JP7153464B2 - ポリプロピレン組成物および成形体 - Google Patents

ポリプロピレン組成物および成形体 Download PDF

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Description

本発明は、ポリプロピレン組成物および成形体、より詳しくは射出成形用ポリプロピレン組成物および射出成形体に関する。
ポリプロピレンは、優れた物理的特性を有するため、種々の用途に用いられている。しかし、自動車内装材料として用いる場合には、より高い耐衝撃性、剛性および溶融流動性が求められている。例えば特許文献1には、A)0~10重量%のプロピレン以外のオレフィンを含有するプロピレンポリマーおよびB)5~40重量%のプロピレン以外のオレフィンを含有する少なくとも1つのプロピレンコポリマーを含み、プロピレンポリマーAおよびプロピレンコポリマーBは分離層として存在するプロピレンコポリマー組成物が開示されている。当該組成物は低温で良好な衝撃靱性を有する。特許文献2には、ポリプロピレン系樹脂組成物に対して溶融・混練過程で分子量降下剤を0.02~0.08重量部の割合で含有する混合物を溶融、混練して、低分子量化することにより得た溶融流動性の高い樹脂組成物が開示されている。また、特許文献3にはポリプロピレン系樹脂(A)40~80質量%と、エチレン・αオレフィン共重合体(B)5~30質量%と、無機充填剤(C)15~30質量%とを含むポリプロピレン系樹脂組成物が開示されている。当該組成物は高い低温耐衝性を有する。
特表2005-529227号公報 特許第3955707号 特開2015-113363号公報
しかしながら、特許文献1に記載の組成物は溶融流動性が十分ではない。溶融流動性を向上させるために、組成物に特許文献2に記載の分子量降下剤を添加することが有効ではある。しかし、分子量降下剤である有機過酸化物を添加し溶融および混練して得られるポリプロピレン系樹脂組成物は、高分子量成分ほど分子切断されやすくなるので分子量分布が狭くなることが知られている。分子量分布の狭い組成物を用いて射出成形を行なうと、成形品表面でフローマークやシルバーストリーク(銀条)といった外観不具合の発生原因になりうる。さらには、分子量降下による揮発性成分の発生や有機過酸化物の残渣の影響により、臭いやVOC(揮発性有機化合物)大気放出等の環境被害または健康被害といった問題を引き起こす可能性が懸念される。当該組成物が特許文献2に記載の自動車フェンダー限定で使用される場合は問題ないが、自動車内装材や食品包装材等の使用者への影響が大きくかつ市場へ安価大量に提供される用途に用いられる場合は前記問題が懸念される。また、特許文献3に記載の組成物は、溶融流動性は向上しているが剛性と耐衝撃性のバランスが満足のいくレベルではない。耐衝撃性と剛性のバランスを高めるためにはエチレン・αオレフィン共重合体(B)の含有量を向上させることが有効である。しかし、このような組成物は生産性の優れるポリプロピレン系樹脂(A)の含有量を抑制することになり、市場へ大量安価に提供するという観点からは適切ではない。一方、ポリプロピレン系樹脂(A)の含有量を抑制することなく剛性と耐衝撃性のバランスを高める方法として、(A)に含まれるエチレン・プロピレン共重合体の含有量を増やすことが有効ではある。しかし、従来の製造方法でこのような組成物を製造すると、重合反応器内で生成した粉体のポリマーが貯蔵または移送される際に粒子同士が固着するかあるいは粒子が容器または配管壁に固着して粉体流動性が低下することによって製造が困難になる。特に、溶融流動性の優れる組成物ほど低分子量成分を多く含むために粉体表面でべたつきやすく粉体流動性が悪化する傾向にあり、安定的な連続生産が困難であった。かかる事情を鑑み、本発明は有機過酸化物を添加することなく溶融流動性、剛性および耐衝撃性のバランスに優れ、安定的に生産され、かつ外観良好な射出成形体を得るのに好適なポリプロピレン組成物を提供することを課題とする。
発明者らは、特定のポリプロピレン組成物が前記課題を解決することを見出した。すなわち、前記課題は以下の本発明によって解決される。
[1]成分(1)として、MFR(温度230℃、荷重2.16kg)が100~300g/10分、キシレン不溶分(XI)が97.5重量%以上であり、XIのGPCにより測定したMw/Mnが4~10であるプロピレン単独重合体、
成分(2)として、15~50重量%のエチレン由来単位を含むエチレン-プロピレン共重合体、からなる重合体を含み、
以下の要件:
1)成分(1)と成分(2)の重量比が50以上70未満:30を超え50以下である
2)前記重合体のキシレン可溶分の極限粘度(XSIV)が1.5~4.0dl/gである
3)前記重合体のMFR(温度230℃、荷重2.16kg)が20~100g/10分である、を満たす、ポリプロピレン組成物。
[2]前記成分(1)が平均粒子径(直径)1.5~4.0mm、平均気孔直径(Dn)8~50μmの多孔質粒子であり、
成分(1)と成分(2)からなる前記重合体が粉体であり、かつその粉体流動性が3.5以下である、[1]に記載のポリプロピレン組成物。
[3]前記[1]または[2]に記載のポリプロピレン組成物を用いて形成されたペレット性状のポリプロピレン組成物。
[4]前記[1]~[3]のいずれかに記載のポリプロピレン組成物を射出成形して得られる成形体。
本発明により、有機過酸化物を添加することなく溶融流動性、剛性および耐衝撃性のバランスに優れ、安定的に生産され、かつ外観良好な射出成形体を得るのに好適なポリプロピレン組成物および射出成形体を提供できる。
発明の実施するための形態
以下、本発明を詳細に説明する。「X~Y」はその端値であるXおよびYを含む。
1.ポリプロピレン組成物
本発明のポリプロピレン組成物は、以下の成分(1)および成分(2)からなる重合体を含む。
成分(1):MFR(温度230℃、荷重2.16kg)が100~300g/10分、キシレン不溶分(XI)が97.5重量%以上であり、XIのGPCにより測定したMw/Mnが4~10であるプロピレン単独重合体
成分(2):15~50重量%のエチレン由来単位を含むエチレン-プロピレン共重合体
(1)成分(1)
