JP2014181291A - 摺動部材とその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】摺動面がフッ素樹脂からなり、しかも潤滑油の使用量を減らしたり、水系潤滑剤に転換したりしても摩擦トルクが高くなりにくく、また焼き付きを生じにくい摺動部材と、その製造方法とを提供する。
【解決手段】摺動部材1は、その全体をフッ素樹脂によって一体に形成するとともに、被摺動部材との摺動面2に、被摺動部材の摺動方向Dの前方へ傾斜させて、多数の針状突起3を形成した。製造方法は、摺動面に、傾斜方向からイオンビームを照射することにより、照射領域のフッ素樹脂を除去して、針状突起を、摺動方向の前方へ傾斜させて形成する。
【選択図】図1

Description

本発明は、フッ素樹脂からなる摺動部材と、その製造方法に関するものである。
環境への負荷を低減するため、例えば被摺動部材と摺動される摺動部材について、潤滑油の使用量を減らしたり、潤滑油から水系潤滑剤へ転換したりすることが求められるようになってきている。
ところが、特に摺動面がポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等のフッ素樹脂からなる摺動部材は、潤滑油の使用量を減らしたり、水系潤滑剤に転換したりした環境下において摩擦トルクが高くなったり、焼き付きを生じやすくなったりするという問題がある。
この原因としては、例えば少量の潤滑油の場合、当該潤滑油が、摺動部材と被摺動部材との摺動によって摺動面から除外されて、両部材間が無潤滑で直接に接触する状態となりやすいことが考えられる。
また水系潤滑剤の場合は、そもそもフッ素樹脂が疎水性であって水をはじきやすいことから、やはり摺動部材と被摺動部材との摺動によって摺動面から除外されて、両部材間が無潤滑で直接に接触する状態となりやすく、結果的に摩擦トルクが高くなったり、焼き付きを生じやすくなったりするものと考えられる。
特許文献1には、イオンビームを照射することにより、フッ素樹脂の表面を、当該表面に対して直交方向に突出する多数の針状突起を備えた形状(剣山状)に形成することが記載されている。
フッ素樹脂の表面に多数の針状突起を形成すると、その比表面積が増加するため、かかる表面の、潤滑油や水系潤滑剤に対する親和性を向上できる。
しかし特許文献1では、多数の針状突起を、フッ素樹脂の表面に対して直交方向に突出させて形成しており、かかる表面は、摺動面としては十分に機能し得ない。
すなわち多数の針状突起を設けることで、針状突起を設けない平坦な摺動面に比べて、摩擦トルクが増加する。
また個々の針状突起は、被摺動部材と先端の点で接触しているとともに、被摺動部材の荷重が、主に針状突起の軸方向に加わることから、被摺動部材との摺動によって短期間で摩耗しやすく、摩耗すると比表面積が減少して、潤滑油や水系潤滑剤を保持する機能が失われる。そしてこれらの機能が失われると、被摺動部材との摺動によって、潤滑油や水系潤滑剤が摺動面から除外されて、両部材間が無潤滑で直接に接触する状態となり、摩擦トルクが高くなったり、焼き付きを生じやすくなったりする。
しかも特許文献1には、フッ素樹脂の表面を摺動面として利用することについては一切検討されていない。
特開2000−17091号公報
本発明の目的は、摺動面がフッ素樹脂からなり、しかも潤滑油の使用量を減らしたり、水系潤滑剤に転換したりしても摩擦トルクが高くなりにくく、また焼き付きを生じにくい摺動部材と、その製造方法とを提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明は、全体がフッ素樹脂によって一体に形成され、被摺動部材との摺動面(2)を備えた摺動部材(1)であって、前記摺動面には、多数の針状突起(3)が、前記被摺動部材の摺動方向の前方へ傾斜させて設けられていることを特徴とするものである(請求項1)。なお、カッコ内の英数字は、後述の実施の形態における対向構成要素等を示す。以下、この項において同じ。
