JP2015181993A - 金属吸着剤、水処理用タンク及び水処理システム - Google Patents

金属吸着剤、水処理用タンク及び水処理システム Download PDF

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昭子 鈴木
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Abstract

【課題】 実施形態は、重金属、特に希土類金属に対して高い選択性を有する金属吸着剤を提供する。【解決手段】実施形態の金属吸着剤は、担体と、担体と接続した配位子を有し、配位子は、カルボキシル基と、アミンと、水酸基の官能基をそれぞれ1種有する。【選択図】 なし

Description

実施形態は、金属吸着剤、水処理用タンク及び水処理システムに関するものである。
金属は古くから多くの産業に利用されてきたが、その多くが有害であるため、汚染された工場排水により過去に様々な公害を引き起こした。近年では金属は極低濃度まで除去されるようになったが、その除去技術の大半は凝集沈殿処理であり、金属はスラッジ化され埋め立て処分されている。金属は放流すれば有害であるが、回収すれば有価物になるものも少なくない。溶液中に含まれる金属を回収する方法には、沈殿分離法、電解法、溶媒抽出法、イオン交換樹脂法、キレート樹脂法などがあげられ、排水の重金属処理には、極低濃度まで処理可能なキレート樹脂法がよく用いられる。吸着材、イオン交換樹脂を利用した回収には金属とキレート形成が可能なイミノ二酢酸型樹脂またはポリアミン型樹脂または強酸性イオン交換樹脂が用いられる。
上記の樹脂は金属選択性の観点で問題があり,多種の金属が含まれる被処理水から特定の金属を選択的に抽出することは困難である。特に都市鉱山のリサイクル工程や鉱山尾液等には多種大量の金属が被処理水中に含まれるため、希土類等の有価物を回収することは難しい。
特開2012−172232
実施形態は、重金属、特に希土類金属に対して高い選択性を有する金属吸着剤を提供する。
実施形態の金属吸着剤は、担体と、担体と接続した配位子を有し、配位子は、カルボキシル基と、アミンと、水酸基の官能基をそれぞれ1種有する。
図1は、実施形態の吸着剤を用いた水処理システムの概念図である。 図2は、配管と接続した水処理用タンクの概念図である。
実施形態の金属吸着剤は、担体と、担体と接続した配位子を有する。実施形態の金属吸着剤は、重金属(イオン)に対し、高い選択性を有する。本実施形態において、吸着対象の金属は一般に水中に含まれているため、正の電荷を持つ重金属イオンである。金属は、実施形態の配位子と結合構造をとる金属であれば限定されるものではないが、特にランタノイド、アクチノイド、第4、第5周期の遷移金属が好ましい。高い選択性でもって、吸着が可能な金属としては、鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、カドミウム、希土類金属を挙げることができる。この中でも、特にランタン、セリウム、ネオジム、ユウロピウム、ガドリニウム、ディスプロシウムなどの希土類金属に対して高い選択性を有する。
(担体)
実施形態の担体は、配位子を担持するものであれば特に限定されない。担体の具体例としては、スチレンジビニルベンゼン樹脂、ジビニルベンゼン樹脂、アクリル樹脂、シリカゲル、アルミナ、カオリン、マイカ、タルク、クレイ、水和アルミナ、ウォラストナイト、鉄粉、チタン酸カリウム、酸化チタン、酸化亜鉛、炭化ケイ素、窒化ケイ素、炭酸カルシウム、炭素、硫酸バリウム、フェライトなどが挙げられる。
これらの担体は、吸着量や取り扱い容易性の観点から平均一次粒径が30μm以上1000μm以下の範囲にあることが好ましく、100μm以上500μm以下の範囲がより好ましい。なお、担体の平均一次粒径は、実施形態の吸着剤を、SEM(Scanning Electron Microscope)で観察することによって測定することができる。
この中でフェライトなどの磁性体を担体として用いると、磁気を用いた応用が可能である。例えば、撹拌装置を別途設けることなく、金属吸着材自体を磁気撹拌することで金属吸着材を被処理水と積極的に接触させることができる。これにより吸着処理時間短縮を図ることができる。また、金属吸着材を回収する際、磁気を使って容易に回収でき、システム簡素化、メンテナンス性向上を図ることができる。