成分(1)はMFR(温度230℃、荷重2.16kg)が100~300g/10分、キシレン不溶分(XI)が97.5重量%以上であり、XIのGPCにより測定したMw/Mnが4~10であるプロピレン単独重合体である。当該プロピレン単独重合体成分には、共重合体成分を含む重合体の製造時に発生するリサイクルガス等により、0.5重量%未満のプロピレン以外のモノマー単位が含まれていてもよい。成分(1)のMFRが前記範囲の下限値以上であれば組成物の溶融流動性に優れ、上限値以下であれば組成物の耐衝撃性に優れる。このような観点から成分(1)のMFRは150~300g/10分が好ましく、180~300g/10分がさらに好ましい。XIが前記範囲の下限値以上であれば組成物の剛性や耐衝撃性等の機械物性のバランスに優れる。この観点からXIは98.0重量%以上が好ましく、98.3重量%以上がさらに好ましい。XIのGPCにより測定したMw/Mnは前記範囲の下限値以上であれば成形品表面でフローマークやシルバーストリーク(銀条)等の不良が生じにくく外観が優れ、上限値以下であれば耐衝撃性に優れる。この観点からMw/Mnは4~8が好ましく、5~7がさらに好ましい。
成分(1)は粉体であることが好ましく、その粒子の平均粒子径(直径)は1.5~4.0mmであることが好ましく、1.5~3.0mmであることがさらに好ましい。平均粒子径はJIS Z8901で定義される光学顕微鏡法によって撮影した粒子の直径の算術平均であるが、一態様において1gあたりの粒子個数を計測することで1個あたりの平均重量を求め、嵩密度から1個あたりの平均体積を求め、平均体積から球形状の平均直径として算出することにより得られる。ここで、嵩密度は密閉容器中に詰めた成分(1)の容積(嵩容積)を重量で割ることによって測定できる。平均粒子径が1.5mmより小さい場合は粉体の表面が増えるためにべたつきやすくなり粉体流動性が悪化すると考えられる。平均粒子径が4.0mmを超える場合は壊れやすく微粉が発生しやすくなり、反応槽内での壁面付着や配管輸送工程での閉塞等の原因となるために好ましくない。
成分(1)は多孔質粒子であることが好ましく、その平均気孔直径Dnは8~50μmであることが好ましい。DnはJIS R1655に従い水銀圧入法により測定される気孔直径Dの平均値である。Dnがこの範囲にあることで 成分(1)と成分(2)からなる重合体(重合混合物)の粉体流動性が向上する。この観点から、Dnはさらに好ましくは8~30μm、特に好ましくは8~15μmである。特定のDnによって粉体流動性が向上するメカニズムについては後述する。
(2)成分(2)
成分(2)はエチレン-プロピレン共重合体であり、15~50重量%のエチレン由来単位を含む。エチレン由来単位の含有量の上限値は50重量%以下であるが、40重量%以下が好ましく、35重量%以下であることがさらに好ましい。当該量が上限値を超えると重合反応器内で生成した成分(1)と成分(2)からなる粉状の重合体の流動性である粉体流動性が悪化して製造安定性が低下する。エチレン由来単位の下限値は15重量%以上であるが、20重量%以上が好ましい。当該量が下限値未満であると耐衝撃性が低下する。
(3)組成比
成分(1)と成分(2)の組成比(重量比)は50以上70未満:30を超え50以下であるが、55以上70未満:30を超え45以下が好ましく、55~65:35~45がより好ましい。成分(1)の量が上限値以上であると耐衝撃性が低下する。当該量が下限値未満であると粉体流動性が悪化するので製造安定性が低下する。
(4)成分(1)と成分(2)からなる重合体の特性
1)XSIV
本発明のポリプロピレン組成物を構成する成分(1)と成分(2)からなる重合体のキシレン可溶分(XS)の極限粘度(XSIV)は、当該重合体における結晶性を持たない成分の分子量の指標である。XSIVは25℃のキシレンに可溶な成分を得て、当該成分の極限粘度を定法にて測定することで求められる。本発明においてXSIVは1.5~4.0dl/gであるが、1.5~3.5が好ましく、1.5~3.0がより好ましい。XSIVが上限値を超えると溶融流動性が低下する。XSIVが下限値未満であると耐衝撃性が低下するとともに、粉体流動性も悪化することで製造安定性が低下する。
2)MFR
本発明の成分(1)と成分(2)からなる重合体のMFRは、温度230℃、荷重2.16kgで測定され、その値は、20~100g/10分であるが、好ましくは25~60g/10分、さらに好ましくは28~50g/10分である。MFRが上限値を超えると耐衝撃性が低下するとともに重合体の製造が困難となる。またMFRが下限値未満であると組成物の射出成形性が低下する。
3)構造等
本発明のポリプロピレン組成物は、成分(1)と(2)からなる重合体と、必要に応じて後述する添加剤や充填材等の他成分を含む。本発明の成分(1)と(2)からなる重合体においては、成分(1)の中に成分(2)が分散した構造を有することが好ましく、成分(1)の気孔部内に成分(2)が保持されていることが好ましい。例えば、多孔質粒子である成分(1)の気孔部内に、粘弾性体である成分(2)が保持され、重合体としては粉体であることが好ましい。そして当該粉体は3.5以下の粉体流動性を有することがより好ましい。粉体流動性とは重合反応器内で生成した粉状ポリマーの流動性であり、重合体の製造安定性の指標である。具体的に粉体流動性は、基材に載置した粉体に一定温度で一定荷重を一定時間加えた後で荷重を除去し、基材を傾ける等により粉体を流動させた際の粉体の流動しやすさを定量化した値である。粉体流動性は値が低いほど粉体流動性が良好であり、製造安定性も良好となる。前記重合体の粉体流動性は3.5以下であることが好ましく、3.0以下であることがより好ましく、2.0以下であることがさらに好ましい。当該構造と成分(1)が前述の範囲の平均気孔直径Dnを有することで成分(1)と(2)からなる重合体の粉体流動性が向上する。この理由は限定されないが、成分(1)が前述の範囲のDnを有すると、成分(1)中に成分(2)が存在するために十分な気孔の大きさと気孔の表面積の総和を両立できる結果、成分(2)が成分(1)中に保持されやすくなるので重合体の粉体流動性が向上するが、Dnが前記範囲外であると、成分(2)が成分(1)中に保持されにくくなるので重合体の粉体流動性が悪化すると推察される。
