JP2000017091A - 表面改質層を有するフッ素樹脂成形体、フッ素樹脂の表面処理方法、及び処理装置 - Google Patents
表面改質層を有するフッ素樹脂成形体、フッ素樹脂の表面処理方法、及び処理装置Info
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Abstract
形体、それを実現する表面処理方法および処理装置を提
供すること。 【解決手段】フッ素樹脂表面に、加速電圧2kV〜50
kVの高エネルギのイオンを注入して表面層の改質を行
う。これによってフッ素樹脂表層部に微細な凹凸形状を
形成すると共に、低表面エネルギの物質を生成する。 【効果】水等の液体に対する撥水機能あるいは撥油機能
を向上できる。
Description
るフッ素樹脂成形体、フッ素樹脂の表面処理方法、及び
処理装置に係り、特にフッ素樹脂成形体の表面を改質し
て撥水あるいは撥油機能を向上させる処理方法及びこれ
によって得られる改質フッ素樹脂成形体及びその処理装
置に関するものである。
E)に代表されるフッ素樹脂は、耐水性、耐薬品性、異
物の低付着性等の性質を持つが、最近ではそれら物質に
初めから水、薬品、コンタミが付着しないように表面の
撥水性を向上する機能を付与することが重要な課題とな
ってきている。
理、火炎処理、コロナ放電処理、紫外線照射、あるいは
クロム酸、金属ナトリウムを用いた改質方法が知られて
いるが十分な特性は得られていなかった。樹脂の改質と
いう観点からは、ドライプロセスであるイオン注入法に
よる改質法の提案もあった。例えば特開平6−1792
18号公報によれば、樹脂表面にNiイオンを注入し樹
脂封止用の金型の表面エネルギを下げ、擬似PTFE層
を形成させ離形性を向上させる技術が開示されている。
んで支障が生じる半導体関連で使用する液体流路や、医
療関係で使用する試験液が接触する面は、可能な限り撥
水性にしておき、液が止絶えても残留液滴が残らないよ
うにすることが望まれる。あるいは、薬品など酸、アル
カリなどの液を用いる場合には残留水によりその表面あ
るいは周囲に悪影響を及ぼしてしまう危険性があった。
フッ素樹脂のように樹脂の中では比較的表面エネルギが
低く撥水性の富む材料が使用される。それでも水に対す
る接触角は高々90°〜110°であり、十分とは言え
なかった。PTFE層は基本的に主鎖がCF2であり、
あるいは前述の擬似PTFE層を形成したとしても接触
角は130°以内であり、十分な撥水性の改善は望めな
かった。
は、上記従来技術の問題点を解消することにあり、第1
の目的は、フッ素樹脂の特性を生かしつつ撥水機能をさ
らに向上させることをことを目指すもので、水に対する
接触角が130°を容易に超える改良された表面改質層
を有するフッ素樹脂成形体を、第2の目的は、このよう
な表面改質層を得るためのフッ素樹脂の表面処理方法
を、そして第3の目的は、このような表面処理方法を容
易に実施できる処理装置を、それぞれ提供することにあ
る。
脂成形体の表面処理方法は、高エネルギのイオンを試料
表面に注入することによってなされるものであり、その
時の物理的衝突により微細な突起形状を形成するととも
に、さらに高エネルギの衝突時に高分子を切断と結合を
生成し非常に低エネルギの表面を形成するものである。
は、主として例えばPTFE(ポリテトラフルオロエチ
レン)、PFA(テトラフルオロエチレンパーフルオロ
アルキルビニルエーテル共重合体)、FEP(テトラフ
ルオロエチレンヘキサフルオロプロピレン共重合体)、
ETFE(テトラフルオロエチレン共重合体)のように
主鎖に−CF2−を有し、末端基が−CF3からなるフル
オロカーボン樹脂、もしくは主鎖に−SiF2−を有
し、末端基が−SiF3からなるフルオロシリコーン樹
脂、さらにはこれらフルオロカーボン樹脂及びフルオロ
シリコーン樹脂のフッ素原子の一部を水素原子で置換し
たハイドロフルオロカーボン樹脂、ハイドロフルオロシ
リコーン樹脂などが挙げられる。
の手法が考えられる。その第1は、表面エネルギを低減
させること及び、第2にその表面に適度な粗さを導入す
ることである。
る。図11に物質表面における濡れ性を説明する摸式図
を示す。固体表面(s)が液(l)と気体(v)と接し
ている境界部を考える。この時の表面張力は、次式
(1)に示す関係がある。
は液体と気体間の、σsvは固体と気体間の表面張力で
あり、θは液体の接触角である。この式は、通常ヤング
