JP2015187251A - フィルム、ドープ組成物及びその製造方法、溶液製膜方法 - Google Patents

フィルム、ドープ組成物及びその製造方法、溶液製膜方法 Download PDF

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Abstract

【課題】重なった際の貼り付きを低減するフィルム、その製造に用いられるドープ組成物及びその製造方法、フィルムを製造する溶液製膜方法を提供する。【解決手段】フィルム10は、ポリマーから形成されているフィルム面10aに、微粒子14を含む高さ30nm以上の突起15が形成されている。この高さ30nm以上の突起15の密度は、104個/mm2以上106個/mm2以下の範囲内である。これらの突起15は、重なったフィルム10において、対向している2つのフィルム面10aが部分的に互いに直接に接触することを妨げる。これにより、フィルム10が重なった時の貼り付きが低減される。【選択図】図2

Description

本発明は、フィルム、その製造に用いられるドープ組成物及びその製造方法、フィルムを製造する溶液製膜方法に関する。
ポリマーフィルム(以下、フィルムと称する)は、偏光板の保護フィルム、位相差フィルム、反射防止フィルム、透明導電性フィルムなど光学フィルムとして多岐に利用されている。
フィルムは、一般に長尺で製造され、製造方法としては、溶液製膜方法がある。溶液製膜方法は、例えば、ポリマーを溶剤に溶かした溶液(以下、ドープ、と称する)を流延ダイにより支持体の表面上に連続して流延して帯状の流延膜を形成し、支持体から剥ぎ取って乾燥する方法である。長尺のフィルムは、巻芯に巻き取られてロール状にして保存される。
長尺のフィルムを巻き取ると、重なる部分同士が貼りついてしまうことがある。貼り付きを防止する対策として、微粒子を添加して、2〜20nmに設定された平均突起高さの2倍以上の高さをもつ突起の数を、総突起数の1.0×10−6以上1.0×10−2以下の範囲内にしたフィルムがある(特許文献1)。
特開2006−028251号公報
しかし、特許文献1のフィルムが巻き取られると、重なった部分同士が実際には一定の確率で貼り付く。特に、長尺のフィルムを巻き取る際には、フィルムの重なる部分間に接触面圧がかかるので、フィルムの重なる部分同士がより高い確率で貼り付く。また、フィルムをより薄く製造したり、フィルムを長く製造したり、弾性率が低いフィルムを製造したりすると、さらに高い確率で貼り付く。このように、フィルムの表面に過重な圧力が加わることなどが原因で、重なったフィルム同士が貼り付いてしまう現象は、ブロッキングとも呼ばれている。また、このような貼り付きにより、ロール状に巻き取られたフィルムロールにはベコと呼ばれる周方向に沿った凹みが発生し、巻き取られたフィルムにはしわ等が発生する。
そこで、本発明は、重なった際の貼り付きが低減されたフィルム、その製造に用いられるドープ組成物及びその製造方法、フィルムを製造する溶液製膜方法を提供することを目的とする。
本発明のフィルムは、微粒子を含む高さ30nm以上の突起が、ポリマーからなるフィルム面に面積1mmあたり10個以上10個以下の範囲内で形成されている。
フィルムにおけるポリマーはセルロースアシレートであることが好ましい。また、フィルム面をけん化処理した後の突起が、フィルム面に面積1mmあたり10個以上10個以下の範囲内で形成されていることが好ましい。また、けん化処理した後のフィルム面に偏光膜が接着されて用いられることが好ましい。また、微粒子はシリカであることが好ましい。
本発明のドープ組成物は、ポリマーと、ポリマーを溶解する溶媒と、2次粒子の状態で分散する微粒子とを含み、微粒子の総数に対する2次粒子径が0.7μm以上の微粒子の含有割合は少なくとも30%である。
ドープ組成物におけるポリマーは、セルロースアシレートであることが好ましい。
本発明のドープ組成物の製造方法は、ポリマーと溶媒とを混合して加熱と攪拌との少なくともいずれか一方により、ポリマーを溶媒に溶解して原料ドープをつくる原料ドープ調製工程と、ポリマー及び溶媒と同一の成分であるポリマー及び溶媒と微粒子とを混合し攪拌して液体状の混合物を得る混合物調製工程と、混合物中で微粒子を2次粒子として分散させて、0.7μm以上の2次粒子径の微粒子の、微粒子の総数に対する含有割合が少なくとも30%である微粒子分散液を得る微粒子分散工程と、原料ドープと微粒子分散液とを混合してドープ組成物を得る混合工程とを有する。
微粒子分散工程は、混合物に超音波を与えることにより、混合物中で微粒子を2次粒子として分散させることが好ましい。あるいは、微粒子分散工程では、ボールミルを用いることにより、混合物中で微粒子を2次粒子として分散させることが好ましい。
ドープ組成物の製造方法におけるポリマーは、セルロースアシレートであることが好ましい。
本発明の溶液製膜方法は、上記のドープ組成物の製造方法によりドープ組成物を調製するドープ調製工程と、ドープ組成物を連続走行する支持体上へ流延ダイから連続的に吐出することにより支持体上へ流延膜を形成する流延膜形成工程と、流延膜を支持体から剥がして乾燥することによりフィルムを得る剥取乾燥工程とを有する。
本発明によると、フィルムの重なった部分同士の貼り付きが低減される。そのため、フィルムロールにおけるベコと呼ばれる周方向に沿った凹みや、巻き取られたフィルムにおけるしわ等の発生が抑えられる。
本発明の一実施形態であるフィルムの概略を示す断面図である。 図1のフィルムのフィルム面付近を拡大した断面図である。 図1のフィルムを用いて作られる偏光板の概略を示す断面図である。 図1のフィルム同士や図3の偏光板同士の重なった部分を拡大した断面概略図である。 溶液製膜設備の概略を示す説明図である。 総微粒子数に対する2次粒子径が0.7μm以上の微粒子の含有割合と高さ30nm以上の突起の密度との相関を示す説明図である。 実験1−Dで製造したフィルムに関するAFM画像である。 図7のAFM画像について、突起高さ10nmに対応する輝度を閾値として2値化処理を行った後の画像の一例である。 図7のAFM画像について、突起高さ30nmに対応する輝度を閾値として2値化処理を行った後の画像の一例である。 高さ10nm以上の突起の密度とフィルムの貼付面積の割合との相関を示す説明図である。 高さ30nm以上の突起の密度とフィルムの貼付面積の割合との相関を示す説明図である。 高さ40nm以上の突起の密度とフィルムの貼付面積の割合との相関を示す説明図である。 高さ50nm以上の突起の密度とフィルムの貼付面積の割合との相関を示す説明図である。 突起高さと突起の貼付低減への寄与率との相関を示す説明図である。 総微粒子数に対する2次粒子径が0.7μm以上の微粒子の含有割合と貼付面積の割合との相関を示す説明図である。
本発明の実施形態にかかるフィルム10を、図1を参照して説明する。図1に示すフィルム10は、フィルム本体12と、フィルム本体12の両面に配される表層13とを備える。フィルム本体12と表層13との境界は観察されるものではないが、図1では、説明の便宜上これらの境界を図示している。
フィルム本体12はセルロースアシレートと添加剤とから構成される。1対の表層13は互いに同じ成分から構成され、具体的にはいずれの表層13もセルロースアシレートと微粒子14と添加剤とから構成され、その比率も互いに同じである。添加剤は、可塑剤、紫外線吸収剤、フィルム10のレタデーションを制御するレタデーション制御剤等である。フィルム本体12と1対の表層13とにおいて、添加剤は含まれていなくてもよい。微粒子14は、疎水基で表面が被覆され、二次粒子の態様をとっているシリカ(二酸化ケイ素,SiO)である。なお、微粒子14には、シリカとともに、あるいはシリカに代えて、二酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、炭酸カルシウム、タルク、クレイ、焼成カオリン、焼成珪酸カルシウム、水和珪酸カルシウム、珪酸アルミニウム、珪酸マグネシウム、燐酸カルシウムなどの微粒子を用いてもよい。微粒子14の詳細は後述する。
