JP2015189206A - フッ素系樹脂積層フィルム - Google Patents

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Abstract

【課題】接着性の低いフッ素系樹脂フィルムと種々の物品とを強固に接着することを可能とするフッ素系樹脂積層フィルムを提供する。【解決手段】少なくとも一方の面がプラズマ処理されたフッ素系樹脂フィルムと、フッ素系樹脂フィルムのプラズマ処理された面上に設けられた無機層と、無機層上に設けられたシランカップリング剤層と、を少なくとも含んでなり、フッ素系樹脂フィルムのプラズマ処理された面の表面粗さ(Rz)が0.20μm以上、0.70μm以下であり、かつ、フィルムのヘイズ値が20%以上、52%以下である、フッ素系樹脂積層フィルムである。【選択図】図1

Description

本発明はフッ素系樹脂積層フィルムに関するものである。本発明はまた、フッ素系樹脂積層フィルムの製造方法にも関するものである。
多機能フィルムとして、例えばポリテトラフルオロエチレン(PTFE)のような、フッ素系樹脂フィルムが知られている。フッ素系樹脂フィルムは、優れた耐薬品性、離型性、防汚性、滑り性などを有するため、現在様々な分野で広く用いられている。
一般的にフッ素系樹脂フィルムは離型性に優れる反面、他のフィルムや物品と接着し難いという特徴があり、そのため、フッ素系樹脂フィルムを他のフィルムや物品に貼合しようとしても、両者が接着しないか、あるいは接着したとしても密着性が非常に低いという問題がある。この点を解消するために、従来から金属ナトリウムとアンモニア溶液を用いてフッ素系樹脂の表面に存在するフッ素原子を除去する処理を行うことにより、フッ素系樹脂フィルムの接着性が改善できることが知られている。しかしながら、金属ナトリウムは非常に反応性が高く、発火や爆発の危険性を有するため、取り扱いが難しいという問題点があった。また、金属ナトリウムを用いた表面処理方法では、処理後にフッ素系樹脂フィルムの表面が赤褐色に変色してしまうため、貼合体を使用する用途によっては、変色したフッ素系樹脂フィルムが問題となる場合もあった。近年では、金属ナトリウムを用いずに、Na/ナフタリン錯体のTHF溶液やエーテル溶液等も使用されているが、依然としてナトリウムを用いないフッ素系樹脂の表面改質方法が望まれている。
ナトリウムを用いない方法として、例えば、特開平10−60140号公報では、フッ素樹脂フィルムの接着性を改善するために、フッ素樹脂フィルムの表面に真空中でのDCプラズマによる処理を行って表面改質を行うことが提案されている。また、プラズマ処理による表面改質では、高分子鎖の熱揺らぎ等により改質効果が経時的に減少してしまうため、特開2012−233038号公報では、プラズマ処理する際に、アクリル酸等の親水性モノマーを導入することでフッ素樹脂フィルム表面へプラズマ重合を行い、フッ素樹脂フィルムの表面にモノマー重合層を形成して、表面改質効果を長時間持続させる試みがなされている。
また、フッ素系樹脂フィルム表面に物理的改質と化学的改質を併用して接着性を付与する試みもなされている。例えば、特開2009−263529号公報では、フッ素系樹脂成形物表面へのプラズマ照射により、成形物表面を粗面化する物理的改質と、フッ素原子をフッ素原子以外の原子に置換する化学的改質とを同時に行うことにより、フッ素系樹脂成形物表面の接着性を改善できることが提案されている。更にこの文献では、プラズマ処理表面にシランカップリング剤を塗布することで、接着性が更に改善されることも開示されている。
特開平10−60140号公報 特開2012−233038号公報 特開2009−263529号公報
本発明者らは、今般、所定範囲の表面粗さおよびヘイズ値を有するフッ素系樹脂フィルムの表面にプラズマ処理を行い、そのような所定表面形態にあるフッ素系樹脂フィルムに無機層を介してシランカップリング剤層を形成することにより、接着性の低いフッ素系樹脂フィルムと種々の物品とを強固に接着することが可能となるという予想外の知見を得た。本発明はかかる知見によるものである。
したがって、本発明の目的は、接着性の低いフッ素系樹脂フィルムと種々の物品とを強固に接着することを可能とするフッ素系樹脂積層フィルムを提供することにある。
本発明の別の目的は、接着性の低いフッ素系樹脂フィルムと種々の物品とを強固に接着することを可能とするフッ素系樹脂積層フィルムの製造方法を提供することにある。
本発明の一態様によれば、
少なくとも一方の面がプラズマ処理されたフッ素系樹脂フィルムと、
前記フッ素系樹脂フィルムのプラズマ処理された面上に設けられた無機層と、
前記無機層上に設けられたシランカップリング剤層と、
を少なくとも含んでなり、
前記フッ素系樹脂フィルムのプラズマ処理された面の表面粗さ(Rz)が0.20μm以上、0.70μm以下であり、かつ、前記フィルムのヘイズ値が20%以上、52%以下である、フッ素系樹脂積層フィルムが提供される。
また、本発明の他の一態様によれば、フッ素系樹脂積層フィルムを製造する方法であって、
フッ素系樹脂フィルムの少なくとも一方の面に室温を超える温度かつ該フッ素系樹脂フィルムの融点未満の温度で加熱プレス処理を加える工程と、
前記フィルムの加熱プレス処理を行う面にプラズマ処理を加える工程と、
前記フッ素系樹脂フィルムのプラズマ処理された面上に、無機層を形成する工程と、
前記無機層上にシランカップリング剤層を形成する工程と
を含んでなる、方法が提供される。
さらに、本発明の他の一態様によれば、ゴム栓と、その表面の少なくとも一部を被覆するフッ素系樹脂積層フィルムと、を備えたラミネートゴム栓であって、
前記フッ素系樹脂積層フィルムが、上記のフッ素系樹脂積層フィルムであり、