本発明によれば、摺動面に多数の針状突起を設けることによってその比表面積を増加させて、潤滑油や水系潤滑剤に対する親和性を高めることができる。
また針状突起は、被摺動部材の摺動方向の前方へ傾斜させて設けられており、針状突起を摺動面に対して直交方向に突出させて形成した場合に比べて、摩擦トルクを小さくすることができる。
また傾斜させた針状突起は、被摺動部材とは、先端の点ではなく、先端近傍の側面の線で接触するとともに、被摺動部材の荷重を、傾斜させた針状部材の変形によって和らげることができるため、被摺動部材との摺動によって短期間で摩耗するおそれがない。
そのため針状突起による、少量の潤滑油や水系潤滑剤を、摺動によって摺動面から除外されないように保持する機能を、長期間に亘って維持しつづけることができる。そして、例えば潤滑油の使用量を減らしたり、水系潤滑剤に転換したりしても保持した潤滑油や水系潤滑剤によって良好な潤滑を確保して、摩擦トルクを高くなりにくくし、また焼き付きを生じにくくすることができる。
前記摺動面(2)は、筒状の外周面、内周面、または平面上に環状に設定されているとともに、前記被摺動部材は、前記環状の摺動面に沿って一方向に摺動回転するものであり、前記針状部材(3)は、前記被摺動部材の摺動方向に沿って環状に、前記摺動方向の前方へ傾斜させて設けられているのが好ましい(請求項2)。
かかる構成とすることにより、摺動回転する被摺動部材に対して、環状の摺動面の全周で、針状突起の摩耗を抑制できる上、環状の摺動面の全周に亘って、被摺動部材の摩擦トルクを一定に維持することができる。
特に水系潤滑剤を使用する場合、前記針状突起(3)の表面を含む前記摺動面(2)は、親水化処理されているのが好ましい(請求項3)。
先に説明したように摺動面は、多数の針状突起が設けられることで比表面積が増加して、潤滑油や水系潤滑剤に対する親和性が向上する。しかしフッ素樹脂は、前述したように本来的に疎水性であって、多数の針状突起が設けられた領域は、疎水性に基づいて超撥水性を示すため、特に水系潤滑剤に対する親和性の向上効果が不十分になる場合がある。
これに対し、針状突起の表面を含む摺動面を親水化処理すると、当該摺動面における、水系潤滑剤に対する親和性を大幅に向上できる。
しかも摺動面の親水化処理は、被摺動部材との摺動を繰り返す針状突起の先端近傍の側面では、比較的短期間で摩滅して失われるおそれがあるが、針状突起のうち、摺動時に被摺動部材と直接に接触しない部分の親水化処理は、短期間で摩滅することがないため、水系潤滑剤を保持する機能を、より長期間に亘って維持しつづけることが可能となる。
本発明は、前記本発明の摺動部材を製造するための製造方法であって、前記摺動面(2)に、前記針状突起(3)の傾斜方向からイオンビーム(12)を照射することにより、前記領域のフッ素樹脂を除去して、前記針状突起(3)を、前記摺動方向の前方へ傾斜させて形成する工程を含むことを特徴とするものである(請求項4)。
本発明によれば、摺動面に、針状突起の傾斜方向からイオンビームを照射して、照射領域のフッ素樹脂を除去するだけで、摺動面に、被摺動体の摺動方向の前方へ傾斜させて多数の針状突起を形成することができる。そのため本発明の摺動部材の、製造の効率を向上できる。
前記本発明の製造方法によって、先に説明したように多数の針状突起(3)を、環状の摺動面(2)上を摺動回転する被摺動部材の摺動方向に沿って環状に、前記摺動方向の前方へ傾斜させた状態で形成するためには、前記環状の摺動面(2)の周方向の一部を露出させた状態で、前記露出された摺動面(2)に、前記針状突起(3)の傾斜方向からイオンビーム(12)を照射する作業を、前記摺動面(2)の全周に亘って繰り返せばよい(請求項5)。
