JP6172625B1 - 密封装置のバネ部材の製造方法 - Google Patents

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Abstract

内周押圧部のピッチ間隔を狭めることができる密封装置のバネ部材の製造方法を提供する。金属材料から形成された板材(a)に対して打ち抜き加工を施し、外周側の輪郭と、内周側の円空間を形成して中間板材(b)を形成する内円及び外周打ち抜き工程を行う。内周曲げ工程においては、形成された中間板材(b)において、内円端部(12)と外円(13)との間の円である基円(15)から内側の部分を一方の側に曲げる曲げ加工を行う。内周打ち抜き工程においては、内周曲げ工程によって形成された中間板材(c)において、内円端部(12)から放射状に延びる部分である内周放射状部分(18)を打ち抜いて、放射片(14)に外円(13)よりも内側まで延びる内周切込(19)を形成する打ち抜き加工を行う。外周曲げ工程においては、形成された中間板材(d)において、基円(15)から外側の部分を基円(15)から一方の側に曲げる曲げ加工を行いバネ部材(1)が形成される。

Description

本発明は、密封装置のバネ部材の製造方法に関し、特に互いに相対移動可能な2つの部材間の環状の空間を密封するための密封装置のバネ部材の製造方法に関する。
従来から、互いに相対移動可能な2つの部材間の環状の空間、例えば、軸やピストン等の運動部材とこの運動部材を外周側において覆うハウジングやシリンダ等の部材との間の環状の空間を密封するために密封装置が用いられている。図7は、この種の従来の密封装置の概略構成を示す部分断面図である。図7に示す従来の密封装置100は、ハウジング111の開口112とこの開口112に相対移動可能に挿通された軸113との間の環状の空間を密封するために、ハウジング111の開口112と軸113との間に取り付けられて使用される。密封装置100は、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)等の樹脂材料から形成された軸線周りに環状のリップ部材101と、金属材料から形成された軸線周りに環状のバネ部材102とを有している。リップ部材101において、環状のリップ基部104の高圧側(図7において右側)の端部において外周側から、環状の外周側リップ105が高圧側に延びており、また、リップ基部104の高圧側の端部において内周側から、環状の内周側リップ106が高圧側に延びており、軸線方向において低圧側(図7において左側)に凹んだ環状の収容溝103が形成されている。バネ部材102は、図8に示すように断面略V字状の環状の部材であり、収容溝103内に収容されており、バネ部材102の低圧側から高圧側及び外周側に傾斜して延びる外周押圧部107が外周側リップ105に内周側から接触しており、バネ部材102の低圧側から高圧側及び内周側に傾斜して延びる内周押圧部108が内周側リップ106に外周側から接触している。
使用状態において、密封装置100は、外周側リップ105がハウジング111の開口112に密接し、内周側リップ106が軸113に密接し、外周側リップ105と内周側リップ106とは互いに近づく方向に締め代幅を押圧され、バネ部材102が圧縮される。これにより、使用状態における密封装置100において、外周側リップ105は外周押圧部107の反力によってハウジング111の開口112に押し付けられ、また、内周側リップ106は内周押圧部108の反力によって軸113に押し付けられて、ハウジング111と軸113との間の空間の密封が図られている。
リップ部材101の材料としてのPTFEは、高温高圧下において用いることができ、また、耐薬品性及び耐油性に優れており、リップ部材として適した特性を有しているが、塑性変形(へたり)が生じやすい。このため、PTFE製のリップ部材が要求されるシール性能(締め代)を長期間維持し続けることは難しい。特に、高温下においてはPTFE製のリップ部材は塑性変形し易く、高温環境はシール性能に対する影響が大きい。このため、密封装置100には上述のようにバネ部材102が設けられており、リップ部材101に高温によって塑性変形(へたり)が生じて締め代が低下してもバネ部材102がリップ部材101を押圧することにより、密封装置100の密封性能を維持するようにしている。しかしながら、密封装置100を高温側の使用限度温度域(約260℃)の近傍の温度において使用した場合、ハウジング111の金属材料とリップ部材101の材料との線膨張係数の差から、外周側リップ105がハウジング111に強く押し付けられ、外周側リップ105に塑性変形が生じ、外周側リップ105のハウジング111に対する締め代が低下してしまう場合がある。このため、密封装置100においては、高温下での外周側リップ105の塑性変形による締め代の低減を補償するために、外周側リップ105の剛性を低下させて、バネ部材102の外周押圧部107の外周側リップ105に対する影響(押圧の程度)を大きくしている(例えば、特許文献1参照。)。内周側リップ106に対しても、同様に、高温下での内周側リップ106の塑性変形による締め代の低減を補償するために、内周側リップ106の剛性を低下させて、バネ部材102の内周押圧部108の内周側リップ106に対する影響(押圧の程度)を大きくすることが考えられる。
