JPH0649244A - 表面改質されたフツ素樹脂成形品とその製造法 - Google Patents

表面改質されたフツ素樹脂成形品とその製造法

Info

Publication number
JPH0649244A
JPH0649244A JP22505092A JP22505092A JPH0649244A JP H0649244 A JPH0649244 A JP H0649244A JP 22505092 A JP22505092 A JP 22505092A JP 22505092 A JP22505092 A JP 22505092A JP H0649244 A JPH0649244 A JP H0649244A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
molding
thin film
film layer
sputter etching
molded article
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP22505092A
Other languages
English (en)
Inventor
Shuji Yano
周治 矢野
Yoshiyuki Oya
義幸 大家
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nitto Denko Corp
Original Assignee
Nitto Denko Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nitto Denko Corp filed Critical Nitto Denko Corp
Priority to JP22505092A priority Critical patent/JPH0649244A/ja
Publication of JPH0649244A publication Critical patent/JPH0649244A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Coating Of Shaped Articles Made Of Macromolecular Substances (AREA)
  • Treatments Of Macromolecular Shaped Articles (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 フツ素樹脂成形品を簡単にしかも均一かつ安
定に表面改質して、上記成形品に帯電防止、導電性、印
刷性、高硬度化などの諸機能を付与する。 【構成】 フツ素樹脂成形品の表面に金属酸化物系高分
子の薄膜層を設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、表面改質により、帯電
防止、導電性、印刷性、高硬度化などの諸機能が付与さ
れたフツ素樹脂成形品とその製造法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】フツ素樹脂成形品は、化学的に非常に安
定であり、耐熱性、耐薬品性、耐紫外線劣化性などの面
で他の樹脂にはみられないすぐれた特性を有している一
方、表面性質が疎水性でかつ接着剤との親和性がないた
め、他の材料との複合化が困難である。したがつて、極
めて有用なプラスチツク材料である反面、たとえば、接
着剤との親和性が極めて小さいために成形加工が困難で
あるとか、絶縁性にすぐれているために帯電しやすいと
いう問題があり、せつかくの有用な性質を無駄にしてい
る場合が多い。
【0003】このため、従来より、フツ素樹脂成形品の
表面性質を改善するために、多くの技術が提案され、こ
れらの技術により接着性の改善されたフツ素樹脂成形品
が提供されている。たとえば、金属ナトリウム、ナフタ
リンおよびテトラヒドロフランの混合溶液で化学処理す
る方法、放射線や紫外線を照射して表面にグラフト重合
膜を形成する方法、機械的表面処理にて得られる凹凸表
面に薄膜を形成する方法、低圧グロ―放電により表面に
極性基を導入する方法などがある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかるに、これらの方
法は、金属ナトリウムによる火災の危険性や、操作工程
の複雑さ、処理効果の均一性などの点で工業的利用が制
約されることが多く、また表面処理物を空気中に長時間
放置しておくことによる処理効果の低下や、形成された
薄膜の熱的不安定性などの問題点がある。
【0005】本発明は、上記の点に鑑みてなされたもの
で、その目的とするところは、フツ素樹脂成形品を簡単
にしかも均一かつ安定に表面改質して、帯電防止、導電
性、印刷性、高硬度化などの諸機能を付与することにあ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の目
的を達成するために、鋭意検討した結果、フツ素樹脂成
形品の表面をスパツタエツチング処理したのちに金属酸
化物系高分子の薄膜層を設けるようにすると、成形品の
表面を簡単にしかも均一かつ安定に改質でき、これによ
り上記成形品に帯電防止、導電性、印刷性、高硬度化な
どの諸機能を効果的に付与できることを知り、本発明を
完成するに至つた。