粉体流動性は以下の方法で測定される。
金属基材上(第1の基材)に縦5cm×横5cm×高さ1cmの開口部のある枠を置き、当該枠内に試料として5gの成分(1)と(2)からなる粉体の重合体を敷き詰める。試料にかかる圧力が均一に23g/cmとなるよう、第2の基材を前記枠の上に載せる。枠内の試料を70℃で20分間保持した後に枠と第2の基材を除去し、試料が載置された第1の基材を傾けることにより試料の崩れ度合いを以下の基準で評価する。
1. 0°以上30°未満に傾けると全量が崩れ落ちる
2. 30°以上50°未満に傾けると全量が崩れ落ちる
3. 50°以上70°未満に傾けると全量が崩れ落ちる
4. 70°以上90°未満に傾けると全量が崩れ落ちる
5. 90°以上に傾けても全量が崩れ落ちることはない
第1の基材および第2の基材としては、伝熱性や繰返し使用時の防錆性の観点からステンレス鋼製であることが好ましい。また、第1の基材に関しては粉体との摩擦の影響をなくすため、表面粗度(最大粗さRy)が1μm以下であることが好ましい。
(6)他の成分
本発明のポリプロピレン組成物には、酸化防止剤、塩素吸収剤、耐熱安定剤、光安定剤、紫外線吸収剤、内部滑剤、外部滑剤、アンチブロッキング剤、帯電防止剤、防曇剤、難燃剤、分散剤、造核剤、銅害防止剤、中和剤、可塑剤、気泡防止剤、架橋剤、油展および他の有機および無機顔料などの当該分野で通常用いられる慣用の添加剤を添加してもよい。各添加剤の添加量は公知の量としてよい。また本発明のポリプロピレン組成物には、本発明の効果を損なわない範囲で、前記樹脂成分以外の樹脂またはエラストマーを1種以上含有してもよい。
また、本発明のポリプロピレン組成物は、本発明の効果を損なわない範囲で前述の添加剤以外の成分として充填材を含んでいてもよい。充填材は主に材料の剛性を向上する目的で添加され、例えば、タルク、クレー、炭酸カルシウム、水酸化マグネシウム、ガラスファイバー等の無機充填材、カーボンファイバー、セルロースファイバー等の有機充填材が挙げられる。これらの充填材の分散性を向上させるため、必要に応じて、充填材の表面処理を行ってもよく、また充填材と樹脂とのマスターバッチを調製してしてもよい。ポリオレフィンとの混合性に優れかつ成形体の剛性を向上させやすいという観点から、充填材の中でもタルクが好ましい。充填材の含有量は公知の量としてよい。
(6)ペレット
本発明のポリプロピレン組成物は成分(1)と成分(2)からなる重合体と、必要に応じて前記添加剤や充填材等の他成分を含み、その性状は粉体であってよいが、溶融および混練によりペレットとすることができる。ペレットとは球状、楕円体状、円柱状、角柱状等の一定形状に造粒(ペレタイズ)した成形体である。一態様においてペレットは、本発明のポリプロピレン組成物を構成する成分(1)と成分(2)からなる粉体の重合体を溶融および混練後に押出してカッターやペレタイザーで裁断して製造される。本発明のポリプロピレン組成物のペレットは溶融混練時に有機過酸化物による分解を経ることなしに優れた流動性を発現する。上述のとおり有機過酸化物による分解により流動性(MFR)を上げると分子量分布が狭くなる、すなわち成分(1)のXIのMw/Mnが低下する。本発明のペレットにおいては、有機過酸化物による分解を経ないので、XIのMw/Mnが所定の範囲に維持される。ペレットの大きさは特に限定されないが、一粒当たり10~40mg程度の重さを有することが好ましい。造粒する際に本発明のポリプロピレン組成物を構成する重合体に前記他の成分を追加で添加する、あるいは造粒した後のペレットに前記他の成分を混合したものを組成物とすることもできる。
2.製造方法
本発明のポリプロピレン組成物は、公知の方法に従って製造される。例えば、成分(1)の原料モノマーおよび成分(2)の原料モノマーを、2つ以上の反応器を用いて重合することによって本発明のポリプロピレン組成物を構成する重合体を製造できる。特に、成分(1)の原料モノマーを重合して成分(1)の単独重合体を製造し、当該単独重合体の存在下において成分(2)の原料モノマーを重合して共重合体を製造することが好ましい。成分(1)および成分(2)の重合は液相中、気相中又は液-気相中で実施できる。
重合には、(a)マグネシウム、チタン、ハロゲン、および内部電子供与体を含有する固体触媒、(b)有機アルミニウム化合物、必要に応じて(c)外部電子供与体化合物を含むチーグラー・ナッタ触媒や、メタロセン触媒を用いることができる。
(1)固体触媒(成分(a))
成分(a)は、公知の方法、例えばマグネシウム化合物とチタン化合物と電子供与体化合物を相互接触させることにより調製できる。その際、方法は限定されないが、固体触媒の構成成分、溶媒、分散剤の種類の選択、溶媒の温度や撹拌速度により成分中に含まれる各々の化合物の相互接触の度合いと析出条件を調整することで、得られる触媒粒子の平均直径(平均粒子径)や平均気孔直径を所望の範囲内に制御できる。重合体粒子は触媒粒子と相似形を有する所謂レプリカであることから、上述のように触媒粒子の形状を制御することで、その触媒を用いて重合されたプロピレン単独重合体(成分(1))の平均粒子径(直径)や平均気孔直径(Dn)が所定の範囲に維持される。
成分(a)の調製に用いられるチタン化合物として、一般式:Ti(OR)4-gで表される4価のチタン化合物が好適である。式中、Rは炭化水素基、Xはハロゲン、0≦g≦4である。チタン化合物として、より具体的にはTiCl、TiBr、TiIなどのテトラハロゲン化チタン;Ti(OCH)Cl、Ti(OC)Cl、Ti(O-C)Cl、Ti(OC)Br、Ti(OisoC)Brなどのトリハロゲン化アルコキシチタン;Ti(OCHCl、Ti(OCCl、Ti(O-CCl、Ti(OCBrなどのジハロゲン化アルコキシチタン;Ti(OCHCl、Ti(OCCl、Ti(O-CCl、Ti(OCBrなどのモノハロゲン化トリアルコキシチタン;Ti(OCH、Ti(OC、Ti(O-Cなどのテトラアルコキシチタンなどが挙げられる。これらの中で好ましいものはハロゲン含有チタン化合物、特にテトラハロゲン化チタンであり、特に好ましいものは、四塩化チタンである。