一方、金属吸着材の処理量はその表面積によって異なる。システムの小型化が必要な場合などには単位体積当たりまたは単位重量当たりの吸着量が大きいほうが好ましく、細孔構造を持つ担体を使用することが推奨される。従って、多孔質構造の担体を用いるのが好ましい。
(配位子)
実施形態の配位子は、カルボキシル基と、アミンと、水酸基の官能基をそれぞれ1種有する有機化合物である。吸着対象の金属は正電荷をもつイオンとして存在する。金属とカルボキシル基や水酸基との反応機構は定かではないが、それぞれの官能基に近づいたときに結合が生じ、吸着されるものと推定される。カルボキシル基と、アミンと、水酸基をそれぞれ1種有する配位子は、金属イオンとキレート結合を形成する。金属イオンとキレート結合形成する配位子はイミノジ酢酸型配位子が最も一般的であるが、近接する位置にカルボキシル基を複数持つ配位子構造は様々な金属とのキレート形成能が強く金属選択性を得ることは難しい。これに対して、本発明では複数のカルボキシル基によるキレート結合形成を利用しないため、重金属、特に希土類金属に対して高い選択性を有すると考えられる。なお、カルボキシル基および水酸基が互いに隣接していない場合(リンカーが長すぎる場合)、キレート構造の安定性が低いため、配位子と金属との結合が不十分となり、特に希土類金属を高い選択性で吸着することができないと考えられる。なお、希土類金属はそれぞれ非常によく似た性質を持つ金属であり、本吸着材で希土類同士の分離はできないが、希土類とそれ以外の金属の分離に好適であると考えられる。
配位子は、(1)乃至(3)の一般式のうちの1種以上の有機化合物であることが好ましい。これらの有機化合物は、カルボキシル基と、アミンと、水酸基の官能基をそれぞれ1種有し、かつ、カルボキシル基および水酸基が互いに近接している。なお、一般式中のXは、担体と接続するか、担体と接続した架橋構造と接続する。(1)乃至(3)の一般式中のLからLは、炭素数0から2の主鎖を有する飽和炭化水素であることが好ましい。LからLの炭素数が0から2であると、カルボキシル基および水酸基の距離が、高い選択性で重金属を吸着する観点からから好ましい。LからLの炭素数が0は、何も無く、Lを介さずに元素が接続することを表す。
また、飽和炭化水素は、金属吸着を阻害しないような側鎖を有してもよい。具体的な側鎖としては、C2n+1で表されるnが0以上2以下の側鎖を有してもよい。nが0は、側鎖のないことつまり主鎖が水素と結合することを示す。また、側鎖は水酸基を含んでもよい。
一般式(1)の構造を有する化合物としてはN−ヒドロキシメチルグリシン、N−ヒドロキシエチルグリシン、N−ヒドロキシメチル−β−アラニン、N−ヒドロキシエチル−β−アラニンを例示することができる。
一般式(2)の構造を有する化合物としては4−アミノ−3ヒドロキシ酪酸、4−アミノ−2ヒドロキシ酪酸、イソセリン、2−ヒドロキシ−β−アラニンを例示することができる。
一般式(3)の構造式を有する化合物としては2−アミノ−2−メチル−3−ヒドロキシプロピオン酸、トレオニン、セリンを例示することができる。
アミンは金属吸着に寄与する官能基としての働きだけではなく、担体表面との架橋部としての役割を果たす。配位子は、直接担体と接続してもよいし、架橋構造と接続してもよい。架橋構造は、主に配位子を担体に導入するために用いられるシランカップリング剤などの化合物に含まれる構造であり、金属吸着に悪影響を及ぼすものでなければ特に限定されない。架橋構造としての具体例を、(4)乃至(7)の一般式に示す。一般式(5)は、オルト位、メタ位、パラ位のいずれかの構造である。(5)の一般式中のLは、炭素数0から2の主鎖を有する飽和炭化水素であることが好ましい。Lの炭素数が0は、何も無く、Lを介さずに元素が接続することを表す。Lの飽和炭化水素は、LからLの飽和炭化水素と同様の側鎖を有することが好ましい。一般式(4)乃至(7)中のXは一般式(1)乃至(3)を表す。X3は担体を表す。
(製造方法)
以下に本実施形態の吸着剤の製造方法について、具体例を用いて説明する。
