JP2015189588A - インゴット製造装置およびシリコンインゴットの製造方法 - Google Patents

インゴット製造装置およびシリコンインゴットの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 製造する多結晶のシリコンインゴットの品質を向上させるインゴット製造装置を提供すること。
【解決手段】 本発明のインゴット製造装置1は、鋳型9と冷却棒19とを備え、鋳型9は、上側に開口した第1凹部14および第1凹部14の底面中央部に開口した貫通孔15を有した容器12と、容器12の第1凹部14の底面中央部に固定された、下側に開口して貫通孔15と重なっている第2凹部16を有した中空棒状部材13とを備えており、第2凹部16は、冷却棒19の先端部の太さに対応する大きさであるとともに中空棒状部材13の上端近傍まで至っており、冷却棒19の先端部は、貫通孔15を経由して第2凹部16に挿入されて、外周面が全周で第2凹部16の内周面に接触している。これにより、製造する多結晶のシリコンインゴットの品質を向上させることができる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、多結晶のシリコンインゴットを製造するインゴット製造装置およびこのインゴット製造装置を使用したシリコンインゴットの製造方法に関する。
従来から、多結晶のシリコンインゴットの製造方法として、キャスト法が知られている(例えば、下記の特許文献1を参照)。キャスト法では、底面と側面とを有する鋳型に供給されたシリコン融液を、鋳型底面から上方に向けて一方向凝固させることによって、シリコンインゴットを作製(鋳造)する。
特開2007−118401号公報
多結晶のシリコンインゴットは、単結晶のシリコンインゴットよりも簡便、かつ安価に製造され得る。しかしながら、例えば鋳型の表面に付着した不純物に起因してシリコンの多結晶中に転位が発生し、多結晶のシリコンインゴットの品質が低下するおそれがある。
本発明は、このような事情に鑑みて案出されたものであり、製造した多結晶のシリコンインゴットの品質を向上させることができるインゴット製造装置を提供することを目的とするものである。
本発明の一実施形態に係るインゴット製造装置は、シリコン融液を固化してシリコンインゴットを製造するインゴット製造装置であって、前記シリコン融液を保持して固化させる鋳型と、該鋳型の底部に先端部が挿入されて前記鋳型の底部近傍の前記シリコン融液を熱伝導によって冷却する冷却棒とを備え、前記鋳型は、上側に開口した第1凹部および該第1凹部の底面中央部に開口した貫通孔を有した容器と、該容器の前記第1凹部の底面中央部に固定された、下側に開口して前記貫通孔と重なっている第2凹部を有した中空棒状部材とを備えており、前記第2凹部は、前記冷却棒の先端部の太さに対応する大きさであるとともに前記中空棒状部材の上端近傍まで至っており、前記冷却棒の先端部は、前記貫通孔を経由して前記第2凹部に挿入されて、外周面が全周で前記第2凹部の内周面に接触している。
本発明の一実施形態に係るシリコンインゴットの製造方法は、上記のインゴット製造装置およびシリコン融液を準備する工程と、前記鋳型内に前記シリコン融液を供給する工程と、前記鋳型内の前記中空棒状部材の温度を前記冷却棒で冷却することによって前記容器の温度よりも低くして、前記中空棒状部材から前記容器の前記第1凹部の内周面に向かって前記シリコン融液を固化させる第1固化工程と、該第1固化工程の後、固化した部分から上方向に向かって前記シリコン融液を固化させてシリコンインゴットを得る第2固化工程とを備える。
本発明によれば、鋳型の底面の中央部に配置されている中空棒状部材の内部に形成された第2凹部に冷却棒が挿入され、この冷却棒によって中空棒状部材を冷却することができ