前記ゴム栓の表面と前記フッ素系樹脂積層フィルムのシランカップリング剤層が設けられた面とが対向するように、ゴム栓表面に前記フッ素系樹脂積層フィルムが被覆されている、ラミネートゴム栓が提供される。
本発明によれば、接着性の低いフッ素系樹脂フィルムと種々の物品とを強固に接着することが可能となる。その結果、それらの物品の表面に優れた耐薬品性、離型性、防汚性および滑り性等を付与することができる。
本発明によるフッ素系樹脂積層フィルムの断面概略図である。 本発明に用いるフッ素系樹脂フィルムを加熱プレス処理する装置の模式図である。 本発明に用いるフッ素系樹脂フィルムをプラズマ処理する装置の模式図である。 本発明の実施態様の一つである、ラミネートゴム栓の断面概略図である。 図4のラミネートゴム栓の部分拡大図である。 図4のラミネートゴム栓の外観斜視図である。
以下、本発明によるフッ素系樹脂積層フィルムについて、図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明によるフッ素系樹脂積層フィルム1の断面概略図である。フッ素系樹脂フィルム2の、プラズマ処理し、かつ、所定の範囲に表面粗さおよびヘイズ値を低減した面上に無機層3が形成され、さらにその無機層3の上にシランカップリング剤層4が形成されている。従来は、フッ素系樹脂フィルムの表面を処理することで接着する相手面との接着力を向上させる試みがされていたが、本発明においてはプラズマ処理されたフッ素系樹脂フィルムの表面粗さおよびヘイズ値を所定の範囲内とし、そのような所定表面形態にあるフッ素系樹脂フィルムに無機層を介してシランカップリング剤層を形成することで高い接着力を実現している。
理論に拘束されるものではないが、プラズマ処理されたフッ素系樹脂フィルムにおいて、表面を上記のような所定形態とすることにより、後記する蒸着等の手段により形成される無機層との接着力が強固となり、さらにこの無機層がフッ素系樹脂フィルムとシランカップリング剤層とをつなぐバインダーの役割を果たすことによって、フッ素系樹脂フィルムとシランカップリング剤との間の結合力が向上し、接着力の低いフッ素系樹脂フィルムと種々の物品とを強固に接着することができるものと考えられる。さらには、接着する相手面の材質に合わせて用いるシランカップリング剤の種類を変えることで、様々な物品とフッ素系樹脂フィルムとの接着性を向上させることができる。
上記したようなフッ素系樹脂積層フィルムは、フッ素系樹脂フィルムの少なくとも一方の面をプラズマ処理し、フッ素系樹脂フィルムのプラズマ処理された面に加熱プレス処理を施すか、または、フッ素系樹脂フィルムの少なくとも一方の面に加熱プレス処理を施し、フッ素系樹脂フィルムの加熱プレス処理された面をプラズマ処理し、次いで無機層を形成し、この無機層上にシランカップリング剤層を形成することで製造される。
<フッ素系樹脂フィルム>
本発明によるフッ素系樹脂フィルムとしては、特に限定されるものではないが、例えば、ポリテトラフルオロエチレン樹脂(PTFE)、テトラフルオロエチレンとパーフルオロアルキルビニルエーテルとの共重合体からなるパーフルオロアルコキシ樹脂(PFA)、テトラフルオロエチレンとヘキサフルオロプロピレンとの共重合体樹脂(FEP)、テトラフルオロエチレンとパーフルオロアルキルビニルエーテルとヘキサフルオロプロピレンとの共重合体樹脂(EPE)、テトラフルオロエチレンとエチレンとの共重合体樹脂(ETFE)、ポリクロロトリフルオロエチレン樹脂(PCTFE)、エチレンとクロロトリフルオロエチレンとの共重合体樹脂(ECTFE)、フッ化ビニリデン系樹脂(PVDF)、ポリフッ化ビニル系樹脂(PVF)等が挙げられる。これらの中でも、耐薬品性、すべり特性、耐熱性および非粘着性の観点から、ポリテトラフルオロエチレン樹脂(PTFE)が好ましい。
フッ素系樹脂フィルムは、キャスト法、スカイブ法(切削法)、インフレーション押出し法またはTダイ押出し法等によって製造されたものがあるが、本発明においては、スカイブ法(切削法)によって製造されたものを用いる。ここでスカイブ法とは、フッ素系樹脂の粉末を焼結した塊から、フィルムを薄く削り出す方法を言い、溶融粘度の高い樹脂をフィルム化する際に一般的に用いられる手法である。なお、本明細書において「スカイブ品」とはスカイブ法によって得られたフィルムのことをいう。キャスト法とは、出発物質であるフッ素系樹脂の粒子を分散させた液を、金属板などの支持体上に塗布し、その後乾燥および焼成した上で支持体から剥離してフィルムを形成する手法である。また、インフレーション法とTダイ押出し法は、一般的なプラスチックフィルムの製造に用いられる溶融押出し法の一種である。
上記したスカイブ法によって得られたフィルムは、その製造方法に起因して表面粗さが大きくなる傾向があり、通常1.00μmを超える表面粗さ(Rz)を有する。また、一般的にキャスト法によって得られたフィルムよりも、ヘイズ値が高い傾向がある。本発明者らは、このような粗面のフッ素系樹脂フィルムの場合、室温を超える温度かつ該フッ素系樹脂フィルムの融点未満の温度で加熱プレス処理を行うことによって、フッ素系樹脂フィルムの表面粗さ(Rz)だけでなく、ヘイズ値をも低減させることができるとの知見を得た。そして、このような表面粗さを低減したフッ素系樹脂フィルム自体は接着性をほとんど示さないが、このようなフィルムの加熱プレス処理した表面にプラズマ処理を行い、その上に無機層を形成した上でシランカップリング剤層を形成することで、接着性の低いフッ素系樹脂フィルムと種々の物品とを強固に接着することが可能となるという予想外の知見が得られた。なお、本明細書において「室温」とは、20〜30℃の温度を意味するものとする。