の式と呼ばれる釣り合いの基本式である。図にはθが9
0°より大きい場合を示している。式(1)はθが90
°以下の場合にも成立するものである。この式を変形す
ると、式(2)のようになる。
で、分数の分子項である(σsv−σsl)を負にして
小さくすることが撥水性を向上するに当たって重要であ
る。
表面張力がはるかに大きいから、σsv自体を小さくす
ることが表面にとって重要なことになる。この表面エネ
ルギの比較的小さいものとしてはフッ素系樹脂があり、
PTFEの基本分子構造であるCF2では18dyne
/cmとなっており、ガラスや金属などと比べると小さ
い値である。
としては、僅か6dyne/cmしかないCF3基があ
り、もしこのフッ素樹脂の表面の一部でもこの末端機を
形成できれば、撥水性が大きく向上すると考えた。
粗さの効果がある。一般に、同じ表面エネルギでも、表
面に凹凸があると接触角自体変化することが報告されて
いる。平滑面上での接触角θと、表面に粗さを設けた面
上での接触角θ′とは、次なる関係式(3)があり、通
常Wenzelの式と呼ばれている。
を持つ実表面積と平滑な表面積との比である。この式か
らθが90°より大きい場合は、粗くすることによりさ
らに濡れにくくなり、撥水性を示すことになる。したが
って、粗さを適正に導入することも重要な技術となる。
表面処理が重要なことが分かる。そこで、基本構造が−
CF2−CF2−からなるPTFEなどのフッ素樹脂に特
定の高エネルギの運動量を持つイオンを照射もしくは注
入して、その際に発生する熱により結合を分解、再構成
する手法について試みた結果、表面の一部に−CF3基
が形成できることを初めて見出し、かつその表面には微
細な突起を持つ粗面を形成できることを見出した。この
手法により、極めて高い撥水膜に改質できることが分か
った。
づいてなされたものであり、上記第1の目的は、イオン
注入処理により表面層のフッ素原子の含有量が内層より
も多く存在せしめ、かつ、面粗さを表示する中心線平均
粗さRaが0.2〜3μmの凹凸面を有すると共に、前
記凹凸面には単位面積当たり2.6×1013個/m2〜
1.8×1010個/m2の剣山状の微細突起を有してい
ることを特徴とするフッ素樹脂成形体によって、達成さ
れる。
カーボン樹脂、もしくはフルオロシリコーン樹脂で構成
したとき、CF3基、もしくはSiF3基が表層全体の4
%以上、より好ましくは5〜50%存在するように構成
することである。多ければ多いほど撥水性は改善される
が50%を超えると材質が脆くなる、経時的に安定性を
欠くなどの問題が生じる。したがって、実用的には4〜
50%程度とすることが望ましい。なお、イオン注入処
理をしない場合の樹脂表面では、高々1%程度であり、
また、剣山状の微細突起は全く存在しない。
1.5μm程度あり、隣合う微細突起間の平均距離は
0.3〜11.3μmであり、単位面積当たり2.6×
1013個/m2〜1.8×1010個/m2の剣山状の微細
突起を形成している。
在量及び表面の凹凸を構成する微細突起の制御は、イオ
ン注入処理条件を選択することによりある程度任意に設
定することができる。これらについては本発明の第2の
目的を達成することのできるフッ素樹脂の表面処理方法
の項で詳述する。
加速電圧2kV以上で50kV以下の高エネルギのイオ
ンを注入して表面を改質することを特徴とするフッ素樹
脂の表面処理方法によって、達成される。
Nのいずれかが望ましく、その注入量は単位面積当たり
1×1013〜1×1016ions/cm2程度とする。イオン注
入量の制御は、ガス放電によりプラズマを発生させイオ
ン化する際のイオン電流と試料への注入時間とを制御す
ることにより容易にできる。
生する高電圧イオン源と、それに連なる真空処理槽と、
真空処理槽内に連続供給、もしくはバッチ処理によりフ
ッ素樹脂シートを供給できる試料搬送手段と、少なくと
も真空処理槽を排気する排気手段とで構成したことを特
徴とする表面処理装置によって、達成される。
処理装置で使用されているものが使用可能であり、並行
平板型及びマイクロ波イオン源、特に電子サイクロトロ
ン共鳴によるものが好ましい。
説明する。本発明対象である第1の実施例のPTFE
(ポリテトラフルオロエチレン)を用いて撥水処理を行
うイオン注入装置を図10に、撥水処理した成形体表層
の分子構造模式図を図1に、改質前と改質後の表面分析
結果を図2と図3に、改質前と改質後の走査電子顕微鏡
表面写真を図4と図5に、改質前と改質後の表面粗さ測