特開2015−135137号公報
上述のように、従来の密封装置100においては、外周側リップ105及び/又は内周側リップ106(以下、「リップ105,106」ともいう。)の塑性変形の影響を低減し密封性能の維持を図ることができるが、リップ105,106の剛性を低下させてバネ部材102の反力がリップ105,106に大きく作用するようになっており、このため、リップ105,106の接触状態にばらつきが生じる場合がある。従来のバネ部材102においては、図8に示すように、バネ部材102のリップ105,106に夫々接触する部分の周方向における間隔(ピッチ間隔)は大きく、バネ部材102が接触するリップ105,106の夫々の部分には大きな荷重が加わり、外周側リップ105及び内周側リップ106のハウジング111及び軸113との夫々の接触部分における面圧に大きなばらつきが生じる。このため、特に、長期間の使用において、これらの接触部分における面圧の大きなばらつきにより、リップ105,106の夫々の接触部分の締め代が均一とならず、面圧の低い接触部分は、密封性能に悪影響を及ぼす場合がある。
外周側リップ105及び内周側リップ106の夫々の接触部における面圧の均一化を図るためには、外周側リップ105及び内周側リップ106のピッチ間隔を狭めることが考えられる。バネ部材102は、平板を打ち抜き加工によって外周押圧部107及び内周押圧部108に対応する部分を形成し、その後、外周押圧部107及び内周押圧部108に対応する部分を折り曲げることにより製造される。打ち抜き加工においては、打ち抜く板片の幅は、加工される平板の厚さに対して十分に広い幅(通常、平板の厚さの3倍)が必要となる。また、打ち抜き加工された平板において、隣接する内周押圧部108に対応する部分の間のピッチ間隔は内周押圧部108に対応する部分が折り曲げられることにより大きくなる。このため、密封装置100において、内周押圧部108のピッチ間隔は、打ち抜き加工に必要な打ち抜き幅よりも大きくなっており、密封装置100の内周側リップ106の接触部分の面圧にばらつきが生じてしまい、内周側リップ106の密封性能が低下してしまう場合がある。
このように、従来の密封装置100においては、高温下における使用によるリップ部材101の塑性変形に基づく密封性能の低下を抑制しつつ、内周側リップ106の密封性能の低下を抑制可能にするために、内周押圧部108のピッチ間隔を狭めることが求められていた。
本発明は、上述の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、内周押圧部のピッチ間隔を狭めることができる密封装置のバネ部材の製造方法を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明に係る密封装置のバネ部材の製造方法は、密封装置のバネ部材の製造方法であって、金属材料から形成された板材から円部分を打ち抜いて円空間を画定する内円を有する内円端部を形成する内円打ち抜き工程と、前記板材から前記内円端部の外側の円である外円よりも外側の部分、及び前記内円端部よりも外側において放射状に前記外円まで延びる部分である外周放射状部分を打ち抜いて放射状に配列された複数の放射片を形成する外周打ち抜き工程とを有する内円及び外周打ち抜き工程と、前記内円及び外周打ち抜き工程後の前記板材において、前記内円端と前記外円との間の円である基円から内側の部分を前記基円から前記板材の面する一方の側に曲げる内周曲げ工程と、前記内周曲げ工程後の前記板材において、前記内円端部から前記外円よりも内側まで放射状に延びる部分である内周放射状部分を打ち抜いて前記内円端部を分断するとともに前記放射片の各々に前記外円よりも内側まで延びる切込を形成する内周打ち抜き工程と、前記内周打ち抜き工程後の前記板材において、前記基円から外側の部分を前記基円から前記一方の側に曲げる外周曲げ工程とを備えることを特徴とする。
本発明の一態様に係る密封装置のバネ部材の製造方法において、前記内円及び外周打ち抜き工程において、前記外周放射状部分は、前記内円端部よりも外側において等角度間隔に放射状に前記外円まで延びる部分であり、前記放射片は、等角度間隔に配列されている。
本発明の一態様に係る密封装置のバネ部材の製造方法において、前記内周打ち抜き工程において、前記内周放射状部分は、前記内円から等角度間隔に放射状に延びる部分である。
本発明の一態様に係る密封装置のバネ部材の製造方法においては、前記内周打ち抜き工程において、前記切込を形成するために前記内円端部及び前記放射片において打ち抜かれる部分の周方向の幅は1mm以下である。
本発明の一態様に係る密封装置のバネ部材の製造方法において、前記内周打ち抜き工程において、前記切込を形成するために前記放射片において打ち抜かれる部分は、前記放射片の周方向の幅の中央に位置している。
本発明の一態様に係る密封装置のバネ部材の製造方法において、前記内円及び外周打ち抜き工程において、内円打ち抜き工程は外周打ち抜き工程と共に行われる。
本発明に係る密封装置の製造方法によれば、内周押圧部のピッチ間隔を狭めることができる。