フィルム本体12のセルロースアシレートはトリアセチルセルロース(Triacetyl Cellulose、TAC)であり、表層13のセルロースアシレートはTACとしてある。ただし、フィルム本体12と表層13との各セルロースアシレートはこれらに限定されない。例えば、フィルム本体12のセルロースアシレートをジアセチルセルロース(Diacetyl Cellulose、DAC)、表層13のセルロースアシレートをTACとしてもよい。また、本実施形態では、フィルム本体12と表層13との各ポリマー成分をいずれもセルロースアシレートとしているが、溶液製膜方法によりフィルムとすることができるポリマーであればよい。他のポリマーとしては、例えば、環状ポリオレフィン、アクリル、ポリエチレンテレフタレート(Polyethylene Terephthalate、PET)等がある。
両表層13を互いに同じ成分で構成した場合において、成分の比率が互いに異なっていてもよい。また、両表層13のうち一方のみが微粒子を含む態様であってもよい。また、両表層13を設けず、フィルム本体12からなる単層構造とし、フィルム本体12がセルロースアシレートと添加剤と微粒子14とから構成される態様であってもよい。
フィルム10の厚みT10は60μm、フィルム本体12の厚みT12は54μm、表層13の厚みT13は3μmとしている。ただし、各厚みはこれらに限られず、厚みT10は10μm以上80μm以下の範囲内、厚みT12は8μm以上75μm以下の範囲内、厚みT13は1μm以上10μm以下の範囲内であればよい。本発明は、厚みT10が15μm以上60μm以下の範囲内である場合に、特にフィルム10を巻き取る際に重なる部分同士の貼り付きが低減される効果が大きい。厚みT10,T12,T13は、後述の第1ドープ41(図5参照)と第2ドープ42(図5参照)との各固形分の濃度と流延ダイ65(図5参照)への流量とから、計算により求めることができる。
また、フィルム10が、弾性率が3.0GPa以下である低弾性率フィルムである場合にも同様に、フィルム10同士の貼り付き低減の効果が大きい。ここで、フィルム10の弾性率は、フィルム10から2cm×15cmのサンプル切片を作成し、このサンプル切片に対して引張試験を行うことにより測定される。引張試験は、例えば、株式会社東洋精機製作所製のストログラフを用いて行われる。引張試験の条件は、サンプル切片を把持する2つのチャック間の距離が10cmであり、クロスヘッドの速度が200mm/分である。
フィルム10中の微粒子14の一部は、ポリマー成分であるTACから形成されているフィルム面10aから一定の高さ以上突出して設けられており、その一つ一つが突起15として機能する。例えば、図2に示すように、微粒子14aはフィルム面10aから突出した高さがH15aの突起15aを構成し、微粒子14bはこの高さがH15bの突起15bを構成する。ここで、フィルム面10aから突出した高さH[単位;nm]は、フィルム面10aとフィルム面10aから露出した部分の頂点との距離で定義される。なお、図1,2,及び図4では、説明の便宜上、突起15としては微粒子14のみにより形成されているものが示されているが、突起15の様態はこれに限らない。突起15は、微粒子14が基点となって形成されるいかなる様態であってもよく、例えば、微粒子14に添加剤やセルロースアシレートが複合したものにより形成されていてもよい。突起15が微粒子14のみにより形成されている場合には、高さHを決める頂点は微粒子14の頂点となる。突起15が微粒子14に添加剤やセルロースアシレートが複合したものにより形成されている場合には、高さHを決める頂点は微粒子の頂点,添加剤の頂点,セルロースアシレートの頂点のうち、フィルム面10aから最も離れている頂点となる。
微粒子14によってフィルム面10aに複数の突起15が設けられることにより、フィルム面10aには微小な凹凸が形成され、フィルム面10aに一定の粗さが付与されている。この凹凸により、フィルム10同士が重なっても互いに貼り付かず、フィルム10同士の滑りが確保され、一定の耐傷性が発現する。このように、微粒子14は、いわゆるマット剤として機能する。
突起15の高さHが30nm以上である場合には、突起15の高さHが30nm未満である場合よりも、フィルム10同士の貼り付きを低減したり滑り性を高めたりする効果が大きい。突起15が高くなるに伴って貼り付きを低減したり滑り性を高めたりする効果が大きくなり、突起15の高さHが40nm以上である場合には、フィルム10同士の貼り付きを低減したり滑り性を高めたりする効果がさらに大きい。また、突起15の高さHが100nm以下である場合には、高さHが100nmより高い場合よりも、フィルム10のヘイズが低いため、好ましい。
フィルム面10aの1mmあたりに存在する高さがH以上の突起15の個数を、突起密度D(H)[単位;個/mm]とする。高さが30nm以上の突起密度D(30)は、10個/mm以上10個/mm以下の範囲内である。高さが30nm以上の突起密度D(30)が10個/mm以上である場合には、突起密度D(30)が10個/mm未満である場合よりも、貼り付き低減の効果や滑り性付与の効果が大きい。突起密度D(30)の増加に伴って貼り付き低減の効果や滑り性付与の効果が大きくなり、突起密度D(30)が2×10個/mm以上である場合には、貼り付き低減の効果や滑り性付与の効果がさらに大きい。また、突起密度D(30)が10個/mm以下である場合には、突起密度D(30)が10個/mmより大きい場合よりも、フィルム10のヘイズが低く抑えられる。突起密度D(30)が5×10個/mm以下である場合には、フィルム10のヘイズがさらに低く抑えられる。なお、突起密度D(40)についても、貼り付き低減の効果や滑り性付与の効果が大きい範囲やヘイズが低く抑えられる範囲は、突起密度D(30)と同様である。
フィルム10を偏光板の保護フィルムとして用いる場合には、フィルム10にけん化処理を行う。図3に示すように、偏光板20は、偏光膜17と一対のフィルム10とを備え、フィルム10は偏光膜17の各面に配される。けん化処理は、偏光膜17との接着力を高めるために行われるものである。フィルム10の偏光膜17と接着するフィルム面10aとは反対側のフィルム面10aは、偏光板20の表面20aとなる。なお、けん化処理は、通常はフィルム10の両方のフィルム面10aに行われており、本実施形態でも両方のフィルム面10aに対して行われている。
フィルム10のけん化処理は、いかなる条件でもよいが、本実施形態では、けん化工程と、第1洗浄工程と、中和工程と、第2洗浄工程と、乾燥工程とを有する。けん化工程は、アルカリの水溶液にフィルム10を浸漬して、フィルム面10aをけん化する。アルカリとしては、例えば水酸化カリウム(KOH)が用いられる。第1洗浄工程は、けん化工程を経たフィルム10を洗浄する。洗浄は、例えば純水で行う。中和工程は、酸または酸の水溶液を中和液とし、この中和液で第1洗浄工程を経たフィルム10を中和する。第2洗浄工程は、中和工程を経たフィルム10を、例えば純水で、洗浄する。乾燥工程は、第2洗浄工程を経たフィルム10を、乾燥させる。
けん化処理には、強い条件のけん化(以下、強いけん化と称する)と、穏やかな条件のけん化(以下、弱いけん化と称する)処理とがあり、いずれでもよい。強いけん化処理の各工程の条件は以下である。けん化工程は、濃度が1.5mol/L以上5.0mol/L以下の範囲内であるKOHの水溶液をアルカリの水溶液として用い、このKOHの水溶液の温度が45℃以上60℃以下の範囲内であり、このKOHの水溶液に対するフィルム10の浸漬時間が30秒以上130秒以下の範囲内である。第1洗浄工程は、純水で洗浄し、洗浄時間は10秒以上20秒以下の範囲内である。中和工程は、濃度が0.05mol/L以上0.4mol/L以下の範囲内の硫酸の水溶液(HSOaq)を中和液として用い、このHSOaqの温度が20℃以上30℃以下の範囲内であり、中和時間が10秒以上30秒以下の範囲内である。第2洗浄工程は、純水で洗浄し、洗浄時間は100秒以上130秒以下の範囲内である。乾燥工程は、フィルム10を100℃以上130℃以下の範囲内の温度環境下に40秒以上100秒以下の時間置くことで乾燥する。
強いけん化処理の条件の第1の例(以下、第1のけん化条件と称する)は、以下である。