成分(a)の調製に用いられるマグネシウム化合物としては、マグネシウム-炭素結合やマグネシウム-水素結合を有するマグネシウム化合物、例えばジメチルマグネシウム、ジエチルマグネシウム、ジプロピルマグネシウム、ジブチルマグネシウム、ジアミルマグネシウム、ジヘキシルマグネシウム、ジデシルマグネシウム、エチル塩化マグネシウム、プロピル塩化マグネシウム、ブチル塩化マグネシウム、ヘキシル塩化マグネシウム、アミル塩化マグネシウム、ブチルエトキシマグネシウム、エチルブチルマグネシウム、ブチルマグネシウムハイドライドなどが挙げられる。これらのマグネシウム化合物は、例えば有機アルミニウム等との錯化合物の形で用いることもでき、また、液状であっても固体状であってもよい。さらに好適なマグネシウム化合物として、塩化マグネシウム、臭化マグネシウム、ヨウ化マグネシウム、フッ化マグネシウムのようなハロゲン化マグネシウム;メトキシ塩化マグネシウム、エトキシ塩化マグネシウム、イソプロポキシ塩化マグネシウム、ブトキシ塩化マグネシウム、オクトキシ塩化マグネシウムのようなアルコキシマグネシウムハライド;フェノキシ塩化マグネシウム、メチルフェノキシ塩化マグネシウムのようなアリロキシマグネシウムハライド;エトキシマグネシウム、イソプロポキシマグネシウム、ブトキシマグネシウム、n-オクトキシマグネシウム、2-エチルヘキソキシマグネシウムのようなアルコキシマグネシウム;フェノキシマグネシウム、ジメチルフェノキシマグネシウムのようなアリロキシマグネシウム;ラウリン酸マグネシウム、ステアリン酸マグネシウムのようなマグネシウムのカルボン酸塩などを挙げることができる。
成分(a)の調製に用いられる電子供与体化合物は、一般には「内部電子供与体化合物」と称される。本発明においては、フタレート系化合物、スクシネート系化合物、ジエーテル系化合物、特開2013-28704号公報に記載のジフェニルジカルボン酸エステル、特開2014-201602号公報に記載のシクロヘキセンジカルボン酸エステル、特開2013-28705号公報に記載のジシクロアルキルジカルボン酸エステル、特許第4959920号に記載のジオールジベンゾエート、国際公開第2010/078494に記載の1,2-フェニレンジベンゾエート等の公知のものを使用できる。
(2)有機アルミニウム化合物(成分(b))
成分(b)の有機アルミニウム化合物としては以下が挙げられる。
トリエチルアルミニウム、トリブチルアルミニウムなどのトリアルキルアルミニウム;
トリイソプレニルアルミニウムのようなトリアルケニルアルミニウム:
ジエチルアルミニウムエトキシド、ジブチルアルミニウムブトキシドなどのジアルキルアルミニウムアルコキシド;
エチルアルミニウムセスキエトキシド、ブチルアルミニウムセスキブトキシドなどのアルキルアルミニウムセスキアルコキシド;
エチルアルミニウムジクロリド、プロピルアルミニウムジクロリド、ブチルアルミニウムジブロミドなどのようなアルキルアルミニウムジハロゲニドなどの部分的にハロゲン化されたアルキルアルミニウム;
ジエチルアルミニウムヒドリド、ジブチルアルミニウムヒドリドなどのジアルキルアルミニウムヒドリド;
エチルアルミニウムジヒドリド、プロピルアルミニウムジヒドリドなどのアルキルアルミニウムジヒドリドなどの部分的に水素化されたアルキルアルミニウム;
エチルアルミニウムエトキシクロリド、ブチルアルミニウムブトキシクロリド、エチルアルミニウムエトキシブロミドなどの部分的にアルコキシ化およびハロゲン化されたアルキルアルミニウム。
(3)電子供与体化合物(成分(c))
成分(c)の電子供与体化合物は、一般に「外部電子供与体化合物」と称される。このような化合物としては有機ケイ素化合物が好ましい。好ましい有機ケイ素化合物として以下が挙げられる。
トリメチルメトキシシラン、トリメチルエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジイソプロピルジメトキシシラン、t-ブチルメチルジメトキシシラン、t-ブチルメチルジエトキシシラン、t-アミルメチルジエトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、フェニルメチルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、ビスo-トリルジメトキシシラン、ビスm-トリルジメトキシシラン、ビスp-トリルジメトキシシラン、ビスp-トリルジエトキシシラン、ビスエチルフェニルジメトキシシラン、ジシクロペンチルジメトキシシラン、ジシクロヘキシルジメトキシシラン、シクロヘキシルメチルジメトキシシラン、シクロヘキシルメチルジエトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、n-プロピルトリエトキシシラン、デシルトリメトキシシラン、デシルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、γ-クロルプロピルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、t-ブチルトリエトキシシラン、テキシルトリメトキシシラン、n-ブチルトリエトキシシラン、iso-ブチルトリエトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、γ-アミノプロピルトリエトキシシラン、クロルトリエトキシシラン、エチルトリイソプロポキシシラン、ビニルトリブトキシシラン、シクロヘキシルトリメトキシシラン、シクロヘキシルトリエトキシシラン、2-ノルボルナントリメトキシシラン、2-ノルボルナントリエトキシシラン、2-ノルボルナンメチルジメトキシシラン、ケイ酸エチル、ケイ酸ブチル、トリメチルフエノキシシラン、メチルトリアリルオキシシラン、ビニルトリス(β-メトキシエトキシシラン)、ビニルトリアセトキシシラン、ジメチルテトラエトキシジシロキサン、メチル(3,3,3-トリフルオロ-n-プロピル)ジメトキシシラン、シクロヘキシルエチルジメトキシシラン、シクロペンチル-t-ブトキシジメトキシシラン、ジイソブチルジメトキシシラン、イソブチルイソプロピルジメトキシシラン、n-プロピルトリメトキシシラン、ジ-n-プロピルジメトキシシラン、テキシルトリメトキシシラン、t-ブチルエチルジメトキシシラン、t-ブチルプロピルジメトキシシラン、t-ブチル-t-ブトキシジメトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、シクロヘキシルイソブチルジメトキシシラン、ジ-sec-ブチルジメトキシシラン、イソブチルメチルジメトキシシラン、ビス(デカヒドロイソキノリン-2-イル)ジメトキシシラン、ジエチルアミノトリエトキシシラン、ジシクロペンチル-ビス(エチルアミノ)シラン、テトラエトキシシラン、テトラメトキシシラン、イソブチルトリエトキシシラン。