本発明の実施の形態に係る密封装置のバネ部材の製造方法によって製造されるバネ部材の概略構造を示すためバネ部材の斜視図である。 本発明の実施の形態に係るバネ部材の製造方法における内円及び外周打ち抜き工程を説明するための図である。 本発明の実施の形態に係るバネ部材の製造方法における内周曲げ工程を説明するための図であり、図3(a)は、内周曲げ工程によって形成される中間板材の斜視図であり、図3(b)は、内周曲げ工程によって形成される中間板材の平面図であり、図3(c)は、内周曲げ工程によって形成される中間板材の軸線に沿う断面における断面図である。 本発明の実施の形態に係るバネ部材の製造方法における内周打ち抜き工程を説明するための図であり、図4(a)は、内周打ち抜き工程によって形成される中間板材の斜視図であり、図4(b)は、内周打ち抜き工程によって形成される中間板材の平面図である。 本発明の実施の形態に係るバネ部材の製造方法における外周曲げ工程を説明するための図であり、図5(a)は、外周曲げ工程によって形成されるバネ部材の斜視図であり、図5(b)は、外周曲げ工程によって形成されるバネ部材の平面図であり、図5(c)は、外周曲げ工程によって形成されるバネ部材の軸線に沿う断面における断面図である。 本発明の実施の形態に係る密封装置のバネ部材の製造方法によって製造されるバネ部材を備える密封装置の概略構成を示すための軸線に沿う断面における密封装置の断面図である。 従来の密封装置の概略構成を示す部分断面図である。 従来のバネ部材の概略形状を示すための斜視図である。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、本発明の実施の形態に係る密封装置のバネ部材の製造方法によって製造されるバネ部材の概略構造を示すためのバネ部材の斜視図である。図1に示すように、本発明の実施の形態に係る密封装置のバネ部材の製造方法によって製造されるバネ部材1は、金属材料から形成された板材から製造された軸線x周りに環状の部材である。
バネ部材1は、複数の外周押圧部2と、複数の内周押圧部3とを備えており、外周押圧部2は、軸線x周りに環状に並んでおり、内周押圧部3は、外周押圧部2の内側において軸線x周りに環状に並んでいる。外周押圧部2と内周押圧部3とは、軸線x方向における一方の側(図1において下方側)において接続しており、一体となっている。外周押圧部2は、軸線xにおいて他方の側(図1において上方側)に向かって外周側に傾いており、内周押圧部3は、軸線xにおいて他方の側に向かって内周側に傾いている。具体的には、外周押圧部2は、例えば、軸線xを中心として周方向に等角度間隔に位置しており、隣接する外周押圧部2の間の間隔(ピッチ間隔)が一定となっている。また、外周押圧部2は、他方の側の縁部(自由縁部2a)が軸線xを中心又は略中心とする円周上又は略円周上に位置している。また、具体的には、内周押圧部3は、例えば、軸線xを中心として周方向に等角度間隔に位置しており、隣接する内周押圧部3の間の間隔(ピッチ間隔)が一定となっている。また、内周押圧部3は、他方の側の縁部(自由縁部3a)が軸線xを中心又は略中心とする円周上又は略円周上に位置している。
後述するように、バネ部材1は、密封装置において、樹脂材料から形成されたリップ部材の環状の溝内に収容されて、外周押圧部2がリップ部材の外周側リップを押圧するため外周側リップに接触し、内周押圧部3がリップ部材の内周側リップを押圧するため内周側リップに接触する。
次いで、本発明の実施の形態に係る密封装置のバネ部材の製造方法について説明する。図2〜5は、本発明の実施の形態に係る密封装置のバネ部材の製造方法を説明するための図であり、図2は、本実施の形態に係るバネ部材の製造方法における内円及び外周打ち抜き工程を説明するための図であり、図3(a)〜(c)は、本実施の形態に係るバネ部材の製造方法における内周曲げ工程を説明するための図であり、図4(a),(b)は、本実施の形態に係るバネ部材の製造方法における内周打ち抜き工程を説明するための図であり、図5(a),(b)は、本実施の形態に係るバネ部材の製造方法における外周曲げ工程を説明するための図である。
本実施の形態に係るバネ部材の製造方法においては、先ず、金属材料から形成された板材である板材aを用意し、この板材aに対して打ち抜き加工を施し、図2に示すように、外周側の輪郭と、内周側の円空間を形成して中間板材bを形成する内円及び外周打ち抜き工程を行う。板材aの金属材料は、例えばステンレス鋼がある。また、板材aは、例えば、均一な又は略均一な厚さの平らな板材である。内円及び外周打ち抜き工程は、内円打ち抜き工程と外周打ち抜き工程とを有している。内円打ち抜き工程においては、板材aから円部分を打ち抜いて円形の空間である円空間11を画定する部分である内円端部12を形成する。外周打ち抜き工程においては、板材aから内円端部12の外側(外周側)の円である外円13よりも外側の部分(部分a1)、及び内円端部12よりも外側において放射状に外円13まで延びる部分である外周放射状部分a2を打ち抜いて放射状に配列された複数の部分である放射片14を形成する。