(カルボキシル基保護)
カルボキシル基の保護は活性プロトンをもつ高極性官能基であり、扱いやすくするため保護した後に反応させる。一般的なエステル縮合条件を用いて、エステル型にして保護する。
一例を以下に記すが、これに限ったものではない。
まず、一般式(3)の配位子としてセリンをメタノールに溶解させ、これを0℃に冷却する。ここに塩化チオニルを加え、6時間撹拌する。室温に戻し、溶媒を留去し、カルボキシル基を保護した化合物を得ることができる。このようにして得られた化合物に以下の方法によってビニル基を導入することができる。また、エポキシ基との結合を利用した固体担持を行うことも可能である。一般式(1)と(2)の配位子も同様にカルボキシル基の保護を行うことができる。
(配位子へのビニル基(架橋構造)の導入)
ビニル基の原料として、1−クロロメチル−4−ビニルベンゼンを利用する方法を以下に説明する。1−クロロメチル−4−ビニルベンゼンと上述のカルボキシル基を保護した配位子をメタノール還流すると、配位子に含まれるアミンにビニルベンゼンが結合した化合物が得られる。これらの化合物はカルボンキシル基が保護された状態であるため、強塩基性溶液等、一般的な脱保護条件で脱保護を行う。この操作により一般式(5)の架橋構造と配位子が接続した化合物を得ることができる。ビニル基が導入された化合物はラジカル重合により高分子化することができる。ビニル基が導入された化合物と担体を反応させることで、実施形態の金属吸着剤を得ることができる。
(エポキシ基への導入)
エポキシ基への導入の一例として3−グリシドキシプロピルトリメトキシシランとの反応を説明する。上述のカルボキシル基を保護した配位子と3−グリシドキシプロピルトリメトキシシランをメタノール還流すると、配位子に含まれるアミンと3−グリシドキシプロピルトリメトキシシランが結合し、これをシリカゲルに担持すると、一般式(7)を架橋構造とした吸着剤を得ることができる。3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシランを同様に用いると一般式(6)を架橋構造とした吸着剤を得ることができる。3−グリシドキシプロピルトリエトキシシランまたは3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシランを用いてもよい。
エポキシ基を持つアクリル担体、スチレンジビニルベンゼン担体やエポキシ基を修飾したセルロースに直接上述のカルボキシル基を保護した配位子を反応させてもよい。セルロースにエポキシ基を修飾する方法としては特開2010−284607に記載の方法があげられ、このエポキシ基修飾セルロースと一般式(1)乃至(3)の化合物を24時間メタノール還流すると、配位子に含まれるアミンがエポキシ基と反応し、一般式(4)に示した架橋構造を持つ吸着剤を得ることができる。また、メタクリル酸グリシジルを重合した粒子にカルボキシル基を保護した配位子を反応させても一般式(4)に示した架橋構造を持つ吸着剤を得ることができる。
(吸着材を用いた水処理システム及び吸着剤の使用方法)
次に、上述した吸着剤を用いた水処理システム及びその使用方法について説明する。実施形態の水処理システムは、吸着剤を具備する吸着手段と、吸着手段へ金属イオンを含有する被処理媒体を供給する供給手段と、吸着手段から被処理媒体を排出する排出手段と、吸着手段の供給側または排出側の少なくとも一方に設けられた被処理媒体中の金属イオンの含有量を測定するための測定手段と、測定手段からの情報に基づき求められる値が予め設定した値に達した時に前記供給手段から吸着手段への被処理媒体の供給量を減じるための制御手段と、を有する。
図1は、本実施形態における金属イオン吸着に使用する装置の概略構成と処理システムを示す概念図である。
図1に示すように、本装置においては、上述した吸着剤が充填された水処理用タンク(吸着手段)T1及びT2が並列に配置されるとともに、水処理用タンクT1及びT2の外方には接触効率促進手段X1及びX2が設けられている。接触効率促進手段X1及びX2は、機械攪拌装置又は非接触の磁気攪拌装置とすることができるが、必須の構成要素ではなく省略してもよい。