本発明においては、プラズマ処理および加熱プレス処理後のフッ素系樹脂フィルムの表面粗さ(Rz)は、0.20μm以上、0.70μm以下であり、好ましくは0.20μm以上、0.65μm以下であり、さらに好ましくは0.30μm以上、0.60μm以下である。なお、本発明において、「表面粗さ(Rz)」とは十点平均表面粗さRzを意味するものであり、3×3cmに切り出したフィルムの表面を後記に示すレーザー顕微鏡および観察アプリケーションを用いて、実倍率2100倍で表面形状を測定し、測定領域を5×5μm四方の正方形の領域で60箇所設定して各領域の表面粗さをJISB0601準拠の演算処理で算出し、各60値の表面粗さデータの平均を計算することによって得られる。
本発明においては、プラズマ処理および加熱プレス処理後のフッ素系樹脂フィルムのヘイズ値は、20%以上、52%以下であり、好ましくは20%以上、50%以下であり、さらに好ましくは30%以上、48%未満である。なお、本発明において、「ヘイズ値」とはJIS K7136に準拠した方法により測定された値を意味する。具体的には、フィルムを適当な大きさ(3×3cm)に切り出して可動式の測定台に固定し、測定機器として、例えば日本電色工業株式会社製のヘイズメーターNDH4000、を用いて測定することができる。
本発明において用いられるフッ素系樹脂フィルムの厚さは、使用する用途にもよるが、概ね1μm〜1mm程度、特に、10μm〜300μm程度が好ましい。
<加熱プレス処理>
本発明によるフッ素系樹脂フィルムは、該フィルムの少なくとも一面が加熱プレス処理されている。加熱プレス処理は、種々のプレス機を用いて行うことができるが、図2のようなロールプレス装置を用いると効率的に処理することができる。ここで、図2のロールプレス装置は金属ロール7と、弾性ロール8とを備えている。この金属ロールと弾性ロールとを所定の圧力で当接させ、このロール間にフィルムを挿んで金属ロールを回転させることによって、フィルムに所定の圧力を連続的に加えることができる。また、金属ロールを加熱することで、フィルムに熱および圧力を同時に加えることができ、加熱処理の程度はロール間を通過するフィルムの速度を変更することで、調整することができる。
金属ロールは、種々の金属からなっていてもよいが、耐摩耗性の観点から、機械構造用炭素鋼を用いるのが好ましい。また、金属ロールは、フッ素系樹脂フィルムの表面粗さを低減させる上で粗さ(Rz)が低いほど好ましく、0.5μm以下であるのがより好ましい。
弾性ロールは、種々の材料からなっていてもよいが、金属製の芯部を弾性材料でコーティングしたものが好ましく用いることができる。また、弾性材料としてはコットン75%およびウール25%からなるものが好ましい。
加熱プレス処理の際、金属ロールと弾性ロールは1kgf/cm〜300kgf/cmの線圧で当接されるのが好ましく、20kgf/cm〜200kgf/cmの線圧で当接されるのがより好ましい。
加熱プレス処理は、室温を超える温度、かつ、処理するフッ素系樹脂フィルムの融点未満の温度で行う。これにより、フッ素系樹脂フィルムの表面粗さ(Rz)だけでなく、ヘイズ値をも低減させることができる。加熱プレス処理は、処理されるフッ素系樹脂フィルムの融点未満の温度であれば、より高い温度で行うのが好ましく、例えば60℃以上で行うのが好ましい。ガラス転移温度が60℃よりも高いフッ素系樹脂フィルムの場合は、ガラス転移温度以上の温度、かつ、該フッ素系樹脂フィルムの融点未満の温度で加熱プレス処理を行うことが、より高い接着強度を得る点で、さらに好ましい。例えば、ポリテトラフルオロエチレン樹脂(PTFE)の場合、ガラス転移温度が127℃であり、融点が327℃であるため、127℃以上327℃未満で加熱プレス処理を行うことが好ましい。また、ポリフッ化ビニルの場合は、ガラス転移温度が41℃であり、融点が227℃であることから、41℃以上、227℃未満で加熱プレス処理を行うことが好ましい。
<プラズマ処理>
本発明によるフッ素系樹脂フィルムの製造方法に使用されるフッ素系樹脂フィルムは、該フィルムの加熱プレス処理を行う面が、プラズマ処理される。本明細書において、加熱プレス処理を行う面とは、これから加熱プレス処理をする面だけでなく、既に加熱プレス処理をした面も含むものとする。つまり、プラズマ処理は加熱プレス処理の前もしくは後のいずれのタイミングで行ってもよく、または加熱プレス処理の前後の両方で行ってもよいが、少なくともプラズマ処理前に加熱プレス処理を行うことが、接着強度の面から好ましい。理論に拘束されるものではないが、加熱プレス処理を行うことでフィルム表面の微細な凹凸が減少し、フィルム表面がプラズマによってより効率的に処理されるものと考えられる。
このプラズマ処理は、図3に示すようなプラズマ処理装置を用いると効率的に処理することができる。ここで、図3のプラズマ処理装置11は、チャンバー12、このチャンバー12内に配設された供給ローラ13、巻き取りローラ14、冷却・電極ドラム15、補助ローラ16、16を備え、冷却・電極ドラム15は電源17に接続されているとともに、チャンバー12内は真空ポンプ18により、所望の真空度に設定できるようになっている。さらに、チャンバー12内の冷却・電極ドラム15の近傍には、ノズル19の開口部が位置しており、このノズル19の他端は、チャンバー12外部に配設されている原料揮発供給装置20およびガス供給装置21に接続されている。そして、ガス供給装置21からAr等の不活性ガスが供給されることとなる。また、冷却・電極ドラム15の近傍にはマグネット22を設置し、プラズマの発生を促進している。
上述のようなプラズマ処理装置11の供給ローラ13に、加熱プレス処理したフッ素系樹脂フィルム6(またはフッ素系樹脂フィルム5)を装着し、補助ローラ16、冷却・電極ドラム15、補助ローラ16を経由して巻取ローラ14に至る図示のようなフィルム搬送パスを形成する。
図3の装置でプラズマ処理を行う場合は、チャンバー12内を真空ポンプ18により減圧して、真空度1×10−1〜1×10−8torr、好ましくは、真空度1×10−3〜1×10−7torrとする。そして、ガス供給装置21から供給される不活性ガスをノズル19を介してチャンバー12中に導入する。不活性ガスの投入ガス量は、装置の大きさ等によっても異なるが、1〜5000sccm程度が好ましい。