けん化工程:KOHの水溶液(KOH濃度は2.0mol/L,温度は55℃)に120秒間浸漬する
第1洗浄工程:純水で15秒間洗浄する
中和工程:HSOaq(HSO濃度は0.05mol/L,温度は30℃)に20秒間浸漬する
第2洗浄工程:純水で120秒間洗浄する
乾燥工程:100℃の環境下に60秒間置く
強いけん化処理の条件の第2の例(以下、第2のけん化条件と称する)は、以下である。
けん化工程:KOHの水溶液(KOH濃度は1.5mol/L,温度は55℃)に120秒間浸漬する
第1洗浄工程:純水で15秒間洗浄する
中和工程:HSOaq(HSO濃度は0.1mol/L,温度は30℃)に20秒間浸漬する
第2洗浄工程:純水で120秒間洗浄する
乾燥工程:120℃の環境下に60秒間置く
弱いけん化処理のけん化工程の条件は、濃度が1.0mol/L以上1.4mol/L以下の範囲内であるKOHの水溶液をアルカリの水溶液として用い、このKOHの水溶液の温度が20℃以上40℃以下の範囲内であり、このKOHの水溶液に対するフィルム10の浸漬時間が30秒以上130秒以下の範囲内である。なお、弱いけん化処理における第1洗浄工程と中和工程と第2洗浄工程と乾燥工程との各条件は、前述の強いけん化処理におけるものとそれぞれ同じである。
弱いけん化処理の条件の例(以下、第3のけん化条件と称する)は、以下である。
けん化工程:KOHの水溶液(KOH濃度は1.1mol/L,温度は35℃)に120秒間浸漬する
第1洗浄工程:純水で15秒間洗浄する
中和工程:HSOaq(HSO濃度は0.1mol/L,温度は30℃)に20秒間浸漬する
第2洗浄工程:純水で120秒間洗浄する
乾燥工程:120℃の環境下に60秒間置く
偏光膜17は、ポリビニルアルコール(Polyvinyl Alcohol、PVA)からなるフィルムに、ヨウ素を含む化合物分子を吸着させ、PVAとヨウ素を含む化合物分子とを配向させて作られる。フィルム10と偏光膜17との接着には、PVA系の接着剤が用いられる。なお、偏光膜17はこれに限られず、一般に偏光膜として用いられているものであればいかなるものであってもよい。また、本実施形態では、偏光膜17の両面にフィルム10が接着されて偏光板20となっているが、この構成に限ることはない。例えば、偏光膜17の片面だけにフィルム10が接着されていてもよいし、偏光膜17の両面にフィルム10が接着された最外面にPET等の保護フィルム層が設けられてもよい。
フィルム10はけん化処理が施されることにより膨潤し、さらに吸湿して膨潤しやすくなる。そのため、けん化処理が施された後(けん化処理後)の微粒子14のフィルム面10aから突出する高さHk[単位;nm]は、けん化処理が施される前(けん化処理前)の高さHに比べて低い。けん化処理後のフィルム10についても、けん化処理前のフィルム10と同様に、突起15の高さHkが30nm以上である場合には、突起15の高さHkが30nm未満である場合より、重なったフィルム10の部分同士の貼り付きを低減したり滑り性を高めたりする効果が大きい。突起15が高くなるに伴って貼り付きを低減したり滑り性を高めたりする効果が大きくなり、突起15の高さHkが40nm以上である場合には、重なったフィルム10の部分同士の貼り付きを低減したり滑り性を高めたりする効果がより大きい。フィルム10は、けん化処理が前述の強いけん化の条件で為される場合に、けん化処理後における貼り付き低減や滑り性付与の効果が特に高い。また、けん化処理前と同様に、けん化処理後であっても、突起15の高さHkが100nm以下である場合には、高さHkが100nmより高い場合よりも、フィルム10のヘイズが低いため、好ましい。
また、けん化処理後のフィルム10では、けん化処理前のフィルム10と比較して、高さHkが30nm以上の突起の数は少ないが、貼り付き低減の効果がある。ここで、けん化処理後のフィルム面10aの1mmあたりに存在する高さがHk以上の突起15の個数を、突起密度Dk(Hk)[単位;個/mm]とおく。高さが30nm以上の突起密度Dk(30)は、10個/mm以上10個/mm以下の範囲内であることが好ましい。けん化処理後のフィルム10についても、けん化処理前のフィルム10と同様に、高さ30nm以上の突起密度Dk(30)が10個/mm以上である場合には、突起密度Dk(30)が10個/mm未満である場合よりも、貼り付き低減の効果や滑り性付与の効果が大きい。突起密度Dk(30)の増加に伴って貼り付き低減の効果や滑り性付与の効果が大きくなり、突起密度Dk(30)が2×10個/mm以上である場合には、貼り付き低減の効果や滑り性付与の効果がさらに大きい。また、突起密度Dk(30)が10個/mm以下である場合には、突起密度Dk(30)が10個/mmより大きい場合よりも、フィルム10のヘイズが低く抑えられる。突起密度Dk(30)が5×10個/mm以下である場合には、フィルム10のヘイズがさらに低く抑えられる。なお、突起密度Dk(40)についても、貼り付き低減の効果や滑り性付与の効果が大きい範囲やヘイズが低く抑えられる範囲は、突起密度Dk(30)と同様である。
また、偏光板20の表面20aは、けん化処理後のフィルム面10aと同じ構成を有するため、偏光板20についても、上述のけん化処理後のフィルム10と同様の条件下で、偏光板20同士の貼り付き低減や滑り性付与の効果がある。
けん化処理前のフィルム10,けん化処理後のフィルム10,又は偏光板20(総称する場合には、フィルム等10,20、と称する)が2枚重なっている場合や、ロール状に巻き取られフィルムロールとなっている場合について、図4を用いて以下に説明する。フィルム等10,20が2枚重なっていると、各フィルム等10,20のいずれか一方のフィルム面10a,20a同士が対向し接触する。一方、フィルムロールでは、フィルム等10,20の巻き重なる部分においてフィルム面10a,20a同士が対向し接触するだけでなく、接触面圧がかかる。フィルムロールでは、フィルム等10,20が薄ければ薄いほど、巻き重なる部分にかかる接触面圧は高い。また、フィルム等10,20の弾性率が低ければ低いほど、巻き重なる部分にかかる接触面圧は高い。また、フィルム等10,20の長さが長ければ長いほど、巻き締まりのために巻き重なる部分にかかる接触面圧は高い。
けん化処理前のフィルム10が2枚重なっている場合においても、フィルムロールとなっている場合においても、対向する2つのフィルム面10aには、いずれも、微粒子14による突起15が形成されている。これらの突起15により、対向している2つのフィルム面10aが互いに直接に接触することが部分的に妨げられる。そのため、重なっているフィルム10は、部分的に互いに貼り付かない。
けん化処理前のフィルム10がフィルムロール状に巻き取られている場合には、さらに対向する2つのフィルム面10aに接触面圧がかかっている。この場合でも、突起15により、対向している2つのフィルム面10aが互いに直接に接触することが部分的に妨げられており、フィルム10の重なる部分は、部分的に互いに貼り付かない。そのため、接触面圧の影響を受けても、フィルム10の重なる部分の間で滑りが生じる。
また、フィルム10が薄かったり、フィルム10が長かったり、フィルム10の弾性率が低かったりするために、フィルム10にかかる接触面圧が高い場合でも、フィルム10にかかる接触面圧が低い場合と同様に、突起15により、フィルム10の重なる部分は互いに貼り付きが低減される。つまり、ブロッキングの発生は低減される。そのため、フィルム10の重なる部分の間での静摩擦係数は低く保持され、これらの間で滑りが生じる。これにより、フィルムロールにはベコが発生せず、巻き取られたフィルム10にはしわ等が発生しない。
従来では、例えば2000m以上10000m以下の範囲というようにフィルムの長さが長いほど、接触面圧により、フィルムロールにおいて重なった部分同士が貼り付いていた。これに対し、フィルム10では、このような長さであっても、フィルムロールにおいて貼り付きが起きない。また、フィルム10が、弾性率が低い場合のフィルムロールや、薄い場合のフィルムロールであっても、貼り付きが低減される。