前記本発明の製造方法は、さらに前記針状突起(3)の表面を含む前記摺動面(2)を、水のプラズマ(19)に暴露して親水化処理する工程を含んでいるのが好ましい(請求項6)。
かかる工程を経ることにより、針状突起の表面を含む摺動面を、効率よく親水化できる。
本発明によれば、摺動面がフッ素樹脂からなり、しかも潤滑油の使用量を減らしたり、水系潤滑剤に転換したりしても摩擦トルクが高くなりにくく、また焼き付きを生じにくい摺動部材と、その製造方法とを提供することができる。
本発明の摺動部材の、実施の形態の一例の、摺動面付近を拡大して示す断面図である。 摺動面における、針状突起の傾斜方向の、摺動方向との面方向の関係を説明する平面図である。 本発明の摺動部材の他の例として、平面上に摺動面を環状に設定したものにおける、針状突起の傾斜方向の一例を説明する斜視図である。 本発明の摺動部材の他の例として、筒状の外周面に摺動面を環状に設定したものと、被摺動部材とを組み合わせた状態を示す斜視図である。 本発明の摺動部材の製造方法のうち、イオンビームの照射によって、環状の摺動面に、環状に傾斜させて針状突起を形成する工程を説明する説明図である。 図5の製造工程において、針状突起を環状に傾斜させて形成するために使用するマスクと、摺動部材のもとになるフッ素樹脂板との位置関係を説明する正面図である。 針状突起を形成した摺動面を水のプラズマに暴露して親水化処理する工程を説明する説明図である。 図9〜図12の電子顕微鏡写真が、本発明の実施例で形成した環状の摺動面のどの位置に該当するものであるかを示す平面図である。 本発明の実施例で環状の摺動面に環状に傾斜させて形成した針状突起の、図8の「図9」地点での電子顕微鏡写真である。 本発明の実施例で環状の摺動面に環状に傾斜させて形成した針状突起の、図8の「図10」地点での電子顕微鏡写真である。 本発明の実施例で環状の摺動面に環状に傾斜させて形成した針状突起の、図8の「図11」地点での電子顕微鏡写真である。 本発明の実施例で環状の摺動面に環状に傾斜させて形成した針状突起の、図8の「図12」地点での電子顕微鏡写真である。 本発明の実施例、比較例で製造した摺動部材の摩擦係数を測定する方法を説明する斜視図である。
図1は、本発明の摺動部材の、実施の形態の一例の、摺動面付近を拡大して示す断面図である。図2は、摺動面における、針状突起の傾斜方向の、摺動方向との面方向の関係を説明する平面図である。
図1を参照して、この例では、摺動部材1の摺動面2に、図中に実線の矢印で示す被摺動部材(図示せず)の摺動方向Dの前方へ、摺動面2の法線Nから所定の角度θ1分傾斜させて、多数の針状突起3が設けられている。
角度θ1は任意に設定できるものの、先に説明した、針状突起3を傾斜させることによる効果をさらに向上することを考慮すると30°以上であるのが好ましく、60°以上であるのが好ましい。
図1、図2を参照して、針状突起3の面方向の傾斜方向は、摺動方向Dの前方、すなわち図2中に破線の矢印で示すように、摺動方向Dに対して左右90°より前方であればよいが、先に説明した、針状突起3を傾斜させることによる効果をさらに向上することを考慮すると、摺動方向Dに対して左右の角度θ2が45°以内であるのが好ましく、30°以内であるのが好ましい。
針状突起3の寸法は任意に設定できる。ただし、摺動面2に多数の針状突起3を設けて比表面積を増加させて、潤滑油や水系潤滑剤に対する親和性を高める効果をできるだけ有効に発現させることを考慮すると、針状突起3の、軸方向の長さ(高さ)は5μm以上、特に15μm以上であるのが好ましく、50μm以下、特に35μm以下であるのが好ましい。また最大径は2μm以上であるのが好ましく、5μm以下であるのが好ましい。