る。その結果、鋳型の内部に保持されたシリコン融液を、冷却される中空棒状部材から鋳型の内周面に向かって多結晶シリコンとして固化させ(第1固化工程)、次いでこの多結晶シリコンを土台として、シリコン融液を上方向へ固化させることができる(第2固化工程)。したがって、シリコン融液を上方向へ固化してなる多結晶のシリコンインゴットにおける転位等の発生を、鋳型底面から上方に向けて一方向凝固させることによって固化してなる多結晶のシリコンインゴットに比べて低減することができ、多結晶のシリコンインゴット全体の品質を向上させることができる。
本発明の一実施形態に係るインゴット製造装置を示す断面図である。 本発明の一実施形態に係るインゴット製造装置の一部を示す断面図である。
以下に、本発明の一実施形態に係るインゴット製造装置について、図1および図2を参照しつつ説明する。なお、本発明は本実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更、改良等が可能である。
図1は、本発明の一実施形態に係るインゴット製造装置を示す断面図であって、インゴット製造装置の断面を模式的に示している。図1は、インゴット製造装置の一部を示す断面図であって、具体的にはインゴット製造装置が備える鋳型および鋳型の周辺の構造を模式的に示している。なお、図ではシリコン融液を製造した直後の状態を示している。
インゴット製造装置1は、いわゆるキャスト法によって、シリコンの融液から多結晶のシリコンインゴットを製造するものである。なお、インゴット製造装置1で製造されたシリコンインゴットは、例えば、太陽電池の製造プロセスを経て太陽電池の一部になる。インゴット製造装置1は、図1に示すように、シリコン融液2を製造するシリコン溶融装置3と、シリコン融液2を固化(凝固)して多結晶のインゴットにするシリコン固化装置4とを有している。
シリコン溶融装置3は、図1に示すように、主にシリコン融液2を保持する坩堝5と、坩堝5の側部に配置されて坩堝5を加熱する第1加熱装置6とを有している。シリコン溶融装置3は、坩堝5内にシリコンの塊を入れ、第1加熱装置6によって、シリコンの融点(1414℃)以上に坩堝5を加熱することで、シリコンの塊を溶融させてシリコン融液2を製造する。
坩堝5は、シリコンの塊が溶融したシリコン融液2を保持し、シリコン固化装置4にシリコン融液2を供給するものである。坩堝5は、耐熱性の材料からなる。具体的には、坩堝5は、グラファイトまたは石英等で形成されている。坩堝5は、これらの材料で形成されることで、シリコンの融点以上に加熱されても、シリコン融液2を安全に保持することができる。なお、シリコン融液2は、シリコンの塊を溶融して製造される場合に限られず、例えばシリコンの粉末を溶融して製造されてもよい。
坩堝5は、坩堝5の底部を貫通する第1貫通孔7が形成されている。坩堝5は、例えばシリコン固化装置4の上方に配置され、第1貫通孔7を通じて坩堝5内のシリコン融液2をシリコン固化装置4に供給する。なお、坩堝5は、第1貫通孔7が形成されなくてもよい。この場合、例えば、坩堝5を傾けて、坩堝5の開口の縁からシリコン固化装置4にシリコン融液2を注ぎ込んでもよい。
シリコン固化装置4は、図1に示すように、主に、支持板8と、支持板8の上面中央部に配された、シリコン融液2を保持する鋳型9と、鋳型9を冷却する冷却機構10とを有
している。シリコン固化装置4は、シリコン溶融装置3の坩堝5から供給されるシリコン融液2を鋳型9で受け止めて保持し、冷却機構10によって鋳型9を冷却することで、鋳型9内のシリコン融液2を冷却して固化させる。その結果、シリコン固化装置4は、多結晶のシリコンインゴットを製造することができる。
支持板8は、鋳型9を下側から支持するものである。支持板8は、例えば円状または多角形状等の平面形状を有した板状に形成される。支持板8は、例えば、グラファイトまた石英等から形成される。また、支持板8には、中央部を上下方向に貫通する貫通部11が形成されている。