けん化処理後のフィルム10が2枚重なっている場合においても、上述のけん化処理前のフィルム10の場合と同様に、2枚のフィルム10は、部分的に互いに貼り付かない。また、けん化処理後のフィルム10がフィルムロール状に巻き取られている場合においても同様に、フィルム10の重なる部分は、部分的に互いに貼り付かない。そして、フィルムロールにはベコが発生せず、巻き取られたフィルム10にはしわ等が発生しない。偏光板20が2枚重なっている場合や偏光板20がフィルムロール状に巻き取られている場合においても、同様である。
フィルム10は、第1ドープ41と第2ドープ42とから、後述する溶液製膜設備30(図5参照)によって製造される。フィルム本体12を形成する第1ドープ41は、ポリマーであるセルロースアシレートと、添加剤と、溶媒とを含む液体状の第1のドープ組成物である。セルロースアシレートと添加剤とが、第1のドープ組成物中に固形分として含まれる。セルロースアシレートは溶媒に溶解しており、添加剤は溶媒に溶解ないし分散している。第1ドープ41におけるセルロースアシレートと添加剤との比率は、フィルム本体12の各成分比と同じである。
表層13を形成する第2ドープ42は、第1ドープ41と同様の固形分及び溶媒に加えて、固形分としての微粒子14を含む液体状の第2のドープ組成物である。第2ドープ42におけるセルロースアシレートと添加剤と微粒子14の比率は、表層13の各成分比と同じである。第1,第2ドープ41,42を構成する成分の比率は、それぞれ、各ドープの固形分の濃度及びフィルム本体12,表層13を構成する成分の比率を考慮して定められる。
ここで、微粒子14は、通常は分散媒中に分散された分散液の状態で第2ドープ42の原料とされ、第2ドープ42の調製に用いられる。第1の微粒子14が第1の分散媒中に分散された第1の分散液と、第2の微粒子14が第2の分散媒中に分散された第2の分散液とを併用してもよい。ここで、第2ドープ42での微粒子14の分散状態は、上記分散液での微粒子14の分散状態とほぼ同じであるので、以降では第2ドープ42での微粒子14の分散状態は、第2ドープ42の調製に用いられる微粒子14の分散液での分散状態と同一であるものとして記載する。
第2ドープ42中では、微粒子14は、2次粒子の様態をとって分散している。第2ドープ42に含まれる微粒子14の総数に対する、2次粒子径r2が0.7μm以上の微粒子14の含有割合N(0.7)[単位;%]は30%以上であることが好ましく、含有割合N(0.7)は50%以上であることがより好ましい。表層13を形成する第2ドープ42が0.7μm以上の2次粒子径の微粒子14を含むことにより、表層13には上述のように所望の高さH,Hkの突起15が所望の突起密度D(H),Dk(Hk)で形成される。そのため、このような第2ドープ42を用いて製造されたフィルム10については、フィルム10が重ねられた際のフィルム10同士の貼り付きが低減され、そのフィルム面10aに滑り性が付与される。
ここで、微粒子14の2次粒子の直径を表す2次粒子径r2は、次のように定義される。2次粒子の形状が球形である場合にはその直径を2次粒子径r2とし、球形に近い場合には2次粒子を球形近似したときの直径を2次粒子径r2とする。2次粒子の形状が楕円体の場合には長軸の長さを2次粒子径r2とし、楕円体に近い場合には、2次粒子を楕円体近似したときの長軸の長さを2次粒子径r2とする。第2ドープ42に含まれる微粒子14の2次粒子径r2は、次のようにして求められる。第2ドープ42を平面上に薄く延ばし、この平面について、例えば走査型電子顕微鏡(Scanning Electron Microscope、SEM)を用いて3000倍に拡大して表面観察を行うと、各2次粒子の表面観察像が得られる。この各2次粒子の表面観察像について円近似あるいは楕円近似でフィッティングを行う。円近似でフィッティングした場合には直径の値を、楕円近似でフィッティングした場合には長軸の長さを、それぞれ2次粒子径r2とする。
第1ドープ41及び第2ドープ42に用いられる溶媒53は、いずれも、メチレンクロライドとメタノールとブタノールとの混合物である。また、本実施形態では先述の溶媒が用いられているが、一般的なセルロースアシレートフィルムを製造する溶液製膜に用いられるその他のいかなる溶媒も用いられる。また、フィルム本体12と表層13との各ポリマー成分をセルロースアシレートとしない場合には、用いられるポリマー成分に合わせて、第1ドープ41及び第2ドープ42に用いられる溶媒53が決められる。
フィルム10を製造する溶液製膜は、例えば図5の溶液製膜設備30で行われる。溶液製膜設備30は、ドープ調製装置31と、流延装置32と、テンタ35と、ローラ乾燥装置36と、巻取装置37とを、上流側から順に備える。
ドープ調製装置31は、前述の第1ドープ41と第2ドープ42とをつくるためのものである。ドープ調製装置31は、溶液製膜設備30内ではなく溶液製膜設備30の外部に設けられていてもよい。その場合には、つくられた第1ドープ41と第2ドープ42とは、一旦保存容器等に保存される。ドープ調製装置31は、溶解部43と、混合部46と、分散部47と、ろ過部48,49とを備える。
溶解部43は、セルロースアシレート52と溶媒53とが供給されると、これらを混合し加熱や攪拌等を行う。これにより、セルロースアシレート52が溶媒53に溶解した液体状の原料ドープ54をつくる(原料ドープ調製工程)。ろ過部48は、原料ドープ54の一部と添加剤59とが混合して供給されると、これをろ過して第1ドープ41とする。
混合部46は、セルロースアシレート52と溶媒53と微粒子14とが供給されると、これらを混合し攪拌して液体状の混合物を得る(混合物調製工程)。分散部47は、混合部46の下流に配され、分散部47からこの液体状の混合物が供給されると、この混合物に超音波を与え、微粒子14を混合物中で分散させて、微粒子分散液58を得る(微粒子分散工程)。なお、分散部47では、超音波を与える代わりに、ボールミルを用いてもよい。ろ過部49は、分散部47により得られる微粒子分散液58と原料ドープ54の他の一部と添加剤59とが混合して供給されると、これを混合し(混合工程)、ろ過して第2ドープ42とする(濾過工程)。
流延装置32は、第1ドープ41と第2ドープ42とからフィルム10を形成するためのものである。流延装置32は、ベルト62と、第1ローラ63及び第2ローラ64とを備える。ベルト62は、環状に形成された無端の流延支持体であり、SUS製である。ベルト62は、第1ローラ63と第2ローラ64との周面に巻き掛けられる。第1ローラ63と第2ローラ64の少なくともいずれか一方は、駆動部(図示無し)を有し、駆動部により周方向に回転する。この回転により周面に接するベルト62が搬送され、この搬送により、ベルト62は、循環して長手方向に連続走行する。
ベルト62の上方には第1ドープ41と第2ドープ42とを吐出する流延ダイ65が備えられる。搬送されているベルト62に流延ダイ65から第1ドープ41と第2ドープ42とを連続的に吐出することにより、第1ドープ41と第2ドープ42とは互いに重なった状態でベルト62上へ流延されて流延膜66が形成される。なお、第1ドープ41は第2ドープ42に挟まれた態様で流延ダイ65の吐出口65aから出される。
第1ローラ63と第2ローラ64とは、それぞれ周面温度を制御する温度コントローラ(図示せず)を備える。第1ローラ63と第2ローラとの各周面温度が制御されることによって、ベルト62の温度が調整される。
流延ダイ65からベルト62に至る第1ドープ41及び第2ドープ42、いわゆるビードに関して、ベルト62の走行方向における上流には、減圧チャンバ(図示無し)が備えられる。この減圧チャンバは、吐出した第1ドープ41及び第2ドープ42の上流側エリアの雰囲気を吸引して前記エリアを減圧する。
流延膜66を、テンタ35への搬送が可能な程度にまで固くしてから、溶媒53を含む状態でベルト62から剥がす。剥ぎ取りは、乾燥流延方式の場合には10質量%以上100質量%以下の範囲内の溶媒含有率で行い、冷却流延方式の場合には100質量%以上300質量%以下の範囲内の溶媒含有率で行う。乾燥流延方式とは、流延膜66を主に乾燥によって固くする方式であり、冷却流延方式とは、流延膜66を主に冷却によってゲル化して固くする方式である。なお、本明細書における溶媒含有率は、湿潤状態にあるフィルム10の質量をX、このフィルム10を乾燥した後の質量をYとするときに、{(X−Y)/Y}×100で求めるいわゆる乾量基準の値である。