針状突起3の大きさをかかる範囲に調整するには、例えば後述するようにイオンビームの照射によって針状突起3を形成する際の条件、具体的にはイオン化ガスの種類や流量、イオンビームの照射密度や加速電圧、あるいは処理時間等を適宜変更すればよい。
図1の例の摺動部材1によれば、摺動面2に多数の針状突起3を設けることによってその比表面積を増加させて、潤滑油や水系潤滑剤に対する親和性を高めることができる。
また針状突起3を、被摺動部材の摺動方向Dの前方へ傾斜させて設けることによって、当該針状突起3が被摺動部材との摺動によって短期間で摩耗するのを防止できる。
そのため針状突起3による、少量の潤滑油や水系潤滑剤を保持する機能を、長期間に亘って維持しつづけることができ、例えば潤滑油の使用量を減らしたり、水系潤滑剤に転換したりしても良好な潤滑を確保して、摩擦トルクを高くなりにくくし、また焼き付きを生じにくくできる。
水系潤滑剤を使用する場合、針状突起3の表面を含む摺動面2は、親水化処理されているのが好ましい。
先に説明したように摺動面2は、多数の針状突起3が設けられることで比表面積が増加して、潤滑油や水系潤滑剤に対する親和性が向上する。しかしフッ素樹脂は、前述したように本来的に疎水性であって、多数の針状突起3が設けられた領域は、疎水性に基づいて超撥水性を示すため、特に水系潤滑剤に対する親和性の向上効果が不十分になる場合がある。
これに対し、針状突起3の表面を含む摺動面2を親水化処理すると、摺動面2における、水系潤滑剤に対する親和性を大幅に向上できる。
しかも摺動面2の親水化処理は、被摺動部材との摺動を繰り返す針状突起3の先端近傍の側面では、比較的短期間で摩滅して失われるおそれがあるが、針状突起3のうち、摺動時に被摺動部材と直接に接触しない部分の親水化処理は、短期間で摩滅することがないため、水系潤滑剤を保持する機能を、より長期間に亘って維持しつづけることが可能となる。
図3は、本発明の摺動部材の他の例として、平面上に摺動面を環状に設定したものにおける、針状突起の傾斜方向の一例を説明する斜視図である。
図3を参照して、この例の摺動部材1は平板状に形成され、図において上側の平面が、摺動面2と直交する中心軸C1を中心として、図中に実線の矢印で示すように、この例の場合は反時計回りの環状の摺動方向Dに被摺動部材(図示せず)を摺動回転させるための環状の摺動面2とされている。
図1を援用して、摺動面2には、環状の摺動方向Dに沿って環状に、当該摺動方向Dの前方へ傾斜させて、多数の針状突起3が設けられている。
針状突起3の傾斜角度θ1、面方向の傾斜方向の範囲θ2、針状突起3の大きさ等は、先に図1、図2の例で説明したとおりである。
水系潤滑剤を使用する場合、針状突起3を含む摺動面2を親水化処理してもよいことも同様である。
図3の摺動部材1によれば、摺動面2に多数の針状突起3を設けることによってその比表面積を増加させて、潤滑油や水系潤滑剤に対する親和性を高めることができる。
また針状突起3を、例えば環状の被摺動面を有する被摺動部材の、中心軸C1を中心とした反時計回りの摺動回転の摺動方向Dの前方へ傾斜させて設けることによって、当該針状突起3が被摺動部材との摺動によって短期間で摩耗するのを防止できる。
そのため針状突起3による、少量の潤滑油や水系潤滑剤を保持する機能を、長期間に亘って維持しつづけることができ、例えば潤滑油の使用量を減らしたり、水系潤滑剤に転換したりしても良好な潤滑を確保して、摩擦トルクを高くなりにくくし、また焼き付きを生じにくくできる。