一方、冷却・電極ドラム15には電源17から所定の電圧が印加されているため、チャンバー12内のノズル19の開口部と冷却・電極ドラム15との近傍でグロー放電プラズマPが確立される。このグロー放電プラズマPは、不活性ガス成分から導出されるものである。この状態で、加熱プレス処理したフッ素系樹脂フィルム6(またはフッ素系樹脂フィルム5)を一定速度で搬送させ、グロー放電プラズマPによって冷却・電極ドラム15の周面上のフッ素系樹脂フィルム6(または5)の片側表面がプラズマ処理される。このようにプラズマ処理がなされたフッ素系樹脂フィルム6(または5)は巻取ローラ14に巻き上げられる。
プラズマ処理は、好ましくはアルゴン(Ar)、ヘリウム(He)、窒素(N)等の不活性ガス雰囲気下で、図3に示すようなプラズマ処理装置等を用いて行われる。
<無機層>
本発明において「無機層」とは、無機物や無機化合物から主に構成される層であり、部分的に有機物等を含んでいても良い。例えば化学気相成長法で無機層としてSiOを蒸着する場合には無機層中にSiC等が含まれていてもよい。
フッ素系樹脂フィルム上に無機層を調製する方法としては、例えば、化学気相成長法(Chemical Vapor Deposition法、CVD法)や、物理気相成長法(Physical Vapor Deposition法、PVD法)等を挙げることができる。なお、CVD法で調製した無機層の方が柔軟性を有し、インモールド成形を行う場合でも割れ難いため好ましい。
化学気相成長法として、具体的には、例えば、プラズマ化学気相成長法、熱化学気相成長法、光化学気相成長法等の化学気相成長法(CVD法)を用いて形成することができる。
さらに具体的には上記のフィルムの一方の面に、有機珪素化合物等の蒸着用モノマーガスを原料とし、キヤリヤーガスとして、アルゴンガス、ヘリウムガス等の不活性ガスを使用し、さらに酸素を供給ガスとして使用し、かつ低温プラズマ発生装置等を利用する低温プラズマ化学気相成長法を用いて酸化珪素等の無機層を形成することができる。
上記において、低温プラズマ発生装置としては、例えば、高周波プラズマ、パルス波プラズマ、マイクロ波プラズマ等の発生装置を使用することができる。
具体的に、上記のプラズマ化学気相成長法による無機層の形成法について、その一例を図3を用いて説明する。図3は、上記プラズマ処理を行う装置であるが、同様の装置を用いて、プラズマ化学気相成長法による無機層の形成も行うことができる。
上記プラズマ処理と異なる点として、無機層の形成を行う場合は、Ar等の不活性ガスに加え、酸素や蒸着用ガスもチャンバー内に導入する。具体的には、原料揮発供給装置20において蒸着用ガスの原料を揮発させ、ガス供給装置21から供給される酸素ガスおよび不活性ガスと混合させ、この混合ガスをノズル19を介してチャンバー12中に導入する。そしてグロー放電プラズマPによって冷却・電極ドラム15の周面上のフッ素系樹脂フィルム2上に無機層3を形成する。このように無機層が形成されたフッ素系樹脂フィルム2は巻取ローラ14に巻き上げられる。
なお、上記の例示は、その一例を例示するものであり、これによって本発明は限定されるものではない。
図示しないが、本発明においては、無機層としては、無機酸化物の蒸着膜の1層だけではなく、2層あるいはそれ以上を積層した多層膜の状態でもよく、また、使用する材料も1種または2種以上の混合物で使用し、また、異種の材質で混合した無機酸化物の蒸着膜を無機層として構成することもできる。
上記において、真空チャンバー内を真空ポンプにより減圧し、真空度1×10−1〜1×10−8Torr程度、好ましくは、真空度1×10−3〜1×10−7Torr程度に調製することが好ましい。
また、原料揮発供給装置においては、有機珪素化合物等の原料を揮発させ、ガス供給装置から供給される酸素ガス、不活性ガス等と混合させ、この混合ガスを、ノズルを介して真空チヤンバー内に導入する。
一方、冷却・電極ドラムには、電極から所定の電圧が印加されているため、真空チヤンバー内のノズルの開口部と冷却・電極ドラムとの近傍でグロー放電プラズマが生成され、このグロー放電プラズマは、混合ガス中の1つ以上のガス成分から導出されるものであり、この状態において、樹脂のフィルムないしシートを一定速度で搬送させ、グロー放電プラブマによって、冷却・電極ドラム周面上の樹脂のフィルムないしシートの上に、酸化珪素等の無機層を形成することができる。
なお、このときの真空チヤンバー内の真空度は、1×10−1〜1×10−4Torr程度、好ましくは、真空度1×10−1〜1×10−2Torr程度に調製することが好ましい。
また、上記のプラズマ化学気相成長装置において、酸化珪素等の無機層の形成は、フィルム上に、プラズマ化した原料ガスを酸素ガスで酸化しながらSiOxの形で薄膜状に形成されるので、形成される酸化珪素等の無機層は、緻密で、隙間の少ない、可撓性に富む連続層となる。
また、本発明においては、SiOxプラズマによりフィルムの表面が、清浄化され、フィルムの表面に、極性基やフリーラジカル等が発生するので、形成される酸化珪素等の無機層とフィルムとの密接着性が高いものとなるという利点を有するものである。
本発明において、有機珪素化合物等の蒸着モノマーガスを使用して形成される無機層は、有機珪素化合物等の蒸着モノマーガスと酸素ガス等とが化学反応し、その反応生成物が、フィルムの一方の面に密接着し、緻密な、柔軟性等に富む薄膜を形成するものであり、通常、一般式:SiOx(式中、Xは0〜2の数を表す)で表される酸化珪素を主体とする連続状の薄膜である。
上記の酸化珪素の無機層としては、透明性、バリア性等の点から、一般式:SiOx(式中、Xは1.3〜1.9の数を表す。)で表される酸化珪素を主体とする薄膜であることが好ましい。