剥ぎ取りの際には、フィルム10を剥ぎ取り用のローラ(以下、剥取ローラと称する)70で支持し、流延膜66がベルト62から剥がれる剥取位置を一定に保持する。ベルト62は循環して剥取位置から第1,第2ドープ41,42が流延される流延位置に戻ると再び新たな第1ドープ41及び第2ドープ42が流延される。
ベルト62の流延膜66が形成される流延面に対向するように、給気ダクト(図示無し)が設けられていてもよい。この給気ダクトは気体を出して、通過する流延膜66の乾燥をすすめる。
剥取ローラ70で剥ぎ取られた流延膜66、すなわちフィルム10は、テンタ35に案内される。テンタ35は、フィルム10の各側部を保持部材71で保持しながらフィルム10の乾燥をすすめる。テンタ35の保持部材71としては、クリップやピン等が用いられる。クリップはフィルム10を挟持し、ピンはフィルム10を厚み方向に貫通することによって、それぞれフィルム10を保持する。
テンタ35は、フィルム10を保持部材71で保持して長手方向に搬送しながら、幅方向での張力を付与し、フィルム10の幅を拡げる。このテンタ35には、乾燥気体をフィルム10の近傍に流して供給するダクト72が備えられる。フィルム10は搬送されながら、ダクト72からの乾燥気体により乾燥がすすめられるとともに、保持部材71により幅が所定のタイミングで変えられる。
ローラ乾燥装置36は、搬送されているフィルム10を乾燥するためのものである。ローラ乾燥装置36は、フィルム10の搬送方向に複数並べられた複数のローラ73と、空調機(図示無し)と、チャンバ(図示無し)とを備える。複数のローラ73の中には、周方向に回転する駆動ローラがあり、この駆動ローラの回転により、フィルム10は下流へと搬送される。空調機はチャンバ内部の雰囲気を吸引し、吸引した気体の湿度や温度等を調節した後にその気体を再びチャンバ内部に送り込む。これにより、チャンバ内部の温度や湿度等は一定に保持される。巻取装置37はローラ乾燥装置36から供給されてくるフィルム10をロール状に巻き取る。なお、ローラ乾燥装置36と巻取装置37との間に冷却室(図示無し)を設けてもよい。この冷却室は、内部を通過するフィルム10を、巻取り前に室温まで冷却する。
溶液製膜設備30は、本発明の実施態様の一例であり、他の溶液製膜設備であってもよい。例えば、流延支持体としては、ベルト62に代えて、周方向に回転するドラム(図示せず)であってもよい。冷却流延方式の場合には、ドラムを流延支持体として用いる場合が多い。また、テンタ35とローラ乾燥装置36との間に、テンタ35と同じ構成をもつテンタ(図示無し)を設けてもよい。
上記構成の作用を説明する。セルロースアシレート52と溶媒53とは溶解部43に送られると、混合されて加熱や攪拌等されることにより原料ドープ54とされる(原料ドープ調製工程)。原料ドープ54の一部はろ過部48に案内される前に、添加剤59が加えられ、添加剤59と混じった状態でろ過部48によりろ過されて第1ドープ41となる。
微粒子14とセルロースアシレート52と溶媒53とは混合部46へ案内されると、混合部46により混合され攪拌されて、液体状の混合物が得られる(混合物調製工程)。ここで、第2ドープ42に含まれる微粒子14についての含有割合N(0.7)は、30%以上であることが好ましい。この混合物は、混合部46から分散部47へ送られる。この混合物中の微粒子14は分散部47により混合物中で分散され、微粒子分散液58が得られる(微粒子分散工程)。微粒子分散液58は、原料ドープ54の他の一部に加えられ、さらに添加剤が加えられてろ過部49へ案内されて混合され(混合工程)、ろ過部49によりろ過されて第2ドープ42とされる(濾過工程)。
第1ドープ41と第2ドープ42とは連続的に流延ダイ65へ案内され、吐出口65aから連続的に吐出される。第2ドープ42,第1ドープ41,第2ドープ42の順に重ねられた状態で、ベルト62上へ流延されて流延膜66が形成される。走行するベルト62上に形成された流延膜66は、自己支持性をもった後にベルト62から溶媒53を含む状態で剥ぎ取られることで、フィルム10とされる。
フィルム10は、テンタ35へ送られ、保持部材71により幅を規制された状態で、ダクト72から供給される乾燥気体の雰囲気を通過する。これによりフィルム10は乾燥を進められる。テンタ35を出たフィルム10はローラ乾燥装置36へ案内され、このローラ乾燥装置36のチャンバ(図示無し)内部を通過する間に乾燥される。乾燥したフィルム10は、巻取装置37へ案内されて、ロール状に巻き取られる。
第2ドープ42におけるセルロースアシレート52に対する微粒子14の質量割合Wp[単位;質量%]及び微粒子14についての含有割合N(0.7)と、フィルム面10aにおける突起密度D(30)[単位;個/mm]との間には、相関がある。質量割合Wpや含有割合N(0.7)の増加に伴って、突起密度D(30)が増加する。ここで、質量割合Wpは、(ドープに添加された微粒子の総質量)/(ドープに用いられたセルロースアシレートの総質量)で定義される割合である。なお、含有割合N(0.7)及び突起密度D(30)は、それぞれ、後述の実施例に記載する測定方法により求めている。また、突起密度Dk(30),突起密度D(40),突起密度Dk(40)等についても、突起密度D(30)と同様に、質量割合Wpや含有割合N(0.7)の増加に伴って増加する傾向がある。
一例として、質量割合Wpを0.1質量%以上0.3質量%以下の範囲内とし、粒子の1次粒子径r1を12nm以上20nm以下の範囲内とすると、図6に示すように、含有割合N(0.7)の増加に伴って、突起密度D(30)が概ね増加していることがわかる。図6には、含有割合N(0.7)と突起密度D(30)との相関を表す直線U1が示されている。なお、質量割合Wpを下げれば、図6において直線U1が下側(突起密度D(30)が減少する側)にシフトし、質量割合Wpを上げれば、図6において直線U1が上側(突起密度D(30)が増加する側)にシフトする。また、突起密度D(30)に限らず、突起密度D(40)や突起密度D(50)についても、質量割合Wpや含有割合N(0.7)の増加に伴って増加する。
ところで、可塑剤を含む第2ドープ42を用いる場合、すなわち、表層13が可塑剤を含む場合には、けん化処理を施すことにより、けん化処理後のフィルム10においてフィルム面10a(図1,図2参照)にべたつき(粘着性)が生じてしまう場合がある。特に、けん化処理が弱いけん化条件で行われる場合に、このべたつきが発生する傾向がある。可塑剤は、けん化の条件が強いほど分解されやすく、前述の強いけん化条件の場合にはけん化処理で分解されてフィルム面10aから除去される。しかし、前述の弱いけん化条件の場合には、可塑剤の分解の進みがフィルム面10aから除去される程度には至らず、そのため、分解途中の状態で残留した可塑剤がべたつきの原因になっていると考えられる。
そこで、前述の弱いけん化条件に供する場合には、また、1次粒子径r1が互いに異なる第1の微粒子14と第2の微粒子14とを併用することがより好ましい。具体的には、1次粒子径r1が16nm以上30nm以下の範囲内である第1の微粒子14と、1次粒子径r1が第1の微粒子14よりも小さく5nm以上15nm以下の範囲内である第2の微粒子14とを併用する。これにより、図2におけるフィルム面10aに、30nm以上の高さHをもつ突起15a,15bに加えて、10nm以上30nm以下の範囲内の高さHをもつ突起が形成されたフィルム(図示無し)を製造することができる。なお、この場合には、第2ドープ42においてセルロースアシレート52に対する第1の微粒子14の質量割合Wp1は0.10質量%以上0.30質量%以下の範囲内、第2の微粒子14の質量割合Wp2は0.03質量%以上0.30質量%以下の範囲内とすることが好ましい。10nm以上30nm以下の範囲内の高さHをもつ突起がさらに形成されていることで、弱いけん化条件でのけん化処理後のフィルムは、貼り付きがより確実に抑制される。また、10nm以上30nm以下の範囲内の高さHをもつ突起がさらに形成されても、この突起は小さいからヘイズの上昇は抑えられる。第1の微粒子14の1次粒子径r1は16nm以上30nm以下の範囲内であることが好ましく、16nm以上20nm以下の範囲内であることがさらに好ましい。第2の微粒子14の1次粒子径r1は5nm以上15nm以下の範囲内であることが好ましく、7nm以上12nm以下の範囲内であることがさらに好ましい。第2ドープ42のみならず、第1ドープ41においても、1次粒子径r1が互いに異なる第1の微粒子14と第2の微粒子14とを併用してもよい。