鋳型9は、シリコン融液2を保持して固化させるものである。鋳型9は、図1に示すように、シリコン融液2を保持する容器12と、容器12の底面に固定された、シリコン融液2を冷却する起点になる中空棒状部材13とを有している。なお、鋳型9は、バルク状の塊を削ることで形成すればよい。または、鋳型9は、シリコン融液2を保持可能なように、複数の板状部材を組み立てることによって形成してもよい。
容器12は、シリコン融液2を保持するものである。容器12は、上側に開口した第1凹部14と、第1凹部14の底面中央部に開口した第2貫通孔15とを有している。容器12は、溶解したシリコン融液2を保持するために、耐熱性の材料からなる。具体的には、容器12は、グラファイトまたは石英等で形成されている。容器12を構成する材料の熱伝導率は、例えば5W/(m・K)以上20W/(m・K)以下に設定されている。
容器12の外形は、例えば直方体または立方体に形成される。容器12の外形における底面の一辺(XY平面方向の長さ)は、例えば40cm以上60cm以下に設定されている。容器12の外形における高さ(Z軸方向の長さ)は、例えば30cm以上60cm以下に設定される。
第1凹部14は、例えば容器12の相似形に形成され、直方体または立方体に形成される。第1凹部14の開口の直径は、例えば25cm以上55cm以下に設定される。第1凹部14の深さは、例えば25cm以上55以下に設定される。
中空棒状部材13は、シリコン融液2を冷却する起点になるものである。すなわち、中空棒状部材13は、シリコン融液2の固化が開始される箇所になる。中空棒状部材13は、下側に開口した第2凹部16を有している。そして、中空棒状部材13は、第2凹部16の開口が容器12の第2貫通孔15に重なるように容器12の底面中央部に固定されている。
中空棒状部材13は、耐熱性の材料からなる。また、中空棒状部材13は、例えば容器12以上の熱伝導率を有している材料からなる。具体的には、中空棒状部材13は、例えばグラファイトまたは石英等の材料から形成される。中空棒状部材13を構成する材料の熱伝導率は、例えば5W/(m・K)以上20W/(m・K)以下に設定される。なお、本実施形態では、容器12と中空棒状部材13とは一体的に形成されている。容器12と中空棒状部材13とを一体的に形成することによって、シリコン融液2の漏れを防止しやすくなる。
中空棒状部材13の外形は、例えば円状または多角形状の平面形状を有した棒状に形成される。本実施形態では、中空棒状部材13の外形は、円柱状に形成されている。中空棒状部材13の外形が円柱状に形成されていることで、中空棒状部材13を均一に冷却しやすくすることができる。なお、中空棒状部材13の直径は、例えば5cm以上10cm以下に設定される。中空棒状部材13の高さは、例えば3cm以上7cm以下に設定される
第2凹部16は、例えば中空棒状部材13を長さ方向から見たときに、この中空棒状部材13の外形の相似形に形成されている。第2凹部16は、例えば平面形状が円状または多角形状である柱状に形成される。本実施形態では、第2凹部16は、円柱状に形成されている。第2凹部16の開口の直径は、例えば3cm以上8cm以下に設定される。第2凹部16の高さは、例えば2cm以上6cm以下に設定される。なお、第2凹部16の高さとは、第2凹部16の開口から第2凹部16の天井面までの上下方向に沿った長さをいう。
冷却機構10は、鋳型9内に保持されたシリコン融液2を固化するために、鋳型9を冷却するものである。冷却機構10は、中央部を上下方向に貫通した第3貫通孔18を有した冷却板17と、冷却板17の第3貫通孔18を通って配された冷却棒19とを有している。具体的に、図1に示すように、冷却機構10の冷却板17は、上面が支持板8の下面に接触するように配されている。また、図1に示すように、冷却機構10の冷却棒19は、支持板8の貫通部11および鋳型9の容器12の第2貫通孔15を経由して、先端部が鋳型9の中空棒状部材13の第2凹部16に挿入されている。その結果、冷却棒19は、鋳型9の底部近傍のシリコン融液2を熱伝導によって、中空棒状部材13を介して冷却することができる。