図4は、本発明の摺動部材の他の例として、筒状の外周面に摺動面を環状に設定したものと、被摺動部材とを組み合わせた状態を示す斜視図である。
図4を参照して、この例の摺動部材1は円柱状に形成されているとともに、円柱の筒状の外周面が、環状の摺動面2とされている。また被摺動部材4は、摺動部材1の摺動面2に、その全周に亘って接する筒状の内周面(被摺動面)5を備えた円筒状に形成されている。
摺動部材1と被摺動部材4とは、摺動部材1の中心軸C2を中心として、被摺動部材4が、図中に実線の矢印で示す環状の摺動方向Dに、相対的に摺動回転される。具体的には、摺動部材1が固定されて被摺動部材4が摺動方向Dに回転されるか、逆に被摺動部材4が固定されて摺動部材1が摺動方向Dと逆方向に回転されるか、あるいは両者がそれぞれ逆方向に回転される。
図1を援用して、摺動面2には、環状の摺動方向Dに沿って環状に、当該摺動方向Dの前方へ傾斜させて、多数の針状突起3が設けられている。
針状突起3の傾斜角度θ1、面方向の傾斜方向の範囲θ2、針状突起3の大きさ等は、先に図1、図2の例で説明したとおりである。
水系潤滑剤を使用する場合、針状突起3を含む摺動面2を親水化処理してもよいことも同様である。
図4の摺動部材1によれば、摺動面2に多数の針状突起3を設けることによってその比表面積を増加させて、潤滑油や水系潤滑剤に対する親和性を高めることができる。
また針状突起3を、被摺動部材4の、中心軸C2を中心とした摺動回転の摺動方向Dの前方へ傾斜させて設けることによって、当該針状突起3が被摺動部材との摺動によって短期間で摩耗するのを防止できる。
そのため針状突起3による、少量の潤滑油や水系潤滑剤を保持する機能を、長期間に亘って維持しつづけることができ、例えば潤滑油の使用量を減らしたり、水系潤滑剤に転換したりしても良好な潤滑を確保して、摩擦トルクを高くなりにくくし、また焼き付きを生じにくくできる。
以上で説明した各図の例の摺動部材1を形成するフッ素樹脂としては、例えばポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、エチレン−フルオロエチレン交互共重合体(ETFE)等が挙げられる。
また各図の例において、針状突起3は、本発明の製造方法により、摺動面2に、針状突起3の傾斜方向からイオンビームを照射して、当該摺動面2を構成するフッ素樹脂を選択的に除去することによって形成される。
図5は、本発明の摺動部材の製造方法のうち、イオンビームの照射によって、図3に示す環状の摺動面に、環状に傾斜させて針状突起を形成する工程を説明する説明図である。また図6は、図5の製造工程において、針状突起を環状に傾斜させて形成するために使用するマスクと、摺動部材のもとになるフッ素樹脂板との位置関係を説明する正面図である。
図5を参照して、かかる工程では、真空チャンバ6内に、摺動部材1のもとになるフッ素樹脂板7を保持するためのホルダ8と、図の場合は3組の加速電極9とを互いに対向させて配設したイオンビーム処理装置10を用いる。
加速電極9は、図示しない電源から直流電圧が投入されることで、真空チャンバ6内にプラズマ11を発生させるとともに、発生させたプラズマ11をホルダ8の方向に加速してイオンビーム12を生成させて、ホルダ8に保持したフッ素樹脂板7の表面に照射するためのものである。
図1、図3、および図5を参照して、ホルダ8は、保持するフッ素樹脂板7の表面(環状の摺動面2となる)に対して、直交方向から角度θ1分傾斜させた状態でイオンビーム12を照射するために、イオンビーム12の照射方向に対して、角度θ1分傾斜させて設けられている。
またホルダ8は、保持したフッ素樹脂板7の、先に説明した摺動部材1の中心軸C1と一致する中心軸C3を中心として回転可能とされている。