具体的には、円空間11は、板材aの平面に直交又は略直交する線である軸線xを中心とする又は略中心とする円である内円12aに囲まれた空間であり、外円13は、内円12aを内部に包含する軸線xを中心とする又は略中心とする円である。また、外周放射状部分a2は、複数の外周放射状部分片a3によって形成される部分であり、外周放射状部分片a3は、内円12aよりも外側の軸線xを中心とする又は略中心とする円から外円13まで径方向に延びる部分である。外周放射状部分a2において、複数の外周放射状部分片a3は、軸線xを中心として等角度間隔に又は略等角度間隔に配列されている。外周放射状部分片a3は、例えば、図2に示すように、径方向に直交する方向の幅が、内円12aから外側に向かって所定の位置まで一定であり、その後外側に向かうに連れて拡がっていく形状を呈している。放射片14は、外周放射状部分a2に対応して形作られ、具体的には、径方向に沿って内円端部12から外側に向かって延びており、例えば、径方向に直交する方向の幅が、内円端部12から外側に向かって所定の位置まで外側に向かうに連れて拡がっていき、その後一定の幅となる形状を呈している。また、複数の放射片14は、軸線xを中心として等角度間隔に又は略等角度間隔に配列されるように形成される。放射片14の外円13に沿う外側の縁が、バネ部材1の外周押圧部2の自由縁部2aに対応する。本実施の形態においては、図2に示すように、外周放射状部分a2は、12個の外周放射状部分片a3を有しており、放射片14が12個形成される。本実施の形態において、外周放射状部分a2は、上述の形状及び個数の放射片14が形成されるものとしたが、放射片14の個数及び形状はこれに限られるものではなく、密封装置において、リップ部材を所望する態様で押圧する形状及び個数であればよい。つまり、打ち抜かれる外周放射状部分a2の形状は、形成される放射片14の形状及び個数に対応して設定される。
内円及び外周打ち抜き工程においては、内円打ち抜き工程と外周打ち抜き工程とが実施されるが、内円打ち抜き工程と外周打ち抜き工程とが実施される順番はいずれの順番であってもよい。つまり、内円打ち抜き工程と外周打ち抜き工程とは同時に実施されてもよく、内円打ち抜き工程が外周打ち抜き工程よりも先に実施されてもよく、また、内円打ち抜き工程が外周打ち抜き工程の後に実施されてもよい。
次いで、内円及び外周打ち抜き工程後の中間板材bに対して、内周曲げ工程が実施され、図3に示す中間板材cが形成される。図3は、内周曲げ工程を説明するための図であり、図3(a)は、内周曲げ工程によって形成される中間板材cの斜視図であり、図3(b)は、内周曲げ工程によって形成される中間板材cの平面図であり、図3(c)は、内周曲げ工程によって形成される中間板材cの軸線xに沿う断面図である。
内周曲げ工程においては、内円及び外周打ち抜き工程によって形成された中間板材bにおいて、内円端部12と外円13との間の円である基円15(図2、図3(a),(b)参照)から内側の部分を基円15から中間板材b(板材a)の面する一方の側(図3(a)における矢印x1方向)に曲げる曲げ加工を行う。
具体的には、内周曲げ工程において、中間板材bの基円15よりも内側の部分が、x1方向側に向かって突出するノズル形状となるように、中間板材bの基円15よりも内側の部分を曲げ加工する。中間板材cにおいて、軸線xに沿う断面(以下、断面形状という。)の形状は、図3(c)に示すように、軸線xにおいてx1側に基円15から所定の距離までの部分は、内側に凸に湾曲しており、この所定の距離の部分よりもx1側の部分は、軸線x側に傾いて直線状に又は略直線状に延びている。また、中間板材cは、軸線xにおいて基円15からx1側において、軸線xに直交する平面における断面形状が軸線xを中心とする又は略中心とする円又は略円に沿う形状となっており、軸線xにおいて基円15からx1側に向かうに連れて縮径する円又は略円に沿う形状となっている。つまり、中間板材cにおいて、軸線xにおいて上記所定の距離の部分よりもx1側の部分は、軸線xを中心とする又は略中心とするx1側に向かって拡がる円錐面又は略円錐面に沿う形状になっている。
中間板材cにおいて、放射片14の内、曲げ加工によってx1側に曲げられていない部分である外周押圧部対応部16が、図1に示すバネ部材1の外周押圧部2に対応し、曲げ加工によってx1側に曲げられた放射片14の部分及び内円端部12を合わせた部分である内周押圧部対応部17が、図1に示すバネ部材1の内周押圧部3に対応する。上述のように、内周押圧部対応部17は、一部が円錐面又は略円錐面に沿う形状であるとしたが、内周押圧部対応部17の断面形状は、直線の部分を有しておらず全体が内側に向かって凸の曲線状であり、内周押圧部対応部17は、テーパー面に沿う形状であってもよい。
次いで、内周曲げ工程後の中間板材cに対して、内周打ち抜き工程が実施され、図4に示す中間板材dが形成される。図4は、内周打ち抜き工程を説明するための図であり、図4(a)は、内周打ち抜き工程によって形成される中間板材dの斜視図であり、図4(b)は、内周打ち抜き工程によって形成される中間板材dの平面図である。
内周打ち抜き工程においては、内周曲げ工程によって形成された中間板材cにおいて、内円端部12から放射状に延びる部分である内周放射状部分18を打ち抜いて(図3(b)、図4(b)参照)、放射片14の各々に外円13よりも内側まで延びる切込である内周切込19を形成する打ち抜き加工を行う。内周打ち抜き工程において中間板材cから打ち抜かれる内周放射状部分18は、内周切込19が形成されるために各放射片14から取り除かれる部分から成る部分であり、例えば、内円端部12から等角度間隔に放射状に延びる部分である。この内周打ち抜き加工によって、バネ部材1の内周押圧部3(図1参照)が形成される。