中でも、エチルトリエトキシシラン、n-プロピルトリエトキシシラン、n-プロピルトリメトキシシラン、t-ブチルトリエトキシシラン、t-ブチルメチルジメトキシシラン、t-ブチルメチルジエトキシシラン、t-ブチルエチルジメトキシシラン、t-ブチルプロピルジメトキシシラン、t-ブチルt-ブトキシジメトキシシラン、t-ブチルトリメトキシシラン、i-ブチルトリメトキシシラン、イソブチルメチルジメトキシシラン、i-ブチルセク-ブチルジメトキシシラン、エチル(パーヒドロイソキノリン2-イル)ジメトキシシラン、ビス(デカヒドロイソキノリン-2-イル)ジメトキシシラン、トリ(イソプロペニロキシ)フェニルシラン、テキシルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、ビニルトリブトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジイソプロピルジメトキシシラン、ジイソブチルジメトキシシラン、i-ブチルi-プロピルジメトキシシラン、シクロペンチルt-ブトキシジメトキシシラン、ジシクロペンチルジメトキシシラン、シクロヘキシルメチルジメトキシシラン、シクロヘキシルi-ブチルジメトキシシラン、シクロペンチルi-ブチルジメトキシシラン、シクロペンチルイソプロピルジメトキシシラン、ジ-sec-ブチルジメトキシシラン、ジエチルアミノトリエトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラメトキシシラン、イソブチルトリエトキシシラン、フェニルメチルジメトキシシラン、フェニルトリエトキシラン、ビスp-トリルジメトキシシラン、p-トリルメチルジメトキシシラン、ジシクロヘキシルジメトキシシラン、シクロヘキシルエチルジメトキシシラン、2-ノルボルナントリエトキシシラン、2-ノルボルナンメチルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、メチル(3、3、3-トリフルオロプロピル)ジメトキシシラン、ケイ酸エチルなどが好ましい。
(4)重合
上記のとおりに調製した触媒に原料モノマーを接触させて重合する。この際、まず前記触媒を用いて予重合を行うことが好ましい。予重合とは、その後の原料モノマーの本重合の足がかりとなるポリマー鎖を固体触媒成分に形成させる工程である。予重合は公知の方法で行うことができる。予重合は、通常は40℃以下、好ましくは30℃以下、より好ましくは20℃以下で行われる。次いで、予重合した触媒(予重合触媒)を重合反応系内に導入して、原料モノマーの本重合を行う。重合は、液相中、気相中または液-気相中で実施してよい。重合温度は常温~150℃が好ましく、40℃~100℃がより好ましい。重合圧力は、液相中で行われる場合には好ましくは3.3~6.0MPaの範囲であり、気相中で行われる場合には好ましくは0.5~3.0MPaの範囲である。連鎖移動剤(たとえば、水素またはZnEt)などの当該分野で公知の慣用の分子量調節剤を用いてもよい。
また、モノマー濃度や重合条件の勾配を有する重合器を用いてもよい。このような重合器では、例えば、少なくとも2つの重合領域が接続されたものを使用し、気相重合でモノマーを重合することができる。具体的には、触媒の存在下、上昇管からなる重合領域にてモノマーを供給して重合し、上昇管に接続された下降管にてモノマーを供給して重合し、上昇管と下降管とを循環しながら、ポリマー生成物を回収する。この方法は、上昇管中に存在する気体混合物が下降管に入るのを全面的または部分的に防止する手段を備える。また、上昇管中に存在する気体混合物とは異なる組成を有する気体または液体混合物を下降管中に導入する。上記の重合方法として、例えば、特表2002-520426号公報に記載された方法を適用することができる。
3.用途
本発明のポリプロピレン組成物は射出成形用樹脂組成物として最適である。本発明のポリプロピレン組成物は高い溶融流動性に加え、高い剛性と耐衝撃性のバランスを有する。具体的に本発明のポリプロピレン組成物は以下の特性を備えることが好ましい。
1)剛性(曲げ弾性率):JIS K6921-2
本発明のポリプロピレン組成物は、好ましくは700MPa以上、より好ましくは800MPa以上、さらに好ましくは900MPa以上の曲げ弾性率を有する。
2)シャルピー衝撃強さ:JIS K6921-2
本発明のポリプロピレン組成物は、好ましくは20kJ/m以上、より好ましくは25kJ/m以上、さらに好ましくは30kJ/m以上のシャルピー衝撃強さを有する。
3)引張破壊呼びひずみ:JIS K6921-2
本発明のポリプロピレン組成物は、好ましくは20%以上、より好ましくは30%以上、さらに好ましくは40%以上の引張破壊呼びひずみを有する。
本発明のポリプロピレン組成物は、従来のようにMFRが低い重合体を一旦製造し、分子量降下剤である有機過酸化物を添加し溶融および混練することでMFRを向上させて得た組成物とは異なる。そのため、製造時のVOC量が低く、かつ臭気の問題もない。
本発明のポリプロピレン組成物は前記物性を有するので、自動車内装材料や食品包装材料として有用である。本発明のポリプロピレン組成物を射出成形して、直接、製品とすることもできるが、射出成形してシート等の薄肉成形体とし、さらにこれを真空成形法や圧空成形法等の二次加工に供することによって製品とすることもできる。本発明のポリプロピレン組成物の用途は上記に限定されず一般雑貨用途等にも有用である。
[実施例1]
MgCl上にTiと内部ドナーとしてのジイソブチルフタレートを担持させた固体触媒を、欧州特許第728769号公報の実施例5の46~53行に記載された方法により調製した。具体的には下記のように行った。