定結果を図6と図7に、改質前と改質後の樹脂表面での
水接触角を測定した模式図を図8と図9に示す。第1の
実施例によって改質される前後の材料分析結果表面の形
態等の測定結果を表1に示す。
電圧と注入量を変化させて改質したPTFE表面の水接
触角の測定結果を図12と図13に、また、注入イオン
と素材材料の違いに基づく水接触角の測定結果を表2に
示す。
料は、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)であ
り、その主鎖は−CF2−である。本実施例において用
いる注入装置の構成図を図10を用いて説明する。注入
装置の全体構成は、イオン源11と処理室6と試料の出
し入れをする低真空の2つのチャンバー8、8´とから
成るものである。イオン源11としてはマイクロ波イオ
ン源を使用した。
ル2に巻かれた状態で試料ロール供給扉4からチャンバ
ー8に搬入され、チャンバー8は不図示の排気ポンプに
接続された排気系18aから真空引きされる。このチャ
ンバーの真空度は10-2torr程度の低真空であり、この
チャンバー8から注入処理室6へ真空シール部5を透し
て供給される。このフッ素樹脂フィルム1は、もう1つ
の真空シール5´を介して、チャンバー8´内の巻取り
ロール10で収納される。チャンバー8´内も不図示の
排気ポンプに接続された排気系18bから10-2torr程
度に真空引きされる。
真空になるように真空引き配管15から空気を排出して
いる。所定の真空になると注入イオン用ガス供給口14
から注入イオンをガスとして供給する。この実施例の場
合は、アルゴンガスを用い、加速電圧30kV、処理時
間60秒、注入量にして2×1014ions/cm2である。
は、マイクロ波放電によってアルゴンのプラズマ11を
生成し、プラズマ中のアルゴンイオンは加速電圧によっ
て所定のエネルギに加速されて試料フィルム1の表層に
イオン注入される。
移動速度で決まるものであるが、フィルム1の1点に照
射される時間として記すことにする。供給フィルム全部
の処理が終了すると、低真空チャンバー8´は不図示の
ガス供給口から窒素ガスを導入することにより窒素ガス
でパージされ、巻取りロール10は巻取りロール取り出
し扉9から取り出される。なお、ここでは経済的理由か
ら窒素ガスでパージしたが、注入イオンと同種のガス
(ここではアルゴン)を使用した方が処理効果に向上が
みられ、ガスの取り扱いも容易となり好ましい。
極、G2は加速電極、G3は制御電極を示している。G1
とG2との間に加速電圧が印加され、本発明では2〜5
0kVの範囲でイオンを加速するが、この例では30k
Vの加速電圧とした。また、イオン注入時の処理室6の
真空度は、10-4〜10-6torrの範囲とするが、この例
では10-5torrとした。
壁によって仕切られた独立のチャンバーを構成している
が、必ずしも独立させる必要はなく一つの共通チャンバ
ーとすることもできる。処理中の真空度は10-1〜10
-4torr程度であり、この例では10-2torrとした。
ム1の表面状態がどのように改質されたかの検証を以下
の方法で行った。先ず、材料分析は、X線電子分光法X
PS(X-ray Photoelectron Spectroscopy)を用い、測
定条件は、Al−KαモノクロX線源をビーム径1mm
にして中和フラットガンを照射しながら測定した。測定
結果を図2、図3のスペクトル曲線図に示す。横軸は分
子構造に起因した結合エネルギ(BE値:eV)を示し
ており、縦軸はそのエネルギの検出カウント値(cp
s:相対値)を示している。
で、2つのピークに大きく分離しており、左の高エネル
ギ側(287.9eV)ピークは、PTFEの{−(C
F2−CF2)n−}に起因するCF2の炭素であり、右
の低エネルギ側ピークは大気中において付着する有機の
ごみ、あるいはPTFEの作製時にできる残さ等に起因
するCHxの炭素である。この測定において、表層全体
に占めるフッ素の存在比も測定したところ、結果は5
6.1%であった。この値の理論的値は、{−(CF2
−CF2)n−}に起因するCF2構造の炭素存在比は2
8.15%であり、一方フッ素の存在比は28.15×
2=56.3%となる。この理論値に、実測値は非良く
一致していた。
スペクトル曲線図を示すもので、左右に肩を持つ1つの
ピーク(破線表示)となっており、メインのピークBE値
(287.9eV)は{−(CF2−CF2)n−}に起
