JP6663630B2 - 密封装置 - Google Patents
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Description
相対的に移動する軸とハウジングとの間の環状隙間を密封する密封装置において、
前記ハウジングに設けられた軸孔の内周面に密着した状態で嵌合される円筒部を有する金属環と、
板状かつ環状の樹脂部材により構成され、外周側が前記金属環に固定されて、前記軸の挿入に伴って、内周側が密封対象領域側に向かって湾曲するように変形した状態で前記軸の外周面に摺動自在に密着する樹脂製シールと、
板状かつ環状の金属部材により構成され、外周側が前記金属環に固定されて、前記軸の挿入に伴って、内周側が前記樹脂製シールに沿って湾曲するように変形し、該樹脂製シールの内周側であって、前記軸が挿入される前の状態における内周端よりも径方向外側の部位を径方向内側に向かって押圧する板バネと、
を備えると共に、
前記軸が挿入される前の状態においては、前記板バネの内周端は、前記樹脂製シールの内周端よりも径方向外側に位置することを特徴とする。
を空けて複数設けられており、前記内周側スリットと外周側スリットは周方向に交互に設けられているとよい。
前記金属環における密封対象領域とは反対側には径方向内側に向かって伸びる内向きフランジ部が設けられており、
前記固定環が前記金属環の内周面側に配置された状態で、前記金属環における密封対象領域側の端部が前記固定環の端部に突き当たるように径方向内側に向かって折り曲げられて加締め部が形成されることにより、前記樹脂製シールの外周側の端部と、前記板バネの外周側の端部が、前記内向きフランジ部と前記固定環との間に圧縮されることによって、これら樹脂製シールの外周側と板バネの外周側が前記金属環に固定されるとよい。
前記金属環における密封対象領域とは反対側には径方向内側に向かって伸びる内向きフランジ部が設けられており、
前記板バネの固定環状部が前記金属環の内周面側に配置された状態で、前記金属環における密封対象領域側の端部が前記固定環状部の端部に突き当たるように径方向内側に向かって折り曲げられて加締め部が形成されることにより、前記樹脂製シールの外周側の端部が、前記内向きフランジ部と前記板バネとの間に圧縮されることによって、該樹脂製シールの外周側が前記金属環に固定されるようにすることもできる。
図1〜図6を参照して、本発明の実施例1に係る密封装置について説明する。なお、本実施例に係る密封装置は、相対的に移動する軸とハウジングとの間の環状隙間を密封する役割を担っている。なお、軸とハウジングとの相対的な移動の具体的として、軸とハウジングが相対的に回転する場合、軸とハウジングが相対的に往復移動する場合、軸とハウジングが相対的に揺動する場合、及びこれらのいずれか2つ以上の動作が複合的に行われる場合を挙げることができる。
本実施例に係る密封装置100の構成について説明する。図1は本発明の実施例1に係る密封装置の平面図である。図2は本発明の実施例1に係る密封装置の底面図である。図3は本発明の実施例1に係る密封装置の模式的断面図である。なお、図3は図2中のAA断面図である。図4は本発明の実施例1に係る板バネの平面図である。図5は本発明の実施例1に係る密封装置の使用状態を示す模式的断面図である。図6は本発明の実施例1に係る密封装置の使用状態を示す一部破断斜視図である。なお、図6は、本発明の実施例1に係る密封装置を切断した断面付近を斜めから見た様子を模式的に示した図である。また、図6においては、本発明の実施例1に係る密封装置の使用時の状態について、軸及びハウジングを省略して示している。
特に、図5及び図6を参照して、本実施例に係る密封装置100の装着方法及び使用時の状態について説明する。まず、密封装置100の装着方法について説明する。上記のように構成される密封装置100は、ハウジング300に設けられた軸孔内に挿入され、この軸孔内に嵌合される。このとき、密封装置100における金属環110の円筒部111の外周面が、軸孔の内周面に密着した状態となる。そして、軸200が図5中左側(使用時における密封対象領域とは反対側(低圧側(L)))から右側(使用時における密封対象領域側(高圧側(H)))に挿入される。これにより、樹脂製シール120及び板バネ130は、その内周側の端部が軸200に押される。そのため、これら樹脂製シール120及び板バネ130は、内向きフランジ部112と固定環140との間に圧縮されている位置よりも内周側が密封対象領域側(高圧側(H))に向かって湾曲するように変形する。これにより、樹脂製シール120の湾曲した部分における先端付近の内周面が軸200の外周面に密着した状態となる。また、板バネ130の湾曲した部分における先端付近の内周面が、樹脂製シール120の湾曲した部分における先端付近の外周面に密着した状態となる。そして、板バネ130の弾性復元力によって、板バネ130の先端付近の部分により、樹脂製シール120の湾曲した部分における先端付近が径方向内側に向かって押圧される。