上記において、Xの値は、蒸着モノマーガスと酸素ガスのモル比、プラズマのエネルギー等により変化し、一般的に、Xの値が小さくなればガス透過度は小さくなるが、膜自身が黄色性を帯び、透明性が悪くなる。
また、上記の酸化珪素の無機層は、酸化珪素を主体とし、これに、さらに、炭素、水素、珪素または酸素の1種類、または、その2種類以上の元素からなる化合物を少なくとも1種類を化学結合等により含有することが好ましい。例えば、C−H結合を有する化合物、Si−H結合を有する化合物、または、炭素単位がグラファイト状、ダイヤモンド状、フラーレン状等になっている場合、さらに、原料の有機珪素化合物やそれらの誘導体を化学結合等によって含有する場合があるものである。
具体例を挙げると、CH部位を持つハイドロカーボン、SiHシリル、SiHシリレン等のハイドロシリカ、SiHOHシラノール等の水酸基誘導体等を挙げることができる。
上記以外でも、蒸着過程の条件等を変化させることにより、酸化珪素の無機層中に含有される化合物の種類、量等を変化させることができる。
本発明において、上記の酸化珪素の無機層について、例えば、X線光電子分光装置(Xray Photoelectron Spectroscopy、XPS)、二次イオン質量分析装置(Secondary Ion Mass Spectroscopy、SIMS)等の表面分析装置を用い、深さ方向にイオンエッチングする等して分析する方法を利用して、酸化珪素の無機層の元素分析を行うことより、上記のような物性を確認することができる。
また、本発明において、上記無機層の厚さとしては、1nm〜300nm程度であることが好ましく、5nm〜100nm程度であることがより好ましい。
無機層の厚さは、例えば、株式会社理学製の蛍光X線分析装置(機種名、RIX2000型)を用いて、ファンダメンタルパラメーター法で測定することができる。
また、上記の酸化珪素の無機層の厚さを変更する手段としては、無機層の堆積速度を大きくすること、すなわち、モノマーガスと酸素ガス量を多くする方法や蒸着する速度を遅くする方法等によって行うことができる。
次に、本発明において、酸化珪素等の無機層を形成する有機珪素化合物等の蒸着用モノマーガスとしては、例えば、1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン、ヘキサメチルジシロキサン、ビニルトリメチルシラン、メチルトリメチルシラン、ヘキサメチルジシラン、メチルシラン、ジメチルシラン、トリメチルシラン、ジェチルシラン、プロピルシラン、フェニルシラン、ビニルトリェトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、その他等を使用することができる。
また、フッ素系樹脂フィルム上に無機層を形成する方法としては、燃焼化学気相蒸着(Combustion Chemical Vapor Deposition、CCVD)の応用技術であるイトロ処理を用いることもできる。ここで、イトロ処理とは、フレームバーナーによる酸化炎を介して被塗布物の表面にナノレベルの酸化珪素を形成する表面処理をいう。具体的には火炎の酸化力と火炎中の化学反応を利用し、固体表面を酸化させ、火炎中に導入する有機珪素化合物の熱分解、酸化、還元、重合などによって得られる化学反応生成物を固体表面上に付着させる。この付着物は主に、ケイ素酸化物である。
イトロ処理は、大きく分けて(1)火炎中の反応工程(活性化学種生成工程)と(2)固体表面への定着工程との、2段階の工程からなり、工程(1)は火炎の品質(酸化力、反応安定性、反応化合物濃度、温度)によって制御され、工程(2)は固体表面の状態や性質等によって変化する。
イトロ処理に用いられる火炎は、予備混合火炎であり、火炎の空燃比を変えることで様々な火炎を作り出すことができる。これによりイトロ反応(燃焼反応)を調節することができる。
また、無機酸化物の無機層は、例えば、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、イオンクラスタービーム法等の物理気相成長法(PVD法)を用いて形成することもできる。
具体的には、金属の酸化物を原料とし、これを加熱して樹脂のフィルムないしシートの上に蒸着する真空蒸着法、または、原料として金属または金属の酸化物を使用し、酸素を導入して酸化させて樹脂のフィルムないしシートの上に蒸着する酸化反応蒸着法、さらに、酸化反応をプラズマで助成するプラズマ助成式の酸化反応蒸着法等を用いて無機酸化物の非結晶の薄膜を形成することができる。
上記において、蒸着材料の加熱方式としては、例えば、抵抗加熱方式、高周波誘導加熱方式、エレクトロンビーム加熱方式(EB)等にて行うことができる。
上記の無機層としては、金属の酸化物の蒸着膜が挙げられ、具体的には、ケイ素(Si)、アルミニウム(Al)、マグネシウム(Mg)、カルシウム(Ca)、カリウム(K)、スズ(Sn)、ナトリウム(Na)、ホウ素(B)、チタン(Ti)、鉛(Pb)、ジルコニウム(Zr)、イットリウム(Y)等の金属の酸化物の蒸着膜を使用することができる。好ましいものとしては、ケイ素(Si)、アルミニウム(Al)等の金属が挙げられる。
上記の金属の無機層は、ケイ素酸化物、アルミニウム酸化物、マグネシウム酸化物等のように金属酸化物として呼ぶことができ、その表記は、例えば、SiOx、AlOx、MgOx等のようにMOx(式中、Mは、金属元素を表し、Xの値は、金属元素によってそれぞれ範囲が異なる。)で表される。
また、本発明においては、無機層としては、使用する金属、または、金属の酸化物としては、1種または2種以上の混合物で使用し、異種の材質で混合した無機層を構成することもできる。
