JP2015183492A - 鉄骨梁の接合構造 - Google Patents

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浩史 田村
Hiroshi Tamura
浩史 田村
川口 正人
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正人 川口
泰正 大村
Yasumasa Omura
泰正 大村
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Abstract

【課題】溶接を不要にして、大梁と小梁などの鉄骨梁部材同士を接合することを可能にする鉄骨梁の接合構造を提供する。
【解決手段】一方の鉄骨梁2に他方の鉄骨梁1の端部を接合する鉄骨梁の接合構造Aであって、第1接合板部10a、及びこの第1接合板部10aの一面に端部を接合して突設された第2接合板部10bを備えてT型に形成された接合用T型部材10と、スプライスプレート11、12とを備えており、接合用T型部材10の第1接合板部10aを一方の鉄骨梁2にボルト接合し、スプライスプレート11、12を第2接合板部10bと他方の鉄骨梁1の端部側にボルト接合し、接合用T型部材10及びスプライスプレート11、12を介して一方の鉄骨梁2に他方の鉄骨梁1の端部を接合するように構成する。
【選択図】図1

Description

本発明は、例えば鉄骨造の大梁と小梁を接合するために用いて好適な鉄骨梁の接合構造に関する。
オフィスビルなど、建物には、RC造、SRC造の柱や、鋼管、形鋼の柱に鉄骨梁の端部を一体に接合して架構を構築したものが多々ある。
また、屋根や床下空間の大空間化を図る場合など、鉄骨梁の保有耐力を向上させることが必要になるケースもある。そして、従来、鉄骨梁の保有耐力を向上させる際には、補剛手段としての小梁を鉄骨梁の長さ方向全体にわたって均等に設置したり、梁端部に集中して設置する手法が多用されている。
さらに、例えば鉄骨の小梁1を鉄骨梁の大梁2に接合する際には、図3に示すように、一般に、大梁2にスチフナ形状のガセットプレート3を溶接(4)し、現場でこのガセットプレート3に小梁1をボルト接合(5)する手法が多用されている(例えば、特許文献1、特許文献2、特許文献3参照)。
特許平7−150637号公報 特開2007−309020号公報 特許第5107966号公報
しかしながら、上記従来のガセットプレートを大梁に溶接し、現場で小梁をボルト接合する手法においては、鉄骨製作工場でのガセットプレートの溶接管理が必要になり、穴明け切断の一次加工を終えた大梁の全てを鉄骨製作工場に持ち込む必要が生じる。
これにより、大重量の全ての大梁を鉄骨製作工場に運搬する手間とコスト、さらに鉄骨製作工場からガセットプレートを溶接した全ての大梁を現場に運搬する手間とコストが必要になり、運搬に要する手間とコストが2回発生する。
また、近年、鉄骨造建物の増加に伴い、鉄骨製作工場の処理能力が追い付かない状況も発生しており、鉄骨加工コストも上昇している。
このような状況から、一次加工を終えた大梁を直接現場に搬入して設置し、現場で小梁を接合できるようにすることが強く望まれていた。
本発明は、上記事情に鑑み、溶接を不要にして、大梁と小梁などの鉄骨梁部材同士を接合することを可能にする鉄骨梁の接合構造を提供することを目的とする。
上記の目的を達するために、この発明は以下の手段を提供している。
本発明の鉄骨梁の接合構造は、一方の鉄骨梁に他方の鉄骨梁の端部を接合する鉄骨梁の接合構造であって、第1接合板部、及び該第1接合板部の一面に端部を接合して突設された第2接合板部を備えてT型に形成された接合用T型部材と、スプライスプレートとを備えており、前記接合用T型部材の第1接合板部を前記一方の鉄骨梁にボルト接合し、前記スプライスプレートを前記第2接合板部と前記他方の鉄骨梁の端部側にボルト接合し、前記接合用T型部材及び前記スプライスプレートを介して前記一方の鉄骨梁に前記他方の鉄骨梁の端部を接合するように構成されていることを特徴とする。
本発明の鉄骨梁の接合構造においては、接合用T型部材の第1接合板部を一方の鉄骨梁にボルト接合し、第2接合板部と他方の鉄骨梁の端部側にスプライスプレートをボルト接合することにより、接合用T型部材及びスプライスプレートを介し、溶接作業を行うことなくボルト接合だけで一方の鉄骨梁と他方の鉄骨梁を接合することができる。
これにより、一次加工した鉄骨梁を直接現場搬入して鉄骨梁同士を接合して鉄骨造の建物を構築することができ、従来と比較し、鉄骨梁の運搬、接合作業に要する手間やコストを大幅に低減することが可能になる。
本発明の一実施形態に係る鉄骨梁の接合構造を示す斜視図である。 本発明の一実施形態に係る鉄骨梁の接合構造を示す断面図である。 従来の鉄骨梁の接合構造を示す斜視図である。
以下、図1及び図2を参照し、本発明の一実施形態に係る鉄骨梁の接合構造について説明する。
はじめに、本実施形態では、本発明に係る一方の鉄骨梁がオフィスビルなどの建物の架構を構成する大梁であり、本発明に係る他方の鉄骨梁が補剛手段としての小梁であるものとして説明を行う。また、これら鉄骨の大梁及び小梁は、上フランジと下フランジとウェブを備えてなるH形鋼やI形鋼であり、大梁は、例えば鋼管や鉄骨造、RC造やSRC造の一対の柱に両端部をそれぞれ接合し、一対の柱間に架設されているものとする。
