高分子量ポリプロピレン重合体(a)0.1−10質量%と、
を含有し、下記(i)〜(iii):
(i)ポリプロピレン樹脂組成物のゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)による重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比(Mw/Mn)が10以上;
(ii)ポリプロピレン樹脂組成物のGPC法によって定められた分子量200万以上の成分の割合が2.5%以上;そして
(iii)ポリプロピレン樹脂組成物の230℃でのメルトフローレート(MFR)が1.0〜50g/10分
の条件を満たすことを特徴とする、前記ポリプロピレン樹脂組成物。 - ポリプロピレン重合体(a)及びポリプロピレン重合体(b)を、2段階以上の重合工程を逐次または連続的に実施する重合法により得ることを特徴とする請求項1のいずれかに記載のポリプロピレン樹脂組成物。
- 前期重合工程が予重合工程を含むこと特徴とする請求項1または2に記載のポリプロピレン樹脂組成物。
- 請求項1〜3のいずれかに記載のポリプロピレン樹脂組成物からなる層を有することを特徴とする二軸延伸ポリプロピレンフィルム。
- 請求項1〜3のいずれかに記載のポリプロピレン樹脂組成物からなる層を有することを特徴とするポリプロピレンシート。
- β晶分率が5%以上で、シートの厚みが500μmにおける拡散透過光値が30以下であることを特徴とする請求項5記載のポリプロピレンシート。
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