図3、図5、図6を参照して、ホルダ8の前面には、保持したフッ素樹脂板7の環状の摺動面2の、周方向の一部を、スリット13を通して露出させ、他を被覆するためのマスク14が設けられている。
マスク14は、図6において矩形の両側辺の傾斜角度が、ホルダ8、およびフッ素樹脂板7の傾斜角度と一致し、かつフッ素樹脂板7の摺動面と並行となるように全体を傾斜させた状態で、真空チャンバ6内に固定されている。またスリット13は、一方の側辺から中心軸C3へかけて、側辺と直交させて設けられている。
そのため、ホルダ8に保持されたフッ素樹脂板7の摺動面2の一部を、スリット13を通して露出させた状態でイオンビーム12を照射すると、イオンビーム12は、露出された部分に、角度θ1分傾斜した状態で入射され、当該部分に、角度θ1分傾斜された針状突起3が形成される。
かかる工程では、フッ素樹脂板7を、真空チャンバ6内に設けたホルダ8に保持させるとともに、スリット13で露出された部分以外はマスク14で被覆した状態で、真空チャンバ6内を、図示しない真空系によって真空引きしながら、イオン化ガスとして、例えばNガスを所定の流量となるように導入する。
次いでこの状態で、ホルダ8を、図6中に破線の矢印で示すように一方向に、一定の速度で回転させながら、加速電極9に直流電圧を投入して、真空チャンバ6内にプラズマ11を発生させるとともに、加速させてイオンビーム12を生成させ、生成させたイオンビーム12を、ホルダ8に保持したフッ素樹脂板7の表面に、マスク14のスリット13を通して選択的に照射する。
そうすると、ホルダ8の回転に伴って、当該ホルダ8に保持されたフッ素樹脂板7の摺動面2が順次露出されて、露出された摺動面2に、先に説明したように角度θ1分傾斜された針状突起3が順次、環状に形成されて、図3に示す摺動部材1が製造される。
かかる工程における処理の条件は任意に設定できるが、例えばPTFEからなるフッ素樹脂板7の表面に、先に説明した高さ、および最大径を有する針状突起3を形成するためには、イオン化ガスがNガスの場合、その流量は0.5sccm以上であるの好ましく、2.0sccm以下であるのが好ましい。また加速電圧は2kV以上であるのが好ましく、4kV以下であるのが好ましい。また照射密度は5×1015ions/cm以上であるのが好ましく、5×1016ions/cm以下であるのが好ましい。さらに照射時間は20分間以上であるのが好ましく、40分間以下であるのが好ましい。
なおイオン化ガスとしては、Nガス、Arガス、Neガス、Heガス、Fガス等の1種または2種以上が挙げられる。
また、スリット13の幅は3mm以上であるのが好ましく、12mm以下であるのが好まし。さらに、ホルダ8の回転速度は2rpm以上であるのが好ましく、8rpm以下であるのが好ましい。
また本発明では、以上の工程で形成した針状突起3の表面を含む摺動面2を、さらに水のプラズマに暴露して親水化処理して摺動部材1を完成させてもよい。これにより、先に説明したようにこれら各面の、特に水系潤滑剤に対する親和性を向上することができる。
図7は、親水化処理の工程を説明する説明図である。
図7を参照して、かかる工程では、真空チャンバ15内に、先の工程で針状突起3を形成したフッ素樹脂板7を保持するためのホルダ16を配設するとともに、ホルダ16を高周波電源17に接続したプラズマ処理装置18を用いる。
そして、まずフッ素樹脂板7を、針状突起3を形成した表面(摺動面2)を上側にして、真空チャンバ15内に設けたホルダ16上に載置した状態で、真空チャンバ15内を、図示しない真空系によって真空引きしながら、Arガスと、気化させた水とを、それぞれ所定の流量となるように導入する。
次いでこの状態で、高周波電源17を駆動させて、真空チャンバ15内に水のプラズマ19を発生させる。