微小長球形MgCl・2.1COHを、次のようにして製造した。タービン撹拌機および吸引パイプを備えた2Lオートクレーブ中に、不活性ガス中、常温で、無水MgCl 48g、無水COH 77g、および灯油830mLを入れた。内容物を撹拌しながら120℃に加熱することにより、MgClとアルコールの間の付加物が生じたが、この付加物を融解し、分散剤と混合した。オートクレーブ内の窒素圧を15気圧に維持した。オートクレーブの吸引パイプを加熱ジャケットを用いて外部から120℃に加熱した。吸引パイプは内径が1mmで、加熱ジャケットの一端から他端までの長さが3mであった。このパイプを通して混合物を7m/secの速度で流した。パイプの出口にて、灯油2.5Lを含み、初期温度を-40℃に維持したジャケットで外部から冷却されている5Lフラスコ中に、分散液を撹拌しながら採取した。分散液の最終温度は0℃であった。エマルションの分散相を構成する球状固体生成物を沈降させ、濾過して分離し、ヘプタンで洗浄して乾燥した。これらの操作はすべて不活性ガス雰囲気中で行った。最大直径が50μm以下の固体球状粒子形のMgCl・3COHを得た。収量は130gであった。こうして得られた生成物から、MgCl 1モルあたりのアルコール含有量が2.1モルに減少するまで、窒素気流中で温度を50℃から100℃に徐々に上昇してアルコールを除去した。
濾過バリヤーを備えた500mL円筒形ガラス製反応器に0℃で、TiCl 225mLを入れ、さらに上記のようにして得た微小長球形MgCl・2.1COH 10.1g(54mmol)を、内容物を撹拌しながら15分間かけて入れた。その後、温度を40℃に上げフタル酸ジイソブチル9mmolを入れた。温度を1時間かけて100℃に上げ、撹拌をさらに2時間続行した。次いで、TiClを濾過により除去し、120℃でさらに1時間撹拌しながらTiCl 200mLを加えた。最後に、内容物を濾過し、濾液から塩素イオンが完全に消失するまで60℃のn-ヘプタンで洗浄した。このようにして得た触媒成分は、Ti=3.3重量%、フタル酸ジイソブチル=8.2重量%を含んでいた。
次いで、上記固体触媒と、有機アルミニウム化合物としてトリエチルアルミニウム(TEAL)と、外部電子供与体化合物としてジシクロペンチルジメトキシシラン(DCPMS)を用い、固体触媒に対するTEALの重量比が20、DCPMSに対するTEALの重量比が10となる量で、12℃において24分間これらを接触させて触媒を得た。
得られた触媒を、液体プロピレン中において懸濁状態で20℃にて5分間保持することによって予重合を行い、予重合物を得た。得られた予重合物を、二段の重合反応器を直列に備える重合装置の一段目の重合反応器に導入し、さらにプロピレンを供給して重合を行い、成分(1)であるプロピレン単独重合体を製造した。得られた粉状のプロピレン単独重合体成分(1)の平均粒子径は2.2mm、平均気孔直径は9.4μmであった。二段目の重合反応器に、前記プロピレン単独重合体、エチレン、プロピレンを供給して重合を行い、成分(2)であるエチレン-プロピレン共重合体を製造した。これにより、成分(1)と成分(2)からなる重合体を得た。
重合中は、温度と圧力を調整し、水素を分子量調整剤として用いた。重合温度と反応物の比率は、一段目の重合反応器では、重合温度、水素濃度がそれぞれ70℃、2.44モル%、二段目の重合反応器では、重合温度、水素濃度、C2/(C2+C3)のモル比が、それぞれ80℃、1.88モル%、0.21モル比であった。C2、C3はそれぞれエチレン、プロピレンを示す。また、成分(2)であるエチレン-プロピレン共重合体成分の成分(1)と成分(2)からなるポリプロピレン重合体に対する比率(成分(2)/[成分(1)+成分(2)])が36.0重量%となるように一段目と二段目の滞留時間分布を調整した。成分(1)、成分(2)、および成分(1)と成分(2)からなる重合体の特性データを表1に示す。
成分(1)と成分(2)からなる重合体100重量部に対し、酸化防止剤としてBASF社製B225を0.25重量部、中和剤として協和化学工業株式会社製DHT-4Aを0.05重量部、耐候剤として株式会社ADEKA製アデカスタブLA502XPを0.2重量部、結晶核剤として株式会社ADEKA製アデカスタブNA18を0.2重量部、帯電防止剤としてグリセリンモノステアレートを0.1重量部配合し、ヘンシェルミキサーで1分間撹拌して混合した。株式会社テクノベル製15mmφ同方向二軸押出機を用いてシリンダ温度230℃で当該混合物を溶融混練し押出し、ストランドを水中で冷却した後、ペレタイザーでカットし、重合体を含むペレット状のポリプロピレン組成物を得た。後述する方法により当該ポリプロピレン組成物を評価した。結果を同じく表1に示す。
[実施例2]
一段目の反応器の水素濃度の2.17モル%に、二段目の反応器の水素濃度を2.21モル%に変更し、成分(2)/[成分(1)+成分(2)]が37.2重量%となるように一段目と二段目の滞留時間分布を調整した以外は、実施例1と同様にしてポリプロピレン組成物を製造し評価した。
[実施例3]
一段目の反応器の水素濃度の2.17モル%に、二段目の反応器のC2/(C2+C3)のモル比を0.20モル比に変更し、成分(2)/[成分(1)+成分(2)]が34.4重量%となるように一段目と二段目の滞留時間分布を調整した以外は、実施例1と同様にしてポリプロピレン組成物を製造し評価した。
[実施例4]
一段目の反応器の水素濃度の2.48モル%に、二段目の反応器の水素濃度とC2/(C2+C3)のモル比を2.04モル%と0.27モル比に変更した以外は、実施例2と同様にしてポリプロピレン組成物を製造し評価した。
[実施例5]
一段目の反応器の水素濃度の2.74モル%に、二段目の反応器の水素濃度とC2/(C2+C3)のモル比を1.75モル%と0.17モル比に変更した以外は、実施例2と同様にしてポリプロピレン組成物を製造し評価した。
比較例6]
MgCl上にTiと内部ドナーとしてのジイソブチルフタレートを担持した固体触媒を、特開2004-27218公報の段落0032の21~36行に記載された方法により調製した。具体的には下記のように行った。