因するCF2の炭素である。このピークを波形分離して
解析すると、実線で表示しているように高エネルギ側
(左側289.5eV)にもうひとつのピークAがある
ことが分かり、これはCF3であることが判明した。な
お、メインのピークB(287.9eV)はCF2であ
る。
つのピークC,D,Eに分離できる。いずれにしても、
これらのピークA、C、D、Eは未処理の表面からは検
出されないピークであり、Arイオン注入時に生成され
たものである。ここで注目すべき点は、未処理の面で検
出されていたCHxの炭素が処理後は検出されていない
ことである。これは、イオン注入によって表面が清浄化
され、かつ表面が撥水性になったことにより、大気中の
汚染物質も付着し難い面に改質された結果を示してい
る。
3の炭素量をカーブフィットした値から類推すると、
5.79%であった。それぞれの構造式より、これに対
応するフッ素の存在比を計算すると(21.01×2)
+(5.79×2)=59.39%となる。すなわち、
表面に存在するフッ素のうち、約60%がCF3のフッ
素であり、残りがCF2のフッ素ということになる。
処理によって、PTFEのチェーンが切れて表面エネルギの
小さいCF3基が生成することが判明し、これによる撥
水機能の付与がなされることを見出した。この模式図は
図1に示すように、−CF2−の末端あるいは表層に近
いチェーンの一部分が切れて、−CF2−CF3あるいは
−CF2−C−(CF3)3なる末端基が生成することによ
る。
形態の変化を走査型電子顕微鏡(SEM)で撮影した結
果を図4と図5に示す。図4は、比較例となる未処理
(改質前)の状態を示したもので、初期状態は射出成形
されたものを機械研削により膜状にしたままの表面であ
るので、平坦でランダムなくぼみがまばらに存在してい
る程度である。これをイオン注入すると、図5に示すよ
うに表面には微細な突起が形成されており、かつ面全体
にかつ均一に改質されていることがわかる。その突起間
隔は約1μmとなっていることが分かる。
するため、原子間力顕微鏡(AFM)で一辺50μm領
域で表面プロファイルを測定した。未注入面とイオン注
入した面の測定結果と解析結果を図6(処理前)と図7
(処理後)に示す。縦軸には深さを、横軸にはその深さ
に対応する存在比をパーセントで示している。すなわ
ち、深さは、凹凸の中心線に対して山側と谷側とに分け
て表示した。
陽テクニカ製nano scopeIIIである。表1に
は、粗さプロファイルを測定した中心線平均粗さRa、
最大面粗さRmax、突起点の平均間隔、突起先端付近
の形状の特徴結果を示してある。イオン注入の改質によ
ってRaは初期(処理前)の0.09μmから0.23
μmへと粗くなり、最大面粗さRmaxも0.92μm
(処理前)から2.02μmへと大きくなっていた。
と同時に、山に相当するところでは鋭い頂上部が形成さ
れることが分かる。特に、その時の形状は図5に示した
写真のように、頂上付近は微細な針状になっており、そ
の長さは0.3μm以上であり局部的に長いものでは
1.5μmとなっており、平均では約0.4μmであっ
た。イオン注入によって形成されるこの針状突起の隣り
合う間隔の平均値は、1.1μmであった。この場合の
微細突起の数は平均2×1012個/m2であった。この
ように、イオン注入によって改質された凹凸面は、微細
突起によって剣山状を呈している。
E表面の水に対する接触角を測定した。結果を模式的に
図8(処理前)と図9(処理後)に示す。図8に示した
ように未注入の表面での水に対する接触角は103°で
あり、疎水性は示すものの十分な撥水機能を有するとは
言えない。それに対し、イオン注入で改質した表面は水
接触角が170°になり、顕著な撥水効果が出現するこ
とが判明した。
と、その時の表層を構成する分析結果、表面形状、及び
水に対する結果をまとめて記してある。
アルゴン注入による表面処理を行うことにより、極めて
高い撥水機能を実現できる効果がある。さらに、注入処
理した表面にはCHxが検出されないことから、濡れ性
だけでなく各種の汚染物質も付着されにくい効果もあ
る。さらに別の効果としては、従来PTFEの表面処理とし
てはNaを利用した表面活性化などが利用されていた
が、本発明のイオン注入処理を用いれば、微細な突起を
多く形成できるので実表面積を飛躍的に増大させる効
果、あるいは処理時間60秒という非常に短い時間に処
理ができ量産性が高い処理法と言える。
響について、注入条件を変化させて検討した。一般に1