具体的には、内周打ち抜き工程において、中間板材cの各放射片14に、内円12aから内円端部12を貫通して外円13に達しない位置まで軸線xに沿って延びる内周切込19を形成する。つまり、内周切込19は、各放射片14において、軸線xの放射片14の投影線に沿って延びている。また、各放射片14において打ち抜かれる内周放射状部分18の部分は、放射片14において内周押圧部対応部17から外周押圧部対応部16まで延びており、外周押圧部対応部16において、外円13に沿う外周側の端まで達しておらず、この外周側の端から所定の距離を内周側に離れた位置まで延びている。内周切込19は、放射片14において、軸線xを中心とする円周の方向(以下、「周方向」ともいう。)における幅の中央に位置するように形成されることが好ましい。また、内周切込19は、上述の軸線xの投影線に沿う方向である延び方向に沿って、周方向の幅が均一であることが好ましい。各放射片14において径方向の押圧に対して発生する反力の周方向の幅に亘る均一化を図れるからである。
本実施の形態においては、内周打ち抜き工程によって、図4(a),(b)に示すように、各放射片14に、放射片14の周方向の幅において中央又は略中央に延びる、周方向の幅が均一又は略均一な内周切込19が形成されるようになっている。但し、内周切込19の外周押圧部対応部16における外周側の端部においては、周方向の幅が他の部分の周方向の幅と同一又は略同一となっていない。例えば、内周切込19のこの外周側の端部は、曲線を描く輪郭を形成するようになっており、本実施の形態においては、外周に向かって凸の曲線を描く輪郭を形成するようになっている。内周打ち抜き工程によって中間板材cから打ち抜かれる内周放射状部分18は、上述の内周切込19が形成されるように内周切込19に対応する形状となっている。内周切込19の周方向の幅は、例えば1mm以下である。つまり、各放射片14において打ち抜かれる内周放射状部分18の部分は、周押方向幅が1mm以下である。後述するように、密封装置の密封性能の向上又は密封性能の低下の抑制を図るためには、内周切込19の周方向の幅は小さいほどよい。内周切込19の周方向の幅の下限値は、例えば、内周打ち抜き工程において打ち抜き加工を実施するための装置の能力に依存する。
次いで、内周打ち抜き工程後の中間板材dに対して、外周曲げ工程が実施され、図5に示すバネ部材1が形成される。図5は、外周曲げ工程を説明するための図であり、図5(a)は、外周曲げ工程によって形成されるバネ部材1の斜視図であり、図5(b)は、外周曲げ工程によって形成されるバネ部材1の平面図であり、図5(c)は、外周曲げ工程によって形成されるバネ部材1の断面図である。
外周曲げ工程においては、内周打ち抜き工程によって形成された中間板材dにおいて、基円15(図4(b)参照)から外側の部分を内周曲げ工程と同様に基円15から一方の側である矢印x1方向(図3(a),図5(a)参照)に曲げる曲げ加工を行う。
具体的には、外周曲げ工程において、中間板材dの基円15よりも外側の部分である外周押圧部対応部16が、x1方向側に向かって突出するラッパ形状となるように、中間板材dの基円15よりも外側の外周押圧部対応部16を曲げ加工する。外周曲げ工程によって曲げられた外周押圧部対応部16(外周押圧部2)の断面形状は、図5(c)に示すように、軸線xにおいてx1側に基円15から所定の距離までの部分は、外側に凸に湾曲しており、この所定の距離の部分よりもx1側の部分は、軸線xから離れる側に傾いて直線状に又は略直線状に延びている。また、中間部材dの外周押圧部対応部16は、軸線xにおいて基円15からx1側において、軸線xに直交する平面における断面形状が軸線xを中心とする又は略中心とする円又は略円に沿う形状となっており、軸線xにおいて基円15からx1側に向かうに連れて拡径する円又は略円に沿う形状となっている。つまり、バネ部材1において、軸線xにおいて上記所定の距離の部分よりもx1側の部分は、軸線xを中心とする又は略中心とする円錐面又は略円錐面に沿う形状になっている。外周押圧部対応部16が曲げ加工されて形成される外周押圧部2は、一部が円錐面又は略円錐面に沿う形状であるとしたが、外周押圧部2の断面形状は、直線の部分を有しておらず全体が外側に向かって凸の曲線状であり、外周押圧部2は、テーパー面に沿う形状であってもよい。