窒素雰囲気下、120℃にて、無水塩化マグネシウム56.8gを、無水エタノール100g、出光興産株式会社製のワセリンオイル「CP15N」500mLおよび信越シリコーン株式会社製のシリコーン油「KF96」500mLに完全に溶解した。この溶液を、特殊機化工業株式会社製のTKホモミキサーを用いて120℃、5000回転/分で2分間撹拌した。撹拌を保持しながら、2Lの無水ヘプタン中に0℃を越えないようにして注いだ。得られた白色固体を無水ヘプタンで十分に洗浄し室温下で真空乾燥し、さらに窒素気流下で部分的に脱エタノール化し、MgCl・1.2COHの球状固体30gを得た。
MgCl・1.2COHの球状固体30gを無水ヘプタン200mL中に懸濁した。0℃で撹拌しながら、四塩化チタン500mLを1時間かけて滴下した。次に、加熱を始めて40℃になったところで、フタル酸ジイソブチル4.96gを加えて、100℃まで約1時間で昇温した。100℃で2時間反応した後、熱時濾過にて固体部分を採取した。その後、この反応物に四塩化チタン500mLを加え撹拌した後、120℃で1時間反応を行った。反応終了後、再度、熱時濾過にて固体部分を採取し、60℃のヘキサン1.0Lで7回、室温のヘキサン1.0Lで3回洗浄して固体触媒を得た。得られた固体触媒成分中のチタン含有率を測定したところ、2.36重量%であった。
当該固体触媒を用いて実施例1と同様にしてポリプロピレン組成物を製造し評価した。ただし、一段目の反応器の水素濃度を2.24モル%に、二段目の反応器の水素濃度とC2/(C2+C3)のモル比を2.04モル%と0.23モル比に変更し、成分(2)/[成分(1)+成分(2)]が34.1重量%となるように一段目と二段目の滞留時間分布を調整した。得られた粉状のプロピレン単独重合体成分(1)の平均粒子径は1.2mm、平均気孔直径は7.0μmであった。
[比較例1]
一段目の反応器の水素濃度を1.75モル%に、二段目の反応器の水素濃度とC2/(C2+C3)のモル比を1.88モル%と0.21モル比に変更し、成分(2)/[成分(1)+成分(2)]が28.4重量%となるように一段目と二段目の滞留時間分布を調整した以外は、比較例6と同様にしてポリプロピレン組成物を製造し評価した。
Figure 0007153464000001
[測定条件]
1)MFR
粉体の試料5gに対し本州化学工業株式会社製H-BHTを0.05g添加し、ドライブブレンドにより均一化した後、JIS K6921-2に従い、温度230℃、荷重2.16kgの条件で測定した。
2)成分(1)のXI
2.5gのポリマーを撹拌しながら135℃において250mLのキシレンに溶解した。20分後溶液を撹拌しながら25℃に冷却し、次いで30分間静止させた。沈殿物を濾紙で濾過し、溶液を窒素流中で蒸発させ、残留物を一定の重量に達するまで真空下80℃において乾燥した。このようにして25℃におけるキシレンに可溶性のポリマーの重量%を計算した。キシレン不溶分の量(25℃におけるキシレンに不溶性のポリマーの重量%、XI)は、100-「可溶性のポリマーの重量%」で求められ、ポリマーのアイソタクチック成分の量と考えられる。キシレン不溶分は、沈殿物に残留したキシレンをメタノールで十分に洗い流した後、真空下80℃において乾燥させて採取した。
3)成分(1)のXI成分のMw/Mn
上記のキシレン不溶分を試料とし、以下のようにして分子量分布(Mw/Mn)の測定を行った。装置としてポリマーラボラトリーズ社製PL GPC220を使用し、酸化防止剤を含む1,2,4-トリクロロベンゼンを移動相とし、カラムとして昭和電工社製UT-G(1本)、UT-807(1本)、UT-806M(2本)を直列に接続したものを使用し、検出器として示差屈折率計を使用した。また、試料溶液の溶媒としては移動相と同じものを使用し、1mg/mLの試料濃度で、150℃の温度で振とうさせながら2時間溶解して測定試料を調製した。これにより得た試料溶液500μLをカラムに注入し、流速1.0mL/分、温度145℃、データ取り込み間隔1秒で測定した。カラムの較正には、分子量580~745万のポリスチレン標準試料(Shodex STANDARD、昭和電工株式会社製)を使用し、三次式近似で行った。Mark-Houwink-Sakuradaの係数は、ポリスチレン標準試料に関しては、K=1.21×10-4、α=0.707、ポリプロピレン単独重合体、プロピレンランダム共重合体、およびポリプロピレン系重合体に関しては、K=1.37×10-4、α=0.75を使用した。
4)成分(1)の平均粒子径および平均気孔直径
Quanta Chrome社製全自動細孔分布測定機装置Pore Master 60-GTを用いて、成分(1)の嵩密度を測定した。成分(1)の平均粒子径は、1gあたりの粒子個数を計測することで1個あたりの平均重量を求め、嵩密度から1個あたりの平均体積を求め、平均体積から球形状の平均直径として算出することにより得た。また、同機種を用いてJIS R1655で規定される水銀圧入法により気孔直径Dの分布を1μm~100μmの範囲で計測し、次式により平均気孔直径Dnを算出した。
Dn=∫(-dV/dlogD)dlogD/∫(1/D)(-dV/dlogD)dlogD
ここで、Vは試料容積であり、各粒子の体積(嵩容積)から気孔容積を引いたものに相当する。
5)成分(2)のエチレン由来単位
1、2、4-トリクロロベンゼン/重水素化ベンゼンの混合溶媒に溶解した試料について、Bruker社製AVANCEIII HD400(13C共鳴周波数100MHz)を用い、測定温度120℃、フリップ角45度、パルス間隔7秒、試料回転数20Hz、積算回数5000回の条件で13C-NMRのスペクトルを得た。
上記で得られたスペクトルを用いて、Kakugo,Y.Naito,K.Mizunuma and T.Miyatake,Macromolecules,15,1150-1152(1982)の文献に記載された方法により、成分(1)と成分(2)からなる重合体中の総エチレン量(重量%)を求めた。総エチレン量を測定するに際して求めたTββの積分強度の替わりに、下記式で求めた積分強度T’ββを使用した以外は、総エチレン量と同様の方法で計算を行い、成分(2)中のエチレン含量(重量%)を求めた。
T’ββ=0.98×Sαγ×A/(1-0.98×A)