また、本発明においては、上記のようにして形成した無機層の表面にプラズマ酸化処理を施しても良い。無機層の表面をプラズマ酸化処理することにより、無機層表面により多くの酸素原子を導入して、シランカップリング剤との接着性を向上させることができる。例えば、無機層が酸化珪素(SiO)から成る場合、表面に残存するSiOをSiOに酸化することで、濡れ性が向上でき、シランカップリング剤との結合力を高めることができる。無機層の表面に導入される酸素原子の量は、酸化処理の際に導入する酸素流量やフィルムの搬送速度によって調整することができる。プラズマ酸化処理のために導入する酸素の流量は、装置の大きさ等によっても異なるが、通常1〜5000sccm程度であり、100sccm〜2000sccm程度がより好ましい。ここで、sccmとは標準状態(STP:0℃、1atm)での1分間当たりの酸素の平均導入量(cc)を意味する。導入する酸素には、キャリヤーガスとして、アルゴンガス、ヘリウムガス、窒素ガス等の不活性ガスを支障のない範囲で使用してもよい。
<シランカップリング剤層>
シランカップリング剤層は、主にシランカップリング剤で構成される。シランカップリング剤は、有機物と珪素から構成される化合物で、分子中に、加水分解により水酸基となって無機材料と化学結合する反応基(以下、「加水分解性基」という場合がある。)と、有機材料と化学結合する反応基(以下、「反応性官能基」という場合がある。)の2種以上の異なった反応基を有する。そのため通常では非常に結びつけにくい有機材料と無機材料とを結びつける機能を発現する。
シランカップリング剤は、様々な有機材料と化学結合する反応基を有するものが入手可能であり、シランカップリング剤で接着させたい相手面の材料に応じて最適な反応基を有するものを選択することができる。本発明に用いるシランカップリング剤としては、例えば、反応性官能基として、ビニル基、エポキシ基、スチリル基、メタクリル基、アクリル基、アミノ基、ウレイド基、メルカプト基、スルフィド基およびイソシアネート基などを含むシランカップリング剤が挙げられるが、これに限定されるものではない。シランカップリング剤で接着させたい相手面の材料が塩素化ブチルゴムの場合、反応性官能基としてアミノ基を有するシランカップリング剤を用いるのが好ましい。
アミノ基を有するシランカップリング剤としては、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメオキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−トリエトキシシリル−N−(1,3−ジメチル−ブチリデン)プロピルアミン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(ビニルベンジル)−2−アミノエチル−3−アミノプロピルトリメトキシシランの塩酸塩などが挙げられる。なお、アミノ基を有するシランカップリング剤としては、3−アミノプロピルトリメトキシシランが好ましい。
エポキシ基を有するシランカップリング剤としては、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシランなどが挙げられる。なお、エポキシ基を有するシランカップリング剤としては、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシランが好ましい。
ビニル基を有するシランカップリング剤としては、ビニルトリクロルシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシランなどが挙げられる。
メタクリル基を有するシランカップリング剤としては、3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシランが挙げられる。アクリル基を有するシランカップリング剤としては、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシランなどが挙げられる。
上記以外のシランカップリング剤としては、例えば、p−スチリルトリメトキシシランのようなスチリル基を有するシランカップリング剤、3−ウレイドプロピルトリエトキシシランのようなウレイド基を有するシランカップリング剤、3−メルカプトプロピルメチルジメトキシシランや3−メルカプトプロピルトリメトキシシランのようなメルカプト基を有するシランカップリング剤、ビス(トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィドのようなスルフィド基を有するシランカップリング剤、および3−イソシアネートプロピルトリエトキシシランのようなイソシアネート基を有するシランカップリング剤などが挙げられる。
本発明によるシランカップリング剤層は、種々の条件で調製することができる。例えば、シランカップリング剤を水系または有機系溶媒に分散または溶解し、次いでこの分散液または溶液を上記無機層上に塗布し、最終的に乾燥させて溶媒を除去することでも調製することができる。この場合、低温で効果的に除去することができる点から、有機溶媒を用いるのが好ましい。用いる溶媒としては、メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブタノール、トルエン、メチルエチルケトン、酢酸エチルなどが挙げられる。
本発明において用いられるシランカップリング剤層の厚さは、使用する用途にもよるが、概ね1nm〜10μm程度、特に、10nm〜1μm程度が好ましい。
<その他の層>
本発明によるフッ素系樹脂積層フィルムは、上述した層以外に、各層の間または上に追加の層を含んでいても良い。
<フッ素系樹脂積層フィルムを用いたラミネートゴム栓>
種々の物品に接着する際には、シランカップリング剤層4が物品に接着することで物品表面を被覆する。そのような被覆された物品の一例として、ゴム栓の表面とフッ素系樹脂積層フィルムのシランカップリング剤層が設けられた面とが対向するように、ゴム栓表面にフッ素系樹脂積層フィルムが被覆されているラミネートゴム栓が挙げられる。