本実施形態では、3層という複層構造のフィルム10を製造するが、前述のように単層構造のフィルムに対しても本発明は効果がある。また、本実施形態ではフィルム本体12と1対の表層13とからなる3層構造のフィルム10を製造するが、本発明により得られるフィルムはこれに限られない。例えば、重層流延や塗布などにより4層以上としてもよい。なお、単層構造のフィルムを製造する場合にも同様に、微粒子14についての含有割合N(0.7)は30%以上であることが好ましい。また、製造されるフィルムのフィルム面10aの突起密度D(30)は、10個/mm以上10個/mm以下の範囲内であり、けん化処理を受けた後のフィルム面10aの突起密度Dk(30)も、けん化処理前と同様に10個/mm以上10個/mm以下の範囲内である。
以下、本発明に関する実施例を4つ挙げる。
実施例1として、17種類の実験1−A〜1−Qを行った。この実施例1には、商品名がそれぞれR972、NX90S,RX200(いずれも日本アエロジル株式会社製)である3種類の微粒子14の分散液を用いた。ここで、この3種類の微粒子14の分散液について、以下の表1にまとめている。表1の「分散液」の各欄に記載されたそれぞれの商品名の分散液において、「微粒子」の欄には微粒子14を構成する物質を、「分散媒」の欄には分散媒を構成する物質を、「微粒子濃度」の欄には分散媒中の微粒子14の濃度[単位;質量%]を、「1次粒子径」の欄には微粒子14の1次粒子径r1の平均値[単位;nm]を、「2次粒子径平均値」の欄には微粒子14の2次粒子径r2の平均値[単位;μm]を、「含有割合N(0.7)」の欄には微粒子14についての含有割合N(0.7)[単位;%]を、それぞれ示す。なお、「微粒子」と「分散媒」は、3種類の分散液で共通であるため、表1での欄をそれぞれひとつにしている。「分散媒」欄におけるCHCl:CHOHの比率は、質量での比率である。
ここで、微粒子14の2次粒子径r2は上述の実施形態で記載した定義に基づくものであり、上述のようにSEMを用いて3000倍に拡大して表面観察を行うことにより微粒子14ごとに求められた。微粒子14ごとに求められた2次粒子径r2の結果から微粒子14の粒径分布を求め、この粒径分布からメジアン径を求め、このメジアン径をもって2次粒子径r2の平均値とした。また、微粒子14の粒度分布から、微粒子14についての含有割合N(0.7)を求めた。なお、ここで求めた微粒子14についての含有割合N(0.7)が、ドープに添加された以降における含有割合N(0.7)となっている。
各実験において用いられた微粒子14の分散液の商品名を、表2の各例の欄における「微粒子」の「分散液」の欄に示す。また、セルロースアシレート52に対する微粒子14の質量割合Wpを、表2の各実験における「微粒子」の「質量割合」の欄に示す。なお、実験1−Lは本発明に対する比較実験であり、この実験1−Lについては分散液を添加していないため、表2の「分散液」の欄には「−」と示す。
また、各実験に用いたドープに含まれる微粒子14以外の固形分は、以下の固形分A〜Cのいずれかであるとした。いずれの実験においても、3層全てのドープに同じ種類の固形分を用いた。各実験において用いられた微粒子14以外の固形分を、表2の各実験における「固形分種類」の欄に示す。なお、ここで、質量部単位で示す割合は、上述の実施形態において原料ドープ54からもたらされる固形分と、微粒子分散液58からもたらされる微粒子14以外の固形分とを合わせた際の全体の割合となっている。
固形分Aは、以下に示す成分からなる。固形分Aを用いて製造したフィルム10の長尺方向及び幅方向の平均弾性率は、4.5GPaであった。
〔固形分A〕
トリアセチルセルロース(TAC) 100.0質量部
スクロースベンゾエート 7.5質量部
スクロースアセテートイソブチレート 2.5質量部
紫外線吸収剤 チヌビン(登録商標)928(BASFジャパン(株)製) 2.0質量部
ここで、上記のトリアセチルセルロースは、アセチル置換度2.86、粘度平均重合度306、含水率0.2質量%、ジクロロメタン溶液中の6質量%の粘度310mPa・sの粉体である。スクロースベンゾエート及びスクロースアセテートイソブチレートは可塑剤である。また、チヌビン(登録商標)928は、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−6−(1−メチル−1−フェニルエチル)−4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノールを主成分としている。
固形分Bは、以下に示す成分からなる。固形分Bを用いて製造したフィルム10の長尺方向及び幅方向の平均弾性率は、3.0GPaであった。
〔固形分B〕
トリアセチルセルロース(TAC) 100.0質量部
ポリエステル可塑剤 25.0質量部
紫外線吸収剤 チヌビン(登録商標)928(BASFジャパン(株)製) 2.0質量部
固形分Cは、以下に示す成分からなる。固形分Cを用いて製造したフィルム10の長尺方向及び幅方向の平均弾性率は、3.0GPaであった。
〔固形分C〕
アクリルポリマー 100.0質量部
また、各実験のドープに含まれる溶媒には、以下に示す溶媒を用いた。
〔溶媒〕
メチレンクロライド 330.0質量部
メタノール 64.0質量部
ブタノール 3.0質量部
いずれの実験においても、ドープは、上述の図5に示すドープ調製装置31を用いて製造した。ここで、後述する微粒子14を添加したドープについては第2ドープ42と同様の方法で製造し、微粒子14を添加しなかったドープについては第1ドープ41と同様の方法で製造した。また、いずれの実験においても、フィルム本体12を形成することになるドープの固形分の濃度を22%とし、表層13を形成することになるドープの固形分濃度を19%とした。また、いずれの実験においても、上述の図5に示すものと同様の流延装置32によって流延膜66を形成した。流延膜66は、フィルム本体12を形成することになるドープが、表層13を形成することになるドープに挟まれて、3層重なった状態で形成された。そして、この流延膜66を剥ぎ取ってフィルム10を形成した。その後、図5の溶液製膜設備30において流延装置32の下流に設けられた各装置により、上述の実施形態と同様の処理を行った。
ここで、実験1−A〜1−E,1−J〜1−Qについては、3層全てのドープに微粒子14を添加した。一方、実験1−F〜1−Iについては、表層13を形成することになるドープにのみ微粒子14を添加した。各実験において微粒子が添加されたドープの層を、表2の各実験における「微粒子」の「添加層」の欄に示す。ここで、3層全てのドープに微粒子14が添加された例については「全層」と示し、表層13を形成することになるドープにのみ微粒子14が添加された例については「表層」と示す。
製造した各フィルム10について、フィルム面10aにおける突起15の総密度(総突起密度D[単位;個/mm])と、けん化前後それぞれにおける高さ30nm以上の突起15の密度(突起密度D(30)[単位;個/mm],Dk(30)[単位;個/mm])と、を次の方法により求めた。けん化処理は、強いけん化処理とし、その条件は前述の第1のけん化条件である。
製造した各フィルム10(第1のけん化条件でのけん化処理前)のフィルム面10aに対して略垂直な方向から観察し、その観察画像を取得した。この観察は、走査型プローブ顕微鏡(SPA400、エスアイアイ・ナノテクノロジー社製)を用いて、AFM(Atomic Force Microscope、原子間力顕微鏡)モードにて、100μm×100μmの範囲で行われた。ここで得られた観察画像を、以下では、AFM画像と称する。AFM画像では、観察した箇所におけるフィルム面10aの表面からの突出高さに応じて、その箇所に対応する画素の輝度が高く表示される。AFM画像の一例として、実験1−Dで製造したフィルム10に関するAFM画像を、図7に示す。