冷却板17は、平面形状が例えば円状または多角形状の板状に形成される。冷却棒19は、平面形状が例えば円状または多角形状の棒状に形成される。本実施形態では、冷却棒19は、円状の平面形状を有した棒状に形成されている。冷却棒19の直径は、例えば3cm以上8cm以下に設定される。
冷却板17および冷却棒19は、良熱伝導性の材料からなる。具体的には、冷却板17および冷却棒19は、銅またはアルミニウム等の金属材料からなる。冷却板17および冷却棒19を構成する材料の熱伝導率は、例えば40W/(m・K)以上300W/(m・/)K以下に設定される。
冷却棒19は、冷却板17の第3貫通孔18の内面に接触してもよい。その結果、冷却棒19と冷却板17との間の熱伝導が効果的に行なわれる。また、冷却板17と冷却棒19とは一体的に形成されてもよい。また、冷却板17および冷却棒19は、内部を中空にして、内部に鋳型9を冷却するための水またはガス等を循環させてもよい。
鋳型9の中空棒状部材13の第2凹部16は、中空棒状部材13の上端近傍まで至っている。言い換えれば、第2凹部16の天井面は、中空棒状部材13の上端近傍に位置している。また、第2凹部16は、冷却棒19の先端部の太さに対応する大きさを有している。すなわち、冷却棒19の外周面が全周で第2凹部16の内周面に接触している。
ここで、従来、シリコン融液2を固化して多結晶のシリコンインゴットを製造する際に、例えば不純物が付着しているなどの鋳型9の表面状態に起因して、シリコンインゴット中にシリコン融液2が固化する方向に伸びた転位が発生するという問題があった。これに対して、本発明によれば、冷却棒19が第2凹部16に挿入されて、冷却棒19の外周面が全面で第2凹部16の内周面に接触していることから、鋳型9内でシリコン融液2を固化する際に、中空棒状部材13を選択的に冷却することにより、この中空棒状部材13の周囲の領域を固化の起点とすることができる。
このように、まずシリコン融液2は、中空棒状部材13から第1凹部14の内周面に向かって固化され(第1固化工程)、次いで、第1固化工程のときに固化した多結晶シリコ
ンを土台として、上方向に向かって固化される(第2固化工程)が、上述の構成によれば、これらの固化工程を明確に分けて行なうことができる。
したがって、第2固化工程においてシリコン融液2を上方向へ固化させて多結晶のシリコンインゴットを製造する際に、第1固化工程で形成された多結晶シリコンを土台にすることができるため、鋳型9の表面状態に起因する影響を低減することができる。その結果、多結晶のシリコンインゴットにおける転位等の発生を低減することができ、多結晶のシリコンインゴット全体の品質を向上させることができる。また、鋳型9の表面状態に起因した転位を、第1固化工程で形成された多結晶シリコン内に留めやすくなり、第2固化工程で形成されたシリコンインゴットの品質を向上させることができる。
中空棒状部材13は、側面と第2凹部16の内周面との間の厚みが、上面と第2凹部16の天井面との間の厚みよりも小さいことが好ましい。これにより、中空棒状部材13の上端面よりも側面を効果的に冷却することができるため、シリコン融液2を第1凹部14の内周面に向かって固化させやすくすることができる。
中空棒状部材13は、側面と第2凹部16の内周面との間の厚みが、容器12の下面と第1凹部14の底面との間の厚みよりも小さいことが好ましい。これにより、容器12と比較して中空棒状部材13の温度を下げやすくすることができ、中空棒状部材13をシリコン融液2の固化の起点にしやすくすることができる。