【0007】すなわち、本発明の第1は、フツ素樹脂成
形品の表面に金属酸化物系高分子の薄膜層を有すること
を特徴とする表面改質されたフツ素樹脂成形品に係るも
のであり、この成形品において、上記の薄膜層がSi、
Al、Ti、Zr、Cr、Co、InまたはSnの中か
ら選ばれる少なくとも1種の金属原子を含むものからな
る構成を、特に好適な態様としている。
【0008】また、本発明の第2は、上記成形品の製造
法として、フツ素樹脂成形品の表面にスパツタエツチン
グ処理を施したのち、その処理面に、Si、Al、T
i、Zr、Cr、Co、InまたはSnの中から選ばれ
る少なくとも1種の金属原子とこれに結合する酸素原子
とを含む有機または無機の金属化合物をコ―テイング
し、これを硬化させて、金属酸化物系高分子の薄膜層を
形成することを特徴とする表面改質されたフツ素樹脂成
形品の製造法に係るものである。
【0009】
【発明の構成・作用】本発明において用いられるフツ素
樹脂は、特に限定されず、種々のものが使用可能であ
る。たとえば、ポリフツ化ビニル(PVF)、ポリフツ
化ビニリデン(PVdF)、ポリクロロトリフルオロエ
チレン(PCTFE)、ポリテトラフルオロエチレン
(PTFE)、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオ
ロプロピレン共重合体(FEP)、テトラフルオロエチ
レン−パ―フルオロアルキルビニルエ―テル共重合体
(PFA)、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合
体(ETFE)、エチレン−クロロトリフルオロエチレ
ン共重合体(ECTFE)などを、その具体例として挙
げることができる。
【0010】このフツ素樹脂からなる成形品の形態は、
一般的には、シ―ト状、特にフイルム状が最も適してい
るが、これに限定されず、繊維状、板状、ブロツク状な
どいかなる形状のものであつても差し支えない。
【0011】本発明において、フツ素樹脂成形品をスパ
ツタエツチング処理する方法としては、通常の高周波ス
パツタエツチング法を用いることができる。すなわち、
真空ポンプを用いて、反応槽を十分に減圧したのち、ガ
スを導入し、電極間に高周波電圧を印加することにより
生じる低圧グロ―放電現象を用い、電極上に設置された
成形品の処理を行うものである。
【0012】ここで、放電条件としては、特に限定され
ないが、通常、ガス圧4×10-3〜1×10-1Tor
r、放電電力1〜4W/cm2 であることが好ましい。ま
た、導入するガスとしては、通常アルゴンガスが用いら
れるが、酸素ガス、窒素ガスなどを用いてもよく、さら
にはこれらの混合ガスを用いてもよい。
【0013】このようにして表面処理を施したフツ素樹
脂成形品の表面には、極性基の導入に加えて、微細な凹
凸が形成されており、引き続くコ―テイング剤の塗布時
にプライマ―処理を施すことなく、均一に塗布すること
が可能である。
【0014】本発明において、フツ素樹脂成形品の表面
に施すコ―テイング剤としては、塗布後の硬化処理で最
終的に金属酸化物系高分子の薄膜層を形成しうるもので
あればよいが、通常は、Si、Al、Ti、Zr、C
r、Co、InまたはSnの中から選ばれる少なくとも
1種の金属原子とこれに結合する酸素原子とを含む有機
または無機の金属化合物が、好ましく用いられる。
【0015】このような金属化合物としては、最終的に
形成される金属酸化物系高分子の分子鎖が、つぎの式
(I)、(II)、(III )または(IV)で表される繰り
返し単位を持つものとなる有機または無機の金属化合物
が挙げられる。 (各式中、MはSi、Al、Ti、Zr、Cr、Co、
InまたはSnであり、M´はNa、Li、K、R3
などの塩基であり、Rは炭素数1〜7のアルキル基であ
る。)
【0016】上記の有機または無機の金属化合物の具体
例としては、たとえば、式(I)の繰り返し単位を与え
るものとして、ジメトキシジヒドロキシシランのジナト
リウム塩、ジエトキシジヒドロキシシランのジカリウム
塩などが、式(II)の繰り返し単位を与えるものとし
て、ジエトキシジメチルシラン、ジメチルテインオキサ
イドなどが、式(III )の繰り返し単位を与えるものと
して、メチルトリエトキシシラン、トリイソプロポキシ
フエニルチタニウムなどが、式(IV)の繰り返し単位を
与えるものとして、テトラメトキシシラン、チタンテト
ラブトキシド、クロム(III )アセチルアセトネ―トな
どがあり、その1種または2種以上が用いられる。
【0017】この金属化合物からなるコ―テイング剤
は、フツ素樹脂成形品の表面に塗布されて、加水分解−
縮重合反応により非晶質の膜をつくり、低温加熱または
常温乾燥により硬化する。ここで、塗布するコ―テイン
グ剤の濃度は、特に限定されないが、通常は、溶剤によ
り5〜20重量%の溶液に調整したものを用いるのが望
ましい。また、コ―テイング剤を塗布する方法として
は、スプレ―、デイツピング、ロ―ル、刷毛などの方法
を採用することができる。なお、コ―テイング剤溶液に
金属粉、金属酸化物粉などの無機フイラ―を含有させて
おけば、無機フイラ―含有薄膜層を形成できる。
【0018】このようにしてフツ素樹脂成形品の表面に
形成される金属酸化物系高分子の薄膜層は、均一でかつ
下地への密着性や熱的安定性などにすぐれている。薄膜