突出高さに応じて輝度が高くなるというAFM画像の性質から、AFM画像において所定の輝度を閾値に設定して2値化処理を行うと、フィルム面10aの表面から所定の高さ以上の箇所を分離して抽出することができる。これを利用して、各AFM画像について、フィルム面10aの表面から10nm以上突出している部分を明輝度とし、それ以外の部分を暗輝度として分離する2値化処理を行った。ここで、実験1−Dで得られたAFM画像についてこの2値化処理を行った画像の一例を、図8に示す。
高さ10nmの場合の輝度を閾値として2値化処理をした後の画像において、明輝度となる各部分(例えば、図8における、各グレーの島)を、それぞれ高さ10nm以上の突起と認識して検出した。その明輝度となる部分の数を数えることにより、高さ10nm以上の突起の数を求めた。そして、この突起の数に100をかけて1mmあたりの突起の数に換算した数を、このAFM画像を取得した領域における局所的な総突起密度Dlとした。各実験においてAFM画像を複数取得し、複数の局所的な総突起密度Dlを求め、これらの相加平均を各実験における総突起密度Dとした。この総突起密度Dを、表3の各実験における「総突起密度D」の欄に示す。なお、「総突起密度D」の欄には、有効数字2桁とした値を示している。
上述の総突起密度Dの求め方のうち、2値化処理する際の閾値を、フィルム面10aの表面から30nm以上突出している場合の輝度に変更し、その他は総突起密度Dを求めるのと同様の方法で、各実験における突起密度D(30)を求めた。ここで、実験1−Dで得られたAFM画像について高さ30nmの時の輝度を閾値として2値化処理を行った画像の一例を、図9に示す。この突起密度D(30)を、表3の各実験における「突起密度D(30)」の欄に示す。なお、「突起密度D(30)」の欄には、有効数字3桁とした値を示している。
製造した各フィルム10を第1のけん化条件でけん化処理してから、AFM画像の取得処理,2値化処理,及び突起の数を求めるまでの処理について上述と同様の方法で、各実験における突起密度Dk(30)を求めた。この突起密度Dk(30)を、表3の各実験における「突起密度Dk(30)」の欄に示す。なお、「突起密度Dk(30)」の欄には、有効数字3桁とした値を示している。
各実験における第1のけん化条件でのけん化処理前後それぞれのフィルム10に対し、貼り付きが低減される度合いを次のようにして評価した。まず、各フィルム10を7cm×7cmの正方形にカットしたものを3枚重ねた。次に、各フィルム10を3枚重ねた状態で温度25℃,湿度50%の条件下で24時間調湿した後、3枚重ねたまま温度40℃,湿度20%の環境下に置いた。そして、3枚重ねた各フィルム10の上に5kgのおもりを乗せて24時間放置した後、フィルム10の接触面積に対するフィルム10の貼付面積の割合S[単位;%]を求めた。求めた貼付面積の割合Sを以下のA〜Dの4段階で評価した。この評価結果を表3の各実験における「貼付評価」の欄に示す。けん化処理前の評価については「けん化処理前」の欄に、けん化処理後の評価については「けん化処理後」の欄にそれぞれ示す。この貼付評価がA,B,Cにおさまれば、実用上許容の範囲内のフィルム10である。
A:20%未満
B:20%以上30%未満
C:30%以上40%未満
D:40%以上
各実験におけるけん化処理前のそれぞれのフィルム10に対し、ヘイズメーター(NDH−5000、日本電色工業(株))を用い、JIS−K−7105に準じて、ヘイズを測定した。ヘイズの測定結果を表3の各実験における「ヘイズ」の欄に示す。
表2及び表3より、次のことがわかった。多少のばらつきは生じたものの、分散液の含有割合N(0.7)及び質量割合Wpの増加に伴って、概ね突起密度D(30)が増加する傾向が見られた。微粒子14の添加をした層が全層であるときと比較して、表層であるときの方が、製造されたフィルムのヘイズが低く抑えられることがわかった。
また、総突起密度Dとけん化処理前における貼付評価の結果との間には、相関は見られなかった。例えば、実験1−C,1−F,1−N,1−P,1−Qではいずれも総突起密度Dは90000個/mmであったが、けん化処理前における貼付評価はそれぞれA,A,B,C,Cと大きな差が生じた。一方、突起密度D(30)とけん化処理前における貼付評価の結果との間には、相関が見られた。突起密度D(30)が20000個/mm以上となった実験1−A〜1−Kではけん化処理前における貼付評価はいずれもAとなった。突起密度D(30)が16000個/mm以上20000個/mm未満の範囲内であった実験1−Oではけん化処理前における貼付評価はBとなった。突起密度D(30)が10000個/mm以上16000個/mm未満の範囲内であった実験1−M,1−N,1−P,1−Qでは、けん化処理前における貼付評価はそれぞれC,B,C,Cとなった。また、突起密度D(30)が10000個/mm未満であった実験1−Lではけん化処理前における貼付評価はDとなった。
また、突起密度Dk(30)とけん化処理後における貼付評価の結果との間には、相関が見られた。突起密度Dk(30)が20000個/mm以上となった実験1−D,1−E,1−G〜1−Kではいずれもけん化処理後における貼付評価はAとなった。突起密度Dk(30)が10000個/mm以上20000個/mm未満の範囲内であった実験1−B,1−C,1−Fではけん化処理後における貼付評価はBとなった。突起密度Dk(30)が10000個/mm未満であった実験1−A,1−L〜1−Qではけん化処理後における貼付評価はDとなった。
また、固形分以外を同じ条件にした実験1−N,1−P,1−Qにおいて、フィルム弾性率の低い固形分BやCを用いた実験1−P,1−Qではけん化処理前における貼付評価はCとなり、固形分Aを用いた実験1−Nの貼付評価Bよりも低い評価となった。一方、同様に固形分以外を同じ条件のまま突起密度D(30)を上げた実験1−G,1−J,1−Kにおいて、固形分BやCを用いた実験1−J、1−Kでは貼付評価はAとなり、固形分Aを用いた実験1−Gの貼付評価Aと同じ結果となった。このことから、弾性率の低い固形分BやCを用いたフィルムの方が、固形分Aを用いたフィルムよりも、突起密度D(30)を上げることによる貼り付き低減の効果が大きく得られることがわかった。
また、実施例1−D,1−J,1−Kでそれぞれ製造した厚みが20μm,40μmの各フィルム10について、第1のけん化条件でのけん化処理前後のそれぞれでロール状への巻き取りにより、ベコやしわやブロッキングが発生しないかどうか(巻き取り性)を確認したところ、いずれもベコやしわやブロッキングが発生しなかった(巻き取り性は良好であった)。また、このうち厚みが40μmの各フィルム10について、クリア塗工を行ってからロール状への巻き取り性を確認したところ、いずれも巻き取り性は良好であった。
ここで、クリア塗工とは、上記フィルムの表面に塗工し、透明ハードコート層を設けることをいう。透明ハードコート層として、活性線硬化性樹脂あるいは熱硬化樹脂が好ましく用いられる。活性線硬化性樹脂とは紫外線や電子線等の活性線照射により、架橋反応を経て硬化する樹脂を主成分とする層をいう。活性線硬化性樹脂として、紫外線硬化性樹脂や電子線硬化性樹脂等があり、紫外線や電子線等以外の活性線照射により、硬化する樹脂でもよい。紫外線硬化性樹脂としては例えば、紫外線硬化型アクリルウレタン系樹脂、紫外線硬化型ポリエステルアクリレート系樹脂、紫外線硬化型エポキシアクリレート系樹脂等を挙げることができる。
本発明の実施例2は、上記の固形分Aを用い、微粒子14の1次粒子径r1とその添加量とを変量して、7種類のフィルム10を製造し、貼付低減に有効となる突起高さHの確認を行ったものである。7種類のフィルムには、上述の貼付評価の方法において貼付面積の割合Sが0%〜50%のものをランダムに選択した。