本実施例に係る密封装置100は、ハウジング300に設けられた軸孔の内周面に密着した状態で嵌合される円筒部111を有する金属環110を備える構成を採用している。これにより、ハウジング300が鋳物(例えば、アルミニウム製の鋳物)で構成される場合であっても、金属環110の外周面とハウジング300の軸孔の内周面との間に十分な密封性を得ることができる。つまり、ハウジング300の軸孔の内周面に鋳巣のような微小の凹部が複数存在していても、密封性を発揮させることができる。
周側が金属環110に固定されて、内周側が密封対象領域側に向かって湾曲するように変形した状態で軸200の外周面に摺動自在に密着する樹脂製シール120を備える構成を採用している。これにより、ゴム状弾性体製のシールを用いた場合に比べて、耐熱性等に優れ、かつ摺動摩耗を少なくすることができる。
図7には、本発明の実施例2が示されている。本実施例においては、板バネの内周側が、密封対象領域側に向かって湾曲するように折り曲げ加工が施されている場合の構成について説明する。その他の構成および作用については実施例1と同一なので、同一の構成部分については同一の符号を付して、その説明は省略する。
図8には、本発明の実施例3が示されている。本実施例においては、板バネの内周側が、密封対象領域側に向かって湾曲するように折り曲げ加工が施され、かつ、樹脂製シールの内周側も、密封対象領域側に向かって湾曲するように折り曲げ加工が施されている場合の構成について説明する。その他の構成および作用については実施例1と同一なので、同一の構成部分については同一の符号を付して、その説明は省略する。
図9には、本発明の実施例4が示されている。本実施例においては、上記実施例1における板バネと固定環が一体となるように構成される場合について説明する。その他の構成および作用については実施例1と同一なので、同一の構成部分については同一の符号を付して、その説明は省略する。
、上記実施例1と同一であるので、その説明は省略する。
図10〜図12には、本発明の実施例5が示されている。本実施例においては、板バネの構成が上記実施例1とは異なる場合について説明する。その他の構成および作用については実施例1と同一なので、同一の構成部分については同一の符号を付して、その説明は省略する。
0aと樹脂製シール120は材料が異なるため、両者の線膨張係数は異なっている。これにより、環境温度変化に伴う板バネ130aと樹脂製シール120の膨張収縮量は異なる。この膨張収縮量の差が大きいと、上記の押圧力が大きく変動してしまう。本実施例においては、板バネ130aにおいて、周方向に連続的に繋がる環状の部分をなくすことで、板バネ130aと樹脂製シール120の膨張収縮量の差を低減させることが可能となる。つまり、環境温度が上昇するにしたがって、板バネは熱膨張によって径方向に伸びていく。このとき、板バネに、周方向に連続的に繋がる環状の部分が存在する場合、この部分の径方向の伸びは、そのまま樹脂製シール120に対する押圧力に影響することになる。これに対して、径方向に伸びるスリットが設けられている部分においては、径方向に伸びようとする変形を周方向の変形に変えることが可能となり、押圧力の増加を抑制することが可能となる。従って、本実施例のように、周方向に連続的に繋がる環状の部分をなくすことで、環境温度変化に伴って、板バネ130aが熱膨張収縮することによる樹脂製シール120への押圧力の変動を抑制することが可能となる。
図13には、本発明の実施例6が示されている。上記各実施例においては、金属環における密封対象領域側の端部を径方向内側に折り曲げることにより形成される加締め部によって、樹脂製シールなどの各種部材を金属環に固定させる場合の構成を説明した。これに対し、本実施例においては、加締め部を設けずに、固定環を金属環の内周面に圧入により嵌合させることで、各種部材を金属環に固定させる場合の構成について説明する。その他の構成および作用については実施例1と同一なので、同一の構成部分については同一の符号を付して、その説明は省略する。