中空棒状部材13は、図2に示すように、上下方向に開口した筒状の本体部20と、本体部20に上側の開口を塞ぐように取り付けられた蓋部21とを有していることが好ましい。これにより、本体部20と蓋部21とが別体であることから、中空棒状部材13の上端部と側部との熱伝導を抑制することができる。その結果、中空棒状部材13の側部の温度を下げやすくすることができる。なお、本実施形態では、本体部20と蓋部21とは接着剤22を介して接続している。接着剤22は、例えばカーボン接着剤等が使用される。
冷却棒19の外周面と第2凹部16の内側面とが重なる面積は、冷却棒19の上面と第2凹部16の天井面とが重なる面積よりも大きいことが好ましい。この結果、中空棒状部材13の側部の温度を下げやすくすることができる。
冷却棒19は、第2凹部16の天井面に接触していなくてもよい。この結果、中空棒状部材13の側部の温度を下げやすくすることができる。
冷却棒19の先端は尖っていてもよい。この結果、第1凹部14の天井面との接触面積を制限することができる。したがって、中空棒状部材13の側部の温度を下げやすくすることができる。
シリコン固化装置4は、鋳型9内のシリコン融液2の固化の進行をコントロールするために、鋳型9の側部側に配された第2加熱装置23をさらに有している。第2加熱装置23は、コイル(図示せず)とコイルに接続された交流電源(図示せず)とを有しており、コイルに電流を流してコイル自体を発熱させる、いわゆる抵抗加熱方式で鋳型9を加熱するものである。また、第2加熱装置23は、上下方向に並べられた複数のコイルを有しており、電流を流すコイルを選択することで、鋳型9全体を加熱したり、鋳型9の上部を加熱したりと、加熱箇所を選択することができる。
シリコン固化装置4は、鋳型9内のシリコン融液2の固化の進行をコントロールするために、鋳型9の上側に配された第3加熱装置24をさらに有している。第2加熱装置23も第2加熱装置23と同様の構造を有している。
本発明は前述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更、改良、組合せなどが可能である。
前述した本発明の実施形態では、鋳型9を支持板8で支持した構成を示したが、鋳型9は冷却板17で支持しても構わない。また、支持板8は着脱可能に設置されても構わない。また、冷却板17は上下方向に移動可能に設けられても構わない。
前述した本発明の実施形態では、中空棒状部材13の本体部20と蓋部21とが、接着剤22を介して接続している構成を例に示したが、蓋部21は下側に開口した第3凹部を有しており、筒状の本体部20の上端部は、外周面の全面で蓋部21の第3凹部の内面に接触するように蓋部21の第3凹部に挿入されていても構わない。
また、本体部20の上端部が蓋部21の第3凹部に挿入されている場合、第3凹部に挿入された本体部20の上端部の太さは、第3凹部に挿入されていない本体部20の他の部分に比較して小さくなっていても構わない。そして、蓋部21は、外周面が第3凹部に挿入されていない本体部20の外周面と同一面を形成するように、本体部20の上端面に配されても構わない。すなわち、蓋部21および本体部20は同等の太さを有していても構わない。
また、本体部20の上端面には溝が形成され、蓋部21の下端面には本体部20の溝に対応した突出部が形成されても構わない。そして、蓋部21は、突出部が本体部20の溝に合わさるように、本体部20の上端に配されても構わない。また、このとき、蓋部21は、外周面が本体部20の外周面と同一面を形成するように、本体部20の上端面に配されている。また、このとき、本体部20の溝には、本体部20および蓋部21よりも熱伝導率の小さい熱伝導抑制部材が配されていても構わない。熱伝導抑制部材は、例えば酸化ジルコニウムまたは炭素等で形成される。より詳細には、熱伝導抑制部材は、例えば炭素からなるフェルト等を使用することができる。熱伝導抑制部材の熱伝導率は、例えば0・52以上2.5以下に設定されている。
<シリコンインゴットの製造方法>