また、水処理用タンクT1及びT2には、排水供給ライン(供給手段)L1、L2及びL4を介して、金属イオンを含む排水(被処理媒体)が貯留された排水貯留タンクW1が接続されており、排水排出ライン(排出手段)L3、L5及びL6を介して外部に接続されている。
なお、供給ラインL1、L2、及びL4には、それぞれバルブ(制御手段)V1、V2、及びV4が設けられており、排出ラインL3及びL5には、それぞれバルブ(制御手段)V3及びV5が設けられている。また、供給ラインL1にはポンプ(制御手段)P1が設けられている。さらに、排水貯留タンクW1、供給ラインL1及び排出ラインL6には、それぞれ濃度測定手段(測定手段)M1、M2及びM3が設けられている。
また、上述したバルブ、ポンプの制御及び測定装置における測定値のモニタリングは、制御手段C1によって一括集中管理されている。
図2に、配管4(L2−L4)と接続した吸着剤が充填された水処理用タンクT1、T2の概念断面図を示す。水処理用タンクT1、T2は、実施形態の金属吸着剤を具備する。図中の矢印は処理水(金属イオンを含有する被処理媒体)の流れる方向を表している。水処理用タンクT1、T2は、吸着剤1と、吸着剤1を収容するタンク2と、吸着剤がタンク2外に漏出しないための仕切り板3から構成される。水処理用タンクT1、T2としては、タンク2そのものが交換可能なカートリッジ型の形態でも良いし、タンク2内の吸着剤を交換可能な形態でもよい。金属イオン以外にも吸着して回収させるものがある場合は、他の吸着剤をタンク2に収容することができる。
次に、図1に示す装置を用いた金属イオンの吸着操作について説明する。
最初に、水処理用タンクT1及びT2に対して、排水をタンクW1からポンプP1により排水供給ラインL1、L2及びL4を通じて水処理用タンクT1及びT2に供給する。このとき、排水中の金属イオンは水処理用タンクT1及びT2に吸着され、吸着後の排水は排水排出ラインL3、L5を通じて外部に排出される。
この際、必要に応じて接触効率促進手段X1及びX2を駆動させ、水処理用タンクT1及びT2内に充填された吸着剤と排水との接触面積を増大させ、水処理用タンクT1及びT2による金属イオンの吸着効率を向上させることができる。
ここで、水処理用タンクT1及びT2の、供給側に設けた濃度測定手段M2と排出側に設けた濃度測定手段M3により水処理用タンクT1及びT2の吸着状態を観測する。吸着が順調に行われている場合、濃度測定手段M3により測定される金属イオンの濃度は、濃度測定手段M2で測定される金属イオンの濃度よりも低い値を示す。しかしながら、水処理用タンクT1及びT2における金属イオンの吸着が次第に進行するにつれ、供給側及び排出側に配置された濃度測定手段M2及びM3における前記金属イオンの濃度差が減少する。
したがって、濃度測定手段M3が予め設定した所定の値に達し、水処理用タンクT1及びT2による金属イオンの吸着能が飽和に達したと判断した場合は、濃度測定手段M2、M3からの情報に基づき、制御手段C1がポンプP1を一旦停止し、バルブV2、V3及びV4を閉め、水処理用タンクT1及びT2への排水の供給を停止する。
なお、図1には図示していないが、排水のpHが変動する場合、あるいはpHが強酸性あるいは強アルカリ性であって本実施形態に係る吸着剤に適したpH領域を外れている場合には、濃度測定手段M1または/およびM2により排水のpHを測定し、制御手段C1を通じて排水のpHを調整してもよい。実施形態の金属イオン吸着剤の金属イオン吸着の好適なpHは、例えば、2以上9以下である。
水処理用タンクT1及びT2が飽和に達した後は、適宜新規な吸着剤が充填された水処理用タンクと交換し、金属イオン吸着が飽和に達した水処理用タンクT1及びT2は、適宜必要な後処理に供される。水処理タンクから金属イオンを抽出する場合、例えば、1Nの硝酸で洗う等すればよい。
吸着した金属イオンは金属イオン吸着後のタンクに0.1Nから1Nの酸を通水するか、もしくは吸着剤を酸に浸漬することで溶液中に抽出することができる。使用される酸としては塩酸、硝酸、硫酸などの鉱酸が価格の点から好んで用いられるが、これに限ったものではない。また、抽出剤としてキレート試薬を用いてもよい。キレート試薬としてはEDTA,DTPA,HEDPなどがあげられるが、これに限ったものではない。