層の厚さは、特に限定されないが、一般には、1〜20
0μmの範囲が耐久性などの面で好ましく、また1〜2
0μmの範囲が密着性の面で好ましい。
【0019】本発明により表面改質したフツ素樹脂成形
品は、フツ素樹脂本来のすぐれた基本特性、すなわち化
学的に非常に安定で、耐熱性、耐薬品性、耐紫外線劣化
性などの面で他の樹脂にはみられないすぐれた特性を維
持していると共に、表面特性が改善されており、薄膜層
を構成する金属酸化物系高分子の種類をその材料構成に
応じて種々変えることにより、表面高硬度化、帯電防
止、導電性、印刷性などの諸機能が安定に付与されたも
のとなる。
【0020】
【発明の効果】以上のように、本発明では、フツ素樹脂
成形品の表面にスパツタエツチング処理を施して、上記
表面に極性基を導入すると共に微細な凹凸を形成したう
えで、金属酸化物系高分子の薄膜層を形成するため、従
来では困難であつた上記薄膜層の形成を簡単にかつ均一
に行うことができ、複雑な反応を用いることなく表面特
性が安定に改質されたフツ素樹脂成形品を得ることがで
きる。
【0021】
【実施例】つぎに、本発明の実施例を記載して、より具
体的に説明する。
【0022】実施例1 ポリテトラフルオロエチレンのシ―トをスパツタエツチ
ング処理装置内にセツトし、装置内を10-6Torrま
で減圧したのち、アルゴンガスを導入し、この流通下8
×10-3Torrに調整保持し、13.56MHz、4
00Wの高周波電力を与えグロ―放電を発生させ、シ―
トを1分間スパツタエツチング処理した。このようにし
て処理したシ―トを空気中に取り出し、処理面にメチル
トリエトキシシラン10重量%を含むイソプロパノ―ル
溶液を塗布し、150℃で40分間加熱することにより
硬化させた。
【0023】このようにして作製したフツ素樹脂成形品
について、表面抵抗を測定したところ、1.0×1014
Ωであつた。未処理のポリテトラフルオロエチレンのシ
―トに同様の測定を行つたところ、表面抵抗は1016Ω
以上であつた。
【0024】実施例2 ポリテトラフルオロエチレンのシ―トに、実施例1の場
合と同様のスパツタエツチング処理を施し、処理面に、
テトラメトキシシラン5重量%、チタンテトラブトキシ
ド3重量%およびジメチルテインオキサイド2重量%を
含むイソプロパノ―ル溶液を塗布し、150℃で30分
間加熱することにより硬化させた。
【0025】このようにして作製したフツ素樹脂成形品
について、摩擦帯電圧をロ―タリ―スタテイツクテスタ
―により測定したところ、0Vであつた。なお、測定に
は摩擦体として200g張力の木綿布を用い、750回
/1分の割合で摩擦し、摩擦開示後1分後の帯電圧を測
定した。未処理のポリテトラフルオロエチレンのシ―ト
に同様の測定を行つたところ、帯電圧は7,900Vで
あつた。
【0026】実施例3 ポリテトラフルオロエチレンのシ―トに、実施例1の場
合と同様のスパツタエツチング処理を施し、処理面に、
テトラメトキシシラン10重量%およびAl23 微粉
末2重量%を含むイソプロパノ―ル溶液を塗布し、15
0℃で30分間加熱することにより硬化させた。
【0027】このようにして作製したフツ素樹脂成形品
について、表面硬度をJIS K−5401塗膜用鉛筆
ひつかき試験機で調べた結果、7Hであつた。未処理の
ポリテトラフルオロエチレンのシ―トに同様の測定を行
つたところ、硬度はHBであつた。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フツ素樹脂成形品の表面に金属酸化物系
    高分子の薄膜層を有することを特徴とする表面改質され
    たフツ素樹脂成形品。
  2. 【請求項2】 金属酸化物系高分子の薄膜層が、Si、
    Al、Ti、Zr、Cr、Co、InまたはSnの中か
    ら選ばれる少なくとも1種の金属原子を含む請求項1に
    記載の表面改質されたフツ素樹脂成形品。
  3. 【請求項3】 フツ素樹脂成形品の表面にスパツタエツ
    チング処理を施したのち、その処理面に、Si、Al、
    Ti、Zr、Cr、Co、InまたはSnの中から選ば
    れる少なくとも1種の金属原子とこれに結合する酸素原
    子とを含む有機または無機の金属化合物をコ―テイング
    し、これを硬化させて、金属酸化物系高分子の薄膜層を
    形成することを特徴とする表面改質されたフツ素樹脂成
    形品の製造法。
JP22505092A 1992-07-31 1992-07-31 表面改質されたフツ素樹脂成形品とその製造法 Pending JPH0649244A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP22505092A JPH0649244A (ja) 1992-07-31 1992-07-31 表面改質されたフツ素樹脂成形品とその製造法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP22505092A JPH0649244A (ja) 1992-07-31 1992-07-31 表面改質されたフツ素樹脂成形品とその製造法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH0649244A true JPH0649244A (ja) 1994-02-22