以下、本発明の一実施形態に係るシリコンインゴットの製造方法について説明する。本発明の一実施形態に係るシリコンインゴットの製造方法は、主に、準備工程、供給工程、第1固化工程および第2固化工程を有する。なお、本発明は本実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更、改良等が可能である。
(準備工程)
上記したインゴット製造装置1を準備する。インゴット製造装置1は、例えばキャスト法によって多結晶のシリコンインゴットを製造するものである。すなわち、シリコン融液2を固化して多結晶のシリコンインゴットを製造するものである。
この準備工程では、シリコン融液2を準備する。シリコン融液2の準備は、インゴット製造装置1のシリコン溶融装置3によって行なう。具体的には、シリコン融液2は、シリコン溶融装置3の坩堝5にシリコンの塊を充填し、坩堝5を第1加熱装置6によってシリコンの融点(1414℃)以上に加熱することで、坩堝5に充填したシリコンを溶融して、坩堝5内に準備する。
(供給工程)
この供給工程では、坩堝5内に準備したシリコン融液2を、インゴット製造装置1のシリコン固化装置4の鋳型9内に供給する。本実施形態では、シリコン融液2の供給は、坩
堝5の底部に設けられた第1貫通孔7を介して行なわれる。なお、シリコン融液2の供給は、例えば、坩堝5を傾けて、坩堝5の開口の縁から供給してもよい。
(第1固化工程)
鋳型9の中空棒状部材13から容器12の第1凹部14の内周面に向かって、鋳型9内に保持されたシリコン融液2を固化させる。シリコン融液2は、鋳型9のシリコンの融点よりも温度が低い箇所で固化する。したがって、鋳型9の中空棒状部材13を冷却棒19で冷却することによって中空棒状部材13の温度を容器12の温度よりも低くすることで、中空棒状部材13から第1凹部14の内周面に向かって固化させることができる。なお、第1固化工程では、多結晶のシリコンインゴットの下側の表層部を形成することになる。
この第1固化工程において、シリコン融液2の上方向への固化を抑制するために、鋳型9の上部の温度が鋳型9の下部の温度よりも大きくなるように鋳型9を加熱してもよい。これにより、シリコン融液2を効果的に中空棒状部材13から第1凹部14の内側面に向かって固化させることができる。なお、鋳型9の上部の温度を下部の温度よりも大きくするのは、シリコン固化装置4の第2加熱装置23および第3加熱装置24によって、鋳型9の上部を集中的に加熱することによって実現可能である。
第1固化工程において、鋳型9の上部の温度の加熱は、主に鋳型9の側部に配された第2加熱装置23で行なってもよい。その結果、鋳型9の第1凹部14の底面中央部に位置した中空棒状部材13の温度上昇を低減することができる。
第1固化工程において、冷却板17および冷却棒19の内部に冷却水等を循環させている場合は、冷却水等の循環経路として、冷却棒19にまず循環させた後に冷却板17に循環させてもよい。その結果、中空棒状部材13を冷却しやすくすることができる。
(第2固化工程)
第1固化工程においてシリコン融液2を固化して形成したシリコンの多結晶を土台にして、上方向に向かってシリコン融液2を固化させる。第2固化工程におけるシリコン融液2の固化は、シリコン固化装置4の第2加熱装置23および第3加熱装置24による加熱を弱めることによって、次第に上方向に固化させることができる。なお、第2固化工程では、多結晶のシリコンインゴットの主要部を形成することになる。
この第2固化工程において、中空棒状部材13の上面にシリコンの単結晶からなる種結晶を貼り付けてもよい。その結果、中空棒状部材13の上面の上に位置する多結晶のシリコンインゴットに転位が発生することを低減することができる。なお、本実施形態では、準備工程において、予め中空棒状部材13の上面に種結晶を貼り付けている。