なお、上記例では、水処理用タンクを用いた排水中の金属イオンの吸着システム及び操作について説明したが、上述のようなタンク中に金属イオンを含む排ガスを通気することにより、排ガス中の金属イオンを吸着除去することもできる。
次に、実施例により本発明を更に詳細に説明する。
(実施例1)
メタノール100mlを−10℃に冷却し、塩化チオニル2.0mlを加え撹拌する。ここにN−ヒドロキシエチルβアラニンを1.0gを加え、徐々に室温にもどした。室温で1日撹拌した後、減圧濃縮し、エーテルを加え、析出した結晶をろ過する。メタノールおよびエーテルを用い、再結晶することにより、メチルエステル化したN−ヒドロキシエチルβアラニン塩酸塩を得た。得られた化合物を1.0gと1−クロロメチル−4−ビニルベンゼンを0.83mlとをメタノールに溶解させ、10時間リフラックスさせた。ここに1規定の水酸化ナトリウム水溶液を10ml加え、脱保護した。脱保護処理した溶液を塩酸で中和した後に、クロロホルムで抽出した。抽出溶媒を留去した後に、脱保護した化合物とスチレンを2.0mlとジビニルベンゼンを0.2mlとを0.1wt%のPVA(ポリビニルアルコール)および塩化ナトリウム0.4gを含む水溶液に加え懸濁させた。懸濁溶液に0℃、窒素条件下でAIBN(アゾビスイソブチロニトリル)4.0mgを加えた。AIBNの添加後、徐々に80℃まで反応温度を上昇させて吸着剤を得た。得られた吸着剤をエタノールで洗浄し、真空乾燥させ、粒状吸着剤を得た(実施例1の吸着剤は、配位子が一般式(1)に、架橋構造が一般式(5)に対応する)。
実施例1で得られた吸着剤は以下のとおり試験した。銅、ジスプロシウム、亜鉛、コバルト、鉄をそれぞれ0.1mMの濃度で含む被処理水を0.2Mの酢酸アンモニウム緩衝液で調整した。pH調整剤として塩酸を用い、被処理水をpH3.0に調整した。被処理水50mlに対して吸着剤50mgを添加し、MIX RORTAR 100 rpmで24時間撹拌した。撹拌後、溶液中から吸着剤をろ過した。吸着処理前後の溶液中の金属濃度をICPで測定し、金属除去率(%)を求めた。結果を表1に示した。
金属除去率を試験して金属イオンを吸着させた吸着剤50mg(乾燥質量)を50mlの0.1規定塩酸に浸漬しMIX RORTAR100rpmで3時間撹拌した。撹拌後、溶液中から吸着剤をろ過した。金属イオン除去率の測定方法と同様の方法で、溶液中の各イオン濃度測定を行った。溶出率は、測定結果を基に、(金属溶出量)/(金属除去率から求められた吸着量)の式から求めた。
(実施例2)
実施例1で得たメチルエステル化N−ヒドロキシエチルβアラニン塩酸塩を1.0gと3−グリシドキシプロピルトリメトキシシランを1.3mlとをメタノールに溶解させ、還流下で撹拌した。ここに関東化学製シリカゲル60N(中性、球状)0.5g加え、5時間還流下で撹拌して吸着剤を得た。得られた吸着剤を1Nの塩酸に浸漬し、1時間静置した。これをろ過し、エタノール洗浄、真空乾燥させ、シリカゲル担持吸着剤を得た(実施例2の吸着剤は、配位子が一般式(1)に、架橋構造が一般式(7)に対応する)。得られた吸着剤の性能を実施例1に記載の通りに試験し、結果を表1に示した。
(実施例3)
N−ヒドロキシエチルβアラニンのかわりに4−アミノ−3ヒドロキシ酪酸を0.89g用いた以外は実施例1と同様の方法でメチルエステル化したN−ヒドロキシエチルβアラニン塩酸塩を得た。得られた化合物を1.0gと3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシランを1.35mlとをメタノールに溶解させ、還流下で撹拌した。ここに関東化学製シリカゲル60N(中性、粒状)0.5gを前記溶液に加え、5時間還流下で撹拌してスラリー状物を得た。得られたスラリーをろ過後、1Nの塩酸に浸漬し、1時間静置した。これをろ過し、エタノール洗浄、真空乾燥させ、シリカゲル担持吸着剤を得た(実施例3の吸着剤は、配位子が一般式(2)に、架橋構造が一般式(6)に対応する)。得られた吸着剤の性能を実施例1に記載の通りに試験し、結果を表1に示した。
(実施例4)
