JP2008100550A - ラックアンドピニオン式ステアリング装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】ラック背面を押圧し、ハウジングに滑合している滑り式ラックガイドを備えるラックアンドピニオン式ステアリング装置において、部品点数を少なくして、工程数を削減しつつ、ラックとラックガイドの摺動抵抗を抑えて、余分なラックガイド可動量の増加を起こさずに、ラトル音の発生を防止する。
【解決手段】皮膜処理を施してラックガイド2の外面に固体潤滑材を含む皮膜層7を形成し、皮膜層7を、直接ラック1の背面に押圧させる。
【選択図】図4
【解決手段】皮膜処理を施してラックガイド2の外面に固体潤滑材を含む皮膜層7を形成し、皮膜層7を、直接ラック1の背面に押圧させる。
【選択図】図4
Description
本発明は、ラックアンドピニオン式ステアリング装置のラトル音の発生を防止する皮膜に関する。
滑り式ラックガイドを備えるラックアンドピニオン式ステアリング装置では、ラック背面を押圧する滑り式ラックガイドが、ラックをサポートすることによりギヤのガタをなくし、噛合いを正常なものにしているが、ピニオンの振れやラック歯の高さのバラツキにより芯間距離が変動しても噛合いを適切に維持するためには、ラックガイドが、適度な押付力を保持しつつ芯間距離の変動を吸収する必要がある。そのために、ラックガイドは、図1に示すように、アジャストスクリューに直接突き当てるのでなく、ラックガイドとアジャストスクリューとの間にバネを介在させ、バネで押圧することで、押圧力を保持しつつ、ラックガイドとアジャストスクリューとの間隙分、ラックガイドが変位できるようにして、芯間距離の変動を吸収している。以下、ラックガイドとアジャストスクリューとの間隙をラックガイド可動量とする。
ラック歯には、圧力角が存在するため、ギヤ噛合い時に、ラック軸と垂直な方向、つまりラックガイドの方向に力が発生する。以下、この力をラック離反力とする。この離反力により、ラックガイドとラックの摺動部には、ラック離反力×摩擦係数の抵抗が発生する。この抵抗は、ステアリング装置の効率の低下につながるので、できるだけ、小さくする必要がある。さらに、ラックガイドに、ラック離反力×摩擦係数の抵抗が発生するということは、図1において、紙面と直交する方向の力が発生するということなので、この力によって、ラックガイドは、ハウジングの内面に押付けられることになる。したがって、ラックガイドは、ハウジングの内面に押付けられながら、摺動することになるので、繰り返しの摺動によって摩耗が進行すると、引っかかりが発生し、引っかかりが外れるときの振動や衝突によって、ラトル音が発生するという問題点がある。よって、ラックガイドとハウジングの摺動部は、摺動を滑らかにして、引っ掛かりを防止する必要がある。
この対策として、ラックガイドとハウジングの摺動部に、固体潤滑材を介装させることで、ラックガイドとハウジングの摺動を滑らかにして引っかかりを防止している。また、ラックガイドとラックの摺動部には、樹脂材料を使用することで、この摺動部の抵抗を小さくし、効率の低下を抑えている。
特開2002−178935号公報
しかしながら、上記のようにラックガイドのラック摺動部に樹脂材料を使用すると、ラックとの摺動によって樹脂材料が著しく摩耗してしまい、その分だけ、ラックガイドとアジャストスクリューの間隙が大きくなるので、ラックガイド可動量が大きくなってしまう問題点がある。ラックアンドピニオン式ステアリング装置において、ラックガイド可動量が大きくなると、ラトル音の発生につながるため、余分なラックガイド可動量の増加は避けなければならない。また、ラック摺動部に樹脂材料を使用するには、台座に樹脂シートを貼り付ける必要があるため、部品点数が増え、さらに、工程数も増えてしまうため、製造工程が複雑になるという問題点が発生する。
本発明が解決しようとする課題は、ラック背面を押圧し、ハウジングに滑合している滑り式ラックガイドを備えるラックアンドピニオン式ステアリング装置において、部品点数を少なくして、工程数を削減しつつ、ラックとラックガイドとの摺動抵抗を抑えることでラックとラックガイドの摺動部の摩耗を抑えて、余分なラックガイド可動量の増加を起こさずに、ラトル音の発生を防止することである。
本発明では、ラック背面を押圧し、ハウジングに滑合している滑り式ラックガイドを備えるラックアンドピニオン式ステアリング装置において、皮膜処理を施してラックガイドの外面に固体潤滑材を含む皮膜層を形成し、前記皮膜層が、直接ラック背面を押圧していることを特徴とする。
固体潤滑材を含む皮膜層は、摩擦抵抗が小さいので、ラックガイドとラックの摺動部の摩擦抵抗を下げつつ、また樹脂材料に比べて著しく硬いので、ラックガイドの摩耗を抑え、余分なラックガイド可動量の増加を解消することができる。さらに、樹脂シートを用いないことにより、部品点数を少なくし、無駄な工程をなくすことで製造を簡略にすることができる。
本発明により、製造コストを低減しつつ、ラックガイドの摩耗を小さくし、ラトル音の発生を防止することができる。
本発明は、ラック背面を押圧し、ハウジングに滑合している滑り式ラックガイドを備えるラックアンドピニオン式ステアリング装置において、皮膜処理を施してラックガイドの外面に固体潤滑材を含む皮膜層を形成し、前記皮膜層が、直接ラック背面を押圧していることを特徴とするラックアンドピニオン式ステアリング装置である。