図4は、フッ素系樹脂フィルムで被覆したゴム栓(ラミネートゴム栓)の断面概略図であり、図5はこのゴム栓24の一部(図4中のIII)の拡大図である。フッ素系樹脂積層フィルムのシランカップリング剤層がゴム栓23に対向しており、フッ素系樹脂フィルムがラミネートゴム栓24の外表面に位置することが分かる。また、図6は図4のラミネートゴム栓の外観斜視図である。
上述のように、本発明によるフッ素系樹脂積層フィルムは様々な物品の表面に接着することで、それらの物品の表面に優れた耐薬品性、離型性、防汚性および滑り性等を付与することができる。特に、図4に示すようなラミネートゴム栓に適用した場合、ゴム栓の表面とフッ素系樹脂積層フィルムのシランカップリング剤層が設けられた面とが対向するように、フッ素系樹脂フィルムがラミネートゴム栓24の外表面に配置される。このような構成とすることで、例えば液体を収容する容器の栓として用いた場合、ゴムに含まれる成分が液体中に溶出することを防ぎつつ、容器に入れた液体が漏出するのを効果的に防ぐことができる。また、本発明によるラミネートゴム栓は、従来のNa処理によって得られたものと異なり、フッ素系樹脂の着色を生じない点で優れている。
このようなラミネートゴム栓は一般的なゴム栓を、本発明によるフッ素系樹脂積層フィルムとインモールド成形等することによって得てもよい。
このようなゴム栓に用いられるゴム素材としては、ブチルゴム、塩素化ブチルゴム、臭素化ブチルゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、エチレン−プロピレンゴム、シリコーンゴムなどが挙げられる。その中でもバリア性の観点から、特に塩素化ブチルゴムが好ましい。
ゴムとの接着性が良好なシランカップリング剤としては、エポキシ基、アミノ基、メタクリル基、アクリル基、メルカプト基またはスルフィド基等を有するシランカップリング剤が挙げられるが、これに限定されるものではない。特に、ブチルゴム系のゴムにはエポキシ基またはアミノ基を有するシランカップリング剤が好ましく、その中でもアミノ基を有するシランカップリング剤がより好ましい。
次に、本発明を実施例によってさらに詳細に説明するが、本発明が実施例により限定されるものではない。
例A1
<加熱プレス処理>
厚さ50μmのPTFEフィルム(ニチアス株式会社製、ナフロン PTFEシート、TOMBO No.9000(品番)、スカイブ品)に、図2のような装置を用いてプレス処理を行った。この装置は、機械構造用炭素鋼(S45C)からなる表面粗さ(Rz)が0.4μmの金属ロール7と、コットン75%およびウール25%からなる弾性ロール8とを備えている。最初に、室温(22.6℃)で金属ロールと弾性ロールとを30kgf/cmの圧力で当接させた。次いで、このロール間に上記PTFEフィルムを挿み、金属ロール回転させて該フィルムを1m/minの速度で搬送することで、フィルムに圧力を加えた。
例A2
金属ロールを50℃に加熱してフィルムに圧力と熱とを加えた以外は例A1と同様にして、加熱プレス処理を行った。
例A3
金属ロールを60℃に加熱した以外は例A2と同様にして、加熱プレス処理を行った。
例A4
金属ロールを80℃に加熱した以外は例A2と同様にして、加熱プレス処理を行った。
例A5
金属ロールを100℃に加熱した以外は例A2と同様にして、加熱プレス処理を行った。
例A6
金属ロールを140℃に加熱した以外は例A2と同様にして、加熱プレス処理を行った。
例A7
金属ロールを180℃に加熱した以外は例A2と同様にして、加熱プレス処理を行った。
未処理のフィルム、ならびに上記例A1〜A7で得られたフィルムについて、以下に示す方法で、表面粗さ、ヘイズおよび接着強度をそれぞれ測定した。
<表面粗さ測定>
1.フィルムを適当な大きさ(3×3cm)に切り出し、可動式の測定台に四隅をメンディングテープでシワの入らないように固定する。
2.測定台をレーザー顕微鏡(株式会社キーエンス製、カラー3Dレーザー顕微鏡VK−9700)にセットし、観察アプリケーションVK−H1V1(VKviewer)を用いて、倍率150倍のレンズで表面形状を測定する(測定モード:カラー超深度、光学ズーム:1.0倍、測定ピッチ:0.02μm、実倍率2100倍)。
3.測定データを保存し、このデータから形状解析アプリケーションVK−H1A1(VKAnalyzer)を用いて、表面粗さを解析する。測定領域を5×5μm四方の正方形の領域で60箇所設定し、各領域の表面粗さ(十点平均表面粗さRz:JISB0601準拠の演算処理で算出)を測定する。
4.測定した各60値の表面粗さデータの平均を計算する。
<ヘイズ測定>
1.フィルムを適当な大きさ(3×3cm)に切り出し、可動式の測定台に固定する。測定機器として、日本電色工業株式会社製のヘイズメーターNDH4000を用いる。
2.測定ボタンを押し、全光線透過率、ヘイズ、拡散透過率、平行透過率を測定する。測定モードは、JISK7136準拠のモードで行い、サンプル数は各3水準とする。
3.測定した各3値のヘイズの平均を計算する。
<接着強度測定>
1.プラズマ処理済PTFEフィルムと加硫前の塩素化ブチルゴムシートとを重ね合わせる。
2.ヒートシーラ(TP−701−B(テスター産業株式会社製))を用いて、170℃、1kgf/cm、7minの条件で熱プレスし、PTFEフィルムと塩素化ブチルゴムシートとを圧着させる。
3.熱プレス部と垂直になるように15mm幅にサンプルをカットする。
4.引張り試験機(テンシロン万能試験機RTC1310A(ORIENTEC社製))を用いて、引張速度10mm/minにて90°剥離して、PTFEフィルムの塩素化ブチルゴムシートに対する接着強度を測定する。その際、PTFEフィルムの端部を上部に、ゴムシートの端部を下部にそれぞれチャッキングし、PTFEフィルムの端部を上方向に引張り、この引張り強さを接着強度とする。