つのイオンが固体に衝突した時に変位する固体側の原子
数Ndは以下の式(4)で示される。(G.H.Kinchin et a
l : Rep.Prog. Phys.18,1,1955 )
し、Eは注入処理時の加速電圧である。すなわち、凹凸
が形成される量は、加速電圧に対して連続量として依存
することが明らかである。当然のことながら、注入時間
を長くすれば、注入量もそれに比例するので変形量も比
例することが推察される。
注入条件のうち、加速電圧を変化させた場合、およびビ
ーム電流と注入時間で決まるイオン注入量を変化させた
場合の撥水性を、水接触角で評価した結果を図12、お
よび図13にそれぞれ示す。
加速電圧としては1,2,30,50,100kVと変
化させ、また処理時間の調整により注入量を1012ions
/cm2から1017ions/cm2まで10倍きざみで変化させて
処理した。その結果、加速電圧が1kV以下では注入の
効果が見えず、2kV以上から接触角が130°を超え
る撥水性を示すが、30kVを超すと接触角は逆に減少
し出す。これは注入イオンはmv2/2(ただし、mは
イオンの質量、vは速度)なる運動エネルギを有してい
るが、固体内に停止するとその運動エネルギは位置エネ
ルギに変換され、結果として温度上昇をもたらす。した
がって、PTFE樹脂の融点である320℃以上になるとフ
ッ素樹脂表面から溶融が始まるため、突起先端が鈍くな
り、凹凸が少なくなると分かった。したがって、溶融で
決まる領域が図右側に存在することになる。
とが言える。注入量が少なくても撥水効果が小さく、多
すぎても溶融により突起が減少して撥水効果が小さくな
ってしてしまうことが分かった。これらの結果より、加
速電圧としては2kV以上で50kV以下の領域が望ま
しく、また、注入量は単位面積当たり1×1013〜1×
1016ions/cm2の範囲であることが水接触角130°を
超えられる領域であることが判明した。
注入条件は第1の実施例のまま、PTFE(ポリテトラ
フルオロエチレン)の以外の材料として、PFA(テト
ラフルオロエチレンパーフルオロアルキルビニルエーテ
ル共重合体)、FEP(テトラフルオロエチレンヘキサ
フルオロプロピレン共重合体)、ETFE(テトラフル
オロエチレン共重合体)に対して、Ar、Ne、He、
F、Nイオンを注入して、水接触角を測定する試験を実
施した。結果を表2に示す。PTFEにArを注入した
以上の結果は見られなかったが、いずれも接触角の上昇
は観察された。ArについでHe、Neの順に効果があ
り、また材質としては、ETFE、PFAの順に撥水性
能の向上が図れることが分かった。
でも耐熱性、耐油性、加工性、熱可塑性、光透過性、耐
薬品性、誘電性、等などの機能上、各種フッ素樹脂が使
用されているが、それらいずれの樹脂に対しても接触角
130°を超える撥水効果があることが確認された。ま
た、注入元素も上記の気体から供給できるので低コス
ト、量産性も可能になる効果もある。
A、FEP、ETFEの例を示したが、これらはいずれ
も主鎖に−CF2−を有し、末端基が−CF3からなるフ
ルオロカーボン樹脂であるが、炭素の替わりに珪素で構
成され主鎖に−SiF2−を有し、末端基が−SiF3か
らなるフルオロシリコーン樹脂、さらにはこれらフルオ
ロカーボン樹脂及びフルオロシリコーン樹脂のフッ素原
子の一部を水素原子で置換したハイドロフルオロカーボ
ン樹脂、ハイドロフルオロシリコーン樹脂などのフッ素
樹脂においても、加速電圧2kV以上で50kV以下の
高エネルギのイオンを照射もしくは注入する、いわゆる
イオン注入処理することにより、微細な凹凸を形成し、
その結果極めて高い撥水機能を有する表面を形成するこ
とができる。
る表層部の分子構造模式図。
分析したスペクトル曲線図。
分析したスペクトル曲線図。
子顕微鏡で撮影した表面写真。
子顕微鏡で撮影した表面写真。
顕微鏡で測定し、その表面粗さの分布を解析したグラ
フ。
顕微鏡で測定し、その表面粗さの分布を解析したグラ
フ。
下し、接触角を測定した結果を示す模式図。
下し、接触角を測定した結果を示す模式図。
成図。
ギーとの関係を示す模式図。
V)と水接触角との関係を示した特性図。
性図。
Claims (11)
- 【請求項1】イオン注入処理により表面層のフッ素原子
の含有量が内層よりも多く存在せしめ、かつ、面粗さを
表示する中心線平均粗さRaが0.2〜3μmの凹凸面
を有すると共に、前記凹凸面には、単位面積当たり2.