本発明の固体潤滑材を含む皮膜処理には、二硫化モリブデンを含む皮膜処理、及びポリテトラフルオロエチレンを含む皮膜処理等がある。
二硫化モリブデンを含む皮膜処理方法では、アルミニウム合金を陽極酸化処理(アルマイト処理)後、モリブデン酸アンモニウムなどを主成分とする二次電解浴を用いて電解して、皮膜の微細孔の中に二硫化モリブデン(MoS2)を析出させる。
ポリテトラフルオロエチレンを含む皮膜処理方法では、アルミニウム合金を、陽極酸化処理(アルマイト処理)後、ポリテトラフルオロエチレン微粒子を分散した液に浸漬し、ワークを陽極にして電気泳動処理を行い、皮膜の微細孔の中にマイナス帯電しているポリテトラフルオロエチレン微粒子を充填させる。アルミニウム合金の酸化皮膜にフッ素樹脂を含浸させてもよい。
その他の皮膜処理方法では、本発明の皮膜は、例えば、グラファイト等の各種固体潤滑材を含む皮膜であってもよい。
本発明の1つの実施形態を図4に示す。図4に示すように、金属材のラックガイドの外面に固体潤滑材を含む皮膜処理が施され、この皮膜層が、ラックを直接押圧している。固体潤滑材を含む皮膜層は、摩擦抵抗が小さいので、ラックガイドとラックの摺動部の摩擦係数を下げると共に、樹脂材料に比べて著しく硬いので、ラックガイドの摩耗を抑えることができる。これにより、余分なラックガイド可動量の増加を解消することができるので、ラトル音の発生を防止することができる。
1 ラック
2 ラックガイド
3 バネ
4 アジャストスクリュー
5 ハウジング
6 ピニオン
7 固体潤滑材を含む皮膜を有するラック摺動部
8 固体潤滑材を含む皮膜を有するラックガイド外周部
2 ラックガイド
3 バネ
4 アジャストスクリュー
5 ハウジング
6 ピニオン
7 固体潤滑材を含む皮膜を有するラック摺動部
8 固体潤滑材を含む皮膜を有するラックガイド外周部
Claims (4)
- ラック背面を押圧し、かつハウジングに滑合している滑り式ラックガイドを備えるラックアンドピニオン式ステアリング装置において、皮膜処理を施して前記ラックガイドの外面に固体潤滑材を含む皮膜層を形成し、前記皮膜層が、直接に前記ラック背面を押圧していることを特徴とするラックアンドピニオン式ステアリング装置。
- 前記ラックガイドの材質が、アルミニウム合金であると共に、前記皮膜層が、アルマイト処理後に固体潤滑材を析出または含浸させて形成した皮膜層であることを特徴とする、請求項1に記載のラックアンドピニオン式ステアリング装置。
- 前記固体潤滑材が、二硫化モリブデン、ポリテトラフルオロエチレン、及びグラファイトから選択される、請求項2に記載のラックアンドピニオン式ステアリング装置。
- 前記ラックガイドと前記ハウジングの材質が、共にアルミニウム合金であることを特徴とする、請求項1〜3に記載のラックアンドピニオン式ステアリング装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006282786A JP2008100550A (ja) | 2006-10-17 | 2006-10-17 | ラックアンドピニオン式ステアリング装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2006282786A JP2008100550A (ja) | 2006-10-17 | 2006-10-17 | ラックアンドピニオン式ステアリング装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2008100550A true JP2008100550A (ja) | 2008-05-01 |
Family
ID=39435222
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2006282786A Pending JP2008100550A (ja) | 2006-10-17 | 2006-10-17 | ラックアンドピニオン式ステアリング装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2008100550A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2016064738A (ja) * | 2014-09-24 | 2016-04-28 | 大豊工業株式会社 | ラックガイドおよび当該ラックガイドを備えるラックピニオン式舵取り装置 |
JP2016064739A (ja) * | 2014-09-24 | 2016-04-28 | 大豊工業株式会社 | ラックガイドおよび当該ラックガイドを備えるラックピニオン式舵取り装置 |
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2006
- 2006-10-17 JP JP2006282786A patent/JP2008100550A/ja active Pending
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