そうすると摺動部材1のうち、針状突起3の表面を含む摺動面2が、水のプラズマ19に暴露されて親水化処理される。
かかる親水化処理の工程における処理の条件は任意に設定できるが、例えばPTFEからなる摺動部材1の、針状突起3の表面を含む摺動面2を親水化処理するためには、Arの流量が10sccm、真空チャンバ15内の真空度が10〜100Pa、好ましくは20〜50Paの条件で、高周波出力が15W以上であるのが好ましく、25W以下であるのが好ましい。また処理時間は10分間以上であるのが好ましく、20分間以下であるのが好ましい。
なお本発明は、以上で説明した各図の例には限定されない。
すなわち本発明の構成は、任意の形状を有する摺動面に適用でき、摺動面には、その上を摺動する被摺動部材の摺動方向に応じて、かかる摺動方向の前方へ傾斜させて、多数の針状突起を形成することができる。
例えば図4と同じ円柱体と筒体の組み合わせで、筒体の内周面5に針状突起3を形成して、筒体を摺動部材1、円柱体を被摺動部材4として機能させることもできる。
また、例えば図3に示した平板状の摺動部材1の摺動面2の全面に亘って、同じ方向に傾斜させた針状突起3を形成することもできる。
その場合、図5のイオンビーム処理装置10を用いて、マスク14を使用せず、かつホルダ8を回転させずに、摺動面2の全面に同一方向からイオンビーム12を照射すればよい。
かかる摺動部材1は、摺動面2上を、図示しない被摺動部材が傾斜させた一方向に向けて摺動する用途に使用することができる。
その他、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の設計変更を施すことができる。
〈実施例1〉
(針状突起3の形成)
フッ素樹脂板7としては、縦30mm×横30mm×厚み5mmの平板状のPTFE板を用いた。
フッ素樹脂板7の片側の表面に、図1、図3に示すように、当該表面と直交する中心軸C1を中心として環状に傾斜させて多数の針状突起3を形成して、環状の摺動面2を有する摺動部材1を製造するために、図5に示すイオンビーム処理装置10と、図6に示すマスク14とを用意した。
フッ素樹脂板7を、イオンビーム処理装置10のホルダ8にセットするとともに、マスク14を真空チャンバ6内に固定した状態で、ホルダ8を一方向に回転させながら、先に説明した手順で、フッ素樹脂板7の表面の、環状の摺動面2となる領域に順次、マスク14のスリット13を通して選択的にイオンビームを照射することで、当該照射領域のフッ素樹脂を選択的に除去して多数の針状突起3を形成した。
処理の条件は、イオン化ガス:N、流量:1.0sccm、加速電圧:3kV、照射密度:1.0×1016ions/cm、照射時間:120分間とした。イオンビーム12の照射角度(=針状突起3の傾斜角度)θ1は60°、スリット13の幅は6mm、ホルダ8の回転速度は4rpmに設定した。
(針状突起3の観察)
フッ素樹脂板7の摺動面2の針状突起3を、摺動面2の直交方向から観察した走査型顕微鏡写真を図9〜図12に示す。なお各図は、それぞれ図8に示した摺動部材1の摺動面2の、図中に記入した該当箇所の走査型電子顕微鏡写真である。
図9〜図12より、各部の針状突起3が、図8に示す摺動方向Dの前方へ、反時計回りに傾斜させて形成されていることが確認された。
〈実施例2、比較例1〉
イオンビーム12の照射角度θ1を30°(実施例2)、0°(比較例1)としたこと以外は実施例1と同様にして針状突起3を形成し、摺動部材1を製造した。なお比較例1は、針状突起3を摺動方向前方に傾斜させていない、特許文献1のものに相当する。
〈摩擦係数測定〉
実施例1、2、比較例1で製造した摺動部材1の、環状の摺動面2の、蒸留水中での摩擦係数を、鈴木式摩擦係数試験機を用いた面接触による底面圧の摩擦試験によって測定した。