6×1013個/m2〜1.8×1010個/m2の剣山状の
微細突起を有していることを特徴とするフッ素樹脂成形
体。 - 【請求項2】微細突起の隣り合う平均距離が0.3〜1
1.3μmであることを特徴とする請求項1記載のフッ
素樹脂成形体。 - 【請求項3】フッ素樹脂が、フルオロカーボン樹脂、も
しくはフルオロシリコーン樹脂で構成されたとき、CF
3基、もしくはSiF3基が表層全体の5〜50%存在す
ることを特徴とする請求項1もしくは2記載のフッ素樹
脂成形体。 - 【請求項4】フッ素樹脂は、主鎖に−CF2−を有し、
末端基が−CF3からなるフルオロカーボン樹脂、もし
くは主鎖に−SiF2−を有し、末端基が−SiF3から
なるフルオロシリコーン樹脂、さらにはこれらフルオロ
カーボン樹脂及びフルオロシリコーン樹脂のフッ素原子
の一部を水素原子で置換したハイドロフルオロカーボン
樹脂もしくはハイドロフルオロシリコーン樹脂からなる
ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一つに記載
のフッ素樹脂成形体。 - 【請求項5】フルオロカーボン樹脂は、PTFE(ポリ
テトラフルオロエチレン)、PFA(テトラフルオロエ
チレンパーフルオロアルキルビニルエーテル共重合
体)、FEP(テトラフルオロエチレンヘキサフルオロ
プロピレン共重合体)、もしくはETFE(テトラフル
オロエチレン共重合体)のいずれか1種からなることを
特徴とする請求項4記載のフッ素樹脂成形体。 - 【請求項6】フッ素樹脂表面に加速電圧2kV以上で5
0kV以下の高エネルギのイオンを注入して表面を改質
することを特徴とするフッ素樹脂の表面処理方法。 - 【請求項7】フッ素樹脂は、主鎖に−CF2−を有し、
末端基が−CF3からなるフルオロカーボン樹脂、もし
くは主鎖に−SiF2−を有し、末端基が−SiF3から
なるフルオロシリコーン樹脂、さらにはこれらフルオロ
カーボン樹脂及びフルオロシリコーン樹脂のフッ素原子
の一部を水素原子で置換したハイドロフルオロカーボン
樹脂もしくはハイドロフルオロシリコーン樹脂からなる
ことを特徴とする請求項6記載のフッ素樹脂の表面処理
方法。 - 【請求項8】フルオロカーボン樹脂は、PTFE(ポリ
テトラフルオロエチレン)、PFA(テトラフルオロエ
チレンパーフルオロアルキルビニルエーテル共重合
体)、FEP(テトラフルオロエチレンヘキサフルオロ
プロピレン共重合体)、もしくはETFE(テトラフル
オロエチレン共重合体)のいずれか1種からなることを
特徴とする請求項6もしくは7記載のフッ素樹脂の表面
処理方法。 - 【請求項9】注入するイオンはAr、Ne、He、F、
Nのいずれかであり、その注入量は単位面積当たり1×
1013〜1×1016ions/cm2の範囲であることを特徴と
する請求項6乃至8のいずれか一つに記載のフッ素樹脂
の表面処理方法。 - 【請求項10】フッ素樹脂表面に加速電圧2kV以上で
50kV以下の高エネルギのイオンを注入して表面を改
質するに際し、イオン注入処理はプラズマが存在する所
定の減圧下で行い、処理後はイオン注入時に供給した同
種のガスでパージすることを特徴とする請求項6記載の
フッ素樹脂の表面処理方法。 - 【請求項11】イオンビームを発生する高電圧イオン源
と、それに連なる真空処理槽と、真空処理槽内に連続供
給、もしくはバッチ処理によりフッ素樹脂シートを供給
できる試料搬送手段と、少なくとも真空処理槽を排気す
る排気手段とで構成したことを特徴とする請求項6乃至
10のいずれか一つに記載のフッ素樹脂の表面処理方法
を実現するための表面処理装置。
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