この7種類のフィルム10について、高さ10nm以上の突起の密度(突起密度D(10)[単位;個/mm]),高さ20nm以上の突起の密度(突起密度D(20)[単位;個/mm]),高さ30nm以上の突起の密度(突起密度D(30)[単位;個/mm]),高さ40nm以上の突起の密度(突起密度D(40)[単位;個/mm]),高さ50nm以上の突起の密度(突起密度D(50)[単位;個/mm])をそれぞれ求めた。これらの突起の密度はいずれも、上で説明したAFM画像を、それぞれの突起の高さに応じた輝度を閾値に設定して2値化処理し、明輝度の塊の数をカウントして1mmあたりに換算することにより求められた。
この7種類のフィルム10に関して、横軸に突起密度D(10)をとり、縦軸に貼付面積の割合Sをとったグラフにプロットをしたところ、図10に示すグラフが得られた。横軸に突起密度D(30)をとって同様のプロットをしたところ、図11に示すグラフが得られた。横軸に突起密度D(40)をとって同様のプロットをしたところ、図12に示すグラフが得られた。また、横軸に突起密度D(50)をとって同様のプロットをしたところ、図13に示すグラフが得られた。
図10のグラフより、突起密度D(10)は、貼付面積の割合Sにはほとんど影響がない因子であることがわかった。一方、図11,12,13のグラフより、突起密度D(30),突起密度D(40)及び突起密度D(50)は、いずれも貼付面積の割合Sに強い相関を持つ因子であることがわかった。突起密度D(30),突起密度D(40)及び突起密度D(50)が大きくなればなるほど、貼付面積の割合Sは小さくなることがわかった。
図10〜13に加えて、この7種類のフィルム10に関して、横軸に突起密度D(20)をとり、縦軸に貼付面積の割合Sをとったグラフにプロットをしたものを作成した(図は省略)。これらの5つのグラフについて、寄与率(重決定係数)Rを求めた。この寄与率Rを求めた結果に関して、横軸に前述の5つのグラフにおいて閾値となった突起高さH[単位;nm]をとり、縦軸に寄与率Rを取ったグラフにプロットしたところ、図14に示すグラフが得られた。このグラフから、高さ30nm以上の突起が、貼付面積の割合Sを小さくすることに寄与しており、その中でも高さ40nm以上の突起がさらに寄与しており、その中でも高さ50nm以上の突起がさらに寄与していることがわかった。
本実施例3は、上述の実施例1,2と同様の方法で作成される10種類のフィルム10を用いて、貼付低減に有効となる突起がどのような微粒子を含むものであるかを確認したものである。10種類のフィルムには、上述の貼付評価の方法において貼付面積の割合Sが0%〜50%のものをランダムに選択した。
この10種類のフィルム10のフィルム面10aに対して略垂直な方向から、SEM(Scanning Electron Microscope、走査型電子顕微鏡)により観察し、各フィルム10のフィルム面10aに存在する微粒子の2次粒子径r2の分布を調査した。この10種類のフィルム10に関して、横軸に微粒子14についての含有割合N(0.7)[単位;%]をとり、縦軸に貼付面積の割合Sをとったグラフにプロットをしたところ、図15に示すグラフが得られた。図15から、含有割合N(0.7)が30%以上になると、貼付面積の割合Sが20%未満になり、含有割合N(0.7)が50%以上になると、貼付面積の割合が10%未満になることがわかった。これにより、重なったフィルム間の貼り付きを低減するには、フィルムを形成するドープにおける含有割合N(0.7)が高いことが重要であることが確認できた。
2種類の微粒子14の分散液を併用して実施例1と同様の方法で3層構造の3種のフィルム10をそれぞれつくり、これら3種のフィルム10と、実施例1の実験1−D,1−E,1−Oで得られた各フィルム10とについて、下記のように貼り付きが低減される効果を評価し、ヘイズを求めた。2種の分散液を併用してつくったフィルム10についての実験を実験4−R,4−S,4−Tとし、実施例1の実験1−D,1−E,1−Oで得られた各フィルム10についての実験を、実験4−D,4−E,4−Oとした。
併用した分散液は、前述のNX90SとRX200とであり、表4では、NX90Sを第1成分、RX200を第2成分として記載している。NX90SとRX200とは、予め混合しておき、この混合で得られた混合分散液を第1ドープ41と第2ドープ42との各原料として用いた。表4における「微粒子」の「質量割合」の欄は、分散液ごとにセルロースアシレート52に対する微粒子14の質量割合Wpを示している。表4において、NX90Sを使用していない場合には「第1成分」の「分散液」欄に「−」と記載し、RX200を使用していない場合には「第2成分」の「分散液」欄に「−」と記載している。各実験において微粒子が添加されたドープの層を、表4の「微粒子」の「添加層」と、「固形分種類」とは、表2における「添加層」欄、「固形分種類」欄と、それぞれ同じ示し方にしている。
この実施例4では、前述の第2のけん化条件による強いけん化処理と、前述の第3のけん化条件による弱いけん化処理とを、各フィルム10に対して行い、各けん化処理後のフィルム10について、貼り付き低減の効果を評価し、ヘイズを求めた。貼り付き低減の効果の評価方法及び評価基準と、ヘイズの求め方とは、実施例1におけるものと同じである。結果は表4に示す。
10 フィルム
10a フィルム面
12 フィルム本体
13 表層
14 微粒子
15 突起
20 偏光板
30 溶液製膜設備
31 ドープ調整装置
41 第1ドープ
42 第2ドープ

Claims (12)

  1. 微粒子を含む高さ30nm以上の突起が、ポリマーからなるフィルム面に面積1mmあたり10個以上10個以下の範囲内で形成されていることを特徴とするフィルム。
  2. 前記ポリマーはセルロースアシレートであることを特徴とする請求項1記載のフィルム。
  3. 前記フィルム面をけん化処理した後の前記突起が、前記フィルム面に面積1mmあたり10個以上10個以下の範囲内で形成されていることを特徴とする請求項2記載のフィルム。
  4. けん化処理した後の前記フィルム面に偏光膜が接着されて用いられることを特徴とする請求項2または3記載のフィルム。
  5. 前記微粒子はシリカであることを特徴とする請求項1ないし4のうちいずれか1項記載のフィルム。
  6. ポリマーと、
    前記ポリマーを溶解する溶媒と、
    2次粒子の状態で分散する微粒子とを含み、
    前記微粒子の総数に対する2次粒子径が0.7μm以上の前記微粒子の含有割合は少なくとも30%であることを特徴とするドープ組成物。
  7. 前記ポリマーは、セルロースアシレートであることを特徴とする請求項6記載のドープ組成物。
  8. ポリマーと溶媒とを混合して加熱と攪拌との少なくともいずれか一方により、前記ポリマーを前記溶媒に溶解して原料ドープをつくる原料ドープ調製工程と、
    前記ポリマー及び前記溶媒と同一の成分であるポリマー及び溶媒と微粒子とを混合し攪拌して液体状の混合物を得る混合物調製工程と、
    前記混合物中で前記微粒子を2次粒子として分散させて、0.7μm以上の2次粒子径の前記微粒子の、前記微粒子の総数に対する含有割合が少なくとも30%である微粒子分散液を得る微粒子分散工程と、
    前記原料ドープと前記微粒子分散液とを混合してドープ組成物を得る混合工程とを有することを特徴とするドープ組成物の製造方法。
  9. 前記微粒子分散工程は、前記混合物に超音波を与えることにより、前記混合物中で前記微粒子を2次粒子として分散させることを特徴とする請求項8記載のドープ組成物の製造方法。
  10. 前記微粒子分散工程では、ボールミルを用いることにより、前記混合物中で前記微粒子を2次粒子として分散させることを特徴とする請求項8記載のドープ組成物の製造方法。
  11. 前記ポリマーは、セルロースアシレートであることを特徴とする請求項8ないし10のうちいずれか1項記載のドープ組成物の製造方法。
  12. 請求項8ないし11のうちいずれか1項記載のドープ組成物の製造方法によりドープ組成物を調製するドープ調製工程と、
    前記ドープ組成物を連続走行する支持体上へ流延ダイから連続的に吐出することにより前記支持体上へ流延膜を形成する流延膜形成工程と、
    前記流延膜を前記支持体から剥がして乾燥することによりフィルムを得る剥取乾燥工程とを有することを特徴とする溶液製膜方法。
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