そして、本実施形態の鉄骨梁の接合構造Aは、図1及び図2に示すように、このような一方の鉄骨梁である大梁2に、他方の鉄骨梁である小梁1の端部を接合するための構造であり、鋼材からなる接合用T型部材10と、鋼材である一対のスプライスプレート11、12とを備えて構成されている。
また、接合用T型部材10は、方形平板状の第1接合板部10aと、この第1接合板部10aの一面の幅方向略中央に端部を接合して突設された方形平板状の第2接合板部10bとを備えてT型に形成されている。さらに、この接合用T型部材10は、第1接合板部10aの第2接合板部10bを挟んで両側にそれぞれ、一面から他面に貫通する複数のボルト挿通孔が設けられている。また、第2接合板部10bの突出方向先端側に、第2接合板部10bの一側面から他側面に貫通する複数のボルト挿通孔が設けられている。
一対のスプライスプレート11、12は、方形平板状の鋼材であり、一側端側と他側端側にそれぞれ、一面から他面に貫通する複数のボルト挿通孔が形成されている。
また、大梁2及び小梁1は、一次加工により、所定の長さで切断形成され、且つ大梁2の所定位置のウェブ2a、小梁1の端部側のウェブ1aにそれぞれ、複数のボルト挿通孔が貫通形成されている。
そして、本実施形態の鉄骨梁の接合構造Aにおいては、現場に搬入して柱間に設置された大梁2のウェブ2aに接合用T型部材10の第1接合板部10aの他面を面接触させつつ、第1接合板部10aと大梁2の互いのボルト挿通孔を連通させるようにして、接合用T型部材10を配置する。また、互いに連通したボルト挿通孔に高力ボルト13を挿通し、ナットを締結して、第1接合板部10aを大梁2にボルト接合する。
次に、接合用T型部材10の第2接合板部10bの先端側に端部を突き合わせるようにして小梁1を所定位置に配置するとともに、第2接合板部10bと小梁1の端部側のウェブ1aを挟み込むように一対のスプライスプレート11、12を配置する。また、第2接合板部10bの先端側及び小梁1の端部側にそれぞれ貫通形成されたボルト挿通孔と、一対のスプライスプレート11、12のボルト挿通孔とが連通するようにし、これら連通したボルト挿通孔に高力ボルト13を挿通し、ナットを締結する。なお、第2接合板部10bの先端と小梁1の端部の間には所定の隙間を設けることが好ましい。
これにより、スプライスプレート11、12を介して小梁1の端部が接合用T型部材10の第2接合板部10bにボルト接合され、さらにスプライスプレート11、12と接合用T型部材10を介して、小梁1の端部が大梁2に接合される。
したがって、本実施形態の鉄骨梁の接合構造Aにおいては、接合用T型部材10の第1接合板部10aを一方の鉄骨梁の大梁2にボルト接合し、第2接合板部10bと他方の鉄骨梁の小梁1の端部側にスプライスプレート11、12をボルト接合することにより、接合用T型部材10及びスプライスプレート11、12を介し、溶接作業を行うことなくボルト接合だけで大梁2と小梁1を接合することができる。
これにより、一次加工した鉄骨梁を直接現場搬入して鉄骨梁同士を接合して鉄骨造の建物を構築することができ、従来と比較し、鉄骨梁の運搬、接合作業に要する手間やコストを大幅に低減することが可能になる。
また、本実施形態の鉄骨梁の接合構造Aにおいては、溶接を用いることなく一方の鉄骨梁の大梁2と他方の鉄骨梁の小梁1とを接合できるため、例えば冷凍倉庫の建設時、寒冷地での施工時など、冷温の周辺環境であっても好適に接合作業を行うことができる。
以上、本発明に係る鉄骨梁の接合構造の一実施形態について説明したが、本発明は上記の一実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
例えば、本実施形態では、一方の鉄骨梁が大梁2で、他方の鉄骨梁が小梁1であるものとしたが、必ずしもこれに限定しなくてもよく、本発明は鉄骨の梁同士を接合するあらゆるケースに適用可能である。
また、本実施形態では、2枚のスプライスプレート11、12を用いるようにしているが、勿論、1枚のスプライスプレートをボルト接合して接合構造Aを構成してもよい。
1 小梁(他方の鉄骨梁)
1a ウェブ
2 大梁(一方の鉄骨梁)
2a ウェブ
3 ガセットプレート
4 溶接部
5 ボルト接合部
10 接合用T型部材
10a 第1接合板部
10b 第2接合板部
11 スプライスプレート
12 スプライスプレート
13 高力ボルト

Claims (1)

  1. 一方の鉄骨梁に他方の鉄骨梁の端部を接合する鉄骨梁の接合構造であって、
    第1接合板部、及び該第1接合板部の一面に端部を接合して突設された第2接合板部を備えてT型に形成された接合用T型部材と、スプライスプレートとを備えており、
    前記接合用T型部材の第1接合板部を前記一方の鉄骨梁にボルト接合し、前記スプライスプレートを前記第2接合板部と前記他方の鉄骨梁の端部側にボルト接合し、
    前記接合用T型部材及び前記スプライスプレートを介して前記一方の鉄骨梁に前記他方の鉄骨梁の端部を接合するように構成されていることを特徴とする鉄骨梁の接合構造。
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