ここで、A=Sαγ/(Sαγ+Sαδ)であり、上記文献に記載のSαγ及びSαδより算出される。
6)重量比 成分(2)/[成分(1)+成分(2)]
成分(1)および成分(2)の総重量に対する成分(2)の含有量は、以下の式によって求めた。
成分(2)の含有量(重量%)=[成分(1)と成分(2)からなる重合体の総エチレン量/成分(2)中のエチレン含量]×100
7)[成分(1)+成分(2)]の極限粘度(XSIV)
以下の方法によって成分(1)と成分(2)からなる重合体中のキシレン可溶分を得て、キシレン可溶分の極限粘度(XSIV)を測定した。
成分(1)と成分(2)からなる重合体の試料2.5gを、o-キシレン(溶媒)を250mL入れたフラスコに入れ、ホットプレートおよび還流装置を用いて、135℃で、窒素パージを行いながら、30分間撹拌し、重合体を完全溶解させた後、25℃で1時間、冷却した。これにより得られた溶液を、濾紙を用いて濾過した。濾過後の濾液を100mL採取し、アルミニウムカップ等に移し、窒素パージを行いながら、140℃で蒸発乾固を行い、室温で30分間静置して、キシレン可溶分を得た。
極限粘度は、テトラヒドロナフタレン中、135℃において毛細管自動粘度測定装置(SS-780-H1、株式会社柴山科学器械製作所製)を用いて測定した。
8)粉体流動性
金属板の上に、縦5cm×横5cm×高さ1cmの開口部のある金属枠を置き、金属枠内に試料として成分(1)と成分(2)からなる重合体5gを敷き詰めた。試料にかかる圧力が均一に23g/cmとなるよう、575gの金属蓋を金属枠内に載せた。金属枠内の試料を70℃で20分間保持した後に金属枠と金属蓋を除去し、金属板に試料を載せた状態で傾けることにより以下の5段階評価を4回実施し平均値を算出した。
1. 0°以上30°未満に傾けると全量が崩れ落ちる
2. 30°以上50°未満に傾けると全量が崩れ落ちる
3. 50°以上70°未満に傾けると全量が崩れ落ちる
4. 70°以上90°未満に傾けると全量が崩れ落ちる
5. 90°以上に傾けても全量が崩れ落ちることはない
金属板、金属枠、金属蓋の材質はSUS304ステンレス鋼であり、金属板として表面を#400研磨(サイザル仕上げ)して得た表面粗度(最大粗さRy)0.2μmのものを用いた。
9)曲げ弾性率
JIS K6921-2に従い測定した。すなわち、JIS K7171に従い、射出成形機(ファナック株式会社製FANUCROBOSHOT S2000i)を用い、溶融樹脂温度を200℃、金型温度40℃、平均射出速度200mm/秒、保圧時間40秒、全サイクル時間60秒の条件にて、ポリプロピレン組成物からJIS K7139に規定する多目的試験片(タイプA1)を射出成形し、得られた成形体を幅10mm、厚さ4mm、長さ80mmに加工して測定用試験片(タイプB2)を得た。株式会社島津製作所製精密万能試験機(オートグラフAG-X 10kN)を用い、温度23℃、相対湿度50%、支点間距離64mm、試験速度2mm/分の条件で、タイプB2測定用試験片の曲げ弾性率を測定した。
10)シャルピー衝撃強度
JIS K6921-2に従い、曲げ弾性率測定で用いた試験片と同一の操作で得たタイプA1試験片を用いて測定した。すなわち、JIS K7111-1に従い、株式会社東洋精機製作所製ノッチングツールA-4を用いて幅10mm、厚み4mm、長さ80mmに加工してから幅方向に2mmのノッチを入れ、形状Aの測定用試験片を得た。その測定用試験片について、株式会社安田精機製作所製低温槽付き全自動衝撃試験機(No.258-ZA)を用い、温度23℃、相対湿度50%の条件でシャルピー衝撃強度(エッジワイズ打撃、1eA法)を測定した。
11)引張破壊呼びひずみ
JIS K6921-2に従い、曲げ弾性率測定で用いた試験片と同一の操作で得たタイプA1試験片を用いて測定した。すなわち、JIS K7161-2に従い、株式会社島津製作所製精密万能試験機(オートグラフAG-X 10kN)を用い、温度23℃、相対湿度50%、試験速度50mm/分の条件で引張破壊呼びひずみを測定した。
実施例1~のポリプロピレン組成物は、溶融流動性に優れるとともに、剛性および耐衝撃性のバランスに優れていた。特に実施例1~5では成分(2)の重量比(成分(2)/[成分(1)+成分(2)])が高いにもかかわらず成分(1)と成分(2)からなる重合体の粉体流動性が優れており、製造安定性にも優れていた。比較例6は実施例1~5よりも粉体流動性が劣るものの、製造設備を止める直前での計画生産条件下や、粉体が効率的に自然冷却されることで粉体表面のべたつきが低減されやすくなる寒冷気象条件下では安定製造が可能である。このように本発明のポリプロピレン組成物は安定して製造できるため、安価に市場供給できるという利点を有する。一方、比較例1は成分(2)の重量比(成分(2)/[成分(1)+成分(2)])が本発明の範囲外であり耐衝撃性に劣っていた。

Claims (3)

  1. 成分(1)として、MFR(温度230℃、荷重2.16kg)が100~300g/10分、キシレン不溶分(XI)が97.5重量%以上であり、XIのGPCにより測定したMw/Mnが4~10であるプロピレン単独重合体、
    成分(2)として、15~31.6重量%のエチレン由来単位を含むエチレン-プロピレン共重合体、
    からなる重合体を含み、
    以下の要件:
    1)成分(1)と成分(2)の重量比が50以上70未満:30を超え50以下である
    2)前記重合体のキシレン可溶分の極限粘度(XSIV)が1.5~4.0dl/gである
    3)前記重合体のMFR(温度230℃、荷重2.16kg)が20~100g/10分であり、
    4)前記成分(1)が平均粒子径(直径)1.5~4.0mm、平均気孔直径(Dn)8~50μmの多孔質粒子であり、
    成分(1)と成分(2)からなる前記重合体が粉体であり、かつその粉体流動性が3.5以下である、
    を満たす、ポリプロピレン組成物。
  2. 請求項1に記載のポリプロピレン組成物を用いて形成されたペレット性状のポリプロピレン組成物。
  3. 請求項1または2に記載のポリプロピレン組成物を射出成形して得られる成形体。
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