圧入により嵌合されることによって、板バネ150は金属環110に固定される。これにより、樹脂製シール120の外周側の端部が、金属環110の内向きフランジ部112と板バネ150との間に圧縮されることによって、樹脂製シール120の外周側が金属環110に固定される。
110 金属環
111 円筒部
112 内向きフランジ部
113 加締め部
120 樹脂製シール
130,130a 板バネ
131,131a 内周側スリット
132a 外周側スリット
140 固定環
141 円筒部
142 内向きフランジ部
150 板バネ
151 板バネ本体部
152 固定環状部
200 軸
300 ハウジング
Claims (8)
- 相対的に移動する軸とハウジングとの間の環状隙間を密封する密封装置において、
前記ハウジングに設けられた軸孔の内周面に密着した状態で嵌合される円筒部を有する金属環と、
板状かつ環状の樹脂部材により構成され、外周側が前記金属環に固定されて、前記軸の挿入に伴って、内周側が密封対象領域側に向かって湾曲するように変形した状態で前記軸の外周面に摺動自在に密着する樹脂製シールと、
板状かつ環状の金属部材により構成され、外周側が前記金属環に固定されて、前記軸の挿入に伴って、内周側が前記樹脂製シールに沿って湾曲するように変形し、該樹脂製シールの内周側であって、前記軸が挿入される前の状態における内周端よりも径方向外側の部位を径方向内側に向かって押圧する板バネと、
を備えると共に、
前記軸が挿入される前の状態においては、前記板バネの内周端は、前記樹脂製シールの内周端よりも径方向外側に位置することを特徴とする密封装置。 - 前記板バネには、内周端から外周端側に向かって伸びる内周側スリットが周方向に間隔を空けて複数設けられていることを特徴とする請求項1に記載の密封装置。
- 前記内周側スリットは、内周端から外周端側に向かって、前記板バネが湾曲する位置よりも外周端側の位置まで伸びていることを特徴とする請求項2に記載の密封装置。
- 前記板バネには、外周端から内周端側に向かって伸びる外周側スリットが周方向に間隔を空けて複数設けられており、前記内周側スリットと外周側スリットは周方向に交互に設けられていることを特徴とする請求項2または3に記載の密封装置。
- 前記板バネの内周側は、密封対象領域側に向かって湾曲するように折り曲げ加工が施されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載の密封装置。
- 前記樹脂製シールの内周側は、密封対象領域側に向かって湾曲するように折り曲げ加工が施されていることを特徴とする請求項5に記載の密封装置。
- 前記金属環の内周面側に固定される固定環を備えると共に、
前記金属環における密封対象領域とは反対側には径方向内側に向かって伸びる内向きフランジ部が設けられており、
前記固定環が前記金属環の内周面側に配置された状態で、前記金属環における密封対象領域側の端部が前記固定環の端部に突き当たるように径方向内側に向かって折り曲げられて加締め部が形成されることにより、前記樹脂製シールの外周側の端部と、前記板バネの外周側の端部が、前記内向きフランジ部と前記固定環との間に圧縮されることによって、これら樹脂製シールの外周側と板バネの外周側が前記金属環に固定されることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一つに記載の密封装置。 - 前記板バネの外周側には、前記金属環の内周面側に固定される固定環状部が設けられると共に、
前記金属環における密封対象領域とは反対側には径方向内側に向かって伸びる内向きフランジ部が設けられており、
前記板バネの固定環状部が前記金属環の内周面側に配置された状態で、前記金属環における密封対象領域側の端部が前記固定環状部の端部に突き当たるように径方向内側に向かって折り曲げられて加締め部が形成されることにより、前記樹脂製シールの外周側の端部が、前記内向きフランジ部と前記板バネとの間に圧縮されることによって、該樹脂製シールの外周側が前記金属環に固定されることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一つに記載の密封装置。
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