Family

ID=16823256

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP22505092A Pending JPH0649244A (ja) 1992-07-31 1992-07-31 表面改質されたフツ素樹脂成形品とその製造法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0649244A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7275793B2 (en) 2001-05-16 2007-10-02 Delta Tooling Co., Ltd. Seat
JP2009263529A (ja) * 2008-04-25 2009-11-12 Nippon Valqua Ind Ltd フッ素樹脂系成形物の表面改質方法
JP2015189206A (ja) * 2014-03-28 2015-11-02 大日本印刷株式会社 フッ素系樹脂積層フィルム

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7275793B2 (en) 2001-05-16 2007-10-02 Delta Tooling Co., Ltd. Seat
JP2009263529A (ja) * 2008-04-25 2009-11-12 Nippon Valqua Ind Ltd フッ素樹脂系成形物の表面改質方法
JP2015189206A (ja) * 2014-03-28 2015-11-02 大日本印刷株式会社 フッ素系樹脂積層フィルム

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US4345000A (en) Transparent electrically conductive film
KR100341565B1 (ko) 젖음성이 우수한 표면을 갖는 불소계 수지
Abourayana et al. Plasma processing for tailoring the surface properties of polymers
EP0102224B1 (en) A method of making an abrasion resistant coating on a solid substrate and articles produced thereby
JPH05503876A (ja) 低温プラズマ処理およびプライマー処理を用いる鋼基体のコーティング方法
US2999772A (en) Coated article comprising a substrate of polyethylene or polyamide and a grafted coating of polytetrafluoroethylene or polymethyl methacrylate
JPH0649244A (ja) 表面改質されたフツ素樹脂成形品とその製造法
Dowling et al. Achieving enhanced material finishing using cold plasma treatments
JPS62235339A (ja) プラスチツク表面改質方法
JPH0625449A (ja) 超撥水性フィルム及びその製造方法
JP7095276B2 (ja) フッ素樹脂被覆体及びその製造方法
JPH03164246A (ja) 複合構造体
EP1040210B1 (en) Plasma polymerization on surface of material
Seo et al. Nonwetting process for achieving surface functionalization of chemically stable poly (tetrafluoroethylene)
US20050130529A1 (en) Photocatalytic fabric product and a manufacturing method thereof
Feng et al. Deposition of Well‐Defined Fluoropolymer Nanospheres on PET Substrate by Plasma Polymerization of Heptadecafluorodecyl Acrylate and Their Potential Application as a Protective Layer
JPH04209633A (ja) 非粘着性シリコンゴム材料およびその製造法
Vladkova et al. Plasma Based Approaches for Deposition and Grafting of Antimicrobial Agents to Polymer Surfaces
JPH02127442A (ja) フツ化オレフイン重合体成形物の表面処理法
JPS6346526B2 (ja)
JPH02248436A (ja) 酸化物膜被覆合成樹脂成形体およびその製造法
JP2625154B2 (ja) プラズマ重合による基体表面コーティング法
JPS60500502A (ja) 光学構成部品の製造方法及び光学構成部品
JP3150839B2 (ja) 機能性有機膜
JP6562402B2 (ja) 金属表面の被膜形成方法