すなわち図13を参照して、摺動面2を上にして蒸留水中に水平に配置した摺動部材1の摺動面2上に、ポリアセタール製で外径11.4mmの相手円筒体(被摺動部材)20を、その中心軸が、摺動面2の中心軸C1とほぼ一致するように載置し、相手円筒体20を、図中に実線の矢印で示す摺動面2と直交方向に0.25MPaの荷重をかけて摺動面2に接触させながら、筒の中心軸を中心として、図中に破線の矢印で示す、針状突起3の珪砂方向と同方向に回転数50rpm、滑り速度60mm/sで5分間、回転させて摩擦させた際の摩擦係数を測定した。結果を表1に示す。
表1の実施例1、2、比較例1の結果より、針状突起3を、摺動部材の摺動方向前方に傾斜させることで、摺動面2の面方向と直交させた場合よりも摩擦係数を小さくできることが判った。
また比較例1の針状突起は、被摺動部材と先端の点で接触しているとともに、被摺動部材の荷重が、主に針状突起の軸方向に加わっているため、被摺動部材との摺動によって短期間で摩耗して、摩擦トルクが高くなったり、焼き付きを生じやすくなったりすることが推測された。
これに対し、実施例1、2の傾斜させた針状突起は、被摺動部材とは、先端の点ではなく、先端近傍の側面の線で接触するとともに、被摺動部材の荷重を、傾斜させた針状部材の変形によって和らげることができるため、比較例1のように、被摺動部材との摺動によって短期間で摩耗するおそれがなく、より長期間に亘って、摩擦トルクが高くなったり、焼き付きを生じやすくなったりするのを防止できることが判った。
1:摺動部材、2:摺動面、3:針状突起、4:被摺動部材、5:内周面、6:真空チャンバ、7:フッ素樹脂板、8:ホルダ、9:加速電極、10:イオンビーム処理装置、11:プラズマ、11:外径、12:イオンビーム、13:スリット、14:マスク、15:真空チャンバ、16:ホルダ、17:高周波電源、18:プラズマ処理装置、19:プラズマ、20:相手円筒体、C1、C2、C3:中心軸、D:摺動方向、N:法線、θ1、θ2:角度

Claims (6)

  1. 全体がフッ素樹脂によって一体に形成され、被摺動部材との摺動面を備えた摺動部材であって、前記摺動面には、多数の針状突起が、前記被摺動部材の摺動方向の前方へ傾斜させて設けられていることを特徴とする摺動部材。
  2. 前記摺動面は、筒状の外周面、内周面、または平面上に環状に設定されているとともに、前記被摺動部材は、前記環状の摺動面に沿って一方向に摺動回転するものであり、前記針状部材は、前記被摺動部材の摺動方向に沿って環状に、前記摺動方向の前方へ傾斜させて設けられている請求項1に記載の摺動部材。
  3. 前記前記針状突起の表面を含む前記摺動面は、親水化処理されている請求項1または2に記載の摺動部材。
  4. 前記請求項1ないし3のいずれか1項に記載の摺動部材の製造方法であって、前記摺動面に、前記針状突起の傾斜方向からイオンビームを照射することにより、前記領域のフッ素樹脂を除去して、前記針状突起を、前記摺動方向の前方へ傾斜させて形成する工程を含むことを特徴とする摺動部材の製造方法。
  5. 前記環状の摺動面の、周方向の一部を露出させた状態で、前記露出された摺動面に、前記針状突起の傾斜方向からイオンビームを照射する作業を、前記環状の摺動面の全周に亘って繰り返すことにより、前記針状突起を、前記被摺動部材の摺動方向に沿って環状に、前記摺動方向の前方へ傾斜させて形成する請求項4に記載の摺動部材の製造方法。
  6. 前記針状突起の表面を含む前記摺動面を、水のプラズマに暴露して親水化処理する工程を含む請求項4または5に記載の摺動部材の製造方法。
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