N−ヒドロキシエチル−β−アラニンのかわりにセリンを2gと塩化チオニルを4.9mlとを使用した以外は実施例1と同様にセリンのカルボキシル基保護を行った。得られたメチルエステル化セリン塩酸塩を1.0gと特開2010−284607に記載の方法で得たエポキシ基修飾セルロースを1.0gとをメタノール中で5時間還流してスラリー状物を得た。得られたスラリーに1Nの水酸化ナトリウムを加え、5時間撹拌した。これをろ過後、エタノール洗浄、真空乾燥させ、セルロース担持吸着剤を得た(実施例4の吸着剤は、配位子が一般式(3)に、架橋構造が一般式(4)に対応する)。得られた吸着剤の性能を実施例1に記載の通りに試験し、結果を表1に示した。
(実施例5)
担体としてメタクリル酸グリシジル粒状体(エポキシ基を有する担体)を1.0g用いた以外は実施例4と同様にしてアクリル樹脂担体を用いた粒状吸着剤を得た(実施例5の吸着剤は、配位子が一般式(3)に、架橋構造が一般式(4)に対応する)。
(比較例1)
比較例として市販の10mgのイミノジ酢酸系キレート樹脂を吸着剤として用い、実施例1に示した通り試験した。
(比較例2)
比較例として市販の10mgのポリアミン系キレート樹脂を吸着剤として用い、実施例1に示した通り試験した。
A:良い、B:悪い、C:非常に悪い
実施例の結果から本発明の吸着材は比較例に対して銅、亜鉛、コバルト、鉄に比べて希土類を吸着しやすいといえる。その結果、どの金属についても吸着量の95%以上の金属の溶出が確認された。これに対して比較例1の吸着材は各50%以下、比較例2の吸着剤は各60%以下にとどまった。
以上、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は例として掲示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
T1、T2:水処理用カラム、P1:ポンプ、M1、M2、M3:濃度測定手段、C1:制御手段、W1:排水貯留タンク、L1、L2、L4:排水供給ライン、L3、L5、L6:排水排出ライン、V1、V2、V3、V4、V5:バルブ、X1、X2:接触効率促進手段、1:吸着剤、2:タンク、3:仕切り板、4:配管

Claims (5)

  1. 担体と、
    前記担体と接続した配位子を有し、
    前記配位子は、カルボキシル基と、アミンと、水酸基の官能基をそれぞれ1種有することを特徴とする金属吸着剤。
  2. 前記配位子は、一般式(1)乃至(3)のうちの1種以上の構造を有し、
    前記一般式中のXは前記担体と接続し、又は、前記一般式中のXは前記担体と接続した架橋構造と接続し、
    前記一般式(1)乃至(3)中のLからLは、炭素数0から3の主鎖を有する飽和炭化水素であり、
    前記飽和炭化水素は、C2n+1で表されるnが0以上2以下の側鎖を有することを特徴とする金属吸着剤。
  3. 前記架橋構造は、一般式(4)乃至(7)のうちの1種以上の構造を有し、
    前記一般式(4)乃至(7)のXは、前記一般式(1)乃至(3)のXと接続し、
    前記一般式(4)乃至(7)のXは、前記担体と接続し、
    前記一般式(5)中のLは、炭素数0から3の主鎖を有する飽和炭化水素であり、
    前記飽和炭化水素は、C2n+1で表されるnが0以上2以下の側鎖を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の金属吸着剤。
  4. 前記請求項1乃至3のいずれか1項に記載の金属吸着剤を備えたことを特徴とする水処理用タンク。
  5. 前記請求項1乃至3のいずれか1項に記載の金属吸着剤を具備する吸着手段と、
    吸着手段へ金属イオンを含有する被処理媒体を供給する供給手段と、
    前記吸着手段から前記被処理媒体を排出する排出手段と、
    前記吸着手段の供給側または排出側の少なくとも一方に設けられた前記被処理媒体中の金属イオンの含有量を測定するための測定手段と、
    前記測定手段からの情報に基づき求められる値が予め設定した値に達した時に前記供給手段から吸着手段への被処理媒体の供給量を減じるための制御手段と、を有する水処理システム。
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