上記測定によって得られた値を以下の表1に示す。
Figure 2015189206
次いで、例A1〜A7で得られたフィルムに対してプラズマ処理を行った。
例B1
<プラズマ処理>
上記例A1で得られたフィルムの熱プレス処理を施した面に、真空プラズマ処理を実施した。この処理は図3に示すようなプラズマ処理装置を用いてアルゴンガス雰囲気下で行い、アルゴンガスの投入ガス量を4500sccmとした。真空度は2.5〜3.0×10−2mBarに設定した。40kHzの交流電源を用いて、投入電力を12kwとした。フィルム搬送速度は4m/分とした。
例B2〜例B7
上記例A2〜A7で得られたフィルムについても、A1と同様にプラズマ処理を実施した。
上記B1〜B7で得られたフッ素系樹脂フィルムについて、A1〜A7の場合と同様に剥離強度測定を行った。結果を以下の表に示す。
Figure 2015189206
<フッ素系樹脂積層フィルムの調製>
例C1
上記例A1で得られたフィルムに、CVD法によって無機層を形成した。この操作には図3に示すようなプラズマ処理装置を用い、He流量1200sccm、O流量1800sccm、およびシロキサンモノマー流量1200sccm、ならびに真空度を2.5〜3.0×10−2mBarとした。40kHzの交流電源を用いて、投入電力を12kwとした。フィルム搬送速度は30m/分とした。
次いで、フィルム上に形成された無機層の上に、シランカップリング剤層を形成した。シランカップリング剤としては、アミノ基を有するシランカップリング剤(3−アミノプロピルトリメトキシシラン、KBM−903(品番)、信越化学工業株式会社製)を用いた。蒸留水中にシランカップリング剤を質量%濃度で1%配合し、加水分解させるために約3時間スターラーで攪拌しながら保持した。その後、メイヤーバー(番手#8)で上記フィルムの無機層上に溶液を塗工した。そして、110℃で5分間、オーブンにいれてフィルムを乾燥(シランカップリング剤の定着)させて、フッ素系樹脂積層フィルムを得た。
例C2
上記例B5で得られたフィルムのプラズマ処理を施した面に、無機層の形成を行わなかった以外は上記例C1と同様にして、シランカップリング剤層を形成し、フッ素系樹脂積層フィルムを得た。
例C3
上記例B5で得られたフィルムのプラズマ処理および加熱プレス処理を施した面に、上記例C1と同様にして、無機層を形成し、その上にシランカップリング剤層を形成して、フッ素系樹脂積層フィルムを得た。
上記例C1〜C3で得られたフッ素系樹脂積層フィルムについて、例B1〜7の場合と同様に剥離強度測定を行った。結果を以下の表に示す。比較として、例A5および例B5の結果も同様に示す。
Figure 2015189206
1 フッ素系樹脂積層フィルム
2 プラズマ処理されたフッ素系樹脂フィルム
3 無機層
4 シランカップリング剤層
5 フッ素系樹脂フィルム
6 加熱プレス処理されたフッ素系樹脂フィルム
23 ゴム栓
24 ラミネートゴム栓

Claims (9)

  1. 少なくとも一方の面がプラズマ処理されたフッ素系樹脂フィルムと、
    前記フッ素系樹脂フィルムのプラズマ処理された面上に設けられた無機層と、
    前記無機層上に設けられたシランカップリング剤層と、
    を少なくとも含んでなり、
    前記フッ素系樹脂フィルムのプラズマ処理された面の表面粗さ(Rz)が0.20μm以上、0.70μm以下であり、かつ、前記フィルムのヘイズ値が20%以上、52%以下である、フッ素系樹脂積層フィルム。
  2. 前記プラズマ処理された面の表面粗さ(Rz)が0.20μm以上、0.65μm以下であり、かつ、前記フィルムのヘイズ値が20%以上、50%以下である、請求項1に記載のフッ素系樹脂フィルム。
  3. 前記フッ素系樹脂フィルムが、スカイブ法によって得られたものである、請求項1または2に記載のフッ素系樹脂積層フィルム。
  4. 前記シランカップリング剤層が、アミノ基を有するシランカップリング剤からなる、請求項1〜3のいずれか一項に記載のフッ素系樹脂積層フィルム。
  5. フッ素系樹脂積層フィルムを製造する方法であって、
    フッ素系樹脂フィルムの少なくとも一方の面に室温を超える温度かつ該フッ素系樹脂フィルムの融点未満の温度で加熱プレス処理を加える工程と、
    前記フィルムの加熱プレス処理を行う面にプラズマ処理を加える工程と、
    前記フッ素系樹脂フィルムのプラズマ処理された面上に、無機層を形成する工程と、
    前記無機層上にシランカップリング剤層を形成する工程と
    を含んでなる、方法。
  6. 前記加熱プレス処理が60℃以上の温度で行われる、請求項5に記載の方法。
  7. 前記無機層を形成する工程が、化学気相成長法(CVD法)によって行われる、請求項5または6に記載の方法。
  8. 前記シランカップリング剤層を形成する工程が、シランカップリング剤を水または有機溶剤に分散又は溶解し、前記無機層上に塗布し、次いで、加熱により前記水または有機溶剤を蒸発させることによって行われる、請求項5〜7のいずれか一項に記載の方法。
  9. ゴム栓と、その表面の少なくとも一部を被覆するフッ素系樹脂積層フィルムと、を備えたラミネートゴム栓であって、
    前記フッ素系樹脂積層フィルムが、請求項1〜4のいずれか一項に記載のフッ素系樹脂積層フィルムであり、
    前記ゴム栓の表面と前記フッ素系樹脂積層フィルムのシランカップリング剤層が設けられた面とが対向するように、ゴム栓表面に前記フッ素系樹脂積層フィルムが被覆されている、ラミネートゴム栓。
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