上述のように、本発明の実施の形態に係る密封装置のバネ部材の製造方法によって、図1,5(a)〜(c)に示すバネ部材1が製造される。本実施の形態に係る密封装置のバネ部材の製造方法においては、上述のように、内周切込19を打ち抜く前に、内周曲げ工程において、内円端部12及び放射片14の基円15よりも内側の部分を曲げて内周押圧部対応部17を形成し、その後、内周打ち抜き工程において、放射片14の内周放射状部分18の部分を打ち抜いて内周切込19を形成して、内周押圧部3を形成している。つまり、内円及び外周打ち抜き工程によって形成された中間板材b(図2参照)に対して、内周押圧部3に対応する部分を曲げ(図3参照)、次いで内周打ち抜き工程において内周切込19を形成することにより内円端部12を分断して内周押圧部3を形成している。このように、バネ部材1において互いに隣接する内周押圧部3の周方向における間隔であるピッチ間隔pは、平板からの曲げ加工が行われる内周曲げ加工が行われた後に形成される内周切込19の周方向の幅となる。このため、バネ部材の製造工程において、内周切込19が曲げ加工等によって周方向に広げられることがなく、内周押圧部3のピッチ間隔pを従来のバネ部材に比べて狭くすることができる。例えば、上述のように、内周切込19の周方向の幅を1mm以下にすることができ、内周押圧部3のピッチ間隔pを1mm以下にすることができる。
このように、本発明の実施の形態に係る密封装置のバネ部材の製造方法によれば、密封装置のバネ部材において、内周押圧部のピッチ間隔pを狭めることができる。
なお、上述の本発明の実施の形態に係る密封装置のバネ部材の製造方法において実施される打ち抜き加工や曲げ加工は、従来公知の打ち抜き加工を実施するための装置や従来公知の曲げ加工を実施するための装置によって行うことができる。例えば、内円及び外周打ち抜き工程においては、内円端部12及び放射片14が形成されるように、打ち抜かれる部分a1及び外周放射状部分a2に夫々対応する打ち抜き型が用いられ、内周打ち抜き工程においては、内周切込19が形成されるように、内周放射状部分18に対応する打ち抜き型が用いられる。また、内周曲げ工程においては、外周押圧部対応部16が形成されるような曲げ型が用いられ、外周曲げ工程においては、外周押圧部2が形成されるような曲げ型が用いられる。上述の本発明の実施の形態に係る密封装置のバネ部材の製造方法は、上述のように従来公知の装置によって実施でき、本実施の形態に係るバネ部材の製造方法を実施するための装置の詳細な説明は省略する。
また、本発明の実施の形態に係る密封装置のバネ部材の製造方法によって製造されるバネ部材の形態は、上述のバネ部材1の形態に限定されるものではない。本発明の実施の形態に係る密封装置のバネ部材の製造方法は、他の公知の密封装置のバネ部材を製造するためにも用いることができる。
本発明に係る密封装置のバネ部材の製造方法によって製造されるバネ部材は、互いに相対移動可能な2つの部材間の環状の空間の密封を図るためにこの空間に取り付けられる密封装置に用いられる。具体的には、密封装置の備える樹脂製の環状のリップ部材に形成された環状の溝内に取り付けられて、密封を図る空間において、リップ部材のリップを外周押圧部2及び内周押圧部3によって夫々押圧してリップを2つの部材に夫々押し付けてこの空間の密封を図る。
具体的には、本発明に係る密封装置のバネ部材の製造方法によって製造されるバネ部材が用いられる密封装置は、軸やピストン等の往復運動、揺動、又は回動する運動部材とこの運動部材を外周側において覆うハウジングやシリンダ等の部材との間の環状の空間を密封するために用いられる。例えば、車両のエンジンに配設されたEGRバルブのパッキンとして、EGRバルブの軸とハウジングとの間の空間を密封するために密封装置は用いられる。
ついで、上述の本発明の実施の形態に係る密封装置のバネ部材の製造方法によって製造されるバネ部材1の利用形態の一例について説明する。図6は、上述の本発明の実施の形態に係る密封装置のバネ部材の製造方法によって製造されたバネ部材1を備える密封装置5の概略構成を示すための軸線xに沿う断面における密封装置5の断面図である。
図6に示すように、密封装置5は、樹脂材料から形成された軸線x周りに環状の部材であるリップ部材30を備えている。リップ部材30の樹脂材料としては、例えば、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)や、ポリアミド等がある。より具体的には、リップ部材30の樹脂材料としては、炭素繊維、ガラス繊維、ブロンズ粉末などの充填剤入りのPTFEを好適に用いることができる。リップ部材30は、リップ基部31と、外周側リップ32と、内周側リップ33とを有しており、リップ部材30には、高圧側(図6において右側)から低圧側(図6において左側)に凹む環状の溝である収容溝34が形成されている。
リップ基部31は、軸線x周りに環状の部分である。リップ基部31は、具体的には図6に示すように、軸線xを中心又は略中心とする円筒状又は円環状の形状を有しており、断面における形状が矩形又は略矩形を呈している。リップ基部31において、低圧側の端面である端面31aは、軸線xに直交する又は略直交する平面上に拡がる中空円盤面となっている。なお、リップ基部31の断面形状は、他の多角形や円形等他の形状であってもよい。