第2固化工程において、中空棒状部材13が、本体部20と蓋部21とに分かれている場合には、中空棒状部材13の側面に、本体部20と蓋部21との境界を覆うように種結晶を貼り付けてもよい。その結果、本体部20と蓋部21との境界に起因した転位等を低減させることができる。
以上のようにして、シリコン融液2全体を固化させて多結晶のシリコンインゴットを製造することができる。本発明で得られた多結晶のシリコンインゴットでは、第2固化工程によって形成された多結晶のシリコンインゴットの主要部の転位等は、第1固化工程によって形成された多結晶のシリコンインゴットの下側の表層部と比較して、低減している。
1 インゴット製造装置
2 シリコン融液
3 シリコン溶融装置
4 シリコン固化装置
5 坩堝
6 第1加熱装置
7 第1貫通孔
8 支持板
9 鋳型
10 冷却機構
11 貫通部
12 容器
13 中空棒状部材
14 第1凹部
15 第2貫通孔
16 第2凹部
17 冷却板
18 第3貫通孔
19 冷却棒
20 本体部
21 蓋部
22 接着剤
23 第2加熱装置
24 第3加熱装置

Claims (9)

  1. シリコン融液を固化してシリコンインゴットを製造するインゴット製造装置であって、前記シリコン融液を保持して固化させる鋳型と、該鋳型の底部に先端部が挿入されて前記鋳型の底部近傍の前記シリコン融液を熱伝導によって冷却する冷却棒とを備え、
    前記鋳型は、上側に開口した第1凹部および該第1凹部の底面中央部に開口した貫通孔を有した容器と、該容器の前記第1凹部の底面中央部に固定された、下側に開口して前記貫通孔と重なっている第2凹部を有した中空棒状部材とを備えており、
    前記第2凹部は、前記冷却棒の先端部の太さに対応する大きさであるとともに前記中空棒状部材の上端近傍まで至っており、
    前記冷却棒の先端部は、前記貫通孔を経由して前記第2凹部に挿入されて、外周面が全周で前記第2凹部の内周面に接触しているインゴット製造装置。
  2. 前記中空棒状部材は、側面と前記第2凹部の内周面との間の厚みが上面と前記第2凹部の天井面との間の厚みよりも小さい請求項1に記載のインゴット製造装置。
  3. 前記中空棒状部材は、側面と前記第2凹部の内周面との間の厚みが前記容器の下面と前記第1凹部の底面との間の厚みよりも小さい請求項1または2に記載のインゴット製造装置。
  4. 前記中空棒状部材は、形状が円柱状である請求項1〜3のいずれかに記載のインゴット製造装置。
  5. 前記中空棒状部材は、筒状の本体部と、該本体部に上側の開口を塞ぐように取り付けられた蓋部とを備えている請求項1〜4のいずれかに記載のインゴット製造装置。
  6. 前記鋳型の前記容器を下側から支持する、該容器の貫通孔に重なって前記冷却棒が通る貫通部を有する支持板をさらに備えた請求項1〜5のいずれかに記載のインゴット製造装置。
  7. 前記冷却棒の外周面と前記第2凹部の内側面とが重なる面積が、前記冷却棒の上面と前記第2凹部の天井面とが重なる面積よりも大きい請求項1〜6のいずれかに記載のインゴット製造装置。
  8. 前記冷却棒が、前記第2凹部の天井面に接触していない前記請求項1〜7のいずれかに記載のインゴット製造装置。
  9. 請求項1〜8のいずれかに記載のインゴット製造装置およびシリコン融液を準備する工程と、
    前記鋳型内に前記シリコン融液を供給する工程と、
    前記鋳型内の前記中空棒状部材の温度を前記冷却棒で冷却することによって前記容器の温度よりも低くして、前記中空棒状部材から前記容器の前記第1凹部の内周面に向かって前記シリコン融液を固化させる第1固化工程と、
    該第1固化工程の後、固化した部分から上方向に向かって前記シリコン融液を固化させてシリコンインゴットを得る第2固化工程とを備えるシリコンインゴットの製造方法。
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