外周側リップ32は、リップ基部31の高圧側の端部において外周側から高圧側に延びる環状のリップであり、使用状態において外周側がハウジングに密接するように形成されている。外周側リップ32は、具体的には図6に示すように、軸線xを中心又は略中心とする円環状の形状を有しており、外周側に、外周側に向かって凸の凸部であるリップ先端部32aが形成されている。外周側リップ32において、リップ先端部32aにおける軸線xに直交する方向(以下、「径方向」ともいう。)の幅は、リップ基部31への付け根の部分における径方向の幅よりも厚くなっている。外周側リップ32の径方向の幅は、例えば0.7mm以下である。密封装置5においては、図6に示すように、外周側リップ32の径方向の幅は、内周側リップ33の径方向の幅よりも薄くなっている。このため、外周側リップ32に対する外周押圧部2の反力の影響を大きくすることができ、外周側リップ32の塑性変形による密封性能の低下を抑制することができる。なお、内周側リップ33の径方向の幅が、外周側リップ32の径方向の幅よりも薄くなっていてもよい。このとき、内周側リップ33に対する内周押圧部3の反力の影響を大きくすることができ、内周側リップ33の塑性変形による密封性能の低下を抑制することができる。また、外周側リップ32の径方向の幅と内周側リップ33の径方向の幅とがともに、従来の密封装置の外周側リップ又は内周側リップの径方向の幅よりも薄くなっていてもよい。このとき、外周側リップ32及び内周側リップ33に対する外周押圧部2及び内周押圧部3の夫々の反力の影響を大きくすることができ、外周側リップ32及び内周側リップ33の塑性変形による密封性能の低下を抑制することができる。
内周側リップ33は、リップ基部31の高圧側の端部において内周側から高圧側に延びる環状のリップであり、使用状態において内周側が軸に軸が摺動可能に密接するように形成されている。内周側リップ33は、具体的には図6に示すように、軸線xを中心又は略中心とする円環状の形状を有しており、内周側に、内周側に向かって凸の凸部であるリップ先端部33aが形成されている。また、内周側リップ33には、内周面において高圧側の端部から外周方向に突出する環状の部分である突起部33bが形成されており、突起部33bは、後述のように収容溝34内に収容されたバネ部材1の抜け止めとして機能する。
リップ部材30において、リップ基部31、外周側リップ32、及び内周側リップ33は、同一材料から一体に形成されており、リップ基部31の高圧側の端面、外周側リップ32の内周側の周面、及び内周側リップ33の外周側の周面が、上述の収容溝34を画成している。つまり、リップ基部31の高圧側の端面が収容溝34の底面である底面34aを形成し、外周側リップ32の内周側の周面が収容溝34の外周側の周面である外周面34bを形成し、内周側リップ33の外周側の周面が収容溝34の内周側の周面である内周面34cを形成している。
密封装置5においてバネ部材1は、リップ部材30の収容溝34内に収容されている。密封装置5において、バネ部材1は、図6に示すように、外周押圧部2と内周押圧部3との接合部が収容溝34の底面34aに着座(接触)しており、外周押圧部2が自由縁部2a及びその近傍において収容溝34の外周面34bに接触しており、内周押圧部3が自由縁部3a及びその近傍において収容溝34の内周面34cに接触している。
バネ部材1の外周押圧部2は、外周側リップ32のリップ先端部32aに背向する位置又はその近傍において収容溝34の外周面34bに接触するようにその長さや傾斜角度等が設定されていることが好ましく、同様に、バネ部材1の内周押圧部3は、内周側リップ33のリップ先端部33aに背向する位置又はその近傍において収容溝34の内周面34cに接触するように長さや傾斜角度が設定されていることが好ましい。また、後述するように、使用状態において所望の反力を発生するように、外周押圧部2及び内周押圧部3は、その延び方向の長さや軸線xに対する傾斜角度が夫々設定されている。ここで、外周押圧部2の傾斜角度とは、外周押圧部2の延び方向(軸線xの外周押圧部2への投影線)が軸線xに対して傾斜する角度であり、内周押圧部3の傾斜角度とは、内周押圧部3の延び方向(軸線xの内周押圧部3への投影線)が軸線xに対して傾斜する角度である。
上述のように、リップ部材30において、内周側リップ33の高圧側の端部には突起部33bが形成されており、密封装置5において突起部33bは、図6に示すように、バネ部材1の内周押圧部3の自由縁部3aよりも高圧側に位置している。このため、バネ部材1が収容溝34内で高圧側に移動すると、内周押圧部3の自由縁部3aが内周側リップ33の突起部33bに突き当たり、バネ部材1がそれ以上高圧側に移動できなくなる。このように、内周側リップ33の突起部33bは、バネ部材1の高圧側方向へのストッパーとして機能する。なお、突起部33bは、外周側リップ32に設けられていてもよい。ストッパーとしての突起部33bは、外周側リップ32及び内周側リップ33のいずれか一方又は両方に設けられていてもよい。
密封装置5が軸やハウジング等の被取り付け部材に取り付けられた使用状態において、外周側リップ32及び内周側リップ33は夫々近づく方向に押圧され、バネ部材1の外周押圧部2及び内周押圧部3が夫々近づく方向に押圧される。この外周押圧部2の内周側への押圧に対する反力により、密封装置5においては、外周側リップ32が径方向において外周側に押圧されて、被取り付け部材(例えば、ハウジングの開口部)に押し付けられる。また、内周押圧部3の外周側への押圧に対する反力により、密封装置5においては、内周側リップ33が径方向において内周側に押圧されて、被取り付け部材(例えば、軸)に押し付けられる。このようにして、被取り付け部の環状の空間の密封が図られている。
上述のように、本発明の実施の形態に係る密封装置のバネ部材の製造方法によれば、バネ部材の内周押圧部のピッチ間隔pを従来よりも狭くすることができる。このため、バネ部材1の内周押圧部3のピッチ間隔pは従来に比べて狭く、内周押圧部3は、周方向に亘って広い範囲で内周側リップ33に接触することができ、被取り付け部材に接触する内周側リップ33のリップ先端部33aにおける面圧のばらつきを抑制することができ、リップ先端部33aの面圧の均一化を図ることができる。これにより、本発明の実施の形態に係る密封装置のバネ部材の製造方法により製造されたバネ部材1を備える密封装置5によれば、高温下における使用によるリップ部材30の塑性変形に基づく密封性能の低下を抑制しつつ、内周側リップ33の密封性能の低下を抑制することができる。リップ先端部33aの面圧の均一化を図るためには、内周押圧部3のピッチ間隔p(内周切込19の周方向の幅)は狭ければ狭いほどよい。上述のように、本実施の形態に係る密封装置のバネ部材の製造方法によれば、内周押圧部3のピッチ間隔pを1mm以下にすることができる。
なお、本発明の実施の形態に係る密封装置のバネ部材の製造方法によって製造されるバネ部材が用いられる密封装置の構成は上述の密封装置5の構成に限られず、本発明の実施の形態に係る密封装置のバネ部材の製造方法によって製造されるバネ部材は、適用可能なあらゆる密封装置に用いることができる。
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は上記本発明の実施の形態に係る密封装置のバネ部材の製造方法に限定されるものではなく、本発明の概念及び特許請求の範囲に含まれるあらゆる態様を含む。また、上述した課題及び効果の少なくとも一部を奏するように、各構成を適宜選択的に組み合わせてもよい。
1,102 バネ部材
2,107 外周押圧部
2a,3a 自由縁部
3,108 内周押圧部
5,100 密封装置
11 円空間
12 内円端部
12a 内円
13 外円
14 放射片
15 基円
16 外周押圧部対応部
17 内周押圧部対応部
18 内周放射状部分
19 内周切込
30,101 リップ部材
31,104 リップ基部
32,105 外周側リップ
32a,33a リップ先端部
33,106 内周側リップ
33b 突起部
34,103 収容溝
111 ハウジング
112 開口
113 軸
a 板材
a1 部分
a2 外周放射状部分
a3 外周放射状部分片
b,c,d 中間板材
p ピッチ間隔

Claims (6)

  1. 密封装置のバネ部材の製造方法であって、
    金属材料から形成された板材から円部分を打ち抜いて円空間を画定する内円を有する内円端部を形成する内円打ち抜き工程と、前記板材から前記内円端部の外側の円である外円よりも外側の部分、及び前記内円端部よりも外側において放射状に前記外円まで延びる部分である外周放射状部分を打ち抜いて放射状に配列された複数の放射片を形成する外周打ち抜き工程とを有する内円及び外周打ち抜き工程と、
    前記内円及び外周打ち抜き工程後の前記板材において、前記内円端と前記外円との間の円である基円から内側の部分を前記基円から前記板材の面する一方の側に曲げる内周曲げ工程と、
    前記内周曲げ工程後の前記板材において、前記内円端部から前記外円よりも内側まで放射状に延びる部分である内周放射状部分を打ち抜いて前記内円端部を分断するとともに前記放射片の各々に前記外円よりも内側まで延びる切込を形成する内周打ち抜き工程と、
    前記内周打ち抜き工程後の前記板材において、前記基円から外側の部分を前記基円から前記一方の側に曲げる外周曲げ工程とを備えることを特徴とする密封装置のバネ部材の製造方法。
  2. 前記内円及び外周打ち抜き工程において、前記外周放射状部分は、前記内円端部よりも外側において等角度間隔に放射状に前記外円まで延びる部分であり、前記放射片は、等角度間隔に配列されていることを特徴とする請求項1記載の密封装置のバネ部材の製造方法。
  3. 前記内周打ち抜き工程において、前記内周放射状部分は、前記内円から等角度間隔に放射状に延びる部分であることを特徴とする請求項1又は2記載の密封装置のバネ部材の製造方法。
  4. 前記内周打ち抜き工程において、前記切込を形成するために前記内円端部及び前記放射片において打ち抜かれる部分の周方向の幅は1mm以下であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項記載の密封装置のバネ部材の製造方法。
  5. 前記内周打ち抜き工程において、前記切込を形成するために前記放射片において打ち抜かれる部分は、前記放射片の周方向の幅の中央に位置していることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項記載の密封装置のバネ部材の製造方法。
  6. 前記内円及び外周打ち抜き工程において、内円打ち抜き工程は外周打ち抜き工程と共に行われることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項記載の密封装置のバネ部材の製造方法。
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